JP4150399B2 - 誘電体フィルタ - Google Patents

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Description

本発明は、無線周波数(RF:Radio Frequency)帯の信号の送受信回路(以下、RF回路と称する。)に用いて好適な誘電体フィルタに関し、例えば移動体通信システムにおける基地局(無線基地局装置又は無線基地局)の送受信回路に用いて好適な誘電体フィルに関する。
移動体通信システムにおける基地局は、ネットワーク側(例えば、IP[Internet Protocol]網、交換装置、基地局制御装置)からの各移動局宛てのデータ信号を受信し、所定の周波数のRF信号に変換し、アンテナから送信するが、アンテナからの送信前に、送信信号について不要な周波数成分(スプリアス輻射)を抑圧するために、バンドパスフィルタ(BPF:Band Pass Filter)を備えている。従って、基地局のアンテナから移動局(移動機,移動端末)に送信されるRF信号はスプリアス等が除去されたものとなっている。
一方、移動局は、基地局からのRF信号を受信し、バンドパスフィルタを用いて希望波以外の不要波を抑圧してから、復調等の受信処理を行なう。
以上が、移動通信システムにおける下り方向のRF信号の送受信処理の説明であるが、同様に、上り方向のRF信号の送受信処理も行われる。
即ち、各移動局は、所定の周波数(例えば、基地局によって割当てられた周波数)のRF信号をバンドパスフィルタにより、不要波を抑制してから基地局に対して送信する。
そして、基地局は、アンテナ,送受信共用器を介して、各移動局から送信されたRF信号を受信し、同様にバンドパスフィルタにより希望波以外の不要波を抑圧してから、受信RF信号を復調し、復調した各移動局からのデータ信号を多重化してネットワーク側に出力する。
このように、基地局、移動局は、無線信号を媒介として、データの送受信を行なうので、不要波の抑圧を行なうためのフィルタを備えている。フィルタとしては、一般的には誘電体フィルタがよく用いられる。
一般に、誘電体フィルタは、誘電体を備えた共振器(共振素子)を有し、複数の共振器がそれぞれ特定の周波数(共振周波数)について共振することによって、特定の周波数を通過させることにより不要波を抑圧したRF信号を出力するようになっている。
誘電体フィルタが用いられる理由は、RF回路に実装したときのRF信号の電力挿入損失が小さいからでもある。尚、基地局側のバンドパスフィルタとして利用される場合等においては、誘電体フィルタの外部ケース(筐体)の寸法は、利用する周波数帯によっても若干異なるが、約10cm〜20cm程度である。
図7(a)は従来の誘電体フィルタの側面図である。この図7(a)に示す誘電体フィルタ50は、入力用コネクタ30a、出力用コネクタ30bを備え、複数の誘電体32が金属製ケース51に覆われて構成されている。そして、各誘電体32の間には、それぞれケース51と一体成形された仕切り壁52が設けられている。仕切り壁52は、各誘電体間を完全に遮蔽するのではなく、所定の切り欠き(切り欠き部)が設けられており、各誘電体を収納する空間を空間的に結合している。そして、各誘電体32は、ケース51の底面60aに形成された支持台31の上にそれぞれ固定され、各誘電体の上方である、ケース51の天井面60bには、共振周波数の調整用のネジ(以下、調整ネジと称する。)33が設けられている。
この図7(a)に示す誘電体フィルタ50を例えば基地局の送信系のバンドパスフィルタとして利用する場合には、入力端のコネクタ30aからは、移動局向けの送信用RF信号が入力され、入力されたRF信号は、誘電体で構成される各共振器を伝搬してゆき、出力端のコネクタ30bに到達し、コネクタ30bから、移動局へ送信すべくアンテナ側に出力される。尚、誘電体32間に設けられた仕切り壁52により形成された切り欠き34の面積が大きいと進行磁界の量が増加し、また、切り欠き34の面積が小さいと進行磁界の量が減少するため、切り欠き34の面積を所望の結合量を確保するような面積にすることで、各共振器間の結合量を調整することができる。しかし、仕切り壁52は、ケース51と一体成形されるため、一度形成した切り欠き34の面積を後に変更することは困難であり、結合量を微調整する際には、切り欠き34において、磁界に直交するように図7(b)のように、結合調整ネジ105を挿入し、挿入量を微調整することが一般的である。
また、図7(b)は誘電体フィルタ50の上面図である。この誘電体32は、例えばTE01δモードで共振動作するものであって直径dの円柱型である。ここで、ケース51の寸法は、誘電体フィルタ50の通過損失を決定するQ値に応じて(Q値がどの程度必要であるかに応じて)決定され、通常、誘電体32の寸法に対して2倍以上の寸法に設計される。例えばTE01δモードで用いられる場合、ケース51の幅(磁界に直交する辺)Lおよびさ(磁界の進行方向の辺)Lは、それぞれ、誘電体32の直径dの約2倍にされ、ケース51の高さは誘電体32の厚みの約3倍にされる。すなわち、ほぼ、L=L=2・dの関係が満たされるようになっている(・は乗算を表す。)。
