JP2005037089A - 熱交換器の製造方法および熱交換器 - Google Patents

熱交換器の製造方法および熱交換器 Download PDF

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Abstract

【課題】 多穴チューブを高強度のアルミニウム材により形成するとともに安定してろう付け接合することが可能な熱交換器の製造方法および熱交換器を提供すること。
【解決手段】 放熱器200は、チューブ211とフィン212、ヘッダタンク220、230等とをろう付け接合して形成される。チューブ211は、Mgが0.2〜0.4重量%添加されるとともに、Siの添加量を0.5重量%以下に抑制したAl合金材からなり、ろう付け接合時には、ろう付け箇所にフルオロ亜鉛酸カリウムを主成分とするフラックスを塗布する。したがって、MgとSiの添加によりAl合金材の強度を向上するとともに、フルオロ亜鉛酸カリウムを主成分とするフラックスを用いて安定したろう付け接合が可能となる。さらに、Siの添加量を抑制することでAl合金材の固相点がろう付け温度まで低下することを防止できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、多穴チューブ部材と被接合部材とをろう付け接合する熱交換器の製造方法およびその製造方法により形成される熱交換器に関する。
従来から、例えば、車両に搭載される冷凍サイクル中の熱交換器は、一般的に押し出し成形した多穴チューブにフィン等の被接合部材をろう付け接合して製造されている。この多穴チューブには、押し出し加工性等よりA1050、A1100等の所謂純アルミニウム材またはこれらに少量のCuやMnを添加した所謂純アルミニウム系合金材が採用されている。そして、この多穴チューブを、ろう材がクラッドされたフィン材やタンク材等と組み合わせ、例えばフルオロアルミニウム酸カリウムをベースとするフッ素系化合物をフラックスとして用いてろう付け接合し、熱交換器が形成されている。
従来、冷凍サイクル中を循環する冷媒としては、主にフッ素化合物(所謂フロン)が用いられてきたが、近年、地球温暖化等への対策冷媒として炭酸ガス(二酸化炭素)が注目されている。ところが、炭酸ガスを冷媒とする冷凍サイクルは、フロンを冷媒とする冷凍サイクルに比較して、サイクル中の冷媒圧力が高いので、熱交換器の多穴チューブに高強度のアルミニウム材料の採用が望まれる。
アルミニウム材の高強度化にはMgの添加が有効であることが知られている。ところが、Mgを添加したアルミニウム合金材のろう付けを、フルオロアルミニウム酸カリウムをベースとするフラックスを用いて行なっても、安定して良好にろう付けされ難いという不具合を発生する。これは、フルオロアルミニウム酸カリウムがアルミニウム合金中のMgと反応してMgFおよびKMgF等の化合物を生成し、フラックスの活性度を低下させるためである。
一方、純アルミニウム系材のろう付け加工において、良好なろう付け性および耐食性を目的として、フルオロ亜鉛酸カリウムをベースとするフラックスを用いることが知られている。このフルオロ亜鉛酸カリウムは、ろう付け温度近傍の高温下においてZnとAlとの置換反応によりフルオロアルミニウム酸カリウムを生成し、このフルオロアルミニウム酸カリウムがフラックスとして機能するものである(下記特許文献1参照。)。
特開昭61−293699号公報
本発明者らは、上記の置換反応前のフルオロ亜鉛酸カリウムはアルミニウム合金中のMgと反応せず、置換反応により生成したフルオロアルミニウム酸カリウムがアルミニウム合金中のMgと反応することに着目した。そして、鋭意検討の結果、フルオロアルミニウム酸カリウムをベースとするフラックスに替えてフルオロ亜鉛酸カリウムをベースとするフラックスを採用するとともに、アルミニウム合金中の添加成分や添加量を調節することにより安定したろう付けが可能であることを見出した。
