JP2005029966A - 既存外壁の改修方法及び構造並びにタイル取付用中間材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】既存外壁1に対し、中間材としての開口5a及び突起5b付きシート5をステープル、両面テープ等で留め付ける。シート5の前面に、ネット6を重ね合わせ、ワッシャー7及びビス8によって該ネット6を既存外壁1に固定する。ネット6を塗り込めるようにしてタイル接着用の弾性接着剤9を塗着する。弾性接着剤8の一部は、前記開口5bを通って、シート5の裏側に染み出し、シート5と既存外壁1との間に入り込み、シート5を既存外壁1に接着する作用を働く。その後、この弾性接着剤層の上にタイル10を押し当てて接着する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は、既存外壁をタイル張り壁に改修するための方法及び構造、並びに既存外壁をタイル張り壁に改修するために用いられるタイル取付用中間材に関する。
【0002】
【従来の技術】
外壁がモルタルの吹付け仕上げやサイディング材などによって仕上げられたものである場合、経年的に表面が劣化し、美観が損なわれてくることがある。例えば、吹き付けたモルタル層が部分的に浮き上がったり、サイディング表面の塗装が部分的に剥れてくることがある。
【0003】
このような場合、劣化した既存サイディング材を取り除き、新規サイディング材を取り付けることがあるが、大掛りな工事になると共に、除去作業時に大量に塵埃が発生する。
【0004】
劣化部分を除去することなく既存外壁をタイル張りに改修する方法として、既存外壁に胴縁を取り付け、その上にタイルパネルを留め付ける工法がある。
【0005】
この胴縁及びタイルパネルを用いる改修方法にあっては、胴縁及びタイルパネルの基板により仕上り厚みがかなり大きくなる。また、部分的にタイル張り改修する場合には不向きである。また、胴縁及びタイルパネルが既存外壁に剛に固定されるため、既存外壁の動き(伸縮)が直接的にタイルに影響し、タイルに亀裂が入る可能性がある。
【0006】
別の工法として、特開平9−317199号公報に、ネット組織体をアンカーで固定し、セメント系モルタル等の張付材料によってタイルを張り付ける工法が記載されている。
【0007】
この特開平9−317199号のようにネット組織体を既存外壁に固定してタイル張りする工法にあっては、外壁の通気性が悪く、建物に結露が生じ易い。
【0008】
このような問題点を解決するものとして、特開2003−97020号公報には、既存外壁に粘着剤によって中空板を張り付け、該中空板にタイル張りする既存外壁の改修方法が記載されている。
【0009】
かかる改修方法にあっては、胴縁を用いないので、仕上り厚みの増大も少ない。また、中空板を既存外壁に張り付けるため、改修後の壁は通気性に優れたものとなる。
【0010】
【特許文献1】
特開平9−317199号公報
【特許文献2】
特開2003−97020号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、タイルを既存外壁に接着するための中間材の既存外壁への取り付けが極めて簡単であり、施工効率が良好な既存外壁の改修方法と、この改修方法により改修された構造、並びにこの改修に用いられるタイル取付用中間材を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明(請求項1)の既存外壁の改修方法は、既存外壁をタイル張りにより改修する方法であって、通気空間を有したタイル取付用中間材を該既存外壁に取り付け、接着剤によって該中間材にタイル張りする既存外壁の改修方法において、該中間材の表裏を連通する開口が該中間材に設けられており、前記接着剤の一部を該開口を通って中間材と既存外壁との間に入り込ませ、この接着剤によって中間材を既存外壁に接着することを特徴とするものである。
【0013】
本発明(請求項7)の既存外壁の改修構造は、かかる本発明方法によって形成されたものである。
【0014】
本発明(請求項8)のタイル取付用中間材は、かかる本発明方法及び構造に用いられるものであり、既存外壁をタイル張りにより改修するために該既存外壁に取り付けられ、接着剤によって前面にタイルが張り付けられる、通気空間を有したタイル取付用中間材であって、該中間材の表裏を連通する開口が設けられており、前記接着剤の一部が該開口を通って中間材と既存外壁との間に入り込むことにより、該接着剤によって該既存外壁に接着されることを特徴とするものである。
