JP2005024991A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】環境変化を伴う実際の使用状況下で、単層の有機感光層を有する像担持体に対して、有機感光層の破損を防止し、且つ帯電の均一性や帯電効率を損なうことなく接触帯電できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】像担持体1と、像担持体1を接触帯電させる帯電部材2と、直流電圧及び交流電圧が重畳されてなるバイアスを生成して帯電部材2に印加するバイアス電源8と、温度及び湿度を検出するセンサ9と、バイアス電源8を制御するCPU11と、を備える。CPU11は、バイアスに関し、直流電圧の電圧値及び交流電圧のピーク電圧値を一定に維持しながら、交流電圧の正成分領域Aと負成分領域Bとをセンサ9からの検出結果に対応する比率に調整する。正成分領域Aの比率は、検出結果が標準レベルに対して高くなるに従ってより小さく、検出結果が標準レベルに比べてより低くなるに従ってより大きくなるように設定されている。
【選択図】 図2
【解決手段】像担持体1と、像担持体1を接触帯電させる帯電部材2と、直流電圧及び交流電圧が重畳されてなるバイアスを生成して帯電部材2に印加するバイアス電源8と、温度及び湿度を検出するセンサ9と、バイアス電源8を制御するCPU11と、を備える。CPU11は、バイアスに関し、直流電圧の電圧値及び交流電圧のピーク電圧値を一定に維持しながら、交流電圧の正成分領域Aと負成分領域Bとをセンサ9からの検出結果に対応する比率に調整する。正成分領域Aの比率は、検出結果が標準レベルに対して高くなるに従ってより小さく、検出結果が標準レベルに比べてより低くなるに従ってより大きくなるように設定されている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機やプリンタやファクシミリ等の画像形成装置に関し、特に、像担持体の表面の有機感光層をいわゆる接触帯電方法によって帯電させる画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来一般の画像形成装置では、概略、以下に示す画像形成の動作が行われる。先ず、像担持体である感光体ドラムの表面が帯電器により一様に所定電位に帯電される。次いで、露光器からの画像情報に基づく照射光によりその感光体ドラムの表面に静電潜像が形成され、現像器によりその静電潜像にトナーを付着させてトナー顕像が現像される。続いて、感光体ドラム上のトナー顕像は、転写ローラ等の転写器により紙等のシート材上に転写される。その後、このシート材は、一対のローラからなる定着器に搬送され、この定着器での加熱・加圧によりトナー像が定着されて、外部に排出すなわち出力される。一方、転写後の感光体ドラムは、この表面に残存するトナーがクリーニングブレード等のクリーニング器により除去され、更に必要に応じて除電器によりその表面が一様に除電される。こうした画像形成の動作が繰り返し行われる。
【0003】
ここで、感光体ドラムを帯電させる手法としては、いわゆる非接触帯電方法と接触帯電方法とがある。前者の非接触帯電方法を採用した画像形成装置における帯電器はコロナ帯電器が代表的であり、このコロナ帯電器は、微小間隔を空けて対向配置された感光体ドラムに向けて放電コロナを発生させ、これにより感光体ドラムの表面を帯電させるものである。但し、このコロナ帯電器では、環境に有害であるオゾン等や、感光体ドラムの表面劣化を促進して画質に悪影響を与えるアンモニウム塩等といった放電生成物が発生してしまう欠点がある。
【0004】
一方、後者の接触帯電方法は、感光体ドラムの表面に対し、直流電圧及び交流電圧が重畳されてなるバイアスが印加された導電性の帯電部材を接触させ、これによりその接触帯電部材を介して感光体ドラムの表面に電荷を与え、その表面を帯電させるものである(例えば、特許文献1参照)。この接触帯電方法を採用した画像形成装置は、上記した放電生成物の発生を格段に低減できることから、近年の主流となっている。なお、接触帯電部材に印加するバイアスは直流電圧及び交流電圧が重畳されてなるが、これは、感光体ドラムに対しての帯電の均一性や帯電効率を高めるために施すものである。以下、この接触帯電方法を採用した画像形成装置に関して述べていく。
