JP2005031364A - 画像形成装置構造体及びそのベース部並びにこれに搭載された画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置構造体及びそのベース部並びにこれに搭載された画像形成装置 Download PDF

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和浩 小川
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Abstract

【課題】装置全体の剛性バランスを均一に保ち、かつ重量を増加させることなく、軽量で高剛性かつ輸送・移動時において耐衝撃性の高い画像形成装置構造体及びそのベース部並びにこれに搭載された画像形成装置を提供する。
【解決手段】前後左右にそれぞれ配置されて矩形の枠を形成する枠ベース部材2011a〜2011dと、該矩形の枠の四隅に配置されて各枠ベース部材2011a〜2011dを前後方向及び左右方向にそれぞれ連結する取付部材2012a〜2012dと、底板部材2013とからなり、チャンネル形状の複数の骨組部材202a〜202dが設置されて画像形成装置構造体を構成する画像形成装置構造体のベース部201であって、矩形の枠の長辺となる前後枠ベース部材2011a及び2011bに、中間取付部材2014a〜2014dを設けた。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光走査装置及び画像形成装置に関し、より詳細にはデジタル複写機、プリンタ等の画像形成装置に装備される光走査装置及び装置筐体の剛性を高めたデジタル複写機、プリンタ等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像形成装置の筐体は、対向する二つの直立する側壁とそれらをつなぐ底壁と複数のステイとによって構成される。側壁、底壁及びステイそれぞれは、一枚の板金で構成されており、剛性が必要となる場合には角パイプが使用されることもある。
【0003】
上記構造の画像形成装置の筐体は、画像品質の安定や騒音の低減のために剛性を高めることが要求されている。これを目的とする従来技術としては、特許文献1に開示される「画像形成装置およびその構造体」がある。特許文献1に開示される発明によれば、底壁部の剛性を高めて構造体の歪みを防止することができる。
【0004】
近年、高画質化に伴い、画像形成装置の筐体には更なる高剛性化が要求されている。このため、底壁の支持体として角パイプを四辺形に形成し、当該角パイプの下面にキャスタを取り付ける傾向が見られるが、装置本体の高さが増してしまうという問題がある。
この問題を解決するため、幅広の角パイプを利用し、厚さを減らして装置本体の高さを抑え、剛性を確保するようにした画像形成装置が特許文献2の「画像形成装置」に開示されている。
【0005】
しかしながら、上記のような幅広のパイプを利用する方法でも、装置の輸送、移動や設置場所の床平面性の影響による装置本体の変形が危惧され、装置筐体の精度を維持するには十分とは言えず、所望の剛性を得るためにはサイズの大きい角パイプを使用せざるを得ないのが現状であり、その分装置筐体が高くなってしまうという問題があった。
【0006】
また、特許文献3の「画像形成装置」には、対向して設けた二つの直立する側壁を、底壁と当該底壁と間隔をもって付設されるステイとで一体化し、底壁と、少なくとも一つのステイの構造を中空の箱型に構成し、装置筐体(骨格)の剛性を高め、高精度な画像品質を維持し、かつ、装置本体の高さを短縮した画像形成装置が開示されている。
【0007】
しかしながら、底壁以外の側壁にキャスタを取り付ける方法では、装置本体の輸送、移動に際し、側壁が振動や衝撃などの影響を直接受けることとなり、側壁が塑性変形をおこし、画像形成装置を保持するために設けられる穴位置精度が悪化し、画像劣化を引き起こすという問題があった。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−23442号公報
【特許文献2】
特開平10−232525号公報
【特許文献3】
特開2002−217560号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
一般的なコンソールタイプの電子写真機では、用紙補給、部品の交換又は清掃などの保守点検作業を容易に行えるように、各ユニットを手前側に引き出せるように構成されたものが多い。このように、ユニットを引き出せるようにするには、構造体を構成する手前側の側面に大きな開口又は切り欠きからなる出し入れ口を形成し、ユニットを引き出す時に、これが手前側の側板に干渉することを防止する必要がある。
