JP2005033327A - 誘電体共振器及び誘電体共振器を用いた空中線共用装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】収容架に収容して使用する場合においても、他の機器への接続や周波数調整がきわめて容易な誘電体共振器を提供する。
【解決手段】ケース本体11には、前面及び背面の開口部に前面壁12a、背面壁12bを設け、上部開口部にケース蓋13を設ける。ケース本体11と前面壁12a、背面壁12bとの間には、アース板14a、14bを介在する。ケース本体11内には、アース板14a、14bの凸部15間に誘電体共振素子18を装着すると共に、凹部16と前面壁12a、背面壁12bとの間に弾性材からなる誘電体保持部材17を介在させ、誘電体共振素子18を弾性的に保持する。前面壁12aの内側に結合コイル19a、19bを設けると共に、外側に入出力接栓20a、20bを設けて両者を接続する。また、前面壁12aには、上側角部に周波数調整棒21を螺着し、周波数を調整できるようにする。
【選択図】 図1
【解決手段】ケース本体11には、前面及び背面の開口部に前面壁12a、背面壁12bを設け、上部開口部にケース蓋13を設ける。ケース本体11と前面壁12a、背面壁12bとの間には、アース板14a、14bを介在する。ケース本体11内には、アース板14a、14bの凸部15間に誘電体共振素子18を装着すると共に、凹部16と前面壁12a、背面壁12bとの間に弾性材からなる誘電体保持部材17を介在させ、誘電体共振素子18を弾性的に保持する。前面壁12aの内側に結合コイル19a、19bを設けると共に、外側に入出力接栓20a、20bを設けて両者を接続する。また、前面壁12aには、上側角部に周波数調整棒21を螺着し、周波数を調整できるようにする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば移動無線の基地局等において使用される空中線共用装置及びこの空中線共用装置に使用される誘電体共振器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えばタクシー無線等の移動無線における基地局では、複数の通信機と空中線との間に空中線共用装置を設け、周波数の異なる複数チャンネルにより1つの空中線を共用している。上記空中線共用機は、複数のバンドパスフィルタにより構成されるが、このバンドパスフィルタとしては、例えばTMモード誘電体共振器が用いられる(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
図5は、従来のTMモード誘電体共振器の構成例を示す断面図である。同図において、1は金属製のシールドケースで、このシールドケース1内には中央部に例えばセラミックスを用いた円柱状の誘電体共振素子2が上下方向に設けられる。すなわち、TMモード誘電体共振器は、シールドケース1と誘電体共振素子2の接触状態が共振器特性に大きな影響を与えるため、誘電体共振素子2を縦方向に配置し、シールドケース1と誘電体共振素子2の接触状態が変化しないように構成する。
【0004】
また、上記シールドケース1内の両側部には、結合ループ3a、3bが設けられると共に、シールドケース1の外側に結合ループ3a、3bに対応させて入出力接栓4a、4bが設けられる。上記結合ループ3a、3bは、シールドケース1に設けた透孔を介して上記入出力接栓4a、4bに接続される。
【0005】
また、シールドケース1の上側には、金属等からなる周波数調整棒5が誘電体共振素子2と平行するように上下方向に設けられ、且つシールドケース1内への挿入長さが調整できるようになっている。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−94308号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のTMモード誘電体共振器は、入出力接栓4a、4bと周波数調整棒5がシールドケース1のそれぞれ異なる面に設けられているので、収容架に収容して使用する場合に非常に不便である。特に周波数調整棒5がシールドケース1の上部に設けられているので、調整操作がし難いと共に高さ方向の制限により、周波数の調整幅が非常に狭くなってしまう。また、周波数の調整幅を大きく取ろうとすると、上部の余計なスペースまで取ることになり、実装できる誘電体共振器の数が減ってしまう。更に、誘電体共振器の上部に他の機器があった場合、調整が非常に困難である等の問題がある。
