JP2005027492A - 永久磁石形モータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 あるスロット数を持ったステータ9と、永久磁石2を設けたある極数を持ったロータ3とを備えた永久磁石形モータにおいて、あらかじめ設定したスロット数と極数を基準にモータ出力が増す毎にスロット数、極数を整数倍とし、巻線、絶縁部、コアピースと永久磁石を共通化するようにした。
【選択図】 図1
Description
図5は、従来の永久磁石形モータの構成を示す1/4断面図で、(A)はモータ外径Dの寸法が小、(B)はDの寸法が中、(C)はDの寸法が大となっている。
図において、1はロータシャフトであり、ロータシャフト1の表面に永久磁石2を複数個、接着剤等で貼り付けてロータ3を構成する。
一方、このロータ3と空隙を介してティース4およびヨーク5からなる磁性体部と、このティース4の間の空間に配置された絶縁材7および巻線8とからステータ9を構成する。
そこで、小型モータ(A)から、中型モータ、大型モータと出力を増やしたモータを設計する場合、従来法では、モータ外径をD、長手寸法をLとすると、モータ出力はD2Lに比例することから、Lを一定とすると、Dを相似形状で拡大すればよいことになる。 このようにして得られたモータが、(B)の中型モータ、(C)の大型モータである。図から判るように、図(B)および図(C)における部品である永久磁石2、絶縁材7、巻線8は図(A)のそれの相似形となっている。
そこで、本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、ステータコアや永久磁石や巻線、絶縁材をD寸法に関わらず共通化することができる永久磁石形モータを提供することを目的とする。
請求項1に記載の永久磁石形モータの発明は、あるスロット数を持ったステータと、永久磁石を設けたある極数を持ったロータとを備えた永久磁石形モータにおいて、あらかじめ設定した極数とスロット数を基準に、モータ出力が増す毎に極数、スロット数を整数倍とし、巻線、絶縁材と永久磁石を共通化することを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、永久磁石とロータシャフト間の接着溝を永久磁石、ロータシャフトの曲率の差を利用して設けたことを特徴とするものである。
また、請求項3に記載の永久磁石形モータの発明は、あるスロット数を持ったステータと、永久磁石を設けたある極数を持ったロータとを備えた永久磁石形モータにおいて、あらかじめ設定した極数とスロット数を基準に、モータ出力が増す毎に極数、スロット数を整数倍とし、ステータコアをヨーク部で分割したコアピース、巻線、絶縁材と永久磁石を共通化することを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、ステータ及びロータをモータ出力が増す毎に長手方向へ永久磁石の整数倍の長さとし、永久磁石を共通化することを特徴とするものである。 また、請求項5に記載の発明は、モータ巻線部の巻数を変更したことを特徴とするものである。
また、永久磁石とロータシャフト間の接着溝を永久磁石、ロータシャフトの曲率の差を利用して設けたため、接着溝を確保する突起が不要であり、接着層が確保できるため、接着力のバラツキが少なく、信頼性が向上する。
また、ステータコアをヨーク部で分割したコアピース、巻線、絶縁材と永久磁石を共通化するため、コアピース使用の永久磁石形モータにおいても構成部品を共通化することができ、金型や治工具を新たに準備する必要がなくなる。また、コアピースをU溝と凸部の係合で結合するため、ステータコア外径とフレーム間の間に若干の隙間が生じても、コアピースのU溝と凸部の係合部でこれらの隙間が吸収されるようになる。
また、モータ出力が増す毎にステータ及びロータを長手方向へ永久磁石の整数倍の長さとし永久磁石を共通化するため、長手方向のL寸法毎までも永久磁石を共通化できる。
また、モータ巻線部の巻数を変更することで、所望のモータ特性へ容易に変更することができるようになる。
(第1実施の形態)
図1は、本発明の永久磁石形モータの1/4横断面図で、(A)はモータ外径Dの寸法が小、(B)はDの寸法が中、(C)はDの寸法が大となっている。
図1において、1はロータシャフト、2は永久磁石、3はロータ、4はティース、5はヨーク、7は絶縁材、8は巻線、9はステータである。
