JP2005029942A

JP2005029942A - 横編機の選針ドラムおよびそれに用いる選針ピン

Info

Publication number: JP2005029942A
Application number: JP2003272950A
Authority: JP
Inventors: Shunji Sakagami; 俊二坂上
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 2003-07-10
Filing date: 2003-07-10
Publication date: 2005-02-03

Abstract

【課題】針に対してジャックを取り替えたりすることなくゴム編み部分のリブ形状を切り替えることのできる横編機のおよび選針ピンを提供する。
【解決手段】選針ドラム１は、ドラム周方向の周方向溝と、周方向溝と交差するドラム軸心Ｓ方向の軸方向溝Ｋとをそれぞれ複数条形成するとともに、コントロールジャック１７と摺接して針１５を選択的に駆動させる選針ピン１０を軸方向溝Ｋに着脱可能に装着したものにおいて、選針ピン１０は、ジャック１６をゴム糸装入動作時の横編機Ｊのゴム山カムと係合させて針１５を駆動する高さの高台部、または、高台部よりも低位置に配置されていてコントロールジャック１７と摺接してもジャック１６をゴム山カムと係合させない深さの凹部１２、のいずれかが形成されている。
【選択図】図１

Description

本発明は、例えば靴下や手袋の製造に用いられる横編機において多数の針を選択的に駆動する選針ドラムおよびそれに用いる選針ピンに関するものである。

この種の横編機の概略を図５〜図７を参照して説明する。図に示した横編機Ｊは、針床１４に並列する多数の編針１５と、その配列方向に走行するキャリッジを備えている。キャリッジは、前キャリッジ（図示省略）と後キャリッジ２２（図７）とが側面から見て笠形状に配置されている。各編針１５の連結部１５ａは各ジャック１６の連結部１６ａと連結されている。各ジャック１６にはそれぞれバット１６ｂが設けられている。各ジャック１６は、コントロールジャック１７を介して配置された選針ドラム５１外周の凸凹に対応して上下する。ジャック１６の上昇に伴って針床１４から突出したバット１６ｂがキャリッジ裏面の編成カム２４と係合して、駆動する編針１５が選ばれ、その編針１５により編成動作が行われるようになっている。コントロールジャック１７は針床１４の末端側に設けられた枢支軸１８に揺動自在に軸支されており、コイルバネ１９により選針ドラム５１に向けて（図５中の矢印２０の反対方向）常に付勢されている。

選針ドラム５１は、横編機Ｊの軸受部（図示省略）に回転可能に支持される軸４を有するドラム本体２の外周面３に、碁盤目状の多数の突起７，７，７，・・・が互いに離間して立設されている。これらの突起７，７，７，・・・間の隙間により、ドラム周方向（矢印Ｑ方向）の周方向溝Ｌ，Ｌ，Ｌ，・・・と、これらの周方向溝Ｌ，Ｌ，Ｌ，・・・と直角に交差するドラム軸心Ｓに沿った方向（矢印Ｐ方向）の軸方向溝Ｋ，Ｋ，Ｋ，・・・とがそれぞれ複数条形成される。周方向溝Ｌ，Ｌ，Ｌ，・・・は、コントロールジャック１７の摺動突部１７ａをドラム本体２の回転に伴ってドラム周方向に案内するようになっている。軸方向溝Ｋ，Ｋ，Ｋ，・・・は、選針ピン６０を着脱可能に保持できる形状・寸法に形成されている。軸方向溝Ｋに装着された選針ピン６０はコントロールジャック１７の摺動突部１７ａと接してコントロールジャック１７を図５中の矢印２１方向に揺動させることによりジャック１６のバット１６ｂを針床１４から突出させて、対応する針１５を選択的に駆動させるようになっている。すなわち、選針ドラム５１外周の凸凹パターンを選針ピン６０の装着位置および選針ピン６０の長さで適宜設定することにより、靴下や手袋の部位に応じてリブの間隔を変えるようにしている。