【0008】
また、従来では、誘電体共振素子2を水平に設けたものも考えられているが、入出力接栓4a、4bを異なる面に設けており、入出力接栓4a、4bや周波数調整棒5等を同一面に設けたものは未だ実用化されていない。
【0009】
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、収容架に収容して使用する場合においても、他の機器への接続や周波数調整がきわめて容易であり、無線システムの増設や周波数変更作業を容易に行なうことができる誘電体共振器及び誘電体共振器を用いた空中線共用装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る誘電体共振器は、シールドケースと、シールドケースの前面壁と背面壁との間に水平に装着される誘電体共振素子と、前記前面壁の内側に設けられる1対の結合コイルと、前記前面壁の外側に設けられ、前記結合コイルに接続される1対の入出力接栓と、前記前面壁に装着される周波数調整棒とを具備したことを特徴とする。
【0011】
上記のようにシールドケース内に誘電体共振素子を水平に設け、入出力接栓及び周波数調整棒をシールドケースの同一面に配置することにより、収容架に収容して使用する場合においても、他の機器への接続や周波数調整がきわめて容易であり、無線システムの増設や周波数変更作業を容易に行なうことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るTMモード誘電体共振器9の構成を示し、(a)は側断面図、(b)は正面図である。
図1(a)、(b)において、10はシールドケースで、ケース本体11、前面壁12a、背面壁12b及びケース蓋13からなっている。
【0013】
上記ケース本体11は、略コの字状に折り曲げ加工され、前面、背面及び上部が開口している。上記ケース本体11には、前面及び背面の開口部に前面壁12a、背面壁12bがねじ止めにより固定されると共に、上部開口部にケース蓋13がねじ止めにより固定される。上記ケース本体11、前面壁12a、背面壁12b及びケース蓋13は、例えば鉄などの金属を使用し、その表面に銅あるいは銀メッキを施している。
【0014】
上記ケース本体11と前面壁12a、背面壁12bとの間には、例えば銅などの材質からなるアース板14a、14bを介在している。このアース板14a、14bは、前面壁12a及び背面壁12bと略同じ大きさであり、その中央部をケース本体11内に突出させて凸部15を形成すると共に、その反対側に凹部16を形成している。この場合、上記凸部15の外周形状は、例えば円状に形成し、その大きさは誘電体共振素子18の外径よりも大きくする。
【0015】
そして、上記ケース本体11内には、アース板14a、14bの凸部15間に誘電体共振素子18を装着すると共に、凹部16と前面壁12a、背面壁12bとの間にゴムなどの弾性材からなる誘電体保持部材17を介在させる。この場合、誘電体保持部材17は、凹部16の深さより若干厚く形成し、アース板14a、14bにより圧接されるようにする。すなわち、誘電体保持部材17により、アース板14a、14bを介して誘電体共振素子18が弾性的に保持されるようにする。なお、上記誘電体保持部材17としては、ゴムの他例えばコイルばね、板ばね等の弾性体を用いても良い。
【0016】
また、前面壁12aの内側に誘電体共振素子18の両側、例えば上下方向に位置するように結合コイル19a、19bを設けると共に、前面壁12aの外側に結合コイル19a、19bに対応させて入出力接栓20a、20bを設け、両者を電気的に接続する。この場合、前面壁12aに透孔を設け、この透孔内にリード線を挿通させて結合コイル19a、19bと入出力接栓20a、20bとを接続する。
【0017】
更に、前面壁12aには、例えば上側角部に周波数調整棒21を螺着する。この周波数調整棒21は、略全長に亘って外周にネジ溝が形成されており、ドライバ等により回転することにより、シールドケース1内への挿入長さが調整できるように、すなわち、周波数が調整できるようになっている。また、上記アース板14aには、結合コイル19a、19b及び周波数調整棒21を挿入するための穴がそれぞれ設けられる。