【0015】
かかる本発明の既存外壁の改修方法及び構造並びにタイル取付用中間材によると、タイル接着用の接着剤の一部が中間材の開口を通って中間材の裏側に侵入し、この侵入した接着剤によって中間材が既存外壁に接着される。このため、中間材を容易に既存外壁に固着させることができる。
【0016】
この中間材は、裏面に多数の突起を有したシートであってもよい。このシートは軽量、安価である。このシートを中間材として用いた場合、シートの前面に合成繊維のネットを設けるのが好ましい。この合成繊維のネットは、引張弾性率が著しく高いので、タイルを張ったときにタイル重量によりシートが垂れることが確実に防止される。
【0017】
本発明では、中間材はハニカムシート又は通気溝付きの発泡断熱材であってもよい。このハニカムシートは比較的安価である発泡断熱材を用いることにより、外壁の断熱性が著しく向上する。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施の形態に係る既存外壁の改修方法及び構造の一例を示す分解斜視図、図2,3はこの工程を示す斜視図、図4はこの既存外壁の改修構造の縦断面図である。
【0019】
この実施の形態では、既存外壁1は、柱2、間柱3に取り付けられた外装板4にて構成されている。ただし、既存外壁はコンクリート壁、サイディング壁、モルタル吹付壁など各種のもののいずれでもよい。
【0020】
図2(a)の通り、この既存外壁1に対し、中間材として、開口5a及び突起5b付きシート5をステープル、釘、両面テープ等で留め付ける。このシート5はポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂製のものであり、厚さは5〜20mm程度のものが好適である。このシート5の開口5aの直径は5〜20mm程度が好適であり、配列ピッチは30〜100mm程度が好適である。突起5bの高さは5〜20mm、直径は5〜20mm程度が好適である。
【0021】
このシート5の前面に、図2(b)のように、合成繊維製のネット6を重ね合わせ、ワッシャー7及びビス8によって該ネット6を既存外壁1に固定する。なお、このビス8は柱2又は間柱3に螺じ込まれる。ネット6の目開きは5〜20mm程度が好適である。
【0022】
次に、図3のように、このネット6を塗り込めるようにしてタイル接着用の弾性接着剤9を塗着する。この弾性接着剤9としては、変性エポキシ系あるいは変性シリコン系接着剤等を用いることができる。
【0023】
この弾性接着剤9の一部は、前記開口5aを通ってシート5の裏側に染み出し、シート5と既存外壁1との間に入り込み、シート5を既存外壁1に接着する作用を働く。
【0024】
その後、この弾性接着剤層の上にタイル10を押し当てて接着する。その後、必要に応じ目地詰めする。
【0025】
このようにして改修された外壁は、美麗なタイル壁であり、しかも内部には突起5bによって通気層が形成されており、結露が防止される。
【0026】
また、施工に際しては、シート5はステープルや両面テープ等で仮留めするだけでよく施工作業が簡単である。そして、施工後は、シート5はその裏側に染み出した接着剤9によってしっかりと既存外壁1に固着される。
【0027】
本発明では、ネット6はシート5に対し予め一体化されていてもよい。このように構成することにより、ネット6を付設する作業が不要となり、施工が一層容易となる。また、ネット6に皺が寄ったり、ネット6がシート5から剥離したりすることが防止される。
【0028】
本発明で用いることができる中間材の他の例を図5,6に示す。
【0029】
図5の中間材はハニカムシート11であり、1対のシート12,12をリブ13で結合したハニカム構造を有する。各リブ13は平行方向に延在しており、これにより該ハニカムシート11内には縦方向に連続して延在した通気空間14が形成されている。
【0030】
このハニカムシート11の表裏を連通するように開口15が設けられている。開口15は、シート12,12に互いに重なり合う位置関係にて設けられている。従って、ハニカムシート11の一方の面に接着剤を塗着すると、この接着剤が開口15,15を通ってハニカムシート11の他方の面に染み出し、ハニカムシート11が既存外壁に接着される。
【0031】