さらに、板金などの板材からなる側板に上記のごとく大きな出し入れ口を形成すると、その剛性が低下し、十分な強度が得られなくなって破損するおそれがある。特に、感光体の周りに複数個の現像ユニットを設けこれを引き出し可能に支持した画像形成装置のように、ユニット数が増加すると、手前側の側板により一層大きな出し入れ口を形成しなければならなくなり、剛性が著しく低下するという問題があった。
【0010】
このため、従来では、構造体を構成する側板の板厚を厚くしたり、多数の補強部材を追加して側板を補強するなどの方法で構造体の剛性の低下を補っていた。しかしながら、その方法によると、構造体の装置前後の剛性に対して装置左右の剛性が低くなり、装置全体の前後左右の剛性バランスが不均一になるとともに、補強部材を用いる分重量も増加してしまう。
【0011】
一方、最近は、コストを低減し、製造効率の向上を図るとともに、リサイクルやリユースを可能とするため、機種の異なる画像形成装置同士で部品を共通化するべきであるという考えが主流となっており、複数の機種に対して共通の構造体を用いることができないことは、このような要請に反することとなる。
【0012】
本発明は係る問題に鑑みてなされたものであり、装置全体の剛性バランスを均一に保ち、かつ重量を増加させることなく、軽量で高剛性かつ輸送・移動時において耐衝撃性の高い画像形成装置構造体及びそのベース部並びにこれに搭載された画像形成装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、第1の態様として、前後左右にそれぞれ配置されて矩形の枠を形成する枠ベース部材と、該矩形の枠の四隅に配置されて各枠ベース部材を前後方向及び左右方向にそれぞれ連結する取付部材と、底板部材とからなり、チャンネル形状の複数の骨組部材が設置されて画像形成装置構造体を構成する画像形成装置構造体のベース部であって、矩形の枠の長辺となる枠ベース部材に、中間取付部材を設けたことを特徴とする画像形成装置構造体のベース部を提供するものである。このような構成とすることにより、ベース部の曲げ変形の起点がキャスターが取り付けられる取付部材から中間取付部材に移行するため、ベース部の曲げ変形に対する各四隅のベース部の剛性が均一化され、ベース部の曲げ変形が小さく抑えられるという効果が得られる。また、各四隅の取付部に加わる応力も均等化され、ベース部の一部のみが破損することを防止できる。
【0014】
上記本発明の第1の態様においては、取付部材のそれぞれの底面側にキャスタ取付部材を介してキャスタを配置し、枠ベース部材にフランジ部を設けて取付部材と枠ベース部材とを締結することが好ましい。このような構成とすることにより、枠ベース部材の過度な肉厚増大や枠ベース部材形状の複雑化を無くし、ベース部の曲げ変形やねじり変形の起点であるキャスタ取付部周辺の曲げやねじり剛性を集中的に高め、曲げ変形や捩れ変形を小さく抑えることができる。また、枠ベース部材の高さを変更することなく、取付部材の高さを変更するだけで、キャスタの取付高さを変更できる。
また、これに加えて、フランジ部に切り欠きが形成され、該切り欠き同士を組み合わせて枠ベース部材を締結することがさらに好ましい。このような構成とすることにより、フランジ部同士が干渉することなく取付部材と枠ベース部材との結合箇所を増やすことができ、取付部材から枠ベース部材に伝わる力を分散させ、曲げ変形を小さく抑えることができる。
【0015】
上記の枠ベース部材にフランジ部を設けた構成においては、フランジ部と取付部材とが溶接によって結合されていることが好ましい。このような構成とすることにより、接合部材同士が並進及び回転方向にも拘束されて曲げ剛性及び捩り剛性が高められ、曲げ変形や捩れ変形を小さく抑えることができるとともに、組立が容易となる。
【0016】
又は、上記の枠ベース部材にフランジ部を設けた構成においては、フランジ部と取付部材とがリベットによって結合されていることが好ましい。このような構成とすれば、接合した部材同士が回転方向に自由度を持ち、輸送時の衝撃で取付部材に発生する曲げモーメントが接合して部材の間で緩和され、接合した部材の曲げ変形を小さく抑えることができる。
【0017】
又は、上記の枠ベース部材にフランジ部を設けた構成においては、フランジ部と取付部材とがネジによって結合されていることが好ましい。このような構成とすれば、枠ベース部材と取付部材とを分離しやすいため、リサイクルやリユース性を高めることができる。
【0018】
