JP2005028507A - 研磨具 - Google Patents

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Abstract

【課題】使用する部品点数が少なく、製造が容易であるとともに十分な強度を保ち、長寿命化および高い安全性を確保し、しかも斜めに傾けた研磨作業を行う場合の作業性、の向上を図る。
【解決手段】ダブルサンダー等の研磨装置SWの回転軸Sに、回転体2に固着された被回転軸11をねじ込んで回転体2を連結する。回転体2の底面中心部に内側弾性体3を装着し、その内側弾性体3の外側に所定の隙間21をあけて内側弾性体3を包囲するようにより硬度の高いリング状の外側弾性体4を装着する。内側弾性体3および外側弾性体4の底面に環状の凹溝31および放射方向に沿う複数のV溝を有する研磨材保持体5を装着する。研磨材保持体5に面ファスナ6を介してペーパー状の研磨材7を貼付ける。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、研磨材を回転駆動または往復駆動させることで被研磨体を所要の形状に研磨する研磨具に係わり、殊に車両ボディの板金修理や各種金属部材の表面補修等に用いて好適な研磨具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両ボディの傷や凹み等を修理する際には、まずダブルサンダーと称される研磨装置を用いてフェザーエッチ作業を行ってからパテを塗り、このパテの部分をストレートサンダー、ダブルサンダー、オービタルサンダー等の研磨装置を用いて所要の形状に研磨する。そしてサーフェーサを塗布した後、サーフェーサの研磨を行って、上塗り前処理、上塗り塗装、乾燥、磨きの順に作業を進める。要するに、研磨作業としては、フェザーエッチ作業、パテ研磨作業、サーフェーサ研磨作業、上塗り前処理作業の順に分類することができる。
例えばダブルサンダーは、ペーパー状の研磨材を保持するパッドを回転させるもので、上述の各々の作業目的に即した研磨機材とはなっておらず、作業者の技量に任せるものであり、使用に際し作業者の経験と勘が重要となっているのが実情である。ダブルサンダーの機械本体は、出力回転数、オービット目およびある程度の重量が設定されており、パッド(すなわち研磨具)とペーパー状の研磨材の整合性により機能性を最大限に発揮するというものである。すなわち出力回転数が高くなる程、またオービット目が大きくなる程に研磨率は大きく、かつ重量が重くなる程に作業者の負担は大きいが研磨率も大きくなる。また、研磨材の粒度も研磨率に影響する。
【0003】
一般的なダブルサンダーは、図15に示すように、例えば高圧空気の供給で回転する研磨装置SWの回転機構(図示せず)の回転軸Sの内部に形成された雌ねじにパッド101の被回転軸102の雄ねじを螺着して使用し得るように構成されている。すなわちパッド101は、図16に示すように、回転機構の回転軸Sに螺合される被回転軸102を有し、例えばFRP、SUS等からなる回転体103と、この回転体103に装着(接着)した、例えばゴムスポンジ等からなる弾性体104と、この弾性体104の底面に面ファスナ(ベルクロマジック、またはマジックファスナー(登録商標)とも称される)105を介して接合したペーパー状の研磨材106とを備えてなる。
このパッド101を使用する場合、図17に示すように、例えば金属表面に塗布したパテPが凹凸状に波打っていたりすると、作業者が加える押圧力により弾性体104がパテPの凹凸に伴ってある程度の収縮変形(すなわち硬度に比例した収縮変形)を繰返しながら回転することでパテPを研磨していく。
【0004】
ここで弾性体104は、一般に装着面側となる上面よりも研磨面側となる底面の面積の方が大きいテーパ状をなしており、このため弾性体104の底面のエッジ側は、図16中のAに示すように若干鋭角となり、図17中のBに示すように外側に撓むことが可能となっている。しかし、弾性体104のエッジ部分の角度をより鋭角にして可撓性の自由度を増すことには研磨性の観点、すなわち十分な押圧力とともに効率よく、かつ作業性よく研磨するという観点から限界があり、したがってこのエッジ部分の撓む大きさはあまり大きくすることができない。
このことはダブルサンダーを斜めに傾けて弾性体104のエッジ部分を撓ませることで研磨材106の縁側に押圧力を集中させながら行う研磨作業では、可撓部分を大きくすることができないため研磨面積を大きくすることができず、作業性に劣るという欠点がある。また、弾性体104のエッジ部分を大きく撓めることを可能とするように構成したとしても、可撓部分の安定性が低いため、作業者による押圧力の調整および傾斜角度の調整には困難を伴い熟練を要するという欠点がある。
このため、本発明に係る発明者は、斜めに傾けての研磨作業の作業性を向上させる研磨具を先に提案した(後記特許文献1:特開2001−219379号)。この先願に係る研磨具は、ダブルサンダーの回転軸に装着される保持板と、ペーパー状の研磨材を保持する可動基板部と保持板との間に硬質スポンジとコイルスプリングから成る弾性部材を介挿した構成となっている(特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−219379号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち、従来においては、弾性体104の底面のエッジ側が若干鋭角となり、外側に撓むことが可能となっているが、弾性体104のエッジ部分を大きく撓めることを可能とするように構成したとしても、可撓部分の安定性が低いため、作業者による押圧力の調整および傾斜角度の調整には困難を伴い熟練を要するという問題があった。