【0018】
上記のように構成されたTMモード誘電体共振器9は、使用周波数に応じてシールドケース10及び誘電体共振素子18の外径の大きさを設定する。
【0019】
次に、上記誘電体共振素子18をアース板14a、14bの凸部15に装着する方法について図2により説明する。図2は、誘電体共振素子18と一方のアース板14aの凸部15との装着状態を示す断面図である。なお、誘電体共振素子18と他方のアース板14bの凸部15との装着も同様にして行なわれる。
【0020】
まず、誘電体共振素子18の両端の外周をテーパ状に形成し、誘電体共振素子18の先端面及びテーパ部31に予め例えば銀を蒸着しておく。そして、上記誘電体共振素子18のテーパ部31とアース板14a、14bの凸部15との間に、その外周に沿って半田32を流し込み、誘電体共振素子18をアース板14a、14bに固定する。
【0021】
上記TMモード誘電体共振器9を組み立てる場合には、アース板14a、14bに誘電体共振素子18を半田付けにより装着した後、ケース本体11に実装する。次いで、アース板14a、14bの凹部16に誘電体保持部材17を介在させ、前面壁12a、背面壁12bをケース本体11にネジ止めする。この場合、前面壁12aには、結合コイル19a、19b及び周波数調整棒21を予め装着しておく。結合コイル19a、19b及び周波数調整棒21は、アース板14aに設けた穴内を挿通させてケース本体11内に位置させる。そして、ケース本体11の上部開口部にケース蓋13をねじ止めして完成する。
【0022】
上記前面壁12a、背面壁12bをケース本体11にねじ止めにて固定した際、誘電体保持部材17がアース板14a、14bの凹部16内に押し付けられることになり、誘電体共振素子18がケース本体11に確実に固定される。従って、誘電体共振素子18を水平に配置しても確実に保持でき、その脱落を確実に防止することができる。
【0023】
上記のように誘電体共振素子18を水平に配置することにより、結合コイル19a、19b、入出力接栓20a、20b及び周波数調整棒21を前面壁12aに配置することが可能となり、共振器の前面側で他の機器への接続を行なうことができると共に、周波数調整棒21により周波数を調整することができる。
【0024】
また、シールドケース10と誘電体共振素子18の温度係数の相違により、周囲温度の変化によってシールドケース10と誘電体共振素子18との間に歪みが発生したとしても、誘電体共振素子18の両端に取り付けられた誘電体保持部材17の弾性により歪が吸収され、結果的に周囲温度が変化した場合でも、誘電体共振素子18とシールドケース10の接触状態を良好に保持でき、共振器特性を安定化することができる。
【0025】
図3は、上記TMモード誘電体共振器9を収容架40に複数台実装した場合の例を示す側断面図である。
上記のようにTMモード誘電体共振器9は、前面側に入出力接栓20a、20b及び周波数調整棒21を配置しているので、TMモード誘電体共振器9を収容架40に複数台実装した場合においても、その前面側で入出力接栓20a、20bによる他の機器への接続を行なうことができると共に、周波数調整棒21により周波数を調整することができる。従って、無線システムの増設や周波数変更作業等をきわめて容易に行なうことができる。
【0026】
(第2実施形態)
次に、上記TMモード誘電体共振器9を用いて構成した空中線共用装置について図4を参照して説明する。
【0027】
図4に示すように、空中線共用装置41は、複数のTMモード誘電体共振器9a〜9nからなり、各入出力接栓20aに無線機(図示せず)から周波数の異なる複数チャンネルCH1〜CHnの送信信号が入力される。上記TMモード誘電体共振器9a〜9nは、バンドパスフィルタ(BPF)として作用し、各通過周波数帯域は、各チャンネルCH1〜CHnに対応して設定される。上記TMモード誘電体共振器9a〜9nの設定周波数は、上記図1、図3に示した周波数調整棒21によって調整される。
【0028】
上記空中線共用装置41の出力側は、各TMモード誘電体共振器9a〜9nの出力端間、すなわち各入出力接栓20b間が例えばλ(波長)/2の間隔で接続され、その一端が空中線42に接続される。
【0029】