又は上記の枠ベース部材にフランジ部を設けた構成においては、フランジ部及び取付部材に溝状の貫通穴を形成し、該貫通穴にピンを挿入してフランジ部と取付部材とを連結することが好ましい。このような構成とすれば、輸送時に作用する衝撃荷重のように、短時間に大きな荷重がかかる際には、接合した部材同士が相対的に移動でき、取付部材からわくベース部材に伝達される荷重や曲げモーメントが緩和され、枠ベース部材のフランジ部に生じる応力を低減できるとともに、枠ベース部材の曲げ変形を小さく抑えることができる。
【0019】
上記本発明の第1の態様のいずれの構成においても、取付部材は、キャスタ取付部材の平面外形形状に略一致させて形成されていることが好ましい。このような構成とすれば、キャスタ取付部から立設した骨組部材を結合する取付部材側面への距離が短くなり、画像形成装置の重量等が立設した骨組部材を伝搬し、取付部材側面に加わる垂直荷重によって生じる曲げモーメントを防ぎ、曲げ変形や捩れ変形を小さく抑えることができる。
【0020】
また、上記本発明の第1の態様のいずれの構成においても、骨組部材は、枠ベース部材の側面に結合されることが好ましい。このような構成とすれば、画像形成装置の重量等が立設した骨組部材を伝播し、取付部材側面に加わる垂直荷重や曲げモーメントが直接枠ベース部材へ加わるのを防ぎ、曲げ変形や捩れ変形を小さく抑えることができる。
【0021】
また、上記目的を達成するため、本発明は、第2の態様として、上記本発明の第1の態様のいずれかの構成の画像形成装置構造体のベース部に、チャンネル形状の複数の骨組部材を設置したことを特徴とする画像形成装置構造体を提供するものである。このような構成とすることにより、枠ベース部材の過度な肉厚増大や枠ベース部材形状の複雑化を無くし、ベース部の曲げ変形やねじり変形の起点であるキャスタ取付部周辺の曲げやねじり剛性を集中的に高め、曲げ変形や捩れ変形を小さく抑えることができる。また、画像形成装置構造体の側壁に形成される画像形成装置の各ユニットを支持するための穴の位置精度を保持でき、画像形成装置が搭載された際に高品質の画像形成が可能となる。
【0022】
また、上記目的を達成するため、本発明は、第3の態様として、上記本発明の第2の態様の画像形成装置構造体に搭載された画像形成装置を提供するものである。このような構成とすることにより、枠ベース部材の過度な肉厚増大や枠ベース部材形状の複雑化を無くし、ベース部の曲げ変形やねじり変形の起点であるキャスタ取付部周辺の曲げやねじり剛性を集中的に高め、曲げ変形や捩れ変形を小さく抑えることができる。また、画像形成装置の各ユニットの位置精度を保持でき、高品質の画像形成が可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の好適な実施の形態について説明する。図1に、本発明を適用した電子写真方式の画像形成装置を示す。
この画像形成装置は、一般的にはコンソールタイプの複写機と称せられている装置であり、床面に載置して使用できるように全高が高く設定され、その全体が上部1と下部2とから構成されている。この画像形成装置は、装置前後の奥行き寸法に対して装置左右の幅寸法が広くなっている。上部1は、ケース内に光学要素を収容した光学ユニットと、その下方に位置する作像系の各ユニットとを有する。下部2は、複数の給紙装置を備えている。また、この複写機は、上部1の上方に自動原稿搬送装置(ADF:Auto Document Feeder)が搭載されている。
【0024】
自動原稿搬送装置の原稿台に載置された不図示の原稿は、上部1に収容された光学ユニット11のケースに支持されたコンタクトガラス111上に自動送給されて停止する。次に、光学ユニット11の光源112が副走査方向(図1においては右方向)に移動するが、この際に原稿面が光源112によって照明され、原稿画像が結像光学系によって感光体13上に結像される。
【0025】
感光体13は所定方向(図1においては時計回り)に回転し、この時帯電チャージャ14によって表面を一様に帯電させられ、その帯電面に上記のように原稿画像が結像される。これによって、感光体13上に静電潜像が形成され、この潜像は現像ユニット15によってトナー像として可視化される。
【0026】
一方、下部2に配置されたいずれかの給紙装置21〜24からは転写紙が感光体13に向けて給送され、感光体13上のトナー像は転写チャージャ16によって転写紙に転写される。転写紙に転写されたトナー像は、転写紙が定着ユニット17を通過する際に転写紙に定着される。トナー像が定着した転写紙は、コピー紙として装置外へ排出される。
図1に示したコピー機は両面コピーも実行できる構成であるが、ここではその説明は省略する。
【0027】
上記のように、図1に示した複写機は、各種部品やユニットを備えているが、これらは本発明に係る構造体によって支持されている。
【0028】