本発明は、上記点に鑑みてなされたものであり、多穴チューブを高強度のアルミニウム材により形成するとともに安定してろう付け接合することが可能な熱交換器の製造方法および熱交換器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明の製造方法では、
多穴チューブ部材を被接合部材とろう付け接合して熱交換器を形成する熱交換器の製造方法であって、
多穴チューブ部材は、Mgが0.2〜0.4重量%添加されるとともに、Siの添加量を0.5重量%以下に抑制したAl合金材からなり、
ろう付け接合時には、多穴チューブ部材と被接合部材とのろう付け箇所にフルオロ亜鉛酸カリウムを主成分とするフラックスを塗布することを特徴としている。
これによると、MgとSiの添加によりAl合金材の強度を向上するとともに、フルオロ亜鉛酸カリウムを主成分とするフラックスを用いて安定したろう付け接合が可能となる。さらに、Siの添加量を抑制することでAl合金材の固相点がろう付け温度まで低下することを防止できる。
また、被接合部材は、請求項2に記載の発明の製造方法のように、多穴チューブ部材の表面に配置されるフィン部材としたり、請求項3に記載の発明の製造方法のように、多穴チューブ部材の内部と連通する空間を形成するためのタンク部材とすることができる。
また、請求項4に記載の発明の製造方法では、多穴チューブ部材をなすAl合金材は、Cuの添加量を0.5重量%以下に抑制したことを特徴としている。
これによると、Al合金材の強度を向上しつつ、押出限界速度の低下を抑制して押し出し加工性を確保することが可能である。
また、請求項5に記載の発明の製造方法では、Al合金材は、Mnの添加量を0.25重量%以下に抑制したことを特徴としている。
これによると、押出圧力の増大を抑制して押し出し加工性を確保することが可能である。
また、請求項6に記載の発明の製造方法では、フラックス中のフルオロ亜鉛酸カリウムは、化合物組成がKZnFであることを特徴としている。
これによると、フルオロ亜鉛酸カリウムを組成がKZnFで表される化合物とすることで、フラックスとしての効果を大きくすることができる。
また、請求項7に記載の発明の製造方法では、ろう付け接合時に多穴チューブ部材と被接合部材とのろう付け箇所を加熱するときには、550℃以上では平均昇温速度が0.2℃/s以上となるように加熱することを特徴としている。
これによると、550℃からろう付け温度に到達するまでの時間を短縮し、フルオロ亜鉛酸カリウムがAl合金と置換反応して生成したフルオロアルミニウム酸カリウムとAl合金中のMgとの反応量を低減し、フラックスの活性度低下を抑制することができる。
また、請求項8に記載の発明の熱交換器では、
多穴チューブ部材と被接合部材とをろう付け接合してなる熱交換器であって、
多穴チューブ部材は、Mgが0.2〜0.4重量%添加されるとともに、Siの添加量を0.5重量%以下に抑制したAl合金材からなり、
多穴チューブ部材と被接合部材とは、ろう付け箇所にフルオロ亜鉛酸カリウムを主成分とするフラックスを用いてろう付け接合されていることを特徴としている。
請求項8に記載の発明の熱交換器は、請求項1に記載の発明の製造方法により形成することができる。
また、前記被接合部材は、請求項9に記載の発明の熱交換器のように、多穴チューブ部材の表面に配置されたフィン部材とすることができ、請求項10に記載の発明の熱交換器のように、多穴チューブ部材の内部と連通する空間を形成するためのタンク部材とすることができる。
また、請求項11に記載の発明の熱交換器では、多穴チューブ部材をなすAl合金材は、Cuの添加量を0.5重量%以下に抑制したことを特徴としている。
請求項11に記載の発明の熱交換器は、請求項4に記載の発明の製造方法により形成することができる。
また、請求項12に記載の発明の熱交換器では、Al合金材は、Mnの添加量を0.25重量%以下に抑制したことを特徴としている。
請求項12に記載の発明の熱交換器は、請求項5に記載の発明の製造方法により形成することができる。
