JP2005032511A - ランプ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、ガラスバルブ1内に光源部であるフィラメント4を備えたランプであって、前記ガラスバルブ1内にフッ素が封入されていることを特徴としている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ランプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から知られている一般的な白熱電球等のランプは、ガラスバルブ内にタングステン細線を巻回したコイル状のフィラメントを有し、このフィラメントを導入線にて保持し、ガラスバルブ内にフィラメントの蒸発を抑え発光効率を高めるためにアルゴン等の不活性ガスを封入して、このガラスバルブ内を気密に保った状態で構成されている。
【0003】
上記ランプは、製造過程における不活性ガスの封入前に、ガラスバルブ内を真空ポンプ等にて排気し真空(低圧)状態とした後、アルゴン等の不活性ガスを封入してガラスバルブを密封するようにして構成される。
【0004】
しかし、ガラスバルブ内には、排気できなかった酸素や水素等の不純ガスが残存していたり、密封時のガラス溶融やフィラメント通電時の発熱でガラスバルブやその内部の金属等から不純ガスが発生する場合がある。
【0005】
そして、フィラメント通電時においては、これらの不純ガスが分解され、例えば、酸化物とタングステンとが反応して酸化タングステンとなってタングステン(フィラメント)の融点を下げ、その蒸発を速めてフィラメントが早期に細くなると共に、ガラスバルブの内面に黒化を招き、ランプの光束維持特性や寿命特性を損なうおそれがある。
【0006】
そこで、通常、ランプにおいては、バルブ内の導入線、アンカー、フィラメントやステム等の表面部分に、ゲッターを塗布あるいは接着等している(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
ここで、「ゲッター」とは、ガラスバルブを密封した後にフィラメントの熱等を利用して昇温活性化してガラスバルブ内の不純ガスを吸着させて、タングステンの早期蒸発を防ぎ、適正な光束維持と寿命とを得るべく設けられたものであって、例えば、ジルコニウム(Zr)、アルゴン(Ar)、バリウム(Ba)、あるいは燐(P)等を溶剤や樹脂に溶かして、導入線等に塗布あるいは接着等されている。
【0008】
また、他の従来技術としては、ランプを構成する際の導入線を、ゲッター機能を有する成分(例えば、タンタル等)を含む金属を用いて構成する技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0009】
【特許文献1】
実公平7−24776号公報
【特許文献2】
特開2001−345078号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術には、次のような問題があった。
【0011】
まず、特許文献1に記載されたようにゲッターを塗布する構成においては、ランプ製造時に、導入線等の必要な箇所にゲッターを塗布する工程が必須となるため、製造に手間がかかるという問題があった。また、ランプ製造時あるいはランプ搬送時における振動で塗布したゲッターが落下する場合があり、そうするとこの落下したゲッターがランプ点灯中にフィラメントと反応して、フィラメントが断線するおそれがあるという問題があった。
【0012】
また、特許文献2に記載された技術においては、ゲッター機能を有する成分を含む金属を用いることにより、コストアップが生ずるという問題があった。
【0013】
そこで、本発明は、上記従来技術の問題を解決するためになされたものであって、従来のようにゲッターの塗布等を行うことなく、またゲッター機能を有する高価な材料を用いることなく、不純ガスを吸収可能な構成を有して、フィラメントの断線等を効果的に防止することができるランプを提供することを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、ガラスバルブ内に光源部を備えたランプであって、前記ガラスバルブ内にフッ素が封入されていることを特徴としている。
【0015】
このような構成によれば、前記ガラスバルブ内に適量の前記フッ素を封入させたことによって、前記ガラスバルブ内部に存在する酸素等の不純ガスを前記フッ素で吸収することが可能となるため、前記光源部を成すフィラメント等を酸化から防止することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
【0017】
図1は、本発明の実施形態にかかるランプ(白熱電球)の概略断面図を示したものである。
【0018】
この図1に示すように、本実施形態にかかる白熱電球は、ガラスバルブ1、口金部2、外部リード線3、フィラメント4(本発明の「光源部」に相当)、ガラスビード5、内部リード線6、およびアンカー7等を用いて構成されている。そして、このガラスバルブ1内には、後述するように、所定量のF(フッ素。以下単に「F」と記す。)を混入させた主ガス(不活性ガス)が封入される。
【0019】
本実施形態にかかる白熱電球の構成をより具体的に説明すると、ガラスバルブ1内に設けられた一対の内部リード線6の先端部間には、光源部として機能するフィラメント4がクランプあるいは溶接等にて接続されている。このフィラメント4は、例えば、タングステン細線を巻回してコイル状に形成されている。
【0020】
また、口金部2から外部に延出した一対の外部リード線3は、互いに接触しないように設けられており、これらの一対の外部リード線3は、それぞれ上記一つの内部リード線6に接続されており、内部リード線6および外部リード線3は、ガラスバルブ1との気密性を確実とするため、ガラスバルブ1と略同等の熱膨張率を持つ、例えば、ジメット線を用いて構成されている。
【0021】
また、ガラスバルブ1内に設けられたガラスビード5は、ガラスバルブ1内にて内部リード線6を保持して固定するように設けられている。そして、さらに、このガラスビード5には、フィラメント4の中間部を保持すべく、アンカー7が設けられている。
【0022】
本実施形態にかかる白熱電球においては、以上のように構成されたガラスバルブ1内に、従来から知られているアルゴン等の不活性ガスに「F」を加えたものを主ガスとすることが従来と異なり、この構成に起因して顕著な効果を得ることができる。
