JP2005035801A - 多孔質ブロック状材料及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】保水性が高く、かつ、断熱効果を有するブロック状材料を提供する。
【解決手段】前記課題は石炭灰とベントナイトとセメントと水とを混合して造粒した、粒度が0.1mm〜40mmの範囲内のビーズと、砂と、セメントとからなる多孔質ブロック状材料により解決される。前記多孔質ブロック状材料は、石炭灰とベントナイトとセメントと水とを混合して造粒した、粒度が0.1mm〜40mmの範囲内のビーズ40wt%〜80wt%と、砂10wt%〜50wt%と、セメント10wt%〜25wt%と、水10wt%〜25wt%とを混合し、型枠に充填し、押圧整形した後、静置し、乾燥させることにより製造することができる。
【選択図】 なし
【解決手段】前記課題は石炭灰とベントナイトとセメントと水とを混合して造粒した、粒度が0.1mm〜40mmの範囲内のビーズと、砂と、セメントとからなる多孔質ブロック状材料により解決される。前記多孔質ブロック状材料は、石炭灰とベントナイトとセメントと水とを混合して造粒した、粒度が0.1mm〜40mmの範囲内のビーズ40wt%〜80wt%と、砂10wt%〜50wt%と、セメント10wt%〜25wt%と、水10wt%〜25wt%とを混合し、型枠に充填し、押圧整形した後、静置し、乾燥させることにより製造することができる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はブロック材料に関する。更に詳細には、本発明は保水機能と断熱効果を有し、舗装材料として好適な多孔質ブロック状材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両及び人間などが通行する道路は、利便性を高めるために、一般的に、アスファルト舗装が施される。アスファルト舗装は、アスファルト乳剤と骨材とからなるアスファルト乳剤混合物を、路盤上あるいはアスファルト混合物の基層及び/又は表層上に敷き均し、ローラにて締め固めた後、シールコートを施すことにより形成される。
【0003】
アスファルト舗装道路はその表面が平滑であり、路面に凹凸がないので、自動車などの重車両ばかりか人間や自転車などの軽車両の通行にも極めて好都合であるため、我が国では道路の殆どがアスファルト舗装されている。
【0004】
しかし、アスファルト舗装は一般的に、水を吸収しないので、大雨のときには雨水がアスファルト舗装道路から下水又は河川に即座に流れ込み、都市洪水を引き起こす原因となっていた。
【0005】
また、東京などのような大都市のアスファルト舗装道路は夏期になると、路面付近で反射された日光により気温が上昇し、いわゆる“ヒートアイランド”現象を引き起こすことが社会問題化している。
【0006】
このため、アスファルト舗装面から下部の路床土中に雨水を浸透させるように工夫した、透水性アスファルト舗装が開発され、一部実用に供されている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
また、“ヒートアイランド”現象を抑制するために、東京都などは2001年度から一部の道路で、アスファルトに白い保水材を染み込ませた保水性舗装に関する実験を行っている(例えば、非特許文献1参照)。この保水性舗装の原理は、水が蒸発する際の気化熱を利用して路面の温度を下げることからなる。この保水性舗装実験によれば、夏場は路面温度を約10℃程度低くする効果が確認されたが、保水は一日しか続かず、晴天が続くと温度低下効果は得られない。このため、温度低下を図るために、定期的に人為的に散水を行わなければならず、コスト高を招き実用的ではなかった。更に、保水性舗装のコストは通常のアスファルト舗装の2.5倍もするため、殆ど普及していないのが実状である。
【0008】
【特許文献1】
特開平7−315951号公報
【非特許文献1】
「日本経済新聞」,日本経済新聞社,平成14年(2002年)10月29日,35面
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は保水性が高く、かつ、断熱効果を有する多孔質ブロック材料を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題は、石炭灰とベントナイトとセメントと水とを混合して造粒した、粒度が0.1mm〜40mmの範囲内のビーズと、砂と、セメントとからなる多孔質ブロック状材料により解決される。
【0011】
