JP2005034808A - 亜臨界水又は超臨界水を用いた連続処理装置及びこれを用いて得られる有機物の加水分解物 - Google Patents

亜臨界水又は超臨界水を用いた連続処理装置及びこれを用いて得られる有機物の加水分解物 Download PDF

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Abstract

【課題】 有機物含有スラリー中に含まれる固形物の詰まりが生ぜず、インラインフィルターが不要な亜臨界水又は超臨界水を用いた連続処理装置を提供する。
【解決手段】 水を貯留する水タンク1と、亜臨界水又は超臨界水を調製する電気炉3と、高圧水を供給する高圧ポンプ2と、有機物含有スラリーを貯留するスラリータンク6と、有機物含有スラリーを亜臨界水又は超臨界水と合流させる強制バルブを備えたプランジャー式スラリーポンプ7と、触媒を貯留する触媒用タンク12と、触媒用タンク12からの触媒を導入する触媒用高圧ポンプ11と、ニードルバルブのニードル部分をアクチュエータにより上下させるコントロールバルブ9とを設ける。
【選択図】 図1


Description

この発明は、亜臨界水又は超臨界水を用いた連続処理装置及びこれを用いて得られるバイオマス等の有機物の加水分解物に関し、更に詳しくは、亜臨界水又は超臨界水を用いて有機物含有スラリーを加水分解するための連続処理装置と、この連続処理装置を用いて得られる加水分解物とに関するものである。
バイオマス等の有機物含有スラリーを亜臨界水又は超臨界水を用いて加水分解する従来の連続処理装置として、スタティックミキサーを使用するものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。スタティックミキサーを使用すれば、有機物含有スラリーと亜臨界水又は超臨界水とを瞬時に混合することができ、温度ムラの発生を防止して加水分解反応を速やかに行わせることができるという利点がある。
しかしながら、従来のスタティックミキサーを用いた連続処理装置では、以下のような問題点がある。即ち、有機物含有スラリーの送液には、通常、プランジャーポンプ、シリンジ式ポンプ又はギア式ポンプが用いられる。しかし、プランジャーポンプではスラリーがチェック弁に詰まって送液ができなくなるという問題点があり、また、シリンジ式ポンプでは通常2台を並列にすることにより連続送液を行うことが可能であるが、それぞれのシリンジに試料を充填するという繁雑な作業を要する。また、ギア式ポンプでは、10MPa以上の高圧雰囲気下でスラリーを導入するのは困難である。
また、従来では圧力調整に背圧弁が用いられるが、背圧弁は固形分が含まれていると詰まりを生じて圧力の調整ができなくなるため、通常、インラインフィルターが設置される。しかし、インラインフィルターを設置すると、完全に加水分解できない場合にインラインフィルターが詰まり、装置の運転を停止しなければならず、実用的ではない。
特開2000−309663号公報(図1及び請求項2)
本発明はこのような従来技術の問題点を解決するために為されたものであり、本発明の目的は、有機物含有スラリー中に含まれる固形物の詰まりが発生ぜず、インラインフィルターが不要な亜臨界水又は超臨界水を用いた連続処理装置を提供することである。
本発明の亜臨界水又は超臨界水を用いた連続処理装置は、亜臨界水又は超臨界水を用いて有機物含有スラリーを加水分解するための連続処理装置であって、水を加熱及び加圧することにより亜臨界水又は超臨界水を調製して供給する亜臨界水・超臨界水供給部と、有機物含有スラリーを前記供給部から供給される亜臨界水又は超臨界水と合流させる強制バルブを備えたプランジャー式スラリーポンプと、有機物含有スラリーと亜臨界水又は超臨界水とを混合して加水分解反応を促進するスタティックミキサーと、アクチュエータによるバルブの開閉制御により、背圧を維持しながら前記スタティックミキサーから排出される処理液を排出するコントロールバルブとを備えたことを特徴とする。
