JP2005034930A - クーラント清浄装置 - Google Patents

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倫嗣 小楠
Kazuma Okano
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Abstract

【課題】クーラント浄化装置による浄化済クーラントの清浄度を更に向上させて加工装置の加工精度を向上させ得るとともに、作業効率の低下を抑制することができるクーラント清浄装置を提供する。
【解決手段】内部空間Sの径が上部から下方に向かって連続的に小さくなるよう形成され、微小孔3bにて当該内部空間Sを下方に臨ませた第1清浄装置本体2及び第2清浄装置本体3と、所定角度にてクーラントを内部空間Sに導入し、そのクーラントを下方に向けて渦巻き状に流動させるクーラント導入ポート2aと、内部空間Sのクーラントを導出するクーラント導出ポート2bと、前記清浄装置本体の下部に液密としつつ脱着自在とされた密封容器4とを備え、微小孔3bから落とし込まれた微小な異物を密封容器4にて収容して除去するものである。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加工装置に送り込まれるクーラント中に含まれる微小な異物を除去するためのクーラント清浄装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
研削加工装置等の加工装置から排出されるクーラントは、加工の際に加工母材から流出したスラッジ等が混入されており、かかる使用済クーラントを再び加工装置に送り込んで再利用するには浄化する必要がある。このような浄化及び循環を行う循環型のクーラント浄化装置として、例えば特許文献1にて記載されたものが開示されている。
【0003】
同文献で開示された従来のクーラント浄化装置は、使用済クーラントを収容する円筒形状のクーラントタンクを有しており、該タンク内で渦流を生じさせることにより、混入しているスラッジ等を同タンクの中央底面に集積させて除去する渦流循環型のものである。これにより、浄化後のクーラントを再度加工装置へ供給することができ、クーラントの再利用を図ることができるのである。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−277067号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のクーラント浄化装置においては、使用済クーラントの浄化に限界があり、浄化が不十分な清浄度の低いクーラントを再利用した場合、加工装置における加工精度に悪影響を及ぼしてしまうという問題があった。即ち、クーラント中の微小なスラッジ等を上記クーラント浄化装置で常時全て取り除くことは事実上不可能であり、クーラントの再利用を図るには不具合が生じていた。
【0006】
然るに、上記クーラント浄化装置で浄化済クーラントを加工装置に送る過程において、2次フィルタ(濾紙等にて濾過するフィルタ等)を介して清浄度を向上することが考えられるが、当該2次フィルタに対する濾紙の交換等、面倒なメンテナンスが必要となり、作業効率もその分低下してしまうという問題もあった。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、クーラント浄化装置による浄化済クーラントの清浄度を更に向上させて加工装置の加工精度を向上させ得るとともに、作業効率の低下を抑制することができるクーラント清浄装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、略円筒形状に形成されるとともに、内部空間の径が上部から下方に向かって連続的に小さくなるよう形成され、底面の微小孔にて当該内部空間を下方に臨ませた清浄装置本体と、該清浄装置本体の側面上部から所定角度にてクーラントを内部空間に導入し、該内部空間にて当該クーラントを下方に向けて渦巻き状に流動させるクーラント導入ポートと、前記清浄装置本体の上面における略中央から上方へ突出形成され、内部空間のクーラントを導出するクーラント導出ポートと、前記清浄装置本体の下部に液密としつつ脱着自在とされ、前記微小孔から流れ落ちたクーラントに含まれる微小な異物を収容し得る密封容器とを備え、加工装置で使用されて排出されたクーラントをクーラント浄化装置にて浄化した後再利用する際に、当該加工装置に送り込まれるクーラント中に含まれる微小な異物を除去することを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のクーラント清浄装置において、ハンドル操作にて前記密封容器を当該清浄装置本体の下部に対して取り