このように、誘電体フィルタ50の寸法は、誘電体32の寸法に応じて大きくなる。
また、図7(c)は切り欠き34の断面図(矢視図:筐体のみ表示)であって、図7(a)に示すD−D′の部分が表示されている。この図7(c)に示す切り欠き34は、仕切り壁52の一部を削り取る等の加工によって形成される。そして、切り欠き34の位置,寸法および形状を設計変更することによって、共振器間の結合量が調整され、システム仕様に合致するフィルタ特性を有する結合度が得られるようになっている。繰り返すが、切り欠き34が大きい場合は隣接する共振器50a,50b間の結合度が大きくなり、切り欠き34が小さい場合は隣接する共振器50a,50b間の結合度は小さくなる。
そして、更に結合量を調整するためには、結合調整ネジ105をケース51の内部に挿入(通常、挿入端がケース51に接触しないように挿入する)させることによって、結合度を強くし、また、結合調整ネジ105を抜くことによって、結合度を弱くすることができる。
もちろん、誘電体フィルタの中心周波数を調整するには、(周波数)調整ネジ33をケース51の内部に挿入させることによって、フィルタの中心周波数を高くし、調整ネジ33を抜くことによって、中心周波数を低くすることができる。
以上が、誘電体フィルタの一般的な構成であるが、共通の外部導体の内部に複数個のTE01δモード誘電体共振素子を縱続接続させたバンドパスフィルタも提案されている(例えば特許文献1参照)。特許文献1記載のバンドパスフィルタは、外部導体の側壁に接する縁部から中心方向への範囲に段間結合孔が設けられ、段間結合係数調整素子の管内挿入長を変えることによって段間結合係数を大幅に変化させている。
さらに、外部導体と結合調整板との間の組立を簡略化したバンドパスフィルタも提案されている(例えば特許文献2参照)。特許文献2記載のバンドパスフィルタは、外部導体と結合調整板との間の組立を簡略化したものである。
特開平08−065006号公報 特開2000−114809号公報
しかしながら、フィルタ特性を調整するために、共振器間の結合を弱める必要が生じても、誘電体フィルタ50内部の共振器間の結合は、結合調整に用いる調整ネジ105によって結合が強くなる方向(結合量の最小値は、結合調整ネジ105を挿入しないことであり、それ以下の結合量を得ることはできない)にしか調整できない。もちろん、切り欠き34を狭くすれば、結合量を小さくできるが、一度削ってしまうと元に戻せないため、ケース51全体の加工から再度行なわなければならないこととなる。
仕切り壁52が無い場合には、予め、誘電体32の間隔を必要以上に広くしておき、隣接する共振器の結合量を減少させる方向に調整して、所望の通過帯域を得ることが行われる。この場合、隣接する共振器の間隔がケース51のL寸法よりも必要以上に大きくなる事が多く、誘電体フィルタ50の全長が大きくなり、小型化を疎外することとなる。
また、例えば図7(a)に示すフィルタのケース51に切り欠き34を形成するためには、誘電体間を完全に遮断する仕切り壁52を設けてから仕切り壁52を削る必要があり、フィルタを製造するための工程を短縮することの疎外要因となっている。
また、製造の観点からは、フィルタ特性を厳密に調整するためには、切り欠き34の寸法が固定(FIX)できるまでは、追加工等によるカットアンドトライが必要となり、分解および再メッキ等の手間がかかる。特に、移動通信システムにおける基地局のバンドパスフィルタとして適用する場合には、特定チャネルの近傍の周波数成分は、大きな減衰量を要求される場合が多い。従って、共振器の段数を多くしてRF信号の減衰量を大きくする必要があり、誘電体フィルタが大型とならざるをえずこの問題は顕著である。一方、装置の内部に共用器等を収める必要があるので、従来の構成よりも一層小型な誘電体フィルタが要求されている。
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、結合量を小さくする方向の調整が容易な誘電体フィルタ、従来に対して小型化可能な誘電体フィルを提供することを目的とする。
(1このため、この誘電体フィルタは、送信信号用の第1の誘電体フィルタと、受信信号用の第2の誘電体フィルタが仕切り壁をはさんで並行して設けられた誘電体フィルタにおいて、前記1の誘電体フィルタを収納する第1の導電性ケースと、該第1の導電性ケースと電気的に接続されている仕切り壁との間を電気的に接続するように、該第1の導電性ケースに収納された共振素子間に挿入されることで短絡を形成する棒状の導電性の第1短絡部材と、前記第2の誘電体フィルタを収納する第2の導電性ケースと、該第2の導電性ケースと電気的に接続されている仕切り壁との間を電気的に接続するように、該第2の導電性ケースに収納された共振素子間に挿入されることで短絡を形成する棒状の導電性の第2短絡部材と、を備え、該第1短絡部材と、該第2短絡部材とは、前記仕切り壁において、それぞれ該第1の導電性ケース側の側面と該第2の導電性ケース側の側面とに、互いに高さの異なる位置に設けられた非貫通孔に挿入されることにより、異なる高さの位置に配置されるとともに、突出規制されて取り付けられたことを要件としている。