一方、キャリッジの裏面には、針床１４から突出したジャック１６のバット１６ｂに係合して編針１５を駆動し、その針先１５ｂにゴム糸を掛けてタック動作させるジャック用ゴム山カム２３も設けられている。このゴム山カム２３は、手袋の手挿入口や靴下の履き口を構成するゴム編み部分の編成時にゴム糸を装入するために使用されるが、ゴム糸装入の際にキャリッジ２２の基台から編成カム２４よりも低い中途高さまで突出され、ゴム糸装入時以外には基台内に没するように制御される。ゴム糸装入は、基台から突出したゴム山カム２３にジャック１６のバット１６ｂが摺接することにより針１５を駆動しタック動作させて行なわれる。この場合、ジャック１６はバット１６ｂの長いものと短いものが用意されている。ゴム山カム２３がキャリッジ２２の基台から突出している場合、コントロールジャック１７により選ばれたバット１６ｂの長いジャック１６はゴム山カム２３と係合して針１５を駆動しタック動作をさせる。このときのバット１６ｂの通過経路を図７中の一点差線２５で示している。一方、バット１６ｂの短いジャック１６は選ばれてもゴム山カム２３と係合せず針１５にタック動作をさせない。すなわち、ゴム編み部分のリブ形状はバット１６ｂの長いジャック１６とバット１６ｂの短いジャック１６の並列順で決定される。

このような選針ドラムを備えた横編機は下記の特許文献１に開示されている。
特開２０００−５４２４５号公報（図２）

ところで、前記した横編機Ｊにおいて、ゴム編み部分のリブ形状を切り替える際には、針１５とジャック１６を針床１４から取り出して分解し、バット長の異なるジャック１６に取り替えたり、あるいはジャック１６の並び順を変更した後に、再び針床１４に戻さなければならない。

このようなジャックの交換作業は非常に煩わしく、多大な手間がかかる。また、ジャック１６の並び順に間違いを生じることもある。そのうえ、バット長の異なる２種類のジャック１６を用意しなければならないことから、ジャック１６の在庫管理に手間とコストがかかるといった問題もある。

本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであって、針に対してジャックを取り替えたり並べ替えたりすることなくゴム編み部分のリブ形状を切り替えることのできる横編機の選針ドラムおよびそれに用いる選針ピンの提供を目的とするものである。

上記目的を達成するために、本発明に係る横編機の選針ドラムは、回転可能に支持されたドラム本体の外周に、横編機の針床の針とジャックを介して連結されたコントロールジャックを案内するドラム周方向の周方向溝と、該周方向溝と交差するドラム軸心方向の軸方向溝とをそれぞれ複数条形成するとともに、コントロールジャックと摺接して針を選択的に駆動させる選針ピンを前記軸方向溝に着脱可能に装着してなる選針ドラムにおいて、前記選針ピンは、軸方向溝に装着された状態で周方向溝と交差する位置のピン上面に、コントロールジャックと摺接することによりジャックをゴム糸装入動作時の横編機のゴム山カムと係合させて針を駆動する高さの高台部、または、該高台部よりも低位置に配置されていてコントロールジャックと摺接してもジャックを前記ゴム山カムと係合させない深さの凹部、のいずれかが形成されているものである。

また、本発明に係る選針ピンは、横編機の針床の針とジャックを介して連結されたコントロールジャックを案内するドラム周方向の周方向溝を有する選針ドラムの外周に複数条形成されたドラム軸心方向の軸方向溝に着脱可能に装着され、コントロールジャックと摺接して針を選択的に駆動させる選針ピンにおいて、軸方向溝に装着された状態で周方向溝と交差する位置のピン上面に、コントロールジャックと摺接することによりジャックをゴム糸装入動作時の横編機のゴム山カムと係合させて針を駆動する高さの高台部、または、該高台部よりも低位置に配置されていてコントロールジャックと摺接してもジャックを前記ゴム山カムと係合させない深さの凹部、のいずれかが形成されているものである。