前記多孔質ブロック状材料は、石炭灰とベントナイトとセメントと水とを混合して造粒した、粒度が0.1mm〜40mmの範囲内のビーズ40wt%〜80wt%と、砂10wt%〜50wt%と、セメント10wt%〜25wt%と、水10wt%〜25wt%とを混合し、型枠に充填し、押圧整形した後、静置し、乾燥させることにより製造することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の多孔質ブロック状材料は断熱効果が高いので、アスファルト舗装材料の代わりに使用すると、散水しなくても路面の表面温度を平均で約6℃程度低下させることができる。また、保水機能があるので、降雨の際には雨水をブロック内に閉じ込め、都市洪水の発生防止にも貢献できる。更に、本発明の多孔質ブロック状材料を道路舗装材料として使用する他、建物の壁面材料、屋根葺き材料、屋上ルーフィング材料などとして使用することにより、大都市部の“ヒートアイランド”現象の抑制に多大な効果を発揮することができる。
【0013】
本発明の多孔質ブロック状材料を形成するのに使用されるビーズは、石炭灰とベントナイトとセメントと水とを混合して造粒することにより得られる。石炭灰は火力発電所から発生するフライアッシュなどを使用することができる。このようなビーズは例えば、中国電力(株)から“Hiビーズ”(登録商標)の商品名で市販されている。“Hiビーズ”は石炭灰88%、セメント9%、ベントナイト3%からなり、護岸工事に使われる海砂の代替材料として開発されたものである。“Hiビーズ”の形状はほぼ球形であり、平均粒径は7.5mmである。また、粒子密度は1.8g/cm3(湿潤状態)、圧潰強度(28日)はコンクルートの強度の約半分程度の1.2〜1.6MPaであり、吸水率は16.4%、透水係数は1.34x10−3cm/秒(6Ec)である。更に、単位体積重量(飽和)は1.7tf/m3と軽量である。
【0014】
本発明で“Hiビーズ”を使用するのは、ビーズ自体が保水性を有するからであることと、このビーズを混合して形成したブロック状舗装材料はビーズ間に空隙が生じ、その空隙内にも水を保持できるからである。
【0015】
本発明では、0.1mm〜40mmの範囲内の粒径のビーズを分級せずに、そのまま使用する。特定の粒度のビーズだけを分級して選択的に使用するよりも、様々な粒度のビーズを混合して使用するほうが最終製品のブロックの気孔率が高まり、高い断熱効果を得ることができる。ビーズの粒径が0.1mm未満では最終製品のブロックが緻密になり過ぎて気孔率が低下し、断熱効果が低下するので好ましくない。
【0016】
本発明の多孔質ブロック状材料におけるビーズの含有量は30wt%〜80wt%の範囲内である。ビーズの含有量が30wt%未満では十分な断熱効果が得られない。一方、ビーズの含有量が80wt%超の場合、断熱効果は高くなるが、反対に強度低下などの不都合が生じるので好ましくない。
【0017】
本発明の多孔質ブロック状材料における砂の含有量は10wt%〜50wt%の範囲内である。砂の含有量が10wt%未満では砂を骨材として使用する所期の効果が得られ。一方、砂の含有量が50wt%超の場合、砂の使用効果が飽和して不経済となるばかりか、反対に強度低下などの不都合が生じるので好ましくない。
【0018】
本発明の多孔質ブロック状材料における砂としては、再生砂、天然砂、人工砂、スクリーニングス、特殊砂などを適宜選択して使用することができる。天然砂はその採取場所によって、川砂、山砂、海砂に分けられる。人工砂は岩石や玉石を破砕して作られるものであり、スクリーニングスは砕石、玉砕を作る際に生じる粒径2.36mm以下の細粒をいう。特殊砂はシリカサンド、高炉水砕スラグ、クリンカーアッシュなどである。
【0019】
本発明の多孔質ブロック状材料でセメントを使用する目的は、前記ビーズ及び砂を相互に結合・団結させるためである。セメントの含有量は10wt%〜25wt%の範囲内である。セメントの含有量が10wt%未満では十分な結合・団結効果が得られず、脆いブロック状材料となる。一方、セメントの含有量が25wt%超の場合、結合・団結効果が飽和して不経済となるばかりか、ビーズ間の空隙がセメントにより埋められ、断熱効果が低下するなどの不都合が生じるので好ましくない。
【0020】
セメントとしては普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、アルミナセメント、消石灰、石膏、水硬性セメント、マグネシアセメント、シリカセメント、ポゾランセメント、石灰スラグセメント、高炉セメント、フライアッシュセメントなど公知慣用のセメントなどを適宜選択して使用することができる。
【0021】
本発明の多孔質ブロック状材料は、石炭灰とベントナイトとセメントと水とを混合して造粒した、粒度が0.1mm〜40mmの範囲内のビーズ40wt%〜80wt%と、砂10wt%〜50wt%と、セメント10wt%〜25wt%と、水10wt%〜25wt%とを混合し、型枠に充填し、押圧整形した後、静置し、乾燥させることにより製造することができる。
