JP2005032318A - 光学ヘッド、記録再生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ディスク面光強度/LD出射光強度を自在に変更することにより、半導体レーザに対する負担を軽減しつつ、小型化を図る。
【解決手段】所定の波長からなるレーザ光を出射する半導体レーザ71と、所定の波長に応じたエネルギーギャップを有するレーザ媒質に、出射されたレーザ光を伝搬させて光強度を変調する光強度変調素子43と、光強度変調素子43から出射されたレーザ光が照射される光ディスク2からの戻り光を受光する光検出素子50と、レーザ媒質に注入する電流の量を制御するレーザ制御部12を備える。
【選択図】 図2
【解決手段】所定の波長からなるレーザ光を出射する半導体レーザ71と、所定の波長に応じたエネルギーギャップを有するレーザ媒質に、出射されたレーザ光を伝搬させて光強度を変調する光強度変調素子43と、光強度変調素子43から出射されたレーザ光が照射される光ディスク2からの戻り光を受光する光検出素子50と、レーザ媒質に注入する電流の量を制御するレーザ制御部12を備える。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスクに対して光を照射する光ヘッド、並びに、光ディスクの信号記録面に対して信号を記録、再生する記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光記録媒体として、CD(Compact Disc)と呼ばれる再生専用の光ディスクや、CD−R(Compact Disc−Recordable)と呼ばれる追記型の光ディスクやこれらを記録再生するためのシステムが実用化されている。これら光ディスクは、量産性に優れ、製造コストを安価に抑えられること、情報の再生或いは情報の記録を比較的安定に行うことができること等から、広く普及するに至っており、その光源として780nm帯域のAlGaAs系半導体レーザが用いられている。
【0003】
また、このような光ディスクにおいて、近年において特に記録容量の増大化が望まれており、外径寸法をCDと同じとしながら記録容量を飛躍的に増大させたDVD(Digital Versatile Disc/Digital Video Disc)が開発され、実用化されるに至っている。このDVDでは、記録密度を高めて記録容量の増大化を実現するために、CD等に使用する光源よりも波長の短い660nm帯域のレーザ光を出射するAlGaInP系半導体レーザが用いられている。
【0004】
これらの各光ディスクに対して情報信号を記録する場合には、上述した各半導体レーザから出射されたレーザ光を、光ディスクの信号記録面に集光して光スポットを形成し、各記録層において熱上昇を起こさせる。そしてこの熱上昇に基づき、例えばDVD−Rの場合には記録層表面に塗布された有機色素に化学変化を起こさせることにより、またDVD−RWの場合には結晶状態の記録層を非晶質へ状態変化させることにより、各情報信号を記録することができる。
【0005】
一方、このようにして記録層に記録された各情報信号を再生する場合において、半導体レーザから出射されるレーザ光の強度は、記録時において要求されるレーザ光の強度まで要求されることはない。
【0006】
この記録、再生時において要求される具体的なレーザ光の強度は、通常各光ディスクのフォーマット書等に規定されている。しかし、これら各光ディスクのフォーマット書に規定されているレーザ光の強度は、光ディスクの信号記録面上に照射されるレーザ光の強度(以下、ディスク面光強度という。)を示すものであり、半導体レーザから出射されるレーザ光の光強度(以下、LD出射光強度という。)を示すものではない。このため、レーザ光強度はディスク面強度を基準にして求められる。ディスク面光強度に対するLD出射光強度の関係(以下、これをディスク面光強度/LD出射光強度で表示する)、すなわちカップリング効率が基準である。
【0007】
ところで、上述の如く各レーザ光の強度関係に基づいてLD出射光強度を調整するためには、以下に示す二つの条件を満たす必要がある。一の条件は、所望のディスク面光強度を得るために必要となるLD出射光強度付近において信頼性の高いレーザ光を出射することができることである。また二の条件は、記録、再生時においてLD出射光強度の静特性及び動特性の変化が小さいことである。
【0008】
カップリング効率はLDの特性ばらつきに起因のため個々のLDで厳密にはことなる。従って、各ピックアップ間で常にディスク面光強度をそろえるためには、組み立て時の調整を個々のピックアップ毎、すなわち、個々のLD毎で行う。さらに、LDの劣化に起因する光量変動を抑制するために、APC(Auto Power Control)を用いる手法が広く用いられている。
【0009】
一般的には、時間的に平均値をモニタする場合が多い。すなわち、APCが機能している場合においても、短時間では光強度は揺らいでいる。これがLDノイズである。この揺らぎが、光ディスクの再生、及び、記録の妨げとなるのである。光ディスクシステムにおいては、記録、再生時のどちらにおいても、あるスペック以下にLDノイズ量を押さえ込む必要がある。
【0010】
このLDノイズの発生メカニズムは、量子力学原理に由来する量子ノイズ、異なるモード間の競合に基づくモード競合ノイズ、異なるモードへのスイッチングに由来するモードホッピングノイズ、半導体レーザから出射されたレーザ光が例えば光ディスク等に反射されて再び半導体レーザ内に戻ることで誘発される戻り光誘起ノイズ等の数種類に分類することができる。
【0011】
一般に、このLDノイズは、RIN(相対雑音強度:Relative Intensity Noise)に基づいて評価することができる。このRINは、特定の周波数におけるレーザ光強度に対するLDノイズの相対量を示すものであり、光源におけるレーザ光出力をPwとし、LDノイズの強度をPnとし、測定チャンネル幅をΔf Hzとしたときに以下の式1で表すことができる。
RIN = 10*log(Pn/Pw)/Δf dB/Hz・・・・・・・・(式1)
【0012】
図11(a)は、上述したをRIN値に基づいて評価する場合につき示している。この図11(a)に示すように、LD出射光強度が大きくなるにつれて、量子ノイズに基づくRIN値は小さくなる。即ち、LD出射光強度が小さくなると、LDノイズが増加することになる。図11(b)は、上述した戻り光誘起ノイズをRIN値に基づいて評価する場合につき示している。この図11(b)に示すように、LD出射光強度が大きくなるにつれて、戻り光ノイズに基づくRIN値は大きくなる。即ち、LD出射光強度が大きくなると、LDノイズが増加することになる。
【0013】
このため、LDノイズ全体をRIN値に基づいて表示すると、図12(a)に示すように、LD出射光強度が低い場合には、量子ノイズが支配的となり、LD出射光強度が高い場合には、戻り光誘起ノイズが支配的となる。
【0014】
これらのLDノイズは、仮に駆動回路に上述したAPCを機能させてもこれを解消することはできないが、半導体レーザから出射されるレーザ光に高周波信号を重畳するいわゆる高周波重畳法を用いることにより、これを低減させることができる。これは、高周波でLDをスイッチングする方法である。これは、特に戻り光誘起ノイズにおいて効果的である。
【0015】
即ち、この高周波重畳法を適用することにより、LD出射光強度が高い場合においてもRIN値を低く抑えることが可能となる。
【0016】
一方、高周波重畳にも欠点がある。図12(a)には、高周波重畳がある場合、図12(b)には高周波重畳がない場合のRIN−LD光強度の関係を示す。このように、RINが周期的に変動することがわかる。これは、LDの特徴である緩和振動周波数と重畳周波数が整合(整数比)になったため、強調されているのである。振幅は、LD構造に大きく依存はするものの、高周波重畳無しでのカーブに対し、振動を上乗せした形となることは共通しており、LD出射強度が小さい範囲でRINが悪いことは共通している。すなわち、記録、再生のうち、再生時のRIN値が重要である。
【0017】
このため、従来では、例えば端面反射率、共振器長、導波路構造等における設計の最適化を図り、主として量子ノイズを抑え込むことにより、図13に示すようにLD出射光強度の小さい再生時においてRIN値を改善する。一方、高周波重畳を用い戻り光誘起ノイズを押さえ込むことでRINの悪化を抑制する。特に高出力で効果的となる。これにより、再生時及び記録時において共に許容可能なLDノイズ量に相当する許容RIN値を満たすことになる。なお、書き込み系の光ディスクにおいては、Write Pulse、いわゆる、ライトストラティジのパルスが高周波重畳の作用をすることから外部重畳回路を用いないこともある。
【0018】
ところで近年の光ディスクの高速化や高密度化に伴い、要求されるディスク面光強度は、記録時,再生時ともに増大傾向にある。このため、ディスク面光強度/LD出射強度、すなわち、カップリング効率を大化、及び、LD出射強度の大化の手法がとられている。前者の場合、フィル条件の悪化となりJitterの悪化につながるため、大化には限界がある。従って、LD出射強度を大きくすることでディスク面強度をまかなうのが一般的である。すなわち、半導体レーザの高出力化となり、負荷が増大するという問題があった。
【0019】
特に上記レーザ光として、波長405nmの青色レーザ光を用いる場合においては、記録層が2層に亘って形成されている光ディスクの各記録面につき、要求されるディスク面強度比は記録時と再生時との間で大きくなる。先述のとおり、カップリング効率大化には限界があるため、405nm帯光源のGaInN計半導体レーザの光出力要求が厳しくなっている。
【0020】
図14(a)は、この青色レーザ対応の光ディスクに対するディスク面光強度と、LD出射光強度との関係を示している。この青色レーザ対応の光ディスクは、図14(b)に示すように、上位からLayer0、Layer1の2つの記録層が形成されている。このLayer0の再生時において要求されるディスク面光強度をPr0、Layer1の再生時において要求されるディスク面光強度をPr1、Layer0の記録時において要求されるディスク面光強度をPwr0、Layer1の記録時において要求されるディスク面光強度をPwr1としたとき、これらは高い方から順にPwr0,Pwr1,Pr0,Pr1となる。また、ディスク面光強度/LD出射光強度は一定であることから、図14(a)に示すように、LD出射光強度は、高い方から順に、PLD3(Layer0への記録時)、PLD4(Layer1への記録時)、PLD1(Layer0の再生時)、PLD2(Layer1の再生時)となる。
【0021】
なお、このディスク面光強度/LD出射光強度の比は、光ディスクにおける信号記録面に照射されるスポットの光強度分布に依存する。半導体レーザから出射されるレーザ光は、そのビーム放射角やFFP(Far Field Pattern)等から示されるような角度依存性を有するが、これも上述した光強度分布を支配する要因となる。
【0022】
このため従来では、信号記録面に形成されるスポットにつき光強度分布が許容範囲内に入るように制御すべく、図15に示すように、半導体レーザ81の出射側において開口制限板82を設けていた。この開口制限板82は、図16(a)に示すようにFFPのピーク周辺、換言すれば光軸近傍のレーザ光成分を光ディスク83へ到達させる。信号記録面83aは、図16(b)に示すように、開口制限板82を設けることにより、開口制限板82を設けない場合と比較して、小さなスポットを形成させることができ、ひいては、スポット内の光強度分布を最適なサイズまで調整することが可能となる。
【0023】
即ち、ディスク面光強度/LD出射光強度が小さくなる程、そのFFPから信号記録面83aにおけるスポット内の光強度分布は小さくなるが、ディスク面光強度から求められるLD出射光強度の格差は、記録時と再生時との間で大きくなる。従って、このディスク面光強度/LD出射光強度が一定である青色レーザ対応のディスクフォーマットでは、再生時においてRIN値の制約がより厳しくなり、記録時においては、消費電力の増大に伴う熱ストレズの増大や導波路の光学的損傷により、信頼性を確保する上での制約がより厳しくなる。
【0024】
上述した問題点を解決するために、ディスク面光強度/LD出射光強度の比を変更することができる光ヘッドが従来において提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0025】
