(第1の実施の形態)
図1には、本発明の一実施の形態に係るパチンコ機10が示されている。パチンコ機10は外枠12を備え、外枠12の前面には、窓部を有する額縁状の内枠14の一側部(図1の左辺部)が開閉可能に取付けられている。
内枠14には、複数の表示灯62やスピーカ64が設けられている。また、内枠14の中央には、窓部となっており、この窓部には紙面奥行き方向に所定の間隔で互いに平行とされた一対のガラス16(二重構造)が装着されたガラス枠20が設けられている。また、内枠14の図1の右辺部には施錠装置(シリンダ)22が設けられている。
ガラス枠20の下方位置には、球皿部24を備えた一体皿26が配設されている。この一体皿の球皿部24には、貯球タンク(図示省略)と連通し、この貯球タンク内のパチンコ球を球皿部24へ流出させる連通口23が設けられている。
一体皿26は、その一側部(図1の左辺部)が内枠14に対して開閉可能に取付けられている。一体皿26の前面には、左側下部に灰皿28が配置され、右側下部には発射装置164(図3参照)から発射する打球の飛距離を調整するための発射ハンドル30が設けられている。
また内枠14の窓部には、遊技盤載置台に載せて交換可能とされた遊技盤32が窓部に対応して設置されている。
図2に示される如く、遊技盤32は、外バンド36及び内バンド38によって囲まれた略円形状の遊技領域40が形成されている。
遊技領域40には、図示しない釘や風車の他、センター役物42、当該センター役物42に設けられた表示部43、並びに大入賞口(変動入賞装置)44等の役物、始動口46や通過装置48、入賞装置49等の遊技部品が取り付けられており、最下位置にアウト口54が配置されている。
図3には、パチンコ機10を制御するための制御系の概略が示されている。制御系は、主制御部150を中心として構成されている。主制御部150には、遊技に関する基本的なプログラムが記憶されており、この主制御部150からの命令信号に基づいて、各部の動作が制御されるようになっている。
この主制御部150には、始動口46に設けられた始動入賞センサ168、通過装置48を通過したパチンコ球を検出する通過センサ171、入賞装置49に入賞したパチンコ球を検出する入賞センサ172並びに大入賞口44に入賞したパチンコ球を検出する大入賞口センサ173が接続されている。なお、大入賞口44には、大入賞口の開閉動作を継続するためのVゾーンが設けられており、このVゾーンにもVゾーンセンサ177が設けられており、主制御部150に接続されている。
さらに、主制御部150には、始動口46に設けられた電動チューリップ47(図2参照)を開閉させるためのソレノイド174、大入賞口44を開閉させるためのソレノイド175が接続されている。
また、主制御部150からは盤用外部端子200を介してホールコンピュータへ遊技の進行状態を示す情報が出力されるようになっている。
一方、この主制御部150には、演出制御部152と、払出制御部154とが接続されている。
演出制御部152には、図柄・音声制御部156を介してスピーカ64及びセンター役物42の表示部(LCD)43が接続されている。また、演出制御部152は、パチンコ機10のガラス枠20に取り付けられた複数の表示灯62の点灯・消灯や、遊技盤上の電飾部品56の点灯・消灯、並びに前記停止操作ユニット60の操作部64周りに配設した発光素子72の点灯・消灯を制御する。なお、電飾部品56には、センター役物42に設けられた4個の保留ランプ202も含まれる。
次に、前記主制御部150に接続された払出制御部154には、パチンコ球の払出しを実行する払出装置206が接続されている。
また、払出制御部154には、発射制御部158が接続されており、発射制御部158は、発射装置164を制御して、遊技者によるハンドル30の操作に応じてパチンコ球を打ち出す。
さらに、払出制御部154では、枠用外部端子208を介して払出情報をホールに設置されたホールコンピュータへ送出するようになっている。