また、請求項13に記載の発明の熱交換器では、フラックス中のフルオロ亜鉛酸カリウムは、化合物組成がKZnFであることを特徴としている。
請求項13に記載の発明の熱交換器は、請求項6に記載の発明の製造方法により形成することができる。
また、請求項14に記載の発明の熱交換器では、多穴チューブ部材と被接合部材とがろう付け接合されるときに、ろう付け箇所は、550℃以上では平均昇温速度が0.2℃/s以上となるように加熱されていることを特徴としている。
請求項14に記載の発明の熱交換器は、請求項7に記載の発明の製造方法により形成することができる。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、本発明を適用した一実施形態における二酸化炭素(CO)を冷媒とする超臨界冷凍サイクルに用いられる熱交換器である放熱器(ガスクーラ)の概略構成図である。
図1に示すように、放熱器200は、コア部210、左ヘッダタンク220、右ヘッダタンク230等から構成され、後で詳述するが、各部材はアルミニウムあるいはアルミニウム合金(Al合金)から成り、嵌合、かしめ、治具固定等により組付けられ、予め各部材表面に設けられたろう材により一体でろう付けされている。
コア部210は、内部を冷媒が流通する複数のチューブ211および複数のフィン部材であるフィン212(一部のみ図示)が交互に積層され、最外方のフィン212の更に外方に強度部材としてのサイドプレート213が配設されたものであり、各部材は一体でろう付けされている。
図2に断面構造を示すように、チューブ211は、長手方向に延びる複数の穴を有する多穴チューブ部材であり、本実施形態では幅が約16mm、厚さが約1mmの偏平チューブを採用している。ちなみに、チューブ211の外周壁部211aおよび複数の穴間の隔壁部211bの厚さは、重量、体格、他の熱交換器用途との構造共通化等を考慮して、約0.2mmとしている。
コア部210の図1中の左右部、即ち、複数のチューブ211の長手方向両端部において、チューブ211の積層方向に延びる一対のタンク部材であるヘッダタンク(左ヘッダタンク220と右ヘッダタンク230)が設けられている。この両ヘッダタンク220、230には図示しないチューブ孔が複数穿設されており、各チューブ211の端部がこのチューブ孔に嵌合され、チューブ211と両ヘッダタンク220、230が互いに連通するようにろう付けされている。
また、各ヘッダタンク220、230には、内部の空間を仕切る図示しないセパレータがろう付けされている。そして、左ヘッダタンク220のセパレータよりも下側には冷媒の導入口となるジョイント221が、また右ヘッダタンク230のセパレータの上側には冷媒の導出口となるジョイント231がそれぞれろう付けされている。
そして、ジョイント221から流入した冷媒は、両ヘッダタンク220、230およびチューブ211により構成される冷媒流路を逆S字状に流れた後、ジョイント231から流出するようになっている。
次に、放熱器200を構成する各部材の材質および放熱器の製造方法について説明する。
本実施形態のフィン212および両ヘッダタンク220、230は、表面にろう材としての合金番号A4045材をクラッドした合金番号A3003材により形成されている。これに対し、チューブ211は、Mgが0.2〜0.4重量%、Siが0.5重量%以下、Cuが0.5重量%以下、Mnが0.25重量%以下添加され、残部がAlと不可避不純物からなるAl合金材を押し出し成形して形成している。
そして、これらのチューブ211、フィン212および両ヘッダタンク220、230を前述のように組み合わせて仮固定した後、この組合体を加熱してフィン212および両ヘッダタンク220、230の表面にクラッドされたA4045材を溶融して、各部材間相互をろう付け接合し、放熱器200を形成する。フィン212および両ヘッダタンク220、230は、チューブ211にろう付け接合される本実施形態における被接合部材である。