【0005】
ところで、画像形成装置における像担持体(感光体ドラム)は、当該装置に搭載される部品の中でも特に高価なものである。そのため、近年では、コスト低減を主目的に、実質帯電される感光層として有機の感光層を採用するとともに、この有機感光層を導電性素管の表面に単層又は積層で形成してなる像担持体を用いている。単層の有機感光層は、電荷発生剤と電荷輸送剤とがバインダ樹脂中に分散されたものであり、積層の有機感光層は、電荷発生剤と電荷輸送剤とが別個の層に分散され、且つ電荷発生剤を含有した電荷発生層が電荷輸送剤を含有した電荷輸送層で被覆されたものである。有機感光層を有する像担持体には、以下に示す特質とこれに伴う問題がある。
【0006】
第1に、使用する際の温度や湿度といった環境の変化に敏感であり、この環境変化に追従して有機感光層の帯電特性が顕著に変化する。つまり、図7に示すように、温度や湿度が高くなるに従って、有機感光層の帯電性(与えられたバイアスに対しての帯電度合い)が増加する。そうすると、標準状態に見合うように予め設定されたバイアスを常時同一の設定条件で接触帯電部材に印加したのでは、温度や湿度が標準レベルよりも高い場合、有機感光層に与えられるバイアスとしては過剰になって、有機感光層の表面電位上昇を招き、他方、温度や湿度が標準レベルよりも低い場合、有機感光層は所望する所定電位まで帯電されなくなる。いずれの場合にも、最終的にシート材に形成される画像の品位低下につながる。
【0007】
第2に、繰り返しの使用に伴う帯電部材との接触やバイアス印加により、有機感光層の表面が摩耗したり劣化したりし易く、特にその有機感光層の厚さの減少といった経時変化に追従して有機感光層の帯電性が次第に低下する(図8参照)。つまり、初期状態に見合うように予め設定されたバイアスを永続して同一の設定条件で接触帯電部材に印加したのでは、有機感光層は所望する所定電位まで帯電されなくなる。その結果、やはりシート材上の画像の品位が徐々に低下していく。
【0008】
このように有機感光層を有する像担持体に対しては、実際の使用状況を踏まえると、接触帯電部材に印加するバイアスを環境変化や経時変化に対応して適宜調整する必要がある。そのため従来は、バイアスの構成要素である直流電圧及び交流電圧のうちで、直流電圧の電圧値(以下、「直流電圧値」と記すことがある)を調整したり、交流電圧のピーク電圧値(以下、「交流ピーク電圧値」と記すことがある)を調整したりしていた。つまり、環境変化に関しては、温度や湿度が標準レベルに比べて高い場合、標準状態の設定条件に対し直流電圧値或いは交流ピーク電圧値を小さくし、他方、温度や湿度が標準レベルに比べて低い場合、標準状態の設定条件に対し直流電圧値或いは交流ピーク電圧値を大きくしていた。また、経時変化に関しては、有機感光層の厚さが初期レベルに対して減少するに従って、初期状態の設定条件に対し直流電圧値或いは交流ピーク電圧値を大きくしていた。
【0009】
【特許文献1】
特開平6−202434号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、直流電圧値或いは交流ピーク電圧値のいずれの調整においても、環境変化における低温や低湿下や、有機感光層の膜厚が減少した状態で、像担持体の有機感光層にピンホール等が発生する場合があった。これは、直流電圧値或いは交流ピーク電圧値が大きくなるの伴ってバイアスそのものの最大ピーク電圧値が大きくなるため、有機感光層の帯電性に対しては有効になる反面、有機感光層が耐え得るには過剰なバイアスとなるからである。また、高温や高湿下での交流ピーク電圧値の調整においては、交流ピーク電圧値が小さくなるのに伴ってバイアスそのもののピーク間電圧値が小さくなることから、バイアスとして直流電圧に交流電圧を重畳させた効果が薄れ、像担持体に対しての帯電の均一性や帯電効率が悪化してしまう。
【0011】
従って、有機感光層を有する像担持体に対しては、接触帯電部材に印加するバイアスを環境変化や経時変化に対応して適宜調整する必要があるものの、バイアスの直流電圧値或いは交流ピーク電圧値の調整では、十分に対処できないといえる。
【0012】
