JP2005026013A - 透明電極膜付基板および透明電極膜付基板を有するエレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】EL表示パネルの製造に好適で、低抵抗化と歩留まりの向上を図った透明電極膜付基板、および透明電極膜付基板を有するエレクトロルミネッセンス素子を提供すること。
【解決手段】ITO膜付基板15におけるITO膜14の表面に、シート抵抗(Ω/□)と膜厚(nm)との積が220〜300(Ω/□)・nmであるCr膜20が補助電極として形成されている。そのため、表面平坦性の優れたITO膜14表面に、シート抵抗(Ω/□)と膜厚(nm)との積が220〜300(Ω/□)・nmと抵抗値が低くかつ密着性の良いCr膜20を補助電極として形成することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】ITO膜付基板15におけるITO膜14の表面に、シート抵抗(Ω/□)と膜厚(nm)との積が220〜300(Ω/□)・nmであるCr膜20が補助電極として形成されている。そのため、表面平坦性の優れたITO膜14表面に、シート抵抗(Ω/□)と膜厚(nm)との積が220〜300(Ω/□)・nmと抵抗値が低くかつ密着性の良いCr膜20を補助電極として形成することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、EL表示パネルなどに用いる透明電極膜付基板および透明電極膜付基板を有するエレクトロルミネッセンス素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機エレクトロルミネッセンス(Electroluminescence:以下「EL」と言う)素子は、平面光源や、次世代のフラットパネルディスプレイなどとして注目されている。有機EL素子を用いた有機EL表示パネルは、電流駆動型の表示パネルであり、中でもパッシブ駆動型(単純マトリクス方式)の有機EL表示パネルでは、酸化インジウム錫(Indium Tin Oxide:以下「ITO」と言う)膜などの透明電極膜が配線電極となる。そのため、有機EL素子におけるITO膜(透明電極膜)は、光の透過率が高いとともに、電気抵抗値の低いことが必要とされる。
【0003】
近年、有機EL表示パネルの高精細化や低消費電力化にともなって、配線電極となるITO膜の低抵抗化の要求がますます高まっている。そこで、配線電極の低抵抗化のために、ガラス基板上にITO膜等からなる主電極と、この主電極に沿って形成されたNiやCr等からなる補助電極とを形成してなる表示素子用電極基板が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、有機EL表示パネルは薄膜型の表示パネルであるため、ITO膜付基板の表面に凹凸があると、例えば陽極となるITO膜の凸部と陰極となる金属電極とが短絡して非発光点(有機EL素子上で発光しない点:暗点)が発生し、表示上の欠点となる。このため、ITO膜の表面は平坦であることが強く望まれている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−47235公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、有機EL素子に用いられる表面平坦性に優れたITO膜表面に、上記特許文献1に記載された従来技術のようにCr膜をスパッタリング法などにより成膜すると、Cr膜は膜応力(引っ張り応力)が大きいため、ITO膜との密着性が悪く、剥がれやすい。そのため、ITO膜表面に成膜したCr膜は、その成膜に続いて行われる電極パターニングの工程で剥がれてしまい、有機EL表示パネルの歩留まりを悪化させていたという問題点があった。なお、本明細書中において、「膜応力」は、膜の内部応力で、引っ張り応力を意味する。
【0007】
本発明の目的は、このような従来の問題点に着目してなされたもので、その目的は、EL表示パネルの製造に好適で、低抵抗化と歩留まりの向上を図った透明電極膜付基板および透明電極膜付基板を有するエレクトロルミネッセンス素子を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、透明基板の表面に透明電極膜が形成されている透明電極膜付基板であって、前記透明電極膜の表面に、シート抵抗(Ω/□)と膜厚(nm)との積が220〜300(Ω/□)・nmである金属膜が補助電極として形成されていることを要旨とする。
【0009】
この構成によれば、表面平坦性の優れた透明電極膜表面に、シート抵抗(Ω/□)と膜厚(nm)との積が220〜300(Ω/□)・nmと抵抗値が低くかつ密着性の良い金属膜を補助電極として形成することができる。したがって、EL表示パネルの製造に好適で、低抵抗化と歩留まりの向上を図った透明電極膜付基板を実現することができる。
【0010】
その積が220(Ω/□)・nmより小さすぎると、金属膜の膜応力が大きくなって金属膜が剥がれやすくなってしまう。また、その積が300(Ω/□)・nmと大きすぎると、金属膜の抵抗値が高くなってしまう。
【0011】
なお、ここにいう「シート抵抗」は、正方形薄膜の一辺から対辺までの電気抵抗をいい、単位として通常(Ω/□)が使われる。また、シート抵抗(Ω/□)と膜厚(nm)との積である220〜300(Ω/□)・nmは、金属膜の表面で測定したシート抵抗(Ω/□)の値は下層の透明電極膜の抵抗の影響を受けるので、金属膜に固有の比抵抗(Ω・nm)ではない。
【0012】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の透明電極膜付基板において、前記金属膜はCr膜であることを要旨とする。
この構成によれば、表面平坦性の優れた透明電極膜表面に、抵抗値が低くかつ密着性の良いCr膜を補助電極として形成することができる。
【0013】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の透明電極膜付基板において、前記透明電極膜の表面粗さRaは0.3nm≦Ra≦2nmであることを要旨とする。
【0014】
この構成によれば、透明電極膜の表面粗さRaが0.3nm≦Ra≦2nmである表面平坦性の優れた透明電極膜表面に、抵抗値が低くかつ密着性の良い金属膜或いはCr膜を補助電極として形成することができる。
【0015】
表面粗さRaが0.3nmより小さすぎると、金属膜の密着性が悪くなる。また、表面粗さRaが2nmより大きすぎると、有機EL表示パネル等を構成する場合に、上記非発光点が発生し、表示上の欠点となる。
【0016】
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか一つに記載の透明電極膜付基板において、前記透明電極膜は酸化インジウム錫膜であることを要旨とする。
この構成によれば、表面平坦性の優れた酸化インジウム錫膜表面に、抵抗値が低くかつ密着性の良い金属膜或いはCr膜を補助電極として形成することができる。
