JP2005037792A - 液晶表示素子用シール剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 液晶に対する非汚染性に優れた液晶表示素子用シール剤組成物を提供する。
【解決手段】 主剤及び硬化触媒を必須成分として含有し、前記主剤は溶解度パラメータが17(MPa)1/2以下の反応性化合物を5〜100重量%含む液晶表示素子用シール剤組成物である。
である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、非液晶汚染性に優れた液晶表示素子用シール剤組成物に関する。
近年、携帯機器の小型化、薄型化および軽量化に伴い、これらに使用される液晶表示装置の薄型化が急激に進められている。また、液晶表示画面の大型化及び低価格化という相反する要求も強くなってきている。
液晶表示素子は従来、次のようにして製造されている。まず、一方の基板にシール剤を塗布後、ビーズ状のスペーサー剤を散布した他の基板を重ね合わせてシール剤を加熱硬化させ、空パネルを製造する。次に、この空パネルを適宜切断後、減圧下で液晶を注入口より注入して液晶表示素子とする。ところで、この方法では、液晶の注入に時間がかかるという問題がある。特に、基板サイズの大型化や、液晶の応答速度短縮のためのパネルギャップ薄型化に伴い、この問題が顕著になっている。
このようなことから、ODF(One Drop Fill)方式が検討されている。この方法は、次のようにして行われる。まず、TFT等の駆動トランジスタを形成した側の基板にシール剤を塗布後、さらにこの基板に液晶を塗布する。そして、この基板に、ビーズ状のスペーサー剤を散布した(又はホトスペーサーを形成した)カラーフィルター側基板を貼り合わせ、シール剤を硬化させて液晶表示素子とする。但し、この方法は液晶注入が不要であるが、基板上で液晶と未硬化液晶表示素子用シール剤組成物とが接触するため、エポキシ樹脂等のシール剤成分が液晶を汚染する問題がある。特に、カラーフィルターがブラックマトリックス等を備えている場合、シール剤硬化のための紫外線がこの部分で遮光され(以下、「陰影部」という)、未硬化のシール剤が残って液晶の汚染域(配向不良域)が増大する。
そこで、ODF方式に用いるシール剤の液晶汚染の防止策として、通常より分子量が高く、1分子中にアクリル基(メタクリル基)とエポキシ基とを持つ、部分アクリル化(部分メタクリル化)エポキシ樹脂が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開2001−133794号
しかしながら、この技術の場合、エポキシ樹脂を部分アクリル化(メタクリル化)すると、アクリル(メタクリル)化されないエポキシ樹脂や、全てアクリル(メタクリル)化されたアクリル(メタクリル)樹脂が樹脂組成物中に混在することになる。そして、これらの成分は、特に上記陰影部における液晶汚染を防止できないため、液晶汚染改善効果が充分でない。
本発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであり、液晶に対する非汚染性に優れた液晶表示素子用シール剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題について鋭意研究した結果、液晶表示素子用シール剤組成物の主剤の溶解度パラメータと液晶の溶解度パラメータの値が液晶汚染性に影響を与えることを突き止め、本発明の完成に至った。ここで、以後、溶解度パラメータを「SP値」と略記し、その単位を(MPa)1/2とする。又、必要に応じ、主剤の溶解度パラメータを「SP」と略記し、液晶の溶解度パラメータを「SP」と略記する。
つまり、液晶表示素子用シール剤組成物の主剤として、通常はエポキシ樹脂、上記した部分アクリル(メタクリル)化エポキシ樹脂、及びアクリル(メタクリル)樹脂が使用されているが、それらのSP値は17〜25(MPa)1/2であり、液晶のSP値(17〜24(MPa)1/2)と同等のため、液晶に比較的溶解し易く、液晶汚染性は大きい。そこで、液晶のSP値より小さいSP値(17(MPa)1/2以下)を示す反応性化合物を成分として含む主剤を用いることで、非液晶汚染性が大幅に改善されることが判明した。
従って、本発明の液晶表示素子用シール剤組成物は、所定の反応性化合物を含む主剤と、硬化触媒とを必須成分として含有し、前記主剤の溶解度パラメータSPと、使用対象となる液晶の溶解度パラメータSPとが、0<SP<SPの関係を満たすことを特徴とする。
又、本発明の液晶表示素子用シール剤組成物は、主剤及び硬化触媒を必須成分として含有し、前記主剤は溶解度パラメータが17(MPa)1/2以下の反応性化合物を5〜100重量%含むことを特徴とする。
前記反応性化合物が変性フッ素樹脂又は変性フッ素シリコーン樹脂であることが好ましい。