従って、このようにすれば、例えば金属棒が磁界の進行方向と直交するときは磁界の通過が妨げられ、また、磁界の進行方向と金属棒とが生成する角度を変動させることにより、磁界の通過量を調整できる
(2)また、この誘電体フィルタは、底面の半径がRの略円柱状の第1空間、第2空間同士を底面の中心間の距離が、Rより長く、2Rより短くなるように並列配置した場合に該第1空間と該第2空間の結合により形成される空間の、該第1空間側に配置された第1誘電体と、該第2空間側に配置された第2誘電体と、この空間を覆う導電性ケースとを備え、該第1空間と該第2空間とが重なる空間部分を通るように、該第1誘電体、該第2誘電体間に挿入され、前記ケースと電気的に接続することで、短絡を形成する棒状の導電性の短絡部材が取り付けられた、ことを要件としている。
従って、このようにすれば、隣接する共振器間の一部が両共振器間でオーバーラップし、ケースを小型化できる。そして、複数の共振素子は、縦列的に設けられて構成されてもよく、このようにすれば、共振器間の結合状態を変更でき、通過帯域幅の異なる複数の誘電体フィルタを一体形成できる
(A)本発明の第1実施形態の説明
図1は本発明に係る誘電体フィルタを移動通信システムに適用する場合の例を示すための図であり、第1実施形態に係る移動体通信システム100の概略的な構成図である。この図1に示すシステム100は、移動局40が、無線区間を介して移動網、インターネット等のネットワーク41と通信可能なものであって、ネットワーク41と基地局20と複数の移動局40とをそなえて構成されている。
発明の誘電体フィルタは図1に示す基地局20のRF回路27に設けられている。
ここで、ネットワーク41は、各移動局40からの情報を受信したり、逆に、各移動局に向けて送信するための音声、データ等を基地局20側に送信するものである。また、各移動局40は、例えば携帯電話,携帯端末であって、基地局20のセル内において、基地局20と無線通信を行なうことにより、他の通信装置との間で通信を行なうことができる。
また、基地局20は、ネットワーク41側からの音声、データ等の情報移動局40に対して送信し、移動局40からの音声、データ等の情報をネットワーク41側に送信する無線送受信装置であって、ネットワーク41と無線区間との間の各データのフォーマットを変換するための処理を行なうインターフェース部(I/F[Interface]部)29と、インターフェース部29にてフォーマット処理された送信データのベースバンド処理とRF回路27にて復調処理された受信データのベースバンド処理とを行なうベースバンド処理部28と、ベースバンド処理部28にてベースバンド処理された送信データをRF信号に周波数変換して出力し、また、RF信号を受信し周波数変換を施してから、復調処理した受信データをベースバンド処理部28に出力するRF回路27とをそなえて構成されている。
次に、RF回路27について詳述する。
図1に示すRF回路27は、アンテナ21と、アンテナ共用器(デュプレクサ)22と、低雑音増幅器(LNA[Low Noise Amplifier])26bと、受信部(RX)25bと、送信電力増幅器(PA[Power Amplifier])26aと、送信部(TX)25aとをそなえて構成されている。ここで、アンテナ21は送信および受信の双方で共用して用いられる送受信共用アンテナである。
デュプレクサ22は、3端子を有し各端子はそれぞれアンテナ21,送信電力増幅器26aおよび低雑音増幅器26bに接続されている。そして、送信電力増幅器26aからの送信信号は、送信用バンドパスフィルタ23により不要波を抑制して、所望の周波数の信号を出力するように帯域制限し、帯域制限後の信号をアンテナ側の端子を介してアンテナに出力する。一方、アンテナ側の端子から入力された受信信号は、受信用バンドパスフィルタ24によって、不要波を抑制して受信希望波を通過させて、所望の周波数帯の信号を低雑音増幅器26b側の端子から出力する。
低雑音増幅器26bは、デュプレクサ22からのRF信号を復調および復号処理するために必要な大きさに増幅するものである。また、受信部25bは、低雑音増幅器26bから出力された増幅後のRF信号について、ダウンコンバートし、ダウンコンバートした信号を復調して出力するものである。ベースバンド処理部28は受信部25bにて復調して出力された受信データについてベースバンド処理するものである。このベースバンド処理された受信データは、インターフェース部29にてフォーマット変換されて、ネットワーク41側に出力される。
次に、送信部25aは、ベースバンド処理部28から入力された送信データに基づいて、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)等により変調し、変調した送信信号を出力するものである。また、送信電力増幅器26aは、送信部25aからの送信信号を増幅して、所定の電力のRF信号を出力するものである。
これにより、送信系統の信号は、RF回路2を介して出力され所望の帯域を有するRF信号として無線区間(無線アクセス区間)に出力されるようになっている。なお、具体的な送信周波数および周波数帯域は、例えば800MHz(メガヘルツ)〜2GHz(ギガヘルツ)等が挙げられる。