この光ヘッド200は、例えば図17に示すように、光源202と、光結合効率可変素子203と、ビームスプリッタ204と、対物レンズ205と、フォトセンサ206とを備えており、これらの各光学部品が個別にマウントされて構成されている。ちなみに、この光結合効率可変素子203は、例えばレーザ光の透過率を変化させる透過型の液晶素子や、フィルタ板等で構成される。
【0026】
即ち、この光ヘッド200では、光源202から出射されるレーザ光を光結合効率可変素子203に入射させ、この光結合効率可変素子203を通過したレーザ光をビームスプリッタ204へ入射させる。そして、このビームスプリッタ204を通過したレーザ光が対物レンズ205によって光ディスク83の信号記録面83aに集光される。また、光ディスク83の信号記録面83aにおける戻り光は、ビームスプリッタ204において光源202からのレーザ光と分離され、フォトセンサ206により受光される。
【0027】
このような光ヘッド200において、光結合効率可変素子203の作用により、光源202を出射したレーザ光の強度は、光結合効率可変素子203を通過する時点で適宜可変制御され、信号記録時に光源202を出射して光ディスク83へ導かれるレーザ光の結合効率をCEWとし、信号再生時に光源200を出射して光ディスク83に導かれるレーザ光の光結合効率をCERとした場合、CEW>CERとなるように制御される。
【0028】
従って、この光結合効率可変素子203における光結合効率を記録時と再生時とで切り換え制御することにより、光源202側で記録時と再生時における出力パワー比を極端に大きくすることなく、光ディスク83の信号記録面83aにおけるディスク面光強度を制御することが可能となる。即ち、LD出射光強度を変えることなく、光結合効率可変素子203を切り換え制御することにより、上述したディスク面光強度/LD出射光強度を変更することができ、特に上述したディスク面強度比が記録時と再生時との間で大きく異なる青色レーザを上記レーザ光として用いる場合において効果的である。
【0029】
【特許文献1】
特開2002−260272号公報
【0030】
【発明が解決しようとする課題】
特に近年において、上述の如き光学ヘッドを備える記録再生装置を、特にノート型コンピュータや携帯用カメラ等に搭載される場合が多い。このため、かかる記録再生装置につき、或いはこれに搭載する光学ヘッド自体につき、更なる小型化の要請が高まっている。
【0031】
しかしながら、上記従来の光ヘッドでは、光結合効率可変素子203として液晶素子やフィルタ板等を用いるため、小型化を図る上で限界がある。
【0032】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するために案出されたものであり、ディスク面光強度/LD出射光強度を自在に変更することにより、半導体レーザに対する負担を軽減しつつ、小型化を図ることが可能な光学ヘッド並びに記録再生装置を提供することを目的とする。
【0033】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上述した問題点を解決するために、所定の波長に応じたエネルギーギャップを有するレーザ媒質に、光源から出射されたレーザ光を伝搬させて光強度を変調する光学ヘッド並びに記録再生装置を発明した。
【0034】
即ち、本発明を適用した光学ヘッドは、所定の波長からなるレーザ光を出射する光源と、上記所定の波長に応じたエネルギーギャップを有するレーザ媒質に、上記出射されたレーザ光を伝搬させて光強度を変調する光強度変調手段と、上記光強度変調手段から出射されたレーザ光が照射される光ディスクからの戻り光を受光する受光手段と、上記レーザ媒質に注入する電流の量を制御する電流制御手段とを備える。
【0035】
また、本発明を適用した記録再生装置は、光ディスクの信号記録面に対して信号を記録し、又は光ディスクの信号記録面に記録されている信号を再生する記録再生装置において、所定の波長からなるレーザ光を出射する光源と、上記所定の波長に応じたエネルギーギャップを有するレーザ媒質に上記出射されたレーザ光を伝搬させて光強度を変調する光強度変調手段と、上記光強度変調手段から出射されたレーザ光が照射される光ディスクからの戻り光を受光する受光手段とを有する光学ヘッドと、少なくとも上記レーザ媒質に注入する電流の量を制御する制御手段とを備える。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0037】
本発明は、例えば図1に示すような記録再生装置に適用される。この図1に示す記録再生装置1は、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)、更には青色レーザ対応の高密度ディスク等のような各種の光ディスクに対応した記録再生装置であって、光ディスク2を回転駆動させるスピンドルモータ3と、光ディスク2の信号記録面2a上に光ビームを照射するとともに、光ディスク2からの戻り光を検出する光学ヘッド4と、光学ヘッド4により検出された戻り光に基づいて、再生信号及び制御信号を生成する信号処理回路5と、制御信号に基づいてフォーカシング制御及びトラッキング制御を行うフォーカストラックサーボ機構6と、光学ヘッド4を光ディスク2の所定のトラックへと移動させるアクセス機構7と、信号処理回路5により生成された信号に基づいて、スピンドルモータ3、フォーカストラックサーボ機構6及びアクセス機構7を制御するシステムコントローラ8と、接続された信号処理回路5による制御の下、光学ヘッドにおける光源を制御するレーザ制御部12を備えている。
【0038】
スピンドルモータ3は、システムコントローラ8によって駆動制御され、光ディスク2を所定の速度で回転させる。
【0039】
光学ヘッド4は、スピンドルモータ3の駆動により回転操作される光ディスク2の信号記録面2a上にレーザ光を照射し、この信号記録面2aを反射した戻り光を検出して信号処理回路5へ出力する。この際光学ヘッド4は、回転操作される光ディスク2の種類によって、その光ディスク2に最適な波長のレーザ光を出射する。例えば、回転駆動される光ディスク2がCDであれば、光学ヘッド4は、波長が約780nmであるレーザ光を出射し、回転駆動される光ディスク2がDVDであれば、波長が約650nmであるレーザ光を出射する。更に、青色レーザ対応のディスクであれば、波長が405nm程度であるレーザ光を出射する。
【0040】
信号処理回路5は、再生時において、光学ヘッド4により検出された戻り光に基づいて得られる受光信号から再生信号を抽出してこれを復調し、誤り訂正する。また、この信号処理回路5は、記録時において、インターフェース9から入力される記録信号につき、例えば時分割多重化して固有のヘッダー情報や拡張ファイルのヘッダー情報等を付加する。また信号処理回路5は、記録時において記録信号を圧縮符号化し、さらには誤り訂正符号を付加する。
【0041】
信号処理回路5により復調され、誤り訂正された再生信号は、コンピュータのデータストレージ用であれば、インターフェース9を介して外部コンピュータ等に送出される。また、この再生信号は、オーディオ・ビジュアル用であれば、D/A,A/D変換器10のD/A変換部でデジタル/アナログ変換され、オーディオ・ビジュアル機器に送出される。
【0042】
信号処理回路5により復調された各種制御信号は、システムコントローラ8に出力される。システムコントローラ8は、この制御信号の中から、フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号に基づいてフォーカストラックサーボ機構6を駆動する。
【0043】
フォーカストラックサーボ機構6は、例えば位相補償フィルタ等で構成され、システムコントローラ8の制御の下、光学ヘッド4の備える対物レンズを光ディスク2に近接離間する方向及び光ディスク2の径方向の2軸方向へ移動操作し、フォーカシング制御及びトラッキング制御を行う。
【0044】
また、アクセス機構7は、システムコントローラ8から供給される信号に基づいて、光学ヘッド4を光ディスク2の径方向に送り動作させ、またこの光学ヘッド4が光ディスク2の所定の記録トラック上に位置するように動作させる。
【0045】
次に本発明を適用した光学ヘッド4について更に詳しく説明する。
【0046】
この光学ヘッド4は、図2に示すように所定の波長からなるレーザ光を発光する半導体レーザ71と、半導体レーザ71を支持するホルダ42と、上記出射されたレーザ光を伝搬させて光強度を変調する光強度変調素子43と、光強度変調素子43の出射側に配設された開口制限板44と、開口制限板44を透過したレーザ光を平行光とするコリメータレンズ45と、コリメータレンズ45により平行光とされたレーザ光の光路中に配された偏光プリズム46と、この偏光プリズム46を透過したレーザ光の光路中に配された1/4波長板47と、この1/4波長板47を通過したレーザ光を光ディスク2の信号記録面2a上に集光する対物レンズ48と、光ディスク2の信号記録面2aから反射して戻ってきた戻り光を集光させるディテクタレンズ49と、このディテクタレンズ49を通過したレーザ光を検出する光検出素子50とを備えている。
【0047】
ホルダ42には、所定の波長のレーザ光を出射する半導体レーザ71が取り付けられている。この半導体レーザ71は、半導体の再結合発光を利用した発光素子であり、出射するレーザ光の波長に応じたエネルギーギャップが形成されている。以下この半導体レーザ71におけるエネルギーギャップをEg1という。
【0048】
光強度変調素子43は、例えば半導体レーザ等で構成され、反射面が導波路を挟んで略平行に形成され、エネルギーギャップEg2を有するレーザ媒質に、上記出射されたレーザ光を伝搬させて光強度を変調する。また、この光強度変調素子43には、レーザ制御部12を介して電流が注入され、かかる注入電流に基づき、光強度変調素子43の利得が変化する。これにより、レーザ媒質を伝播するレーザ光強度を変調することができる。
【0049】
また、光強度変調素子43におけるエネルギーギャップEg2は、エネルギーギャップEg1を有する半導体レーザ71から出射されたレーザ光の波長に応じて設計されている。このエネルギーギャップEg2を、半導体レーザ71におけるエネルギーギャップEg1以下で構成することにより、レーザ媒質中を伝搬するレーザ光を吸収することができる。この光強度変調素子43の構成、機能の詳細については後述する。
【0050】
この開口制限板44は、光強度変調素子43により増幅、吸収されたレーザ光につき、FFP(Far Field Pattern)のピーク周辺、換言すれば光軸近傍の成分のみを透過させる。開口制限板44を設けることにより、より小さなスポットを信号記録面2a上に形成させることができ、ひいては、スポット内の光強度分布を最適なサイズまで調整することが可能となる。この開口制限板44を透過した発散光であるレーザ光は、コリメータレンズ45により平行光とされる。
【0051】
偏光プリズム46は、半導体レーザ71から出射されたレーザ光を透過させて光ディスク2に導くとともに、光ディスク2から反射して戻ってくる戻り光を反射させて光検出素子50へと導く。
【0052】
1/4波長板47は、通過するレーザ光にπ/2の位相差を与えるものである。半導体レーザ71から出射された直線偏光のレーザ光は、1/4波長板47を通過して円偏光となる。また光ディスク2を反射して戻ってくる円偏光のレーザ光は、この1/4波長板47を通過した場合に、直線偏光となる。
【0053】
対物レンズ48は、1/4波長板47を通過したレーザ光の光路中に配設されており、このレーザ光を集光して光ディスク2の信号記録面2a上に照射させる機能を有する。この対物レンズ48は、フォーカストラックサーボ機構6を構成する図示しない2軸アクチュエータによって、光ディスク2に近接離間する方向及び光ディスク2の径方向の2軸方向に移動可能に支持されている。そして、この対物レンズ48は、光ディスク2からの戻り光により生成されたフォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号に基づいて、2軸アクチュエータにより移動動作され、フォーカシング制御及びトラッキング制御が実現されることになる。
【0054】
光ディスク2の信号記録面2a上に集光された各レーザ光は、この信号記録面2aで反射され、対物レンズ48を通過することにより平行光となる。そして、光ディスク2から反射して戻ってくる戻り光は、対物レンズ48を通過することにより平行光とされ、更に1/4波長板47を通過し、偏光プリズム46を反射する。そして、この戻り光は、ディテクタレンズ49を通過することにより収束光とされる。その際、このディテクタレンズ49により非点収差が発生させられる結果、この記録再生装置1においては、いわゆる非点収差法によるフォーカスエラー信号の検出が可能となる。
【0055】