本発明の液晶表示素子用シール剤組成物は、液晶に対する非汚染性、作業性、形状保持性、硬化性、及び耐湿性に優れ、特にODF(One Drop Fill)方式による液晶表示装置の製造に好適に使用可能である。
以下本発明の実施形態について説明する。本発明の液晶表示素子用シール剤組成物は、主剤、硬化触媒を必須成分として含有している。
1.主剤
本発明の第1の実施形態で使用する主剤は、1分子中に1個以上の熱及び/又は光により硬化する反応性基を有する後述の反応性化合物を含み、この主剤の溶解度パラメータ(SP)と液晶の溶解度パラメータ(SP)とが、0<SP<SPの関係式を満足するものである。このようにすると、主剤と液晶の溶解度パラメータが異なるので、主剤が液晶に溶解し難くなり、前述のようにブラックマトリクスの遮光により光硬化又は/及び熱硬化せずに未硬化のシール剤が残存した場合でも、液晶に対し優れた非汚染性を示す。主剤として、SP/SP≦0.8の関係を満たすものを用いるとより好ましい。又、SP≦19(MPa)1/2のものを使用するとより好ましい。反応性化合物は、主剤に対して好ましくは5〜100重量%、より好ましくは30〜100重量%配合するとよい。
本発明の第2の実施形態で使用する主剤は、以下の反応性化合物を主剤に対して5〜100重量%、好ましくは30〜100重量%含む。この反応性化合物は、1分子中に1個以上の熱及び/又は光により硬化する反応性基を有し、溶解度パラメータが17(MPa)1/2以下のものである。このようにすると、主剤に含まれる反応性化合物の溶解度パラメータと液晶の溶解度パラメータが異なるので、上記した第1の実施形態の主剤の場合と同様な理由により、主剤が液晶に溶解し難くなり、ブラックマトリクスの遮光により光硬化又は/及び熱硬化せずに未硬化のシール剤が残存した場合でも、液晶に対し優れた非汚染性を示す。主剤全体に対する上記反応性化合物の配合量が5重量%未満であると、主剤の液晶への溶解を防止できなくなるので好ましくない。
上記した本発明の第2の実施形態においては、特に、主剤と液晶の溶解度パラメータが、SP/SP≦0.8の関係を満たすように上記反応性化合物の配合量を調整すると、主剤と液晶の溶解度パラメータが異なり、主剤が液晶にさらに溶解し難くなるのでより好ましい。又、SP≦19(MPa)1/2となるように上記反応性化合物の配合量を調整するとより好ましい。
前記反応性化合物としては、硬化性(速硬化、低温硬化が可能)、基材との接着性の点でアクリル基、メタクリル基、エポキシ基の群から選ばれる少なくとも1種を反応性基として有する化合物であることが好ましい。一般に、溶解度パラメータ=(凝集エネルギ)1/2であるため、主剤の溶解度パラメータ(SP)を小さくするには凝集エネルギを小さくすればよい。そして、化合物の凝集エネルギを小さくするには、化合物中にフッ素やシリコン(Si)を導入すればよい。このようなことから、反応性化合物としては、含フッ素樹脂、シリコーン樹脂、含シリコーン樹脂が挙げられるが、シール剤硬化物の吸水率、透湿度が極めて小さく、水分による液晶品質の低下を抑え、液晶表示性能を長期間保持できる点で、フッ素ポリマ骨格を持つフッ素樹脂やフッ素シリコーン樹脂(変性フッ素樹脂、フッ素シリコーン樹脂)を用いるのが好ましい。
本発明に用いる主剤としては、上記反応性化合物に他の樹脂を配合してもよい。これらの成分としては、従来のシール剤組成物の主剤に用いられている、以下の部分アクリル化(部分メタクリル化)エポキシ樹脂、アクリル(メタクリル)樹脂、エポキシ樹脂を例示することができる。
a)部分アクリル化(部分メタクリル化)エポキシ樹脂
部分アクリル化(部分メタクリル化)樹脂としては、従来から公知のものを全て用いることができる。例えば、1分子あたり2個以上のエポキシ基を有する、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂のうち1種以上と、アクリル酸及び/又はメタクリル酸とを付加反応させることにより、部分アクリル化(部分メタクリル化)エポキシ樹脂が得られる。なお、上記エポキシ樹脂のエポキシ環と、上記アクリル酸及び/又はメタクリル酸との付加反応の結果、得られた生成物はアクリル(メタクリル)基及びヒドロキシ基を含有することとなる。上記した部分アクリル化(部分メタクリル化)エポキシ樹脂は、1種単独あるいは2種以上組み合せて使用することができる。又、1分子中にアクリル化された部分とメタクリル化された部分をともに有するものも含まれる。
b)アクリル(メタクリル)樹脂
アクリル(メタクリル)樹脂としては、例えば、ポリエステルアクリレート(メタクリレート)オリゴマ、ウレタンアクリレート(メタクリレート)オリゴマ、ポリエーテル(メタ)アクリレートオリゴマ、エポキシアクリレート(メタクリレート)オリゴマ、シリコーンアクリレート(メタクリレート)オリゴマ等を用いることができるが、光硬化性や基材との接着性の点で、ウレタンアクリレート(メタクリレート)オリゴマ、エポキシアクリレート(メタクリレート)オリゴマを使用するのが好適である。上記したアクリル(メタクリル)樹脂は、1種単独あるいは2種以上組み合わせて使用することができる。