次に、デュプレクサ22において用いられる(送信、受信用)バンドパスフィルタ23、24としての誘電体フィルタの構造について詳しく説明する。
尚、図1の構成では、3端子のデュプレクサについて記載し、説明したが、簡単のため、まずは、1入力1出力のタイプの単純なバンドパスフィルタ(誘電体フィルタ)について説明することとする。
図2(a)は本発明の第1実施形態に係る誘電体フィルタの側面図であり、図2(b)は本発明の第1実施形態に係る誘電体フィルタの上面図である。
誘電体フィルタ1は、入力用コネクタ30a、出力用コネクタ30bを備えている。これらのコネクタとしては、汎用のSMA(Sub Miniature type A)コネクタ等を用いることができる。また、誘電体フィルタは、電磁波を閉じ込めるための直方体の形状をしたケース51(従来技術のように、仕切り壁52は設けていない)の中に複数の誘電体32を収納している。
尚、ケース51は、少なくとも内壁が導電性を持つケース(例えば、全体が金属製のケース、全体は金属製とは限らないが、その内壁又は内外壁を銀メッキ、金メッキ等によりメタライズしたケース等)を用いることとする。このような内壁が導電性を持つケース51を導電性ケース51と称することとする。以下、ケース51は、内外壁が一体的にメタライズされた導電性ケースについて説明する。
誘電体32は、導電性ケース51の底面51bに形成された支持台31の上に固定されており、各誘電体の上方に位置するケース51の天井面51aには貫通孔が設けられており、溝山を有するスクリューネジ等の周波数調整用のネジ(以下、周波数調整ネジと称する。)33の挿入固定が可能となっている。尚、支持台31は、いずれも、例えばセラミックスのような絶縁材料からなる。各支持台31の配置間隔は、帯域幅初期設定値に応じて適切な間隔に調整されている。
この図2(a)に示す誘電体フィルタ50を例えば基地局の送信系のバンドパスフィルタとして利用する場合には、入力端のコネクタ30aからは、移動局向けの送信用RF信号が入力され、入力されたRF信号は、誘電体32を介して伝搬し、不要波が抑圧された後の送信信号が、出力端のコネクタ30bに到達し、移動局へ送信すべくアンテナに送られることとなる。
本発明においては、図2(a)に示す貫通孔9(各誘電体の間に縦に2つ設けている)に、金属製部材としての金属棒8を挿入することで結合量を調整することとなる。金属棒8と導電性ケース51との接続関係は、図2(b)を参照することにより、更に明らかとなるが、導電性ケース51の両側面に対向するように形成された貫通孔9に挿入され、両端部分が、固定ネジ106により導電性ケース51に固定されることで導電性ケース51と導通(ショート)がとれており、導電性ケース51を含めて閉ループが形成される。図2(b)では、少なくとも導電性ケース51の外壁面で金属棒8との導通が確実にとれていることが明らかであるが、金属棒8の寸法に導電性ケース51の壁面に設ける孔の寸法をあわせること等により、導電性ケース51の内壁面との導通性を高めることもできる。図9(a),図9(b)はいずれも本発明の第1実施形態に係る金属棒8と導電性ケース51との接触部分を説明するための図である。
尚、好ましくは、導電性ケース51の内壁面で金属棒8との導通を確実なものとするために、金属棒8の先端を図9(b)のごとく、凸状(凸状部73)として、導電性ケース51の一方の側面の貫通孔から挿入する。ここで、ネジ穴部を本体によりも細くしておく。すると、その金属棒8の先端が対向して設けられた他方の側面の孔に挿入固定されるとともに、金属棒8の先端部分の○で囲った部分(A,Bと付したところ)が導電性ケース51の内壁面と確実に面接触することができ、確実な導通をとることができる。金属棒8の他端側については、必要に応じて図9(b)のように、弾性のある金属片72をケース内壁に半田づけ(「L」字状の黒い部分参照)等により固定し、金属棒8の挿入によりケース内壁から離れ、復元力により、確実に金属棒8と接触することができる。もちろん、金属棒8を挿入しない場合は、その金属片72が孔9を塞ぐこととなるので、挿入しない場合においてもケース51に設けられた金属棒挿入用の孔9が塞がれ、好適である。
このように、金属棒8の両端部分を金属製のケース51と電気的に接続することで、閉ループを形成することにより、誘電体間の磁界の進行を一部遮蔽することができ、結合量を調整(小さく)することができるのである。
また、図7(b)は誘電体フィルタ50の上面図である。この誘電体32は、例えばTE01δモードで共振動作するものであって直径dの円柱型である。ここで、ケース51の寸法は、誘電体フィルタ50の通過損失を決定するQ値に応じて(Q値がどの程度必要であるかに応じて)決定され、通常、誘電体32の寸法に対して2倍以上の寸法に設計される。例えばTE01δモードで用いられる場合、ケース51の幅(磁界に直交する辺)Lおよび長さ(磁界の進行方向の辺)Lは、それぞれ、誘電体32の直径dの約2倍にされ、ケース51の高さは誘電体32の厚みの約3倍にされる。すなわち、ほぼ、L=L=2・dの関係が満たされるようになっている(・は乗算を表す。)。