付け又は取り外し可能とした脱着機構を具備したことを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載のクーラント清浄装置において、前記クーラント浄化装置は、加工装置で使用されて排出され、スラッジ等の微小な異物が混入したクーラントを渦流にて浄化し、再び加工装置に送り込むことにより当該クーラントを循環利用するための渦流循環型クーラント浄化装置であることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に係るクーラント浄化装置は、図1に示すように、例えば研削加工装置等の加工装置Kで使用されたクーラントを再利用すべくクーラント浄化装置Jにて浄化し、そのクーラントを更に清浄化しつつ当該加工装置Kに送り込むためのもので、所謂2次清浄化手段(濾過手段)を構成するものである。
【0012】
かかるクーラント浄化装置1は、図2に示すように、第1浄化装置本体2と、第2浄化装置本体3と、密封容器4と、脱着機構5とから主に構成されており、このうち第1浄化装置本体2及び第2浄化装置本体3がスタンド部材6の上部に形成された第1支持板7に、脱着機構5が当該スタンド部材6の下部に形成された第2支持板8にそれぞれ固定されている。
【0013】
第1浄化装置本体2は、図3及び図4に示すように、下端にフランジ2dが形成された略筒状の金属製部材から成り、その側面上部にはクーラント導入ポート2aが形成されるとともに、上面における略中央から上方へ向かってクーラント導出ポート2bが形成されている。即ち、クーラント導入ポート2aは、クーラント浄化装置jから排出されたクーラントを導入し、クーラント導出ポート2bは、加工装置Kに供給するクーラントを導出し得るよう構成されている。
【0014】
かかる第1浄化装置本体2は、その下部が開口しており、該開口に第2浄化装置本体3が圧入固定されている。この第2浄化装置本体3は、略円筒形状に形成されるとともに、第1浄化装置本体2の内部空間と共にクーラントを収容し得る内部空間Sを形成している。特に、第2浄化装置本体3における内部空間Sは、その径が上部から下方に向かって連続的に小さくなるよう形成されて所謂漏斗状の縮径部3aを有している一方、その下端が第2浄化装置本体3の底面に形成された微小孔3bと連通している。
【0015】
これにより、第1浄化装置本体2及び第2浄化装置本体3が成す内部空間Sは、微小孔3bを介して下方に臨んで構成されることとなり、当該第2浄化装置本体3の下部に取り付けられる密封容器4と内部空間Sとが連通することとなる。これら第1浄化装置本体2及び第2浄化装置本体3は、本発明の浄化装置本体を構成し、このうち第1浄化装置本体2のフランジ2dに形成された係止孔2cに挿通したボルトにて当該浄化装置本体が第1支持板7に固定される。
【0016】
ここで、クーラント導入ポート2aは、第1清浄装置本体2の側面上部から所定角度にてクーラントを内部空間Sに導入し、図5に示すように、当該内部空間Sにてクーラントを下方に向けて渦巻き状に流動させるよう構成されている。即ち、クーラント導入ポート2aから導入されたクーラントは、内部空間Sにて渦流を生じ、その遠心力にてクーラント中の微小なスラッジ等異物を当該縮径部3aの壁面に押し付けることにより分離する。
【0017】
このように分離されたスラッジ等微小な異物は、その重量により微小孔3bから下方へ流れ落ちる一方、縮径部3aの下端に至ったクーラントは、内部空間Sの略中央を上方へ流れ、クーラント導出ポート2bから導出される。この導出されたクーラントが、加工装置Kに供給されることとなる。即ち、渦流循環型クーラント浄化装置Jにて浄化されたクーラントを更にクーラント浄化装置1にて浄化することができるのである。
【0018】
密封容器4は、内部を目視し得る透明な樹脂等から成る円筒状部材で構成されており、その上部が開口するとともに、該開口縁部にはシール部4aが形成されている。この密封容器4は、クーラントや水等非圧縮性の液体が予め封入されて、第2浄化装置本体3の下部(底面)に対し脱着自在とされている。即ち、密封容器4が第2浄化装置本体3の下部に取り付けられると、シール部4aのシール効果により当該密封容器4の内部と内部空間Sとが液密に連結されて、クーラント導入ポート2a及びクーラント導出ポート2bを塞げば、密封状態となるよう構成されている。
【0019】
脱着機構5は、ハンドル操作にて密封容器4を第2清浄装置本体3の下部に取り付け又は取り外し可能とし得るもので、取り付け時には、密封容器4を上方へ突き上げることにより、当該密封容器4の上縁部(即ち、開口縁部に形成されたシール部4a)を第2清浄装置本体3の下部に押し付けて液密に固定させるよう構成されている。反対に、脱着機構5の突き上げ力を解除することにより、密封容器4が第2清浄装置本体3の下部から取り外され得るようになっている。