ここで、超臨界水とは、温度及び圧力が臨界点(374℃、22MPa)以上の状態にある水をいい、また、亜臨界水とは、本明細書に於いては、圧力が12MPa以上で温度が374℃より低く150℃以上の範囲、及び温度が150℃以上で圧力が22MPaより低く150℃以上の範囲の水をいう。
本発明の連続処理装置に於いては、圧力12〜30MPa、150〜450℃以上の亜臨界水又は超臨界水を発生させ、これと有機物系スラリーを混合することにより、60〜0.01秒の滞留時間で連続杓に加水分解処理を行うことができる。本発明の連続処理装置により、上記問題点を以下の通り解決することができる。
本発明に於けるスラリーポンプは、プランジャーポンプに強制バルブを装備したものであり、通常のプランジャーポンプと同様の操作でスラリーの連続送液が可能である。強制バルブは、スラリー中に含まれる固形分の粒子の大きさが数mm以下であれば、また、固形分粒子が柔らかければそれ以上でも、詰まりを防止することができる。
また、本発明の連続処理装置では、背圧弁としてコントロールバルブが用いられる。コントロールバルブはアクチュエーターによって制御され、バルブ出口の開閉を微調整することにより固形分を排出することができる。従って、未分解物が存在しても連続的にこれを排出することが可能である。
本発明に於いては、スタティックミキサーが反応管として使用され、亜臨界水又は超臨界水と有機物含有スラリーとの混合が瞬時に行われる。これにより、反応温度の不均一性を解消することができる。
このような構成の装置で、バイオマス等の有機物含有スラリーを亜臨界水又は超臨界水と連続的に効率よく混合し、処理後の加水分解物の溶液をスムーズに排出できることから、大量に発生するバイオマス等の有機物含有スラリーを連続的に処理することが可能となる。
本発明の亜臨界水又は超臨界水を用いた連続処理装置を使用すれば、例えば食品副産物として排出されるバイオマス等を可溶化し、より付加価値の高い可溶性タンパク質、ペプチド、アミノ酸、オリゴ糖、単糖等を得ることができる。これにより、従来より有償で廃棄処理していたバイオマスを有価物として製品化することができる。また、処理時間が短く大量処理が可能なので、日々大量に発生するバイオマス等の有機物を迅速に処理することができる。
また、上記本発明の連続処理装置を用いて得られる有機物の加水分解物は、従来では利用されなかったバイオマス等を可溶化することができ、新たな食物資源として利用することを可能ならしめるものである。
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。図1は本発明の亜臨界水又は超臨界水を用いた連続処理装置の概略構成を示す模式図である。本発明の連続処理装置は、図1に示すように、亜臨界水又は超臨界水を調製するための水を貯留する水タンク1と、水の加熱を行って亜臨界水又は超臨界水を調製する電気炉3と、電気炉3に水タンク1からの水を高圧水として供給する高圧ポンプ2とを備えている。本実施形態では、電気炉3に於ける高圧は、後述するコントロールバルブ9の調節により維持されている。水タンク1、高圧ポンプ2及び電気炉3により、本実施形態の亜臨界水・超臨界水供給部が構成されている。
また、本実施形態の連続処理装置は、有機物含有スラリーを貯留するスラリータンク6と、スラリータンク6からの有機物含有スラリーを亜臨界水又は超臨界水と合流させるプランジャー式スラリーポンプ7とを備えている。プランジャー式スラリーポンプ7は、固形物が存在する有機物含有スラリーであってもこれを確実に送液し得るように、強制バルブを備えている。強制バルブを備えたプランジャー式スラリーポンプについては、後述する。
更に、本実施形態の連続処理装置は、酸、アルカリ等の加水分解を促進するための触媒を貯留する触媒用タンク12と、触媒用タンク12からの触媒を導入するための触媒用高圧ポンプ11とを備えている。