本発明に係る横編機の選針ドラムによれば、選針ピンにおける高台部または凹部の形成位置および軸方向溝への選針ピンの配置順を適宜選定することにより、ゴム糸装入のためにタックすべき選針を選針ドラムの選針ピンで行なうようにしたので、編み物の編成途中でゴム編み部分のリブ形状を切り替えるに際して、ジャックの取り外し・交換をする必要がない。そのため、ジャック交換作業の煩わしさや多大な手間を解消することができる。また、一種類のバット長のジャックだけで済むので、ジャックの在庫管理に係る手間とコストも格段に軽減される。そして、選針ピンの高台部や凹部は棒状の原料ピン体の所定位置を研削するなどして形成すればよいので、製作が極めて容易で安価に提供される。

そして、軸方向溝を持つ汎用のドラム本体であれば、本発明の選針ピンと組み合わせることにより、そのまま本発明の選針ドラムとして使用することができる。

本発明の最良の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下に述べる実施形態は本発明を具体化した一例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものでない。ここに、図１は本発明の一実施形態に係る選針ドラムおよび一般的な横編機の一部断面を含む側面図である。但し、図５〜図７に示した従来の選針ドラム５１および一般的な横編機Ｊと同一の構成要素には、同一の符号を付すとともにその詳細な説明を省略することがある。

図において、この実施形態に係る選針ドラム１は従来の選針ドラム５１と大部分の構成を同じくしており、横編機Ｊに配備されている。そして、選針ドラム１の構成で選針ドラム５１と異なるところは、丸棒状の選針ピン６０に替えて、後述する高台部１３や凹部１２を有する選針ピン１０が使用されていることと、全ての軸方向溝Ｋ（Ｋ１〜Ｋｍ）にそれぞれ選針ピン１０が着脱可能に装着されていることである。選針ピン１０は軸方向溝Ｋ全体を埋める寸法の棒状体として形成されている。横編機Ｊの針床１４に装着されているジャック１６，１６，１６，・・・は、バット１６ｂの長さが同じもの（この例では、従来よりも長いもの）１種類を使用してある。

ここで、選針ピン１０の例を２つ示す。まず、図２に示す選針ピン１０（ａ）は、ピン長手方向に所定間隔でｎ個（針数と同じ）の凹部１２，１２，１２，・・・がピン上面１１から陥没して形成されている。この選針ピン１０（ａ）は下面からピン上面１１までの高さがＨの棒状体であり、ピン上面１１よりも低い凹部１２までの深さはＤとなっている。一方、図３に示した選針ピン１０（ｂ）は、ピン長手方向に所定間隔で１０個の高台部１３，１３，１３，・・・が設けられ、それらに続いてｎ−１０個の凹部１２，１２，１２，・・・が設けられている。高台部１３はピン上面１１と同じ高さＨで面一に形成されている。

続いて、種々の選針ピン１０，１０，１０，・・・をドラム本体２の軸方向溝Ｋ１〜Ｋｍに装着した選針ドラム１を図４に示す。尚、理解を容易にするために、図４は選針ドラムの外周面を平面に展開した状態で示している。因みに、前出の選針ピン１０（ａ）は、例えば軸方向溝Ｋ３に装着保持されている。また、選針ピン１０（ｂ）は、例えば軸方向溝Ｋ１２に装着保持されている。図４中では高台部１３の位置を明確にするため、その位置に「・」を付してある。図４から判るように、高台部１３と凹部１２は、選針ピン１０が各軸方向溝Ｋ１，Ｋ２，Ｋ３，・・・に装着された状態で各周方向溝Ｌ１，Ｌ２，Ｌ３，・・・と交差する位置のピン上面１１に形成されている。すなわち、高台部１３または凹部１２を設ける所定間隔は、隣合った周方向溝Ｌ，Ｌ間のピッチと等しくしてある。