ロータシャフト1の表面に永久磁石2を複数個、接着剤等で貼り付けてロータ3を構成する。
一方、このロータ3と空隙を介してティース4およびヨーク5からなる磁性体部と、このティース4の間の空間に配置された絶縁材7および巻線8とからステータ9を構成する。
基本の極数、スロット数を8極、9スロットとした場合、(A)の小型モータは極数、スロット数を4倍した32極36スロットを示したものである。
モータトルクTはステータ内半径をR(m)、ステータ内径の単位面積あたりの接線力をδ(N/m2)、ステータ内径の面積をS(m2)とすると、
T=R・δ・S(N・m)
になる。
電磁構造は同じであるため、δは一定、Rは極数、スロット数に比例、長手寸法Lを同じにすると、Sも極数、スロット数に比例するため、モータトルクは極数、スロット数の整数倍比の2乗に比例する。
よって、(B)のモータトルクはAの(5/4)2=1.56倍になる。
したがってモータトルクはAの(6/4)2=2.25倍になる。
このように、本発明に係る手法によれば、巻線、絶縁材と永久磁石を共通化しながら、モータトルクやモータ出力を増したモータが製作可能となる。
図2は第2実施の形態の構成を示す図である。
従来図である図5において、ロータシャフト1と永久磁石2は、図示していいが接着剤で強固に固定されている。これは永久磁石2にはロータが回転する際の遠心力による法線方向の引っ張り力とトルク発生の際に電磁力による接線力が加わるため、それらに打ち勝つ接着強度が求められるからである。
したがって接着強度の絶対値を高く、それも安定的に保つには、ある程度の接着溜りが必要であった。したがって従来は、接着溜りの確保のため、ロータシャフト1の表面に突起を設けるなどの工夫がなされており、この突起の製作に手間がかかった。
ところが、図1の本発明の手法によれば、ロータシャフト1はモータ出力に比例して大きくなるのに、永久磁石2の形状は一定であるため、ロータシャフト1の曲率と永久磁石2の内径曲率に若干差が生じ、その拡大図である図2のようにロータシャフト1の曲率と永久磁石2の間に隙間が生じ、この隙間を接着剤13を溜める接着溜りに利用すれば、改めて接着溜りを製作する必要が無く好都合である。しかもモータが大型化するほど、強力な接着力が必要となるが、これによればモータが大型化するほど隙間が大きくできるので、より大きな接着強度が確保できることとなる。
図3は第3実施の形態の構成を示す図である。
図において、(A)から(C)に向けてモータ外径D1、D2、D3が順に大きくなり、(イ)から(ハ)に向けてモータの長手方向長さL1、L2、L3が順に長くなっている。そして、各図において、符号2は永久磁石、3はロータ、9はステータである。
そこでステータ及びロータをモータ出力が増す毎に、図(A)〜(C)のようにモータ外径D1、D2、D3を順に大きくする他に、モータの長手方向にも順に長くしてゆくが、その場合、第3実施の形態により図(イ)〜(ハ)の長さL1、L2、L3ように、長手方向へは永久磁石の整数倍の長さとし、永久磁石を共通化したものである。
このようになっているため、請求項1のD寸法毎の共通化に加え、長手方向のL寸法毎までも永久磁石を共通化できる。
第4の実施の形態は、モータ巻線8の巻数を変更したものである。
モータの電磁構成が同じであれば、モータの電圧は巻数に比例し、モータの電流は巻数に反比例となる。巻線の共通化は崩れるものの、ある設定された電圧、電流に合致する特性へ容易に変更ができる。
図4は第5実施の形態を示す永久磁石形モータの1/4横断面図で、(A)はモータ外径Dの寸法が小、(B)はDの寸法が中、(C)はDの寸法が大となっている。
図4において、1はロータシャフト、2は永久磁石、3はロータ、4はティース、5はヨーク、6はコアピース、7は絶縁材、8は巻線、9はステータ、10aはU溝、10bはU溝10aと係合する凸部、11はフレーム、12は凹部である。ロータシャフト1の表面に永久磁石2を複数個、接着剤等で貼り付けてロータ3を構成している。
一方、このロータ3と空隙を介して電磁鋼板を長手方向に重ね合わせたティース4およびヨーク5からなる複数のコアピース6と、このティース4の間の空間に配置された絶縁材7および巻線8とからステータ9を構成している。
コアピース6の両端は、一方がU溝10a、他方がU溝10aと係合する凸部10bとなっており、隣接のコアピース6との間でU溝10aと凸部10bとの係合で互いに連結できる構成になっている。連結は強固ではなくステータ9の曲率変化に対応できるよう、ある程度の隙間を持たせている。