このため、特許文献1に示す研磨具を提案したものであるが、弾性部材をスポンジとコイルスプリングから構成されたものであるため、製造工数が多く、生産性の観点から好ましくないという欠点がある。また、予めコイルスプリングに対し複数の硬質スポンジを一体成形するものであるとしても、硬質スポンジの径は比較的小さく、このため硬質スポンジの強度に対する信頼性が低い。したがって研磨作業に伴って撓みながら回転する弾性部材の変形が高速に繰り返された場合、硬質スポンジの根元が破損し弾性部材から分離してしまう可能性が非常に高いであろうことが容易に予想される。硬質スポンジが破損した場合、弾性部材に加わる応力のバランスが崩れ非常に扱い難いものとなり、作業者に危険をも与え兼ねないという問題がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、平面研磨作業は、勿論のこと、凹面部や角部などの研磨において斜めに傾けてのなだらかな研磨作業が容易であり熟練を要することなく、かつ製造が容易であるとともに強度的にも十分な耐久性があり、これにより長寿命化および高い安全性を確保することができる研磨具を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載した本発明に係わる研磨具は、円盤状を呈する内側弾性体と、上記内側弾性体よりも硬度が高い素材からなり、当該内側弾性体に対し、同心円状に所定の隙間を介しその外周を包囲するように前記回転円盤に装着される円環状の外側弾性体と、上記内側弾性体と上記外側弾性体との隙間に対応する位置に形成された環状の溝を境に折曲可能であり、かつ当該環状の溝より外側の部分に前記回転中心より複数の放射方向に沿ように形成された複数の放射状の溝をもって複数に区画され、該複数の区画部分の隣同士が互いに当該放射状の溝および上記環状の溝を境に折曲可能であり、底面側に研磨材を離脱可能に保持する研磨材保持体とを備え、上記内側弾性体及び上記外側弾性体に対し上記研磨材保持体を一体的に接合してなることを特徴とする。
請求項2に記載した本発明に係わる研磨具は、上記内側弾性体および上記外側弾性体は、複数の所要形状の切り抜き穴もしくは溝を有することを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載した本発明に係わる研磨具は、円盤状を呈する複数の所要形状の切り抜き穴もしくは溝を有する弾性体と、回転中心より外側の所要の位置に形成した環状の溝を有するとともに、当該環状の溝より外側に前記回転中心より複数の放射方向に沿うように形成された複数の放射状の溝を有し、上記環状の溝および放射状の溝により複数に区画された複数の区画部分を構成し、当該各区画部分が上記環状の溝および放射状の溝の部分を境に折曲可能であり、かつ底面側に研磨材を保持する研磨材保持体とを備え、上記弾性体に対し上記研磨材保持体を一体的に接合してなることを特徴とする。
請求項4に記載した本発明に係わる研磨具は、円盤状を呈する複数の所要形状の切り抜き穴もしくは溝を有する弾性体と、一方の面に、回転中心、または回転中心の所要径の開口もしくは集塵穴から所要角度毎の複数の放射状の溝を有し、かつ底面側に研磨材を離脱可能に保持する研磨材保持体とを備え、上記弾性体に対し上記研磨材保持体を接合してなることを特徴とする。
請求項5に記載した本発明に係わる研磨具は、上記研磨材保持体の放射状の複数の溝は、上記回転中心、または当該回転中心の所要径の上記開口もしくは集塵穴から外方に向けて約10°毎の間隔で形成されてなることを特徴とする。
【0009】
請求項6に記載の本発明に係わる研磨具は、上記内側弾性体及び上記外側弾性体または上記弾性体は、電力もしくは圧縮空気の供給で回転する研磨装置の回転体に対し装着してなることを特徴とする。
請求項7に記載の本発明に係わる研磨具は、上記弾性体の上記切り抜き穴もしくは溝は、上記回転中心より複数の放射状に伸びる幅広の穴もしくは、溝に形成されてなることを特徴とする。
請求項8に記載の本発明に係わる研磨具は、複数の所要形状の切り抜き穴もしくは溝を有する矩形状弾性体と、一方の面に、長手方向の往復移動方向に沿って形成した複数の各溝を有するとともに当該溝を境に折曲可能であり、上記一方の面または他方の面側に研磨材を離脱可能に保持する矩形状研磨材保持体とを備え、上記矩形状弾性体に対し上記矩形状研磨材保持体を一体的に接合してなることを特徴とする。
請求項9に記載の本発明に係わる研磨具は、上記矩形状弾性体は、電力もしくは圧縮空気の供給により、または手動操作により往復移動する矩形状往復移動体に対し装着してなることを特徴とする。
【0010】
請求項10に記載の本発明に係わる研磨具は、上記矩形状弾性体の切り抜き穴もしくは溝は、複数に分岐する所謂枝別れ状の形状を有して当該矩形状弾性体の長手方向に沿って形成されていることを特徴とする。
請求項11に記載の本発明に係わる研磨具は、上記内側弾性体および上記外側弾性体、上記弾性体または上記矩形状弾性体は、所要の位置に集塵穴を有することを特徴とする。
請求項12に記載の本発明に係わる研磨具は、上記内側及び外側弾性体、上記弾性体または上記矩形状弾性体は、ゴム材、ゴムスポンジ、もしくはウレタン圧縮スポンジの何れかからなることを特徴とする。
請求項13に記載の本発明に係わる研磨具は、上記研磨材保持体または上記矩形状研磨材保持体は、所要の位置に集塵穴を有することを特徴とする。
請求項14に記載の本発明に係わる研磨具は、上記研磨材保持体または矩形状研磨材保持体は、上記溝が凹溝あるいはV溝であることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図1乃至図5を参照し本発明の第1の実施の形態に係わる研磨具について説明する。図1において符号1は、研磨具であり、電力もしくは圧縮空気の供給で回転する図示しない回転機構を備えた研磨装置(例えばシングルサンダーまたはダブルサンダー等)SWの回転軸Sに被回転軸11が着脱可能に装着されて回転機構の回転とともに回転(ダブルサンダーにおいては偏心回転)する回転体2と、回転体2の底面側にその回転中心と中心を一致させて装着した円盤状の内側弾性体3と、回転体2の底面の外方側に内側弾性体3と略同一の厚さを有し、且つ同心円上に所定の隙間を介しその外周を包囲するように回転体2に接着その他の手段により装着された、例えば短円筒状(穴開き円盤状)の外側弾性体4と、内側弾性体3および外側弾性体4の底面に装着された円盤状の研磨材保持体5と、研磨材保持体5に接着、螺着等の手段により、貼着した面ファスナ(ベルクロマジックまたはマジックファスナー(登録商標)と称される)6と、面ファスナ6に貼着されたペーパー状の、例えばサンドペーパーあるいはレザーシートなどからなる研磨材7とを備えて構成されている。
