JP2005033068A - 高周波回路用基板の製造方法及び高周波電子装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 気密性と熱放散効率を高めることができる低コストの高周波回路用基板の製造方法を提供する。
【解決手段】 焼成によりセラミック基板を作成した後、セラミック基板の所定部位に、スパッタ法等でスルーホールとなる1又は複数の孔部を形成する。その後、孔部の全体に、結晶構造を維持できるメッキ条件で、銅又は銅合金が充填されるまでメッキ加工を施す。メッキ加工により孔部以外のセラミック基板に不要なメッキ層も形成されるので、これを必要に応じて取り除く。
【選択図】 なし
【解決手段】 焼成によりセラミック基板を作成した後、セラミック基板の所定部位に、スパッタ法等でスルーホールとなる1又は複数の孔部を形成する。その後、孔部の全体に、結晶構造を維持できるメッキ条件で、銅又は銅合金が充填されるまでメッキ加工を施す。メッキ加工により孔部以外のセラミック基板に不要なメッキ層も形成されるので、これを必要に応じて取り除く。
【選択図】 なし
Description
本発明は、スルーホールを有する高周波回路用基板の製造方法及びその高周波回路用基板を用いた高周波電子装置に関する。
高周波回路用基板として、スルーホールが形成されたスルーホール基板が多用されている。スルーホールとは、表裏面上のパターンを互いに導通させるための導電性の孔部であり、例えば、基板表面に実装された高周波回路のグランド(以下、「GND」)ラインを基板裏面のメタル層と導通させるために用いられたり、基板表面に実装された高周波回路に生じた熱を基板裏面から放散させるために用いられる。
この種の高周波回路用基板におけるスルーホールの構造として、従来、図8(a)〜(d)に示される構造のものが知られている。
図8(a)に示されるスルーホール構造は、基板40に形成された孔部41の壁面に10μm厚未満のメッキ層42を形成したもの(以下、第1構造)である。図8(b)に示されるスルーホール構造は、基板40の孔部41に導電性の厚膜材、例えば厚膜ペースト43を充填して再度焼成したもの(以下、第2構造)である。図8(c)に示されるスルーホール構造は、基板40の孔部41に導電性樹脂44を詰め込んだもの(以下、第3構造)である。図8(d)に示されるスルーホール構造は、焼成前のグリーンシート状態の基板材にパンチングによって孔部41を形成した後、その孔部41全体に導電性の厚膜材45を充填し、これを基板材と一括焼成して基板40を形成したもの(以下、第4構造)である。
しかしながら、第1乃至第4の構造には、以下のような問題がある。
図8(a)に示されるスルーホール構造は、基板40に形成された孔部41の壁面に10μm厚未満のメッキ層42を形成したもの(以下、第1構造)である。図8(b)に示されるスルーホール構造は、基板40の孔部41に導電性の厚膜材、例えば厚膜ペースト43を充填して再度焼成したもの(以下、第2構造)である。図8(c)に示されるスルーホール構造は、基板40の孔部41に導電性樹脂44を詰め込んだもの(以下、第3構造)である。図8(d)に示されるスルーホール構造は、焼成前のグリーンシート状態の基板材にパンチングによって孔部41を形成した後、その孔部41全体に導電性の厚膜材45を充填し、これを基板材と一括焼成して基板40を形成したもの(以下、第4構造)である。
しかしながら、第1乃至第4の構造には、以下のような問題がある。
(1)第1構造
最も単純なスルーホール構造であり、GNDも確保し得るものの、表面と裏面との機械的な気密構造(シール性)、表面に発生する熱放散性、更には、マイクロ波集積回路(Microwave Integrated Circuit:以下、MIC)の製造工程で、微細加工プロセスに必要な、表面と裏面で別工程による金属膜形成、レジスト(感光性樹脂剤)の塗布平坦性や基板の真空チェック(自働処理装置のハンドリング)を十分に満足することができないばかりでなく、微細パターン形成が不可能であった。そのため、GNDの確保のみを必要とし、他の機能や微細パターンを必要としない安価なMIC用の基板としては使用可能であるが、それ以上の機能が必要となる場合には、対応することができない。
