JP2005030988A - 風速予測システムおよび風速予測方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 列車などが強風による危険に晒される虞を低減し、かつ、列車ダイヤなどへの影響を最小限に抑えることを可能にする。
【解決手段】 ある地点での風速を測定する風速計1と、風速計1にて測定された風速および過去の風速記録に基づいて、確率的な変動を表現する時系列モデルによる逐次計算によって、当該地点での所定の時間先までの予測風速を算出する演算手段2と、演算手段2の算出結果を出力するための表示装置4およびプリンタ5とを備えたことを特徴としている。
【選択図】図1
【解決手段】 ある地点での風速を測定する風速計1と、風速計1にて測定された風速および過去の風速記録に基づいて、確率的な変動を表現する時系列モデルによる逐次計算によって、当該地点での所定の時間先までの予測風速を算出する演算手段2と、演算手段2の算出結果を出力するための表示装置4およびプリンタ5とを備えたことを特徴としている。
【選択図】図1
Description
本発明は、ある地点での風速測定結果およびその地点での過去の風速記録に基づいて、所定時間経過後の当該地点での風速を予測する風速予測システムおよび方法に関する。
従来より、強風による列車の脱線、転覆を防ぐため、強風時に列車の運行を規制(運転中止、速度規制)するルールを定めている。実際には、このルールに沿うよう、線路沿線に設置した風速計で観測された瞬間風速に基づいて、列車の運行状況が管理されている。
これによれば、風速計が規制値以上の風速を観測した時点で、運転規制が発令されるようになっている。また、連続した30分間に規制値を超える風速が一度も観測されなかった場合に、列車が強風にさらされる可能性がなくなったと判断して、運転規制が解除されるようになっている。
北川源四郎著「FORTRAN77時系列解析プログラミング」岩波書店1993年
北川源四郎著「FORTRAN77時系列解析プログラミング」岩波書店1993年
ところで、上記のような運転状況の管理においては、風速が急速に上昇していても、実際に規制値を超過するまでは運転規制が発令されないこと、実際に強風を観測したときに列車の運行を規制するため、列車が危険に晒される虞があることが問題となっていた。
一方で、一旦運転規制が発令された後は、たとえ観測風速が規制値を下回ったとしても、気象条件等にかかわらず一律に一定時間(30分)規制値を超える風速が観測されなかったことが観測されたときに初めて列車が危険に晒される虞がなくなったと合理的に判断されて、運転規制を解除するようにしている。
したがって、例えば観測風速が規制値を超過する時間がほんの一瞬であっても、列車の運転を一律に一定時間だけ規制し続ける必要があり、列車のダイヤが余計に乱れる原因となっていた。
なお、ここでは、鉄道車両の運行状況の管理における風速の影響について述べたが、他にも道路の通行状況の管理、建設工事現場でのクレーン作業など風の影響を受ける場合にも同様な問題が当てはまる。すなわち、通行車両、工事現場の作業者らが必要以上の危険に晒されたり、あるいは必要以上の長い時間、車両通行規制を強いたり、作業を中断させることがあった。
そこで、本発明は上述した実情に鑑みてなされたものであり、列車などが強風による危険に晒される虞を低減し、かつ、列車ダイヤなどへの影響を最小限に抑えることを可能にする風速予測システムおよび方法を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するため、請求項1に記載の発明に係る風速予測システムは、ある地点での風速測定結果およびその地点での過去の風速記録に基づいて、所定時間経過後の当該地点での風速を予測する風速予測システムであって、
前記地点での風速を測定する風速測定手段と、
前記風速測定手段にて測定された風速および前記過去の風速記録に基づいて、確率的な変動を表現する時系列モデルによる逐次計算によって、当該地点での所定の時間先までの予測風速を算出する演算手段と、
前記算出結果を出力するための出力手段とを備えたことを特徴としている。
前記地点での風速を測定する風速測定手段と、
前記風速測定手段にて測定された風速および前記過去の風速記録に基づいて、確率的な変動を表現する時系列モデルによる逐次計算によって、当該地点での所定の時間先までの予測風速を算出する演算手段と、