そこで、本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、環境変化や経時変化を伴う実際の使用状況下で、単層の有機感光層を有する像担持体に対して、有機感光層の破損を防止し、且つ帯電の均一性や帯電効率を損なうことなく接触帯電できる画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明による画像形成装置は、表面に有機感光層を有する像担持体と、この像担持体の表面に接触して前記有機感光層を所定電位に帯電させる接触帯電部材と、直流電圧及び交流電圧が重畳されてなるバイアスを生成して前記接触帯電部材に印加するバイアス印加手段と、を備えた画像形成装置において、前記像担持体の周囲の温度又は湿度のうちの少なくとも1つを検出するセンサと、このセンサからの検出温度又は検出湿度に基づいて前記バイアス印加手段を制御する制御手段と、を備えていて、前記制御手段は、前記バイアスに関し、前記直流電圧の電圧値及び前記交流電圧のピーク電圧値を一定に維持しながら、前記交流電圧の波形における正成分領域と負成分領域とを前記検出結果に対応する比率に調整するようになっており、前記像担持体の帯電極性と同極性の成分領域の比率は、前記検出温度又は検出湿度が高くなるに従ってより小さく、前記検出温度又は検出湿度が低くなるに従ってより大きく設定されていることを特徴とする。
【0014】
これにより、バイアスそのものの最大ピーク電圧値が一定に維持されたまま、その実効電圧値は、標準レベルに比べて、低温や低湿下でより大きく、他方、高温や高湿下でより小さく調整される。従って、低温や低湿下では、帯電性の低下した有機感光層に対して、帯電の均一性や帯電効率に有効な重畳のバイアスを与えることができるし、しかもそのバイアスは、有機感光層に破損を与える程度のものにはならない。他方、高温や高湿下でも、帯電性の向上した有機感光層に対し、帯電の均一性や帯電効率に有効な重畳のバイアスを与えることができる。
【0015】
また、上記目的を達成するための本発明による画像形成装置は、表面に有機感光層を有する像担持体と、この像担持体の表面に接触して前記有機感光層を所定電位に帯電させる接触帯電部材と、直流電圧及び交流電圧が重畳されてなるバイアスを生成して前記接触帯電部材に印加するバイアス印加手段と、を備えた画像形成装置において、前記有機感光層の厚さの指標を検出する厚さ指標検出手段と、この厚さ指標検出手段からの検出結果に基づいて前記バイアス印加手段を制御する制御手段と、を備えていて、前記制御手段は、前記バイアスに関し、前記直流電圧の電圧値及び前記交流電圧のピーク電圧値を一定に維持しながら、前記交流電圧の波形における正成分領域と負成分領域とを前記検出結果より算出した前記有機感光層の厚さに対応する比率に調整するようになっており、前記像担持体の帯電極性と同極性の成分領域の比率は、前記厚さが減少するに従ってより大きく設定されていることを特徴とする。
【0016】
これにより、バイアスそのものの最大ピーク電圧値が一定に維持されたまま、その実効電圧値は、有機感光層の厚さが初期レベルに対して減少するに従って、より大きく調整される。従って、膜厚の減少で次第に帯電性の低下した有機感光層に対して、帯電の均一性や帯電効率に有効な重畳のバイアスを与えることができるし、しかもそのバイアスは、有機感光層に破損を与える程度のものにはならない。
【0017】
ここで、有機感光層の厚さを直接計測することは困難であるため、厚さ指標算出手段を介して間接的にその厚さを算出するわけであるが、その厚さ指標検出手段を簡単に得る目的で、前記厚さ指標検出手段は、当該画像形成装置で画像形成されて出力されたシート材の累積枚数を前記指標として検出するようになっているとよい。また、前記厚さ指標検出手段は、前記バイアス印加手段から前記接触帯電部材に流れ込む前記バイアスの電流量を前記指標として検出するようになっていてもよい。
【0018】