【0017】
請求項5に係る発明は、請求項2〜4のいずれか一つに記載の透明電極膜付基板において、Cr膜の膜厚が180nm〜410nmに設定されることを要旨とする。
【0018】
この構成によれば、EL表示パネルの製造にさらに好適で、低抵抗化と歩留まりの向上をさらに図ることができる。Cr膜の膜厚が180nmより薄すぎると、Cr膜表面のシート抵抗値が高くなってしまう。また、その膜が410nmより厚すぎると、Cr膜の膜応力が大きくなり、Cr膜が剥がれやすくなるという問題が生じる。
【0019】
請求項6に係る発明は、請求項2〜4のいずれか一つに記載の透明電極膜付基板において、前記透明電極膜の膜厚が60nm〜250nmに設定されることを要旨とする。
【0020】
この構成によれば、EL表示パネルの製造にさらに好適で、低抵抗化と歩留まりの向上をさらに図ることができる。透明電極膜の膜厚が60nmより薄すぎると、その抵抗値が高くなってしまう。また、その膜厚が250nmより厚すぎると、そのパターンを形成するのが難しくなってしまう。
【0021】
つまり、透明電極膜のパターンは、通常フォトリソグラフィ法で形成される。その際、透明電極膜の表面に樹脂レジストのパターン層を形成した後、不要部分の透明電極膜をエッチングにより除去する。このとき、透明電極膜の膜厚が250nmより厚すぎると、エッチング時間が長くなり、パターンのエッジ部分に透明電極膜が溶け出して樹脂レジストの下の部分にまでエッチングが及ぶ、いわゆる「オーバーエッチング」現象が起こる。このため、出来上がりのパターン線幅が細くなる「線細り」という問題が生じるとともに、エッチングの所要時間が長くなってしまうという問題が生じる。このように、透明電極膜の膜厚が250nmより厚すぎると、高精細な透明電極膜のパターンを形成するのが難しくなり、その形成処理に長時間を要してしまう。
【0022】
これに対して、透明電極膜の膜厚を60nm〜250nmに設定することにより、高精細な透明電極膜のパターンを形成するのが容易になり、その形成処理を短時間で行うことができる。
【0023】
請求項7に係る発明は、請求項1〜6のいずれか一つに記載の透明電極膜付基板を有するエレクトロルミネッセンス素子である。
この構成によれば、EL表示パネルの製造に好適で、低抵抗化と歩留まりの向上を図った透明電極膜付基板を有するエレクトロルミネッセンス素子を実現することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
[一実施形態]
以下、本発明を有機EL素子に具体化した一実施形態を図1および図2に基づいて説明する。図1は一実施形態に係る透明電極膜付基板を示し、図2はその透明電極膜付基板を有する有機EL素子を示している。
【0025】
図2に示す有機EL素子11は、図1に示す透明電極膜付基板としてのITO膜付基板15を用いて作られている。このITO膜付基板15は、透明基板としてのガラス基板12の表面に透明電極膜としてのITO膜14が成膜されたものである。ガラス基板12は、例えば無アルカリガラス基板である。
【0026】
また、図2に示す有機EL素子11は、ITO膜14の表面に成膜され発光層17に効率よく正孔を注入するための正孔輸送層16と、この正孔輸送層16の表面に成膜され、発光層17に電子を注入するための金属薄膜層18とを有している。
【0027】
<ガラス基板12>
本実施形態に係るITO膜付基板15のガラス基板12は、実質的にアルカリ金属酸化物を含まない無アルカリガラス基板である。ここにいう「実質的にアルカリ金属酸化物を含まない無アルカリガラス」とは、LiO2やNaO2、KO2などのアルカリ金属の酸化物を実質的に含有しない、すなわちそれらの酸化物がガラス成分の分析装置による分析によって検出されないガラスであることを意味する。
【0028】
本実施形態では、ガラス基板12のガラスは、酸化物に換算した重量百分率で表示して、SiO2 60%、B2O3 10%、Al2O3 15%、BaO5%、RO(Ba以外のアルカリ希土類) 9%、As2O3 1%の組成を有している。このガラス基板12では、ガラス中のアルカリ成分が、ガラス基板12表面に形成されるITO膜14や有機EL素子を構成する正孔輸送層16や発光層17の中へと拡散して、それらの特性に影響を及ぼすことがない。従って本実施形態では、従来アルカリパッシベーションの目的で実施していたガラス基板12表面へのSiO2膜などの成膜工程を省略している。
【0029】
また、ガラス基板12はダウンドロー法により製造されている。
ダウンドロー法では、所定の組成になるように原料を調合して、熔解槽に投入する。熔解されたガラスは、熔解槽から連続的に成形面に沿って供給され、成形面の下方で両側のガラスを融着させてから、ガラスの周辺部をローラー等によって、下方に引っ張ることによってシート状に形成される。
【0030】
<ITO膜14>
本実施形態では、ガラス基板12はアルカリ洗剤を用いたディップ式の超音波洗浄装置によって洗浄された後、温風乾燥され、アークプラズマを用いた「アークプラズマ・イオンプレーティング装置」によってITO膜14が成膜される。ITO膜14の表面粗さRaは、0.3nm≦Ra≦2nmである。
【0031】
アークプラズマ・イオンプレーティング装置では、スパッタ装置などの他の真空成膜装置と比べて、より低い印加電圧で放電を生じさせているので、成膜中のプラズマの異常放電発生を少なくすることができる。このため、ITO膜14の成膜の際に、異常粒子の発生を抑えることが容易になるという利点がある。
【0032】
ITO膜14の膜厚は60nm〜250nmに設定される。ITO膜14の膜厚が60nmより薄すぎると、その抵抗値が高くなってしまう。また、その膜厚が250nmより厚すぎると、そのパターンを形成するのが難しくなってしまう。
【0033】
つまり、ITO膜14のパターンは、通常フォトリソグラフィ法で形成される。その際、ITO膜14の表面に樹脂レジストのパターン層を形成した後、不要部分のITO膜14をエッチングにより除去する。このとき、ITO膜14の膜厚が250nmより厚すぎると、エッチング時間が長くなり、パターンのエッジ部分にITO膜14が溶け出して樹脂レジストの下の部分にまでエッチングが及ぶ、いわゆる「オーバーエッチング」現象が起こる。このため、出来上がりのパターン線幅が細くなる「線細り」という問題が生じるとともに、エッチングの所要時間が長くなってしまうという問題が生じる。このように、ITO膜14の膜厚が250nmより厚すぎると、高精細なITO膜14のパターンを形成するのが難しくなり、その形成処理に長時間を要してしまう。
【0034】
<ITO膜付基板15>
そして、本実施形態に係るITO膜付基板15では、図1に示すように、ITO膜14の表面に、シート抵抗(Ω/□)と膜厚(nm)との積が220〜300(Ω/□)・nmであるCr膜20が補助電極として形成されている。このCr膜20の膜厚は、180nm〜410nmに設定される。
【0035】