前記算出結果を出力するための出力手段とを備えたことを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、風速測定手段にてある地点での風速が測定される。この風速測定手段としては、小型3杯光電式風向風速計、超音波風向風速計、ボルテックス風向風速計、電子式風向風速計などが挙げられる。
演算手段では、測定風速および過去の風速測定結果に基づいて、この地点での所定の時間先までの予測風速が算出され、出力手段により出力される。この出力手段としては、算出結果を表示する表示装置、記録紙に打ち出すプリンタなど視覚化するものであれば何でもよい。
このようにすることで、ある地点での風速測定結果に基づいてその地点での一定時間経過後の風速の予測を行うことができるため、列車などが強風による危険に晒される虞を低減し、かつ、列車ダイヤなどへの影響を最小限に抑えることを可能にする。
請求項2に記載の発明は、前記演算手段では、前記風速測定手段により測定された風速に所定の演算子を適用して一定時間間隔で所定の期間分の予測値が逐次算出され、この予測値と、風速測定直前の所定期間内で得られた各測定値および当該各測定値に対応する予測値の差(「予測誤差」という)に基づく標準偏差の値とに基づいて、当該予測誤差を考慮して得られる一定の範囲内にある予測値のうち、前記地点で要求される予測精度により定まる範囲の中で上限となる上限風速が予測風速として算出されることを特徴としている。
請求項2に記載の発明によれば、まず測定風速に所定の演算子、すなわちフィルタを適用して、測定時点より一定時間間隔で所定の期間分の予測値が算出される。続いて、風速測定直前の所定期間内、例えば測定30分前で得られた各測定値およびこの各測定値を得る前に予測された各測定値に対する予測値の差を求めて、この差の標準偏差を求める。すなわち、例えば3分間隔で予測風速を求め、風速測定を行う場合において、3分後の予測風速と実際の測定値との予測誤差、すなわち測定風速とこの3分前に得られた予測風速との予測誤差に関する標準偏差、同様に6分後、9分後、12分後・・・の各予測誤差に関する標準偏差を求める。次に、現測定時間より3分後の予測風速に関しては3分後の予測誤差に関する標準偏差を、同様に6分後の予測風速に関しては6分後の予測誤差に関する標準偏差を・・・を考慮してある幅を持った予測値の群が得られる。この群のうち、風速測定地点で要求される予測精度により定められる上限風速が予測風速として算出される。
請求項3に記載の発明は、前記演算手段では、カルマンフィルタを用いた逐次計算を行う時系列モデルであるトレンドモデルにて、予測風速が算出されることを特徴としている。
請求項3に記載の発明によれば、カルマンフィルタを用いたトレンドモデルを、予測風速を算出するのに採用することで、簡便な構成で迅速な風速予測を行うことが可能になる。
請求項4に記載の発明は、前記演算手段は、所定の時間経過までの前記予測風速の最大を求めることを特徴としている。
請求項4に記載の発明によれば、安全確認が要求される所定時間内に想定される最大風速の予測値が求められる。これにより、列車などが強風による危険に晒される虞を低減し、かつ、列車ダイヤなどへの影響を最小限に抑えることを容易にする。
請求項4に記載の発明によれば、安全確認が要求される所定時間内に想定される最大風速の予測値が求められる。これにより、列車などが強風による危険に晒される虞を低減し、かつ、列車ダイヤなどへの影響を最小限に抑えることを容易にする。
請求項5に記載の発明に係る風速予測方法は、ある地点での風速測定結果およびその地点での過去の風速記録に基づいて、所定時間経過後の当該地点での風速を予測する風速予測方法であって、
前記地点での風速を測定する風速測定段階と、
前記風速測定手段にて測定された風速および前記過去の風速記録に基づいて、確率的な変動を表現する時系列モデルによる逐次計算によって、当該地点での所定の時間先までの予測風速を算出する演算段階と
を備えたことを特徴としている。
前記地点での風速を測定する風速測定段階と、
前記風速測定手段にて測定された風速および前記過去の風速記録に基づいて、確率的な変動を表現する時系列モデルによる逐次計算によって、当該地点での所定の時間先までの予測風速を算出する演算段階と
を備えたことを特徴としている。
請求項5に記載の発明によれば、風速測定段階にてある地点での風速が測定される。演算段階では、測定風速および過去の風速測定結果に基づいて、この地点での所定の時間先までの予測風速が算出される。