最も単純なスルーホール構造であり、GNDも確保し得るものの、表面と裏面との機械的な気密構造(シール性)、表面に発生する熱放散性、更には、マイクロ波集積回路(Microwave Integrated Circuit:以下、MIC)の製造工程で、微細加工プロセスに必要な、表面と裏面で別工程による金属膜形成、レジスト(感光性樹脂剤)の塗布平坦性や基板の真空チェック(自働処理装置のハンドリング)を十分に満足することができないばかりでなく、微細パターン形成が不可能であった。そのため、GNDの確保のみを必要とし、他の機能や微細パターンを必要としない安価なMIC用の基板としては使用可能であるが、それ以上の機能が必要となる場合には、対応することができない。
(2)第2構造
導電性の厚膜ペーストは、通常、焼成時に20〜30%程度、体積の収縮が発生する。そのため、基板焼成後に厚膜ペーストを充填して再度焼成すると、図8(b)のように厚膜ペースト43が基板40の孔径に対して体積収縮し、隙間が発生したり、厚膜ペースト43だけが孔部41から離脱することがあり、GND機能としては有効であるが、歩留まりが非常に悪い。
導電性の厚膜ペーストは、通常、焼成時に20〜30%程度、体積の収縮が発生する。そのため、基板焼成後に厚膜ペーストを充填して再度焼成すると、図8(b)のように厚膜ペースト43が基板40の孔径に対して体積収縮し、隙間が発生したり、厚膜ペースト43だけが孔部41から離脱することがあり、GND機能としては有効であるが、歩留まりが非常に悪い。
(3)第3構造
導電性樹脂44も、基本部分である樹脂部分が硬化時に体積収縮するため、硬化後には図8(c)のように孔部の両端部において隙間が発生することがある。また、GND程度には使用可能であるが、熱の放散に関しては効率的でない。また、樹脂の弱点である耐熱性が劣ることから、適用範囲が限られてしまう。
導電性樹脂44も、基本部分である樹脂部分が硬化時に体積収縮するため、硬化後には図8(c)のように孔部の両端部において隙間が発生することがある。また、GND程度には使用可能であるが、熱の放散に関しては効率的でない。また、樹脂の弱点である耐熱性が劣ることから、適用範囲が限られてしまう。
(4)第4構造
焼成時の基板材、厚膜材共に同じ収縮率の素材を用いれば、スルーホール内の隙間や厚膜材の離脱などの発生を防ぐことができる。しかし、グリーンシート状態で孔部加工をするため、本質的に大量生産にしか向かない。更に焼成時の基板収縮が原因して微細なスルーホールの位置の指定が不可能なことがある。これらの欠点は、本質的に少量多品種、および、孔部位置指定の需要性から、MIC用基板への適用は、事実上不可能である。さらに、熱放散能力を上げることもできない。
焼成時の基板材、厚膜材共に同じ収縮率の素材を用いれば、スルーホール内の隙間や厚膜材の離脱などの発生を防ぐことができる。しかし、グリーンシート状態で孔部加工をするため、本質的に大量生産にしか向かない。更に焼成時の基板収縮が原因して微細なスルーホールの位置の指定が不可能なことがある。これらの欠点は、本質的に少量多品種、および、孔部位置指定の需要性から、MIC用基板への適用は、事実上不可能である。さらに、熱放散能力を上げることもできない。
本発明の課題は、上記のような問題を解消し、基板表裏面の気密性と実装部品の熱放散効率を高めつつ、基板表面部への微細パターンの形成等を容易にし、さらに、少量多品種の需要に対して低コストで対応可能な高周波回路用基板の製造方法を提供することにある。
本発明の他の課題は、本発明の高周波回路用基板を用いて電気的特性に優れた低コストの高周波電子装置を提供することにある。