Cr膜20の膜厚が180nmより薄すぎると、Cr膜表面のシート抵抗値が高くなってしまう。また、その膜が410nmより厚すぎると、Cr膜の膜応力が大きくなり、Cr膜が剥がれやすくなるという問題が生じる。なお、図2では、Cr膜20の図示を省略してある。
【0036】
<有機層>
本実施形態ではITO膜付基板15は真空蒸着装置内に配され、
1.3×10−4Pa以下の圧力になるまで排気した後、正孔輸送層16であるトリフェニルジアミン(TPD)と発光層17であるキノリノールアルミニウム錯体(Alq3)が成膜されている。さらに、これらの有機層上に金属薄膜層18であるMgAg合金膜(Mg:Ag=10:1)が陰極として成膜されている。
【0037】
このようにして有機層および陰極が形成されたITO膜付基板15は、大気に曝されることなく、真空チャンバ内に窒素ガスが導入された状態でガラス基板とエポキシ樹脂で固められて封止される。こうして有機EL素子11が作製される。
【0038】
次に、図1に示す上述したITO膜付基板15を用いて図2に示す有機EL素子11を製造する際には、ITO膜付基板15は次のように加工される。
まず、図3(A)に示すようにITO膜14の表面全体に成膜されたCr膜20を、エッチング処理によりパターニングして補助電極20´を形成する(図3(B)に示すパターニング工程)。
【0039】
次に、図3(A)に示すようにガラス基板12の表面全体に成膜されたITO膜14を、エッチング処理によりパターニングしてN×M個の画素にそれぞれ対応するN×M個の主電極(透明電極)14´を形成する(図3(C)に示すパターニング工程)。
【0040】
この後、図3(C)に示すITO膜付基板15の上に、前記正孔輸送層16と、発光層17と、金属薄膜層18とを順に成膜して図2に示す有機EL素子11ができあがる。
【0041】
以上のように構成された一実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
(イ)ITO膜付基板15におけるITO膜14(主電極14´)の表面に、シート抵抗(Ω/□)と膜厚(nm)との積が220〜300(Ω/□)・nmであるCr膜20(補助電極20´)が形成されている。そのため、表面平坦性の優れたITO膜14表面に、シート抵抗(Ω/□)と膜厚(nm)との積が220〜300(Ω/□)・nmと抵抗値が低くかつ密着性の良いCr膜20を補助電極20´として形成することができる。したがって、有機EL表示パネルの製造に好適で、低抵抗化と歩留まりの向上を図ったITO膜付基板15を実現することができる。
【0042】
(ロ)表面粗さRaが0.3nm≦Ra≦2nmである表面平坦性の優れたITO膜14表面に、抵抗値が低くかつ密着性の良いCr膜20を補助電極20´として形成することができる。
【0043】
(ハ)有機EL表示パネルの製造に好適で、低抵抗化と歩留まりの向上を図ったITO膜付基板15を有する有機EL素子11を実現することができる。
(ニ)ITO膜14の膜厚を60nm〜250nmに設定することにより、高精細なITO膜14のパターンを形成するのが容易になり、その形成処理を短時間で行うことができる。
【0044】
(ホ)ITO膜付基板15のガラス基板12として、実質的にアルカリ金属酸化物を含まない無アルカリガラス基板を用いている。このため、ガラス中のアルカリ成分が、同ガラス基板12に形成されるITO膜14や有機EL素子11の中(有機EL素子11を構成する正孔輸送層16や発光層17の中)へと拡散して、それらの特性に影響を及ぼすことがない。従って、従来アルカリパッシベーションの目的でガラス基板12表面に成膜しているSiO2膜が不要になる。このため、SiO2膜の成膜時に発生するITO膜付基板15表面への異常粒子の固着がなくなる。これにより、ITO膜14を形成した後のITO膜付基板15表面上の凸部の発生数を減少させることができる。従って、ITO膜付基板15を使った有機EL素子11では、非発光点の発現を抑えることができ、有機EL素子11の耐久性と歩留まりを向上させることができ、製造コストを低減することができる。
【0045】
(ヘ)従来アルカリパッシベーションの目的で実施しているガラス基板12表面へのSiO2膜などの成膜工程を省略することができるので、ITO膜付基板15及び同基板を使って作製される有機EL素子11の製造コストを低減することができる。
【0046】
(ト)ITO膜14が電気抵抗値の低い酸化インジウム錫膜(ITO膜)であるため、ITO膜14を成膜する膜の厚味を薄くすることができる。従って、ITO膜14の成膜の際に、異常粒子の発生を抑えることが容易になるため、ITO膜14を形成した後のITO膜付基板15表面上の凸部の発生数を減少させることができる。これによっても、ITO膜付基板15を使った有機EL素子11では、非発光点の発現を抑えることができる。
【0047】
(チ)ダウンドロー法によって得られたガラス基板12は、成形時に両表面が自由表面として形成され、他方、成形型に接したガラス面は融着されているので、基板表面にうねりが少なく、平滑性と平坦性に優れているという利点を有している。従って、ガラス基板12をあらためて研磨する必要がない。このため、ITO膜14を形成した後の基板表面上の凸部の発生数をさらに減少させることができる。これによっても、ITO膜付基板15を使った有機EL素子11では、非発光点の発現を抑えることができる。
【0048】
(リ)ダウンドロー法では、ガラス基板12が成形される際に下方に、すなわち水平面に対して垂直な方向に引っ張られているため、ガラス基板2表面への異物付着が少ないという利点も有している。
【0049】
(ヌ)ITO膜付基板15はイオンプレーティング法で成膜されているため、成膜中のプラズマの異常放電発生を少なくすることができる。従って、ITO膜付基板15の成膜の際に、異常粒子の発生を抑えることが容易になるため、ITO膜14を形成した後のITO膜付基板15表面上の凸部の発生数を減少させることができる。
【0050】
[実施例]
次に、本発明の各実施例と各比較例とを下記の表1に基づいて説明する。
【0051】
【表1】
<実施例1>
本実施例では、以下の条件でスパッタリング法によりCr膜20をITO膜14の表面全体に成膜した。
【0052】
・Crターゲット:純度3N
・放電ガス:Ar
・成膜圧力:0.4Pa
・放電電力:1.6W/cm2
実施例1によれば、表面粗さRaがRa=1.8nmである表面平坦性の優れたITO膜14の表面に、Cr膜20のシート抵抗とその膜厚との積が260(Ω/□)と抵抗値が低くかつ密着性の良いCr膜20をITO膜14の表面全体に形成することができた。
【0053】
これは、ITO膜14の表面にCr膜20をスパッタリング法により成膜する際の放電電力を1.6W/cm2と低く設定することで、ITO膜14に対するCr膜20の付着速度が低く抑えられたことによる。Cr膜20の付着速度を低く抑えたことで、ITO膜14表面でのCr粒子のマイグレーションを促進させ、ITO膜14と強固な結合ができるサイトまでCr粒子を移動することができた。その結果、上述したように抵抗値が低くかつ密着性の優れたCr膜20を表面平坦性の優れたITO膜14表面に形成することができた。