このように、誘電体フィルタ50の寸法は、誘電体フィルタ32の寸法に応じて大きくなる。
尚、本発明では、前述したように、導電性の短絡部材(金属製又は表面がメタライズされた部材)としての金属棒8が設けられる点に留意すべきである。図9(b)に示すように、金属棒8は、導電性ケース51に接する(好ましくは内壁面)ことで導電性ケース51と導通可能に固定されている。
金属棒8の固定手段としては、金属棒8の両端にネジをきっておき、金属製ナットを挿入する等により、図2(b)のように金属製ケース51との導通を確保しつつ固定を実現することもできる。これについては、図2(c)を用いて次に説明する。
図2(c)は本発明の第1実施形態に係る誘電体フィルタ1(図2(a))のA−A′断面図(矢視図:筐体のみ表示)が示されている。この図2(c)のように、金属棒8は、金属製のナット等の固定手段により確実に導電性ケース51に固定されており、少なくともケース51の外壁面で導通がとれている。
尚、共振器10〜12間の結合度を強くする場合は金属棒8の本数を2本減らしたり、また、その太さを細くしたりする。結合度を弱くする場合は金属棒8の本数を増やしたり、あるいは、その太さを太くする。
図3(a)は本発明の第1実施形態に係る太い金属棒を用いた誘電体フィルタ1の側面図であり、図3(b)はその誘電体フィルタ1の上面図であり、図3(c)は図3(a)に示すB−B′の断面図である。この図3(b),図3(c)に各々示す誘電体フィルタ1の金属棒8aを太くすることにより疎結合となり、共振器10〜12の間隔を狭くでき、L<L=2×dとすることもできる。
このように、従来の仕切り板の切り欠きを調整するよりも容易に結合量を調整(特に小さく)することができることがわかる。
尚、各金属棒8は、磁界の進行方向と直交するように設けられている点に留意を要する。ここで、直交とは、金属棒8の長手方向と磁界の進行方向とが直交又はほぼ直交していることを意味する。この金属棒8が磁界の進行方向と直交するため、効率的に磁界の通過が妨げられ、また、磁界の進行方向と金属棒8とがなす角度を変えることで、磁界の通過量を調整することもできる。もちろん、その場合には、ケース51に設ける孔を金属棒8の挿入角度に自由度を持たせるように大きめにする等の工夫を行なうことが望ましい。
従って、本発明の誘電体フィルタ1は、金属棒8(遮蔽部材)の太さ、配置又は本数を変化させることにより誘電体間の結合をケース51の外形形成後も容易に調整可能になっている。また、本発明の誘電体フィルタ1によれば、結合度を強くするのみならず、結合度を弱くする調整が可能である。さらに、結合度の強弱を簡素な構成によって実現できる。
尚、金属棒8の挿入用として予めケース51の側面に設けておいた孔9は、先に説明した金属片72を用いて塞ぐ方法以外に、導電性のシールを貼り付けて塞ぐこともでき、また、ケース51内に突出しない程度の短いネジをケース51の外側から挿入することで不要な孔9による誘電体フィルタの劣化を防止できる。
また、ケース51は好ましくは、孔9の内壁面、金属棒8(特に挿入端)をメタライズすることが好ましい。これにより、ケース51の内壁面近傍で金属棒8がケース51に接触して、導電性ケース51と金属棒8との導通が確実にとれるため、外壁面で金属棒8とケース51が接続される構成に比べて、電流が流れる距離が長くなることを抑えることができる。更には、損失の増大を防ぎ、金属棒8と孔間に隙間が生じる事で特性が不安定になったりすることを防ぐこともできる。なお、メッキするのは処理によって導電性が改善され、素材に導電性の悪い材料を使う事が出来るからである。特にケース51の材料として比重の小さいアルミニウムを用いる場合は、銀メッキを少なくともケース内壁を含め全体的に施すことにより、導電性ケース51として利用することができる。
なお、貫通させる金属棒8の本数、太さ、および穴9の位置はともに、例えば通過させるRF信号の通過帯域幅に応じて変更可能である。金属棒8の断面の形状は、円形,楕円形,四角形,四角形以外の多角形等を用いることができる。
尚、第2実施形態で詳細に説明するが、これらに加えて、共振器10〜12間に仕切り壁52を図7(a)〜図7(c)に示すように形成し、切り欠き34を挟む仕切り壁52間をまたぐように金属棒8を通し、同様に、導電性ケース51に端部を電気的、物理的に接続することもできる。
なお、金属棒8の変形例として、金属板を用いることもできる。
図4(a)は本発明の第1実施形態の変形例に係る金属板の左側面図(および右側面図)である。この図4(a)に示す金属板8aは、長さ寸法L,幅寸法Mおよび厚み寸法Mを有し、かつ、両端面の中央部に開口部を有し金属板8aの長手方向と平行するように設けられた円柱状の空洞部8bが形成されている。尚、図では、空洞部8bは貫通孔により形成しているが、ネジなどの部材をケース51の穴9から挿入して、この金属板8aを固定できればよいので、両側面に、ある程度の深さをもった孔を設けるだけでもよい。