光検出素子50は、ディテクタレンズ49によりビームスポットの大きさにつき調整された戻り光を受光して光電変換し、これを受光信号として信号処理回路5へ供給する。
【0056】
次に、光強度変調素子43の詳細について青色レーザを発光する半導体レーザを用いる場合を例にとり、図3を用いて説明する。
【0057】
図3に示す光強度変調素子43は、サファイヤ基板101上に、GaN層102と、クラッド層103と、第1の光ガイド層104と、活性層105と、第2の光ガイド層106と、ブロッキング層107と、超格子クラッド層108と、SiO2膜109と、Si膜110と、コンタクト層111と、電極112、113とが積層形成されて構成されている。
【0058】
このような構成からなる光強度変調素子43を作成する際には、先ずサファイヤ基板101上にGaN層102を5μm程度の膜厚となるまでエピタキシャル成長させる。次に、膜厚1.3μmのn−AlGaNからなるクラッド層103を、このGaN層102上に積層形成し、更にそのクラッド層103上において、例えばGaNからなる第1の光ガイド層104を被覆する。また、Ti/Pt/Auからなる電極112を、このGaN層102上に積層形成する。
【0059】
次に、第1の光ガイド層104上に、膜厚3.5nmからなるGa0.92In0.08Nと、膜厚7nmからなるGa0.98In0.02Nとを交互に3層積層させていわゆるMQW構造とした活性層105を形成する。この活性層105は、上記レーザ媒質に相当するものであり、入射側端面から出射側端面へ通じる導波路として構成される。次に、この活性層105上に、GaInNからなる第2の光ガイド層106を、更には膜厚10nmのp−AlGaNからなるブロッキング層107を積層形成する。ちなみに、この第2の光ガイド層106は、活性層105とブロッキング層107間の歪みを緩和する役割をも担う。
【0060】
次に、このブロッキング層107上に、膜厚2.5nmからなるAlGaNと、膜厚2.5nmからなるGaNとを交互に幾層にも亘って積層させた超格子構造を有する超格子クラッド層108を形成し、更にその上にはSiO2膜109、Si膜110を形成する。また、この超格子クラッド層108上には、膜厚0.1μmのp−GaNからなるコンタクト層111を、更にその上には、Pd/Pt/Auからなる電極113を積層形成する。なお電極112,113は、成膜した上記各金属膜をエッチング等によって所望のパターニング形状に仕上げることができる。ちなみに電極112は、いわゆるn電極に相当し、また電極113は、いわゆるp電極に相当する。
【0061】
即ち、このような構成からなる半導体レーザとしての光強度変調素子43は、電極112,113を介して所定の電流を注入することにより、405nm程度の波長からなる青色レーザを発光する。またこの光強度変調素子43は、注入する電流に応じて利得が変化する。このため、活性層105としての導波路を伝搬するレーザ光を吸収し、又はこれを増幅する。なお半導体レーザ71の構成についても、この光強度変調素子43における構成と同様であってもよい。
【0062】
なお、この光強度変調素子43においては、従来より用いられているゲインガイド構造を適用してもよいし、またインデックスガイド構造を適用してもよい。インデックスガイド構造を適用する場合には、電流ロスの少ない電流注入制御と、発光領域の厳密な制御が可能となる。
【0063】
図4は、注入する電流に対する光強度変調素子43の利得を示している。この図4に示すように、利得がマイナスである場合において、活性層105におけるバンドギャップEg2に相当する波長のレーザ光を吸収する。このレーザ光の吸収は、注入する電流が0である場合において最大となる。一方、注入する電流量を増加させてゆくにつれ利得は徐々に大きくなる結果、活性層105におけるレーザ光の吸収量は減少してゆく。そして注入する電流量がItransとなるときに利得が0となる。
【0064】
また注入する電流量を更に増加させてゆくと利得はプラスとなり、活性層105内を伝搬するレーザ光を増幅させる。そして、注入する電流量がIthに到達すると、利得が、光強度変調素子43における吸収損失αiと、光強度変調素子43の端面において生ずるレーザ光の反射による端面損失αmの和で表される全光学損失に等しくなる。かかる条件を満たすことにより、活性層105からレーザ発振が生じる。ちなみにこのIthは、レーザ発振におけるしきい値となる。
【0065】
本発明を適用した記録再生装置1では、このような光強度変調素子43の性質を活用し、図5に示すように、半導体レーザ71から出射されるレーザ光が光強度変調素子43の活性層105としての導波路に入射するように位置調整する。この位置調整は、例えば、半導体レーザ71から出射するレーザ光の光軸と、光強度変調素子43における光軸とが一致するように行う。また半導体レーザ71と、光強度変調素子43との間隔を100μm以下とすることにより、両者間の結合効率をほぼ100%とすることができ、半導体レーザ71から出射されるレーザ光を漏れなく光強度変調素子43における導波路(活性層105)へ入射させることができる。
【0066】
ここで光強度変調素子43につき、エネルギーギャップEg2を半導体レーザ71におけるエネルギーギャップEg1以下で構成し、かつ注入する電流量をItrans以下とすることにより、上記導波路(活性層105)へ入射されたレーザ光を吸収することができる。その結果、導波路(活性層105)を出射するレーザ光の強度Poutは、導波路(活性層105)へ入射前のレーザ光の強度Pinと比較して低くなる。即ちPout/Pinを光強度変調素子43におけるレーザ光の透過率と定義した場合に、Pout/Pin<1となるため、光強度変調素子43はいわゆるアッテネータとして作用することになる。
【0067】
また光強度変調素子43につき電流の注入量を除々に増加させることにより、その利得特性に応じて、吸収量が小さくなる。そして電流量がItransとなるときに、吸収量が0となる(換言すれば利得が0となる。)。
【0068】
この利得が0となるItransの状態においては、光強度変調素子43における活性層105は、減衰も吸収も生じない、いわゆる透明物質として作用することになる。このItransの状態においては、半導体レーザ71から出射されるレーザ光の強度と、光強度変調素子43から出射されるレーザ光の強度とは、ほぼ同等である。
【0069】
一方、注入する電流量をItrans以上とすることにより、上記導波路(活性層105)へ入射されたレーザ光を増幅することができる。その結果、導波路(活性層105)を出射するレーザ光の強度Poutは、導波路(活性層105)へ入射前のレーザ光の強度Pinと比較して高くなる。即ちPout/Pin>1となるため、この光強度変調素子43はいわゆる増幅器として作用することになる。
【0070】
即ち、この光強度変調素子43に対して注入する電流量を調整することにより、この光強度変調素子43から出射されるレーザ光の強度Poutを調整することができる。ここで光ディスク2における信号記録面2a上に照射されるレーザ光の強度を、以下、ディスク面光強度というとき、特に記録時において要求されるこのディスク面光強度は、再生時と比較して高い。このため図4に示すように、記録時において光強度変調素子43に注入する電流量を、再生時よりも多くすることにより、Poutを高くすることができ、ディスク面光強度を向上させることができる。一方、再生時において、光強度変調素子43に注入する電流量を再生時よりも少なくすることにより、Poutを低くすることができ、ディスク面光強度を下げることができる。
【0071】
従って、本発明を適用した記録再生装置1では、半導体レーザ71から出射されるレーザ光の光強度(以下、LD出射光強度という。)に対するディスク面光強度の比(=ディスク面光強度/LD出射光強度)を、半導体レーザ71から出射されるレーザ光の強度を制御することなく変更することができる。換言すれば、半導体レーザ71に対する負荷を軽減しつつ、再生時のディスク面光強度/LD出射光強度<記録時のディスク面光強度/LD出射光強度が達成されることになる。
【0072】
特に近年において、光ディスク2の高速化や高密度化に伴い、要求されるディスク面光強度は、記録時,再生時ともに増大傾向にある。このためディスク面光強度/LD出射光強度が固定されている従来の光学ヘッドにおいては、このディスク面強度を上げるために、記録時及び再生時においてLD出射光強度をいきおい上げる必要が生じ、半導体レーザに対して大きな負担がかかる。しかしながら、本発明を適用した記録再生装置1では、光強度変調素子43に注入する電流量を増加させることにより、ディスク面光強度を高めることができる結果、半導体レーザ71に対する負荷を軽減させることが可能となる。
【0073】
また本発明は、要求されるディスク面光強度が記録時と再生時との間で大きく異なる青色レーザを上記レーザ光として用いる場合において特に有効である。青色レーザ対応の光ディスク2には、2つの記録層が形成され、再生時,記録時において要求されるディスク面光強度は、各記録層間で異なる。このため、各記録層間でディスク面光強度/LD出射光強度の比を変更するため、光強度変調素子43に注入する電流量を各記録層間で異ならせるように設定するようにしてもよい。
【0074】
また、半導体レーザ71におけるノイズ(以下、LDノイズという。)は、量子力学原理に由来する量子ノイズをも含む。このLDノイズは、RIN(相対雑音強度:Relative Intensity Noise)に基づいて評価することができる。このRINは、特定の周波数におけるレーザ光強度に対するLDノイズの相対量を示すものである。LDノイズ全体をRIN値に基づいて表示すると、図6に示すようにLD出射光強度が低い場合には、量子ノイズが支配的となり、LD出射光強度が高い場合には、戻り光誘起ノイズが支配的となる。
【0075】
本発明を適用した記録再生装置1では、かかる場合において、上記光強度変調素子43をいわゆるアッテネータとして作用させることにより、ディスク面光強度/LD出射光強度を下げる。これにより、半導体レーザ71から出射させるレーザ光の強度を増加させることによりRIN値を下げることができ、LDノイズ全体を低減させることが可能となる。
【0076】
更に、本発明を適用した記録再生装置1では、上述した光強度変調素子43を微小な半導体チップで構成することができるため、これを液晶素子やフィルタ板等で構成する場合と比較して、装置全体の小型化を図ることが可能となる。これにより小型化の要請が強いノート型コンピュータや携帯用カメラ等にも対応することが可能となる。
【0077】
ちなみに、光強度変調素子43における利得をΓgとしたとき、光強度変調素子43の発振指数は、以下の式2で表される。
発振指数=Γg−αi−αm ・・・・・・・・(式2)
この発振指数は、レーザ発振の条件を示しており、当該指数がちょうど0である場合に、利得と損失が釣り合ってレーザ発振することを意味している。本発明を適用した記録再生装置1では、発振指数がマイナスとなる範囲において、換言すれば光強度変調素子43においてレーザ発振しない範囲において電流を注入する。
【0078】
更に、この光強度変調素子43における導波路(活性層105)につき、レーザ光が入射する側の端面に設けられた反射膜の反射率をRinとし、レーザ光が出射する側の端面に設けられた反射膜の反射率をRoutとし、更にこの光強度変調素子43における導波路の長さ(以下、共振器長という。)をLとするとき、端面損失αmは、以下の式3で定義することができる。
αm=1/2L×ln[1/(Rin−Rout)]・・・・・・・(式3)
また、上述した透過率Pout/Pinは、反射率Rin,Rout、利得Γg、吸収損失αiから、以下の式4により定義することができる。
Pout/Pin=(1−Rout)(1−Rin)Exp[(Γg−αi)L]/(1−RinRoutExp[2(Γg−αi)L]) ・・・・・・・(式4)
以上の式2〜式4を用いることにより、各共振器長L並びにΓg−αiに対する、端面損失αm、透過率Pout/Pin、発振指数の関係を計算することができる。
【0079】
先ず導波路(活性層105)の両端面につき反射膜を被覆しない場合において、上記端面損失αm、透過率Pout/Pin、発振指数を計算した結果につき以下の表1に示す。
【0080】
【表1】
【0081】
次に、導波路(活性層105)の両端面の反射率(=Rin,Rout)を10%とした場合において、上記端面損失αm、透過率Pout/Pin、発振指数を計算した結果につき以下の表2に示す。発振指数から、注入する電流を大きくすると光強度変調素子43の端面において多重反射が生じ、増幅作用が大きくなる結果、レーザ発振してしまうことが分かる。
【0082】
【表2】
【0083】