【0022】
本発明の多孔質ブロック状材料は円形、楕円形、三角形、矩形、多角形などの所定の厚さを有する板状の他に、球状に成形することもできる。乾燥は常温〜100℃程度の比較的低い温度で数時間〜数十時間かけて徐々に行うことが好ましい。急速に乾燥させると表面にクラックが発生し、強度が低下するので好ましくない。乾燥後、必要に応じて、焼成、養生、中和などの公知慣用の後処理を実施することもできる。
【0023】
前記のようにして得られた本発明の多孔質ブロック状材料は、密度0.5〜1.5g/cm3、圧潰強度5〜20MPa、空隙率20〜50%、透水係数1x10−2cm/秒〜1x10−3cm/秒などの特性を有する。本発明の多孔質ブロック状材料は道路舗装材料として使用できるばかりか、軽量なので、建物の壁面材料、屋根葺き材料又は屋上ルーフィング材料としても好適である。従って、本発明の多孔質ブロック状舗装材料の厚さは、一般的に、10mm〜500mmの範囲内において、その用途及び/又は所望の断熱効果に応じて適宜選択することができる。
【0024】
【実施例】
以下、実施例により本発明の多孔質ブロック状材料の製造及び断熱効果について具体的に例証する。
【0025】
実施例1
中国電力(株)から市販されている、粒度が0.1mm〜40mmの範囲内の混成“Hiビーズ”50wt%に、建設残土から再生した砂20wt%と、普通ポルトランドセメント15wt%と水15wt%を添加し、これらを均一に混合し、縦30cm、横30cm、深さ8cmの型枠に流し込み、蓋板で押圧した蓋板を取り除いた後、型枠ごと温度50℃の乾燥機内に収納し24時間乾燥させた。その後、型枠から離型し、多孔質ブロックを作製した。得られた多孔質ブロックは、気孔率35%、一軸圧縮強度10kgf/cm2、透水係数1x10−2cm/秒、密度0.85g/cm3の特性を有していた。
【0026】
実施例2
実施例1で作製された多孔質ブロック状材料を用いて、人間及び自転車が通行するための歩道を舗装施工した。このブロック舗装歩道は、路床上に厚さ10cmの粒調路盤を形成し、この路盤上にクリンカアッシュと鉄の網状構造物を3cmの厚さで敷設し、この鉄製網状構造物の上面に実施例1で作製された多孔質ブロックを敷設することにより施工した。
【0027】
比較例1
実施例2における粒調路盤上に厚さ11cmのアスファルト舗装を常法通りに施工することにより、アスファルト舗装歩道を作製した。
【0028】
実施例3
前記実施例2で作製されたブロック舗装歩道の表面温度と、比較例3で作製されたアスファルト舗装歩道の表面温度を測定した。温度測定は2002年10月8日から10月29日までの各平日の正午に行った。これらの期間の各日の当該実験場における天候及び外気温も記録した。結果を下記の表1に示す。下記の表1における温度及び温度差の単位は全て「℃」である。
【0029】
【表1】
【0030】
表1に示された結果から明らかなように、本発明の実施例2によるブロック舗装は比較例5によるアスファルト舗装に比べて平均約6℃も表面温度が低かった。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の多孔質ブロック状舗装材料は断熱効果が高いので、アスファルト舗装材料の代わりに使用すると、散水しなくても路面の表面温度を平均で約6℃程度低下させることができる。従って、本発明の多孔質ブロック状舗装材料を道路舗装材料として使用するばかりか、建物の壁面材料、屋根葺き材料、屋上ルーフィング材料などとして使用することにより、大都市部の“ヒートアイランド”現象の抑制に多大な効果を発揮することができる。更に、本発明の多孔質ブロック状舗装材料は保水機能があるので、大雨が降っても雨水はブロック内に取り込まれ、アスファルト舗装道路の場合のように、雨が路面上を一気に流れて都市洪水を引き起こすようなことも効果的に防止される。
【発明の属する技術分野】
本発明はブロック材料に関する。更に詳細には、本発明は保水機能と断熱効果を有し、舗装材料として好適な多孔質ブロック状材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両及び人間などが通行する道路は、利便性を高めるために、一般的に、アスファルト舗装が施される。アスファルト舗装は、アスファルト乳剤と骨材とからなるアスファルト乳剤混合物を、路盤上あるいはアスファルト混合物の基層及び/又は表層上に敷き均し、ローラにて締め固めた後、シールコートを施すことにより形成される。
【0003】
アスファルト舗装道路はその表面が平滑であり、路面に凹凸がないので、自動車などの重車両ばかりか人間や自転車などの軽車両の通行にも極めて好都合であるため、我が国では道路の殆どがアスファルト舗装されている。
【0004】