このようにすることで、ある地点での風速測定結果に基づいてその地点での一定時間経過後の風速の予測を行うことができるため、列車などが強風による危険に晒される虞を低減し、かつ、列車ダイヤなどへの影響を最小限に抑えることを可能にする。
請求項6に記載の発明は、前記演算段階では、前記風速測定手段により測定された風速に所定の演算子を適用して一定時間間隔で所定の期間分の予測値が逐次算出され、この予測値と、風速測定直前の所定期間内で得られた各測定値および当該各測定値に対応する予測値の差(「予測誤差」という)に基づく標準偏差の値とに基づいて、当該予測誤差を考慮して得られる一定の範囲内にある予測値のうち、前記地点で要求される予測精度により定まる範囲の中で上限となる上限風速が予測風速として算出されることを特徴としている。
請求項6に記載の発明によれば、まず測定風速に所定の演算子、すなわちフィルタを適用して、測定時点より一定時間間隔で所定の期間分の予測値が算出される。続いて、風速測定直前の所定期間内、例えば測定30分前で得られた各測定値およびこの各測定値を得る前に予測された各測定値に対する予測値の差を求めて、この差の標準偏差を求める。すなわち、例えば3分間隔で予測風速を求め、風速測定を行う場合において、3分後の予測風速と実際の測定値との予測誤差、すなわち測定風速とこの3分前に得られた予測風速との予測誤差に関する標準偏差、同様に6分後、9分後、12分後・・・の各予測誤差に関する標準偏差を求める。次に、現測定時間より3分後の予測風速に関しては3分後の予測誤差に関する標準偏差を、同様に6分後の予測風速に関しては6分後の予測誤差に関する標準偏差を・・・を考慮してある幅を持った予測値の群が得られる。この群のうち、風速測定地点で要求される予測精度により定められる上限風速が予測風速として算出される。
請求項7に記載の発明は、前記演算段階では、カルマンフィルタを用いた逐次計算を行う時系列モデルであるトレンドモデルにて、予測風速が算出されることを特徴としている。
請求項7に記載の発明によれば、カルマンフィルタを用いたトレンドモデルを、予測風速を算出するのに採用することで、簡便な手順で迅速な風速予測を行うことが可能になる。
請求項8に記載の発明は、前記演算段階では、所定の時間経過までの前記予測風速の最大が求められることを特徴としている。
請求項8に記載の発明によれば、安全確認が要求される所定時間内に想定される最大風速の予測値が求められる。これにより、列車などが強風による危険に晒される虞を低減し、かつ、列車ダイヤなどへの影響を最小限に抑えることを容易にする。
請求項8に記載の発明によれば、安全確認が要求される所定時間内に想定される最大風速の予測値が求められる。これにより、列車などが強風による危険に晒される虞を低減し、かつ、列車ダイヤなどへの影響を最小限に抑えることを容易にする。
請求項1に記載の発明によれば、ある地点での風速測定結果に基づいてその地点での一定時間経過後の風速の予測を行うことができるため、列車などが強風による危険に晒される虞を低減し、かつ、列車ダイヤなどへの影響を最小限に抑えることを可能にする。
請求項2に記載の発明によれば、ある地点での風速測定結果に基づいてその地点での一定時間経過後の風速の予測を行うことができるため、列車などが強風による危険に晒される虞を低減し、かつ、列車ダイヤなどへの影響を最小限に抑えることを具体的に実現することができる。
請求項3に記載の発明によれば、カルマンフィルタを用いたトレンドモデルを、予測風速を算出するのに採用することで、簡便な構成で迅速な風速予測を行うことが可能になる。
請求項4に記載の発明によれば、安全確認が要求される所定時間内に想定される最大風速の予測値が求められる。これにより、列車などが強風による危険に晒される虞を低減し、かつ、列車ダイヤなどへの影響を最小限に抑えることを容易にする。
請求項5に記載の発明によれば、ある地点での風速測定結果に基づいてその地点での一定時間経過後の風速の予測を行うことができるため、列車などが強風による危険に晒される虞を低減し、かつ、列車ダイヤなどへの影響を最小限に抑えることを可能にする。
請求項7に記載の発明によれば、カルマンフィルタを用いたトレンドモデルを、予測風速を算出するのに採用することで、簡便な手順で迅速な風速予測を行うことが可能になる。
請求項8に記載の発明によれば、安全確認が要求される所定時間内に想定される最大風速の予測値が求められる。これにより、列車などが強風による危険に晒される虞を低減し、かつ、列車ダイヤなどへの影響を最小限に抑えることを容易にする。