上記空中線共用装置41は、無線機から出力される各チャンネルCH1〜CHnの送信周波数をTMモード誘電体共振器9a〜9nで選択し、空中線42より移動局に向けて送信する。
上記複数のTMモード誘電体共振器9a〜9nは、図3に示したように収容架40に収容されて使用される。
【0030】
上記のように空中線共用装置41では、多数のTMモード誘電体共振器9a〜9nが収容架40に収容されて使用されるが、入出力接栓20a、20bが前面壁12aに設けられているので、各無線機への接続、及び空中線42への接続をきわめて容易に行なうことができる。
【0031】
また、各TMモード誘電体共振器9a〜9nは、各チャンネルCH1〜CHnに対応させて通過周波数を設定する必要があるが、周波数調整棒21が前面壁12aに設けられているので、周波数調整棒21の操作がきわめて容易であり、周波数の調整作業や変更作業を簡単且つ迅速に行なうことができる。
【0032】
なお、上記実施形態では、誘電体共振素子18の上下に結合コイル19a、19bを配置した場合について示したが、誘電体共振素子18の左右に結合コイル19a、19bを配置しても良い。この場合、入出力接栓20a、20bは、結合コイル19a、19bの位置に合わせて水平方向に併置する。
【0033】
また、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できるものである。
【0034】
【発明の効果】
以上詳記したように本発明によれば、シールドケース内に誘電体共振素子を水平に設け、入出力接栓及び周波数調整棒をシールドケースの同一面に配置することにより、収容架に収容して使用する場合においても、他の機器への接続や周波数調整がきわめて容易であり、無線システムの増設や周波数変更作業を容易に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の一実施形態に係る誘電体共振器の側断面図、(b)は同正面図。
【図2】同実施形態における誘電体共振素子とアース板との取付け方法を説明するための図。
【図3】同実施形態における誘電体共振器を収容架に収容した状態を示す側断面図。
【図4】本発明の第2実施形態に係る空中線共用装置の構成例を示す図。
【図5】従来のTMモード誘電体共振器の構成を示す断面図。
【符号の説明】
9、9a〜9n…TMモード誘電体共振器
10…シールドケース
11…ケース本体
12a…前面壁
12b…背面壁
13…ケース蓋
14a、14b…アース板
15…凸部
16…凹部
17…誘電体保持部材
18…誘電体共振素子
19a、19b…結合コイル
20a、20b…入出力接栓
21…周波数調整棒
31…テーパ部
32…半田
40…収容架
41…空中線共用装置
42…空中線
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば移動無線の基地局等において使用される空中線共用装置及びこの空中線共用装置に使用される誘電体共振器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えばタクシー無線等の移動無線における基地局では、複数の通信機と空中線との間に空中線共用装置を設け、周波数の異なる複数チャンネルにより1つの空中線を共用している。上記空中線共用機は、複数のバンドパスフィルタにより構成されるが、このバンドパスフィルタとしては、例えばTMモード誘電体共振器が用いられる(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
図5は、従来のTMモード誘電体共振器の構成例を示す断面図である。同図において、1は金属製のシールドケースで、このシールドケース1内には中央部に例えばセラミックスを用いた円柱状の誘電体共振素子2が上下方向に設けられる。すなわち、TMモード誘電体共振器は、シールドケース1と誘電体共振素子2の接触状態が共振器特性に大きな影響を与えるため、誘電体共振素子2を縦方向に配置し、シールドケース1と誘電体共振素子2の接触状態が変化しないように構成する。
【0004】
また、上記シールドケース1内の両側部には、結合ループ3a、3bが設けられると共に、シールドケース1の外側に結合ループ3a、3bに対応させて入出力接栓4a、4bが設けられる。上記結合ループ3a、3bは、シールドケース1に設けた透孔を介して上記入出力接栓4a、4bに接続される。