次に、Rinを5%とし、Routを10%とした場合につき、上記端面損失αm、透過率Pout/Pin、発振指数を計算した結果につき以下の表3に示す。
【0084】
【表3】
【0085】
以上計算した結果に基づき、各共振器長Lにつき、発振指数が0以下の条件において、所望の透過率を得るための条件を導きだすことが可能となる。
【0086】
例えば上記表1に示す計算結果において、共振器長Lを600μmとし、記録時におけるΓg−αiを5cm−1とし、再生時におけるΓg−αiを10cm−1とする。この時、光強度変調素子43の駆動電流としては、記録時には約30mA、再生時には約5mAであるものと試算することができる。なお、光強度変調素子43における駆動電流とΓg−αiとの関係は、光強度変調素子43自体の構造に大きく依存するものであり、上記駆動電流の試算結果はあくまで一例に過ぎない。
【0087】
ちなみに、この駆動電流とΓg−αiとの関係については、ASE(Amplified Spontaneous Emission)法を利用することにより調べることができる(例えば、B.W.Hakki et.al,J.Appl.Phys.46,1299(1975)参照。)。即ち、この光強度変調素子43を作製後、このASE法を用いて駆動電流とΓg−αiとの関係を調べることにより、光強度変調素子43へ注入する電流値を決定することができる。
【0088】
なお、入射側端面と出射側端面の反射率が同一であれば、共振器長Lをより短くした場合において、光強度変調素子43内におけるレーザ発振を防止することができる。また、共振器長Lが同一であれば、端面の反射率を下げた場合において、光強度変調素子43内におけるレーザ発振を防止することができる。
【0089】
ちなみに、この記録再生装置1において、光強度変調素子43におけるレーザ発振を低減させるためには、入射されるレーザ光の光軸に対する端面の角度を90°とせずに、わずかにずらすと望ましい。
【0090】
なお、本発明を適用した記録再生装置1は、上述した実施の形態に限定されるものではない。例えば半導体レーザ71と光強度変調素子43とを、互いに同一パッケージ内に設けた光学ヘッド21を備えるようにしてもよい。
【0091】
図7は、この光学ヘッド21の構成につき示している。この図7に示す光学ヘッド21において、光学ヘッド4と同一の要素、部材については、同一の番号を付して説明を省略する。
【0092】
光学ヘッド21は、所定の波長からなるレーザ光を発光する半導体レーザ71と、上記出射されたレーザ光を伝搬させて光強度を変調する光強度変調素子43とがそれぞれ設けられてなるキャン型のホルダ61を備えている。
【0093】
このホルダ61に取り付けられた半導体レーザ71からレーザ光が出射され、この出射されたレーザ光が同一パッケージ内に設けられてなる光強度変調素子43へ入射し、更にこの光強度変調素子43において増幅又は吸収されたレーザ光が出射されて、これが開口制限板44へ到達することになる。
【0094】
ホルダ61は、図8に示すように、背面において端子A,端子B,端子Cの3つの端子が設けられている。またサブマウント63上には、更に半導体レーザ71と、光強度変調素子43とが、互いの光軸が一致するように配設されている。端子Aには、半導体レーザ71に対して注入するための電流が供給される。また端子Bには、光強度変調素子43に対して注入するための電流がレーザ制御部12を介して供給される。端子Aは半導体レーザ71のp電極に対して、また端子Bは光強度変調素子43のp電極に相当する電極113に対して、それぞれAuワイヤーを介して接続される。端子Cは、半導体レーザ71のn電極と、光強度変調素子43のn電極に相当する電極112に共に接続されることになる。
【0095】
即ち、本発明を適用した光学ヘッド21及び記録再生装置1では、上述した構成からなるホルダ61を用いることにより、より一層の小型化を図ることが可能となる。
【0096】
なお本発明を適用した記録再生装置1は、半導体レーザ71及び光強度変調素子43に加え、更に光検出素子50を互いに同一光学ユニット内に集積した光学ヘッドを備えるようにしてもよい。
【0097】
このような光学ヘッド23は、図9に示すように、半導体レーザ71により発光され、光強度変調素子43により強度変調されたレーザ光を出射し、或いは光ディスク2からの戻り光を受光するための集積光学ユニット25と、集積光学ユニット25から出射されたレーザ光を平行光とするコリメータレンズ26と、この平行光とされたレーザ光を光ディスク2の信号記録面2a上に集光する対物レンズ27とを備えている。
【0098】
集積光学ユニット25の詳細について説明をする。この集積光学ユニット25において、上述した光学ヘッド4と同一の要素、部材については同一の番号を付して説明を省略する。集積光学ユニット25は、例えば図10に示すように、半導体レーザ71や光検出素子50等を収容するための収容部材60と、後述する回折格子等を埋め込んで成形したモールド51と、モールド51の上面に設けられる複合プリズム52とを備えている。
【0099】
収容部材60には、レーザ光を出射する半導体レーザ71並びに出射されたレーザ光を増幅又は吸収するための光強度変調素子43がそれぞれサブマウント120上に設けられている。各サブマウント120は、この収容部材50を上下に仕切るようにして配設されてなる仕切板122の背面に取り付けられ、更に光強度変調素子43から出射されたレーザ光の光路を光ディスク2の方向に折り曲げるためのミラー121もこの仕切板122の背面に取り付けられている。半導体レーザ71並びに光強度変調素子43の各電極は、Auワイヤーを介して図示しない端子に接続され、当該端子を介してレーザ制御部12から駆動電流が供給されることになる。
【0100】
仕切板122の上面には、ミラー121により折り曲げられたレーザ光につき、π/2の位相差を与える1/4波長板123と、光検出素子50とが取り付けられる。ちなみに、この光検出素子5の背面には、光電変換された電気信号に基づいてレーザ光の強度を識別するための光量モニタ素子171が配設されている。
モールド51には、光ディスク2からの戻り光を複数の光束に分割する回折格子125と、この回折格子125を通過した戻り光を光検出素子50上に集光させるディテクタレンズ126とが取り付けられている。
【0101】
複合プリズム52には、1/4波長板123を通過したレーザ光を透過させて光ディスク2に導くとともに、光ディスク2から反射して戻ってくる戻り光を反射させるビームスプリッタ127と、ビームスプリッタ127より反射された戻り光を更に反射させて光検出素子50へ導くミラー128とが設けられている。このような構成からなる集積光学ユニット25において、半導体レーザ71から出射されたレーザ光は、上述の如く光強度変調素子43により増幅、又は吸収され、更にミラー121を反射して1/4波長板123を通過することにより円偏光となる。また、この1/4波長板123を通過したレーザ光は、更にビームスプリッタ127を透過して集積光学ユニットから出射し、コリメータレンズ26により平行光とされ、更に対物レンズ27を介して光ディスク2における信号記録面2a上に照射される。
【0102】
また、光ディスク2からの戻り光は、対物レンズ27及びコリメータレンズ26を介して集積光学ユニット25へ入射し、また入射した戻り光の一部はビームスプリッタ127を反射して光検出素子50へ導かれ、DPP法(Differential Push Pull )によるトラッキングエラー信号並びにSSD法(Spot Size Detection)によるフォーカスエラー信号が生成される。
【0103】
このように光学ヘッド23に、光学部品の多くを収納することができる集積光学ユニット25を取り付けることにより、他の光学部品につき、コリメータレンズ26並びに対物レンズ27のみで構成することができるため、光学ヘッド23全体の構成につき簡素化を図ることが可能となり、また更なる小型化を図ることが可能となる。
【0104】
なお、上述した実施の形態においては、光強度変調素子43として半導体レーザを適用する場合につき説明をしたが、かかる場合に限定されるものではなく、例えば導波路内を伝搬するレーザ光の強度を電気光学効果を利用して変調する光変調器等を適用してもよいことは勿論である。
【0105】
また、光強度変調素子のレーザ媒質に注入する電流の量を制御するレーザ制御部12を、光学ヘッド4内に搭載するようにしてもよいことは勿論である。
【0106】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明を適用した光学ヘッド並びに記録再生装置では、所定の波長に応じたエネルギーギャップを有するレーザ媒質に、光源から出射されたレーザ光を伝搬させて光強度を変調する。これにより、本発明を適用した光学ヘッド並びに記録再生装置では、ディスク面光強度/LD出射光強度を自在に変更することにより、半導体レーザに対する負担を軽減しつつ、小型化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した記録再生装置の構成図である。
【図2】本発明を適用した光学ヘッドの構成図である。
【図3】光強度変調素子の構造につき説明するための図である。
【図4】注入する電流に対する光強度変調素子の利得を示す図である。
【図5】光強度変調素子へ入出射するレーザ光の強度、並びに光強度変調素子における端面反射率の関係につき説明するための図である。
【図6】LD出射強度に対するRIN値の関係を示す図である。
【図7】半導体レーザと光強度変調素子とを、互いに同一パッケージ内に設けた光学ヘッドの構成につき示す図である。
【図8】半導体レーザと、光強度変調素子とがそれぞれ設けられてなるキャン型のホルダを示す図である。
【図9】半導体レーザ及び光強度変調素子に加え、更に光検出素子を互いに同一光学ユニット内に集積した光学ヘッドを示す図である。
【図10】集積光学ユニットの詳細について説明するための図である。
【図11】各ノイズをRIN値に基づいて評価する場合につき説明するための図である。
【図12】LDノイズ全体をRIN値に基づいて表示した図である。
【図13】再生時並びに記録時にRIN値を抑え込む場合につき説明するための図である。
【図14】青色レーザ対応の光ディスクに対するディスク面光強度と、LD出射光強度との関係を示す図である。
【図15】半導体レーザの出射側において開口制限板を設けた従来の光学ヘッドの構成図である。
【図16】開口制限板を設けることにより形成される光ディスク上に形成されるスポットにつき説明するための図である。
【図17】ディスク面光強度/LD出射光強度の比を変更することができる従来の光ヘッドにつき説明するための図である。
【符号の説明】
1 記録再生装置、2 光ディスク、3 スピンドルモータ、4 光学ヘッド、5 信号処理回路、6 フォーカストラックサーボ機構、7 アクセス機構、8 システムコントローラ、12 レーザ制御部、42 ホルダ、43 光強度変調素子、44 開口制限板、45 コリメータレンズ、46 偏光プリズム、47 1/4波長板、48 対物レンズ、49 ディテクタレンズ、50 光検出素子、71 半導体レーザ
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスクに対して光を照射する光ヘッド、並びに、光ディスクの信号記録面に対して信号を記録、再生する記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光記録媒体として、CD(Compact Disc)と呼ばれる再生専用の光ディスクや、CD−R(Compact Disc−Recordable)と呼ばれる追記型の光ディスクやこれらを記録再生するためのシステムが実用化されている。これら光ディスクは、量産性に優れ、製造コストを安価に抑えられること、情報の再生或いは情報の記録を比較的安定に行うことができること等から、広く普及するに至っており、その光源として780nm帯域のAlGaAs系半導体レーザが用いられている。
【0003】
また、このような光ディスクにおいて、近年において特に記録容量の増大化が望まれており、外径寸法をCDと同じとしながら記録容量を飛躍的に増大させたDVD(Digital Versatile Disc/Digital Video Disc)が開発され、実用化されるに至っている。このDVDでは、記録密度を高めて記録容量の増大化を実現するために、CD等に使用する光源よりも波長の短い660nm帯域のレーザ光を出射するAlGaInP系半導体レーザが用いられている。
【0004】