しかし、アスファルト舗装は一般的に、水を吸収しないので、大雨のときには雨水がアスファルト舗装道路から下水又は河川に即座に流れ込み、都市洪水を引き起こす原因となっていた。
【0005】
また、東京などのような大都市のアスファルト舗装道路は夏期になると、路面付近で反射された日光により気温が上昇し、いわゆる“ヒートアイランド”現象を引き起こすことが社会問題化している。
【0006】
このため、アスファルト舗装面から下部の路床土中に雨水を浸透させるように工夫した、透水性アスファルト舗装が開発され、一部実用に供されている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
また、“ヒートアイランド”現象を抑制するために、東京都などは2001年度から一部の道路で、アスファルトに白い保水材を染み込ませた保水性舗装に関する実験を行っている(例えば、非特許文献1参照)。この保水性舗装の原理は、水が蒸発する際の気化熱を利用して路面の温度を下げることからなる。この保水性舗装実験によれば、夏場は路面温度を約10℃程度低くする効果が確認されたが、保水は一日しか続かず、晴天が続くと温度低下効果は得られない。このため、温度低下を図るために、定期的に人為的に散水を行わなければならず、コスト高を招き実用的ではなかった。更に、保水性舗装のコストは通常のアスファルト舗装の2.5倍もするため、殆ど普及していないのが実状である。
【0008】
【特許文献1】
特開平7−315951号公報
【非特許文献1】
「日本経済新聞」,日本経済新聞社,平成14年(2002年)10月29日,35面
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は保水性が高く、かつ、断熱効果を有する多孔質ブロック材料を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題は、石炭灰とベントナイトとセメントと水とを混合して造粒した、粒度が0.1mm〜40mmの範囲内のビーズと、砂と、セメントとからなる多孔質ブロック状材料により解決される。
【0011】
前記多孔質ブロック状材料は、石炭灰とベントナイトとセメントと水とを混合して造粒した、粒度が0.1mm〜40mmの範囲内のビーズ40wt%〜80wt%と、砂10wt%〜50wt%と、セメント10wt%〜25wt%と、水10wt%〜25wt%とを混合し、型枠に充填し、押圧整形した後、静置し、乾燥させることにより製造することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の多孔質ブロック状材料は断熱効果が高いので、アスファルト舗装材料の代わりに使用すると、散水しなくても路面の表面温度を平均で約6℃程度低下させることができる。また、保水機能があるので、降雨の際には雨水をブロック内に閉じ込め、都市洪水の発生防止にも貢献できる。更に、本発明の多孔質ブロック状材料を道路舗装材料として使用する他、建物の壁面材料、屋根葺き材料、屋上ルーフィング材料などとして使用することにより、大都市部の“ヒートアイランド”現象の抑制に多大な効果を発揮することができる。
【0013】
本発明の多孔質ブロック状材料を形成するのに使用されるビーズは、石炭灰とベントナイトとセメントと水とを混合して造粒することにより得られる。石炭灰は火力発電所から発生するフライアッシュなどを使用することができる。このようなビーズは例えば、中国電力(株)から“Hiビーズ”(登録商標)の商品名で市販されている。“Hiビーズ”は石炭灰88%、セメント9%、ベントナイト3%からなり、護岸工事に使われる海砂の代替材料として開発されたものである。“Hiビーズ”の形状はほぼ球形であり、平均粒径は7.5mmである。また、粒子密度は1.8g/cm3(湿潤状態)、圧潰強度(28日)はコンクルートの強度の約半分程度の1.2〜1.6MPaであり、吸水率は16.4%、透水係数は1.34x10−3cm/秒(6Ec)である。更に、単位体積重量(飽和)は1.7tf/m3と軽量である。
【0014】
本発明で“Hiビーズ”を使用するのは、ビーズ自体が保水性を有するからであることと、このビーズを混合して形成したブロック状舗装材料はビーズ間に空隙が生じ、その空隙内にも水を保持できるからである。
【0015】
本発明では、0.1mm〜40mmの範囲内の粒径のビーズを分級せずに、そのまま使用する。特定の粒度のビーズだけを分級して選択的に使用するよりも、様々な粒度のビーズを混合して使用するほうが最終製品のブロックの気孔率が高まり、高い断熱効果を得ることができる。ビーズの粒径が0.1mm未満では最終製品のブロックが緻密になり過ぎて気孔率が低下し、断熱効果が低下するので好ましくない。
【0016】