【0012】
回転体2は、例えばPVC、FRP、もしくはSUS等からなり、例えば図1〜図3において、上面側の中心から垂直上方に突出する装着用の被回転軸11を有し、かつ所要の肉厚を有する円盤状に構成されている。被回転軸11は、研磨装置SWの回転軸Sに着脱可能に装着するため、回転軸Sの構成に対応して、例えば雄ねじ状、あるいは雌ねじ状、もしくはその他の所要の着脱可能の装着技術を用いて構成されているものとする。
内側弾性体3は、図3および図4にも示すように、例えば硬度0〜10(ASKER硬度。硬度0とは、測定不能なものを含む)等のゴムスポンジ等からなり、肉厚が例えば2mm〜10mm程度の厚肉の円盤状の部材に構成され、例えば接着剤、面ファスナ(ベルクロマジック)、もしくは底面側に形成した円筒状の座繰り穴にワッシャ等を介しねじ止めを行う等により回転体2の底面の中心に装着されている。
外側弾性体4は、図3および図4にも示すように、例えば硬度0〜26(ASKER)等のゴムスポンジ(例えばウレタン圧縮スポンジ)等からなり、内側弾性体3の肉厚と略等しい肉厚を有する短円筒状に形成され、同じく例えば接着剤、面ファスナ(ベルクロマジック)、もしくは底面側に形成した円筒状の有底穴にワッシャ等を介しねじ止めを行う等により回転体2の底面の周辺側に内側弾性体3に対し所要の環状の若干の隙間21をあけて同心円上に包囲する形態で装着されている。内側弾性体3の外周と外側弾性体4の内周との間の環状の隙間21は、例えば1mm〜5mm程度の環状の隙間として構成されている。
【0013】
研磨材保持体5は、図3および図5にも示すように、例えばPVC、FRPもしくはABS等の樹脂から円盤状に形成されてなり、内側弾性体3の外周面と外側弾性体4の内周面との間に形成される隙間21に対応する位置に環状の凹溝31が形成してあり、この凹溝31より内側には、円形状のあまり変形しない剛体部32が構成され、環状の凹溝31の部分より外側には、複数の扇形状に区画された可撓部33が構成されている。
複数に区画された可撓部33は、環状の凹溝31より外側領域において、回転中心側部分の剛体部32の回転中心より複数の放射方向に沿うように形成された複数の放射状の、例えば傾き30°のV溝34と環状の凹溝31とを境に複数に区画されたものであり、可撓部33は、例えば扇形状を呈している。また、複数の可撓部33は、環状の凹溝31の部分、即ち、凹溝31の薄肉に形成された部分を回転中心または折曲中心として折曲可能であるとともに、互いに隣同士の間の放射状のV溝34の部分、即ちV溝34の薄肉とされた部分をも回動支点または回動中心として互いに折曲可能となっている。
【0014】
この研磨材保持体5は、剛体部32が内側弾性体3の底面にその回転中心を一致させて接着剤あるいは面ファスナ(ベルクロマジック)等を介して接合され、かつ複数に区画された可撓部33が外側弾性体4の底面に同じく接着剤あるいは同じく同一の面ファスナ(ベルクロマジック)等を介して接合されている。
なお、複数に区画された可撓部33を構成する各V溝34は、本例では、図5に示すように研磨材保持体5の中心から、例えば15°間隔で放射状に形成されて合計24箇所に設けられることで24個の区画部分を構成しているが、この数に限定されるものではなく、複数の区画部分は、各V溝34の数を変更することで任意の数に構成することができる。複数の区画部分の数を任意に設定することで研磨装置SWを傾けて研磨作業を行う際のしなやかさ、あるいは作業者に伝わる微妙な感覚を任意に変更することができる。
一方、以上のように構成された研磨材保持体5は、中心部に中心穴35が形成されるとともに可撓部33のほぼ中間に等角度に5箇所に研磨粉を逃す集塵穴36…が形成されており、かつこの研磨材保持体5の底面には、各集塵穴36に対応する位置に集塵穴(図示せず)を有する薄肉円形状の面ファスナ(ベルクロマジック)6が、例えば接着剤等により接着されている。
【0015】
また、サンドペーパーあるいは糊付レザーシートなどから成るペーパー状の円形状の研磨材7にも中心穴35に対応する中心穴38が形成されるとともに研磨材保持体5の各集塵穴36に対応する位置に集塵穴(図3参照)37が形成されている。尚、ベルクロマジックを介して接合されたサンドペーパーより、研磨材保持体5に糊付けされたレザーシートの方がよりきれいに仕上がる。
本実施の形態の研磨具1を使用する場合、まず研磨装置SWの回転軸Sに研磨具1を装着し、研磨装置SWの図示しないレバー操作で研磨装置SW内部の回転機構で回転軸Sを回転させ、被回転軸11を介して研磨具1を回転させる。この回転する研磨具1を、図2に示すように、例えば車両ボディ等に塗布したパテPに押し当てると、回転する内側弾性体3および外側弾性体4が研磨材保持体5を介してその押圧力に伴うパテPからの反力を吸収し、同図に矢印で示すように回転しつつ収縮変形と復帰変形を繰り返し、この変形とともに変形するペーパー状の研磨材7でパテPを効率よく研磨する。そして、特に外側弾性体4の方が硬度が高いため、研磨材保持体5の可撓部33における各区画部分が外側弾性体4の安定した強い押圧力を受けながら環状の凹溝31の部分および隣同士のV溝34の部分をヒンジとして折曲変形を繰り返すとともに、ペーパー状の研磨材7の当該各区画部分に対応する面積の縁側を外側弾性体4の反力に伴ってパテPに安定性よく押圧接触させ、この研磨材7の広い面積の縁側でもパテPの研磨作業を効率よく、かつ作業性よく行わせる。