これらの各光ディスクに対して情報信号を記録する場合には、上述した各半導体レーザから出射されたレーザ光を、光ディスクの信号記録面に集光して光スポットを形成し、各記録層において熱上昇を起こさせる。そしてこの熱上昇に基づき、例えばDVD−Rの場合には記録層表面に塗布された有機色素に化学変化を起こさせることにより、またDVD−RWの場合には結晶状態の記録層を非晶質へ状態変化させることにより、各情報信号を記録することができる。
【0005】
一方、このようにして記録層に記録された各情報信号を再生する場合において、半導体レーザから出射されるレーザ光の強度は、記録時において要求されるレーザ光の強度まで要求されることはない。
【0006】
この記録、再生時において要求される具体的なレーザ光の強度は、通常各光ディスクのフォーマット書等に規定されている。しかし、これら各光ディスクのフォーマット書に規定されているレーザ光の強度は、光ディスクの信号記録面上に照射されるレーザ光の強度(以下、ディスク面光強度という。)を示すものであり、半導体レーザから出射されるレーザ光の光強度(以下、LD出射光強度という。)を示すものではない。このため、レーザ光強度はディスク面強度を基準にして求められる。ディスク面光強度に対するLD出射光強度の関係(以下、これをディスク面光強度/LD出射光強度で表示する)、すなわちカップリング効率が基準である。
【0007】
ところで、上述の如く各レーザ光の強度関係に基づいてLD出射光強度を調整するためには、以下に示す二つの条件を満たす必要がある。一の条件は、所望のディスク面光強度を得るために必要となるLD出射光強度付近において信頼性の高いレーザ光を出射することができることである。また二の条件は、記録、再生時においてLD出射光強度の静特性及び動特性の変化が小さいことである。
【0008】
カップリング効率はLDの特性ばらつきに起因のため個々のLDで厳密にはことなる。従って、各ピックアップ間で常にディスク面光強度をそろえるためには、組み立て時の調整を個々のピックアップ毎、すなわち、個々のLD毎で行う。さらに、LDの劣化に起因する光量変動を抑制するために、APC(Auto Power Control)を用いる手法が広く用いられている。
【0009】
一般的には、時間的に平均値をモニタする場合が多い。すなわち、APCが機能している場合においても、短時間では光強度は揺らいでいる。これがLDノイズである。この揺らぎが、光ディスクの再生、及び、記録の妨げとなるのである。光ディスクシステムにおいては、記録、再生時のどちらにおいても、あるスペック以下にLDノイズ量を押さえ込む必要がある。
【0010】
このLDノイズの発生メカニズムは、量子力学原理に由来する量子ノイズ、異なるモード間の競合に基づくモード競合ノイズ、異なるモードへのスイッチングに由来するモードホッピングノイズ、半導体レーザから出射されたレーザ光が例えば光ディスク等に反射されて再び半導体レーザ内に戻ることで誘発される戻り光誘起ノイズ等の数種類に分類することができる。
【0011】
一般に、このLDノイズは、RIN(相対雑音強度:Relative Intensity Noise)に基づいて評価することができる。このRINは、特定の周波数におけるレーザ光強度に対するLDノイズの相対量を示すものであり、光源におけるレーザ光出力をPwとし、LDノイズの強度をPnとし、測定チャンネル幅をΔf Hzとしたときに以下の式1で表すことができる。
RIN = 10*log(Pn/Pw)/Δf dB/Hz・・・・・・・・(式1)
【0012】
図11(a)は、上述したをRIN値に基づいて評価する場合につき示している。この図11(a)に示すように、LD出射光強度が大きくなるにつれて、量子ノイズに基づくRIN値は小さくなる。即ち、LD出射光強度が小さくなると、LDノイズが増加することになる。図11(b)は、上述した戻り光誘起ノイズをRIN値に基づいて評価する場合につき示している。この図11(b)に示すように、LD出射光強度が大きくなるにつれて、戻り光ノイズに基づくRIN値は大きくなる。即ち、LD出射光強度が大きくなると、LDノイズが増加することになる。
【0013】
このため、LDノイズ全体をRIN値に基づいて表示すると、図12(a)に示すように、LD出射光強度が低い場合には、量子ノイズが支配的となり、LD出射光強度が高い場合には、戻り光誘起ノイズが支配的となる。
【0014】
これらのLDノイズは、仮に駆動回路に上述したAPCを機能させてもこれを解消することはできないが、半導体レーザから出射されるレーザ光に高周波信号を重畳するいわゆる高周波重畳法を用いることにより、これを低減させることができる。これは、高周波でLDをスイッチングする方法である。これは、特に戻り光誘起ノイズにおいて効果的である。
【0015】
即ち、この高周波重畳法を適用することにより、LD出射光強度が高い場合においてもRIN値を低く抑えることが可能となる。
【0016】
一方、高周波重畳にも欠点がある。図12(a)には、高周波重畳がある場合、図12(b)には高周波重畳がない場合のRIN−LD光強度の関係を示す。このように、RINが周期的に変動することがわかる。これは、LDの特徴である緩和振動周波数と重畳周波数が整合(整数比)になったため、強調されているのである。振幅は、LD構造に大きく依存はするものの、高周波重畳無しでのカーブに対し、振動を上乗せした形となることは共通しており、LD出射強度が小さい範囲でRINが悪いことは共通している。すなわち、記録、再生のうち、再生時のRIN値が重要である。
【0017】
このため、従来では、例えば端面反射率、共振器長、導波路構造等における設計の最適化を図り、主として量子ノイズを抑え込むことにより、図13に示すようにLD出射光強度の小さい再生時においてRIN値を改善する。一方、高周波重畳を用い戻り光誘起ノイズを押さえ込むことでRINの悪化を抑制する。特に高出力で効果的となる。これにより、再生時及び記録時において共に許容可能なLDノイズ量に相当する許容RIN値を満たすことになる。なお、書き込み系の光ディスクにおいては、Write Pulse、いわゆる、ライトストラティジのパルスが高周波重畳の作用をすることから外部重畳回路を用いないこともある。
【0018】
ところで近年の光ディスクの高速化や高密度化に伴い、要求されるディスク面光強度は、記録時,再生時ともに増大傾向にある。このため、ディスク面光強度/LD出射強度、すなわち、カップリング効率を大化、及び、LD出射強度の大化の手法がとられている。前者の場合、フィル条件の悪化となりJitterの悪化につながるため、大化には限界がある。従って、LD出射強度を大きくすることでディスク面強度をまかなうのが一般的である。すなわち、半導体レーザの高出力化となり、負荷が増大するという問題があった。
【0019】
特に上記レーザ光として、波長405nmの青色レーザ光を用いる場合においては、記録層が2層に亘って形成されている光ディスクの各記録面につき、要求されるディスク面強度比は記録時と再生時との間で大きくなる。先述のとおり、カップリング効率大化には限界があるため、405nm帯光源のGaInN計半導体レーザの光出力要求が厳しくなっている。
【0020】
図14(a)は、この青色レーザ対応の光ディスクに対するディスク面光強度と、LD出射光強度との関係を示している。この青色レーザ対応の光ディスクは、図14(b)に示すように、上位からLayer0、Layer1の2つの記録層が形成されている。このLayer0の再生時において要求されるディスク面光強度をPr0、Layer1の再生時において要求されるディスク面光強度をPr1、Layer0の記録時において要求されるディスク面光強度をPwr0、Layer1の記録時において要求されるディスク面光強度をPwr1としたとき、これらは高い方から順にPwr0,Pwr1,Pr0,Pr1となる。また、ディスク面光強度/LD出射光強度は一定であることから、図14(a)に示すように、LD出射光強度は、高い方から順に、PLD3(Layer0への記録時)、PLD4(Layer1への記録時)、PLD1(Layer0の再生時)、PLD2(Layer1の再生時)となる。
【0021】
なお、このディスク面光強度/LD出射光強度の比は、光ディスクにおける信号記録面に照射されるスポットの光強度分布に依存する。半導体レーザから出射されるレーザ光は、そのビーム放射角やFFP(Far Field Pattern)等から示されるような角度依存性を有するが、これも上述した光強度分布を支配する要因となる。
【0022】
このため従来では、信号記録面に形成されるスポットにつき光強度分布が許容範囲内に入るように制御すべく、図15に示すように、半導体レーザ81の出射側において開口制限板82を設けていた。この開口制限板82は、図16(a)に示すようにFFPのピーク周辺、換言すれば光軸近傍のレーザ光成分を光ディスク83へ到達させる。信号記録面83aは、図16(b)に示すように、開口制限板82を設けることにより、開口制限板82を設けない場合と比較して、小さなスポットを形成させることができ、ひいては、スポット内の光強度分布を最適なサイズまで調整することが可能となる。
【0023】
即ち、ディスク面光強度/LD出射光強度が小さくなる程、そのFFPから信号記録面83aにおけるスポット内の光強度分布は小さくなるが、ディスク面光強度から求められるLD出射光強度の格差は、記録時と再生時との間で大きくなる。従って、このディスク面光強度/LD出射光強度が一定である青色レーザ対応のディスクフォーマットでは、再生時においてRIN値の制約がより厳しくなり、記録時においては、消費電力の増大に伴う熱ストレズの増大や導波路の光学的損傷により、信頼性を確保する上での制約がより厳しくなる。
【0024】
上述した問題点を解決するために、ディスク面光強度/LD出射光強度の比を変更することができる光ヘッドが従来において提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0025】
この光ヘッド200は、例えば図17に示すように、光源202と、光結合効率可変素子203と、ビームスプリッタ204と、対物レンズ205と、フォトセンサ206とを備えており、これらの各光学部品が個別にマウントされて構成されている。ちなみに、この光結合効率可変素子203は、例えばレーザ光の透過率を変化させる透過型の液晶素子や、フィルタ板等で構成される。
【0026】
即ち、この光ヘッド200では、光源202から出射されるレーザ光を光結合効率可変素子203に入射させ、この光結合効率可変素子203を通過したレーザ光をビームスプリッタ204へ入射させる。そして、このビームスプリッタ204を通過したレーザ光が対物レンズ205によって光ディスク83の信号記録面83aに集光される。また、光ディスク83の信号記録面83aにおける戻り光は、ビームスプリッタ204において光源202からのレーザ光と分離され、フォトセンサ206により受光される。
【0027】
このような光ヘッド200において、光結合効率可変素子203の作用により、光源202を出射したレーザ光の強度は、光結合効率可変素子203を通過する時点で適宜可変制御され、信号記録時に光源202を出射して光ディスク83へ導かれるレーザ光の結合効率をCEWとし、信号再生時に光源200を出射して光ディスク83に導かれるレーザ光の光結合効率をCERとした場合、CEW>CERとなるように制御される。
【0028】
従って、この光結合効率可変素子203における光結合効率を記録時と再生時とで切り換え制御することにより、光源202側で記録時と再生時における出力パワー比を極端に大きくすることなく、光ディスク83の信号記録面83aにおけるディスク面光強度を制御することが可能となる。即ち、LD出射光強度を変えることなく、光結合効率可変素子203を切り換え制御することにより、上述したディスク面光強度/LD出射光強度を変更することができ、特に上述したディスク面強度比が記録時と再生時との間で大きく異なる青色レーザを上記レーザ光として用いる場合において効果的である。
【0029】
【特許文献1】
特開2002−260272号公報
【0030】
【発明が解決しようとする課題】
特に近年において、上述の如き光学ヘッドを備える記録再生装置を、特にノート型コンピュータや携帯用カメラ等に搭載される場合が多い。このため、かかる記録再生装置につき、或いはこれに搭載する光学ヘッド自体につき、更なる小型化の要請が高まっている。
【0031】
しかしながら、上記従来の光ヘッドでは、光結合効率可変素子203として液晶素子やフィルタ板等を用いるため、小型化を図る上で限界がある。
【0032】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するために案出されたものであり、ディスク面光強度/LD出射光強度を自在に変更することにより、半導体レーザに対する負担を軽減しつつ、小型化を図ることが可能な光学ヘッド並びに記録再生装置を提供することを目的とする。