このろう付け接合を行なうときに、各ろう付け箇所には、フルオロ亜鉛酸カリウムを主成分とするフラックスを、スプレー法あるいは刷毛塗り法により10〜30g/m塗布している。フルオロ亜鉛酸カリウムは、一般式(KF)・(ZnFで表される化合物であり、本実施形態で採用したフラックス中のフルオロ亜鉛酸カリウムは、KFとZnFとのモル比が1:1、すなわち化合物組成がKZnFで表されるものとしており、フラックスとしての効果が非常に大きい。
また、ろう付け接合を行なうときに、上記組付体の加熱は、550℃からろう付け温度である約600℃まで平均昇温速度が0.2℃/s以上となるように行なっている。
上述の構成および製造方法によれば、チューブ211を高強度のAl合金材により形成するとともに、フィン212や両ヘッダタンク220、230と安定してろう付け接合することができる。
以下に、上述の構成および製造方法により、チューブ211の高強度化と安定したろう付け性の確保との両立を可能とした理由について説明する。
本発明者らは、下記表1に示す成分を添加したAl合金を試作し、これらについて強度、押し出し加工性、ろう付け性等の評価を行った。
Figure 2005037089
図3に、表1に示す試料No.1、2、6、7の合金材のろう付け工程加熱後の引張強度、従来材の押出圧力を基準としたときの押出圧力比、および従来材の押出限界速度を基準としたときの押出限界速度比を示す。図3(a)に示すように、Mg添加量が増加するにしたがって引張強度が増加することが判る。前述の放熱器200が超臨界冷凍サイクル中の冷媒圧力に耐えるためには、チューブ211の寸法構成においてはチューブ形成材料の強度として100MPa以上を必要とする。したがって、Mgの添加量は0.2重量%以上であることが好ましいことが判る。
ところが、Mgの添加量を増加し過ぎるとろう付け性の悪化を招く。従来から使用されているフルオロアルミニウム酸カリウムをベースとするフラックスは、約560℃付近で溶融し活性な状態となる。このため、Mgを含有するAl合金に塗布してろう付を行った場合、約560℃付近で溶融したフラックスが直ちに合金材表面のMgと反応し、MgFやKMgFを生成する。その後の昇温過程においても、合金材料中から材料表面へのMgの拡散によりろう付温度である600℃まで多量のMgと反応して、フラックスの活性度は低下する。
一方、本発明者らが適用したフルオロ亜鉛酸カリウム化合物は、それ単体ではろう付温度である600℃に加熱しても溶融せず未反応である。Al合金材に付着させて加熱した場合に、約550℃付近でフルオロ亜鉛酸カリウム化合物と接しているAl合金材表面でZnとAlとの置換反応がはじまり、フラックス成分であるフルオロアルミニウム酸カリウムとZnを生成する。
このため、Mgを含有するAl合金材に塗布してろう付を行った場合、まず約550℃付近で本発明のフルオロ亜鉛酸カリウム化合物とAl合金が置換反応し、フラックスとして機能する成分であるフルオロアルミニウム酸カリウムとZnを生成する。その後に生成したフルオロアルミニウム酸カリウムと材料中のMgが反応することとなる。
このフルオロアルミニウム酸カリウムとMgとの反応はフルオロ亜鉛酸カリウム化合物とAl合金表面との置換反応に律速してろう付温度である600℃まで続くため、従来使用されているフルオロアルミニウム酸カリウムをベースとしたフラックスに比べMgとの反応は少なく、フラックスとしての活性度が低下し難い。
このため、本発明のフルオロ亜鉛酸カリウム化合物をベースとするフラックスを使用した場合、Mgを含有するAl合金のろう付け性が良好となる。Mgを含有するアルミニウム合金をろう付する場合に、従来使用されているフルオロアルミニウム酸カリウムをベースとしたフラックスであってもMgとの反応に消費されるよりも余剰な量、例えば30g/mを超える量を塗布すれば、ろう付け性を確保することは不可能ではない。しかしこのように大量のフラックスを塗布することは、製造工程において実用的でない。