【0005】
また、シールドケース1の上側には、金属等からなる周波数調整棒5が誘電体共振素子2と平行するように上下方向に設けられ、且つシールドケース1内への挿入長さが調整できるようになっている。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−94308号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のTMモード誘電体共振器は、入出力接栓4a、4bと周波数調整棒5がシールドケース1のそれぞれ異なる面に設けられているので、収容架に収容して使用する場合に非常に不便である。特に周波数調整棒5がシールドケース1の上部に設けられているので、調整操作がし難いと共に高さ方向の制限により、周波数の調整幅が非常に狭くなってしまう。また、周波数の調整幅を大きく取ろうとすると、上部の余計なスペースまで取ることになり、実装できる誘電体共振器の数が減ってしまう。更に、誘電体共振器の上部に他の機器があった場合、調整が非常に困難である等の問題がある。
【0008】
また、従来では、誘電体共振素子2を水平に設けたものも考えられているが、入出力接栓4a、4bを異なる面に設けており、入出力接栓4a、4bや周波数調整棒5等を同一面に設けたものは未だ実用化されていない。
【0009】
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、収容架に収容して使用する場合においても、他の機器への接続や周波数調整がきわめて容易であり、無線システムの増設や周波数変更作業を容易に行なうことができる誘電体共振器及び誘電体共振器を用いた空中線共用装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る誘電体共振器は、シールドケースと、シールドケースの前面壁と背面壁との間に水平に装着される誘電体共振素子と、前記前面壁の内側に設けられる1対の結合コイルと、前記前面壁の外側に設けられ、前記結合コイルに接続される1対の入出力接栓と、前記前面壁に装着される周波数調整棒とを具備したことを特徴とする。
【0011】
上記のようにシールドケース内に誘電体共振素子を水平に設け、入出力接栓及び周波数調整棒をシールドケースの同一面に配置することにより、収容架に収容して使用する場合においても、他の機器への接続や周波数調整がきわめて容易であり、無線システムの増設や周波数変更作業を容易に行なうことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るTMモード誘電体共振器9の構成を示し、(a)は側断面図、(b)は正面図である。
図1(a)、(b)において、10はシールドケースで、ケース本体11、前面壁12a、背面壁12b及びケース蓋13からなっている。
【0013】
上記ケース本体11は、略コの字状に折り曲げ加工され、前面、背面及び上部が開口している。上記ケース本体11には、前面及び背面の開口部に前面壁12a、背面壁12bがねじ止めにより固定されると共に、上部開口部にケース蓋13がねじ止めにより固定される。上記ケース本体11、前面壁12a、背面壁12b及びケース蓋13は、例えば鉄などの金属を使用し、その表面に銅あるいは銀メッキを施している。
【0014】
上記ケース本体11と前面壁12a、背面壁12bとの間には、例えば銅などの材質からなるアース板14a、14bを介在している。このアース板14a、14bは、前面壁12a及び背面壁12bと略同じ大きさであり、その中央部をケース本体11内に突出させて凸部15を形成すると共に、その反対側に凹部16を形成している。この場合、上記凸部15の外周形状は、例えば円状に形成し、その大きさは誘電体共振素子18の外径よりも大きくする。
【0015】
そして、上記ケース本体11内には、アース板14a、14bの凸部15間に誘電体共振素子18を装着すると共に、凹部16と前面壁12a、背面壁12bとの間にゴムなどの弾性材からなる誘電体保持部材17を介在させる。この場合、誘電体保持部材17は、凹部16の深さより若干厚く形成し、アース板14a、14bにより圧接されるようにする。すなわち、誘電体保持部材17により、アース板14a、14bを介して誘電体共振素子18が弾性的に保持されるようにする。なお、上記誘電体保持部材17としては、ゴムの他例えばコイルばね、板ばね等の弾性体を用いても良い。
