JP2005030660A - 空気調和装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】空調されている室内の環境を、室内空気の排気また屋外空気の取り入れにて換気を行う換気装置にて改善可能とした空気調和装置を簡易な構成でかつ安価に提供する。
【解決手段】室内空気を排気する室内ファン12を室内機1の内部に、外気を室内に取り込む室外ファン20を屋外に臨む位置にと1本の共用給排気管16を通じて連絡配置し、室内ファン又は室外ファンのそれぞれの単独駆動にて排気又は給気を行なわせて換気を行い、室内の汚染状態を解消して室内環境を良好な状態に維持できるようにする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、室内空気の排気と外気の室内への給気により換気する換気装置を具備させて、より快適な室内環境を提供することができるように成した空気調和装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
今日、室内の壁に分離型空気調和機の室内機を配し、室内空気を室内機内部の循環ファンにて室内機に吸い込み、室内機内部の熱交換器により熱交換させて発生した冷気又は暖気を室内に供給して室内を快適な温度環境に維持することは至極一般的となっている。しかし、冷房、暖房効果を良くするため、あまり室内の換気を行わないで空調されている。従って室内が長時間密閉的状態にあると室内空気が汚れるため、定期的に室内を開放し室内空気を逃がし、外気を取り入れ換気をする必要がある。
【0003】
このため、従来より空気調和機に換気装置を備えるものが提案されている。例えば、室内機の側部に正転、逆転可能な渦流ファンを備えた換気用送風機を設け、渦流ファンの正逆転切り換えにより室内空気の排気と外気の給気を行い換気させるようにした空気調和機(特許文献1)や、ファンモーターの左右両軸に設けたシロッコファンのうち一方が排気用導風路内に収容され、他方のシロッコファンが給気用導風路に収容された送風機を内装した換気ユニットを室内機の近傍に設け、片方のシロッコの回転により室内空気を排気用導風路から屋外へ排気し、同時に他方のシロッコファンの回転により外気を給気用導風路から室内へ取り入れて換気を行うよう成した換気装置(特許文献2)などである。
【0004】
【特許文献1】
【特開2000−193269号公報】
【特許文献2】
【特許第2629665号】
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1による換気装置では、渦流ファンを室内機の厚み方向に組み入れている構造のため、近年厚み幅が小さくなっている薄型の室内機に採用するには得策ではないと共に、室内機の一側部にその収容スペースを確保する必要があり、その分室内機が横に大型化するがそれは熱交換機能の向上には何ら寄与しないものである。また、特許文献2では、2つのシロッコファンを収容しているので換気ユニットが大きなものとなり、また排気用導風路、給気用導風路と2つの専用の風路を必要とするなど、構成的な複雑さや、コスト高また室内機への据え付け作業の困難性が予想される等の問題があった。
【0006】
本発明は上記点に鑑みなされたもので、簡易な構成の換気装置を空気調和装置に具備させて換気を行い、室内の空気汚染状態が悪化しないように効果的に抑制できるように図った空気調和装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、室内に設置される室内機と、屋外に設置される室外機とを冷媒配管で接続するようにした空気調和装置において、前記室内機に収容された換気用の室内ファンと、屋外に設置される換気用の室外ファンと、前記室内ファンと室外ファンに両端部が繋がれると共に、前記室内の壁に挿通されて家屋の内外に配される1本の共用給排気管とから成る換気装置を備え、前記換気装置は、室内ファンの駆動時に室内空気を共用給排気管及び室外ファンを介して屋外に排出する一方、室外ファンの駆動時に屋外空気を共用給排気管及び室内ファンを介して室内に給気する構成としたものである。
【0008】
また本発明は、前記換気装置は、室内ファンの単独駆動と、室外ファンの単独駆動に切換え運転可能としたものである。