【0054】
また、上記条件でITO膜14の表面全体にCr膜20が成膜された実施例1のITO膜付基板15を有する有機EL素子11で作製した有機EL表示パネルでは、暗点の数が7個であり良好(○)であった。
【0055】
<実施例2>
本実施例では、以下の条件でスパッタリング法によりCr膜20をITO膜14の表面全体に成膜した。
【0056】
・Crターゲット:純度3N
・放電ガス:Ar
・成膜圧力:0.4Pa
・放電電力:4.0W/cm2
実施例2によれば、表面粗さRaがRa=1.6nmである表面平坦性の優れたITO膜14の表面に、Cr膜20のシート抵抗とその膜厚との積が220(Ω/□)・nmと抵抗値が低くかつ密着性の良い(○)Cr膜20をITO膜14の表面全体に形成することができた。
【0057】
これは、ITO膜14の表面にCr膜20を成膜する際の放電電力を4.0W/cm2と低く設定することで、ITO膜14に対するCr膜20の付着速度が低く抑えられたことによる。
【0058】
また、上記条件でITO膜14の表面全体にCr膜20が成膜された実施例2のITO膜付基板15を有する有機EL素子11で作製した有機EL表示パネルでは、暗点の数が8個であり良好(○)であった。
【0059】
<実施例3>
本実施例では、以下の条件でスパッタリング法によりCr膜20をITO膜14の表面全体に成膜した。
【0060】
・Crターゲット:純度3N
・放電ガス:Ar
・成膜圧力:0.4Pa
・放電電力:2.0W/cm2
実施例3によれば、表面粗さRaがRa=1.7nmである表面平坦性の優れたITO膜14の表面に、Cr膜20のシート抵抗(Ω/□)とその膜厚との積が290(Ω/□)・nmと抵抗値が低くかつ密着性の良い(○)Cr膜20をITO膜14の表面全体に形成することができた。
【0061】
これは、ITO膜14の表面にCr膜20を成膜する際の放電電力を2.0W/cm2と低く設定することで、ITO膜14に対するCr膜20の付着速度が低く抑えられたことによる。
【0062】
また、上記条件でITO膜14の表面全体にCr膜20が成膜された実施例3のITO膜付基板15を有する有機EL素子11で作製した有機EL表示パネルでは、暗点の数が7個であり良好(○)であった。
【0063】
<比較例1>
本比較例では、以下の条件でスパッタリング法によりCr膜20をITO膜14の表面全体に成膜した。
【0064】
・Crターゲット:純度3N
・放電ガス:Ar
・成膜圧力:0.4Pa
・放電電力:5.0W/cm2
比較例1では、表面粗さRaがRa=1.8nmである表面平坦性の優れたITO膜14の表面に形成されたCr膜20は、シート抵抗とその膜厚との積が210(Ω/□)・nmと抵抗値が低くすぎるために、Cr膜20の膜応力が大きくて剥がれやすいという結果になった(密着性×)。また、暗点の数は測定できず、有機EL表示パネルとしては不良(×)であった。
【0065】
<比較例2>
本比較例では、以下の条件でスパッタリング法によりCr膜20をITO膜14の表面全体に成膜した。
【0066】
・Crターゲット:純度3N
・放電ガス:Ar
・成膜圧力:0.4Pa
・放電電力:4.0W/cm2
比較例2では、表面粗さRaがRa=3.0nmである表面平坦性の悪いITO膜14の表面に形成されたCr膜20は、シート抵抗とその膜厚との積が210(Ω/□)・nmと抵抗値が低くすぎるために、Cr膜20の膜応力が大きくて剥がれやすいという結果になった(密着性×)。また、ITO膜14の表面平坦性が悪いために、暗点の数は100以上であり、有機EL表示パネルとしては不良(×)であった。
【0067】
以上の実施例1〜3と比較例1,2とから、Cr膜20のシート抵抗(Ω/□)と膜厚(nm)との積が220(Ω/□)・nm未満になる場合、Cr膜20の抵抗値は低くて問題ないが、Cr膜20の膜応力が大きくて剥がれやすくなるので好ましくない。一方、Cr膜20のシート抵抗(Ω/□)と膜厚との積が300(Ω/□)・nmを超える場合、Cr膜20の抵抗値が大きすぎるので好ましくない。したがって、表面粗さRaが0.3nm≦Ra≦2nmと表面平坦性の優れたITO膜14の表面に形成するCr膜20のシート抵抗と膜厚との積の望ましい範囲は220〜300(Ω/□)・nmである。
【0068】
また、シート抵抗と膜厚との積が望ましい範囲である220〜300(Ω/□)・nmになるCr膜20をスパッタリング法によりITO膜14表面に成膜する際の放電電力は、1.6〜4.0W/cm2の範囲内に設定するのが好ましい。その放電電力が1.6未満の場合には、Cr膜20の成膜速度が遅くなりすぎて好ましくない。また、その放電電力が4.0W/cm2を超える場合には、Cr膜20の膜応力が大きくなりすぎて好ましくない。
【0069】
[ 変形例]
なお、この発明は以下のように変更して具体化することもできる。
・上記一実施形態では、ITO膜付基板15のガラス基板12として無アルカリガラス基板を用いているが、ガラス基板12としてソーダライムガラス基板を用いる構成にも本発明は適用可能である。この場合、ITO膜14の成膜前に、アルカリパッシベーションの目的で、ガラス基板12の表面にSiO2膜などのアンダーコート膜を形成する。
【0070】
・上記一実施形態では、「アークプラズマ・イオンプレーティング装置」によってITO膜14を成膜しているが、ITO膜14の成膜は、アークプラズマ・イオンプレーティング装置に限らず、通常のイオンプレーティング装置、蒸着装置、スパッタ装置などによっても可能である。
【0071】
・上記一実施形態では、本発明を有機EL素子に適用した例について説明したが、本発明は有機ELに限らず、無機EL素子にも適用可能である。
・上記一実施形態では、ITO膜14(透明電極膜)がガラス基板12(透明基板)の一方の表面に成膜されているITO膜付基板15(透明電極膜付基板)について説明したが、同ガラス基板12の両方の表面にITO膜14が成膜されているITO膜付基板にも本発明は適用可能である。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、EL表示パネルの製造に好適で、低抵抗化と歩留まりの向上を図った透明電極膜付基板、透明電極膜付基板を有するエレクトロルミネッセンス素子を実現することができる。
【0073】
【発明の効果】
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態に係る透明電極膜付基板を示す断面図。
【図2】図1の透明電極膜付基板を有する有機EL素子の概略構成を示す断面図。
【図3】(a),(b)および(c)は図1の透明電極膜付基板から補助電極と主電極を形成するパターニング工程を示す説明図。
【符号の説明】
11…有機EL素子、12…透明基板としてのガラス基板、14…透明電極膜としてのITO膜、15…透明電極膜付基板としてのITO膜付基板、20…Cr膜。
【発明の属する技術分野】