【0016】
また、前面壁12aの内側に誘電体共振素子18の両側、例えば上下方向に位置するように結合コイル19a、19bを設けると共に、前面壁12aの外側に結合コイル19a、19bに対応させて入出力接栓20a、20bを設け、両者を電気的に接続する。この場合、前面壁12aに透孔を設け、この透孔内にリード線を挿通させて結合コイル19a、19bと入出力接栓20a、20bとを接続する。
【0017】
更に、前面壁12aには、例えば上側角部に周波数調整棒21を螺着する。この周波数調整棒21は、略全長に亘って外周にネジ溝が形成されており、ドライバ等により回転することにより、シールドケース1内への挿入長さが調整できるように、すなわち、周波数が調整できるようになっている。また、上記アース板14aには、結合コイル19a、19b及び周波数調整棒21を挿入するための穴がそれぞれ設けられる。
【0018】
上記のように構成されたTMモード誘電体共振器9は、使用周波数に応じてシールドケース10及び誘電体共振素子18の外径の大きさを設定する。
【0019】
次に、上記誘電体共振素子18をアース板14a、14bの凸部15に装着する方法について図2により説明する。図2は、誘電体共振素子18と一方のアース板14aの凸部15との装着状態を示す断面図である。なお、誘電体共振素子18と他方のアース板14bの凸部15との装着も同様にして行なわれる。
【0020】
まず、誘電体共振素子18の両端の外周をテーパ状に形成し、誘電体共振素子18の先端面及びテーパ部31に予め例えば銀を蒸着しておく。そして、上記誘電体共振素子18のテーパ部31とアース板14a、14bの凸部15との間に、その外周に沿って半田32を流し込み、誘電体共振素子18をアース板14a、14bに固定する。
【0021】
上記TMモード誘電体共振器9を組み立てる場合には、アース板14a、14bに誘電体共振素子18を半田付けにより装着した後、ケース本体11に実装する。次いで、アース板14a、14bの凹部16に誘電体保持部材17を介在させ、前面壁12a、背面壁12bをケース本体11にネジ止めする。この場合、前面壁12aには、結合コイル19a、19b及び周波数調整棒21を予め装着しておく。結合コイル19a、19b及び周波数調整棒21は、アース板14aに設けた穴内を挿通させてケース本体11内に位置させる。そして、ケース本体11の上部開口部にケース蓋13をねじ止めして完成する。
【0022】
上記前面壁12a、背面壁12bをケース本体11にねじ止めにて固定した際、誘電体保持部材17がアース板14a、14bの凹部16内に押し付けられることになり、誘電体共振素子18がケース本体11に確実に固定される。従って、誘電体共振素子18を水平に配置しても確実に保持でき、その脱落を確実に防止することができる。
【0023】
上記のように誘電体共振素子18を水平に配置することにより、結合コイル19a、19b、入出力接栓20a、20b及び周波数調整棒21を前面壁12aに配置することが可能となり、共振器の前面側で他の機器への接続を行なうことができると共に、周波数調整棒21により周波数を調整することができる。
【0024】
また、シールドケース10と誘電体共振素子18の温度係数の相違により、周囲温度の変化によってシールドケース10と誘電体共振素子18との間に歪みが発生したとしても、誘電体共振素子18の両端に取り付けられた誘電体保持部材17の弾性により歪が吸収され、結果的に周囲温度が変化した場合でも、誘電体共振素子18とシールドケース10の接触状態を良好に保持でき、共振器特性を安定化することができる。
【0025】
図3は、上記TMモード誘電体共振器9を収容架40に複数台実装した場合の例を示す側断面図である。
上記のようにTMモード誘電体共振器9は、前面側に入出力接栓20a、20b及び周波数調整棒21を配置しているので、TMモード誘電体共振器9を収容架40に複数台実装した場合においても、その前面側で入出力接栓20a、20bによる他の機器への接続を行なうことができると共に、周波数調整棒21により周波数を調整することができる。従って、無線システムの増設や周波数変更作業等をきわめて容易に行なうことができる。
【0026】
(第2実施形態)