上記主制御部150では、特別図柄や普通図柄の当たり/外れの抽選(以後、「当/外抽選」と称す)がなされ、この抽選結果に基づく表示部43での表示内容(図柄変動パターン)を選択し、演出制御部152を介して図柄・音声制御部156へ命令信号を出力する。すなわち、演出制御部152には、複数種の命令信号に基づく異なる表示内容(図柄変動パターン)のデータが予め記憶されており、命令信号に基づいてデータが選択されて、起動するようになっている。なお、図柄・音声制御部156で制御してもよい。
上記主制御部150を含む制御系では、パチンコ機10の本来の遊技である、パチンコ球の発射から、入賞に基づく賞球払出し処理、始動口46への入賞に基づく抽選処理、抽選結果の報知処理、抽選結果が当たりの場合に実行される大当たり処理等の様々な処理の制御がなされる。
ここで、一般的には、抽選結果の報知処理は、所謂一話完結であり、始動口46への入賞に基づく抽選が行われると、表示部43に、その抽選結果を所定の図柄変動パターンを用いて表示するようになっている。
ところが、このような1パターンの繰り返しでは、仮に図柄変動パターンにバリエーションがあったとしても単調になり、遊技者に飽きられてパチンコ機の稼働率の低下を招く結果となっていた。
そこで、第1の実施の形態では、前記始動口46への入賞に基づく抽選を契機とすることを前提として、複数の抽選に跨って予め設定されたストーリーが、その抽選結果に伴って少々の変化を伴いつつ展開されていく一種のロールプレイングゲームを表示部43に表示するようにした。
すなわち、上記一連のストーリーを細分化し、その細分化されたカットの1つを始動口46への入賞に基づく抽選毎に実行することで、個々のカット毎の画像パターンは抽選結果に関連して異なることがあるものの全体のストーリーの流れは抽選結果とは直接関連付けずに、表示部43において、ゲームが進行していくことになり、本来の遊技(パチンコ球の発射(すなわち第1の遊技))に加えて、同時進行で別のゲーム(すなわち第2の遊技)を楽しむことが可能となる。
図4には、演出制御部152における、上記本来の遊技と同時進行させるゲームの表示部43への表示制御のための機能を示す制御ブロック図が示されている。
演出パターン記憶手段であるゲームプログラムメモリ250には、特定のキャラクタがゴルフコースの18ホールをラウンドするストーリーに関連する動画像データが記憶されている。
基本的なゲームパターンとしては、キャラクタがショット又はパットを実行する動画像の集合体であり、それぞれのショット又はパットの1回の動画像がカットシーンとして区分され、それぞれが従来の図柄変動パターンの1変動分と対応するようになっている。
各ホールには、標準打数(パー)が設定されており、前記ゲームプログラムメモリ250では、実際のゴルフコースと同様に18ホール(全72ストローク)分の各演出パターン(第1の演出パターン)及び、抽選結果に対応した複数の演出パターンのカットシーン(第2の演出パターン)を記憶している。
このゲームプログラムメモリ250には、カットシーンデータ読出部252が接続されており、上記ゲームプログラムメモリ250からは、命令信号解析部254からの始動入賞(抽選有効)信号の入力をトリガとして、1カットシーン分のデータが読み出されるようになっている。
読み出された1カットシーン分のデータ(動画像データ)は、結果が異なる複数種類のデータ群で構成されており、選択部256において、当該始動入賞に伴う抽選結果に応じたデータが選択される。
選択部256は、カットシーン指示部258に接続されており、このカットシーン指示部258からの指示信号によりデータ群内の特定のカットシーンを選択する。
カートシーン指示部258は、信頼度設定部260に接続されており、この信頼度設定部260において、前記命令信号解析部254からの当/外抽選結果信号に基づき設定される信頼度が入力されるようになっている。すなわち、前記読み出されたデータ群からは、信頼度に基づいてそれぞれ結果が異なるカットシーンの何れかが選択される。
選択されたカットーシーンは、画像表示制御手段としての動作実行制御部262において、画像表示装置としての表示部43での表示制御が実行される。