以下、本発明の実施形態を図1から図5を参照して説明する。
図1は本発明に係る風速予測システムの実施の一形態を示したもので、風速予測を行う必要のある場所に設置され、その場所での風速を測定する風速測定手段である風速計1には、その場所での所定時間後の予測風速を算出する演算手段2が接続されており、風速計1における測定結果が演算手段2に送られるようになっている。この測定結果としては、所定時間ごと、例えば3分間ごとの最大瞬間風速であることが好ましい。
図1は本発明に係る風速予測システムの実施の一形態を示したもので、風速予測を行う必要のある場所に設置され、その場所での風速を測定する風速測定手段である風速計1には、その場所での所定時間後の予測風速を算出する演算手段2が接続されており、風速計1における測定結果が演算手段2に送られるようになっている。この測定結果としては、所定時間ごと、例えば3分間ごとの最大瞬間風速であることが好ましい。
風速計1としては、どのような方式のものであってもよく、例えば「わかる気象機器(渡邊清光著、定文堂発行)」の51頁〜71頁に列挙されているような小型3杯光電式風向風速計、超音波風向風速計、ボルテックス風向風速計、電子式風向風速計などが挙げられる。
演算手段2には、過去の風速記録を格納するメモリ3が接続されており、この演算手段2では、メモリ3を参照しながら、風速計1にて測定された風速およびその地点での過去の風速記録に基づいて、確率的な変動を表現する時系列モデルによる逐次計算によって、当該地点での所定の時間先までの予測風速が算出される。なお、メモリ3の格納内容は、一定時間経過後に削除されるようにしてもよい。また、この演算手段2には、算出結果を出力する出力手段としての表示装置4およびプリンタ5が接続されており、算出結果としての予測風速が表示装置4に表示され、またはプリンタ5にて打ち出されるようになっている。
次に、本実施形態の作用について説明する。
図2は本実施形態の作用について説明するフローチャートであって、風速計1では、周辺の風速が測定されて(ステップS1)、例えば3分後ごとに最大瞬間風速が測定結果として演算手段2に送られる。
図2は本実施形態の作用について説明するフローチャートであって、風速計1では、周辺の風速が測定されて(ステップS1)、例えば3分後ごとに最大瞬間風速が測定結果として演算手段2に送られる。
演算手段2では、ステップS1で得られた測定風速より、平均値0であり、かつ、標準偏差σの正規分布である測定雑音などの観測雑音を除いた真の風速が推定される(ステップS2)。すなわち、観測風速yn、観測雑音wnとすると、真の(トレンド)風速xnが、確率的な変動を表現する時系列モデルのひとつであるトレンドモデルにより、下記式(1)を用いて推定される。
続いて、演算手段2では、下記式(2)に挙げるトレンドモデルにおいてトレンド風速の変化の仕方をモデル化したトレンド成分モデルであるシステム方程式に基づいて、カルマンフィルタを適用して将来のトレンド風速(「予測トレンド風速」という)を予測する(ステップS3)。
前記式(2)において、Δを(1−B)として定義すると、Δkはk階の時間差分演算子、すなわちk階においてΔxn=(xn−xn−1)で定義される時間差分演算子として定義され、式(2)は下記式(3)に書き換えることができる。なお、vnは平均0であり、かつ、標準偏差τでの正規分布であるシステム雑音を意味する。
さらに、下記式で定義されるciを用いると、式(3)は下記式(4)のように表現され、この式により将来のトレンド風速が予測される。
このような逐次計算により、第n期の予測トレンド風速が算出される。すなわち、3分間隔で風速測定を行っている場合であっては、現時刻より3分後の風速として予測された第1期の予測トレンド風速、6分後の第2期の予測トレンド風速、以下同様に、第3期、第4期、第5期、第6期・・・の各時点での予測トレンド風速が算出される。
図3は予測トレンド風速を算出するためのカルマンフィルタについて説明するためのものであり、時刻n=0において測定風速y0|0が得られると、3分後、6分後、9分後・・・すなわちp=1,2,3・・・での予測トレンド風速が予測され、それぞれ予測トレンド風速y1|0,y2|0,y3|0・・・yn+p|nが得られるようになっている。
続いて、時刻n=1において測定風速y1|1が得られると、その3分後、6分後・・・すなわちp=1,2・・・での予測トレンド風速が予測され、それぞれ予測トレンド風速y2|1,y3|1・・・yn+p|nが得られ、さらに予測トレンド風速y1|0と測定風速y1|1とが比較されて予測誤差が評価されるようになっている。