【0016】
また、研磨装置SWおよび研磨具1を傾けて研磨作業を行う場合、研磨材保持体5の区画された可撓部33が回転とともに外側弾性体4に押圧力を順次に与え、外側弾性体4を圧縮変形させながら、研磨装置SWの傾きに伴って押圧力の集中する可撓部33に対応する研磨材7の縁側の部分が安定した、広い面積でパテPを効率よく研磨し、かつ外側弾性体4の硬度に伴って外側弾性体4から安定性の良い反力を作業者に伝えるため、これにより作業者の操作性および作業性を安定させ、作業者に熟練を要さずとも優れた研磨作業を行わせることができる。
このように回転体2に対し内側弾性体3よりも硬度の高い外側弾性体4を装着した上で研磨材保持体5の各区画部分が外側弾性体4に支持されるとともに可撓部33が環状の凹溝31の部分および放射状の隣合うV溝34の部分を回動軸として折曲可能となるように構成したので、強度上、脆弱な部分はなく、したがって、長年の使用においても安定して、かつ安全に使用することができる。特に斜めに傾けて研磨作業を行う場合でも外側弾性体4が研磨材保持体5の各区画部分に十分な押圧力を与えるので、研磨材7の縁側に区画部分に対応する十分に広い研磨面積を確保することができ、作業者は熟練を要さずとも安定して作業性のよい研磨作業を行わせることができる。
【0017】
次に、図6乃至図8を参照し本発明の第2の実施の形態に係わる研磨具について説明する。なお、図6に、第2の実施の形態に係わる研磨具40の構成を示すが、本実施の形態の研磨具40は弾性体41および研磨材保持体45の構成が異なるものであり、その他、第1の実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して詳しい説明は省略する。この第2の実施の形態の弾性体41は、例えば硬度0〜10(ASKER)もしくは、例えば硬度20〜26(ASKER)等の、例えばウレタン圧縮スポンジ等からなり、肉厚が、例えば2mm〜10mm程度の円盤状の部材に形成され、例えば接着剤、面ファスナ(ベルクロマジック)、もしくは底面側に形成した座繰りにワッシャ等を介しねじ止めを行う等により回転体2の底面の同心円上に装着されるものである。
弾性体41には、図7に示すように、中心から6方向の放射状に切り抜いた態様の切り抜き穴(座繰り溝の如き溝でもよい)42が形成されている。各切り抜き穴42の長さは、例えば円盤状をなす弾性体41の外周側の縁に適宜近づくまでの長さを有しており、各切り抜き穴42の幅は、例えば第1の実施の形態に示した研磨材保持体45の集塵穴36の直径に略対応した広い幅となっている。また、各切り抜き穴42の先端は、集塵穴36の半内周の形状に対応した半円状の形状となっている。
【0018】
また、図7に示すように、弾性体41における各切り抜き穴42の各先端の半円状部分の半径の中心を通る同心円上には、等角度間隔、即ち120°間隔で合計3つの集塵穴43が形成されている。また、各切り抜き穴42の各先端の半円状部分の半径の中心を通る同心円上よりも若干内方の同心円上(例えば集塵穴43の直径分内方にずれた位置を通る同心円上)の中間の位置にも、集塵穴43と同径の集塵穴44が、前記集塵穴43とは、60°ずらせて、等角度間隔、即ち、120°間隔で1つずつ形成されて合計3つの集塵穴44が形成されている。このように弾性体41は、2箇所の同心円上において交互にずれた位置の3箇所毎に集塵穴43,44を形成することにより集塵の効率性を高めている。
一方、研磨材保持体45は、図8に示すように、例えばPVCや、FRPもしくはABS等の樹脂から円盤状に形成されてなり、一方の面、即ち上面(図6において)に、回転中心の集塵穴(ただし、穴のない単なる回転中心でもよく、あるいは任意の所要径の開口でもよい)50から外周端に至るまで10°毎の間隔で放射状に複数のV溝47…が形成されており、各V溝47の部分を回動中心として(境に)折曲可能である。また、研磨材保持体45には、弾性体41に形成した各3つずつの集塵穴43,44と形状的にも位置的にも対応する同数の集塵穴(集塵穴50をも含む)48、49が形成されている。
【0019】
また、図6(a)に示すように、研磨具40は、研磨材保持体45が上記放射状の複数のV溝47が形成されている側の面を弾性体41に対し接着剤あるいは面ファスナ(ベルクロマジック)等を介して接合させているが、これによっても第1の実施の形態の場合と同様の働きがある。また、、研磨材保持体45に図面には示されていない面ファスナを介して装着されるペーパー状の研磨材46にも、弾性体41および研磨材保持体45に形成されている各集塵穴36,43,44,48,49,50に形状的にも位置的にも一致する(対応する)複数の集塵穴(図示せず)が形成されているものとする。
また、弾性体41は、図7に示すように放射状の切り抜き穴42を形成したことで弾性体41の本来の弾性係数を作業性の観点から最適な弾性係数へと低減(設定)することが可能となっているものである。また、例えば各切り抜き穴42の形成位置と研磨材保持体45の放射状のV溝47とが重なるように位置付けて弾性体41に対し研磨材保持体45を接合するようにしてもよい。このようにして、弾性体41において各切り抜き穴42の周囲のエッジ部分に研磨材保持体45の折曲動作を集中させて受けさせることが可能となり、これにより相対的に低くなる弾性係数をエッジ部分に用いて更に研磨材保持体45の折曲性(または屈曲性。以下同じ)を作業性よく向上させることが可能となる。
【0020】
また一方、この第2の実施の形態の研磨材保持体45も、回転中心の集塵穴50から10°間隔で放射状に複数のV溝47が形成されているが、その10°の角度は研磨装置SWおよび研磨具1を傾けての研磨作業を行う際に操作性および作業性を高める上で最適な角度であることが実験的に確認されており、したがって研磨材保持体45は、第1の実施の形態の場合よりも更に優れた操作性および作業性を発揮し、熟練を要さずとも失敗が生じ難く更に使い勝手のよいものとなっている。