因みに、図４に示したような、選針ピン１０における高台部１３と凹部１２の形成位置の選定、および軸方向溝Ｋ１〜Ｋｍへの選針ピン１０の配置順は、５本指袋付きの手袋編成用の一部を示したものである。

この例において、高台部１３の高さＨは、キャリッジのゴム山カム２３がキャリッジ基台から突出している状態（ゴム糸装入モード）でコントロールジャック１７の摺動突部１７ａが高台部１３に接したときに、ジャック１６のバット１６ｂがゴム山カム２３と係合して針１５を駆動させる高さに設定されている。一方、凹部１２の深さＤは、前記したゴム糸装入モードのときにコントロールジャック１７の摺動突部１７ａが凹部１２に接してもジャック１６のバット１６ｂがゴム山カム２３と係合することなく針１５を駆動させない高さ（または深さＤ）に設定されている。

上記した構成の横編機Ｊの選針ドラム１において、軸方向溝Ｋごとにそれぞれ実行されるコース数はコントローラにおいて予め設定されている。

そこで、編成に関与する選針ピン１０が、例えば軸方向溝Ｋ３の選針ピン１０（ａ）であるとすると、全て（ｎ個）のコントロールジャック１７，１７，１７，・・・の摺動突部１７ａ，１７ａ，１７ａ，・・・はｎ個の凹部１２，１２，１２，・・・上にそれぞれ接している。この状態において、全てのジャック１６，１６，１６，・・・のバット１６ｂ，１６ｂ，１６ｂ，・・・は針床１４からわずかに突出しているだけであってキャリッジのゴム山カム２３と係合しない。従って、ゴム山カム２３通過時に全ての針１５，１５，１５，・・・は駆動されない。

次に、ドラム本体２が回転して一溝ぶん進むと、コントロールジャック１７が軸方向溝Ｋ４の選針ピン１０と対面し、ｎ−２個の高台部１３，１３，１３，１３，・・・に摺動突部１７ａ，１７ａ，１７ａ，・・・が乗り上げてコントロールジャック１７，１７，１７，・・・を揺動（図１の矢印２１方向）させ、バット１６ｂ，１６ｂ，１６ｂ，・・・を針床１４から大きく突出させる。針床１４から突出したバット１６ｂ，１６ｂ，１６ｂ，・・・は走行するキャリッジのゴム山カム２３と順次係合し、対応する針１５，１５，１５，・・・を駆動させる。これにより、ゴム糸が装入され引続きタック動作が行なわれる。一方、残り２個の摺動突部１７ａ，１７ａは凹部１２，１２上に接しているため、バット１６ｂ，１６ｂはゴム山カム２３と係合せず、これらに対応する針１５，１５はゴム糸装入を行なわない。

このようにドラム本体２が回転して一溝進む毎に、その軸方向溝Ｋの選針ピン１０に高台部１３が存在すれば、その高台部１３に摺動突部１７ａが接してコントロールジャック１７を矢印２１方向（図１）に揺動させ、対応する針１５でゴム糸装入動作をさせるのである。

上記したように、選針ドラム１では、ゴム糸装入のためにタックすべき選針を選針ドラム１の選針ピン１０で行なうようにしたので、編み物の編成途中でゴム編み部分のリブ形状を切り替える際に、ジャック１６の交換をする必要がない。そのため、ジャック交換作業の煩わしさや多大な手間を解消することができる。また、一種類のバット長のジャック１６だけで済むから、ジャック１６の在庫管理の手間とコストも格段に軽減される。また、選針ピン１０は棒状の原料ピン体のピン上面１１をそのまま残せば高台部１３として用い得るし、凹部１２は原料ピン体の所定位置を研削して形成すればよいので、製作が極めて容易で安価に提供される。そのうえ、汎用のドラム本体２の軸方向溝Ｋに対しそのまま用いることができる。