c)エポキシ樹脂
エポキシ樹脂としては、一分子あたり2個以上のエポキシ基を持ったものであればよく、従来から公知のものを全て使用することができる。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂等がエポキシ樹脂として挙げられる。
特に、耐熱性や耐湿性に優れるビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂をエポキシ樹脂として用いるのが好ましい。又、エポキシ樹脂には、その合成過程で使用するエピクロルヒドリン由来の塩素が少量含まれるが、エポキシ樹脂における全塩素含有量は1500ppm以下とすることが好ましく、特に1000ppm以下とすることが好ましい。又、エポキシ樹脂に同重量のイオン交換水を加え、100℃、20時間の条件で抽出処理を行った後の水中塩素濃度が10ppm以下であることが好ましい。
以上述べたエポキシ樹脂は、1種単独あるいは2種以上組み合わせて使用することができる。
主剤を製造する方法としては、例えば、米国特許第4094911号公報、特開平1−216948号公報、特開平11−80315号公報に記載の方法が挙げられる。又、特開平10−287719号公報に記載の方法によって得られる末端反応性パーフルオロポリエーテルを、エポキシ変性又はアクリル(メタクリル)変性することによっても本発明の主剤を合成することができる。更に、特開平8−198926号公報に記載の方法によって得られる両末端ビニル基の含フッ素アミド化合物に対し、ヒドロシリル基を持つエポキシ変性シリコーン化合物を公知の方法で付加反応させることによっても本発明の主剤を合成できる。
本発明の主剤に用いる反応性化合物は、1種単独で使用してもよく、又2種以上を組み合せても使用できる。
又、主剤の配合量は、液晶表示素子用シール剤組成物全体の5〜95重量%、好ましくは10〜90重量%とする。上記範囲であれば、液晶に対し優れた非汚染性を示し、耐湿性の良いシール剤硬化物が得られる。
以下、主剤に用いる反応性化合物の具体例を構造式によって示すが、これらに限定されるものではない。なお、下記各構造式中の記号は、
a+bの平均値:5〜200
c+dの平均値:10〜200
e:5〜50
f:1〜10
g:5〜50
h:1〜10
i,j:1以上の整数
k+lの平均値:20〜200
を表す。ここで、上記及び以下の式中の「平均」とは、下記各構造式において、フッ素エーテル鎖(各構造式の−CFOCF−,−CFOCF−等)の重合度が異なるものが混在するため、分子量分布を持っていることから、その分布範囲を示すために平均値を規定したものである。
2.硬化触媒
上記主剤に含まれる反応性基と反応して主剤を硬化させるため、本発明のシール剤組成物は硬化触媒を含む。主剤に含まれる反応性基とは、上記反応性化合物が有する反応性基や、その他の樹脂である上記部分アクリル化(部分メタクリル化)エポキシ樹脂、アクリル(メタクリル)樹脂、エポキシ樹脂が有する反応性基である。そして、これらの反応性基に応じて、硬化触媒として熱硬化触媒を用いたり、光硬化触媒(光重合開始剤)を用いることができ、又、必要に応じて熱硬化触媒と光重合開始剤を併用することもできる。
熱硬化触媒は、主剤に含まれる(熱)反応性基の硬化剤や、硬化促進剤として機能するものであり、熱潜在性のものが液晶表示素子用シール剤組成物の保存安定性を向上させる点で好ましい。例えば、上記熱反応性基がエポキシ基の場合、熱硬化触媒としては、常温で固体であって熱硬化時に液化し、上記エポキシ基と反応するものを用いることができる。
このような熱硬化触媒としては、例えば、アミンアダクト系化合物、有機酸ヒドラジド、及びこれらをフッ素変性し、前記主剤との相溶性、反応性を高めたもの等を挙げることができる。
ここで、アミンアダクト系化合物としては、ジシアンジアミドや、味の素株式会社製の商品名アミキュア(アミキュアPN−23、アミキュアPN−H、アミキュアPN−31、アミキュアPN−D、アミキュアMY−24、アミキュアMY−H、アミキュアMY−D)が挙げられる。有機酸ヒドラジドとしては、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、イミノジ酢酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、味の素株式会社製の商品名アミキュア(アミキュアVDH、アミキュアUDH)、クエン酸トリヒドラジドが挙げられる。