本発明のフルオロ亜鉛酸カリウム化合物をベースとするフラックスを使用する場合は塗布量が10〜30g/mの範囲で可能である。10g/mより少ないとAl合金と置換反応により生成したフルオロアルミニウム酸カリウムがろう付温度である600℃に達するまでにMgとの反応により消費されていまい、ろう付け性が悪化する。また30g/mより過剰であると工業的に実用性が低い。
また、本発明のフルオロ亜鉛酸カリウム化合物をベースとするフラックスを10〜30g/mの範囲で塗布してろう付加熱を行う場合、550℃以上での平均昇温速度を0.2℃/s以上で行なうことにより、ろう付性は良好となる。これは約550℃付近でフルオロ亜鉛酸カリウムがAl合金と置換反応を開始してから、ろう付け温度である600℃に到達するまでの時間が短くなることで、生成したフルオロアルミニウム酸カリウムとMgとの反応量を低減し、フラックスの活性度低下を抑制することができるからである。
ここで、図4、図5に、表1に示す試料No.1、2、6、7の合金材のろう付け性試験の評価結果を示す。評価法は図6に示す隙間充填性試験である。図6(a)に示すように、表1に示す試料No.1、2、6、7の合金材を水平材101とし、A3003材を芯材としてその両側面(紙面表裏側の面)にA4045材をクラッドしたブレージングシート材料を垂直材102として評価を実施した。水平材101と垂直材102との間にスペーサ103を配置して隙間部104を形成し、図6(b)に示すろう付け加熱後の隙間部104へのろう材105の充填状態を評価した。隙間部104にはろう付け前に刷毛塗りによりフラックスを塗布している。
図4および図5に示す隙間充填率は、図6(b)に示すろう材105の隙間充填長さLを隙間長さL0で除した値L/L0としている。図4(a)は、フラックス塗布量10g/m、平均昇温速度0.40℃/sの場合のろう材105の隙間充填率である。以下、図4(b)は、フラックス塗布量10g/m、平均昇温速度0.20℃/sの場合、図4(c)は、フラックス塗布量10g/m、平均昇温速度0.10℃/sの場合である。
さらに、図5(a)は、フラックス塗布量20g/m、平均昇温速度0.40℃/sの場合、図5(b)は、フラックス塗布量20g/m、平均昇温速度0.20℃/sの場合、図5(c)は、フラックス塗布量20g/m、平均昇温速度0.10℃/sの場合である。
また、図4および図5において、実線で示したグラフが本発明のフルオロ亜鉛酸カリウムをベースとするフラックスを用いた場合、破線で示したグラフが従来のフルオロアルミニウム酸カリウムをベースとするフラックスを用いた場合である。ここで、平均昇温速度とは、ろう付け加熱時の550℃から600℃に達するまでの平均昇温速度である。
図4および図5から明らかなように、フルオロ亜鉛酸カリウムをベースとするフラックスを用いれば、フルオロアルミニウム酸カリウムをベースとするフラックスを用いた場合より安定したろう付け性が得られる。フルオロ亜鉛酸カリウムをベースとするフラックスの塗布量を10g/m以上とすれば、Mgの添加量が0.4重量%以下のAl合金を0.2℃/s以上の昇温速度で加熱して、隙間充填率が0.5以上となる良好なろう付けを行なうことができる。
図6に示す隙間充填性試験では、隙間部104の図中右方側の隙間最大高さを1.6mmとしている。本実施形態の放熱器200では、ろう付け接合部の隙間の許容最大値を0.8mmとしているので、隙間充填率が0.5以上であれば、確実にろう付け接合することが可能である。
すなわち、ろう付け性より、チューブ211の合金材はMgの添加量が0.4重量%以下が好ましく、ろう付け時の550℃以上の加熱温度領域では平均昇温速度を0.2℃/s以上とすることが好ましいと言える。
また、図3(b)、(c)に示すように、Al合金のMg含有量を0.4重量%以下とすれば、押出圧力比を1.3以下とすることができるとともに、押出速度比を0.4以上とすることができる。すなわち、Al合金のMg含有量を0.4重量%以下とすれば、押し出し加工によりチューブ211を経済的に(比較的安価に)製造することが可能である。