本発明の他の課題は、本発明の高周波回路用基板を用いて電気的特性に優れた低コストの高周波電子装置を提供することにある。
本発明が提供する高周波回路用基板の製造方法は、焼成によりセラミック基板を作成する段階と、前記セラミック基板の所定部位にスルーホールとなる1又は複数の孔部を形成する段階と、前記孔部の全体に銅又は銅合金が充填されるまでメッキ加工する段階と、前記メッキ加工により前記孔部以外のセラミック基板に付着した不要なメッキ層を取り除く段階とを有することを特徴とする。
好ましくは、前記銅又は銅合金が前記孔部において結晶構造を維持する条件でメッキ加工を施す。これにより、孔部からの銅又は銅合金の離脱が確実に防止され、セラミック基板の表裏面部の気密性を確保することができる。
メッキ加工は、無電解メッキであってもよく、電解メッキであってもよい。後者の場合、前記セラミック基板の一方の面を指向する部位にメッキ用電極を配置するとともに、前記セラミック基板の他方の面のうち、当該セラミック基板をメッキ槽に入れて前記メッキ用電極に電圧を印加したときに前記孔部の内壁に相対的に高い電界強度がかかる部位に、前記メッキ用電極と対になる給電層を設け、前記メッキ用電極及び前記給電層との間に所定の電圧を印加することにより、前記孔部に銅又は銅合金が充填されるまでメッキ加工を施すようにする。前記給電層は、例えば、セラミック基板の他方の面に真空成膜(真空内の反応ガス内イオンによって蒸着させて成膜を行うこと)により形成することができる。
好ましくは、前記銅又は銅合金が前記孔部において結晶構造を維持する条件でメッキ加工を施す。これにより、孔部からの銅又は銅合金の離脱が確実に防止され、セラミック基板の表裏面部の気密性を確保することができる。
メッキ加工は、無電解メッキであってもよく、電解メッキであってもよい。後者の場合、前記セラミック基板の一方の面を指向する部位にメッキ用電極を配置するとともに、前記セラミック基板の他方の面のうち、当該セラミック基板をメッキ槽に入れて前記メッキ用電極に電圧を印加したときに前記孔部の内壁に相対的に高い電界強度がかかる部位に、前記メッキ用電極と対になる給電層を設け、前記メッキ用電極及び前記給電層との間に所定の電圧を印加することにより、前記孔部に銅又は銅合金が充填されるまでメッキ加工を施すようにする。前記給電層は、例えば、セラミック基板の他方の面に真空成膜(真空内の反応ガス内イオンによって蒸着させて成膜を行うこと)により形成することができる。
ある実施の態様では、1mm以下の厚みのアルミナにより前記セラミック基板を焼成し、焼成されたセラミック基板の所定部位にスパッタリング(sputtering)によって前記孔部を形成する。アルミナは、熱、腐蝕(ふしょく)に強く、電気特性、熱伝導性、機械強度など基板としての基本特性に優れているので、このセラミック基板を用いることで、信頼性の高い高周波電子装置が得られる。また、スパッタリングにより孔部を形成することで、内壁表面に微細な凹凸が形成され、メッキ加工によって銅又は銅合金を充填させた後の離脱が抑制されるようになる。
本発明が提供する高周波電子装置は、上記製造方法により製造された高周波回路用基板の表面に能動素子が実装されており、前記高周波回路用基板の裏面にはメタル層が形成されており、前記能動素子のGNDラインが前記高周波回路用基板上に形成されたエアブリッジ構造のメッキ配線及び前記スルーホールを通じて前記メタル層と導通するように構成されているものである。
本発明が提供する他の高周波電子装置は、上記製造方法により製造された高周波回路用基板の表面に能動素子が実装されており、前記高周波回路用基板の裏面にはメタル層が形成されており、前記能動素子は、前記高周波回路用基板上に形成された前記スルーホールを通じて前記メタル層に熱を伝達するように構成されているものである。
本発明が提供する他の高周波電子装置は、上記製造方法により製造された高周波回路用基板の表面に能動素子が実装されており、前記高周波回路用基板の裏面にはメタル層が形成されており、前記能動素子は、前記高周波回路用基板上に形成された前記スルーホールを通じて前記メタル層に熱を伝達するように構成されているものである。