本発明の多孔質ブロック状材料におけるビーズの含有量は30wt%〜80wt%の範囲内である。ビーズの含有量が30wt%未満では十分な断熱効果が得られない。一方、ビーズの含有量が80wt%超の場合、断熱効果は高くなるが、反対に強度低下などの不都合が生じるので好ましくない。
【0017】
本発明の多孔質ブロック状材料における砂の含有量は10wt%〜50wt%の範囲内である。砂の含有量が10wt%未満では砂を骨材として使用する所期の効果が得られ。一方、砂の含有量が50wt%超の場合、砂の使用効果が飽和して不経済となるばかりか、反対に強度低下などの不都合が生じるので好ましくない。
【0018】
本発明の多孔質ブロック状材料における砂としては、再生砂、天然砂、人工砂、スクリーニングス、特殊砂などを適宜選択して使用することができる。天然砂はその採取場所によって、川砂、山砂、海砂に分けられる。人工砂は岩石や玉石を破砕して作られるものであり、スクリーニングスは砕石、玉砕を作る際に生じる粒径2.36mm以下の細粒をいう。特殊砂はシリカサンド、高炉水砕スラグ、クリンカーアッシュなどである。
【0019】
本発明の多孔質ブロック状材料でセメントを使用する目的は、前記ビーズ及び砂を相互に結合・団結させるためである。セメントの含有量は10wt%〜25wt%の範囲内である。セメントの含有量が10wt%未満では十分な結合・団結効果が得られず、脆いブロック状材料となる。一方、セメントの含有量が25wt%超の場合、結合・団結効果が飽和して不経済となるばかりか、ビーズ間の空隙がセメントにより埋められ、断熱効果が低下するなどの不都合が生じるので好ましくない。
【0020】
セメントとしては普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、アルミナセメント、消石灰、石膏、水硬性セメント、マグネシアセメント、シリカセメント、ポゾランセメント、石灰スラグセメント、高炉セメント、フライアッシュセメントなど公知慣用のセメントなどを適宜選択して使用することができる。
【0021】
本発明の多孔質ブロック状材料は、石炭灰とベントナイトとセメントと水とを混合して造粒した、粒度が0.1mm〜40mmの範囲内のビーズ40wt%〜80wt%と、砂10wt%〜50wt%と、セメント10wt%〜25wt%と、水10wt%〜25wt%とを混合し、型枠に充填し、押圧整形した後、静置し、乾燥させることにより製造することができる。
【0022】
本発明の多孔質ブロック状材料は円形、楕円形、三角形、矩形、多角形などの所定の厚さを有する板状の他に、球状に成形することもできる。乾燥は常温〜100℃程度の比較的低い温度で数時間〜数十時間かけて徐々に行うことが好ましい。急速に乾燥させると表面にクラックが発生し、強度が低下するので好ましくない。乾燥後、必要に応じて、焼成、養生、中和などの公知慣用の後処理を実施することもできる。
【0023】
前記のようにして得られた本発明の多孔質ブロック状材料は、密度0.5〜1.5g/cm3、圧潰強度5〜20MPa、空隙率20〜50%、透水係数1x10−2cm/秒〜1x10−3cm/秒などの特性を有する。本発明の多孔質ブロック状材料は道路舗装材料として使用できるばかりか、軽量なので、建物の壁面材料、屋根葺き材料又は屋上ルーフィング材料としても好適である。従って、本発明の多孔質ブロック状舗装材料の厚さは、一般的に、10mm〜500mmの範囲内において、その用途及び/又は所望の断熱効果に応じて適宜選択することができる。
【0024】
【実施例】
以下、実施例により本発明の多孔質ブロック状材料の製造及び断熱効果について具体的に例証する。
【0025】
実施例1
中国電力(株)から市販されている、粒度が0.1mm〜40mmの範囲内の混成“Hiビーズ”50wt%に、建設残土から再生した砂20wt%と、普通ポルトランドセメント15wt%と水15wt%を添加し、これらを均一に混合し、縦30cm、横30cm、深さ8cmの型枠に流し込み、蓋板で押圧した蓋板を取り除いた後、型枠ごと温度50℃の乾燥機内に収納し24時間乾燥させた。その後、型枠から離型し、多孔質ブロックを作製した。得られた多孔質ブロックは、気孔率35%、一軸圧縮強度10kgf/cm2、透水係数1x10−2cm/秒、密度0.85g/cm3の特性を有していた。
【0026】
実施例2
実施例1で作製された多孔質ブロック状材料を用いて、人間及び自転車が通行するための歩道を舗装施工した。このブロック舗装歩道は、路床上に厚さ10cmの粒調路盤を形成し、この路盤上にクリンカアッシュと鉄の網状構造物を3cmの厚さで敷設し、この鉄製網状構造物の上面に実施例1で作製された多孔質ブロックを敷設することにより施工した。
【0027】
比較例1
実施例2における粒調路盤上に厚さ11cmのアスファルト舗装を常法通りに施工することにより、アスファルト舗装歩道を作製した。
【0028】
実施例3