試料No.1、2、6、7のAl合金材には、いずれにも0.4重量%のSiが添加されている。Siの添加はAl合金材の強度向上に効果があり、Mgとともに添加するとMgSiとなって合金中に存在し、Si単独で存在する場合より強度向上効果が大きいことが判っている。
ところが、Siは、添加された合金の固相点を低下する性質を有する。本実施形態の放熱器200のろう付け工程では、安定したろう付け接合を得るために約600℃まで加熱昇温する必要がある。放熱器200を加熱するときに各部の昇温ばらつきを考慮し、全体が600℃に到達するように加熱すると、最高昇温部では約620℃となる。したがって、チューブ211の合金材の固相点は620℃より高い必要がある。Al−0.5Si−0.4Mg−0.5Cuの固相点が625℃であることから、Si添加量は0.5重量%以下に抑制することが好ましい。
次に、図7に、表1に示す試料No.1、8、9の合金材の引張強度および従来材基準の押出速度比を示す。図7(a)に示すように、Al合金材へのCuの添加は強度向上に有効であるが、図7(b)に示すように、Cu添加量の増加に伴ない押し出し限界速度が低下していき、Cuの添加量が0.5重量%になると押出速度比が0.4となってしまう。したがって、押し出し加工性を確保するためには、Cuの添加量を0.5重量%以下に抑制することが好ましい。
次に、図8に、表1に示す試料No.1、10、11の合金材の引張強度、従来材基準の押出圧力比および従来材基準の押出速度比を示す。図8(a)に示すように、Al合金材へのMnの添加は、強度向上効果が然程大きくない。また図8(b)に示すように、添加量が0.25重量%を超えて0.5重量%となると、押出圧力比が急激に増加する。押出し圧力の増加は、押出し型の破損、チューブ211の多穴間の隔壁部211bの欠肉および割れの原因となり易い。したがって、安定した押し出し加工のためには、Mnの添加量を0.25重量%以下に抑制することが好ましい。
(他の実施形態)
上記一実施形態では、チューブ211は断面矩形状の穴を複数有する多孔偏平チューブであったが、チューブはこれに限定されるものではない。例えば、穴は丸穴であってもよい。チューブが押出し加工により薄肉に構成され、他の被接合部材とろう付け接合されて熱交換器を形成し、耐圧性を要求されるものであれば、本発明を適用して非常に有効である。
また、上記一実施形態では、放熱器200は、内部の冷媒流路が逆S字状に形成されるものであったが、チューブ内を冷媒が流通するものであれば、これに限定されるものではない。
また、本発明は、放熱器以外の熱交換器に適用することも可能である。例えば、熱交換器は蒸発器であってもよいし、フロン等の冷媒を凝縮する凝縮器であってもかまわない。
本発明の一実施形態における放熱器200の概略構成を示す正面図である。 チューブ211の断面図である。 Al合金材のMg添加量を変化したときの特性変化を示すグラフであり、(a)は引張強度、(b)は押出圧力比、(c)は押出速度比を示す。 Al合金材のMg添加量を変化したときの特性変化を示すグラフであり、(a)、(b)、(c)はろう付け性の指標である隙間充填率を示す。 Al合金材のMg添加量を変化したときの特性変化を示すグラフであり、(a)、(b)、(c)はろう付け性の指標である隙間充填率を示す。 ろう付け性の評価方法を説明するための図であり、(a)は加熱前、(b)は加熱後の状態を示す。 Al合金材のCu添加量を変化したときの特性変化を示すグラフであり、(a)は引張強度、(b)は押出速度比を示す。 Al合金材のMn添加量を変化したときの特性変化を示すグラフであり、(a)は引張強度、(b)は押出圧力比、(c)は押出速度比を示す。
符号の説明
200 放熱器(熱交換器)
211 チューブ(多穴チューブ部材)
212 フィン(フィン部材、被接合部材)
220 左ヘッダタンク(タンク部材、被接合部材)
230 右ヘッダタンク(タンク部材、被接合部材)

Claims (14)

  1. 多穴チューブ部材を被接合部材とろう付け接合して熱交換器を形成する熱交換器の製造方法であって、