【0009】
また本発明は、前記冷媒配管の屋外配管部分には、冷媒配管を覆う冷媒配管カバーを設け、この冷媒配管カバー内に前記室外ファンを組み込む構成としたものである。
【0010】
さらにまた本発明は、前記室内ファンおよび前記室外ファンとしてシロッコファンを用いたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
【0012】
図1は、室内機の内部に排気用の室内ファンを設け、屋外に給気用の室外ファンを設けてそのいずれか一方の駆動にて、共用の給排気管を通じて給気又は排気を行い換気させる換気装置を備えた空気調和装置の実施形態を示す。
【0013】
室内機1は、吸い込みパネル2を有した前部ケース3と背面側の後ろケース4から成る本体ケース5を有し、該本体ケース5の下端部には吹出口(図示せず)が設けられると共に、この本体ケース5内に室内の空気を加熱/冷却する熱交換器6が配されている。熱交換器6は冷媒がそのフィンと直交しかつ蛇行させて配設した冷媒管7を通過することにより、冷房/除湿運転時に冷却器として機能し、暖房運転時には加熱器として機能するものである。
【0014】
また本体ケース5の内部には、熱交換器6で取り囲まれるように循環ファン8が設けられ、該循環ファン8により室内の空気が吸い込みパネル2から吸い込まれ、熱交換器6で加熱/冷却されて冷風/温風が吹出口から再び室内に吹き出されて循環するものである。この他に、滴下するドレン水を溜め排出するために熱交換器6の下端部に設けられたドレンパン9や、熱交換器6と吸い込みパネル2との間に配されるエアフィルター、また吹出口に設けられた吹出方向を変更させる風向器(図示せず)などの構成部品を有する。さらに室外機(図示せず)の圧縮機の運転制御、前記循環ファン8のファンモータの駆動制御等を行うための電装部11等が、本体ケース5の片側部に区画して内蔵されている。
【0015】
12は、室内空気を室外(屋外)に排気して換気するための室内ファンで、室内機1内に収容されている。具体的には例えば熱交換器6の側面近傍等に配置されている。この室内ファン12としてはシロッコファンを使用している。シロッコファンは厚みの薄い略円筒形状のファンケース部13A内にモータとシロッコファンとが収容されている構造である。シロッコファンが回転すると、ファンケース部13Aの片面側に開けた円形の吸込口14Aより室内空気が吸い込まれた後、ファンケース部13Aの一端部に設けた吹出部15より吹き出される。
【0016】
一方20は、屋外空気を室内に給気して換気するための室外ファンで、屋外に臨む位置に設けられている。すなわち室内機1を取り付けている室内の壁(図示せず)の外に配置している。この室外ファン20にもシロッコファンを使用しており、先の室内ファン12と同様に、シロッコファンが回転すると、ファンケース部13Bの片面側に開けた円形の吸込口14Bより屋外空気が吸い込まれた後、ファンケース部13Bの一端部に設けた吹出部15より吹き出される。
【0017】
この室外ファン20の場合も、シロッコファンは厚みが薄い構造のものなので、屋外の壁部に分厚く存在するような取り付け方とならず、外観を悪くしないという点で有利となる。
【0018】
さて、16は室内ファン12により吸い込んだ室内空気を屋外に排気させ、また室外ファン20にて吸い込んだ屋外空気を室内に給気するために設けられた1本の共用給排気管で、室内の壁を挿通して家屋の内外に存在するように配されている。前記室内ファン12と室外ファン20はこの1本の共用給排気管16を介して繋がるようにその両端部に設けられている。すなわち給排気管16の室内側開口端17aに繋がるように室内ファン12が設置され、また同管16の室外側開口端17bに繋がるように室外ファン20が設置されている。室外ファン20は前記共用給排気管16の室外側開口端17bにその吹出部15が接続され、ぶら下がった格好で取り付けられている。
【0019】
共用給排気管16は室内機1側からその背部へと出された後、室内機1の背面側に沿って出し口とは反対側へ向かって水平に延ばされ、その先端で直角に曲げられて屋外へと延出されている。
【0020】