本発明の高周波回路用基板の製造方法によれば、基板表裏面の気密性と実装部品の熱放散効率を高めつつ、基板表面部への微細パターンの形成等を容易にし、さらに、少量多品種の需要に対して低コストで高周波回路用基板を製造することができる。
また、本発明の高周波電子装置によれば、電気的特性に優れた所定機能の装置を低コストで実現できるようになる。
また、本発明の高周波電子装置によれば、電気的特性に優れた所定機能の装置を低コストで実現できるようになる。
<高周波電子装置>
以下、本発明の高周波電子装置の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は、能動素子の一例となるパッケージ型のマイクロ波集積回路(MIC)に用いるセラミック基板の上面図である。
以下、本発明の高周波電子装置の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は、能動素子の一例となるパッケージ型のマイクロ波集積回路(MIC)に用いるセラミック基板の上面図である。
セラミック基板10は厚みが1mm以下の焼成アルミナから成るもので、その上面には、エアブリッジ構造の4つの配線パターン11,12,13,14が形成されている。これらの配線パターン11,12,13,14のうち、実装されるMICのGNDラインと導通する部位の配線パターン11,13には、メッキによって導体が充填されたスルーホール1が形成されている。
このようなセラミック基板10にMICを実装するときの状態を図2及び図3に示す。図2は、実装状態を示す上面図、図3は図2のA−A断面図である。
図示の例では、MIC15から、配線パターン11,12,13,14の各々にそれぞれ1対1に対応して、4本のリード線16,17,18,19が引き出されており、MIC15のGNDラインに対応するリード線16,17が、それぞれスルーホール1とハンダ37等によって固定される。セラミック基板10の裏面側全面にはメタル層31が形成されているので、MIC15のGNDラインは、スルーホール1に充填された導体を通じて基板裏面側のメタル層31と導通する。
図示の例では、MIC15から、配線パターン11,12,13,14の各々にそれぞれ1対1に対応して、4本のリード線16,17,18,19が引き出されており、MIC15のGNDラインに対応するリード線16,17が、それぞれスルーホール1とハンダ37等によって固定される。セラミック基板10の裏面側全面にはメタル層31が形成されているので、MIC15のGNDラインは、スルーホール1に充填された導体を通じて基板裏面側のメタル層31と導通する。
このように構成される高周波電子装置では、スルーホール1の内壁面が図3に示されるように粗く形成されており、導体がその内壁面に沿うように充填されているので、セラミック基板10の表面と裏面との機械的な気密構造(シール性)を確保することができる利点がある。また、セラミック基板10の表面に実装されたMIC15のGNDラインとセラミック基板10の裏面側のメタル層31とがスルーホール1の導体を介して導通するので、MIC15のGNDラインを容易に接地電位に維持することができる。
導体が充填されたスルーホール1は、上記のようにセラミック基板10の表面側のGNDラインと裏面側のメタル層31とを導通させる導通媒体として使用できるほか、表面側に実装されたMICの放熱用の熱伝達媒体として使用することもできる。
図4は、このような構造のセラミック基板20の上面図、図5は、このセラミック基板20の表面に、発熱量の多いハイパワーの能動素子、例えばFET24を実装した状態を示した上面図、図6はそのA−A断面図である。