この第2の実施の形態の作用は、第1の実施の形態の場合と基本的に同様であるので、詳しい説明は省略する。しかし、この実施の形態においては、弾性体41に放射状の幅広の切り抜き穴42を形成したために、弾性体41の弾性係数を更に操作性および作業性を向上させる最適な弾性係数へと設定することが可能となり、かつ研磨材保持体45にも10°間隔で放射状に複数(すなわち36個)のV溝47を形成したため、研磨材保持体45の折曲性が全体的に更に向上されており、この点からも更に操作性および作業性を向上させることが可能である。したがって本実施の形態の研磨具40は、その双方の観点から二重に、かつ相乗的により優れた操作性および作業性を発揮するものである。
【0021】
なお、この第2の実施の形態においては、弾性体41に放射状の幅広の切り抜き穴42を形成した場合について説明したが、切り抜き穴42の形状は、これに限定されるものではなく、操作性および作業性を向上させるため、任意の形状の切り抜き穴を形成して用いてもよく、例えば各々独立の切り抜き穴もしくは溝としてもよいことは勿論である。また、研磨材保持体45の複数のV溝47も10°の角度毎に形成するのではなく、例えば、適宜任意の角度毎に形成してもよいことは勿論である。
次に、図9乃至図12を参照し本発明の第3の実施の形態に係わる研磨具について説明する。図9において符号51は研磨具であり、電力もしくは圧縮空気の供給で往復運動(乃至往復振動)する図示しない往復運動機構を備えた研磨装置(例えばストレートサンダーやオービタルサンダー等)SSの図示しない往復移動体(ロータ)に着脱可能に装着されて往復運動機構の作動とともに往復移動(乃至往復振動)する矩形状往復移動体52と、矩形状往復移動体52の底面側に装着した矩形状弾性体53と、矩形状弾性体53の底面に装着した矩形状研磨材保持体54と、矩形状研磨材保持体54に貼着した矩形状面ファスナ(ベルクロマジック:図示省略)と、矩形状面ファスナに着脱可能に貼着されたペーパー状の矩形状研磨材57とを備えて構成されている。尚、矩形状研磨材57としては、矩形状研磨材保持体54に対し、レザーからなる薄肉のシートを糊付けにより貼着したものも使用可能である。
【0022】
矩形状往復移動体52は、例えばPVC、FRP、もしくはSUS等を用いて所定肉厚の長方形状(矩形状)に構成されてなり、図10に示すように、中心に往復移動体(ロータ)嵌合用の長手方向に長い楕円形状の長孔61が形成され、長孔61の長手方向の右側(図10参照)に矩形状の集塵開口62が形成され、長孔61の周囲4箇所の位置にテーパ状の頭部を有する皿ねじ(図示せず)を挿通させるねじ孔63…が形成されている。矩形状往復移動体52の各ねじ孔63には、矩形状往復移動体52の底面側において上記皿ねじの頭部を収容する皿状の頭部収容穴(図示せず)が形成されており、矩形状往復移動体52の底面側から各ねじ孔63に上記皿ねじを挿入しかつ研磨装置SSの図示しないねじ穴に螺入することで、矩形状往復移動体52の底面側から上記ねじの頭部が突出することなく研磨装置SSに対し矩形状往復移動体52を強固に装着し固定している。
【0023】
矩形状弾性体53は、例えば硬度0〜10(ASKER)、もしくは例えば硬度20〜26(ASKER)等の、例えばウレタン圧縮スポンジ等からなり、肉厚が、例えば2mm〜10mm程度の矩形状の部材に構成され、例えば接着剤、矩形状面ファスナ(ベルクロマジック)、もしくは底面側に形成した座繰り穴にワッシャ等を介しねじ止めを行う等により矩形状往復移動体52の底面に強固に装着されている。
【0024】
また、矩形状弾性体53には、図11に示すように、短手方向の中央より、やや一方側(図11において上方側)に偏して長手方向に沿って穿設された直進状の連通穴部分69が形成されている。この連通穴部分69から矩形状往復移動体52に形成された研磨装置本体への取付けねじ穴63に対応する4つのねじ穴66と、両端部に穿設された4つの集塵穴67と、矩形状研磨材保持体54に穿設した集塵穴72とに対応する部分へ連通するように枝分れ状に切り抜き部分68が形成されている。矩形状研磨材保持体54の長手方向の中心線上の4箇所の位置に形成された集塵穴72を露出するように切り抜き部分68が曲回している。矩形状弾性体53の右端近くの切り抜き部分68は、矩形状往復移動体52の矩形状の集塵開口62を露出するように形成されている。
一方、矩形状研磨材保持体54は、図12に示すように、例えばPVCや、FRPもしくはABS等から矩形状に形成され、矩形状弾性体53の底面に接着剤あるいは矩形状面ファスナ(ベルクロマジック)等を介して接合されている。矩形状研磨材保持体54には、詳しく図示しないが上述したように長手方向の左右の4箇所、すなわち合計左右で8箇所の位置に集塵穴71…が形成されており、かつ矩形状研磨材保持体54の長手方向の中心線上の4箇所の位置にも集塵穴72…が形成されている。また、矩形状研磨材保持体54の、所謂底面(すなわち研磨面側)には、図12に示すように、長手方向に沿う、例えば30°をなすV溝73が、例えば横幅に対し6mm毎の等間隔毎に複数形成されている。
【0025】
また、矩形状研磨材保持体54は、V溝73が形成された側の面を研磨面の方向に向けた状態で矩形状弾性体53の底面側に接合することが望ましいが、逆にV溝73が形成された側の面を矩形状弾性体53の底面側に接合してもよい。いずれにしても矩形状研磨材保持体54の研磨面となる側には、例えば接着剤等を介し長方形状をなす矩形状面ファスナ(ベルクロマジック)が装着され、矩形状面ファスナに対し同じく矩形状をなすペーパー状の矩形状研磨材57が着脱可能に貼付されている。