熱硬化触媒の配合量は、エポキシ基を有する樹脂(化合物)中のエポキシ基の量(mol)に対し、(エポキシ基の量(mol))/(熱硬化触媒量(mol))で表されるエポキシ当量比に換算して0.7〜1.2とすることが好ましい。エポキシ当量比が1.2を超えると未反応の熱硬化触媒が残り、耐湿性に影響を与える恐れがあり、0.7未満であると未反応、未硬化のエポキシ樹脂が残り、液晶汚染の増大やシール剤硬化物の特性低下を引き起こす恐れがある。
また、熱硬化触媒は室温で固形状であるため、使用に際しては、粉砕および分級し、主剤(液状成分)中に三本ロール等で分散混練し、熱硬化触媒の最大粒子径を3μm未満とするのが好ましい。さらに、潜在性の熱硬化触媒の保存安定性を向上させるため、熱硬化触媒をマイクロカプセル化するか、又はシランカップリング剤等で予め表面処理等を行うのがよい。
以上述べた熱硬化触媒は、1種単独あるいは2種以上組み合せて使用することができる。
又、上記熱硬化触媒に加え、エポキシ基との反応性を促進する硬化促進剤を配合してもよい。特に、室温での保存安定性が良好で、100〜120℃に加熱した際にエポキシ基との反応性を促進する硬化促進剤を用いることが好ましい。
硬化促進剤としては、例えばイミダゾール誘導体である、2-メチルイミダゾール、2-メチルイミダゾリン、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニルイミダゾリン、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-エチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-メチルイミダゾール、1-シアBノエチル-2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-エチル-4-メチルイミダゾールのトリメリット酸付加物、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾールのトリメリット酸付加物、2-フェニルイミダゾールのイソシアヌル酸付加物が挙げられる。
硬化促進剤としては、又、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂100重量部、キュアダクトL−07N(商品名キュアダクト、四国化成工業社製)11重量部、及びキュアダクトP−0505(同上)20重量部でアダクトした化合物が挙げられる。
硬化促進剤としては、さらに、例えば、脂肪族ポリアミンの誘導体である、富士化成工業社製の商品名フジキュア(フジキュアFXR−1020、フジキュアFXR−1030、フジキュアFXR−1080)や、イミダゾールをエポキシ樹脂でマイクロカプセル化した旭化成社製の商品名ノバキュア(ノバキュアLSA−H0116、ノバキュアLSA−H0112、ノバキュアLSA−H0202、ノバキュアLSA−0117、ノバキュアHXA−3792)が挙げられる。
硬化促進剤としては、以上の他に、上記各硬化促進剤をフッ素変性し、前記主剤との相溶性、反応性を高めたもの等を挙げることができる。
硬化促進剤の配合量は、上記主剤100重量部に対し、0.1〜10重量部、特に0.5〜6重量部の範囲とすることが好ましい。配合量が0.1重量部未満であると硬化性が低下する場合があり、10重量部を超えると保存性が低下する場合がある。
また、上記硬化促進剤が室温で固形状の場合、使用に際しては、粉砕および分級し、更に三本ロール等で分散混練し、その最大粒子径を3μm未満とするのがよい。
以上述べた硬化促進剤は、1種単独あるいは2種以上組み合せて使用することができる。
本発明に用いる光重合開始剤としては、ラジカル系、カチオン系のものが例示できるが、カチオン系光重合開始剤はそれ自身がイオン性不純物となって、液晶を電気的に汚染する場合があるため、ラジカル系光重合開始剤を用いるのが好ましい。
ラジカル系光重合開始剤としては、従来から公知のものを全て用いることができ、例えば、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン、1-フェニル-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、ベンゾフェノン、1-{4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル}-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2-メチル-1{4-(メチルチオ)フェニル}-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1、オリゴ(2-ヒドロキシ-2-メチル-1-(4-(1-メチルビニル)フェニル)プロパノン(ESACURE KIP−150 LAMBERTI
S.p.A社製)、ESACURE KR−04(香川ケミカル社製)等のフェニルケトン類が挙げられる。