セラミック基板20は焼成アルミナから成るもので、その上面には、エアブリッジ構造の3つの配線パターン21,22,23が形成されている。これらの配線パターン21,22,23のうち、FET24が実装される部位の配線パターン21には、FET24のGNDラインと導通する一対のスルーホールと、FET24の筐体と接触する導体が充填された1つのスルーホールとが形成されている。
図4は、このような構造のセラミック基板20の上面図、図5は、このセラミック基板20の表面に、発熱量の多いハイパワーの能動素子、例えばFET24を実装した状態を示した上面図、図6はそのA−A断面図である。
セラミック基板20は焼成アルミナから成るもので、その上面には、エアブリッジ構造の3つの配線パターン21,22,23が形成されている。これらの配線パターン21,22,23のうち、FET24が実装される部位の配線パターン21には、FET24のGNDラインと導通する一対のスルーホールと、FET24の筐体と接触する導体が充填された1つのスルーホールとが形成されている。
図5及び図6に示されるように、FET24を実装するときは、FET24側の配線ライン25a、26a、27a、28aと、セラミック基板20側の配線パターン22,23及びGNDライン用のスルーホール1の導体とがそれぞれリード線25,26,27,28を介してハンダ37により接続される。また、FET24の筐体と放熱用のスルーホール1とが導電性接着剤29等を介して導通するように取り付けられる。セラミック基板20の裏面側全面にはメタル層31が形成されており、FET24のGNDラインがGND用のスルーホール1を通じてこのメタル層31と導通するようになっている。
このように構成される高周波電子装置では、セラミック基板20の表面に実装されたFET24のGNDラインとセラミック基板20の裏面側のメタル層31とがスルーホール1を介して気密性を維持しつつ導通するので、FET24のGNDラインを容易に接地電位に維持することができる。また、FET24で発生した熱が放熱用のスルーホール1を伝達してセラミック基板20の裏面側のメタル層31から放散されるので、放熱効果も確保される。
図7は、複数の能動素子を実装した高周波電子装置の構成例を示す断面図である。図示の例では、セラミック基板30の表面に導電性伝熱材32,33を介して二つのハイパワーのFET34,35を実装し、これらの導電性伝熱材32,33とセラミック基板30の裏面側全面に形成されたメタル層31とを、導体が充填されたスルーホール1を通じて導通させている。実装後は、カバー36でセラミック基板30を覆い、このカバー36の周縁部をハンダ37等で固定する。
このような構成の高周波電子装置は、FET34,35において熱が発生しても、その熱がスルーホール1内の導体及びメタル層31に伝達し、メタル層31全体から外部に放散されるので、セラミック基板30の全面がカバー36で覆われている気密状態でも効率的な放熱が可能になる。
このような構成の高周波電子装置は、FET34,35において熱が発生しても、その熱がスルーホール1内の導体及びメタル層31に伝達し、メタル層31全体から外部に放散されるので、セラミック基板30の全面がカバー36で覆われている気密状態でも効率的な放熱が可能になる。
<セラミック基板の製造方法>
次に、上記のような高周波電子装置での利用に適したセラミック基板10,20,30の製造方法を説明する。
この実施形態では、スルーホール1に充填する導体として銅(Cu)を採用し、充填手法として、比較的長い時間をかけて行う電解メッキの例を示す。
セラミック基板10,20,30は、以下の手順で製造することができる。
次に、上記のような高周波電子装置での利用に適したセラミック基板10,20,30の製造方法を説明する。
この実施形態では、スルーホール1に充填する導体として銅(Cu)を採用し、充填手法として、比較的長い時間をかけて行う電解メッキの例を示す。
セラミック基板10,20,30は、以下の手順で製造することができる。