一方、矩形状面ファスナおよびペーパー状の矩形状研磨材57にも、図示はされていないが、矩形状研磨材保持体54に形成した集塵穴71,72に対応する位置にほぼ同形状の集塵穴(図示せず)が形成されているものとする。
この第3の実施の形態の研磨具51を使用する場合、まず研磨装置SSの往復移動体(ロータ)に研磨具51を装着し、研磨装置SSのレバーLの操作で研磨装置SS内部の往復運動機構を作動させ、研磨具51を往復移動(往復振動)させる。この往復移動する研磨具51を、例えば車両ボディ等に塗布したパテP(図示せず)に押し当てると、往復移動する矩形状弾性体53が矩形状研磨材保持体54を介してその押圧力に伴うパテPからの反力を吸収し、往復移動とともに収縮変形と復帰変形を繰り返し、これに応動して変形するペーパー状の矩形状研磨材57でパテPを効率よく研磨する。
【0026】
そして特に矩形状弾性体53に構成した切り抜き穴65の形状、配設位置により矩形状弾性体53が最適な弾性係数に設定されているため、矩形状研磨材保持体54に装着したペーパー状の矩形状研磨材57が矩形状弾性体53の安定した最適な押圧力を受けながらパテPに安定性よく押圧接触し、この矩形状研磨材57のある程度広い面積の縁側でもパテPの研磨作業を効率よく、かつ作業性よく行うことができる。
また、研磨装置SSおよび研磨具51をその往復移動(往復振動)の方向に対し直交する方向、即ち図9において、前傾あるいは後傾させて研磨作業を行う場合、矩形状弾性体53の前方側あるいは後方側の縁側の部分が切り抜き穴65により安定性のよい最適な反力を維持するため、矩形状研磨材保持体54の縁側が円弧状にしなやかに撓み、安定性のよい押圧力を与える。そして特に研磨装置SSおよび研磨具51を傾ける場合、矩形状研磨具保持体54には、例えば6mm毎の等間隔毎に長手方向に沿う複数のV溝73が形成されているため、研磨装置SSの傾きに伴って矩形状研磨材保持体54が最適な位置のV溝73の部分を中心に円滑に折曲し、かつ矩形状弾性体53の縁側から安定した最適な反力を受け、これによりペーパー状の矩形状研磨材57の縁側の部分が緩やかに曲面状に変形し安定した最適な面積でパテPを効率よく研磨し、かつ矩形状弾性体53からの安定性のよい最適な反力を作業者に伝えるため、これにより作業者の操作性および作業性を安定させ、作業者の熟練を要さずとも斜めに傾けての研磨作業を容易に且つ失敗なく行わせることができる。
【0027】
このように矩形状往復移動体52に対し切り抜き穴65を有する矩形状弾性体53を装着した上で、矩形状弾性体53に対し複数のV溝73の部分を中心に折曲可能となる矩形状研磨材保持体54を装着するように構成したので、同じく強度上、脆弱な部分はなく、したがって、長年の使用においても安定して作業をすることができ、かつ安全に使用することができる。特に斜めに傾けて研磨作業を行う場合には、矩形状弾性体53がその切り抜き穴65により弾性係数が適宜に調整されていることと、矩形状研磨材保持体54のV溝73との相乗作用により、その外側の縁側の部分に最適な押圧力を与えるので、矩形状研磨材57の縁側に十分に安定性のよい広い研磨面積を確保することができ、作業者に熟練を要さずとも安定して作業性のよい研磨作業を行わせることができるのである。
一方、研磨装置SSを圧縮空気で駆動する場合、例えば圧縮空気の排出とともに集塵穴67、切り抜き部分68、連通穴部分69、集塵穴71,72および集塵開口62等を介して研磨屑を吸引し外部に排出することが可能となる。
【0028】
なお、図12に示した矩形状研磨材保持体54においては、6mm毎の等間隔で複数のV溝73を形成した例を示したが、図13に示すように、例えば横幅に対し8mm乃至10mm毎の等間隔で長手方向に沿う複数のV溝81…を形成したり、図14に示すように、横幅の縁から5mm、6mm、7mm、8mm、9mmおよび10mmの如く、徐々にピッチを大きくしていき、その各位置毎に長手方向に沿う複数のV溝91,92,93,94,95,96を形成するとともにV溝の存在しない部分97を構成したり、あるいは横幅に対し長手方向の左右の縁から長手方向の中央の位置まで順次間隔が適宜大きくなる位置にV溝を形成したりすることで、斜めに傾けての研磨作業の作業性を向上させるようにしてもよい。また、図13および図14に示す矩形状研磨材保持体54にも詳しく図示しないが所要の位置に集塵穴が形成されるものである。
尚、第3の実施の形態における研磨具51は、エアモータを用いた研磨装置に装着して使用することができると共に、手動操作による研磨装置(「手漕ぎファイル」と称されている)に装着して使用することができる。
【0029】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、使用する部品点数が少なく、製造が容易であるとともに強度的にも十分な耐久性があり、これにより長寿命化および高い安全性を確保し、しかる構成で、斜めに傾けた研磨作業を行う場合にも操作性および作業性の効率を安定性よく向上させることができ、延いては研磨面を頗る美麗に仕上げることのできる研磨具を提供することができる。
特に、請求項1の回転研磨具は、内側弾性体よりも硬度が高い外側弾性体を介して、外側弾性体に略対応する部位に形成した放射状の複数の区画部分が可撓性をもって折曲可能となる研磨材保持体を設けるようにしたので、長年の使用にわたって強度上および安全性に対する信頼性が高く、しかも斜めに傾けて研磨作業を行う場合でも、研磨材の縁(周縁近傍)側において、広い研磨面積の凹面あるいは凸面の研磨に対応させることができ、また平面の研磨面であっても、内側弾性体の硬度は低く、設定してあるため、折曲し易い外側弾性体とのバランスがよく、したがって作業者に熟練を要さずとも安定して操作性および作業性のよい研磨作業を行わせるができ、結果的に研磨面を美麗に仕上げることができる。
【0030】
請求項2の研磨具は、上記内側弾性体および外側弾性体は、複数の所要形状の切り抜き穴もしくは切り抜き溝を有するため、その弾性係数を研磨部位に応じた最適な係数に設定することが可能となり、斜めに傾けての研磨作業を行う場合でも操作性および作業性を更に向上させることができる。