また、この動作実行制御部262には、各ホールのホールアウト後に実行されるラストチャンスゲームデータ読出部264を介してラストチャンスゲームデータメモリ266が接続されている。ラストチャンスゲームデータ読出部264では、前記命令信号解析部254からの当/外抽選結果信号に基づいて、当たり用ゲームデータ又は外れ用ゲームデータの何れかが選択され、動作実行制御部262へ送出される。
これにより、動作実行制御部262では、各ホールにおいて、ホールアウト(パー以上)したときには、前記ラストチャンスゲームがホールアウトに続いて実行される。なお、パーパット等でカップインしなかったときは、全てボギーとして認識され、ラストチャンスゲームは実行されない。
このラストチャンスゲームの信頼度とカットシーン(上がりスコア)との関係は、表1の如く設定されている。
すなわち、打数(ストローク)が少ないほど、信頼度が高く、特に各ホールにおいて、ホールインワンのカットシーンが表示された場合には、100%の当たりとなり、以下、打数が増える(パーに対する差が縮まる)毎に信頼度は低くなる。
以上が基本的なゲームプログラムであり、これを18ホール分の流れとして示したのが、図5の流れ図である。この流れ図に示す18ホール分の各演出パターン(第1の演出パターン)は、前述のゲームプログラムメモリ250に記憶されている。
すなわち、18ホール中、4番ホール(4H)、6番ホール(6H)、10番ホール(10H)、15番ホール(15H)がロングホール(パー5「PAR5」)であり、5番ホール(5H)、7番ホール(7H)、14番ホール(14H)、16番ホール(16H)がショートホール(パー3「PAR3」)であり、残りが全てミドルホール(パー4「PAR4」)となっている。
これらの各ホールでは、それぞれ1ストロークからパーストローク分(例えば、ミドルホールであれば、4ストローク)変動が実行され、カップインするとラストチャンスゲームが実行され、これが18ホール分繰り返されることになる。
なお、動作実行制御部262には、ホールアウトデータメモリ268が接続され、各ホールの結果が逐次記憶され、必要(例えば、遊技者による操作部270の操作)に応じて各ホールの結果が表示部43に表示できるようになっている。なお、操作部270は、本来の遊技が中断しないように、遊技者の左手が届く位置に設けることが好ましい。
また、動作実行制御部262では、18ホールが終了した時点でカットシーンデータ読出部252において読み出されている次の抽選結果に基づくカットシーンとして、ラウンド終了演出動画像が表示制御される。
このラウンド終了演出とは、18ホール回った最終結果に基づく表彰式形態であり、総スコア、ベストスコア、記録更新の報知等が実行され、最後に当/外の抽選結果を表示するようになっている。
上記のような制御によって、最大で73変動分(72ストローク分のショット又はパット+ラウンド終了演出)が一連のストーリーとして展開し、これが終了すると、1番ホールに戻って同様の処理が実行される。
また、動作実行制御部262には、タイマ272が接続されており、カットシーンの表示制御終了毎に動作実行制御部262からタイマ272へリセット、スタート信号が送出され、所定時間(ここでは、約5分)経過後にタイマ272から動作実行制御部262へタイムアップ信号が送出される。
このタイマ機能によって、各カットシーンの表示終了後、所定時間(約5分)経過しても、始動入賞がない場合、ホールの途中であっても、1番ホールのティーショットに戻すようにしている。5分間のインタバルは、遊技者が交代したと判断できるからである。
以下に第1の実施の形態の作用を説明する。
まず、通常遊技(第1の遊技)の流れを図6に示す遊技手段としての主制御部150におけるメインルーチンに従い説明する。
遊技者がハンドル30を把持し、発射のための操作を行なうと、このハンドル操作量(回転量)に応じた強度で、パチンコ球が打ち出される。
パチンコ球が打ち出されると、外バンド36及び内バンド38に案内されて盤面32の釘や風車等に当接しながら、予測し得ない移動をしながら落下していく。ここで、始動口46にパチンコ球が入賞すると(ステップ400での肯定判定)、ステップ402へ移行して保留数Mが4か否か(すなわち、保留が満杯が否か)が判断され、満杯ではないと判定されると、ステップ404へ移行して乱数カウンタから乱数を取得して、ステップ406へ移行する。