また、金属板8aの外観は例えば図4(b)に示す平面図(底面図も同様),図4(c)に示す正面図(背面図も同様)に各々示す形状を呈する。図4(d)は本発明の第1実施形態の変形例に係る金属板8aの斜視図であり、この図4(d)に示す8bが、ケース51の左右側面51aに形成された穴9と対向するように配置され金属板8aが8bを中心にして底面60aに対して所望の回転角(傾斜角)になるように、8bの両端がともに穴9から挿入された金属製の固定ネジ106により脱着可能に固定(もちろん、導電性ケース51と金属板8aはケース内壁(ケース外壁)で電気的に接続されている)されるようになっている。尚、金属板8a(遮蔽部材)は、磁界の進行方向と直交するように設けられる。
これにより、金属板8aにより閉ループが形成され、磁界の進行を一部妨げることができ、結合量を小さくすることができる。更に、金属板8aの平面(板面)に対する角度を変更することにより、磁界の進行を妨げる程度が調整可能であり、一の金属板8aであっても、その取り付け角度の調整により、所望の通過帯域幅とするように調整することができる。
更に、本発明の誘電体フィルタ1における金属板8aの長さ,幅および厚みは種々変更可能であり、金属板8a(遮蔽部材)の大きさ,位置又は個数を変化させることにより結合量を調整可能になっている。そして、固定ネジ106等をはずして、寸法が異なる別個の金属板8aを付け替えることもでき、システム仕様に応じて通過帯域幅を容易に変更できる。
なお、金属棒8は同様に、図7(a)のように仕切り壁52を設け、切り欠き34を挟む仕切り壁52間をまたぐように金属板8aを通し、同様に、導電性ケース51に端部を接続することもできる。金属板8aの材料についても例えば線膨張係数等に基づいて材料を選択できる。また、金属棒8および金属板8aの外形の一部に、突出部又はへこみ等の特殊な形状を加工したものを用いることで、更に結合量を微調整することもできる。
尚、各誘電体32の配置位置については、図2(b)に示す3個の誘電体32のように、ある間隔Lで縦列的に設けられて構成されている。この間隔Lは、結合度の計算,試作等により種々の間隔に決定され、誘電体の個数が多い場合は共振器間隔が一定にならない場合がある。なお、各共振器10〜12は、例えば図6に示すように、縦横の各方向に複数段に配置されてもよい。
以上のように、本発明の構成では、隣接する共振器10,11(又は11,12)間の境界位置に、金属棒8(1本、2本またはそれ以上)、金属板8a等の短絡部材が設けられ、導電性ケース51の両側面51cと電気的に接続されることで、閉ループを形成し、いわゆる、短絡(ショート)させるようにする。短絡部材は、必要に応じて固定ネジ106によって固定される。金属棒8は、磁界の進行方向に直交するように挿入され、誘導性ポスト(金属ポスト)として動作するので隣接共振器10,11(又は11,12)間における磁界の結合を妨げる。この結果、各共振器10〜12の距離を離間させずとも共振器10〜12間に壁を設けた誘電体フィルタと等価な特性が得られる。これにより、共振器間隔を従来の共振器間隔よりも狭くできる。
金属棒8の太さ,位置又は本数等を変更することによって、結合量の調整を行なう。また、通過帯域幅を調整する場合は、いったん、固定ネジ106をはずして、例えば太さの異なる別個の金属棒8に交換することにより、所望の特性を容易に実現できる。このように、太さ等が異なる金属棒8を数種類用意し、適宜交換することによって、ケース51に追加工等を加えずに適切な帯域幅を設定することができる。
(B)本発明の第2実施形態の説明
第2実施形態においては、外観が円柱形状の導電性ケース51を用いた誘電体フィルタについて説明する。第2実施形態においても金属棒8の両端部を導電性ケース51の側面(特に内壁面)に電気的に接続することによって疎結合にすることができる。
図5(a)は誘電体をそれぞれ略円柱状の空間に配置する場合の従来の誘電体フィルタの上面図であり、また、図5(b)は本発明の第2実施形態に係る誘電体をそれぞれ略円柱状の空間に配置する場合の誘電体フィルタの上面図である。
これらの図5(a),図5(b)に示すもので上述したものと同一符号を有するものはそれらと同一のものを表す。尚、導電性ケース51自体の外観形状は、前述のように直方体又は、円柱状等とすることができる。以下、ケース51の外観を直方体形状とする場合について説明する。尚、実施形態1において、仕切り壁52と金属棒8を双方用いる場合の例を示してもいる。
図5(a)のように、従来の誘電体フィルタは、入力コネクタ30a、出力コネクタ30bを備え、誘電体の直径dの2倍の直径D(即ちD=2×d)を有する、略円柱状部分のそれぞれが、誘電体32を収納している。そして、この略円柱状部分の間は、例えば図7(c)のように、導電性ケース51に一体形成された、仕切り壁52の切り欠き34を通じて空間的に結合されている。
しかし、この従来の誘電体フィルタによっては、誘電体フィルタの横方向の幅を抑えることは難しい。
そこで、本発明では、図5(b)に示すように、誘電体を収納する円柱状部分を互いに近接させ、仕切り壁52の部分の幅を狭くし、金属棒8を対向する仕切り壁52間を渡るように、導電性ケース51の側面(特に内壁面)と電気的に接続しつつ、導電性ケース側面に固定する。
尚、仕切り壁52の対向する間の幅Lは、仕切り壁52を直径Dより狭く、誘電体間の幅は、最低限、誘電体と金属棒8との間に間隔が形成できるようにすることが望ましい。