更に、実用性を踏まえ、前記接触帯電部材がローラ状又はブラシ状であることが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の画像形成装置の実施形態について、図面を参照しながら詳述する。図1は本発明の一実施形態である画像形成装置の要部を示す縦断面図、図2はその画像形成装置で用いられるバイアスにおける交流電圧の波形の模式図であって、図2(a)はその交流電圧の正成分領域と負成分領域との比率が等しい状態、図2(b)は正成分領域の比率が大きい状態、図2(c)は正成分領域の比率が小さい状態をそれぞれ示す。また、図3は環境変化に対応する正成分領域の比率の一例を示すデータテーブル、図4はシート材の累積出力枚数と有機感光層の厚さとの相関を示す模式図、図5は経時変化に対応する正成分領域の比率の一例を示すデータテーブル、図6はその画像形成装置における画像形成動作を説明するフローチャートである。
【0020】
本実施形態の画像形成装置は、接触帯電方法を採用したものであって、図1に示すように、大きくは、軸回転駆動される像担持体である感光体ドラム1と、この感光体ドラム1の表面を一様に所定電位に帯電させる帯電部材2と、この帯電部材2により帯電された感光体ドラム1の表面を露光して画像情報に基づく静電潜像を形成する露光器3と、この露光器3により形成された静電潜像にトナーを付着させてトナー顕像を形成(現像)するための現像器4と、この現像器4により形成されたトナー顕像をシート材Pに転写させる転写ローラよりなる転写器5と、転写後の感光体ドラム1の表面に残存するトナーを除去するためのクリーニング器6と、シート材P上に転写されたトナー像を加熱・加圧して定着させる一対のローラよりなる定着器7と、を備えている。
【0021】
更に、直流電圧及び交流電圧が重畳されてなるバイアスを生成するバイアス電源8と、当該装置内の特に感光体ドラム1の周囲の温度及び湿度を検出するセンサ9と、当該装置で画像形成されて出力されたシート材Pの累積枚数を計測するカウンタ10と、これらのバイアス電源8、センサ9及びカウンタ10に接続されて全体を制御するCPU11と、を備えている。
【0022】
より具体的には、感光体ドラム1は、基体であるアルミ等の導電性素管1aの表面に有機感光層1bを単層で形成してなり、この有機感光層1bは、帯電部材2を構成する後述の導電性ゴム層2bと接触し、実質電荷が与えられて所定電位に帯電される。
【0023】
ここで、有機感光層1bの詳細な構成について、述べておく。有機感光層1bは、電荷発生剤(CGM)と電荷輸送剤(CTM)とがバインダ樹脂中に分散されてなるものである。電荷発生剤としては、フタロシアニン系顔料やペリレン系顔料等が好適であるが、セレンやセレン−テルルやアモルファスシリコン等であってもよく、所望の領域に吸収波長域を有するよう2種以上混合して用いることも可能である。また、電荷輸送剤としては、公知の電子輸送剤(ETM)と正孔輸送剤(HTM)とを組み合わせて用いることが好ましい。
【0024】
電子輸送剤としては、無水コハク酸や無水マレイン酸やジブロム無水コハク酸等の電子吸引性物質が挙げられ、2種以上を併用することも可能である。他方、正孔輸送剤としては、ピレンやカルバゾール化合物やヒドラゾン塩等が挙げられ、これも2種以上を併用することが可能である。バインダ樹脂としては、耐摩耗性に優れる点で、ポリカーボネート樹脂やポリエステル樹脂等が好適である。
【0025】
本実施形態の有機感光層1bでは、電荷発生剤が固形分当たり3〜5重量%、電荷輸送剤が固形分当たり60〜80重量%程度で含有されていて、電子輸送剤と正孔輸送剤との重量比は、1:5〜1:1程度となっている。また、その有機感光層1bの初期状態の厚さについては、25〜100μm程度が一般的であるが、本実施形態では、30μmに設定している。
【0026】
導電性素管1a上への単層有機感光層1bの形成手法については、電荷発生剤、電荷輸送剤及びバインダ樹脂を所定の量比で適当な溶媒中に溶解或いは分散させた塗工液を調製し、これをデイッピング等によって導電性素管1a上に所定厚みで塗布して、加熱乾燥させることにより行われる。
【0027】
但し、有機感光層1bは、導電性素管1a上に直接形成してもよいが、下引き層を両者の間に介在させてもよい。この下引き層としては、カゼインやポリビニルアルコール等の高分子膜が挙げられ、その厚さは、0.01〜20μm程度が好ましい。この場合、下引き層に導電性を付与するために、金や銀やアルミ等の金属粉末、酸化チタンや酸化スズ等の酸化金属粉末、或いはカーボンブラック等の導電性微粉末を分散させることが好適である。
【0028】