また、時刻n=2において測定風速y2|2が得られると、その3分後・・・での予測トレンド風速が算出され、それぞれ予測トレンド風速y3|2・・・yn+p|nが得られ、さらに予測トレンド風速y2|1およびy2|0のそれぞれと測定風速y2|2とが比較されて予測誤差が評価されるようになっている。
続いて、演算手段2では、メモリ3に格納された過去の測定記録に基づいて、過去に算出された予測トレンド風速と、実際の測定風速とから予測誤差が算出され、この誤差の標準偏差が算出される(ステップS4)。
具体的には、例えば過去30分間における第1期予測の誤差、すなわちある時刻から3分後の予測に関する予測トレンド風速とそのときの測定風速とを取り出して誤差を算出して、予測誤差の標準偏差を算出する。同様に、第2期予測の誤差、第3期の誤差・・・というように、第n期予測の誤差をそれぞれ算出して、各誤差の標準偏差を算出する。
続いて、演算手段2では、ステップS3で算出された予測トレンド風速および予測の誤差標準偏差に基づいて、下記式(5)により予測風速が算出される(ステップS5)。
式(5)において、定数μは関係する多数の強風事例データを用いて検証して、さらに風速計1の設置場所で要求される安全性の高さにより定められる最適値である。ここで、各期の予測誤差には幅があるため、ステップS3で算出される予測トレンド風速はある一定の範囲で定まることになる。そこで、予測誤差を考慮することで、測定時点から各期の予測トレンド風速の上限を式(5)にて得ることになる。
具体的には、第1期のトレンド風速y1|0,y2|1,y3|2・・・yn+1|nに対しては第1期予測に関する誤差標準偏差を用いて、同様に第2期のトレンド風速に対しては第2期予測に関する誤差標準偏差を用いて、例えば測定時点から36分先、すなわち第12期までの予測風速を求めるようにする。
図4は予測トレンド風速の上限について説明する図であり、測定風速曲線6上の現在時刻taにおける測定点7では測定風速y0|0が得られている。また、p期目の予測点9では予測トレンド風速yp|0が得られている。予測トレンド風速yp|0を用いて上記式(5)により得られる予測風速は上限点10により与えられる。
ここで、予測誤差は誤差分布曲線8に示され、曲線8は正規分布をさす。また、上限点10は、曲線8のうちの確率の低い風速を考慮から外すように設けられた、考慮する風速の上限を示す点であることが示される。このようにすることで、考慮するべき風速の上限を、予測を行う場所にて要求される安全度によって変えることができる。
続いて、演算手段2では、ステップS5にて得られた各期の予測風速のうち、所定の時間経過までの前記予測風速の最大が特定される(ステップS6)。すなわち、例えば3分間隔で予測風速を得た場合、安全確認に要する時間が30分であるとすると、30分先までの第10期までの予測風速の最大が最大風速として特定され、予測動作を終了する。
このようにして得られた最大風速は、表示装置4またはプリンタ5により出力されて、電車の運行状況管理、道路の通行状況の管理、建設工事現場でのクレーン作業など風の影響を受ける作業の管理における指標として用いることができる。
図5は出力の仕方の一例を示す図であり、現在時刻、すなわち測定時刻より過去については経時的に得られた測定風速曲線6と、予測トレンド風速曲線11とが示され、各時刻における測定風速および予測風速の差が予測誤差12として現れることが示される。また、図5において、現在時刻よりも先、すなわち将来については、予測風速曲線6が引き続き示され、さらに前記ステップS5で得られる上限風速(予測風速)群13が併せて示されている。ここでは、第12期までの予測を測定時に行うため、12個の予測点が示されている。
以上より、本実施形態によれば、列車などが強風による危険に晒される虞を低減し、かつ、列車ダイヤなどへの影響を最小限に抑えることが可能になる。
また、ある地点での風速測定結果に基づいてその地点での一定時間経過後の風速の予測を行うことができるため、列車などが強風による危険に晒される虞を低減し、かつ、列車ダイヤなどへの影響を最小限に抑えることを具体的に実現することができる。
また、カルマンフィルタを用いたトレンドモデルを、予測風速を算出するのに採用することで、簡便な構成で迅速な風速予測を行うことが可能になる。