又、ラジカル系光重合開始剤として、上記フェニルケトン類を、米国特許5274179号公報、特許3310679号公報、特許3204976号公報、特開平7−89895号公報に記載の方法でフッ素変性したものを用いることもできる。
ラジカル系光重合開始剤として、さらに、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)(2,4,4-トリメチルペンチル)フォスフィンオキサイド、(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ジフェニルフォスフィンオキサイド等のベンゾイルフォスフィンオキサイド類を用いることもできる。
上記ラジカル系光重合開始剤のうち、光硬化時にVOC(揮発性有機化合物)の発生が少ない点から、液晶表示素子用としては、特に、上記ESACURE KIP−150、KR−04が好適である。
光重合開始剤の配合量は、反応性基(アクリル(メタクリル)基等の感光成分)を有する樹脂(化合物)100重量部に対し、1〜10重量部、特に2〜6重量部の範囲とすることが好ましい。光重合開始剤の配合量が1重量部未満であると、光重合性、シール剤の硬化性が低下する場合があり、配合量が10重量部を超えると液晶表示素子用シール剤組成物の保存性が低下する場合がある。
以上述べた光重合開始剤は、1種単独又は2種類以上組み合せて使用することができる。
本発明の液晶表示素子用シール剤組成物は、上記各成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、下記成分を配合することができる。
b)無機充填材、カップリング剤
本発明の液晶表示素子用シール剤組成物には、膨張係数を小さくするために、従来から公知の各種無機充填材を添加することができる。無機充填材としては、例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、酸化チタン、シリカチタニア、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、マグネシア、マグネシウムシリケート、タルク、マイカ等を挙げることができ、これらは1種単独あるいは2種類以上組み合せて使用することができる。特に、シリカ、アルミナ、タルクを1種単独あるいは2種類以上組み合せて使用することが好ましい。
無機充填材としては、最大粒径3μm以上のものの含有率が1重量%以下で、かつ平均粒子径0.5〜2μmのものを用いるのがよい。最大粒径3μm以上のものが1重量%を超えると、ガラス基板のギャップ出し精度が悪くなり、貼り合わせが困難になる。また、平均粒子径が0.5μm未満であると、粘度が高くなってニードルからのシール剤塗布量が低下し、塗布スピードの低下により生産性が劣化する。無機充填材の配合量は、液晶表示素子用シール剤組成物中全体に対し、10〜50重量%、特に20〜40重量%とするのが好ましい。配合量が10重量%未満であると、膨張係数が大となり、硬化後に歪みを生じさせる場合があり、配合量が50重量%を超えると、組成物の粘度が高くなり、後から添加するスペーサー剤の分散性やガラス基板のギャップ出し精度が悪くなる。
上記無機充填材は、予めシラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等のカップリング剤で表面処理することが好ましい。上記各カップリング剤は1種単独あるいは2種以上組み合せて使用することができる。特に、耐湿信頼性に優れ、吸湿劣化後の接着強度の低下が少ない液晶表示素子用シール剤組成物を得られる点で、シラン系カップリング剤を使用することが好ましい。
上記シラン系カップリング剤としては、例えば、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p-スチリルトリメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-フェニル-γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシプロピル)テトラスルフィド、γ-イソシアネートプロピルトリエトキシシランを用いることができる。
上記カップリング剤の配合量は、上記無機充填材100重量部に対して0.5〜5重量部程度とするのが好ましい。又、液晶表示素子用シール剤組成物として用いるエポキシ樹脂と、カップリング剤で表面処理した無機充填材とを予め減圧・混練処理するとより好ましい。これにより、無機充填材表面とエポキシ樹脂の界面の濡れが良好となり、耐湿信頼性が格段に向上する。また、上記界面の濡れが良好となることで、無機充填材の樹脂への分散性が向上し、破壊強度の高い樹脂が得られる。これにより、耐湿試験後もシール剤と基材(ガラス板等)との接着強度が低下することなく、シール剤の決壊により液晶パネルの形成不能を防止できる。又、上記カップリング剤を、無機充填材の表面処理用途とは別個に、液晶表示素子用シール剤組成物に配合してもよい。このようにすると、シール剤の基材(ガラス基板等)への接着性が向上する。この場合のカップリング剤の配合量は、液晶表示素子用シール剤組成物全体の0.5〜2重量%とする。