ステータ9を構成した後、ステータ9の外周へフレーム11を焼き嵌めしてステータ9を強固に固定させる。コアピース6外周の中央に設けた凹部12は、コアピース6外周の曲率とフレーム11の曲率の違いにより発生する焼き嵌めでの応力集中を緩和させるものである。
基本の極数、スロット数を8極、9スロットとした場合、(A)の小型モータは極数、スロット数を4倍した32極36スロットを示したものである。
モータトルクTはステータ内半径をR(m)、ステータ内径の単位面積あたりの接線力をδ(N/m2)、ステータ内径の面積をS(m2)とすると、
T=R・δ・S(N・m)
になる。
電磁構造は同じであるため、δは一定、Rは極数、スロット数に比例、長手寸法Lを同じにすると、Sも極数、スロット数に比例するため、モータトルクは極数、スロット数の整数倍比の2乗に比例する。
よって、(B)のモータトルクはAの(5/4)2=1.56倍になる。
したがってモータトルクはAの(6/4)2=2.25倍になる。
このように、第5実施の形態によれば、巻線、絶縁材、それにコアピースと永久磁石を共通化しながら、モータトルクやモータ出力を増したモータが製作可能となるため、部品共通化によるスケールメリットが得られ部品単価の低減、在庫管理の省力化、型投資や治工具の削減という効果がある。
また、ステータコアをヨーク部で分割する構造とし、それぞれの枠に対応するスロット数のコアピースをU溝と凸部の係合で結合するため、ステータコア外径とフレーム間は曲率が違って両者の間に若干の隙間が生じても、コアピースのU溝と凸部の係合部でこれらの隙間が吸収されるようになる。
なお、この第5実施の形態においても、第1実施の形態で適用した第3および第4実施の形態が適用されることができることは言うまでもない。
また、請求項2によれば、容易に接着溝が確保できるため、信頼性向上の効果や加工性が容易であり安価な部品が提供できる効果がある。
また、請求項3によれば、巻線、絶縁材、それにコアピースと永久磁石を共通化しながら、モータトルクやモータ出力を増したモータが製作可能となるため、部品共通化によるスケールメリットが得られ部品単価の低減、在庫管理の省力化、型投資や治工具の削減という効果がある。また、ステータコアをヨーク部で分割する構造とし、それぞれの枠に対応するスロット数のコアピースをU溝と凸部の係合で結合するため、ステータコア外径とフレーム間は曲率が違って両者の間に若干の隙間が生じても、コアピースのU溝と凸部の係合部でこれらの隙間が吸収されるようになる。
また、請求項4によれば、長手方向のL寸法毎までも永久磁石を共通化できため、さらなる量産効果が得られる。
また、請求項5によれば、特性が変更可能であるため、さまざまな要求仕様にマッチしたモータを提供できる効果がある。
2 永久磁石
3 ロータ
4 ティース
5 ヨーク
6 コアピース
7 絶縁材
8 巻線
9 ステータ
10a U溝
10b 凸部
11 フレーム
12 凹部
Claims (5)
- あるスロット数を持ったステータと、永久磁石を設けたある極数を持ったロータとを備えた永久磁石形モータにおいて、
あらかじめ設定した極数とスロット数を基準に、モータ出力が増す毎に極数、スロット数を整数倍とし、巻線、絶縁材と永久磁石を共通化することを特徴とする永久磁石形モータ。 - 永久磁石とロータシャフト間の接着溝を永久磁石、ロータシャフトの曲率の差を利用して設けたことを特徴とする請求項1記載の永久磁石形モータ。
- あるスロット数を持ったステータと、永久磁石を設けたある極数を持ったロータとを備えた永久磁石形モータにおいて、
あらかじめ設定した極数とスロット数を基準に、モータ出力が増す毎に極数、スロット数を整数倍とし、ステータコアをヨーク部で分割したコアピース、巻線、絶縁材と永久磁石を共通化することを特徴とする永久磁石形モータ。 - ステータ及びロータをモータ出力が増す毎に長手方向へ永久磁石の整数倍の長さとし、永久磁石を共通化することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の永久磁石形モータ。
- モータ巻線の巻数を変更したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の永久磁石形モータ。
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