(1)厚みが1mm以下、好ましくは0.5mm未満に焼成されたセラミック基板に対して、レーザ加工法等により孔開け加工を施す。これにより、その内壁面が完全に円柱状にならず、しかも凹凸を含む比較的粗いスルーホール用の孔部が形成される。孔部の径は用途に応じて異なるが、概ねφ0.4〜φ0.6程度である。
(2)孔部が形成されたセラミック基板の裏面に、真空成膜(例えばスパッタ蒸着)により、Cu3000/Pd500/Cr500(単位:オングストローム)等の給電層を形成する。この給電層は、当該セラミック基板を電解銅メッキ槽に入れ、セラミック基板の表面側を指向する位置に配置されたメッキ用電極に電圧を印加したときの電極として機能するものである。給電層側が、対向するメッキ用電極から隠れているため、メッキ用電極に所定の電圧を印加したときに、セラミック基板の孔部内壁に最も電界強度がかかるようになり、積極的にメッキ層が形成される。
(3)電解銅メッキ槽を用意し、メッキ用電極に対して給電層を隠した状態で、メッキ加工を施す。メッキ条件としては、銅が孔部において100ミクロン程度の結晶構造を形成し得る条件とする。例えば、電流密度を5mA/φ3インチ前後に合わせる。孔径の半分、つまりφ0.4mmならば、最低でも0.2mmの銅メッキを施す。メッキ速度は、例えば平坦部の膜厚で5〜8μm/時間程度になるように、意図的に遅い孔内の着き回りを良くする条件とする。本願発明者らの実測によれば、φ0.4mmの孔部では、約50〜60時間程度のメッキ時間を要する。
(4)上記のようにして孔部全体に銅がメッキで埋め込まれた状態では、給電層膜が形成されている裏面側には、約0.3〜0.4mmの銅メッキ層がさらに形成されるので、その銅メッキ層を研削加工により取り除く。表面側の孔部周辺にも多少銅メッキが突起状に形成される場合があるので、これも研削加工により取り除く。なお、この給電層及び銅メッキ層を図3に示したメタル層31として利用することもできる。
以上の工程により、銅メッキで完全に埋め込みされ、表裏面部の気密性を高めたスルーホール構造のセラミック基板を製造することができる。
このような工程により得られるセラミック基板は、焼成及び孔開け加工後に銅が充填されるので、スルーホール内に導電性ペーストを充填した後に焼成する従来のセラミック基板のように、焼成によってスルーホール内の導電性ペースト又はセラミック基板の体積の収縮が発生することがない。そのため、歩留まり率に優れた製造が可能になる。
このような工程により得られるセラミック基板は、焼成及び孔開け加工後に銅が充填されるので、スルーホール内に導電性ペーストを充填した後に焼成する従来のセラミック基板のように、焼成によってスルーホール内の導電性ペースト又はセラミック基板の体積の収縮が発生することがない。そのため、歩留まり率に優れた製造が可能になる。
また、スルーホールの孔部への銅メッキが表面配線を形成する工程の前に終了するため、工程上は、孔無し基板と同様の配線加工技術を採用することができるようになり、基板表面部への微細パターンの形成等が容易になる。しかも、メッキ材が銅であるために、配線工程上や実装工程上の加熱条件についても、大きな制限がなく、コスト増を招くこともない。
また、銅メッキ槽に入れてメッキを施すだけでスルーホール内に銅を充填することができるので、基板サイズ、スルーホールの内径及び数にまったく拘束されない基板製造が可能になる。そのため、少量多品種に適した製造方法を提供することができる。
また、銅メッキ槽に入れてメッキを施すだけでスルーホール内に銅を充填することができるので、基板サイズ、スルーホールの内径及び数にまったく拘束されない基板製造が可能になる。そのため、少量多品種に適した製造方法を提供することができる。
また、スルーホールとして、完全な円柱ではなく、しかも凹凸の粗い内壁面の孔部を形成し、この孔部に、結晶構造の銅メッキ加工を施すようにしたので、メッキされた銅が一切スルーホール内から離脱することがなくなり、気密性を保った形でセラミック基板の表裏面側をシールする構造を容易に実現することができ、この観点からも歩留まり率を高めることができる。