c)その他
本発明の液晶表示素子用シール剤組成物には、応力を低下させる目的で、シリコーンパウダー、シリコーンゴム、シリコーンオイル、又は熱可塑性樹脂(液状のポリブタジエンゴム、アクリルコアシェル樹脂等)を配合してもよい。さらに、液晶表示素子用シール剤組成物に、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の安定剤、界面活性剤、消泡剤、レベリング剤、イオントラップ剤、その他の添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で必要に応じて配合することができる。
本発明の液晶表示素子用シール剤組成物は、上記各成分を、同時にまたは別々に攪拌、混合および分散させて製造することができる。攪拌、混合、分散に用いる装置は特に限定されないが、攪拌装置及び加熱装置を備えたライカイ機、三本ロール、ボールミル、プラネタリーミキサー等を用いることができる。これら装置を適宜組み合わせてもよい。
本発明の液晶表示素子用シール剤組成物の粘度は、塗布性、形状保持性の点から通常、100〜1000MPa・s(25℃)とすることが好ましい。
以下、本発明を実施例、比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明はそれらによって限定されるものではない。又、特にことわらない限り、%、部はそれぞれ重量%、重量部を示す。
主剤の合成例1
下記式
で示される、両末端に酸フロライド基を有する含フッ素ポリエーテル化合物300g(COF:0.036mol)を、攪拌棒、温度計、ジムロート、及び滴下ロートを付した500mLの四つ口フラスコ内に仕込んだ。そして、窒素雰囲気下、2−ヒドロキシエチルメタクリレート5.62g、トリエチルアミン4.36g、及びBHT(ブチルヒドロキシトルエン)0.015gをヘキサフルオロメタキシレン30gに溶解した溶液を、このフラスコ内に滴下した。50℃で2時間熟成した後、パーフルオロアルカン系の溶媒(商品名:PF−5080、3M社製の主成分C18の溶媒)300g、及び純水200gをフラスコ内に添加し、分液してフラスコ下層の成分を回収した。更に、回収成分を2回水洗した後、メタノール200gで3回洗浄し、ヘキサン200gで2回洗浄し、65℃、267Paの条件下で2時間ストリップし、下記式で示される無色透明な液状化合物を得た。
得られた化合物は、粘度3860mPa・s、比重1.89、SP値12.6(MPa)1/2であった。この化合物を「主剤A」とする。
主剤の合成例2
下記式
で示される、両末端ビニル基の含フッ素アミド化合物500g(ビニル:0.17mol)、ヘキサフルオロメタキシレン500g、及び塩化白金酸を1,3-ジビニル1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンで変性した触媒のトルエン溶液(白金濃度0.5重量%)0.03gを、攪拌棒、温度計、ジムロート、滴下ロートを付した500ml四つ口フラスコ内に仕込んだ。そして、窒素雰囲気下、1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンと1,2-エポキシ-5-ヘキセンを反応して得た
で表される化合物(I)39.5gをこのフラスコ内に滴下し、85℃で6時間熟成した。フラスコ内のヘキサフルオロメタキシレン及び過剰の化合物(I)を100℃で留去した後、残った反応物に上記PF−5080を500g加えて希釈し、さらに活性炭30gを添加して20時間攪拌処理後、ろ別した。濾液を100℃、267Paの条件下で4時間ストリップし、下記式
示される無色透明な液状化合物を得た。得られた化合物は、粘度2450mPa・s、比重1.80、SP値14.3(MPa)1/2であった。この化合物を「主剤B」とする。
主剤として上記主剤AとビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名:RE−310S、日本化薬社製)とを用い、熱硬化触媒としてアミンアダクト系化合物(商品名:アミキュアVDH−J(上記した「アミキュアVDH」と同一の化合物であるが、これを粉砕して微粒子とし反応性を高めたもの、味の素株式会社製)を用い、光重合開始剤としてラジカル系光重合開始剤(ESACURE KIP−150、LAMBERTI S.p.A社製)を用い、無機充填材としてシリカを用い、これらを表1に示した組成で配合してプラネタリーミキサーで均一に混練し、次に三本ロールで固形原料の最大粒子径が3μm未満になるまで充分に混合分散し、得られた混合物を真空脱泡処理して液晶表示素子用シール剤組成物を得た。