図5(c)は本発明の第2実施形態に係る誘電体フィルタの仕切り壁52の加工方法について説明するための図(誘電体が2つの場合)である。この図5(c)に示すように、誘電体を収納する略円柱状の空間同士を近接させてなる形状(上面から見て弓形)を形成するように、ケース51の内部に対して削りだす加工処理を施す。また、符号70を付した部分の壁が、直方体のケースと比較して残り、この壁が残った分だけ疎結合となり、金属棒8を細くすることができる。
これにより、誘電体が仕切り壁52間を渡るように設けることとなる金属棒8と接触しない程度に隣の誘電体と近接することにより、誘電体フィルタ全体としての小型化が図れるとともに、残存する仕切り壁52によって疎結合となり、金属棒8を細くすることができる。すなわち、誘電体を収納する略円筒状部分の一部がオーバーラップするように、ケース51を加工されて残存する部分を仕切り壁52として利用することで、金属棒8の小型化が図られるのである。
このように、本発明の第2実施形態に係る誘電体フィルタ1は、誘電体フィルタの小型化のために、誘電体同士を接触させることなく、誘電体を収納する円柱状の空間部分を近接させた場合にも形成される仕切り壁52(円柱の底面の直径よりも短い対向間隔を有する)を利用し、かつ、その仕切り壁52間を渡るように金属棒8を配置し、その端部を導電性ケース51と電気的に接続したので、仕切り壁52を設けない場合よりも、金属棒8の太さを細く、又、金属棒8の本数を少なくしてもなお、結合量を小さく抑えることができる。従って、誘電体フィルタの小型化及び金属棒8の小型化を図ることができる。
(C)本発明の第3実施形態の説明
第3実施形態においては、デュプレクサとして使用する場合の誘電体フィルタについて説明する。
図8(a)にデュプレクサとして使用する場合の誘電体フィルタの上面から見た場合の構成を示す。この図8(a)に示す符号81は、送信信号の入力用コネクタ、82は、受信信号の出力用コネクタ、83は、アンテナ(ANT)との接続用コネクタを示す。
そして、84は、送信信号を誘電体32に結合させるための結合用プローブであり、85は、複数の誘電体32を介することにより、不要波の抑圧された送信信号をアンテナ側の出力端子85に結合するための結合用プローブである。また、86は、アンテナからの受信信号を誘電体32に結合するための結合用プローブであり、87は、送信系同様、不要波を抑圧した後の信号を出力コネクタ82に出力するための結合用プローブである。
また、本発明では、図8(a)のように、金属棒8が、各誘電体の間を区切るように設けられている。尚、金属棒8は、送信系の誘電体と、受信系の誘電体とを仕切る送受信仕切り壁108(例えば、送信系、受信系のケース51部分と一体的に表面がメタライズされた導電性の仕切り壁)と導電性のケース51の側壁とを電気的に接続するように設けられており、図では、送信系、受信系のそれぞれについて設けられている。
尚、金属棒8の固定方法は種々考えられるが、例えば、図8(b)のように、金属棒8の端部にネジ挿入用のネジ穴を切っておき、金属製ナット107をネジ穴にあわせてねじこみ、金属製ケース51に接触するまで挿入することで、金属棒8をケース51の外壁に固定することが考えられる。もちろん、金属棒8をケース51に対して電気的に接続し、かつ、物理的にケース51に固定する他の固定手段を採用することもできる。
例えば、仕切り壁108の送信系側の側面と、受信系側の側面に孔(非貫通孔)を必要数設け、その孔にネジ受け用の溝を形成しておく(ネジ受けは、金属棒8の先端のネジ部分挿入時にケース51と導通がとれるように、金属メッキ処理を施すかまたは、金属製としておく)。そして、先端にネジが切ってある金属棒8をケース51の外側面から、側壁に形成された貫通孔に挿入し、ネジの先端が仕切り壁108のネジ受けに挿入固定されるようにする。好ましくは、金属棒8の後端は、金属製ネジ頭を設けておき、挿入固定時に導電性ケース51の側壁と電気的な接続を完全なものとするようにする。
これにより、送信系の誘電体間に設ける、金属棒8の先端が受信系の誘電体間にその一部が挿入されることを防ぐことができる。仕切り壁108に貫通孔が設けられている場合には、挿入固定時に金属棒8の先端が、仕切り壁108から突出し、他系の誘電体間に挿入されない程度の長さに調整しておく。
以上のように、デュプレクサとして使用する場合にあっても、送信系、受信系のそれぞれのバンドパスフィルタについて結合量を調整することができることとなる。
また、図8(b)は本発明の第3実施形態に係る金属棒8の取り付け位置を説明するための図であり、デュプレクサとして使用する場合の図8(a)に示す誘電体フィルタ1のA−A′断面図(矢視図)を表示したものである。
図8(a)に示したように、送信、受信で通過させる周波数が微妙に相違するものであっても、送受信間で誘電体の配置は概略同じであり、金属棒8を設ける位置も近接している。従って、本発明では、図8(b)に示すように、ケース51に対して金属棒8を取り付ける位置を、送信系、受信系でそれぞれ異なる高さ位置とすることで、送信系、受信系のそれぞれで異なる種類の金属棒8を使用できるようにしている。従って、送信系、受信系のそれぞれについて、金属棒8の固定用の孔は、それぞれ高さを異ならせて形成している。