本実施形態の連続処理装置に於いては、プランジャー式スラリーポンプ7から供給される有機物含有スラリーは、電気炉3から供給される亜臨界水又は超臨界水及び触媒用高圧ポンプ11から供給される触媒と合流した時点で加水分解反応を受け、その後スタティックミキサー4に導入され、完全に混合されることにより、加水分解反応が更に促進される。なお、本実施形態に於けるスタティックミキサー4内の滞在時間は、0.01秒から数秒であり、また、スタティックミキサー4に入る直前の合流地点に於ける温度は、150〜450℃の範囲に設定されている。
また、本実施形態の連続処理装置は、スタティックミキサー4から排出される加水分解後の処理液を冷却するための冷却管5と、冷却管5に於いて冷却された処理液を排出するコントロールバルブ9と、冷却管5及びコントロールバルブ9の間に於ける圧力を計測する圧力計8と、コントロールバルブ9から排出される反応液を貯留する処理液タンク10とを備えている。本実施形態では、圧力計8で計測された圧力値に基づいてアクチュエータ13がコントロールバルブ9の開閉を制御することにより、背圧の変動を極力抑えつつ処理液を処理液タンク10に排出することが可能となる。
図2は本実施形態の連続処理装置に於けるプランジャー式スラリーポンプ7の動作原理を示している。本実施形態のスラリーポンプ7は、図2に示すように、4つの強制バルブ21,22,23及び24と、2つのプランジャーポンプ25及び26とを備えている。スラリーポンプ7は以下のような動作を行う。まず、強制バルブ21及び24を閉じ、強制バルブ22及び23を開けた状態とする。次に、この状態で、プランジャーポンプ25を押すと同時にプランジャーポンプ26を引くように駆動する。これにより、プランジャーポンプ25から強制バルブ23を介してスタティックミキサー4に有機物含有スラリーが送出されると同時に、スラリータンク6から強制バルブ22を介して有機物含有スラリーがプランジャーポンプ26に吸引される。次に、強制バルブ21及び24を開け、強制バルブ22及び23を閉じた状態とする。この状態で、プランジャーポンプ26を押すと同時にプランジャーポンプ25を引くように駆動する。これにより、プランジャーポンプ26から強制バルブ24を介してスタティックミキサー4に有機物含有スラリーが送出されると同時に、スラリータンク6から強制バルブ21を介して有機物含有スラリーがプランジャーポンプ25に吸引される。このような一連の動作を繰り返すことにより、多少の固形物を含んだ有機物含有スラリーであっても、高圧の亜臨界水又は超臨界水中に導入することが可能となる。
図3は、本実施形態の連続処理装置に於けるスタティックミキサー4の概略構成を示している。本実施形態のスタティックミキサー4は、図3に示すように、外筒管31と、この外筒管31内に収納されたスクリュー部32とを備え、外筒管31の容積は約3.1mlであり、非常に小さいものとなっている。外筒管31内に導入された亜臨界水又は超臨界水と有機物含有スラリーと触媒からなる反応液は、スクリュー部32により生ずる乱流により完全に混合され、最短の場合、0.01秒で加水分解反応を完結することが可能となっている。
図4は、本実施形態の連続処理装置に於けるコントロールバルブ9の動作原理を示している。本実施形態のコントロールバルブ9は、図4に示すように、ニードルバルブ41のニードル部分42をアクチュエータ(図示せず)により上下させることにより、スタティックミキサー4内の圧力を維持しながら加水分解後の処理液を排出するように構成されている。このようなコントロールバルブ9の採用により、未分解物や処理により発生した固形分を容易に排出することが可能となる。