次に、上記TMモード誘電体共振器9を用いて構成した空中線共用装置について図4を参照して説明する。
【0027】
図4に示すように、空中線共用装置41は、複数のTMモード誘電体共振器9a〜9nからなり、各入出力接栓20aに無線機(図示せず)から周波数の異なる複数チャンネルCH1〜CHnの送信信号が入力される。上記TMモード誘電体共振器9a〜9nは、バンドパスフィルタ(BPF)として作用し、各通過周波数帯域は、各チャンネルCH1〜CHnに対応して設定される。上記TMモード誘電体共振器9a〜9nの設定周波数は、上記図1、図3に示した周波数調整棒21によって調整される。
【0028】
上記空中線共用装置41の出力側は、各TMモード誘電体共振器9a〜9nの出力端間、すなわち各入出力接栓20b間が例えばλ(波長)/2の間隔で接続され、その一端が空中線42に接続される。
【0029】
上記空中線共用装置41は、無線機から出力される各チャンネルCH1〜CHnの送信周波数をTMモード誘電体共振器9a〜9nで選択し、空中線42より移動局に向けて送信する。
上記複数のTMモード誘電体共振器9a〜9nは、図3に示したように収容架40に収容されて使用される。
【0030】
上記のように空中線共用装置41では、多数のTMモード誘電体共振器9a〜9nが収容架40に収容されて使用されるが、入出力接栓20a、20bが前面壁12aに設けられているので、各無線機への接続、及び空中線42への接続をきわめて容易に行なうことができる。
【0031】
また、各TMモード誘電体共振器9a〜9nは、各チャンネルCH1〜CHnに対応させて通過周波数を設定する必要があるが、周波数調整棒21が前面壁12aに設けられているので、周波数調整棒21の操作がきわめて容易であり、周波数の調整作業や変更作業を簡単且つ迅速に行なうことができる。
【0032】
なお、上記実施形態では、誘電体共振素子18の上下に結合コイル19a、19bを配置した場合について示したが、誘電体共振素子18の左右に結合コイル19a、19bを配置しても良い。この場合、入出力接栓20a、20bは、結合コイル19a、19bの位置に合わせて水平方向に併置する。
【0033】
また、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できるものである。
【0034】
【発明の効果】
以上詳記したように本発明によれば、シールドケース内に誘電体共振素子を水平に設け、入出力接栓及び周波数調整棒をシールドケースの同一面に配置することにより、収容架に収容して使用する場合においても、他の機器への接続や周波数調整がきわめて容易であり、無線システムの増設や周波数変更作業を容易に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の一実施形態に係る誘電体共振器の側断面図、(b)は同正面図。
【図2】同実施形態における誘電体共振素子とアース板との取付け方法を説明するための図。
【図3】同実施形態における誘電体共振器を収容架に収容した状態を示す側断面図。
【図4】本発明の第2実施形態に係る空中線共用装置の構成例を示す図。
【図5】従来のTMモード誘電体共振器の構成を示す断面図。
【符号の説明】
9、9a〜9n…TMモード誘電体共振器
10…シールドケース
11…ケース本体
12a…前面壁
12b…背面壁
13…ケース蓋
14a、14b…アース板
15…凸部
16…凹部
17…誘電体保持部材
18…誘電体共振素子
19a、19b…結合コイル
20a、20b…入出力接栓
21…周波数調整棒
31…テーパ部
32…半田
40…収容架
41…空中線共用装置
42…空中線
Claims (2)
- シールドケースと、シールドケースの前面壁と背面壁との間に水平に装着される誘電体共振素子と、前記前面壁の内側に設けられる1対の結合コイルと、前記前面壁の外側に設けられ、前記結合コイルに接続される1対の入出力接栓と、前記前面壁に装着される周波数調整棒とを具備したことを特徴とする誘電体共振器。
- 請求項1記載の誘電体共振器を収容架に複数収容し、各誘電体共振器の一方の入出力接栓に無線機を接続すると共に他方の入出力接栓に1つの空中線を共通接続し、複数の無線機により1つの空中線を共用することを特徴とする空中線共用装置。
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