熱伝導率の優れた銅がスルーホール内に完全に埋め込まれるので、セラミック基板の表面に実装した能動素子で発生する熱を裏面側に逃がす目的(熱放散機能)では、他の素材、形成方法に比べて最も有効に働く。
なお、放熱用又はGND用のメタル層もスルーホールに銅を埋め込む際に銅メッキにより形成することで、製造工程を減らしつつ、高周波電子装置に適したセラミック基板を容易に製造することができる。
なお、本実施形態では、スルーホール(孔部)にメッキする部材として銅を用いた場合の例を示したが、銅を主たる成分として含む合金を採用しても良い。
1,41 スルーホール(孔部)
10,20,30,40 セラミック基板
11,12,13,14,21,22,23 配線パターン
15 能動素子の一例となるMIC
24,34,35 能動素子の一例となるFET
16〜19,25〜28 リード線
25a〜28a FET側の配線ライン
29 導電性接着剤
31 メタル層
32,33 導電性伝熱材
36 カバー
37 ハンダ
42〜45 導電性部材(厚膜ペースト等)
10,20,30,40 セラミック基板
11,12,13,14,21,22,23 配線パターン
15 能動素子の一例となるMIC
24,34,35 能動素子の一例となるFET
16〜19,25〜28 リード線
25a〜28a FET側の配線ライン
29 導電性接着剤
31 メタル層
32,33 導電性伝熱材
36 カバー
37 ハンダ
42〜45 導電性部材(厚膜ペースト等)
Claims (7)
- 焼成によりセラミック基板を作成する段階と、
前記セラミック基板の所定部位にスルーホールとなる1又は複数の孔部を形成する段階と、
前記孔部の全体に銅又は銅合金が充填されるまでメッキ加工する段階と、
前記メッキ加工により前記孔部以外のセラミック基板に付着した不要なメッキ層を取り除く段階とを有することを特徴とする、
高周波回路用基板の製造方法。 - 前記銅又は銅合金が前記孔部において結晶構造を維持する条件でメッキ加工を施すことを特徴とする、
請求項1記載の製造方法。 - 前記セラミック基板の一方の面を指向する部位にメッキ用電極を配置するとともに、前記セラミック基板の他方の面のうち、当該セラミック基板をメッキ槽に入れて前記メッキ用電極に電圧を印加したときに前記孔部の内壁に相対的に高い電界強度がかかる部位に、前記メッキ用電極と対になる給電層を設け、前記メッキ用電極及び前記給電層との間に所定の電圧を印加することにより、前記孔部に銅又は銅合金が充填されるまでメッキ加工を施すことを特徴とする、
請求項1記載の製造方法。 - 前記セラミック基板の他方の面に真空成膜により前記給電層を設けることを特徴とする、
請求項3記載の製造方法。 - 1mm以下の厚みのアルミナにより前記セラミック基板を焼成し、焼成されたセラミック基板の所定部位にスパッタリングによって前記孔部を形成することを特徴とする、
請求項1乃至4のいずれかの項記載の製造方法。 - 請求項1乃至5のいずれかの項記載の製造方法により製造された高周波回路用基板の表面に能動素子が実装されており、
前記高周波回路用基板の裏面にはメタル層が形成されており、
前記能動素子のグランドラインが前記高周波回路用基板上に形成されたエアブリッジ構造のメッキ配線及び前記スルーホールを通じて前記メタル層と導通するように構成されていることを特徴とする、
高周波電子装置。 - 請求項1乃至5のいずれかの項記載の製造方法により製造された高周波回路用基板の表面に能動素子が実装されており、
前記高周波回路用基板の裏面にはメタル層が形成されており、
前記能動素子が前記高周波回路用基板上に形成された前記スルーホールを通じて前記メタル層に熱を伝達するように構成されていることを特徴とする、
高周波電子装置。
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2003
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