本発明は、EL表示パネルなどに用いる透明電極膜付基板および透明電極膜付基板を有するエレクトロルミネッセンス素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機エレクトロルミネッセンス(Electroluminescence:以下「EL」と言う)素子は、平面光源や、次世代のフラットパネルディスプレイなどとして注目されている。有機EL素子を用いた有機EL表示パネルは、電流駆動型の表示パネルであり、中でもパッシブ駆動型(単純マトリクス方式)の有機EL表示パネルでは、酸化インジウム錫(Indium Tin Oxide:以下「ITO」と言う)膜などの透明電極膜が配線電極となる。そのため、有機EL素子におけるITO膜(透明電極膜)は、光の透過率が高いとともに、電気抵抗値の低いことが必要とされる。
【0003】
近年、有機EL表示パネルの高精細化や低消費電力化にともなって、配線電極となるITO膜の低抵抗化の要求がますます高まっている。そこで、配線電極の低抵抗化のために、ガラス基板上にITO膜等からなる主電極と、この主電極に沿って形成されたNiやCr等からなる補助電極とを形成してなる表示素子用電極基板が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、有機EL表示パネルは薄膜型の表示パネルであるため、ITO膜付基板の表面に凹凸があると、例えば陽極となるITO膜の凸部と陰極となる金属電極とが短絡して非発光点(有機EL素子上で発光しない点:暗点)が発生し、表示上の欠点となる。このため、ITO膜の表面は平坦であることが強く望まれている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−47235公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、有機EL素子に用いられる表面平坦性に優れたITO膜表面に、上記特許文献1に記載された従来技術のようにCr膜をスパッタリング法などにより成膜すると、Cr膜は膜応力(引っ張り応力)が大きいため、ITO膜との密着性が悪く、剥がれやすい。そのため、ITO膜表面に成膜したCr膜は、その成膜に続いて行われる電極パターニングの工程で剥がれてしまい、有機EL表示パネルの歩留まりを悪化させていたという問題点があった。なお、本明細書中において、「膜応力」は、膜の内部応力で、引っ張り応力を意味する。
【0007】
本発明の目的は、このような従来の問題点に着目してなされたもので、その目的は、EL表示パネルの製造に好適で、低抵抗化と歩留まりの向上を図った透明電極膜付基板および透明電極膜付基板を有するエレクトロルミネッセンス素子を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、透明基板の表面に透明電極膜が形成されている透明電極膜付基板であって、前記透明電極膜の表面に、シート抵抗(Ω/□)と膜厚(nm)との積が220〜300(Ω/□)・nmである金属膜が補助電極として形成されていることを要旨とする。
【0009】
この構成によれば、表面平坦性の優れた透明電極膜表面に、シート抵抗(Ω/□)と膜厚(nm)との積が220〜300(Ω/□)・nmと抵抗値が低くかつ密着性の良い金属膜を補助電極として形成することができる。したがって、EL表示パネルの製造に好適で、低抵抗化と歩留まりの向上を図った透明電極膜付基板を実現することができる。
【0010】
その積が220(Ω/□)・nmより小さすぎると、金属膜の膜応力が大きくなって金属膜が剥がれやすくなってしまう。また、その積が300(Ω/□)・nmと大きすぎると、金属膜の抵抗値が高くなってしまう。
【0011】
なお、ここにいう「シート抵抗」は、正方形薄膜の一辺から対辺までの電気抵抗をいい、単位として通常(Ω/□)が使われる。また、シート抵抗(Ω/□)と膜厚(nm)との積である220〜300(Ω/□)・nmは、金属膜の表面で測定したシート抵抗(Ω/□)の値は下層の透明電極膜の抵抗の影響を受けるので、金属膜に固有の比抵抗(Ω・nm)ではない。
【0012】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の透明電極膜付基板において、前記金属膜はCr膜であることを要旨とする。
この構成によれば、表面平坦性の優れた透明電極膜表面に、抵抗値が低くかつ密着性の良いCr膜を補助電極として形成することができる。
【0013】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の透明電極膜付基板において、前記透明電極膜の表面粗さRaは0.3nm≦Ra≦2nmであることを要旨とする。
【0014】
この構成によれば、透明電極膜の表面粗さRaが0.3nm≦Ra≦2nmである表面平坦性の優れた透明電極膜表面に、抵抗値が低くかつ密着性の良い金属膜或いはCr膜を補助電極として形成することができる。
【0015】
表面粗さRaが0.3nmより小さすぎると、金属膜の密着性が悪くなる。また、表面粗さRaが2nmより大きすぎると、有機EL表示パネル等を構成する場合に、上記非発光点が発生し、表示上の欠点となる。
【0016】
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか一つに記載の透明電極膜付基板において、前記透明電極膜は酸化インジウム錫膜であることを要旨とする。
この構成によれば、表面平坦性の優れた酸化インジウム錫膜表面に、抵抗値が低くかつ密着性の良い金属膜或いはCr膜を補助電極として形成することができる。
【0017】
請求項5に係る発明は、請求項2〜4のいずれか一つに記載の透明電極膜付基板において、Cr膜の膜厚が180nm〜410nmに設定されることを要旨とする。
【0018】
この構成によれば、EL表示パネルの製造にさらに好適で、低抵抗化と歩留まりの向上をさらに図ることができる。Cr膜の膜厚が180nmより薄すぎると、Cr膜表面のシート抵抗値が高くなってしまう。また、その膜が410nmより厚すぎると、Cr膜の膜応力が大きくなり、Cr膜が剥がれやすくなるという問題が生じる。
【0019】
請求項6に係る発明は、請求項2〜4のいずれか一つに記載の透明電極膜付基板において、前記透明電極膜の膜厚が60nm〜250nmに設定されることを要旨とする。
【0020】
この構成によれば、EL表示パネルの製造にさらに好適で、低抵抗化と歩留まりの向上をさらに図ることができる。透明電極膜の膜厚が60nmより薄すぎると、その抵抗値が高くなってしまう。また、その膜厚が250nmより厚すぎると、そのパターンを形成するのが難しくなってしまう。
【0021】
つまり、透明電極膜のパターンは、通常フォトリソグラフィ法で形成される。その際、透明電極膜の表面に樹脂レジストのパターン層を形成した後、不要部分の透明電極膜をエッチングにより除去する。このとき、透明電極膜の膜厚が250nmより厚すぎると、エッチング時間が長くなり、パターンのエッジ部分に透明電極膜が溶け出して樹脂レジストの下の部分にまでエッチングが及ぶ、いわゆる「オーバーエッチング」現象が起こる。このため、出来上がりのパターン線幅が細くなる「線細り」という問題が生じるとともに、エッチングの所要時間が長くなってしまうという問題が生じる。このように、透明電極膜の膜厚が250nmより厚すぎると、高精細な透明電極膜のパターンを形成するのが難しくなり、その形成処理に長時間を要してしまう。