図6の中間材は、通気溝付き発泡断熱材20である。この発泡断熱材としては発泡ポリエチレン、発泡スチレン等が好適である。
【0032】
この発泡断熱材20の裏面には縦方向に複数の通気溝21が設けられている。この通気溝21,21同士の間の凸条部分23に、発泡断熱材を厚み方向に貫通する開口22が設けられている。この発泡断熱材20の裏面を既存外壁に当てて仮留めし、表側に接着剤を塗着すると、この接着剤が開口22を通って裏側に染み出し、発泡断熱材20が既存外壁に接着される。
【0033】
この図6の中間材は、発泡断熱材よりなるため、断熱性に優れると共に、中間材自体の剛性も高いので、合成繊維ネットを用いることなくタイルの張り付けを行うことができる。
【0034】
上記実施の形態はいずれも本発明の一例であり、本発明は図示以外の形態をもとりうる。例えば、ネット6はシート5に予め振動溶着等によって付着されていてもよい。
【0035】
【発明の効果】
以上の通り、本発明の既存外壁の改修方法によると、既存外壁を短い工期で容易に美麗なタイル張り壁面に改修することができる。本発明の改修方法及び構造によると、改修に伴う厚み増加が小さい。
【0036】
本発明によると、既存外壁に容易に且つしっかりと取り付けることができるタイル取付用中間材が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態を示す分解斜視図である。
【図2】図1の工法の説明図である。
【図3】図1の工法の説明図である。
【図4】図1の改修構造の縦断面図である。
【図5】(a)図は中間材の他の例を示す斜視図、(b)図は(a)図のB−B線断面図である。
【図6】(a)図は中間材のさらに他の例を示す斜視図、(b)図は(a)図のB−B線断面図である。
【符号の説明】
1 既存外壁
5 シート
5a 開口
5b 突起
6 ネット
10 タイル
11 ハニカムシート
15 開口
20 通気溝付き発泡断熱材
22 開口
Claims (13)
- 既存外壁をタイル張りにより改修する方法であって、
通気空間を有したタイル取付用中間材を該既存外壁に取り付け、
接着剤によって該中間材にタイル張りする既存外壁の改修方法において、
該中間材の表裏を連通する開口が該中間材に設けられており、
前記接着剤の一部を該開口を通って中間材と既存外壁との間に入り込ませ、この接着剤によって中間材を既存外壁に接着することを特徴とする既存外壁の改修方法。 - 請求項1において、前記中間材は裏面に多数の突起を有したシートであることを特徴とする既存外壁の改修方法。
- 請求項2において、前記シートの前面に合成繊維のネットを設けることを特徴とする既存外壁の改修方法。
- 請求項3において、該ネットは該シートに予め一体化されていることを特徴とする既存外壁の改修方法。
- 請求項1において、前記中間材はハニカムシートであることを特徴とする既存外壁の改修方法。
- 請求項1において、前記中間材は通気溝付きの発泡断熱材であることを特徴とする既存外壁の改修方法。
- 請求項1ないし6のいずれか1項の方法により改修された既存外壁の改修構造。
- 既存外壁をタイル張りにより改修するために該既存外壁に取り付けられ、接着剤によって前面にタイルが張り付けられる、通気空間を有したタイル取付用中間材であって、
該中間材の表裏を連通する開口が設けられており、
前記接着剤の一部が該開口を通って中間材と既存外壁との間に入り込むことにより、該接着剤によって該既存外壁に接着されることを特徴とするタイル取付用中間材。 - 請求項8において、裏面に多数の突起を有したシートよりなることを特徴とするタイル取付用中間材。
- 請求項9において、該シートの前面に合成繊維のネットが設けられることを特徴とするタイル取付用中間材。
- 請求項10において、該ネットは該シートに予め一体化されていることを特徴とするタイル取付用中間材。
- 請求項8において、ハニカムシートよりなることを特徴とするタイル取付用中間材。
- 請求項8において、通気溝付きの発泡断熱材よりなることを特徴とするタイル取付用中間材。
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JP2003192990A JP2005029966A (ja) | 2003-07-07 | 2003-07-07 | 既存外壁の改修方法及び構造並びにタイル取付用中間材 |
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