図2に、一般的な画像形成装置構造体の一例を示す。この構造体は、上部骨格体100と下部骨格体200とを有し、上部骨格体100は上記上部1用の構造体であって、上記の感光体13、現像ユニット15、クリーニングユニット18及び定着ユニット17などを支持するものである。また、下部骨格体200は、複写機の下部2用の構造体であって、給紙装置21〜24などを支持するためのものである。
【0029】
まず、下部骨格体200は、その底部に位置するベース部201とチャンネル状に形成された複数の骨組部材202a〜202dとを組み付け、これらを溶接、リベット、ネジ止めのいずれか又はそれらの組合せによって一体に固着したものから構成されている。
【0030】
次に、本実施形態に係る画像形成装置構造体について説明する。
図3に、ベース部201の詳細な構成を示す。
本実施形態においては、チャンネル形状の複数の骨組部材202a〜202dとベース部201とから構成され、かつベース部201が装置本体の前後方向に設ける前後枠ベース部材2011a,2011bと左右方向に設ける左右枠ベース部材2011c,2011dと、底面側が開口した箱型で各枠ベース部材を連結する取付部材2012a〜2012dと、底板部材2013とから構成される下部骨格体200において、ベース部201各四隅の取付部材2012a〜2012dの他に左右方向の中間に中間取付部材2014a〜2014dを設け、それらの取付部材間を前後枠ベース部材2011a,2011b及び左右枠ベース部材2011c,2011dで連結している。
さらに、ベース部201は、取付部材2012a〜2012dと枠ベース部材2011a〜2011d間の隙間を塞ぐ底板2013で構成している。左右枠ベース部材2011a,2011bの中間に設ける中間取付部材2014a〜2014dは、各四隅のキャスタが取り付けられるキャスタ取付部材2015a〜2015dとの間隔が、キャスタ取付部材2015aと2015cとの距離及び2015cと2015dとの距離と同一となるように左右の中間二箇所に設けた。
【0031】
また、ベース部201の各四隅には、骨組部材202a〜202dを立設するとともに、底面側にキャスタ取付部材2015a〜2015dを配置した。また、枠ベース部材2011a〜2011dには、図4に示すようにフランジ部を設け取付部材2012a〜2012dにスポット溶接で締結した。さらに、枠ベース部材2011a〜2011dは複数の角パイプと底板とで構成した。
【0032】
さらに、取付部材2012a〜2012dをキャスタ取付部材2015a〜2015dの平面外形形状に略一致させて形成し、取付部材2012a〜2012dの側面に立設した骨組部材202a〜202dをスポット溶接で締結した。この上視図を図5に示す。さらに、枠ベース部材2011a〜2011dのフランジ部に切り欠きを設け、取付部材2012a〜2012dに二本の角パイプ(枠ベース部材)を締結した。この斜視図を図6に示す。
【0033】
上記のベース部201を用いて、取付部材2012a〜2012dの側面に立設した骨組部材202a〜202dをスポット溶接で締結し、構造体を構成した。この斜視図を図7に示す。さらに、その構造体の上部骨格体100に、一連の画像形成プロセスによって形成された画像を記録する装置を搭載して画像形成装置を構成した。
【0034】
上記構成においては、左右方向の中間に設ける中間取付部材2014a〜2014dと各四隅のキャスタ取付部材2015a〜2015dとの間隔が、キャスタ取付部材2015a〜2015dの前後方向の間隔と同一となるように幅方向の中間に四ヶ所に設けた。
【0035】
ベース部201は、左右枠ベース部材2011c,2011dの長さaよりも前後枠ベース部材2011a,2011bの長さbの方が長いため、左右枠ベース部材2011c,2011dの方が前後枠ベース部材2011a,2011bよりも高剛性である。すなわち、ベース部201は、左右方向と前後方向とで剛性にアンバランスを生じる。ここで、ベース部201四隅の右前側がその他に比べて最も下方向に撓む場合を考えると、ベース部201四隅の右前側以外のキャスタ取付部材2015b〜2015dが、この変形の支点となる。
このとき、上記のようにベース部201は前後方向と左右方向とで剛性に差があるため、右前側に立設された骨組部材202aは単純に下方に撓まず、前側に大きく傾くこととなる。また、右後側に立設した骨組部材202cと右後側の取付部材2012cとの締結位置及び右後側に立設した骨組部材202cの断面形状を異にする箇所(断面がL字状からコ字状に変化する箇所)に最も応力が集中しやすい。
【0036】