【0020】
即ち、脱着機構5は、図6及び図7に示すように、操作者が把持し得るハンドル部9を有しており、該ハンドル部9を図6の状態(下方に向いた状態)から図7の状態(傾斜させた状態)まで揺動操作することにより、密封容器4を第2清浄装置本体3から取り外し可能とされている。
【0021】
より具体的には、脱着機構5は所謂トグル機構から成るものであり、ハンドル部9からは板状の操作部10が一体的に形成され、該操作部10は揺動軸11を中心に揺動自在とされている。一方、密封容器4の下方には、上下方向に延設された動作バー17が配設されており、該動作バー17の先端17aが当該密封容器4の底面を押圧し得るようになっている(図6の状態)。
【0022】
また、動作バー17の基端17bは、回動軸15を介して第1動作部12の上端部と連結されているとともに、該第1動作部12の下端部は、回動軸14を介して第2動作部13の上端部と連結されている。尚、第2動作部13は、その下端部が回動軸16によって回動自在に支持されている。このうち回動軸14は、第1動作部12及び第2動作部13に加え、操作部10の一部とも連結されており、ハンドル部9を揺動軸11を中心に揺動させると、第1動作部12の下端部及び第2動作部13の上端部を図6中右方向へ引っ張り、図7で示すが如く両動作部12、13を屈曲した状態とする。
【0023】
これにより、第1動作部12の上端部に連結された動作バー17が下降して、その先端17aによる密封容器4の底面に対する押圧力が解除されるので、当該密封容器4を第2浄化装置本体3の下部から取り外し可能とされる。従って、密封容器4内にスラッジ等クーラントに含まれた異物が所定量溜まったと判断した際に、ハンドル部9を揺動させるだけで当該密封容器4を容易に取り外すことができ、内容物を廃棄することができる。
【0024】
反対に、密封容器4を取り付けるには、当該密封容器4内に新たな流体(クーラントや水など)を満たした状態として第2浄化装置本体3の下部に当接させるとともに、図7の状態のハンドル部9を揺動させて図6の状態とし、動作バー17の先端17aにて密封容器4を上方へ突き上げることにより、硬く固定させつつ取り付ける。
【0025】
尚、既述の如く、密封容器4の開口縁にはシール部4aが形成されているため、図3及び図4で示すように、第1浄化装置本体2及び第2浄化装置本体3の内部空間Sと密封容器4の内部空間とは微小孔3bを介して連結され、使用時においては、これらの内部空間がクーラント等の流体で満たされた状態とされる。
【0026】
上記クーラント浄化装置1は、図8で示すように、例えば渦流循環型クーラント浄化装置Jと加工装置Kとの間に配設される。かかる渦流循環型クーラント浄化装置Jは、加工装置K(研削加工装置)から排出され金属製加工母材から流出するスラッジ等が混入したクーラントを渦流にて浄化して当該クーラントを循環利用するためのものであり、同図に示すように、第1クーラント槽18と、第2クーラント槽19と、マグネット式選別装置20と、トルネード式浄化装置21と、分離槽22と、流通路L1と、循環路L2とから主に構成されている。
【0027】
第1クーラント槽18は、加工装置Kから導かれたクーラントをマグネット式選別装置20を介して導入し、渦流状態で収容するとともに、中央底面から吐出させる吐出口18aを有するものであり、その上端から下端に亘って内径が縮小した断面が略円形状(漏斗状)の槽から成る。かかる形状により、効率よく渦流を生じさせることができるとともに、第1クーラント槽18を円筒形状にした場合と比べて、第2クーラント槽19の中央底面のクーラントを第1クーラント槽18の吐出口18aにスムーズに流動させることができる。
【0028】
また、第1クーラント槽18内で渦流を生じさせることにより、混入したスラッジ等を中央底面に効率良く集積することができ、かかるスラッジを多く含んだクーラントを吐出口18aからスムーズに吐出させ得ることができる。尚、加工装置Kからマグネット式選別装置20に使用済クーラントを導く流路をL3、マグネット式選別装置20で鉄分除去されたクーラントを第1クーラント槽18に導く流路をL4とおいている。流路(他の流路も含む)は、主に可撓性チューブから成るものであるが、他の材質によって形成された流路としてもよい。
【0029】
また、流路L4の先端におけるクーラントの導入口aは、第1クーラント槽18における上面視接線方向に向けられて配設されており、導入するクーラントが渦流を生じやすくするよう構成されている。これにより、第1クーラント槽18にクーラントを導入すれば、自然と渦流を生じるようになるので、別途の駆動ポンプ等が不要であり、製造コスト及びランニングコストを低減させることができる。