【0022】
これに対して、透明電極膜の膜厚を60nm〜250nmに設定することにより、高精細な透明電極膜のパターンを形成するのが容易になり、その形成処理を短時間で行うことができる。
【0023】
請求項7に係る発明は、請求項1〜6のいずれか一つに記載の透明電極膜付基板を有するエレクトロルミネッセンス素子である。
この構成によれば、EL表示パネルの製造に好適で、低抵抗化と歩留まりの向上を図った透明電極膜付基板を有するエレクトロルミネッセンス素子を実現することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
[一実施形態]
以下、本発明を有機EL素子に具体化した一実施形態を図1および図2に基づいて説明する。図1は一実施形態に係る透明電極膜付基板を示し、図2はその透明電極膜付基板を有する有機EL素子を示している。
【0025】
図2に示す有機EL素子11は、図1に示す透明電極膜付基板としてのITO膜付基板15を用いて作られている。このITO膜付基板15は、透明基板としてのガラス基板12の表面に透明電極膜としてのITO膜14が成膜されたものである。ガラス基板12は、例えば無アルカリガラス基板である。
【0026】
また、図2に示す有機EL素子11は、ITO膜14の表面に成膜され発光層17に効率よく正孔を注入するための正孔輸送層16と、この正孔輸送層16の表面に成膜され、発光層17に電子を注入するための金属薄膜層18とを有している。
【0027】
<ガラス基板12>
本実施形態に係るITO膜付基板15のガラス基板12は、実質的にアルカリ金属酸化物を含まない無アルカリガラス基板である。ここにいう「実質的にアルカリ金属酸化物を含まない無アルカリガラス」とは、LiO2やNaO2、KO2などのアルカリ金属の酸化物を実質的に含有しない、すなわちそれらの酸化物がガラス成分の分析装置による分析によって検出されないガラスであることを意味する。
【0028】
本実施形態では、ガラス基板12のガラスは、酸化物に換算した重量百分率で表示して、SiO2 60%、B2O3 10%、Al2O3 15%、BaO5%、RO(Ba以外のアルカリ希土類) 9%、As2O3 1%の組成を有している。このガラス基板12では、ガラス中のアルカリ成分が、ガラス基板12表面に形成されるITO膜14や有機EL素子を構成する正孔輸送層16や発光層17の中へと拡散して、それらの特性に影響を及ぼすことがない。従って本実施形態では、従来アルカリパッシベーションの目的で実施していたガラス基板12表面へのSiO2膜などの成膜工程を省略している。
【0029】
また、ガラス基板12はダウンドロー法により製造されている。
ダウンドロー法では、所定の組成になるように原料を調合して、熔解槽に投入する。熔解されたガラスは、熔解槽から連続的に成形面に沿って供給され、成形面の下方で両側のガラスを融着させてから、ガラスの周辺部をローラー等によって、下方に引っ張ることによってシート状に形成される。
【0030】
<ITO膜14>
本実施形態では、ガラス基板12はアルカリ洗剤を用いたディップ式の超音波洗浄装置によって洗浄された後、温風乾燥され、アークプラズマを用いた「アークプラズマ・イオンプレーティング装置」によってITO膜14が成膜される。ITO膜14の表面粗さRaは、0.3nm≦Ra≦2nmである。
【0031】
アークプラズマ・イオンプレーティング装置では、スパッタ装置などの他の真空成膜装置と比べて、より低い印加電圧で放電を生じさせているので、成膜中のプラズマの異常放電発生を少なくすることができる。このため、ITO膜14の成膜の際に、異常粒子の発生を抑えることが容易になるという利点がある。
【0032】
ITO膜14の膜厚は60nm〜250nmに設定される。ITO膜14の膜厚が60nmより薄すぎると、その抵抗値が高くなってしまう。また、その膜厚が250nmより厚すぎると、そのパターンを形成するのが難しくなってしまう。
【0033】
つまり、ITO膜14のパターンは、通常フォトリソグラフィ法で形成される。その際、ITO膜14の表面に樹脂レジストのパターン層を形成した後、不要部分のITO膜14をエッチングにより除去する。このとき、ITO膜14の膜厚が250nmより厚すぎると、エッチング時間が長くなり、パターンのエッジ部分にITO膜14が溶け出して樹脂レジストの下の部分にまでエッチングが及ぶ、いわゆる「オーバーエッチング」現象が起こる。このため、出来上がりのパターン線幅が細くなる「線細り」という問題が生じるとともに、エッチングの所要時間が長くなってしまうという問題が生じる。このように、ITO膜14の膜厚が250nmより厚すぎると、高精細なITO膜14のパターンを形成するのが難しくなり、その形成処理に長時間を要してしまう。
【0034】
<ITO膜付基板15>
そして、本実施形態に係るITO膜付基板15では、図1に示すように、ITO膜14の表面に、シート抵抗(Ω/□)と膜厚(nm)との積が220〜300(Ω/□)・nmであるCr膜20が補助電極として形成されている。このCr膜20の膜厚は、180nm〜410nmに設定される。
【0035】
Cr膜20の膜厚が180nmより薄すぎると、Cr膜表面のシート抵抗値が高くなってしまう。また、その膜が410nmより厚すぎると、Cr膜の膜応力が大きくなり、Cr膜が剥がれやすくなるという問題が生じる。なお、図2では、Cr膜20の図示を省略してある。
【0036】
<有機層>
本実施形態ではITO膜付基板15は真空蒸着装置内に配され、
1.3×10−4Pa以下の圧力になるまで排気した後、正孔輸送層16であるトリフェニルジアミン(TPD)と発光層17であるキノリノールアルミニウム錯体(Alq3)が成膜されている。さらに、これらの有機層上に金属薄膜層18であるMgAg合金膜(Mg:Ag=10:1)が陰極として成膜されている。
【0037】
このようにして有機層および陰極が形成されたITO膜付基板15は、大気に曝されることなく、真空チャンバ内に窒素ガスが導入された状態でガラス基板とエポキシ樹脂で固められて封止される。こうして有機EL素子11が作製される。
【0038】
次に、図1に示す上述したITO膜付基板15を用いて図2に示す有機EL素子11を製造する際には、ITO膜付基板15は次のように加工される。
まず、図3(A)に示すようにITO膜14の表面全体に成膜されたCr膜20を、エッチング処理によりパターニングして補助電極20´を形成する(図3(B)に示すパターニング工程)。
【0039】
次に、図3(A)に示すようにガラス基板12の表面全体に成膜されたITO膜14を、エッチング処理によりパターニングしてN×M個の画素にそれぞれ対応するN×M個の主電極(透明電極)14´を形成する(図3(C)に示すパターニング工程)。