本発明では、上記剛性のアンバランスを回避(補正)するために、右前側から見て右後側及び左前側の取付部材の距離が同一となるように、右前側の取付部材2012aと左前側の取付部材2102bとの間に中間取付部材2014aを設けた。これにより、右前側から見ると、中間取付部材2014a及び右後側の取付部材2012cとが同一の距離に存在することとなるため、右前側が下方向に撓む際には、これらが変形の始点となる。これにより、右前側から見ると、前後方向及び左右方向の剛性のアンバランスが解消され、それぞれの方向に作用する曲げモーメントが均一となる。よって、右前側に立設した骨組部材202aが前側に大きく傾くことはなく、下方向に撓むこととなる。
他の隅についても、前後枠ベース部材2011a,2011bの中間に中間取付部材2014b〜2014dを上記同様に配置することにより、前後方向及び左右方向の剛性アンバランスを解消することができる。
【0037】
また、本実施形態においては、立設した骨組部材202a〜202d及びキャスタ取付部材2015a〜2015dをベース部201の各四隅に配置し、取付部材同士を連結する枠ベース部材2011a〜2011dでベース部201を構成し、枠ベース部材2011a〜2011dにフランジ部を設け、取付部材2012a〜2012dにスポット溶接で締結した。さらに、枠ベース部材2011a〜2011dは、複数の角パイプと底板とで構成した。
【0038】
ベース部201の曲げ変形やねじり変形は、キャスタ取付部材2015a〜2015dが起点となる。このため、前後方向及び左右方向の剛性のアンバランスを解消するためには、ベース部201全体の剛性を高める必要はなく、キャスタ取付部材2015a〜2015dの周辺部のみ剛性を高めればよい。
しかし、従来の構成においては、ベース部201の剛性を高めるために、角パイプや板金などを組み合わせる手法を用いている。すなわち、従来は、枠ベース部材2011a〜2011dの幅、高さ又は板厚を変更することでベース部201の剛性を高めているため、いずれを変更するにしてもベース部201の重量が増加し、ひいては画像形成装置としての重量も増加してしまう。
【0039】
これに対し、本実施形態の構成では、ベース部201の剛性を高めるためには、取付部材2012a〜2012dの板厚のみを厚くすれば良く、枠ベース部材2011a〜2011dの板厚は取付部材2012a〜2012dの板厚よりも薄くできる。これにより、ベース部201の高剛性化及び軽量化を両立できる。
【0040】
また、本実施形態においては、取付部材2012a〜2012dをキャスタ取付部材2015a〜2015dの平面外形形状に略一致させて形成し、取付部材2012a〜2012dの側面に立設した骨組部材202a〜202dをスポット溶接で締結した。このような構成とすることで、画像形成装置の重量等によって取付部材202a〜202dの側面に加わる垂直荷重が取付部材202a〜202dのみに作用し、かつキャスタ取付部材2015a〜2015d又はキャスタ中心から立設した骨組部材202a〜202dを溶接する締結箇所までの距離が最短となるようにし、垂直荷重により生じる曲げモーメントを最小にできる。
【0041】
また、本実施形態においては、枠ベース部材2011a〜2011dのフランジ部に切り欠きを設け、四隅の取付部材2012a〜2012dのそれぞれには、二本の角パイプ(左右枠ベース部材及び前後枠ベース部材)を締結した。これにより、四隅の取付部材2012a〜2012dのそれぞれには、二本の角パイプを干渉させずに取り付けることができる。これにより、角パイプの幅方向の取付が対称となり、取付部材202a〜202dから受ける力を枠ベース部材2011a〜2011dに均等に作用させることができる。
【0042】
また、図8に示すように、枠ベース部材2011a〜2011dのフランジ部及び取付部材2012a〜2012dに溝を形成し、この溝にピン300を挿入して枠ベース部材2011a〜2011dのフランジ部と取付部材2012a〜2012dとを連結する。このような構成とすることにより、輸送時などにおいて、取付部材2012a〜2012dに大きな衝撃荷重が作用したとしても、枠部ベース部材2011a〜2011dのフランジ部と取付部材2012a〜2012dとが微小量移動して、取付部材2012a〜2012dに加わる衝撃力を低減させることができる。
【0043】
なお、上記実施形態においては、中間取付部材を四つ配置する場合を例に説明したが、各四隅の剛性のアンバランスが解消できるのであれば、中間取付部材の数は特定の数に限定されない。
また、上記実施形態においては、枠ベース部材のフランジ部と取付部材とをスポット溶接で締結した構成を例に説明したが、枠ベース部材のフランジ部と取付部材とはリベット止めやネジ止めによって締結することも可能である。
さらに、枠ベース部材を複数の角パイプと底板とで構成した例について説明したが、枠ベース部材は箱型板金を複数個組み合わせるなどして構成しても良い。