【0030】
更に、分離槽22から延設された流路L6の先端におけるクーラントの導入口bも、第1クーラント槽18における上面視接線方向に向けられて配設されており、導入口aからの流動に加え、渦流を更に生じ易くしている。尚、導入口a及びbの向きを可変とし、所望の渦流を生じさせるよう構成してもよい。
【0031】
ここで、マグネット式選別装置20は、加工装置Kから排出されたクーラントを収容し、ローラ型磁石Mにて当該クーラント中の鉄分を除去するものであり、流路L3から導入したクーラントに含有する鉄分をローラ型磁石Mにて吸着除去することができ、鉄分除去後のものを流路L4にて第1クーラント槽18に導入することができるので、当該第1クーラント槽18に導入されるクーラントに対し、清浄度をある程度高めておくことができ、その後の一連の浄化作用をスムーズに行わせることができる。
【0032】
第2クーラント槽19は、第1クーラント槽18の側方及び下方を囲む円筒形状(下方はなくてもよい)から成り、当該第1クーラント槽18の外側でクーラントを渦流状態で収容するとともに、その中央底面(下方)で第1クーラント槽の吐出口18aに連通したものである。尚、トルネード式浄化装置21から延設されたクーラントの流路L5における導入口cが第2クーラント槽19における上面視接線方向に向けられて配置されているので、第2クーラント槽19においても、第1クーラント槽18と同様の渦流を生じさせることができる。
【0033】
このような第2クーラント槽19内の渦流により、混入したスラッジ等を中央底面に集積することができ、スラッジを多く含んだクーラントのみを吐出口18aから吐出させ得るよう構成されている。即ち、吐出口18aからは、第1クーラント槽18及び第2クーラント槽19の双方で集積された清浄度の低いクーラントが吐出するのである。
【0034】
流通路(L1、L7及びL5)は、吐出口18aから吐出されたクーラントを導くとともに、そのクーラントをトルネード式浄化装置21を介して第2クーラント槽19に導入するための流路である。尚、便宜上、吐出口18aから流通路L7と流路L8の分岐点Wまでの流路を流通路L1、分岐点Wからトルネード式浄化装置21までの流路を流通路L7、トルネード式浄化装置21から第2クーラント槽19までの流路をL5と定義している。
【0035】
流通路L1内のクーラントは、ポンプP1で吸い上げられ、一部が流通路L7を通ってトルネード式浄化装置21に至り、他が流路L8を通ってマグネット式選別装置20に至るよう構成されている。即ち、吐出口18aとトルネード式浄化装置21との間で流通路が分岐しており、分岐した流路L8の先端をマグネット式選別装置20に配置させているのである。かかる構成により、吐出口18aから吐出された清浄度の低いクーラントの一部を再びマグネット式選別装置20に送り込み、更なる鉄分除去を行わせしめることができ、確実な浄化を行うことができる。尚、流路L8には、バルブV1が設けられており、当該流路L8の流通又は遮断を任意に行えるよう構成されている。
【0036】
循環路L2は、第2クーラント槽19の壁面の一部に形成された開口19aからポンプP2を経て本実施形態に係るクーラント清浄装置1及び加工装置Kに延設された流路から成り、第2クーラント槽19の内壁近傍における清浄度の高いクーラントをクーラント清浄装置1を介して加工装置Kに送り込むよう構成されている。尚、循環路L2にはバルブV2が設けられており、加工機Kによる加工時には開けられ、非加工時には閉じられるよう構成されている。
【0037】
トルネード式浄化装置21は、流通路L7を流通するクーラントを渦流を生じさせつつ導入し、上方の清浄度の高いクーラントを流通路L5を介して第2クーラント槽19に導く一方、下方から吐出した清浄度の低いクーラントを分離槽22及び流路L6を介して第1クーラント槽18に導くものである。かかるトルネード式浄化装置21は、下方に縮径部を有する略円筒状部材から成り、流通路L7から導かれたクーラントを渦流を生じさせながら収容する収容空間が内部に形成されるとともに、下方に該収容空間と通じた吐出口が形成されたものである。
【0038】
上記トルネード式浄化装置21は、本実施形態に係るクーラント浄化装置1と同様、導入されたクーラントが自然と渦流を生じるよう構成されており、この渦流により、スラッジ等を含む清浄度の低いクーラントは下方に開口した吐出口から吐出され、清浄度の高いクーラントは上部の流通路L5との接続口(クーラントの導出口)から当該流通路L5を経て第2クーラント槽19に導かれるのである。
【0039】
分離槽22は、トルネード式浄化装置21の吐出口から吐出した清浄度の低いクーラントを収容し、上方位置に油分を浮遊させつつ下方位置にスラッジを沈殿させるとともに、中間位置のクーラントを第2クーラント槽に導くものである。この分離槽は、収容空間S1内で浮遊する油分や沈殿する鉄分(スラッジ)以外の清浄度の高いクーラントのみが収容空間S2に至ることとなり、更に確実に浄化を行うことができる。