【0040】
この後、図3(C)に示すITO膜付基板15の上に、前記正孔輸送層16と、発光層17と、金属薄膜層18とを順に成膜して図2に示す有機EL素子11ができあがる。
【0041】
以上のように構成された一実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
(イ)ITO膜付基板15におけるITO膜14(主電極14´)の表面に、シート抵抗(Ω/□)と膜厚(nm)との積が220〜300(Ω/□)・nmであるCr膜20(補助電極20´)が形成されている。そのため、表面平坦性の優れたITO膜14表面に、シート抵抗(Ω/□)と膜厚(nm)との積が220〜300(Ω/□)・nmと抵抗値が低くかつ密着性の良いCr膜20を補助電極20´として形成することができる。したがって、有機EL表示パネルの製造に好適で、低抵抗化と歩留まりの向上を図ったITO膜付基板15を実現することができる。
【0042】
(ロ)表面粗さRaが0.3nm≦Ra≦2nmである表面平坦性の優れたITO膜14表面に、抵抗値が低くかつ密着性の良いCr膜20を補助電極20´として形成することができる。
【0043】
(ハ)有機EL表示パネルの製造に好適で、低抵抗化と歩留まりの向上を図ったITO膜付基板15を有する有機EL素子11を実現することができる。
(ニ)ITO膜14の膜厚を60nm〜250nmに設定することにより、高精細なITO膜14のパターンを形成するのが容易になり、その形成処理を短時間で行うことができる。
【0044】
(ホ)ITO膜付基板15のガラス基板12として、実質的にアルカリ金属酸化物を含まない無アルカリガラス基板を用いている。このため、ガラス中のアルカリ成分が、同ガラス基板12に形成されるITO膜14や有機EL素子11の中(有機EL素子11を構成する正孔輸送層16や発光層17の中)へと拡散して、それらの特性に影響を及ぼすことがない。従って、従来アルカリパッシベーションの目的でガラス基板12表面に成膜しているSiO2膜が不要になる。このため、SiO2膜の成膜時に発生するITO膜付基板15表面への異常粒子の固着がなくなる。これにより、ITO膜14を形成した後のITO膜付基板15表面上の凸部の発生数を減少させることができる。従って、ITO膜付基板15を使った有機EL素子11では、非発光点の発現を抑えることができ、有機EL素子11の耐久性と歩留まりを向上させることができ、製造コストを低減することができる。
【0045】
(ヘ)従来アルカリパッシベーションの目的で実施しているガラス基板12表面へのSiO2膜などの成膜工程を省略することができるので、ITO膜付基板15及び同基板を使って作製される有機EL素子11の製造コストを低減することができる。
【0046】
(ト)ITO膜14が電気抵抗値の低い酸化インジウム錫膜(ITO膜)であるため、ITO膜14を成膜する膜の厚味を薄くすることができる。従って、ITO膜14の成膜の際に、異常粒子の発生を抑えることが容易になるため、ITO膜14を形成した後のITO膜付基板15表面上の凸部の発生数を減少させることができる。これによっても、ITO膜付基板15を使った有機EL素子11では、非発光点の発現を抑えることができる。
【0047】
(チ)ダウンドロー法によって得られたガラス基板12は、成形時に両表面が自由表面として形成され、他方、成形型に接したガラス面は融着されているので、基板表面にうねりが少なく、平滑性と平坦性に優れているという利点を有している。従って、ガラス基板12をあらためて研磨する必要がない。このため、ITO膜14を形成した後の基板表面上の凸部の発生数をさらに減少させることができる。これによっても、ITO膜付基板15を使った有機EL素子11では、非発光点の発現を抑えることができる。
【0048】
(リ)ダウンドロー法では、ガラス基板12が成形される際に下方に、すなわち水平面に対して垂直な方向に引っ張られているため、ガラス基板2表面への異物付着が少ないという利点も有している。
【0049】
(ヌ)ITO膜付基板15はイオンプレーティング法で成膜されているため、成膜中のプラズマの異常放電発生を少なくすることができる。従って、ITO膜付基板15の成膜の際に、異常粒子の発生を抑えることが容易になるため、ITO膜14を形成した後のITO膜付基板15表面上の凸部の発生数を減少させることができる。
【0050】
[実施例]
次に、本発明の各実施例と各比較例とを下記の表1に基づいて説明する。
【0051】
【表1】
<実施例1>
本実施例では、以下の条件でスパッタリング法によりCr膜20をITO膜14の表面全体に成膜した。
【0052】
・Crターゲット:純度3N
・放電ガス:Ar
・成膜圧力:0.4Pa
・放電電力:1.6W/cm2
実施例1によれば、表面粗さRaがRa=1.8nmである表面平坦性の優れたITO膜14の表面に、Cr膜20のシート抵抗とその膜厚との積が260(Ω/□)と抵抗値が低くかつ密着性の良いCr膜20をITO膜14の表面全体に形成することができた。
【0053】
これは、ITO膜14の表面にCr膜20をスパッタリング法により成膜する際の放電電力を1.6W/cm2と低く設定することで、ITO膜14に対するCr膜20の付着速度が低く抑えられたことによる。Cr膜20の付着速度を低く抑えたことで、ITO膜14表面でのCr粒子のマイグレーションを促進させ、ITO膜14と強固な結合ができるサイトまでCr粒子を移動することができた。その結果、上述したように抵抗値が低くかつ密着性の優れたCr膜20を表面平坦性の優れたITO膜14表面に形成することができた。
【0054】
また、上記条件でITO膜14の表面全体にCr膜20が成膜された実施例1のITO膜付基板15を有する有機EL素子11で作製した有機EL表示パネルでは、暗点の数が7個であり良好(○)であった。
【0055】
<実施例2>
本実施例では、以下の条件でスパッタリング法によりCr膜20をITO膜14の表面全体に成膜した。
【0056】
・Crターゲット:純度3N
・放電ガス:Ar
・成膜圧力:0.4Pa
・放電電力:4.0W/cm2
実施例2によれば、表面粗さRaがRa=1.6nmである表面平坦性の優れたITO膜14の表面に、Cr膜20のシート抵抗とその膜厚との積が220(Ω/□)・nmと抵抗値が低くかつ密着性の良い(○)Cr膜20をITO膜14の表面全体に形成することができた。
【0057】
これは、ITO膜14の表面にCr膜20を成膜する際の放電電力を4.0W/cm2と低く設定することで、ITO膜14に対するCr膜20の付着速度が低く抑えられたことによる。
【0058】
また、上記条件でITO膜14の表面全体にCr膜20が成膜された実施例2のITO膜付基板15を有する有機EL素子11で作製した有機EL表示パネルでは、暗点の数が8個であり良好(○)であった。
【0059】
<実施例3>
本実施例では、以下の条件でスパッタリング法によりCr膜20をITO膜14の表面全体に成膜した。
【0060】
・Crターゲット:純度3N
・放電ガス:Ar