さらに、上記実施形態においては、画像形成装置の幅方向(左右方向)寸法が奥行き(前後方向)寸法よりも大きい場合を例に説明したが、奥行き寸法の方が大きい場合には、左右枠ベース部材に中間取付部を設ければ上記同様の効果が得られる。
このように、本発明は様々な変形が可能である。
【0044】
【発明の効果】
以上の説明によって明らかなように、本発明によれば、装置全体の剛性バランスを均一に保ち、かつ重量を増加させることなく、軽量で高剛性かつ輸送・移動時において耐衝撃性の高い画像形成装置構造体及びそのベース部並びにこれに搭載された画像形成装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を好適に実施した画像形成装置の構成を示す図である。
【図2】一般的な画像形成装置構造体の構成を示す図である。
【図3】本発明に係る画像形成装置構造体の下部骨格体のベース部の構成を示す図である。
【図4】フランジ部の構成を示す図である。
【図5】取付部材の側面に立設した骨組部材をスポット溶接で締結した状態を示す図である。
【図6】切り欠きを設けたフランジ部同士を結合した状態を示す図である。
【図7】本発明を好適に実施した画像形成装置構造体の構成を示す図である。
【図8】フランジ部及び取付部材に溝を形成し、この溝にピンを挿入して枠ベース部材と取付部材とを連結した状態を示す図である。
【符号の説明】
1 上部
2 下部
11 光学ユニット
13 感光体
14 帯電チャージャ
15 現像ユニット
16 転写チャージャ
17 定着ユニット
18 クリーニングユニット
21、22、23、24 給紙装置
100 上部骨格体
111 コンタクトガラス
112 光源
200 下部骨格体
201 ベース部
202a、202b、202c、202d 骨組部材
300 ピン
2011a、2011b 前後枠ベース部材
2011c、2011d 左右枠ベース部材
2012a、2012b、2012c、2012d 取付部材
2013 底板部材
2014a、2014b、2014c、2014d 中間取付部材
2015a、2015b、2015c、2015d キャスタ取付部材

Claims (11)

  1. 前後左右にそれぞれ配置されて矩形の枠を形成する枠ベース部材と、該矩形の枠の四隅に配置されて前記各枠ベース部材を前後方向及び左右方向にそれぞれ連結する取付部材と、底板部材とからなり、チャンネル形状の複数の骨組部材が設置されて画像形成装置構造体を構成する画像形成装置構造体のベース部であって、
    前記矩形の枠の長辺となる枠ベース部材に、中間取付部材を設けたことを特徴とする画像形成装置構造体のベース部。
  2. 前記取付部材のそれぞれの底面側にキャスタ取付部材を介してキャスタを配置し、前記枠ベース部材にフランジ部を設けて前記取付部材と前記枠ベース部材とを締結したことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置構造体のベース部。
  3. 前記フランジ部に切り欠きが形成され、該切り欠き同士を組み合わせて前記枠ベース部材を締結することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置構造体のベース部。
  4. 前記フランジ部と前記取付部材とが溶接によって結合されていることを特徴とする請求項2又は3記載の画像形成装置構造体のベース部。
  5. 前記フランジ部と前記取付部材とがリベットによって結合されていることを特徴とする請求項2又は3記載の画像形成装置構造体のベース部。
  6. 前記フランジ部と前記取付部材とがネジによって結合されていることを特徴とする請求項2又は3記載の画像形成装置構造体のベース部。
  7. 前記フランジ部及び前記取付部材に溝状の貫通穴を形成し、該貫通穴にピンを挿入して前記フランジ部と前記取付部材とを連結したことを特徴とする請求項2又は3記載の画像形成装置構造体のベース部。
  8. 前記取付部材は、前記キャスタ取付部材の平面外形形状に略一致させて形成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項記載の画像形成装置構造体のベース部。
  9. 前記骨組部材は、前記枠ベース部材の側面に結合されることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項記載の画像形成装置構造体のベース部。
  10. 請求項1から9のいずれか1項記載の画像形成装置構造体のベース部に、チャンネル形状の複数の骨組部材を設置したことを特徴とする画像形成装置構造体。
  11. 請求項10記載の画像形成装置構造体に搭載されたことを特徴とする画像形成装置。
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