もちろん、送信系、受信系で共通の金属棒8を用いることもあるため、そのために、送信系、受信系のそれぞれについて、金属棒8の固定用の孔を同じ高さとし、特に、仕切り壁108における固定用孔は貫通孔とすることにより、1本の金属棒8で送信系、受信系の双方の誘電体フィルタの結合量を調整することもできる。
もちろん、図8(b)のように、更に、結合量を大きくするための、結合量調整ネジ105を更に挿入(仕切り壁108とは非接触)することもできることに留意すべきである。
(D)その他
本発明は上述した実施態様及びその変形例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することができる。
上記の図2(b),図3(b),図5(b)および図6にそれぞれ示す誘電体32は、縦列的に設けられているが、各誘電体32の中心線(点線で表した仮想線)は曲線状又は屈曲部等でもよい。
以上詳述したように、本発明の誘電体フィルタによれば、ケース加工が単純化され、誘電体フィルタの生産効率が向上する。
また、例えば金属棒のような取り付ける導電性の部材の太さ、位置、本数又は個数を調整することによって、所望の通過帯域特性を実現でき、移動体通信システムの仕様の変更又は異なる移動体通信システムの仕様等に応じて容易に対応可能となる。
さらに、本発明の誘電体フィルタによれば、共振器どうしが疎結合になるように設定できるので、共振器間隔を狭くすることができ、誘電体フィルタの小型化が実現でき、誘電体フィルタを実装したRF回路および基地局の大きさの小型化を促進できる。
本発明に係る誘電体フィルタを移動通信システムに適用する場合の例を示す図である。 (a)は本発明の第1実施形態に係る誘電体フィルタの側面図であり、(b)は本発明の第1実施形態に係る誘電体フィルタの上面図であり、(c)は本発明の第1実施形態に係る誘電体フィルタの断面図である。 (a)は本発明の第1実施形態に係る太い金属棒を用いた誘電体フィルタの側面図であり、(b)は本発明の第1実施形態に係る太い金属棒を用いた誘電体フィルタの上面図であり、(c)は本発明の第1実施形態に係る太い金属棒を用いた誘電体フィルタの断面図である。 (a)は本発明の第1実施形態の変形例に係る金属板の左側面図であり、(b)は本発明の第1実施形態の変形例に係る金属板の平面図であり、(c)は本発明の第1実施形態の変形例に係る金属板の正面図であり、(d)は本発明の第1実施形態の変形例に係る金属板の斜視図である。 (a)は従来の誘電体フィルタの上面図であり、(b)は本発明の第2実施形態に係る誘電体フィルタの上面図であり、(c)は本発明の第2実施形態に係る誘電体フィルタの仕切り壁の加工方法について説明するための図である。 本発明の第1実施形態の変形例に係る誘電体の配置例を示す図である。 (a)は従来の誘電体フィルタの側面図であり、(b)は誘電体フィルタの上面図であり、(c)は切り欠きの断面図である。 (a)は本発明の第3実施形態に係る誘電体フィルタの上面図であり、(b)は本発明の第3実施形態に係る金属棒の取り付け位置を説明するための図である。 (a),(b)はいずれもは本発明の第1実施形態に係る金属棒と導電性ケースとの接触部分を説明するための図である。

Claims (2)

  1. 送信信号用の第1の誘電体フィルタと、受信信号用の第2の誘電体フィルタが仕切り壁をはさんで並行して設けられた誘電体フィルタにおいて、
    前記第1の誘電体フィルタを収納する第1の導電性ケースと、該第1の導電性ケースと電気的に接続されている仕切り壁との間を電気的に接続するように、該第1の導電性ケースに収納された共振素子間に挿入されることで短絡を形成する棒状の導電性の第1短絡部材と、
    前記第2の誘電体フィルタを収納する第2の導電性ケースと、該第2の導電性ケースと電気的に接続されている仕切り壁との間を電気的に接続するように、該第2の導電性ケースに収納された共振素子間に挿入されることで短絡を形成する棒状の導電性の第2短絡部材と、
    を備え、該第1短絡部材と、該第2短絡部材とは、前記仕切り壁において、それぞれ該第1の導電性ケース側の側面と該第2の導電性ケース側の側面とに、互いに高さの異なる位置に設けられた非貫通孔に挿入されることにより、異なる高さの位置に配置されるとともに、突出規制されて取り付けられたことを特徴とする誘電体フィルタ
  2. 底面の半径がRの略円柱状の第1空間、第2空間同士を底面の中心間の距離が、Rより長く、2Rより短くなるように並列配置した場合に該第1空間と該第2空間の結合により形成される空間の、該第1空間側に配置された第1誘電体と、該第2空間側に配置された第2誘電体と、この空間を覆う導電性ケースとを備え、
    該第1空間と該第2空間とが重なる空間部分を通るように、該第1誘電体、該第2誘電体間に挿入され、前記ケースと電気的に接続することで、短絡を形成する棒状の導電性の短絡部材が取り付けられた、
    ことを特徴とする誘電体フィルタ。
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