なお、ステップ402で肯定判定された場合には、抽選の権利がないため、始動口46への入賞分を賞球払出を行い、処理は終了する。
ステップ406では、現在図柄変動パターン演出中(変動中)であるか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ408へ移行して保留メモリMに取得した乱数を記憶し、次いでステップ410で保留数Mをインクリメント(M←M+1)して、このルーチンは終了する。
また、ステップ406で否定判定された場合には、ステップ412へ移行して前記取得した乱数に基づいて当/外抽選を実行する。
ここで、前記ステップ400で否定判定され、ステップ414へ移行して保留が存在すると判定(肯定判定)された場合には、保留メモリから最初に記憶した乱数を読出し(ステップ416)、次いで保留数Mをデクリメントして(ステップ418)、ステップ412へ移行する。この場合にも、ステップ412では、読み出した乱数に基づいて当/外抽選が実行される。
ステップ412での当/外抽選が終了すると、ステップ424では、始動入賞信号、当/外抽選結果信号を含む演出関連コマンドを演出制御部152へ、入賞に基づいて予め設定された賞球払出数等の賞球払出コマンドを払出制御部154へ命令信号として送信(コマンド送信)し、ステップ426へ移行する。
ステップ426では、演出制御部152における当/外判定の報知の終了を待って(主制御部150において、演出制御部152での演出時間を管理している)、当/外の抽選結果が当たりか否かが判断され、抽選の結果が当りの場合は、予め設定したラウンド数(例えば、15ラウンド)の大当たり処理が実行される(ステップ428)。この大当たり処理中は、大入賞口44がほとんど開放状態であるため、遊技者によって有利な状態とすることができる。所定ラウンドの大当たり処理が終了すると、通常の遊技に戻る。
次に、上記始動入賞に基づき実行される表示演出(第2の遊技)について説明する。
図7(A)には、前記図6のステップ424でコマンド送信された演出制御部152における抽選結果のための報知制御ルーチンが示されている。
ステップ300では、命令信号が入力されたか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ302へ移行してカットシーンデータの読出しを実行する。
すなわち、図4の命令信号解析部254に入力される命令信号の内、始動入賞信号がカットシーンデータ読出部252に入力されると、前回の演出のためのカットシーンデータの次のカットシーンデータがゲームプログラムメモリ250から読み出される。
この場合、通常のラウンド演出のためのカットシーンデータの場合がほとんどであるが、最大で73回に1回はラウンド終了演出のためのカットシーンデータが読み出される。
次のステップ304では、当/外抽選結果信号に基づいて、信頼度が設定される。次のステップ306では、前記設定された信頼度に基づいて、前記読み出したカットシーンデータのデータ群の中から、当たり又は外れの信頼度が加味されたカットシーンデータが選択される。
次のステップ308では、選択されたカットシーンが、動作実行制御部262において表示部43で表示されるように制御される。
表示部43への表示は、ラウンド演出の場合には、キャラクタがショット又はパットを行うラウンドシーンであり(図5参照)、ラウンド終了演出の場合には、スコアの発表等を含む表彰式シーンである。なお、ラウンド終了演出の詳細については後述する。
ラウンド演出のカットシーンの一例として、図8にパーパットの動画像のコマ画像を示す。
図8(A)はキャラクタによるパットアドレスシーン、図8(B)はゴルフボールがカップに向かって転動するシーン、図8(C)は見事カップインしたシーン、図8(D)はカップ手前で止まってしまったシーンであり、図8(C)と図8(D)とは何れか一方が選択されることになる。
図8(C)のようにカップインした場合には、ラストチャンスゲームへ移行し、図8(D)のようにカップインしない場合にはボギーとして記録され、終了する。