ここで、前記室内ファン12と室外ファン20はどちらか一方を駆動するものとされており、同時に駆動するものとはなっていない。そこで室内ファン12を単独で駆動したときには、室内ファン12により室内空気がその吸込口14Aから吸い込まれ、共用給排気管16を経て前記室外ファン20の吸込口14Bを吹出部として屋外に排気されることにより、換気が行われる。一方室外ファン20を単独で駆動したときは、室外ファン20により屋外空気がその吸込口14Bから吸い込まれ共用給排気管16を通じて前記室内ファンの吸込口14Aを吹出部として室内に吹き出されることにより、換気が行われる。こうして、室内ファン12と室外ファン20および両ファン12,20に両端部が繋がって設けられた1本の共用給排気管16により換気装置が構成されている。
【0021】
また室内ファン12及び室外ファン20を駆動して排気又は給気して行う換気動作は、空気調和装置を運転している最中であっても適宜に行うことができる。また空調運転していない時でも室内ファン12及び室外ファン20を駆動して換気を行い、部屋の汚染状態を緩和するという使い方が可能である。
【0022】
さらに室内ファン12と室外ファン20との単独運転切り換えは、空気調和装置の運転/停止制御や、冷房/暖房の空調温度設定などを行う操作釦を有するリモコンなどに、その室内ファン/室外ファンの運転切換操作釦部を設けて、運転切換操作することが可能である。また、室内ファン12/室外ファン20の運転を所定時間ごとに交互に行う換気自動運転も可能である。
【0023】
なお、室内ファン12は、図1では熱交換器6の側面近傍に設けたものとしたが、図2のように室内ファン12を熱交換器6の前に設けるようにしても良い。この場合室内ファン12が熱交換器6の前にあることで、室内機1に吸い込まれる空気の抵抗となり熱交換率を下げる懸念があるが、室内ファン12は熱交換器6の全体面積から比べるとかなり小さいものであるから、大きな影響を及ぼすものでもない。
【0024】
また室内機1と室外機(図示せず)とは冷媒配管18で接続され冷媒圧縮機、凝縮器、熱交換器6と冷媒が循環する冷凍サイクルが形成されている。その冷媒配管18が、室内機1の前記給排気管16が引き出された側と反対側の箇所から、室内機1内部へと配管され熱交換器6と接続されている。またこの冷媒配管18が配管されている箇所には、循環ファン8や風向器等を作動するための電源コードや冷媒の温度や圧力あるいは室内温度等を検出し、冷媒圧縮機の運転などをコントロールするための制御系の伝送ラインなどが保護管(図示せず)内に収納されて一緒に配線されている。
【0025】
通常時は、室外機の冷媒圧縮機および室内機1の循環ファン8が運転され、循環ファン8の回転により室内空気が吸い込みパネル2より室内機1に吸い込まれ熱交換器6で熱交換されて、冷気/暖気が下部の吹出口より室内に吹き出されて冷房/暖房の空調が行われる。
【0026】
部屋の換気をしようするときには、室内ファン12か室外ファン20のどちらかを駆動すればよい。たとえばリモコンで室内ファン12を駆動するように操作すると、室内ファン12すなわちシロッコファンが回転し室内空気がその吸込口14Aから吸い込まれ、吹出部から出た後、共用給排気管16を通って屋外に臨む室外ファン20の吸込口14Bから屋外に排出される。こうして室内の汚染した空気が室内ファン12により排気されることにより、室内の換気が行われ室内環境が改善される。
【0027】
一方、室外ファン20をリモコンで駆動するように切り換えた場合には、室外ファン20すなわちシロッコファンが回転し、その円形の吸込口14Bから屋外空気を吸い込み吹出部15から共用給排気管16内へと送り、そして室内ファンの吸込口14Aから室内に給気されることにより、室内の換気が行われ室内環境が改善される。
【0028】
なお、共用給排気管16の内部或いは室内ファン12寄りの位置には、取り入れられる外気中から花粉等を除くためのフィルターFを設けている。
【0029】
ここで、図2に示すように、屋外に露出する冷媒配管18部分には矩形状の箱型をした冷媒配管カバー24を被せて保護する。そしてさらにこの冷媒配管カバー24を利用して、室外ファン20もこのカバー24内に組み込む構成とする。これにより、室外ファン20を雨風や塵埃から保護し、また悪戯などで損傷されないように防止することができると共に、室外ファン20がカバー24で隠され露顕しないので、外観的に良くすることもできる。