前記実施例2で作製されたブロック舗装歩道の表面温度と、比較例3で作製されたアスファルト舗装歩道の表面温度を測定した。温度測定は2002年10月8日から10月29日までの各平日の正午に行った。これらの期間の各日の当該実験場における天候及び外気温も記録した。結果を下記の表1に示す。下記の表1における温度及び温度差の単位は全て「℃」である。
【0029】
【表1】
【0030】
表1に示された結果から明らかなように、本発明の実施例2によるブロック舗装は比較例5によるアスファルト舗装に比べて平均約6℃も表面温度が低かった。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の多孔質ブロック状舗装材料は断熱効果が高いので、アスファルト舗装材料の代わりに使用すると、散水しなくても路面の表面温度を平均で約6℃程度低下させることができる。従って、本発明の多孔質ブロック状舗装材料を道路舗装材料として使用するばかりか、建物の壁面材料、屋根葺き材料、屋上ルーフィング材料などとして使用することにより、大都市部の“ヒートアイランド”現象の抑制に多大な効果を発揮することができる。更に、本発明の多孔質ブロック状舗装材料は保水機能があるので、大雨が降っても雨水はブロック内に取り込まれ、アスファルト舗装道路の場合のように、雨が路面上を一気に流れて都市洪水を引き起こすようなことも効果的に防止される。
Claims (4)
- 石炭灰とベントナイトとセメントと水とを混合して造粒した、粒度が0.1mm〜40mmの範囲内のビーズと、砂と、セメントとからなることを特徴とする多孔質ブロック状材料。
- 路面舗装材料、建物の壁面材料、屋根葺き材料又は屋上ルーフィング材料として使用されることを特徴とする請求項1に記載の多孔質ブロック状材料。
- 路面舗装材料として使用されることを特徴とする請求項2に記載の多孔質ブロック状材料。
- 石炭灰とベントナイトとセメントと水とを混合して造粒した、粒度が0.1mm〜40mmの範囲内のビーズ40wt%〜80wt%と、砂10wt%〜50wt%と、セメント10wt%〜25wt%と、水10wt%〜25wt%とを混合し、型枠に充填し、押圧整形した後、静置し、乾燥させることを特徴とする多孔質ブロック状材料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003197093A JP2005035801A (ja) | 2003-07-15 | 2003-07-15 | 多孔質ブロック状材料及びその製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003197093A JP2005035801A (ja) | 2003-07-15 | 2003-07-15 | 多孔質ブロック状材料及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005035801A true JP2005035801A (ja) | 2005-02-10 |
Family
ID=34207348
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003197093A Pending JP2005035801A (ja) | 2003-07-15 | 2003-07-15 | 多孔質ブロック状材料及びその製造方法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2005035801A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007120159A (ja) * | 2005-10-28 | 2007-05-17 | Ehime Univ | 断熱及び防音材 |
JP2008247728A (ja) * | 2007-03-06 | 2008-10-16 | Tokyo Electric Power Co Inc:The | 保水性ブロックの製造方法 |
-
2003
- 2003-07-15 JP JP2003197093A patent/JP2005035801A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007120159A (ja) * | 2005-10-28 | 2007-05-17 | Ehime Univ | 断熱及び防音材 |
JP2008247728A (ja) * | 2007-03-06 | 2008-10-16 | Tokyo Electric Power Co Inc:The | 保水性ブロックの製造方法 |
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