図7(A)に示される如く、表示部43での表示演出が終了すると、ステップ310へ移行して、前記表示部43での表示が、ラウンドシーンでのカップインか否かが判断され、肯定判定された場合には、ステップ312へ移行する。
ステップ312では、当/外抽選結果信号に基づいて、ラストチャンスゲームデータが読み出され、ステップ314へ移行して前記ラウンドシーンでのカップインに続いて、ラストチャンスゲームの実行がなされ、当/外の表示がなされた後、ステップ316へ移行する。なお、ラストチャンスゲームの詳細については後述する。
ステップ310で否定判定された場合には、ラウンドシーンでの標準打数でのカップインがなかった、あるいは表彰式シーンであると判断し、前記ステップ312、314の処理は実行せず、ステップ316へ移行する。
なお、この場合、表彰式シーンでは、前記選択部256(図4参照)で選択される際に、当/外の何れかが表示される。
一方、ラウンドシーンでの標準打数でのカップインがなかった場合には、この時点で外れが確定する。
ステップ316では、演出内容がラウンド演出の各ホールのホールアウトシーンの場合、当該ホールのストローク等が演出結果記憶手段としてのホールアウトデータメモリ268に記録され、ステップ318へ移行する。
ステップ318では、タイマ272へリセット・スタート信号を送出し、タイマ272をリセット・スタートさせる。
次のステップ320では、所定時間(ここでは、5分)経過したか否かが判断され、肯定判定された場合には、遊技者の交代があったと判断し、ステップ322へ移行して、1番ホールから今までのラウンド経過を全てリセットし、処理は終了する。
なお、上記ホールアウト毎のデータ記憶のみならず、各カットシーン毎のデータ(第2の遊技状態情報)の記憶も行ってもよい。
また、ステップ320で否定判定された場合には、ステップ300へ戻り、次の命令信号(始動入賞信号)の入力があったか否かが判断される。また、このステップ300で否定判定の場合には、ステップ320へ移行し、以後、ステップ300で命令信号(始動入賞信号)の入力、あるいはステップ322でのタイマのタイムアップがあるまで、ステップ300、322を繰り返す。
なお、遊技者が遊技中に操作部270を操作すると、図7(B)の割り込みルーチンが作動し、ステップ324でホールアウトデータメモリ268に記録されたホールアウトデータが読み出され、図9に示される如く、この操作部270が操作されている(例えば、押圧し続けている)間、ホールアウトデータメモリ268に記録されたホールアウトデータが表示部43に表示される(ステップ326、328)。
(ラウンド終了演出(表彰式シーン))
図10には、ラウンド終了演出の流れが示されている。
このラウンド終了演出(表彰式シーン)は、クラブハウスの表彰式会場を背景して、ラウンドスコアの表示、ベストスコアの表示がなされた後、福引き抽選会を実行する状態を動画として表示する。
図10に示される如く、ステップ330ではラウンドが終了したことを示すメッセージ(「ラウンド終了です。おつかれさまー」)が表示され、次いでステップ332、334、336で総スコア、ドラコン飛距離、ベスト飛距離の発表がそれぞれ実行され、ステップ338へ移行する。
ステップ338では、新記録か否かが判断され、肯定判定されるとステップ340へ移行して、記録更新であることを示すメッセージの表示後、記録更新を行い,ステップ344へ移行する。
また、ステップ338で、否定判定されるとステップ342へ移行して記録更新がならなかったことを示すメッセージを表示した後、ステップ344へ移行する。
ステップ344、346では、ニヤピン距離、ベストニヤピンの発表がそれぞれ実行され、ステップ348へ移行する。
ステップ348では、新記録か否かが判断され、肯定判定されるとステップ350へ移行して、記録更新であることを示すメッセージの表示後、記録更新を行い,ステップ354へ移行する。
また、ステップ348で、否定判定されるとステップ352へ移行して記録更新がならなかったことを示すメッセージを表示した後、ステップ354へ移行する。
ステップ354では、福引き抽選会が始まることを促すメッセージが表示され、この福引き抽選会において、当たり/外れを表示する。