【0030】
なお、冷媒配管カバー24の前面部には、室外ファン20の吸込口14Bに対応させて、網やスリット構造の吸い込み口25を形成し、多量に塵埃や異物が吸い込まれないようにフィルターの役目をさせるようにする。また冷媒配管カバー24の後面部上部には、冷媒配管18や共用給排気管16を引き出せるように挿通孔28を形成して、そこから冷媒配管18や共用給排気管16をカバー後方へ引き出し容易に配管できるようにする。また冷媒配管カバー24の内壁に室外ファン20を固定するための固定棒26を設け、室外ファン20のファンケース部13Bの端部に設けた取付部27の孔に前記固定棒26を嵌通して、室外ファン20を動かないようしっかりと取り付けることができるようになっている。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、室内機に収容され室内空気を屋外に排出する室内ファンと、屋外に配置され屋外の空気を室内に取り込む室外ファンとが1本の共用給排気管でその両端部に繋がって設けられた構成の換気装置を有し、室内ファン又は室外ファンのいずれか一方を駆動することにより、前記共用給排気管を通じて汚れた室内空気を排気し、また新鮮な外気を給気して換気をすることができるので、室内環境を随時にかつ容易な操作で良好な状態に維持することができる。また室内空気の排気と屋外空気の給気とを1つの給排気管で行えるので、従来のように排気専用、給気専用と2本の管構成にしなくても良くなり、簡易な構成でかつコスト安価な換気装置で換気をすることができる。
【0032】
また室内ファンと室外ファンとはそれぞれ単独で駆動できるように切換操作可能となっているので、室内の汚染状態を解消するのに室内の汚染空気を外部に排出して換気する方が効果的かあるいは新鮮な外気を室内に給気して換気する方が良いかなど、自由に選択し効率的に換気をさせることができる。
【0033】
また室外ファンは屋外に露出する冷媒配管部分を覆うように設けた冷媒配管カバー内に組み込むようにすることで、室外ファンを雨風や塵埃、悪戯などから保護し、またカバーで隠させて外観的に良くすることができる。
【0034】
また室内/室外ファンとしてシロッコファンを使用することで、小型でかつ安価な換気装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1本の共用給排気管を通じてその両端に繋がる室内空気の排気を行う室内ファンと、屋外空気を給気する室外ファンにて給排気を行い換気をする換気装置を備える実施態様に係わる空気調和装置の外観斜視図。
【図2】本発明の室外ファンを冷媒配管カバー内に収容した実施態様に係わる空気調和装置の外観斜視図。
【符号の説明】
1 室内機
2 吸い込みパネル
6 熱交換器
8 循環ファン
12 室内ファン
14A,14B 吸込口
15 吹出部
16 共用給排気管
18 冷媒配管
20 室外ファン
24 冷媒配管カバー

Claims (4)

  1. 室内に設置される室内機と、屋外に設置される室外機とを冷媒配管で接続するようにした空気調和装置において、
    前記室内機に収容された換気用の室内ファンと、屋外に設置される換気用の室外ファンと、前記室内ファンと室外ファンに両端部が繋がれると共に、前記室内の壁に挿通されて家屋の内外に配される1本の共用給排気管とから成る換気装置を備え、
    前記換気装置は、室内ファンの駆動時に室内空気を共用給排気管及び室外ファンを介して屋外に排出する一方、室外ファンの駆動時に屋外空気を共用給排気管及び室内ファンを介して室内に給気する構成としたことを特徴とする空気調和装置。
  2. 前記換気装置は、室内ファンの単独駆動と、室外ファンの単独駆動に切換え運転可能としたことを特徴とする請求項1に記載の空気調和装置。
  3. 前記冷媒配管の屋外配管部分には、冷媒配管を覆う冷媒配管カバーを設け、この冷媒配管カバー内に前記室外ファンを組み込む構成としたことを特徴とする前記請求項1に記載の空気調和装置。
  4. 前記室内ファンおよび前記室外ファンとしてシロッコファンを用いたことを特徴とする前記請求項1又は2に記載の空気調和装置。
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