主剤として上記主剤A及びBを用いたことの他は、他の成分は実施例1とまったく同一のものを用い、これらを表1に示した組成で配合し、実施例1とまったく同一の方法で液晶表示素子用シール剤組成物を得た。
主剤として上記主剤A、主材B、及び実施例1と同一のビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いたことの他は、他の成分は実施例1とまったく同一のものを用い、これらを表1に示した組成で配合し、実施例1とまったく同一の方法で液晶表示素子用シール剤組成物を得た。
比較例1
主剤として実施例1と同一のビスフェノールA型エポキシ樹脂を用い、又、エポキシ系樹脂成分としてビスフェノールA型エポキシメタクリレート(商品名:エポキシエステル3000M、共栄社化学社製)を配合したことの他は、他の成分は実施例1とまったく同一のものを用い、これらを表1に示した組成で配合し、実施例1とまったく同一の方法で液晶表示素子用シール剤組成物を得た。
比較例2
主剤としてナフタレン型エポキシ樹脂(商品名:EPICLON HP−4032D、大日本インキ化学社製)を用い、又、エポキシ系樹脂成分としてビスフェノールA型エポキシメタクリレート(商品名:エポキシエステル3000M、共栄社化学社製)を配合したことの他は、他の成分は実施例1とまったく同一のものを用い、これらを表1に示した組成で配合し、実施例1とまったく同一の方法で液晶表示素子用シール剤組成物を得た。
各実施例の液晶表示素子用シール剤組成物の組成を表1に示す。表1中の数値は重量%を示す。また、主剤として用いた成分のSP値(表中の単位:(MPa)1/2)も表1に示す。なお、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂は、分子中にフッ素原子を含まない。
評価
各実施例の液晶表示素子用シール剤組成物について特性評価を行った。
(1)粘度
各液晶表示素子用シール剤組成物について、JIS Z−8803に準じ、測定温度25℃でE型粘度計を用い、粘度の値が安定した時点から2分経過後の粘度を測定した。
(2)ポットライフ
予め、各液晶表示素子用シール剤組成物を褐色ポリエチレン製容器に密封保存して冷凍保管庫(−20℃)に保管しておく。次にこの保管庫から各液晶表示素子用シール剤組成物を取出し、3時間かけて解凍して各液晶表示素子用シール剤組成物の温度を25℃とした。試料が25℃になった時点でのE型粘度計による初期粘度に対する、24時間放置後の粘度変化率に基づいて、ポットライフ(可使用時間)を次のとおり評価した。
○:初期粘度に対する変化率が20%未満であり、ポットライフは良好かつ充分である。
△:初期粘度に対する変化率が21から40%であり、ポットライフにやや問題がある。
×:初期粘度に対する変化率が40%を超えており、ポットライフが短く不充分である。
(3)硬化膜透湿度
各液晶表示素子用シール剤組成物を、まず紫外線照射により光重合硬化(UV照射光量:2.5J/cm、UV照度:100mW/cm)し、次に加熱硬化(120℃、1時間)した。得られた硬化フィルムを100mm角のサイズに切り出し、試験片とした。そして、JIS K−7129に準じて、この試験片の透湿度試験を行い、40℃、24時間の条件下で膜厚100μm当たり透湿した水蒸気量を求めた。
(4)硬化膜吸水率
上記硬化フィルムを100mm角のサイズに切り出し、試験片とした。この試験片を室温下、水中に24時間浸漬後の重量増加量を求め、下記式により吸水率を算出した。
吸水率(%)=(浸漬後の重量増加量/浸漬前の重量)×100
(5)液晶の配向不良域の測定(耐液晶汚染性の評価)
各液晶表示素子用シール剤組成物に、スペーサー(直径5μmの短繊維シリカファイバー)1重量%を配合し、真空攪拌脱泡装置で分散、脱泡を行い、この混合物をシリンジに充填した。次に、予め配向膜(日産化学社:サンエバーSE―150)を形成しラビング処理を施したガラス基板を用意し、この基板上に、ディスペンサー装置を用いて線幅0.3mm、高さ0.1mmのパターンを描画した後、下記一般式
で表される液晶1(商品名:NKV−3−162−3、関東化学社製)と、下記一般式
で表される液晶2(商品名:E−2、関東化学社製)とを等量(モル換算)混合した液晶(混合液晶のSP値=21.0(MPa)1/2)を、ディスペンサー装置を用いて所定量だけ点塗布した。
次に、減圧下(13.3Pa)で、このガラス基板上に配向膜処理済みの別のガラス基板を重ね合せた。尚、この別のガラス基板には遮光部形成用のマスクが一部施されている。その後、両ガラス板に9.8kPaの荷重をかけて紫外線(照度100mW/cm2、光量2.5J/cm2)を照射し、仮止め(仮硬化)を行った後、大気圧に戻した。次いでホットプレスを用い、120℃、1時間の条件でシール剤の加熱硬化及び液晶の再配向を行い、液晶パネルを作成した。得られた液晶パネルについて、偏光顕微鏡でシール剤周辺の液晶の配向不良域を観察し、シール剤と液晶の界面からの液晶の配向不良幅を測定した。