【0040】
ここで、本実施形態に係るクーラント浄化装置1を支持するスタンド部材6は、渦流循環型クーラント浄化装置Jのいずれの部位に立設させるようにしてもよく、また、当該渦流循環型クーラント浄化装置Jとは別個の位置にスタンド部材6を立設させ、クーラント浄化装置1を配置するようにしてもよい。
【0041】
次に、上記構成によるクーラントの浄化動作について説明する。
加工装置Kで用いられた使用済クーラントは、流路L3を介してマグネット式選別装置20に送られ、そこでローラ型磁石Mによる鉄分除去が行われた後、流路L4を介して第1クーラント槽18に導入される。第1クーラント槽18においては渦流が生じているため、スラッジ等を含む清浄度の低いクーラントが中央底面の吐出口18aから効率良く吐出される。また、第1クーラント槽1の渦流によって、当該第1クーラント槽18内のクーラントを効率良く吐出口18aから吐出し得るとともに、第2クーラント槽19における清浄度の低いクーラントをも吐出口18aへ引き込むことができる。
【0042】
吐出口18aから吐出されたクーラントは、ポンプP1により流通路L1を介して吸い上げられ、トルネード式浄化装置21を介して清浄度が高いものは第2クーラント槽19に至る一方、清浄度が低いものは分離槽22或いはマグネット式選別装置20を介して再び第1クーラント槽18へ導入される。
【0043】
また、第2クーラント槽19内に導入されたクーラントは、渦流によりスラッジ等を含む清浄度の低いクーラントが中央底面に集積され、第1クーラント槽18と同様、吐出口18aから吐出されて同様の浄化作用が施される一方、内壁近傍の清浄度の高いクーラントのみが開口19aから循環路L2に流出し、ポンプP2によりクーラント清浄装置1に送り込まれる。
【0044】
かかるクーラント清浄装置1に送り込まれたクーラントは、図5に示すように、収容空間Sにて渦流とされつつ下方へ流動し、その遠心力にて縮径部3aの壁面にクーラント中に含まれる微小なスラッジ等が分離された後、密封容器4内に落とし込まれるのである。このように、スラッジ等が更に分離された清浄度の高いクーラントが加工装置Kに供給されることとなり、当該加工装置Kによる加工精度をより向上させることができるのである。
【0045】
即ち、スラッジ等を多く含んだ使用済クーラントは、まず渦流循環型クーラント装置Jにて清浄度がある程度高められ、クーラント清浄装置1によって更に清浄度を向上させたクーラントが加工装置Kに再び送り込まれることにより、クーラントの再利用を図っているので、渦流循環型クーラント装置Jで浄化したクーラントを直接加工装置Kに供給するものに比べ、当該クーラントの清浄度を更に向上させることができる。
【0046】
更に、クーラント清浄装置1におけるスラッジ等の微小な異物を収容する密封容器4が浄化装置本体から脱着自在とされているので、異物の回収等を容易とすることができ、濾紙等から成る所謂2次フィルタ(濾過手段)を備えた従来のものに比べて、作業効率の低下を抑制することができる。また、密封容器4の脱着操作は、脱着機構5におけるハンドル部9のハンドル操作にて行われるので、当該脱着作業をより容易とすることができ、作業効率の低下をより抑制することができる。
【0047】
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば渦流循環型クーラント浄化装置に代え、他の形態のクーラント浄化装置としてもよい。その場合であっても、クーラント清浄装置は、クーラント浄化装置にて浄化されたクーラントを更に浄化するものとされ、その浄化したものが加工装置に供給されることとなる。
【0048】
また、本実施形態においては、研削加工装置に用いられるクーラントを浄化するのに適用されているが、加工時にスラッジ等が生じる他の加工装置(例えば切削装置など)に用いられるクーラントを浄化するよう構成してもよい。更に、本実施形態においては、第1清浄装置本体2と第2清浄装置本体3とが分割構成とされているが、これらを一体構成としつつ内部空間Sの下部に縮径部3aを形成するようにしてもよい。
【0049】
更に、本クーラント清浄装置をクーラント浄化装置(上記渦流循環型のものに限らない)と加工装置との間において、複数並列に設けるようにするのが好ましい。即ち、クーラント浄化装置から加工装置まで延設される循環路を複数に分岐させ、それぞれに本クーラント清浄装置を配設することにより、当該加工装置に送り込むことができるクーラントの量を増加させることができるのである。
