JP2005037660A - 電子楽器 - Google Patents

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Abstract

一つの発音指示に応じて発生される複数の楽音の音高の違いを簡単に設定することができる電子楽器を提供する。
【課題】
【解決手段】 デチューンツマミ64は、デュアルモードにおける2つの音高の違いを設定するツマミであり、ツマミが中央0位置に設定される場合は、2つの音高は、全く一致し、鍵盤で指示される音高で発音される。ツマミを右に回すと単位は、セント(Cent)で設定され右に回すほどセント数が大きい値に設定され、表示器61にその値が表示れる。
一方、デチューンツマミ64が中央0より左の方へ操作された場合は、ヘルツ(Hz)で設定される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、1発音指示に応じて複数の異なる音高の楽音を形成する電子楽器に関する。
従来、一つの押鍵情報などの発音指示に応じて音高が少し異なる複数の楽音を同時に発生することが行われている。これらの複数の楽音は、音色が異なる場合と同一の音色の場合がある。特開平7−234682号公報(特許文献1)に開示された発明では、一つの発音指示に応じて複数の楽音を発生するよう選択された場合、その複数の楽音が同一の音色であれば、音高が少し異なる(デチューン)ように制御している。
特開平7−234682号公報
一つの発音指示に応じて、複数の異なる音高の楽音を発生する場合の、音高の設定方法として、上記公報に開示された発明では、その音高の違いをセント(Cent)を単位としている(以下セント方式という)が、この他に周波数の差であって、周波数の単位であるヘルツ(Hz)を単位とする方法がある(以下ヘルツ方式という)。セントは、半音を等比で100に分割した音程の単位であり、発音指示が示す音高が変わると、複数の楽音の周波数の比が一定であるが、周波数の差は変わる。従って、複数の楽音により発生するうねりの周波数も変化する。
一方、周波数の差(Hz)で設定すると、発音指示が示す音高が変わると、周波数の比は変わるが、周波数の差は、一定である。したがって、複数の楽音により発生するうねりの周波数も一定である。
従来、上記2つの方法のうち、いずれの方法により設定するかを簡単に選択することができる電子楽器は、提供されていなかった。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、一つの発音指示に応じて発生される複数の楽音の音高の違いを簡単に設定することができる電子楽器を提供することを目的とする。
この目的を達成するために、請求項1記載の電子楽器は、入力される音高情報に応じて複数の音高の楽音を同時に発生する電子楽器であって、前記複数の楽音の音高の関係を設定する操作子と、前記操作子の操作範囲が所定範囲内の場合は、前記複数の楽音の音高の周波数差を設定し、前記操作子により前記所定の範囲以外に操作された場合は、前記複数の楽音の音高の周波数比を設定する設定手段とを備えている。
この請求項1記載の電子楽器によれば、操作子の操作範囲が所定範囲内の場合は、複数の楽音の音高の周波数差を設定し、所定の範囲以外に操作された場合は、複数の楽音の音高の周波数比を設定するように構成されている。
請求項2記載の電子楽器は、入力される音高情報に応じて複数の音高の楽音を同時に発生する電子楽器であって、前記複数の楽音の音高の関係を設定する操作子と、前記操作子により設定される値が所定の範囲の場合は、前記複数の楽音の音高の周波数差を設定し、前記操作子により設定される値が前記所定の範囲以外の場合は、前記複数の楽音の音高の周波数比を設定する設定手段とを備えている。
この請求項2記載の電子楽器によれば、操作子により設定される値が所定の範囲の場合は、複数の楽音の音高の周波数差を設定し、前記操作子により設定される値が所定の範囲以外の場合は、複数の楽音の音高の周波数比を設定するように構成されている。
請求項3記載の電子楽器は、請求項1又は2記載の電子楽器であって、前記設定手段により設定される周波数差、または周波数比を、前記入力される音高情報に応じて変更する変更手段を備えている。
請求項4記載の電子楽器は、請求項3記載の電子楽器であって、前記変更手段は、第2の操作子を備え、その操作子により設定される前記入力される音高情報に対する変更の割合に応じて周波数を変更するものである。