(6)液晶の比抵抗の測定(耐液晶汚染性の評価)
各液晶表示素子用シール剤組成物の液晶汚染性を評価する方法として、以下のようにして各液晶表示素子用シール剤組成物により液晶を処理し、その液晶の比抵抗値を測定した。
a)液晶の処理
まず、透明バイアル瓶(容量3ml)に各液晶表示素子用シール剤組成物0.5gを入れ、次に上記液晶2.0gを入れ、25℃で2時間放置した。次に、紫外線照射装置(ウシオ電機製のスポットキュア装置)を用い、このバイアル瓶にUV照射(照度100mW/cm、光量2.5J/cm)を施した。さらに、このバイアル瓶を120℃の熱風循環式恒温槽に1時間放置後、室温に戻し、処理後の液晶をデカンテーションしてサンプル瓶に採った(この液晶を「処理済液晶」と称する)。なお、ブランクとして、各液晶表示素子用シール剤組成物を加えずに上記と同様な手順で液晶を処理した(この液晶を「ブランク液晶」と称する)。
b)液晶の比抵抗値の測定
比抵抗測定装置(エレクトロ・メーターR8340A、アドバンテスト製、液体抵抗試料箱の型番R12707)を用い、液体電極に上記処理済液晶及びブランク液晶をそれぞれ1ml採取し、印加電圧0.5Vとし、1分経過後の比抵抗値(Ω・cm)を測定した。測定温度は25℃とした。ブランク液晶の比抵抗値に対する処理済液晶の比抵抗値の比を計算し、その値に基づいて以下の評価を行った。
○:ブランク液晶の比抵抗値に対する処理液晶の比抵抗値の比が0.5オーダー未満であり、汚染性については問題がない。なお、1オーダーとは、上記比が0.1である、つまり、処理済液晶の比抵抗値がブランク液晶の比抵抗値より1桁小さいことをいい、これを指数で表したとき10−1となることから「1オーダー」と称する。又、0.5オーダーとは上記比が0.5であり、これを指数で表すと5×10−1となる。又、上記比の最大値は1であるので、上記比が0.5オーダー未満とは、この比が0.5〜1であることを示す。
△:ブランク液晶の比抵抗値に対する処理液晶の比抵抗値の比が0.5〜1オーダーであり、汚染性にやや問題がある。つまり、上記比が0.1〜0.5であることを示す。
×:ブランク液晶の比抵抗値に対する処理液晶の比抵抗値の比が1オーダーを越えており、汚染性に問題がある。つまり、上記比が0.1未満であることを示す。
(7)形状保持性(シール性の評価)
各液晶表示素子用シール剤組成物に、スペーサー(直径5μmの短繊維シリカファイバー)1重量%を配合し、真空攪拌脱泡装置で分散、脱泡を行い、この混合物をシリンジに充填した。次に、ガラス基板上に、ディスペンサー装置を用いて線幅0.3mm、高さ0.1mmのパターンを縦横それぞれ2cmの長さで四角形状に描画した後、上記液晶をディスペンサー装置を用いて所定量だけ点塗布し、別のガラス基板を重ね合せた。その後、両ガラス板に9.8kPaの荷重をかけて30分放置後、紫外線(照度100mW/cm2、光量2.5J/cm2)を照射し、仮止め(仮硬化)を行った後、大気圧に戻した。次いでホットプレスを用い、120℃、1時間の条件でシール剤の加熱硬化を行い、液晶パネルを作成した。
得られた液晶パネルについて、シール剤と液晶の界面を拡大鏡で観察し、シール剤の決壊及び液晶のシール剤への侵入の有無について観察し、次のとおり評価した。
○:シール剤の決壊及びシール剤への液晶の侵入が無く、形状保持性は良好である。
×:シール剤の決壊は認められないが、シール剤への液晶の侵入があり、形状保持性に問題がある。
得られた結果を表2に示す。
表2から明らかなように、各実施例の液晶表示素子用シール剤組成物は、作業性、耐湿性、非液晶汚染性に優れ、又、得られたシール剤のシール性も優れたものとなった。一方、主剤としてSP値が17(MPa)1/2を超える反応性化合物のみを用いた比較例1、2の場合、液晶表示素子用シール剤組成物の作業性、耐湿性、非液晶汚染性がともに劣ったものとなった。

Claims (3)

  1. 所定の反応性化合物を含む主剤と、硬化触媒とを必須成分として含有し、前記主剤の溶解度パラメータSPと、使用対象となる液晶の溶解度パラメータSPとが、
    0<SP<SPの関係を満たすことを特徴とする液晶表示素子用シール剤組成物。
  2. 主剤及び硬化触媒を必須成分として含有し、前記主剤は溶解度パラメータが17(MPa)1/2以下の反応性化合物を5〜100重量%含むことを特徴とする液晶表示素子用シール剤組成物。
  3. 前記反応性化合物が変性フッ素樹脂又は変性フッ素シリコーン樹脂である請求項1又は2記載のシール材組成物。
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