さらに、安全確認が要求される所定時間内に想定される最大風速の予測値が求められる。これにより、列車などが強風による危険に晒される虞を低減し、かつ、列車ダイヤなどへの影響を最小限に抑えることを容易にする。
なお、ここでは、予測トレンド風速の算出方法として、カルマンフィルタを適用したトレンドモデルを用いた例を説明したが、これに限定されることはなく、以下の手順で進められる時系列解析を用いた風速予測であれば、どのようなモデルであっても利用可能である。
(1)一定時刻間隔で風速データの観測、記録を行う;(2)時刻を異にするデータ間の関係を表す数学モデルを仮定する;(3)過去のデータにモデルをあてはめることによってモデルの未定係数を決定する;(4)決定されたモデル式に現在時刻までの観測データを代入して1点先の予測値を得る;(5)現在時刻までの観測データおよび一点先の予測値を決定されたモデル式に代入して2点先の予測値を得る;(6)以下同じ手順を繰り返してn点先の予測値を得る;(7)予測値を実現値と比較することにより求めた過去の予測誤差を将来の予測値に加えることにより予測誤差を見込んだ将来の予測最大風速を算出する;(8)将来の予測最大風速と予め定めた基準風速とを比較することにより今後基準風速を超える強風が観測される可能性の大小を判断する。
このような予測によれば、データをうみだす具体的な現象には立ち入ることなく、観測された時系列データの変動の様子からデータの背後にある現象のメカニズムを推定したり将来の値を予測することが可能である。
1 風速計
2 演算手段
4 表示装置
5 プリンタ
2 演算手段
4 表示装置
5 プリンタ
Claims (8)
- ある地点での風速測定結果およびその地点での過去の風速記録に基づいて、所定時間経過後の当該地点での風速を予測する風速予測システムであって、
前記地点での風速を測定する風速測定手段と、
前記風速測定手段にて測定された風速および前記過去の風速記録に基づいて、確率的な変動を表現する時系列モデルによる逐次計算によって、当該地点での所定の時間先までの予測風速を算出する演算手段と、
前記算出結果を出力するための出力手段とを備えたことを特徴とする風速予測システム。 - 前記演算手段では、前記風速測定手段により測定された風速に所定の演算子を適用して一定時間間隔で所定の期間分の予測値が逐次算出され、この予測値と、風速測定直前の所定期間内で得られた各測定値および当該各測定値に対応する予測値の差(「予測誤差」という)に基づく標準偏差の値とに基づいて、当該予測誤差を考慮して得られる一定の範囲内にある予測値のうち、前記地点で要求される予測精度により定まる範囲の中で上限となる上限風速が予測風速として算出されることを特徴とする請求項1に記載の風速予測システム。
- 前記演算手段では、カルマンフィルタを用いた逐次計算を行う時系列モデルであるトレンドモデルにて、予測風速が算出されることを特徴とする請求項1に記載の風速予測システム。
- 前記演算手段は、所定の時間経過までの前記予測風速の最大を求めることを特徴とする請求項1に記載の風速予測システム。
- ある地点での風速測定結果およびその地点での過去の風速記録に基づいて、所定時間経過後の当該地点での風速を予測する風速予測方法であって、
前記地点での風速を測定する風速測定段階と、
前記風速測定手段にて測定された風速および前記過去の風速記録に基づいて、確率的な変動を表現する時系列モデルによる逐次計算によって、当該地点での所定の時間先までの予測風速を算出する演算段階と
を備えたことを特徴とする風速予測方法。 - 前記演算段階では、前記風速測定手段により測定された風速に所定の演算子を適用して一定時間間隔で所定の期間分の予測値が逐次算出され、この予測値と、風速測定直前の所定期間内で得られた各測定値および当該各測定値に対応する予測値の差(「予測誤差」という)に基づく標準偏差の値とに基づいて、当該予測誤差を考慮して得られる一定の範囲内にある予測値のうち、前記地点で要求される予測精度により定まる範囲の中で上限となる上限風速が予測風速として算出されることを特徴とする請求項5に記載の風速予測方法。
- 前記演算段階では、カルマンフィルタを用いた逐次計算を行う時系列モデルであるトレンドモデルにて、予測風速が算出されることを特徴とする請求項5に記載の風速予測方法。
- 前記演算段階では、所定の時間経過までの前記予測風速の最大が求められることを特徴とする請求項5に記載の風速予測方法。
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