請求項3の研磨具は、複数の所要形状の切り抜き穴もしくは溝を有する弾性体に対し、環状の溝および放射状の溝の部分において折曲可能である研磨材保持体を装着する構成としたので、上述と同じく長年の使用に際しても強度上および安全性に対する信頼性が高く、凹凸のある部位や角部などでも広範囲の研磨が可能であり、したがって作業者の熟練を要さずとも斜めに傾けての研磨作業を容易に且つ効率的に行うことができる。
請求項4の研磨具は、複数の所要形状の切り抜き穴もしくは切り抜き溝を有する弾性体に対し、回転中心の所要径の開口もしくは集塵穴から所要角度毎に放射状に形成した複数の溝の部分で屈曲可能である研磨材保持体を装着したので、やはり長年の使用に際しても強度上および安全性に対する信頼性が高く、しかもより弾性体および研磨材保持体の折曲性乃至は追従性がよいため平坦面はもとより凹凸のある部分の研磨を広い範囲に亘って行え、作業者に熟練を要さずとも、安定性、作業性に優れた研磨具を提供することができる。
【0031】
請求項5の研磨具は、上記研磨材保持体の放射状の複数の溝を、当該回転中心の所要径の上記開口もしくは集塵穴から10°毎の比較的狭い間隔で形成したため、研磨面への当り面積も広く、且つ円滑に研磨を行い得る研磨装置を提供することができる。
請求項6の研磨具は、上記内側弾性体および外側弾性体、または上記弾性体を、電力もしくは圧縮空気の供給で回転する回転体に対し装着するようにしたので、既存の、いわゆる電動研磨機もしくはエアー研磨機に装着でき、効率のよい研磨作業を維持することができる。
請求項7の研磨具は、上記弾性体の上記切り抜き穴もしくは溝は、上記回転中心より複数の放射状に形成されてなるので、その弾性体の弾性係数を最適な係数に設定することができ、延いては凹凸面や角面の研磨を行い易い研磨具を提供することができる。
【0032】
請求項8の研磨具は、複数の所要形状の切り抜き穴もしくは溝を有する矩形状弾性体に対し、長手方向の往復移動方向に沿って複数形成した各溝を境として折曲可能である矩形状研磨材保持体を装着するようにしたので、矩形状弾性体および矩形状研磨材保持体の往復移動による研磨作業に際し、その往復移動方向軸を中心として、回動方向に斜めに傾けた場合、研磨材と研磨材保持体とが研磨面に対し馴染むように変形し、しかもその研磨面積も広く確保することができ、したがって作業者に熟練を要さずとも安定して操作性および作業性のよい研磨作業が行い得る研磨具を提供することができる。
請求項9の研磨具は、上記矩形状弾性体は、電力もしくは圧縮空気の供給によりまたは手動往復操作により往復移動する往復移動体に対し装着してなるので、適宜使用目的に合わせて選択使用することにより、効率のよい研磨作業をすることができる。
請求項10の研磨具は、上記矩形状弾性体の切り抜き穴もしくは溝は、複数に分岐する所謂枝別れ状の形状を呈し当該矩形状弾性体の長手方向に沿って連通形成されているものであるため、研磨材を傾動させたときの操作性、作業性が良好となるよう矩形状弾性体の弾性係数を最適な係数に設定することが容易となる。
【0033】
請求項11の研磨具は、上記内側弾性体および外側弾性体、上記弾性体、または上記矩形状弾性体は、弾性率を調整し得る機能を兼ねた集塵穴を有するので、作業性の改善と集塵作用とを併せて発揮させることができる。
請求項12の研磨具は、上記内側弾性体および外側弾性体、上記弾性体、または上記矩形状弾性体は、ゴム材、ゴムスポンジ、もしくはウレタン圧縮スポンジの何れかからなるので、扱い易く、かつ作業者に好適な反力を伝えることができ、従って研磨作業の失敗が生じにくく、しかも強度を安定して維持することができ、使用に際し安全性を高めることができる。
請求項13の研磨具は、上記研磨材保持体、または上記矩形状研磨材保持体は、所要の位置に集塵穴を有するので、同じく作業中の研磨屑の飛散を防ぎ研磨粉を吸引して健康を害する虞れを極力排除することができる。
請求項14の研磨具は、上記研磨材保持体、または矩形状研磨材保持体は、上記溝が凹溝あるいはV溝であるので加工が容易で且つ、折曲動作に対する信頼性が高く、長寿命化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係わる研磨具の構成を示す一部破断正面図である。
【図2】図1の研磨具の使用例を説明する一部破断正面図である。
【図3】図1の研磨具の分解斜視図である。
【図4】図1の研磨具の内側弾性体、外側弾性体、研磨材保持体、面ファスナおよび研磨材よりなる積層体の構成を示すものであり、このうち(a)は、平面図、(b)は、断面図である。
【図5】図1の研磨具の研磨材保持体、ベルクロファスナおよび研磨材の構成を説明するもので、このうち(a)は平面図、(b)は、断面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係わる研磨具の構成を説明するものであり、このうち(a)は研磨具の正面図、(b)は研磨具に用いる研磨材保持体の一部を拡大して示す断面図である。
【図7】第2の実施の形態の研磨具に用いる弾性体の構成を説明する平面図である。
【図8】第2の実施の形態に係わる研磨具に用いる研磨材保持体の構成を示す平面図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態の研磨具を研磨装置に装着した状態を一部破断して示す正面図である。
【図10】第3の実施の形態の研磨具に用いる往復移動体の構成を示す平面図である。
【図11】第3の実施の形態の研磨具に用いる矩形状弾性体の構成を示す平面図である。
【図12】第3の実施の形態の研磨具に用いる矩形状研磨材保持体の構成を示す底面図である。
【図13】第3の実施の形態の研磨具に用いる矩形状研磨材保持体の変形例の構成を示す底面図である。