【0033】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上述した問題点を解決するために、所定の波長に応じたエネルギーギャップを有するレーザ媒質に、光源から出射されたレーザ光を伝搬させて光強度を変調する光学ヘッド並びに記録再生装置を発明した。
【0034】
即ち、本発明を適用した光学ヘッドは、所定の波長からなるレーザ光を出射する光源と、上記所定の波長に応じたエネルギーギャップを有するレーザ媒質に、上記出射されたレーザ光を伝搬させて光強度を変調する光強度変調手段と、上記光強度変調手段から出射されたレーザ光が照射される光ディスクからの戻り光を受光する受光手段と、上記レーザ媒質に注入する電流の量を制御する電流制御手段とを備える。
【0035】
また、本発明を適用した記録再生装置は、光ディスクの信号記録面に対して信号を記録し、又は光ディスクの信号記録面に記録されている信号を再生する記録再生装置において、所定の波長からなるレーザ光を出射する光源と、上記所定の波長に応じたエネルギーギャップを有するレーザ媒質に上記出射されたレーザ光を伝搬させて光強度を変調する光強度変調手段と、上記光強度変調手段から出射されたレーザ光が照射される光ディスクからの戻り光を受光する受光手段とを有する光学ヘッドと、少なくとも上記レーザ媒質に注入する電流の量を制御する制御手段とを備える。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0037】
本発明は、例えば図1に示すような記録再生装置に適用される。この図1に示す記録再生装置1は、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)、更には青色レーザ対応の高密度ディスク等のような各種の光ディスクに対応した記録再生装置であって、光ディスク2を回転駆動させるスピンドルモータ3と、光ディスク2の信号記録面2a上に光ビームを照射するとともに、光ディスク2からの戻り光を検出する光学ヘッド4と、光学ヘッド4により検出された戻り光に基づいて、再生信号及び制御信号を生成する信号処理回路5と、制御信号に基づいてフォーカシング制御及びトラッキング制御を行うフォーカストラックサーボ機構6と、光学ヘッド4を光ディスク2の所定のトラックへと移動させるアクセス機構7と、信号処理回路5により生成された信号に基づいて、スピンドルモータ3、フォーカストラックサーボ機構6及びアクセス機構7を制御するシステムコントローラ8と、接続された信号処理回路5による制御の下、光学ヘッドにおける光源を制御するレーザ制御部12を備えている。
【0038】
スピンドルモータ3は、システムコントローラ8によって駆動制御され、光ディスク2を所定の速度で回転させる。
【0039】
光学ヘッド4は、スピンドルモータ3の駆動により回転操作される光ディスク2の信号記録面2a上にレーザ光を照射し、この信号記録面2aを反射した戻り光を検出して信号処理回路5へ出力する。この際光学ヘッド4は、回転操作される光ディスク2の種類によって、その光ディスク2に最適な波長のレーザ光を出射する。例えば、回転駆動される光ディスク2がCDであれば、光学ヘッド4は、波長が約780nmであるレーザ光を出射し、回転駆動される光ディスク2がDVDであれば、波長が約650nmであるレーザ光を出射する。更に、青色レーザ対応のディスクであれば、波長が405nm程度であるレーザ光を出射する。
【0040】
信号処理回路5は、再生時において、光学ヘッド4により検出された戻り光に基づいて得られる受光信号から再生信号を抽出してこれを復調し、誤り訂正する。また、この信号処理回路5は、記録時において、インターフェース9から入力される記録信号につき、例えば時分割多重化して固有のヘッダー情報や拡張ファイルのヘッダー情報等を付加する。また信号処理回路5は、記録時において記録信号を圧縮符号化し、さらには誤り訂正符号を付加する。
【0041】
信号処理回路5により復調され、誤り訂正された再生信号は、コンピュータのデータストレージ用であれば、インターフェース9を介して外部コンピュータ等に送出される。また、この再生信号は、オーディオ・ビジュアル用であれば、D/A,A/D変換器10のD/A変換部でデジタル/アナログ変換され、オーディオ・ビジュアル機器に送出される。
【0042】
信号処理回路5により復調された各種制御信号は、システムコントローラ8に出力される。システムコントローラ8は、この制御信号の中から、フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号に基づいてフォーカストラックサーボ機構6を駆動する。
【0043】
フォーカストラックサーボ機構6は、例えば位相補償フィルタ等で構成され、システムコントローラ8の制御の下、光学ヘッド4の備える対物レンズを光ディスク2に近接離間する方向及び光ディスク2の径方向の2軸方向へ移動操作し、フォーカシング制御及びトラッキング制御を行う。
【0044】
また、アクセス機構7は、システムコントローラ8から供給される信号に基づいて、光学ヘッド4を光ディスク2の径方向に送り動作させ、またこの光学ヘッド4が光ディスク2の所定の記録トラック上に位置するように動作させる。
【0045】
次に本発明を適用した光学ヘッド4について更に詳しく説明する。
【0046】
この光学ヘッド4は、図2に示すように所定の波長からなるレーザ光を発光する半導体レーザ71と、半導体レーザ71を支持するホルダ42と、上記出射されたレーザ光を伝搬させて光強度を変調する光強度変調素子43と、光強度変調素子43の出射側に配設された開口制限板44と、開口制限板44を透過したレーザ光を平行光とするコリメータレンズ45と、コリメータレンズ45により平行光とされたレーザ光の光路中に配された偏光プリズム46と、この偏光プリズム46を透過したレーザ光の光路中に配された1/4波長板47と、この1/4波長板47を通過したレーザ光を光ディスク2の信号記録面2a上に集光する対物レンズ48と、光ディスク2の信号記録面2aから反射して戻ってきた戻り光を集光させるディテクタレンズ49と、このディテクタレンズ49を通過したレーザ光を検出する光検出素子50とを備えている。
【0047】
ホルダ42には、所定の波長のレーザ光を出射する半導体レーザ71が取り付けられている。この半導体レーザ71は、半導体の再結合発光を利用した発光素子であり、出射するレーザ光の波長に応じたエネルギーギャップが形成されている。以下この半導体レーザ71におけるエネルギーギャップをEg1という。
【0048】
光強度変調素子43は、例えば半導体レーザ等で構成され、反射面が導波路を挟んで略平行に形成され、エネルギーギャップEg2を有するレーザ媒質に、上記出射されたレーザ光を伝搬させて光強度を変調する。また、この光強度変調素子43には、レーザ制御部12を介して電流が注入され、かかる注入電流に基づき、光強度変調素子43の利得が変化する。これにより、レーザ媒質を伝播するレーザ光強度を変調することができる。
【0049】
また、光強度変調素子43におけるエネルギーギャップEg2は、エネルギーギャップEg1を有する半導体レーザ71から出射されたレーザ光の波長に応じて設計されている。このエネルギーギャップEg2を、半導体レーザ71におけるエネルギーギャップEg1以下で構成することにより、レーザ媒質中を伝搬するレーザ光を吸収することができる。この光強度変調素子43の構成、機能の詳細については後述する。
【0050】
この開口制限板44は、光強度変調素子43により増幅、吸収されたレーザ光につき、FFP(Far Field Pattern)のピーク周辺、換言すれば光軸近傍の成分のみを透過させる。開口制限板44を設けることにより、より小さなスポットを信号記録面2a上に形成させることができ、ひいては、スポット内の光強度分布を最適なサイズまで調整することが可能となる。この開口制限板44を透過した発散光であるレーザ光は、コリメータレンズ45により平行光とされる。
【0051】
偏光プリズム46は、半導体レーザ71から出射されたレーザ光を透過させて光ディスク2に導くとともに、光ディスク2から反射して戻ってくる戻り光を反射させて光検出素子50へと導く。
【0052】
1/4波長板47は、通過するレーザ光にπ/2の位相差を与えるものである。半導体レーザ71から出射された直線偏光のレーザ光は、1/4波長板47を通過して円偏光となる。また光ディスク2を反射して戻ってくる円偏光のレーザ光は、この1/4波長板47を通過した場合に、直線偏光となる。
【0053】
対物レンズ48は、1/4波長板47を通過したレーザ光の光路中に配設されており、このレーザ光を集光して光ディスク2の信号記録面2a上に照射させる機能を有する。この対物レンズ48は、フォーカストラックサーボ機構6を構成する図示しない2軸アクチュエータによって、光ディスク2に近接離間する方向及び光ディスク2の径方向の2軸方向に移動可能に支持されている。そして、この対物レンズ48は、光ディスク2からの戻り光により生成されたフォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号に基づいて、2軸アクチュエータにより移動動作され、フォーカシング制御及びトラッキング制御が実現されることになる。
【0054】
光ディスク2の信号記録面2a上に集光された各レーザ光は、この信号記録面2aで反射され、対物レンズ48を通過することにより平行光となる。そして、光ディスク2から反射して戻ってくる戻り光は、対物レンズ48を通過することにより平行光とされ、更に1/4波長板47を通過し、偏光プリズム46を反射する。そして、この戻り光は、ディテクタレンズ49を通過することにより収束光とされる。その際、このディテクタレンズ49により非点収差が発生させられる結果、この記録再生装置1においては、いわゆる非点収差法によるフォーカスエラー信号の検出が可能となる。
【0055】
光検出素子50は、ディテクタレンズ49によりビームスポットの大きさにつき調整された戻り光を受光して光電変換し、これを受光信号として信号処理回路5へ供給する。
【0056】
次に、光強度変調素子43の詳細について青色レーザを発光する半導体レーザを用いる場合を例にとり、図3を用いて説明する。
【0057】
図3に示す光強度変調素子43は、サファイヤ基板101上に、GaN層102と、クラッド層103と、第1の光ガイド層104と、活性層105と、第2の光ガイド層106と、ブロッキング層107と、超格子クラッド層108と、SiO2膜109と、Si膜110と、コンタクト層111と、電極112、113とが積層形成されて構成されている。
【0058】
このような構成からなる光強度変調素子43を作成する際には、先ずサファイヤ基板101上にGaN層102を5μm程度の膜厚となるまでエピタキシャル成長させる。次に、膜厚1.3μmのn−AlGaNからなるクラッド層103を、このGaN層102上に積層形成し、更にそのクラッド層103上において、例えばGaNからなる第1の光ガイド層104を被覆する。また、Ti/Pt/Auからなる電極112を、このGaN層102上に積層形成する。
【0059】
次に、第1の光ガイド層104上に、膜厚3.5nmからなるGa0.92In0.08Nと、膜厚7nmからなるGa0.98In0.02Nとを交互に3層積層させていわゆるMQW構造とした活性層105を形成する。この活性層105は、上記レーザ媒質に相当するものであり、入射側端面から出射側端面へ通じる導波路として構成される。次に、この活性層105上に、GaInNからなる第2の光ガイド層106を、更には膜厚10nmのp−AlGaNからなるブロッキング層107を積層形成する。ちなみに、この第2の光ガイド層106は、活性層105とブロッキング層107間の歪みを緩和する役割をも担う。
【0060】
次に、このブロッキング層107上に、膜厚2.5nmからなるAlGaNと、膜厚2.5nmからなるGaNとを交互に幾層にも亘って積層させた超格子構造を有する超格子クラッド層108を形成し、更にその上にはSiO2膜109、Si膜110を形成する。また、この超格子クラッド層108上には、膜厚0.1μmのp−GaNからなるコンタクト層111を、更にその上には、Pd/Pt/Auからなる電極113を積層形成する。なお電極112,113は、成膜した上記各金属膜をエッチング等によって所望のパターニング形状に仕上げることができる。ちなみに電極112は、いわゆるn電極に相当し、また電極113は、いわゆるp電極に相当する。
【0061】