本発明の亜臨界水又は超臨界水を用いた連続処理装置は、植物性バイオマスや動物性バイオマスに限らず、流動性を有するスラリー形成が可能な有機物であれば有機物含有スラリーとして処理することが可能であり、その種類は特に制限されない。加水分解反応に用いる亜臨界水又は超臨界水は、処理対象となる有機物に応じて適切な温度及び圧力に設定することが必要であり、本実施形態の装置に於いては、30MPa以下、450℃以下の設定が可能である。また、加水分解を促進するための触媒は、有機酸、無機酸の種類は問わないが、装置の材質としてSUS316等が用いられる場合に高温でも腐食の心配がないという点で、酢酸、乳酸等の有機酸が好ましい。
なお、本発明の装置を用いた場合、有機物含有スラリー中に含まれる全ての有機物が完全に加水分解されない場合があるが、その場合にも、未分解物はその構造変換や官能基の付加により物性が大きく変わる。これにより、オカラやフスマのようにパサパサ感があるものはネバネバ感に変化し、食材としての利用が容易となる。
本実施例では、図1の連続処理装置を用い、亜臨界水を用いて不溶性コラーゲンを連続処理した場合の温度依存性について説明する。
本実施形態に於ける反応条件は、150〜350℃、22MPaである。高圧ポンプ2により電気炉3から送出される亜臨界水は65ml/分、スラリーポンプ7によりスラリータンク6から送出される不溶性コラーゲンのスラリーは25ml/分の総計90ml/分である。なお、この不溶性コラーゲンスラリー中の不溶性コラーゲンの含有量は、10重量%である。また、本実施例に於ける反応液のスタティックミキサー4に於ける滞留時間(=反応時間)は約1〜2秒である。なお、この滞留時間は、高圧ポンプ2及びスラリーポンプ7の送水量で自由に設定することができる。
本実施例に於いては、電気炉3から水(亜臨界水)のみを供給し、水(亜臨界水)と不溶性コラーゲンのスラリーとの合流点付近の温度が所定温度付近に昇温された後に、上記の不溶性コラーゲンのスラリーを所定量供給した。
図5は、本実施例で得られた不溶性コラーゲンの処理液の可溶化率の温度依存性を示している。可溶化率の測定は、核反応温度での処理液中の固形分と可溶成分の重量から算出した。同図から明らかなように、酢酸触媒を添加しない場合は処理温度約280℃以上まで上げればほぼ完全に可溶化された処理液が得られるのに対し、酢酸触媒を添加した場合は約240℃でもほぼ完全に可溶化された処理液が得られることが分かる。
図6(a)は本実施例に於いて得られた不溶性コラーゲンスラリーの処理後のGPC(gel permeation chromatography)曲線を表している。測定条件は以下のとおりである。
カラム:Pharmacia Superdex 200HR 10/30
溶離液:200mMリン酸ナトリウム、pH6.8
流速:0.75ml
カラム温度:40℃
検出器:UV。
図6(a)の結果から、水のみの処理では、260℃までの処理で高分子量域に分子量分布を持ったコラーゲンポリペプチド(ゼラチン)が得られ、さらに処理温度を上げると数万付近に分子量分布を持ったコラーゲンポリペプチドが得られることが分かる。
また、触媒として酢酸を毎分1ml(全反応液が酢酸濃度0.18規定となる量に相当)で送液した場合についても、上記と同様に連続処理を行い、そのGPC曲線を図6(b)に示した。測定条件は図6(a)の場合と同じである。
図6(b)の結果から、酢酸を添加した系では、水のみの系に比べ低温の処理で低分子領域に分子量分布を持ったコラーゲンポリペプチドを得ることができることが分かる。
本実施例では、図1の連続処理装置を用い、亜臨界水を用いてオカラを連続処理した場合の温度依存性について説明する。
本実施形態に於ける反応条件は、実施例1の場合と同様である。スラリータンク6から送出されるオカラのスラリーに於けるオカラの含有量は、12重量%である。
図7は、本実施例で得られたオカラ処理液の可溶化率の温度依存性を示している。可溶化率の測定方法は、実施例1と同様である。同図から明らかなように、オカラの場合は、処理温度の上昇に伴って可溶化率が向上するが、処理温度約360℃以上でも完全に可溶化することはできないことが分かる。