    前記多穴チューブ部材は、Mgが0.2〜0.4重量%添加されるとともに、Siの添加量を0.5重量%以下に抑制したAl合金材からなり、
    前記ろう付け接合時には、前記多穴チューブ部材と前記被接合部材とのろう付け箇所にフルオロ亜鉛酸カリウムを主成分とするフラックスを塗布することを特徴とする熱交換器の製造方法。
  2. 前記被接合部材は、前記多穴チューブ部材の表面に配置されるフィン部材であることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器の製造方法。
  3. 前記被接合部材は、前記多穴チューブ部材の内部と連通する空間を形成するためのタンク部材であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱交換器の製造方法。
  4. 前記Al合金材は、Cuの添加量を0.5重量%以下に抑制したことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の熱交換器の製造方法。
  5. 前記Al合金材は、Mnの添加量を0.25重量%以下に抑制したことを特徴とする請求項4に記載の熱交換器の製造方法。
  6. 前記フルオロ亜鉛酸カリウムは、化合物組成がKZnFであることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1つに記載の熱交換器の製造方法。
  7. 前記ろう付け接合時に前記多穴チューブ部材と前記被接合部材とのろう付け箇所を加熱するときには、550℃以上では平均昇温速度が0.2℃/s以上となるように加熱することを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1つに記載の熱交換器の製造方法。
  8. 多穴チューブ部材と被接合部材とをろう付け接合してなる熱交換器であって、
    前記多穴チューブ部材は、Mgが0.2〜0.4重量%添加されるとともに、Siの添加量を0.5重量%以下に抑制したAl合金材からなり、
    前記多穴チューブ部材と前記被接合部材とは、ろう付け箇所にフルオロ亜鉛酸カリウムを主成分とするフラックスを用いて前記ろう付け接合されていることを特徴とする熱交換器。
  9. 前記被接合部材は、前記多穴チューブ部材の表面に配置されたフィン部材であることを特徴とする請求項8に記載の熱交換器。
  10. 前記被接合部材は、前記多穴チューブ部材の内部と連通する空間を形成するためのタンク部材であることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の熱交換器。
  11. 前記Al合金材は、Cuの添加量を0.5重量%以下に抑制したことを特徴とする請求項8ないし請求項10のいずれか1つに記載の熱交換器。
  12. 前記Al合金材は、Mnの添加量を0.25重量%以下に抑制したことを特徴とする請求項11に記載の熱交換器。
  13. 前記フルオロ亜鉛酸カリウムは、化合物組成がKZnFであることを特徴とする請求項8ないし請求項12のいずれか1つに記載の熱交換器。
  14. 前記多穴チューブ部材と前記被接合部材とがろう付け接合されるときに、ろう付け箇所は、550℃以上では平均昇温速度が0.2℃/s以上となるように加熱されていることを特徴とする請求項8ないし請求項13のいずれか1つに記載の熱交換器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105880769A (zh) * 2014-11-26 2016-08-24 江苏财发铝业股份有限公司 一种高Mg含量铝合金钎焊材料的制备方法
CN114633084A (zh) * 2020-12-16 2022-06-17 马勒国际有限公司 用于制造热交换器的方法

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