・成膜圧力:0.4Pa
・放電電力:2.0W/cm2
実施例3によれば、表面粗さRaがRa=1.7nmである表面平坦性の優れたITO膜14の表面に、Cr膜20のシート抵抗(Ω/□)とその膜厚との積が290(Ω/□)・nmと抵抗値が低くかつ密着性の良い(○)Cr膜20をITO膜14の表面全体に形成することができた。
【0061】
これは、ITO膜14の表面にCr膜20を成膜する際の放電電力を2.0W/cm2と低く設定することで、ITO膜14に対するCr膜20の付着速度が低く抑えられたことによる。
【0062】
また、上記条件でITO膜14の表面全体にCr膜20が成膜された実施例3のITO膜付基板15を有する有機EL素子11で作製した有機EL表示パネルでは、暗点の数が7個であり良好(○)であった。
【0063】
<比較例1>
本比較例では、以下の条件でスパッタリング法によりCr膜20をITO膜14の表面全体に成膜した。
【0064】
・Crターゲット:純度3N
・放電ガス:Ar
・成膜圧力:0.4Pa
・放電電力:5.0W/cm2
比較例1では、表面粗さRaがRa=1.8nmである表面平坦性の優れたITO膜14の表面に形成されたCr膜20は、シート抵抗とその膜厚との積が210(Ω/□)・nmと抵抗値が低くすぎるために、Cr膜20の膜応力が大きくて剥がれやすいという結果になった(密着性×)。また、暗点の数は測定できず、有機EL表示パネルとしては不良(×)であった。
【0065】
<比較例2>
本比較例では、以下の条件でスパッタリング法によりCr膜20をITO膜14の表面全体に成膜した。
【0066】
・Crターゲット:純度3N
・放電ガス:Ar
・成膜圧力:0.4Pa
・放電電力:4.0W/cm2
比較例2では、表面粗さRaがRa=3.0nmである表面平坦性の悪いITO膜14の表面に形成されたCr膜20は、シート抵抗とその膜厚との積が210(Ω/□)・nmと抵抗値が低くすぎるために、Cr膜20の膜応力が大きくて剥がれやすいという結果になった(密着性×)。また、ITO膜14の表面平坦性が悪いために、暗点の数は100以上であり、有機EL表示パネルとしては不良(×)であった。
【0067】
以上の実施例1〜3と比較例1,2とから、Cr膜20のシート抵抗(Ω/□)と膜厚(nm)との積が220(Ω/□)・nm未満になる場合、Cr膜20の抵抗値は低くて問題ないが、Cr膜20の膜応力が大きくて剥がれやすくなるので好ましくない。一方、Cr膜20のシート抵抗(Ω/□)と膜厚との積が300(Ω/□)・nmを超える場合、Cr膜20の抵抗値が大きすぎるので好ましくない。したがって、表面粗さRaが0.3nm≦Ra≦2nmと表面平坦性の優れたITO膜14の表面に形成するCr膜20のシート抵抗と膜厚との積の望ましい範囲は220〜300(Ω/□)・nmである。
【0068】
また、シート抵抗と膜厚との積が望ましい範囲である220〜300(Ω/□)・nmになるCr膜20をスパッタリング法によりITO膜14表面に成膜する際の放電電力は、1.6〜4.0W/cm2の範囲内に設定するのが好ましい。その放電電力が1.6未満の場合には、Cr膜20の成膜速度が遅くなりすぎて好ましくない。また、その放電電力が4.0W/cm2を超える場合には、Cr膜20の膜応力が大きくなりすぎて好ましくない。
【0069】
[ 変形例]
なお、この発明は以下のように変更して具体化することもできる。
・上記一実施形態では、ITO膜付基板15のガラス基板12として無アルカリガラス基板を用いているが、ガラス基板12としてソーダライムガラス基板を用いる構成にも本発明は適用可能である。この場合、ITO膜14の成膜前に、アルカリパッシベーションの目的で、ガラス基板12の表面にSiO2膜などのアンダーコート膜を形成する。
【0070】
・上記一実施形態では、「アークプラズマ・イオンプレーティング装置」によってITO膜14を成膜しているが、ITO膜14の成膜は、アークプラズマ・イオンプレーティング装置に限らず、通常のイオンプレーティング装置、蒸着装置、スパッタ装置などによっても可能である。
【0071】
・上記一実施形態では、本発明を有機EL素子に適用した例について説明したが、本発明は有機ELに限らず、無機EL素子にも適用可能である。
・上記一実施形態では、ITO膜14(透明電極膜)がガラス基板12(透明基板)の一方の表面に成膜されているITO膜付基板15(透明電極膜付基板)について説明したが、同ガラス基板12の両方の表面にITO膜14が成膜されているITO膜付基板にも本発明は適用可能である。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、EL表示パネルの製造に好適で、低抵抗化と歩留まりの向上を図った透明電極膜付基板、透明電極膜付基板を有するエレクトロルミネッセンス素子を実現することができる。
【0073】
【発明の効果】
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態に係る透明電極膜付基板を示す断面図。
【図2】図1の透明電極膜付基板を有する有機EL素子の概略構成を示す断面図。
【図3】(a),(b)および(c)は図1の透明電極膜付基板から補助電極と主電極を形成するパターニング工程を示す説明図。
【符号の説明】
11…有機EL素子、12…透明基板としてのガラス基板、14…透明電極膜としてのITO膜、15…透明電極膜付基板としてのITO膜付基板、20…Cr膜。
Claims (7)
- 透明基板の表面に透明電極膜が形成されている透明電極膜付基板であって、
前記透明電極膜の表面に、シート抵抗(Ω/□)と膜厚(nm)との積が220〜300(Ω/□)・nmである金属膜が補助電極として形成されていることを特徴とする透明電極膜付基板。 - 請求項1に記載の透明電極膜付基板において、
前記金属膜はCr膜であることを特徴とする透明電極膜付基板。 - 請求項1又は2に記載の透明電極膜付基板において、
前記透明電極膜の表面粗さRaは0.3nm≦Ra≦2nmであることを特徴とする透明電極膜付基板。 - 請求項1〜3のいずれか一つに記載の透明電極膜付基板において、
前記透明電極膜は酸化インジウム錫膜であることを特徴とする透明電極膜付基板。 - 請求項2〜4のいずれか一つに記載の透明電極膜付基板において、
Cr膜の膜厚が180nm〜410nmに設定されることを特徴とする透明電極膜付基板。 - 請求項2〜4のいずれか一つに記載の透明電極膜付基板において、
前記透明電極膜の膜厚が60nm〜250nmに設定されることを特徴とする透明電極膜付基板。 - 請求項1〜6のいずれか一つに記載の透明電極膜付基板を有するエレクトロルミネッセンス素子。
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-
2003
- 2003-06-30 JP JP2003188583A patent/JP2005026013A/ja active Pending
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