図8(a)及び(b)は本実施例に於いて得られたオカラスラリーの処理後のGPC曲線を表している。測定条件は実施例1と同様であるが、図8(a)ではRI検出器(示差屈折率検出器)を用い、同図(b)ではUV検出器(紫外線検出器)を用いている点が異なっている。
図8(a)及び(b)の結果から、以下のことが分かる。RI検出器ではタンパク質および多糖類等の全ての成分が、UV検出器ではタンパク質成分が検出される。両検出器から、可溶成分の分子量分布は、280℃以下の処理では、カラムの排除限界850kDa付近と数千kDa付近にある。320℃以上では、数千kDaの低分子量域の成分で占められる。RIに於いて反応温度を上げるに従い、徐々に分子量数十万の領域のベースラインが上方へシフトすることより、可溶化したヘミセルロース類(UVでは観察されない)は広い分子量分布を持つことが推定される。
図9は、本実施例で得られたオカラ処理液中の水溶性食物繊維の含有量(重量%)を示している。水溶性食物繊維の含有量の測定は、プロスキー変法により行った。同図から明らかなように、処理温度約200℃以上で急激に水溶性食物繊維の含有量が増加することが分かる。
本実施例では、図1の連続処理装置を用い、亜臨界水を用いて小麦フスマを連続処理した場合の温度依存性について説明する。
本実施形態に於ける反応条件は、実施例1の場合と同様である。スラリータンク6から送出される小麦フスマのスラリーに於ける小麦フスマの含有量は、12重量%である。
図10は、本実施例で得られた小麦フスマ処理液の可溶化率の温度依存性を示している。可溶化率の測定方法は、実施例1と同様である。同図から明らかなように、小麦フスマの場合、処理温度約300℃以上で可溶化率が急激に増加しているが、完全には可溶化することはできないことが分かる。
図11(a)及び(b)は本実施例に於いて得られた小麦フスマスラリーの処理後のGPC曲線を表している。測定条件は実施例1と同様であるが、図11(a)ではRI検出器を用い、同図(b)ではUV検出器を用いている点が異なっている。
図11(a)及び(b)の結果から、小麦フスマのスラリーの場合も、図8のオカラスラリーの場合と同様の傾向を示していることが分かる。
図12は、本実施例で得られた小麦フスマ処理液中の水溶性食物繊維の含有量(重量%)を示している。水溶性食物繊維の含有量の測定は、実施例2と同様にプロスキー変法により行った。同図から明らかなように、処理温度約200℃以上で急激に水溶性食物繊維の含有量が増加することが分かる。
図13は、本実施例で得られた小麦フスマ処理液中のポリフェノールの含有量の温度依存性を示している。ポリフェノールは、抗酸化活性との相関関係を示し、動脈硬化等の原因となる活性酸素を消滅させる効果を有するとして注目されている成分である。図13から明らかなように、ポリフェノールの含有量は処理温度約200℃から増加しはじめ、温度が高くなるほど多くのポリフェノールが生成されることが分かる。
本実施例に於いて得られた小麦フスマの処理物は可溶部と不溶部に大別され、不溶部は加熱処理により構造変化等が生じて水に対する膨潤が顕著になる。そのため、これを食品に添加しても食感を損なうことはない。また、可溶部は水溶性の食物繊維が豊富で生理活性効果も発揮し得ると考えられ、多くの食品に利用可能である。このような傾向は他のバイオマス、例えばオカラにおいても同様に見られた。そのため、食品副産物を排出する企業では、本発明の処理装置を使用することにより、食品副産物を新たな製品に加えることが可能となる。