次のステップ356では、当たりか否かが判断され、肯定判定されるとステップ358へ移行して、当たり(再抽選、大当たり)演出を実行し、ステップ362へ移行する。また、ステップ356で否定判定されると、ステップ360へ移行してメッセージ(「残念」)を表示した後、ステップ362へ移行する。
ステップ362では、終了メッセージを表示した後、1番ホールへ戻り、処理は終了する。
(ラストチャンスゲーム)
図11には、ラストチャンスゲームの流れが示されている。
ラストチャンスゲームは、各ホールにおいて、パー以上(パー、バーディー、イーグル、アルバトロス、ホールインワン)でカップインしたときに実行されるものであり、このラストチャンスゲームの結果によって、抽選の結果が報知されることになる。
このとき、各カップインスコアは、表1に示されるような信頼度で当たりの可能性を持っており、ホールインワンの場合には、当たりが確定となる。
ラストチャンスゲームは、従来の図柄変動パターン演出に類似するものであり、図12(A)乃至(D)に示すように、3個の図柄の背景をゴルフボールとし、このゴルフボールが回転することで、図柄へ次々に変化している状態を動画として表示するものである。
図11に示される如く、ステップ364では3図柄の変動を開始し(図12(A)参照)、ステップ366において、予告発生有りの場合には、ステップ368へ移行して予告用の図柄(ここでは、ゴルフクラブ)を出現させ(横切らせ)、ステップ370へ移行する。予告発生無しの場合には、ステップ366からステップ370へ移行する。
ステップ370では、第1図柄である左図柄を停止させ、次いでステップ372では第2図柄である中図柄を停止させ、ステップ374へ移行する。
ステップ374では、第1図柄と第2図柄が同一図柄であるか否かが判断され、肯定判定された場合には、ステップ376へ移行してリーチ状態であることを報知し(図12(B)参照)、ステップ378へ移行する。ステップ374で否定判定の場合には、ステップ378へ移行する。
ステップ378では、第3図柄である右図柄を停止させ、ステップ380へ移行する。
ステップ380では、全ての図柄が同一図柄であるか否かが判断され、肯定判定された場合には(図12(D)参照)、ステップ382へ移行して再抽選が実行され、その後、ステップ384で大当たり処理が実行されて処理は終了する。
また、ステップ380で否定判定された場合には、ステップ386へ移行して外れであることを報知し(図12(C)参照)、処理は終了する。
なお、ステップ384又はステップ386の処理が終了すると、図5に示すように、次のラウンドのゴルフゲームが開始される。
(表示部43による各演出実行後の処理)
図13(A)乃至(C)は、前述したラウンド演出、ラウンド終了演出、ラストチャンスゲーム演出が実行された後の処理の流れを説明するフローチャートである。
図13(A)は、ラウンド演出後の処理を示すフローチャートであり、ステップ450では、パー以上でカップインしたか否かが判断される。
ここで、肯定判定された場合にはステップ452へ移行してラストチャンスゲーム演出へ移行する。
また、ステップ450で否定判定された場合には、ステップ454へ移行してボギーとして記録し、次いで、ステップ456で現在が18番ホールか否かが判断され、否定判定の場合には、ステップ458へ移行して、次変動時にはラウンド演出を継続するように設定し、肯定判定の場合には、ステップ460へ移行して、次変動時にはラウンド終了演出を実行する。
図13(B)は、ラウンド終了演出後の処理を示すフローチャートであり、ステップ462では、表彰式シーンの最後に実行される福引きシーンにおいて、当たりか外れかを判断し、肯定判定されると、ステップ464へ移行して、再抽選が実行される。この再抽選は、本来の遊技において、以後当たりの確率を高くした状態で遊技を実行させるか、通常の確率で遊技を実行させるかを表示するためのものであり、ここで、確率変動があった場合には、その確率が設定される。次のステップ466では、大当たり処理が実行され、ステップ468へ移行する。また、ステップ462で否定判定された場合にもステップ468へ移行する。
ステップ468では、次変動時に、1番ホールのラウンド演出を実行する。