請求項1記載の電子楽器によれば、操作子の操作範囲が所定範囲内の場合は、複数の楽音の音高の周波数差を設定し、操作子により所定の範囲以外に操作された場合は、複数の楽音の音高の周波数比を設定するように構成されているので、一つの操作子で複数の楽音の周波数の差と周波数の比のいずれかの方法で設定できるので、操作が簡単であり、また、操作子の位置により、いずれの方法で設定されているかを認識することができるという効果がある。また、一つの操作子で済むので部品の点数が少ないという効果もある。
請求項2記載の電子楽器によれば、操作子により設定される値が所定の範囲の場合は、複数の楽音の音高の周波数差を設定し、前記操作子により設定される値が所定の範囲以外の場合は、複数の楽音の音高の周波数比を設定するように構成されているので、一つの操作子で複数の楽音の周波数の差と周波数の比のいずれかの方法で設定できるので、操作が簡単であり、また一つの操作子で済むので部品の点数が少ないという効果がある。
請求項3記載の電子楽器によれば、設定される周波数差、または周波数比を、入力される音高情報に応じて変更する変更手段を備えているので、いわゆるキーフォローと呼ばれるように、音高に応じて、複数の楽音の音高の差又は比を変化させることができ、発生される楽音に変化を与えることができるという効果がある。
請求項4に記載の電子楽器によれば、請求項3に記載の電子楽器において、キーフォローの変化の仕方を任意に設定できるので、演奏者の好みにあった変化を付けることができるという効果がある。
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明の電子楽器1のブロック図である。 電子楽器1は、主に、CPU2と、ROM3と、RAM4と、鍵盤5と、操作パネル6と、音源7と、D/A変換器8を備えて構成されている。
CPU2は制御プログラムの実行主体となる演算装置であり、ROM3には、このCPU2により実行される各種の制御プログラムやその実行の際に参照される固定値データが記憶されている。RAM4は、ROM3等に記憶される制御プログラムの実行に当たって各種のデータやワークメモリ等を一時的に記憶するための書き換え可能なメモリである。
鍵盤7は、複数の鍵を備えて構成され、各鍵毎に割り当てられた音高の楽音の発生開始や停止などの指示を行うものである。操作パネル6は、電子楽器1の各種の設定や操作を行うと共に、その設定操作状況を表示するためのものであり、各種スイッチと、表示器を備えて構成される。操作パネル6の詳細は、図2を参照して後述する。
音源7は、自動演奏装置や鍵盤7の押鍵または離鍵情報に基づいて対応する楽音データを読み出して出力するものである。この音源7には、D/Aコンバータ8が接続されており、そのD/Aコンバータ8には、アナログ信号の楽音を音出力するアンプおよびスピーカなどが接続される。
音源7には、多数の発音チャネルが備えられ、同時に複数の楽音を同じ音色または異なる音色で発生することができる。図示しないモード選択スイッチを操作することにより、
鍵盤7の一つの鍵を押下することにより、その鍵の指示する音高で一つの楽音を発生するノーマルモードと、一つの鍵を押下うることにより、その鍵の指示する音高の2つの微妙にピッチが異なる楽音が形成されるデュアルモードがある。
図2は、電子楽器1の操作パネル6の正面図である。操作パネル6には、表示器61と、音色選択スイッチ62,63と、デチューンツマミ64とデチューンキーフォローツマミ65が備えられている。表示器61には、音色やパラメータが表示されるが、この図では、音色としてストリングス1が選択されている様子が示されている。
音色の選択は、音色選択スイッチ62,63を押下することにより行われる。ROM3には、予め所定の順序で音色名が記憶され、スイッチ62を押すたびに、一方向へ、スイッチ63を押すたびに他方へ音色名が順に表示され、表示された音色が選択設定される。
デチューンツマミ64は、デュアルモードにおける2つの音高の違いを設定するツマミであり、ツマミが中央0位置に設定される場合は、2つの音高は、全く一致し、鍵盤で指示される音高で発音される。ツマミを右に回すと単位は、セント(Cent)で設定され右に回すほどセント数が大きい値に設定され、表示器61にその値が表示れる。
一方、デチューンツマミ64が中央0より左の方へ操作された場合は、ヘルツ(Hz)で設定される。
詳細には、このデチューンツマミ64は、可変抵抗器の回転軸に嵌合されており、この可変抵抗器を回転することにより変更される電圧値がA/D変換されて、CPU2に読み込まれる。可変抵抗器を左端まで回した位置では、A/D変換された値が0であり、右端での値が127である。このA/D変換された値をp1とする。