本発明の亜臨界水又は超臨界水を用いた連続処理装置の概略構成を示す模式図である。 本発明の亜臨界水又は超臨界水を用いた連続処理装置に於けるプランジャー式スラリーポンプの動作原理を示す説明図である。 本発明の亜臨界水又は超臨界水を用いた連続処理装置に於けるスタティックミキサーの概略構成を示す説明図である。 本発明の亜臨界水又は超臨界水を用いた連続処理装置に於けるコントロールバルブの動作原理を示す説明図である。 実施例1で得られた不溶性コラーゲンの処理液の可溶化率の温度依存性を示す図である。 (a)は実施例1に於いて得られた不溶性コラーゲンスラリーの処理後のGPC曲線を表す図であり、(b)は触媒として酢酸を用いた場合のGPC曲線を表す図である。 実施例2で得られたオカラ処理液の可溶化率の温度依存性を示す図である。 (a)は実施例2に於いて得られたオカラのスラリーの処理液のRI検出器によるGPC曲線を表す図であり、(b)は同処理液のUV検出器によるGPC曲線を表す図である。 実施例2で得られたオカラ処理液中の水溶性食物繊維の含有量を示す図である。 実施例3で得られた小麦フスマ処理液の可溶化率の温度依存性を示している。 (a)は実施例3に於いて得られた小麦フスマスラリーの処理液のRI検出器によるGPC曲線を表す図であり、(b)は同処理液のUV検出器によるGPC曲線を表す図である。 実施例3で得られた小麦フスマ処理液中の水溶性食物繊維の含有量を示す図である。 実施例3で得られた小麦フスマ処理液中のポリフェノールの含有量の温度依存性を示す図である。
符号の説明
1 水タンク
2 高圧ポンプ
3 電気炉
4 スタティックミキサー
5 冷却管
6 スラリータンク
7 スラリーポンプ
8 圧力計
9 コントロールバルブ
10 処理液タンク
11 触媒用高圧ポンプ
12 触媒用タンク
13 アクチュエータ
21 強制バルブ
22 強制バルブ
23 強制バルブ
24 強制バルブ
25 プランジャーポンプ
26 プランジャーポンプ
31 外筒管
32 スクリュー部
41 ニードルバルブ
42 ニードル部分

Claims (9)

  1. 亜臨界水又は超臨界水を用いて有機物含有スラリーを加水分解するための連続処理装置であって、
    水を加熱及び加圧することにより亜臨界水又は超臨界水を調製して供給する亜臨界水・超臨界水供給部と、
    有機物含有スラリーを前記供給部から供給される亜臨界水又は超臨界水と合流させる強制バルブを備えたプランジャー式スラリーポンプと、
    有機物含有スラリーと亜臨界水又は超臨界水とを混合して加水分解反応を促進するスタティックミキサーと、
    アクチュエータによるバルブの開閉制御により、背圧を維持しながら前記スタティックミキサーから排出される処理液を排出するコントロールバルブと
    を備えたことを特徴とする、亜臨界水又は超臨界水を用いた連続処理装置。
  2. 前記スタティックミキサーに於ける加水分解反応に先だって、加水分解触媒を更に供給する触媒用高圧ポンプを更に備えたことを特徴とする請求項1記載の亜臨界水又は超臨界水を用いた連続処理装置。
  3. 有機物含有スラリーに含まれる有機物が、フスマ、オカラ及び不溶性コラーゲンから選択されるものである請求項1又は2に記載の亜臨界水又は超臨界水を用いた連続処理装置。
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載の亜臨界水又は超臨界水を用いた連続処理装置を用いてオカラを処理して得られるオカラの加水分解物。
  5. 水溶性食物繊維の含有量が3重量%以上である請求項4記載のオカラの加水分解物。
  6. 請求項1乃至3の何れかに記載の亜臨界水又は超臨界水を用いた連続処理装置を用いてフスマを処理して得られるフスマの加水分解物。
  7. ポリフェノールの含有量が0.3重量%以上である請求項6記載のフスマの加水分解物。
  8. 水溶性食物繊維の含有量が6重量%以上である請求項6記載のフスマの加水分解物。
  9. 請求項1乃至3の何れかに記載の亜臨界水又は超臨界水を用いた連続処理装置を用いて不溶性コラーゲンを処理して得られるコラーゲンの加水分解物。
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