【0050】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、クーラント浄化装置による浄化済クーラントの清浄度を更に向上させて加工装置の加工精度を向上させ得るとともに、清浄装置本体に対し脱着自在とされた密封容器に微小な異物を収容し得るので、当該異物の回収等を容易とすることができ、作業効率の低下を抑制することができる。
【0051】
請求項2の発明によれば、ハンドル操作にて密封容器を清浄装置本体の下部に対して取り付け又は取り外し可能とした脱着機構を具備したので、本クーラント清浄装置設置に伴う作業効率の低下を更に抑制することができる。
【0052】
請求項3の発明によれば、クーラント浄化装置が渦流循環型クーラント浄化装置であるので、本クーラント清浄装置に送り込むクーラントを大量に浄化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るクーラント清浄装置が適用されるクーラントの循環システムを示す模式図
【図2】本発明の実施形態に係るクーラント清浄装置を示す斜視図
【図3】同クーラント清浄装置を正面から見た一部断面図
【図4】同クーラント清浄装置を左側方から見た断面図
【図5】同クーラント清浄装置における内部空間Sで生じるクーラントの渦流を示す模式図
【図6】同クーラント清浄装置における脱着機構を示す拡大模式図(密封容器の取り付け状態)
【図7】同クーラント清浄装置における脱着機構を示す拡大模式図(密封容器の取り外し状態)
【図8】本発明の実施形態に係るクーラント清浄装置が適用される渦流循環型クーラント清浄装置及び該渦流循環型クーラント清浄装置と本クーラント清浄装置との接続関係を示す模式図
【符号の説明】
1…クーラント清浄装置
2…第1浄化装置本体
2a…クーラント導入ポート
2b…クーラント導出ポート
3…第2浄化装置本体
3a…縮径部
3b…微小孔
4…密封容器
5…脱着機構
6…スタンド部材
7…第1支持板
8…第2支持板
9…ハンドル部
10…操作部
11…揺動軸
12…第1動作部
13…第2動作部
14〜16…回動軸
17…動作バー
18…第1クーラント槽
19…第2クーラント槽
20…マグネット式選別装置
21…トルネード式浄化装置
22…分離槽
L1、L5、L7…流通路
L2…循環路
L2〜L4、L6、L8…流路
K…加工装置(研削加工装置)
V1、V2…バルブ
P1、P2…ポンプ

Claims (3)

  1. 略円筒形状に形成されるとともに、内部空間の径が上部から下方に向かって連続的に小さくなるよう形成され、底面の微小孔にて当該内部空間を下方に臨ませた清浄装置本体と、
    該清浄装置本体の側面上部から所定角度にてクーラントを内部空間に導入し、該内部空間にて当該クーラントを下方に向けて渦巻き状に流動させるクーラント導入ポートと、
    前記清浄装置本体の上面における略中央から上方へ突出形成され、内部空間のクーラントを導出するクーラント導出ポートと、
    前記清浄装置本体の下部に液密としつつ脱着自在とされ、前記微小孔から流れ落ちたクーラントに含まれる微小な異物を収容し得る密封容器と、
    を備え、加工装置で使用されて排出されたクーラントをクーラント浄化装置にて浄化した後再利用する際に、当該加工装置に送り込まれるクーラント中に含まれる微小な異物を除去することを特徴とするクーラント清浄装置。
  2. ハンドル操作にて前記密封容器を当該清浄装置本体の下部に対して取り付け又は取り外し可能とした脱着機構を具備したことを特徴とする請求項1記載のクーラント清浄装置。
  3. 前記クーラント浄化装置は、加工装置で使用されて排出され、スラッジ等の微小な異物が混入したクーラントを渦流にて浄化し、再び加工装置に送り込むことにより当該クーラントを循環利用するための渦流循環型クーラント浄化装置であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のクーラント清浄装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108481083A (zh) * 2018-03-29 2018-09-04 蚌埠市鸿鹄精工机械有限公司 一种用于钻床的冷却液二次利用装置
CN108515389A (zh) * 2018-03-29 2018-09-11 蚌埠市鸿鹄精工机械有限公司 一种能够回收冷却液再利用的钻床

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CN108515389B (zh) * 2018-03-29 2020-06-19 阜阳市战千里知识产权运营有限公司 一种能够回收冷却液再利用的钻床
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