【図14】第3の実施の形態の研磨具に用いる矩形状研磨材保持体のさらに他の変形例の構成を示す底面図である。
【図15】従来の研磨装置を示す一部破断側面図である。
【図16】従来の研磨具を説明する側面図である。
【図17】従来の研磨具の使用例を説明する一部破断正面図である。
【符号の説明】
1 研磨具
2 回転体
3 内側弾性体
4 外側弾性体
5 研磨材保持体
6 面ファスナ
7 研磨材
SW 研磨装置
11 被回転軸
21 隙間
31 凹溝
32 剛体部
33 可撓部
34 V溝
35 中心穴
36,37 集塵穴
38 中心穴
40 研磨具
41 弾性体
42 切り抜き穴
43,44 集塵穴
45 研磨材保持体
47 V溝
48,49,50 集塵穴
51 研磨具
52 矩形状往復移動体
53 矩形状弾性体
54 矩形状研磨材保持体
57 矩形状研磨材
SS 研磨装置
61 長孔
62 集塵開口
63 ねじ穴
66 ねじ穴
67 集塵穴
68 切り抜き部分
69 連通穴部分
71,72 集塵穴
73,81,91〜96 V溝
97 V溝の存在しない部分

Claims (14)

  1. 円盤状を呈する内側弾性体と、
    上記内側弾性体よりも硬度が高い素材からなり、当該内側弾性体に対し、同心円状に所定の隙間を介しその外周を包囲するように配置される円環状の外側弾性体と、
    上記内側弾性体と上記外側弾性体との隙間に対応する位置に形成された環状の溝を境に折曲可能であり、かつ当該環状の溝より外側の部分に前記回転中心より複数の放射方向に沿ように形成された複数の放射状の溝をもって複数に区画され、該複数の区画部分の隣同士が互いに当該放射状の溝および上記環状の溝を境に折曲可能であり、底面側に研磨材を離脱可能に保持する研磨材保持体とを備え、
    上記内側弾性体及び上記外側弾性体に対し上記研磨材保持体を一体的に接合してなることを特徴とする研磨具。
  2. 上記内側弾性体および上記外側弾性体は、複数の所要形状の切り抜き穴もしくは溝を有することを特徴とする請求項1に記載の研磨具。
  3. 円盤状を呈し、複数の所要形状の切り抜き穴もしくは溝を有する弾性体と、
    回転中心より外側の所要の位置に形成した環状の溝を有するとともに、当該環状の溝より外側に前記回転中心より複数の放射方向に沿うように形成された複数の放射状の溝を有し、上記環状の溝および放射状の溝により複数に区画された複数の区画部分を構成し、当該各区画部分が上記環状の溝および放射状の溝の部分を境に折曲可能であり、かつ底面側に研磨材を保持する研磨材保持体とを備え、
    上記弾性体に対し上記研磨材保持体を一体的に接合してなることを特徴とする研磨具。
  4. 円盤状を呈し、複数の所要形状の切り抜き穴もしくは溝を有する弾性体と、
    一方の面に、回転中心、または回転中心の所要径の開口もしくは集塵穴から所要角度毎の複数の放射状の溝を有し、かつ底面側に研磨材を離脱可能に保持する研磨材保持体とを備え、
    上記弾性体に対し上記研磨材保持体を接合してなることを特徴とする研磨具。
  5. 上記研磨材保持体の放射状の複数の溝は、上記回転中心、または当該回転中心の所要径の上記開口もしくは集塵穴から外方に向けて約10°毎の間隔で形成されてなることを特徴とする請求項4に記載の研磨具。
  6. 上記内側弾性体及び上記外側弾性体または上記弾性体は、電力もしくは圧縮空気の供給で回転する研磨装置の回転体に対し装着してなることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の研磨具。
  7. 上記弾性体の上記切り抜き穴もしくは溝は、上記回転中心より複数の放射状に伸びる幅広の穴、もしくは溝に形成されてなることを特徴とする請求項2乃至4の何れか1項に記載の研磨具。
  8. 複数の所要形状の切り抜き穴もしくは溝を有する矩形状弾性体と、
    一方の面に、長手方向の往復移動方向に沿って形成した複数の溝を有するとともに当該溝を境に折曲可能であり、上記一方の面または他方の面側に研磨材を離脱可能に保持する矩形状研磨材保持体とを備え、
    上記矩形状弾性体に対し上記矩形状研磨材保持体を一体的に接合してなることを特徴とする研磨具。
  9. 上記矩形状弾性体は、電力もしくは圧縮空気の供給により、または手動操作により往復移動する矩形状往復移動体に対し装着してなることを特徴とする請求項8に記載の研磨具。
  10. 上記矩形状弾性体の切り抜き穴もしくは溝は、複数に分岐する所謂枝別れ状の形状を有して当該矩形状弾性体の長手方向に沿って形成されていることを特徴とする請求項8または9に記載の研磨具。
  11. 上記内側弾性体および上記外側弾性体、上記弾性体または上記矩形状弾性体は、所要の位置に集塵穴を有することを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載の研磨具。
  12. 上記内側及び外側弾性体、上記弾性体または上記矩形状弾性体は、ゴム材、ゴムスポンジ、もしくはウレタン圧縮スポンジの何れかからなることを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項に記載の研磨具。
  13. 上記研磨材保持体または上記矩形状研磨材保持体は、所要の位置に集塵穴を有することを特徴とする請求項1,3,4,8の何れか1項に記載の研磨具。
  14. 上記研磨材保持体または矩形状研磨材保持体は、上記溝が凹溝あるいはV溝であることを特徴とする請求項1,3,4,8,13の何れか1項に記載の研磨具。
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CN112388470A (zh) * 2020-10-21 2021-02-23 湖州华通研磨制造有限公司 一种大面积研磨装置

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