一方で、手袋の各指袋部分のパターン（ピン数）を１〜２ずつ減らし、減らしたパターンを、新たに追加しようとするゴム編み部分のパターン用に充当するといったことも可能である。このようにすると、よりいっそう多様なリブ形状のゴム編み部分を形成でき、様々なデザインと締め具合を提供することができる。このように、選針ピン１０における高台部１３と凹部１２の形成位置および軸方向溝Ｋ１〜Ｋｍへの選針ピン１０の配置順を適宜選定することにより、多様な編み物製品の編成状態に対応することができる。

尚、上記の実施形態では、高台部を選針ピンのピン上面と面一に形成したが、高台部の高さが、コントロールジャックと摺接して対応する針を駆動させる高さに設定されていれば、必ずしもピン上面と面一でなくてよい。

また、上記では、ドラム本体の全ての軸方向溝に選針ピンを装着した選針ドラムを例示したが、一部の軸方向溝に選針ピンを装着していない選針ドラムであっても、本発明の機能は十分に発揮し得る。

本発明の一実施形態に係る選針ドラムおよび一般的な横編機の一部断面を含む側面図である。前記選針ドラムに用いる選針ピンの一例を示す図であって、（ａ）は一部破断した正面図、（ｂ）は（ａ）におけるＡ−Ａ線矢視断面図、（ｃ）は（ａ）におけるＢ−Ｂ線矢視図である。前記選針ドラムに用いる選針ピンの別例を示す図であって、（ａ）は一部破断した正面図、（ｂ）は（ａ）におけるＣ−Ｃ線矢視断面図である。選針ピンを装着した選針ドラムの外周面を平面に展開した状態の説明図である。従来の選針ドラムおよび一般的な横編機の一部断面を含む側面図である。前記従来の選針ドラムの一部略記した斜視図である。一般的な横編機の後キャリッジを示す底面図である。

符号の説明

１選針ドラム
２ドラム本体
３外周面
４軸
１０，１０（ａ），１０（ｂ）選針ピン
１１ピン上面
１２凹部
１３高台部
１４針床
１５針
１６ジャック
１６ｂバット
１７コントロールジャック
１７ａ摺動突部
Ｄ深さ
Ｈ高さ
Ｊ横編機
Ｋ軸方向溝
Ｌ周方向溝
Ｐ，Ｑ矢印
Ｓドラム軸心

Claims

回転可能に支持されたドラム本体の外周に、横編機の針床の針とジャックを介して連結されたコントロールジャックを案内するドラム周方向の周方向溝と、該周方向溝と交差するドラム軸心方向の軸方向溝とをそれぞれ複数条形成するとともに、コントロールジャックと摺接して針を選択的に駆動させる選針ピンを前記軸方向溝に着脱可能に装着してなる選針ドラムにおいて、前記選針ピンは、軸方向溝に装着された状態で周方向溝と交差する位置のピン上面に、コントロールジャックと摺接することによりジャックをゴム糸装入動作時の横編機のゴム山カムと係合させて針を駆動する高さの高台部、または、該高台部よりも低位置に配置されていてコントロールジャックと摺接してもジャックを前記ゴム山カムと係合させない深さの凹部、のいずれかが形成されていることを特徴とする横編機の選針ドラム。
横編機の針床の針とジャックを介して連結されたコントロールジャックを案内するドラム周方向の周方向溝を有する選針ドラムの外周に複数条形成されたドラム軸心方向の軸方向溝に着脱可能に装着され、コントロールジャックと摺接して針を選択的に駆動させる選針ピンにおいて、軸方向溝に装着された状態で周方向溝と交差する位置のピン上面に、コントロールジャックと摺接することによりジャックをゴム糸装入動作時の横編機のゴム山カムと係合させて針を駆動する高さの高台部、または、該高台部よりも低位置に配置されていてコントロールジャックと摺接してもジャックを前記ゴム山カムと係合させない深さの凹部、のいずれかが形成されていることを特徴とする横編機の選針ドラムに用いる選針ピン。