即ち、このような構成からなる半導体レーザとしての光強度変調素子43は、電極112,113を介して所定の電流を注入することにより、405nm程度の波長からなる青色レーザを発光する。またこの光強度変調素子43は、注入する電流に応じて利得が変化する。このため、活性層105としての導波路を伝搬するレーザ光を吸収し、又はこれを増幅する。なお半導体レーザ71の構成についても、この光強度変調素子43における構成と同様であってもよい。
【0062】
なお、この光強度変調素子43においては、従来より用いられているゲインガイド構造を適用してもよいし、またインデックスガイド構造を適用してもよい。インデックスガイド構造を適用する場合には、電流ロスの少ない電流注入制御と、発光領域の厳密な制御が可能となる。
【0063】
図4は、注入する電流に対する光強度変調素子43の利得を示している。この図4に示すように、利得がマイナスである場合において、活性層105におけるバンドギャップEg2に相当する波長のレーザ光を吸収する。このレーザ光の吸収は、注入する電流が0である場合において最大となる。一方、注入する電流量を増加させてゆくにつれ利得は徐々に大きくなる結果、活性層105におけるレーザ光の吸収量は減少してゆく。そして注入する電流量がItransとなるときに利得が0となる。
【0064】
また注入する電流量を更に増加させてゆくと利得はプラスとなり、活性層105内を伝搬するレーザ光を増幅させる。そして、注入する電流量がIthに到達すると、利得が、光強度変調素子43における吸収損失αiと、光強度変調素子43の端面において生ずるレーザ光の反射による端面損失αmの和で表される全光学損失に等しくなる。かかる条件を満たすことにより、活性層105からレーザ発振が生じる。ちなみにこのIthは、レーザ発振におけるしきい値となる。
【0065】
本発明を適用した記録再生装置1では、このような光強度変調素子43の性質を活用し、図5に示すように、半導体レーザ71から出射されるレーザ光が光強度変調素子43の活性層105としての導波路に入射するように位置調整する。この位置調整は、例えば、半導体レーザ71から出射するレーザ光の光軸と、光強度変調素子43における光軸とが一致するように行う。また半導体レーザ71と、光強度変調素子43との間隔を100μm以下とすることにより、両者間の結合効率をほぼ100%とすることができ、半導体レーザ71から出射されるレーザ光を漏れなく光強度変調素子43における導波路(活性層105)へ入射させることができる。
【0066】
ここで光強度変調素子43につき、エネルギーギャップEg2を半導体レーザ71におけるエネルギーギャップEg1以下で構成し、かつ注入する電流量をItrans以下とすることにより、上記導波路(活性層105)へ入射されたレーザ光を吸収することができる。その結果、導波路(活性層105)を出射するレーザ光の強度Poutは、導波路(活性層105)へ入射前のレーザ光の強度Pinと比較して低くなる。即ちPout/Pinを光強度変調素子43におけるレーザ光の透過率と定義した場合に、Pout/Pin<1となるため、光強度変調素子43はいわゆるアッテネータとして作用することになる。
【0067】
また光強度変調素子43につき電流の注入量を除々に増加させることにより、その利得特性に応じて、吸収量が小さくなる。そして電流量がItransとなるときに、吸収量が0となる(換言すれば利得が0となる。)。
【0068】
この利得が0となるItransの状態においては、光強度変調素子43における活性層105は、減衰も吸収も生じない、いわゆる透明物質として作用することになる。このItransの状態においては、半導体レーザ71から出射されるレーザ光の強度と、光強度変調素子43から出射されるレーザ光の強度とは、ほぼ同等である。
【0069】
一方、注入する電流量をItrans以上とすることにより、上記導波路(活性層105)へ入射されたレーザ光を増幅することができる。その結果、導波路(活性層105)を出射するレーザ光の強度Poutは、導波路(活性層105)へ入射前のレーザ光の強度Pinと比較して高くなる。即ちPout/Pin>1となるため、この光強度変調素子43はいわゆる増幅器として作用することになる。
【0070】
即ち、この光強度変調素子43に対して注入する電流量を調整することにより、この光強度変調素子43から出射されるレーザ光の強度Poutを調整することができる。ここで光ディスク2における信号記録面2a上に照射されるレーザ光の強度を、以下、ディスク面光強度というとき、特に記録時において要求されるこのディスク面光強度は、再生時と比較して高い。このため図4に示すように、記録時において光強度変調素子43に注入する電流量を、再生時よりも多くすることにより、Poutを高くすることができ、ディスク面光強度を向上させることができる。一方、再生時において、光強度変調素子43に注入する電流量を再生時よりも少なくすることにより、Poutを低くすることができ、ディスク面光強度を下げることができる。
【0071】
従って、本発明を適用した記録再生装置1では、半導体レーザ71から出射されるレーザ光の光強度(以下、LD出射光強度という。)に対するディスク面光強度の比(=ディスク面光強度/LD出射光強度)を、半導体レーザ71から出射されるレーザ光の強度を制御することなく変更することができる。換言すれば、半導体レーザ71に対する負荷を軽減しつつ、再生時のディスク面光強度/LD出射光強度<記録時のディスク面光強度/LD出射光強度が達成されることになる。
【0072】
特に近年において、光ディスク2の高速化や高密度化に伴い、要求されるディスク面光強度は、記録時,再生時ともに増大傾向にある。このためディスク面光強度/LD出射光強度が固定されている従来の光学ヘッドにおいては、このディスク面強度を上げるために、記録時及び再生時においてLD出射光強度をいきおい上げる必要が生じ、半導体レーザに対して大きな負担がかかる。しかしながら、本発明を適用した記録再生装置1では、光強度変調素子43に注入する電流量を増加させることにより、ディスク面光強度を高めることができる結果、半導体レーザ71に対する負荷を軽減させることが可能となる。
【0073】
また本発明は、要求されるディスク面光強度が記録時と再生時との間で大きく異なる青色レーザを上記レーザ光として用いる場合において特に有効である。青色レーザ対応の光ディスク2には、2つの記録層が形成され、再生時,記録時において要求されるディスク面光強度は、各記録層間で異なる。このため、各記録層間でディスク面光強度/LD出射光強度の比を変更するため、光強度変調素子43に注入する電流量を各記録層間で異ならせるように設定するようにしてもよい。
【0074】
また、半導体レーザ71におけるノイズ(以下、LDノイズという。)は、量子力学原理に由来する量子ノイズをも含む。このLDノイズは、RIN(相対雑音強度:Relative Intensity Noise)に基づいて評価することができる。このRINは、特定の周波数におけるレーザ光強度に対するLDノイズの相対量を示すものである。LDノイズ全体をRIN値に基づいて表示すると、図6に示すようにLD出射光強度が低い場合には、量子ノイズが支配的となり、LD出射光強度が高い場合には、戻り光誘起ノイズが支配的となる。
【0075】
本発明を適用した記録再生装置1では、かかる場合において、上記光強度変調素子43をいわゆるアッテネータとして作用させることにより、ディスク面光強度/LD出射光強度を下げる。これにより、半導体レーザ71から出射させるレーザ光の強度を増加させることによりRIN値を下げることができ、LDノイズ全体を低減させることが可能となる。
【0076】
更に、本発明を適用した記録再生装置1では、上述した光強度変調素子43を微小な半導体チップで構成することができるため、これを液晶素子やフィルタ板等で構成する場合と比較して、装置全体の小型化を図ることが可能となる。これにより小型化の要請が強いノート型コンピュータや携帯用カメラ等にも対応することが可能となる。
【0077】
ちなみに、光強度変調素子43における利得をΓgとしたとき、光強度変調素子43の発振指数は、以下の式2で表される。
発振指数=Γg−αi−αm ・・・・・・・・(式2)
この発振指数は、レーザ発振の条件を示しており、当該指数がちょうど0である場合に、利得と損失が釣り合ってレーザ発振することを意味している。本発明を適用した記録再生装置1では、発振指数がマイナスとなる範囲において、換言すれば光強度変調素子43においてレーザ発振しない範囲において電流を注入する。
【0078】
更に、この光強度変調素子43における導波路(活性層105)につき、レーザ光が入射する側の端面に設けられた反射膜の反射率をRinとし、レーザ光が出射する側の端面に設けられた反射膜の反射率をRoutとし、更にこの光強度変調素子43における導波路の長さ(以下、共振器長という。)をLとするとき、端面損失αmは、以下の式3で定義することができる。
αm=1/2L×ln[1/(Rin−Rout)]・・・・・・・(式3)
また、上述した透過率Pout/Pinは、反射率Rin,Rout、利得Γg、吸収損失αiから、以下の式4により定義することができる。
Pout/Pin=(1−Rout)(1−Rin)Exp[(Γg−αi)L]/(1−RinRoutExp[2(Γg−αi)L]) ・・・・・・・(式4)
以上の式2〜式4を用いることにより、各共振器長L並びにΓg−αiに対する、端面損失αm、透過率Pout/Pin、発振指数の関係を計算することができる。
【0079】
先ず導波路(活性層105)の両端面につき反射膜を被覆しない場合において、上記端面損失αm、透過率Pout/Pin、発振指数を計算した結果につき以下の表1に示す。
【0080】
【表1】
【0081】
次に、導波路(活性層105)の両端面の反射率(=Rin,Rout)を10%とした場合において、上記端面損失αm、透過率Pout/Pin、発振指数を計算した結果につき以下の表2に示す。発振指数から、注入する電流を大きくすると光強度変調素子43の端面において多重反射が生じ、増幅作用が大きくなる結果、レーザ発振してしまうことが分かる。
【0082】
【表2】
【0083】
次に、Rinを5%とし、Routを10%とした場合につき、上記端面損失αm、透過率Pout/Pin、発振指数を計算した結果につき以下の表3に示す。
【0084】
【表3】
【0085】
以上計算した結果に基づき、各共振器長Lにつき、発振指数が0以下の条件において、所望の透過率を得るための条件を導きだすことが可能となる。
【0086】
例えば上記表1に示す計算結果において、共振器長Lを600μmとし、記録時におけるΓg−αiを5cm−1とし、再生時におけるΓg−αiを10cm−1とする。この時、光強度変調素子43の駆動電流としては、記録時には約30mA、再生時には約5mAであるものと試算することができる。なお、光強度変調素子43における駆動電流とΓg−αiとの関係は、光強度変調素子43自体の構造に大きく依存するものであり、上記駆動電流の試算結果はあくまで一例に過ぎない。
【0087】
ちなみに、この駆動電流とΓg−αiとの関係については、ASE(Amplified Spontaneous Emission)法を利用することにより調べることができる(例えば、B.W.Hakki et.al,J.Appl.Phys.46,1299(1975)参照。)。即ち、この光強度変調素子43を作製後、このASE法を用いて駆動電流とΓg−αiとの関係を調べることにより、光強度変調素子43へ注入する電流値を決定することができる。
【0088】
なお、入射側端面と出射側端面の反射率が同一であれば、共振器長Lをより短くした場合において、光強度変調素子43内におけるレーザ発振を防止することができる。また、共振器長Lが同一であれば、端面の反射率を下げた場合において、光強度変調素子43内におけるレーザ発振を防止することができる。
【0089】
ちなみに、この記録再生装置1において、光強度変調素子43におけるレーザ発振を低減させるためには、入射されるレーザ光の光軸に対する端面の角度を90°とせずに、わずかにずらすと望ましい。
【0090】
なお、本発明を適用した記録再生装置1は、上述した実施の形態に限定されるものではない。例えば半導体レーザ71と光強度変調素子43とを、互いに同一パッケージ内に設けた光学ヘッド21を備えるようにしてもよい。
【0091】
図7は、この光学ヘッド21の構成につき示している。この図7に示す光学ヘッド21において、光学ヘッド4と同一の要素、部材については、同一の番号を付して説明を省略する。
【0092】
光学ヘッド21は、所定の波長からなるレーザ光を発光する半導体レーザ71と、上記出射されたレーザ光を伝搬させて光強度を変調する光強度変調素子43とがそれぞれ設けられてなるキャン型のホルダ61を備えている。
【0093】