図15は、上記図13(B)で示した福引シーンを含むラウンド終了演出時の表示画像の流れを示している。
図15(A)では、「ラウンド終了で〜す!おつかれさま〜!」のメッセージボード43Aが表示され、次いで、図15(B)のように「結果発表!!」のメッセージボード43Aに切り替り、図15(C)に示すように、メッセージボード43Aに総スコアが表示される。
この総スコアの表示後は、図15(D)に示すように、メッセージボード43Aにベストスコアが表示され、当該遊技者の総スコアとベストスコアとの比較結果(図15(E)乃至(G))がメッセージボード43Aに表示される。
その後、図15(H)に示すように福引シーンの最初である「福引抽選会 賞品は”大当たり”」というメッセージがメッセージボード43Aに表示される。次いで、図15(I)及び(J)に示すように、抽選の状況を示す画像が表示され、当たりの場合には、図15(K)に示すように「おめでとう!!大当たり!!!」のメッセージがメッセージボード43Aに表示され、外れの場合には、図15(L)に示すように「残念・・・次のラウンドに期待」のメッセージがメッセージボード43Aに表示される。
図13(C)は、ラストチャンスゲーム演出後の処理を示すフローチャートであり、ステップ470では、ラストチャンスゲームにおいて、当たりか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ472へ移行して、再抽選が実行される。この再抽選は、本来の遊技において、以後当たりの確率を高くした状態で遊技を実行させるか、通常の確率で遊技を実行させるかを表示するためのものであり、ここで、確率変動があった場合には、その確率が設定され、次いでステップ474では、大当たり処理が実行され、ステップ476へ移行する。なお、ステップ470で否定判定された場合も、ステップ476へ移行する。。
すなわち、ステップ470で否定判定、あるいはステップ474の大当たり処理の実行が終了すと、ステップ476へ移行して現在が18番ホールか否かが判断され、肯定判定された場合には、ステップ478へ移行して、次の変動でラウンド終了演出を実行し、否定判定された場合には、ステップ480へ移行してラウンド演出を実行する。
以上説明したように第1の実施の形態では、パチンコ機10の本来の遊技、すなわち、発射装置によってパチンコ球を遊技盤32へ送り出し、遊技盤32上でのパチンコ球の予期しない動きを楽しみながら始動口46への入賞(大当たりの抽選権の獲得)を期待する遊技に加え、表示部43において、ゲーム性、ストーリー性のある動画像を表示すると共に、この動画像が前記始動口46への入賞毎に予め設定したカットシーンを順次表示する構成とした。このため、始動口46への入賞によって表示部43に表示されるストーリーが徐々に展開していくため、遊技者は、本来の遊技の他、表示部43での表示を楽しむことができ、趣向性を向上することができる。これにより、パチンコ機10の稼働率を高めることができる。
また、表示部43でのストーリーには、本来の遊技の抽選結果によって変化する複数のカットシーンが設定され、当該抽選結果や信頼度によって選択するようにしたため、抽選結果の当たりへの期待感を持ちながら、表示部43の表示を楽しむことができる。
さらに、第2の遊技として適用したゴルフゲームにおけるラウンド終了時には、ラウンド終了演出を実行し、このラウンド終了演出では、当該第2の遊技の結果(ラウンド結果)を表示すると共に、第1の遊技の抽選の結果を報知する演出を兼ねているため、遊技者は、この第2の遊技を最後まで期待感を持って楽しむことができ、遊技の趣向性を増大することができる。
(第2の実施の形態)
上記第1の実施の形態では、遊技機としてパチンコ機10を例にとり説明したが、本発明はパチンコ機10以外に、パチスロ機500(図14参照)やカジノ系のスロットマシンにも適用可能である。以下、図14にパチスロ機500の構成について説明する。
図14に示される如く、パチスロ機500は、本体502と、本体502の正面に設けられた開閉カバーとしての操作兼装飾部503と、で構成されている。