中央0の位置より右に回された場合を0から1.0の値で変化し、中央より左へ回したときも同じく、0から1.0の値をとるデチューン係数dは、
d=(64−p1)/64(0≦p≦64)
d=(p1−64)/64(64≦p≦127)
となる。
デチューンキーフォローツマミ65は、デチューンツマミ64により設定されたデチューンの値を、キーナンバ(ノートナンバ、MIDI規格により定められている半音階の番号)により変化させる(キーフォローまたはキースケーリングという)割合を設定するツマミである。
例えば、中央Cで、デチューンを3Hzに設定し、キーフォローの値が0であれば、すべてのキーについて、デチューンの値は3Hzであるが、キーが高くなるほどデチューン値が大きくなるよう、あるいは小さくなるように設定するものである。
デチューンツマミ64と同様に、このツマミも可変抵抗器の回転軸に嵌合されており、この可変抵抗器を回転することにより変更される電圧値がA/D変換されて、CPU2に読み込まれる。可変抵抗器を左端まで回した位置では、A/D変換された値が0であり、右右端での値が127である。このA/D変換された値をp2とする。キーフォローの割合を表すデチューンキーフォロー係数、kは、
k=(p2−64)/64
である。
このようにして、デチューンツマミ64により、デチューン係数dが、デチューンキーフォローツマミ65によりデチューンキーフォロー係数kが得られ、一つの鍵が押下されたとき、その鍵のノートナンバをNとし、いわゆるチューニングを音名A4(ノートナンバ69)が440.0Hzであるとすると、発音される2つの楽音の周波数のうち、ノートナンバに対応する楽音の周波数は、
440.0×2^((N−69)/12)
である。
デチューンされるもう一方の楽音の周波数は、デチューンツマミ64によりヘルツで設定されている場合は、
440.0×2^((N−69)/12)+d×A×2^((N−KC)/12×k×B)
一方、デチューンツマミ64によりセントで設定されている場合は、
440.0×2^((N−69)/12)×d×C×2^((N−KC)/12×k×D)
である。ただし、^は、べき乗を表し、AとCは、ヘルツ方式とセント方式それぞれのデチューンが最大の時のノートナンバKCにおける変位量を表し、BとDは、ヘルツ方式とセント方式それぞれのノートナンバが1オクターブ高くなったときのデチューンの変位量を表す。
また、KCは、キーフォローの中心となるノートナンバであり、中央Cを中心に変位する場合には、KC=60となる。
これらの値、A,B,C,D,KCは、パラメータとして、演奏者が任意に設定できるようにしてもよいし、工場出荷時に予め設定されていてもよい。なお、これらの演算をCPU2が行うようにしてもよいが、2のべき乗の値などは、予めテーブルに記憶しておいてCPU2が行う演算が簡単になるようにしておいてもよい。
CPU2は、ある鍵が押下されたことを検出すると、モード選択スイッチによりノーマルモードが選択されている場合には、その鍵に対応する周波数の楽音を形成するよう一つの発音チャネルに指示し、モード選択スイッチによりデュアルモードが選択されている場合には、その鍵に対応する周波数の楽音を形成するよう一つの発音チャネルに指示するとともに、上記のようにして得られるデチューンされた周波数の楽音を形成するようもう一つの発音チャネルに指示する。
上記実施例では、回転式可変抵抗器の全回転範囲のうち、前半をヘルツ方式、後半をセント方式により設定できるようにしたが、ロータリエンコーダあるいは、二つのスイッチにより数値を増加あるいは減少させるいわゆるインクリメント、デクリメント方式によりデチューン係数を設定する方法について説明する。
この場合は、ヘルツ方式で設定される範囲を0ヘルツから20ヘルツとし、セント方式で設定される範囲を0セントから100セントとする。例えば、ヘルツ方式の10ヘルツに設定されているときに、ロータリエンコーダを右に回すと(インクリメントスイッチを押す)と値は、10ヘルツから、11,12と増え、20ヘルツに至る。
更にロータリエンコーダを右に回す(インクリメントスイッチを押すと、セント方式に切り替わり、0セントとなる。更にロータリエンコーダを右に回す(インクリメントスイッチを押す)と、0セントから、値を増加し、100セントに達し、更に右に回すと0ヘルツとなりヘルツ方式に切り替わる。
逆にロータリエンコーダを左へ回す(デクリメントスイッチを押す)と値が減少し、0になると方式が変わり別方式の最大値となる。