【0023】
ここで、「F」の混合比率としては、封入ガスの全量に対して、「F」の量を「0.1%〜0.5%」程度とすることが好ましい。
【0024】
なお、この「F」の量は、0.1%よりも少ない場合には酸素吸収の効果が低く、0.5%を超える場合には「F」が強く反応しすぎてガラスバルブ内面が青く変色する場合がある。したがって、「F」の量は上記範囲(「0.1%〜0.5%」)内に設定することが好ましい。
【0025】
本実施形態によれば、白熱電球が以上のような構成を有するため、次のような効果を得ることができる。
【0026】
すなわち、本実施形態にかかる白熱電球(ランプ)によれば、ガラスバルブ1内に「F」を混合した主ガスが封入されているため、仮に、ガラスバルブ1内に酸素等の不純ガスが残存していた場合であっても、「F」がかかる酸素等を吸収する。つまり、タングステン等にて形成されたフィラメント4が酸素に侵されず、酸化タングステンとならないので、従来のようにゲッターの塗布等を行う必要がない。
【0027】
したがって、本実施形態によれば、不純ガスを吸収可能な構成を有しつつ、従来のようなゲッターの塗布作業およびこれに起因したゲッター落下による不具合をなくすことによって、フィラメントの断線等を効果的に防止可能な白熱電球(ランプ)を得ることができる。
【0028】
また、本実施形態によれば、上述したように、主ガス中の「F」にて不純ガスを吸収するため、従来のように、ゲッター機能を有する高価な材料を用いることなく、上述した種々の効果を有する白熱電球を得ることができる。
【0029】
なお、ガラスバルブ1内の不活性ガスに「F」を混合した白熱電球の特性について試験しているので説明する。
【0030】
まず、白熱電球のフィラメント断線までの寿命についての試験で、ゲッターを一切塗布等しない白熱電球において、ガラスバルブ1内に封入させたアルゴンガス中の「F」含有量をいろいろ変化させて試験を行った。なお、従来例としては、内部リード線6、アンカー7等の要所にゲッターを塗布したものを用いた。
【0031】
【表1】
【0032】
表1において、従来例の白熱電球の点灯寿命を100とすると、試料1では「F」含有量0.1%で点灯寿命が101.2、試料2では「F」含有量0.5%で点灯寿命が98.7、試料3では「F」含有量1.0%で点灯寿命が105.2となった。
【0033】
この結果より、多少のばらつきはあるものの、「F」を含有させた場合、従来例のようにゲッターを塗布したものに比べても遜色ない点灯寿命を達成できることが判明した。そして、「F」含有量が多いほど点灯寿命が向上する傾向にあることも判明した。
【0034】
さらに、上記と同一条件の白熱電球において、初期点灯から10分間点灯後の光束についても試験した。なお、従来例としては、上記と同様、要所にゲッターを塗布したものを用意した。
【0035】
【表2】
【0036】
表2において、初期点灯時の光束を100とすると、10分間点灯後の光束について、従来例が98.1であるのに対して、試料1では「F」含有量0%(ゲッターなし)で光束68.3と著しく低い値となった。試料2では「F」含有量0.1%で光束96.5と、従来例に比して遜色ない特性を示し、試料3では「F」含有量0.5%で光束98.8と、従来例を上回る特性を示した。試料4では「F」含有量1.0%で光束91.2と、むしろ特性が悪くなった。なおこの試料4では、ガラスバルブ1の内面が青く変色する現象が見られた。
【0037】
この結果より、「F」含有量を0.1%〜0.5%に設定すれば、従来例に比べて遜色ない、あるいはむしろ優れた特性の白熱電球を得ることができる。
【0038】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。
【0039】
上記実施形態においては、「F」を封入して構成されるランプとして、ガラスバルブ内にフィラメントを備えた白熱電球を例示して説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、例えば、熱陰極放電管等の他のランプに本発明を適用してもよい。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にかかるランプによれば、ガラスバルブ内にフッ素を封入したことによって、従来のようにゲッターの塗布等を行うことなく、またゲッター機能を有する高価な材料を用いることなく、不純ガスを吸収可能な構成を有して、フィラメントの断線等を効果的に防止することができるランプを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかる白熱電球の概略断面図
【符号の説明】
1 ガラスバルブ
2 口金部
3 外部リード線
4 フィラメント
5 ガラスビード
6 内部リード線
7 アンカー
Claims (1)
- ガラスバルブ内に光源部を備えたランプであって、前記ガラスバルブ内にフッ素が封入されていることを特徴とするランプ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003195062A JP2005032511A (ja) | 2003-07-10 | 2003-07-10 | ランプ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003195062A JP2005032511A (ja) | 2003-07-10 | 2003-07-10 | ランプ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005032511A true JP2005032511A (ja) | 2005-02-03 |
Family
ID=34206024
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003195062A Pending JP2005032511A (ja) | 2003-07-10 | 2003-07-10 | ランプ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005032511A (ja) |
-
2003
- 2003-07-10 JP JP2003195062A patent/JP2005032511A/ja active Pending
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