操作兼装飾部503は、本体502に対して左端を中心に回動することで開閉可能となっている。
操作兼装飾部503は、上から装飾部504、操作部506、払出部510とに分類することができる。
装飾部504は、内部でバックライト部(図示省略)が点灯することで、印刷された絵や文字が透過照明される表示パネル部512が取り付けられている。また、装飾部504の一部として、前記装飾部504をアーチ状に囲む立体的な電飾部504Aも設けられている。
装飾部504の表示パネル部512の中央は、表示窓514とされている。表示窓514は、前記表示パネル部512と一体成型される透明領域で構成されている。
この表示窓514の内部には、図柄変動部516が設けられ、3個のリール(回胴)が回転するようになっている。表示パネル部512における表示窓514の左部には、図示しない指標部となっており、表示窓514に揃う図柄の状態(列数等)を案内表示している。
また、表示窓514の下部には、左から順番にメダル払出枚数を表示する7セグメント表示部515A、ジャックゲーム残回数や遊技状態の設定(6段階)表示等を行なう表示部515B、クレジット枚数を表示する7セグメント表示部515Cが設けられている。
操作部506は、その上部が手前に突き出ており、この突き出し部分の上面部の右端部にはメダル投入部520が設けられ、また左端部からは順にキャンセルボタン555、1枚ベットボタン552A、マックスベットボタン552Bが設けられている。また、突き出し部分の前面部の図2の左端部からは、順に始動装置としての始動レバー554、停止装置としての停止ボタン556A、556B、556C等が設けられている。
払出部510は、メダル排出口526と、このメダル排出口526から排出されるメダルを受取る受け皿528とで構成されている。
前記表示窓514の上部には、液晶表示装置560が設けられており、この液晶表示装置560を利用して、パチスロ機500の始動レバー554の操作により、図柄変動516の回胴リールが回転し、遊技者が停止ボタン556A、556B、556Cを操作することにより、図示しない主制御部(遊技手段)による制御が行われ,始動レバー554の操作に基づく内部抽選に対応した形で回胴リールが停止することにより、大当たり、小当たり等の役を揃え、所定枚数のメダルを獲得したり、大当たりの場合には、より多くのメダルの獲得が可能となる特別遊技を行うという本来の遊技(第1の遊技)とは別に、かつ並行して特定のストーリー性のある動画像を表示している。このストーリー性のある動画像は複数のカットシーンから構成され、遊技者の始動レバー554の操作毎に1カットシーンずつ表示され、第2の遊技が展開される。また、同一のシチュエーションにおいて、本来の遊技の内部抽選が当たりの場合と外れの場合とで、異なる結果となる複数のカットシーンが準備され、適宜選択されて表示される。
なお、第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、第2の遊技としてゴルフゲームを例にとり説明し、当たりを印象付ける演出として、カップイン演出を適用したが、第2の遊技としてアドベンチャーゲームが適用された場合には、当たりを印象付ける演出として、冒険中の「宝の発見」を表現する演出であってもよい。また、ロールプレイイングゲームが適用された場合には、主人公が重要な獲物を捕らえたり、重要な武器を手に入れるような演出としてもよい。
また、第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、同じ状況下で進行するカットシーンデータを複数準備しておき(データ群)、本来の遊技の抽選結果に基づいて何れかを選択する構成としたが、この抽選結果に全く影響を受けることなく、ストーリーが展開していくようにしても、遊技者に対する趣向性という主たる目的は達成することができる。
なお、本来の抽選結果に影響を受けないストーリーの場合、例えば、ランダム、所定の遊技回数(パチンコ機10であれば発射数、パチスロ機500であれば始動数)毎に、遊技者に特典を与えるようにしてもよい。特典の例としては、抽選確率を所定期間高めたり、パチンコ球やメダル、あるいはホール内のドリンクサービス等が挙げられる。