このホルダ61に取り付けられた半導体レーザ71からレーザ光が出射され、この出射されたレーザ光が同一パッケージ内に設けられてなる光強度変調素子43へ入射し、更にこの光強度変調素子43において増幅又は吸収されたレーザ光が出射されて、これが開口制限板44へ到達することになる。
【0094】
ホルダ61は、図8に示すように、背面において端子A,端子B,端子Cの3つの端子が設けられている。またサブマウント63上には、更に半導体レーザ71と、光強度変調素子43とが、互いの光軸が一致するように配設されている。端子Aには、半導体レーザ71に対して注入するための電流が供給される。また端子Bには、光強度変調素子43に対して注入するための電流がレーザ制御部12を介して供給される。端子Aは半導体レーザ71のp電極に対して、また端子Bは光強度変調素子43のp電極に相当する電極113に対して、それぞれAuワイヤーを介して接続される。端子Cは、半導体レーザ71のn電極と、光強度変調素子43のn電極に相当する電極112に共に接続されることになる。
【0095】
即ち、本発明を適用した光学ヘッド21及び記録再生装置1では、上述した構成からなるホルダ61を用いることにより、より一層の小型化を図ることが可能となる。
【0096】
なお本発明を適用した記録再生装置1は、半導体レーザ71及び光強度変調素子43に加え、更に光検出素子50を互いに同一光学ユニット内に集積した光学ヘッドを備えるようにしてもよい。
【0097】
このような光学ヘッド23は、図9に示すように、半導体レーザ71により発光され、光強度変調素子43により強度変調されたレーザ光を出射し、或いは光ディスク2からの戻り光を受光するための集積光学ユニット25と、集積光学ユニット25から出射されたレーザ光を平行光とするコリメータレンズ26と、この平行光とされたレーザ光を光ディスク2の信号記録面2a上に集光する対物レンズ27とを備えている。
【0098】
集積光学ユニット25の詳細について説明をする。この集積光学ユニット25において、上述した光学ヘッド4と同一の要素、部材については同一の番号を付して説明を省略する。集積光学ユニット25は、例えば図10に示すように、半導体レーザ71や光検出素子50等を収容するための収容部材60と、後述する回折格子等を埋め込んで成形したモールド51と、モールド51の上面に設けられる複合プリズム52とを備えている。
【0099】
収容部材60には、レーザ光を出射する半導体レーザ71並びに出射されたレーザ光を増幅又は吸収するための光強度変調素子43がそれぞれサブマウント120上に設けられている。各サブマウント120は、この収容部材50を上下に仕切るようにして配設されてなる仕切板122の背面に取り付けられ、更に光強度変調素子43から出射されたレーザ光の光路を光ディスク2の方向に折り曲げるためのミラー121もこの仕切板122の背面に取り付けられている。半導体レーザ71並びに光強度変調素子43の各電極は、Auワイヤーを介して図示しない端子に接続され、当該端子を介してレーザ制御部12から駆動電流が供給されることになる。
【0100】
仕切板122の上面には、ミラー121により折り曲げられたレーザ光につき、π/2の位相差を与える1/4波長板123と、光検出素子50とが取り付けられる。ちなみに、この光検出素子5の背面には、光電変換された電気信号に基づいてレーザ光の強度を識別するための光量モニタ素子171が配設されている。
モールド51には、光ディスク2からの戻り光を複数の光束に分割する回折格子125と、この回折格子125を通過した戻り光を光検出素子50上に集光させるディテクタレンズ126とが取り付けられている。
【0101】
複合プリズム52には、1/4波長板123を通過したレーザ光を透過させて光ディスク2に導くとともに、光ディスク2から反射して戻ってくる戻り光を反射させるビームスプリッタ127と、ビームスプリッタ127より反射された戻り光を更に反射させて光検出素子50へ導くミラー128とが設けられている。このような構成からなる集積光学ユニット25において、半導体レーザ71から出射されたレーザ光は、上述の如く光強度変調素子43により増幅、又は吸収され、更にミラー121を反射して1/4波長板123を通過することにより円偏光となる。また、この1/4波長板123を通過したレーザ光は、更にビームスプリッタ127を透過して集積光学ユニットから出射し、コリメータレンズ26により平行光とされ、更に対物レンズ27を介して光ディスク2における信号記録面2a上に照射される。
【0102】
また、光ディスク2からの戻り光は、対物レンズ27及びコリメータレンズ26を介して集積光学ユニット25へ入射し、また入射した戻り光の一部はビームスプリッタ127を反射して光検出素子50へ導かれ、DPP法(Differential Push Pull )によるトラッキングエラー信号並びにSSD法(Spot Size Detection)によるフォーカスエラー信号が生成される。
【0103】
このように光学ヘッド23に、光学部品の多くを収納することができる集積光学ユニット25を取り付けることにより、他の光学部品につき、コリメータレンズ26並びに対物レンズ27のみで構成することができるため、光学ヘッド23全体の構成につき簡素化を図ることが可能となり、また更なる小型化を図ることが可能となる。
【0104】
なお、上述した実施の形態においては、光強度変調素子43として半導体レーザを適用する場合につき説明をしたが、かかる場合に限定されるものではなく、例えば導波路内を伝搬するレーザ光の強度を電気光学効果を利用して変調する光変調器等を適用してもよいことは勿論である。
【0105】
また、光強度変調素子のレーザ媒質に注入する電流の量を制御するレーザ制御部12を、光学ヘッド4内に搭載するようにしてもよいことは勿論である。
【0106】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明を適用した光学ヘッド並びに記録再生装置では、所定の波長に応じたエネルギーギャップを有するレーザ媒質に、光源から出射されたレーザ光を伝搬させて光強度を変調する。これにより、本発明を適用した光学ヘッド並びに記録再生装置では、ディスク面光強度/LD出射光強度を自在に変更することにより、半導体レーザに対する負担を軽減しつつ、小型化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した記録再生装置の構成図である。
【図2】本発明を適用した光学ヘッドの構成図である。
【図3】光強度変調素子の構造につき説明するための図である。
【図4】注入する電流に対する光強度変調素子の利得を示す図である。
【図5】光強度変調素子へ入出射するレーザ光の強度、並びに光強度変調素子における端面反射率の関係につき説明するための図である。
【図6】LD出射強度に対するRIN値の関係を示す図である。
【図7】半導体レーザと光強度変調素子とを、互いに同一パッケージ内に設けた光学ヘッドの構成につき示す図である。
【図8】半導体レーザと、光強度変調素子とがそれぞれ設けられてなるキャン型のホルダを示す図である。
【図9】半導体レーザ及び光強度変調素子に加え、更に光検出素子を互いに同一光学ユニット内に集積した光学ヘッドを示す図である。
【図10】集積光学ユニットの詳細について説明するための図である。
【図11】各ノイズをRIN値に基づいて評価する場合につき説明するための図である。
【図12】LDノイズ全体をRIN値に基づいて表示した図である。
【図13】再生時並びに記録時にRIN値を抑え込む場合につき説明するための図である。
【図14】青色レーザ対応の光ディスクに対するディスク面光強度と、LD出射光強度との関係を示す図である。
【図15】半導体レーザの出射側において開口制限板を設けた従来の光学ヘッドの構成図である。
【図16】開口制限板を設けることにより形成される光ディスク上に形成されるスポットにつき説明するための図である。
【図17】ディスク面光強度/LD出射光強度の比を変更することができる従来の光ヘッドにつき説明するための図である。
【符号の説明】
1 記録再生装置、2 光ディスク、3 スピンドルモータ、4 光学ヘッド、5 信号処理回路、6 フォーカストラックサーボ機構、7 アクセス機構、8 システムコントローラ、12 レーザ制御部、42 ホルダ、43 光強度変調素子、44 開口制限板、45 コリメータレンズ、46 偏光プリズム、47 1/4波長板、48 対物レンズ、49 ディテクタレンズ、50 光検出素子、71 半導体レーザ
Claims (14)
- 所定の波長からなるレーザ光を出射する光源と、
上記所定の波長に応じたエネルギーギャップを有するレーザ媒質に、上記出射されたレーザ光を伝搬させて光強度を変調する光強度変調手段と、
上記光強度変調手段から出射されたレーザ光が照射される光ディスクからの戻り光を受光する受光手段と、
上記レーザ媒質に注入する電流の量を制御する電流制御手段とを備えること
を特徴とする光学ヘッド。 - 上記電流制御手段は、上記レーザ媒質に注入する電流の量を、上記光ディスクへの信号記録時と信号再生時との間で切り換えること
を特徴とする請求項1記載の光学ヘッド。 - 上記受光手段は、複数の記録層が形成された光ディスクからの戻り光を受光し、
上記電流制御手段は、上記レーザ媒質に注入する電流の量を、各記録層間で切り換えること
を特徴とする請求項1記載の光学ヘッド。 - 上記光源は、405nm程度の波長からなるレーザ光を出射すること
を特徴とする請求項1記載の光学ヘッド。 - 上記光源及び/又は上記光強度変調手段は、半導体レーザであること
を特徴とする請求項1記載の光学ヘッド。 - 上記光源並びに上記光強度変調手段は、互いに同一パッケージ内に設けられてなること
を特徴とする請求項1記載の光学ヘッド。 - 上記光源、上記光強度変調手段並びに上記受光手段は、互いに同一光学ユニット内に集積されてなること
を特徴とする請求項1記載の光学ヘッド。 - 光ディスクの信号記録面に対して信号を記録し、又は光ディスクの信号記録面に記録されている信号を再生する記録再生装置において、
所定の波長からなるレーザ光を出射する光源と、上記所定の波長に応じたエネルギーギャップを有するレーザ媒質に上記出射されたレーザ光を伝搬させて光強度を変調する光強度変調手段と、上記光強度変調手段から出射されたレーザ光が照射される光ディスクからの戻り光を受光する受光手段とを有する光学ヘッドと、
少なくとも上記レーザ媒質に注入する電流の量を制御する制御手段とを備えること
を特徴とする記録再生装置。 - 上記制御手段は、上記レーザ媒質に注入する電流の量を、上記光ディスクへの信号記録時と信号再生時との間で切り換えること
を特徴とする請求項8記載の記録再生装置。 - 上記受光手段は、複数の記録層が形成された光ディスクからの戻り光を受光し、
上記電流制御手段は、上記レーザ媒質に注入する電流の量を、各記録層間で切り換えること
を特徴とする請求項8記載の記録再生装置。 - 上記光源は、405nm程度の波長からなるレーザ光を出射すること
を特徴とする請求項8記載の記録再生装置。 - 上記光源及び/又は上記光強度変調手段は、半導体レーザであること
を特徴とする請求項8記載の記録再生装置。 - 上記光源並びに上記光強度変調手段は、互いに同一パッケージ内に設けられてなること
を特徴とする請求項8記載の記録再生装置。 - 上記光源、上記光強度変調手段並びに上記受光手段は、互いに同一光学ユニット内に集積されてなること
を特徴とする請求項8記載の記録再生装置。
Priority Applications (1)
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JP2003194664A JP2005032318A (ja) | 2003-07-09 | 2003-07-09 | 光学ヘッド、記録再生装置 |
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Family Applications (1)
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JP2003194664A Withdrawn JP2005032318A (ja) | 2003-07-09 | 2003-07-09 | 光学ヘッド、記録再生装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2005032318A (ja) |
-
2003
- 2003-07-09 JP JP2003194664A patent/JP2005032318A/ja not_active Withdrawn
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