上記のようにして、ロータリエンコーダまたはインクリメント、デクリメントスイッチによってデチューン係数を設定してもよい。この場合には、図2の表示器にセント値またはヘルツ値が表示されると同時に、ツマミ64をグラフィック表示し、設定されている値が、セント方式あるいはヘルツ方式のいずれであり、その値をツマミの位置で表示するようにしてもよい。
また、このデチューンツマミ64とデチューンキーフォローツマミ65による設定を、
音色毎に記憶するようにしてもよい。これらの設定を音色毎に記憶することにより、音色が選択されると、これらの設定が再現される。
音色がアコーディオン、オルガン、ハーモニカの場合には、ヘルツ方式で設定されることが多いので、工場出荷時には、予め、これらの音色として、ヘルツ方式で所定の値が設定され、これらが選択された場合には、表示器に表示されるようにしてもよい。
なお、請求項1又は2記載の設定手段は、CPU2が該当し、ROM3に記憶されたプログラムを実行することにより、周波数差または周波数比を設定する。
請求項3に記載の変更手段は、同様にCPU2が該当し、ROM3に記憶されたプログラムを実行することによりノートナンバに応じて周波数差または周波数比を変更する。
以上、上記実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は、上記実施例に何ら限定されるものでなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記実施例では、回転式可変抵抗器によりデチューンおよびデチューンキーフォローが設定されるものとしたが、いわゆるスライドボリュウムとよばれる直線型可変抵抗器に置き換えてもよい。
また、上記実施例では、ノートナンバは、鍵盤により入力されるものとしたが、MIDI規格に合致した演奏データを入力するようにしてもよい。
また、ロータリエンコーダまたはインクリメント、デクリメントスイッチによりデチューン係数を設定する方式において、セント方式あるいはヘルツ方式で設定している値が最大値になったとき、更に操作子を操作うると、別方式の最大値に変わり、更に操作すると値が減少し、その方式の最小値に到達すると、別方式の最小値に変わり、更に操作すると値が増加するというようにしてもよい。
また、上記実施例では、一方の楽音の音高をノートナンバの音高とし、他方の楽音の音高を、デチューン係数で設定される音高としたが、特許文献1に記載されるようにデチューン係数に応じて、一方の音高を低く、他方を高く設定することにより、音高が異なるようにしてもよい。
また、上記実施例では、デチューンキーフォローを演算で行うようにしたが、種々のカーブを記憶し、いずれかのカーブを選択して、ノートナンバに応じて、デチューンの量が変わるようにしてもよい。
本発明の電子楽器置のブロック図である。 電子楽器の操作パネル図である。
符号の説明
1 電子楽器
2 CPU
6 操作パネル
64 デチューンツマミ(操作子))
65 デチューンキーフォローツマミ(第2の操作子)

Claims (4)

  1. 入力される音高情報に応じて複数の音高の楽音を同時に発生する電子楽器において、
    前記複数の楽音の音高の関係を設定する操作子と、
    前記操作子の操作範囲が所定範囲内の場合は、前記複数の楽音の音高の周波数差を設定し、前記操作子により前記所定の範囲以外に操作された場合は、前記複数の楽音の音高の周波数比を設定する設定手段とを備えたことを特徴とする電子楽器。
  2. 入力される音高情報に応じて複数の音高の楽音を同時に発生する電子楽器において、
    前記複数の楽音の音高の関係を設定する操作子と、
    前記操作子により設定される値が所定の範囲の場合は、前記複数の楽音の音高の周波数差を設定し、前記操作子により設定される値が前記所定の範囲以外の場合は、前記複数の楽音の音高の周波数比を設定する設定手段とを備えたことを特徴とする電子楽器。
  3. 前記設定手段により設定される周波数差、または周波数比を、前記入力される音高情報に応じて変更する変更手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の電子楽器。
  4. 前記変更手段は、第2の操作子を備え、その操作子により設定される前記入力される音高情報に対する変更の割合に応じて周波数を変更することを特徴とする請求項3に記載の電子楽器。
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