また、有機感光層1bに対し、より一層の帯電の均一性や付着トナーの離剥性に配慮して、有機感光層1bの表面にオーバーコート層を設けてもよい。このオーバーコート層としては、透明で、且つ耐摩耗性やトナー離剥性等に優れることが要求され、シリコン樹脂が最適である。その厚さは、成形の容易性や有機感光層1bの帯電性を考慮すると、0.5〜5μm程度が好ましい。
【0029】
続いて、帯電部材2は、ローラ状の導電性基体2aの表面に導電性ゴム層2bを形成してなり、感光体ドラム1の表面と弾力的な接触状態で対向配置され、感光体ドラム1の回転に同期して従動回転するようになっている。ここで導電性基体2aは、アルミやスチールやステンレス等の金属製であって、バイアス電源8に接続されている。また、導電性ゴム層2bは、エピクロルヒドリンゴムやシリコンゴムやポリブタジエンゴムやアクリルゴム等の各種ゴムに、カーボンブラックや金属粉末等の導電性徴粉末を分散させたイオン導電性のゴム組成物である。この導電性ゴム層2bには、CPU11からの指令によるバイアス電源8からのバイアスが、導電性基体2aを通じて印加される。このバイアスの詳細な性状については、後述する。
【0030】
なお、弾力的な導電性ゴム層2bを設けた理由は、接触対象である感光体ドラム1の有機感光層1bへの安定した接触を維持するするためである。従って、導電性ゴム層2bに代えて、これと同様に作用する導電性ブラシを導電性基体2aの表面から周囲に突出するよう設けても構わない。
【0031】
引き続き、帯電部材2に印加されるバイアスの性状とその調整について、詳述する。本実施形態では、環境変化とともに経時変化に対応して、すなわち環境変化についてはセンサ9からの検出結果である温度及び湿度、経時変化についてはカウンタ10からの検出結果であるシート材Pの累積出力枚数に基づいて、CPU11によりバイアスが調整されるようになっている。そのバイアス調整は、図2に示すように、バイアスの構成要素である交流電圧の波形である正弦波における正成分領域Aと負成分領域Bとの比率を変化させることでなされる。但し、直流電圧の電圧値及び交流電圧のピーク電圧値Vppは一定に維持する。なお、ここでいう正成分領域Aとは、交流電圧のみの波形におけるピーク間中央値(図2では、0(ゼロ))よりもプラス側の面積を示し、他方負成分領域Bとは、マイナス側の面積を示しており、そのピーク間中央値は、実際のバイアスにおいて直流電圧の電圧値に相当する。
【0032】
次に、正成分領域Aと負成分領域Bとの比率であるが、先ず、環境変化に関しては、温度及び湿度毎に予め固有の比率が定められている。その一例を図3に示す。ここでは、温度が15〜25℃で湿度が20〜80%を標準レベルとし、この標準レベルでの正成分領域Aの比率を50%(負成分領域Bの比率も50%)としている。つまり、標準レベルでの波形は、図2(a)に示すように、正成分領域Aと負成分領域Bとが等しく対称にある。
【0033】
また、標準レベルに対し低温低湿下の例えば温度が15℃以下で湿度が20%以下では、正成分領域Aの比率を標準レベルよりも大きい70%(負成分領域Bの比率は30%)としている。この低温低湿下での波形は、図2(b)に示すように、正成分領域Aが負成分領域Bよりも大きく非対称にある。つまり、低温低湿下では、バイアスそのもので見れば、標準レベルに比べて、最大ピーク電圧値が一定に維持されたまま、その実効電圧値がより大きく調整されるようになっている。
【0034】
他方標準レベルに対し高温高湿下の例えば温度が25℃以上で湿度が80%以上では、正成分領域Aの比率を標準レベルよりも小さい30%(負成分領域Bの比率は70%)としている。この高温高湿下での波形は、図2(c)に示すように、正成分領域Aが負成分領域Bよりも小さく非対称にある。つまり、高温高湿下では、バイアスそのもので見れば、標準レベルに比べて、最大ピーク電圧値が一定に維持されたまま、その実効電圧値がより小さく調整されるようになっている。
【0035】
このように、環境変化に関するバイアスの調整に用いられる正成分領域Aの比率としては、標準レベルに対して高くなるに従ってより小さく、標準レベルに対して低くなるに従ってより大きくなるものが定められている。
【0036】
一方、経時変化に関する正成分領域Aと負成分領域Bとの比率は、感光体ドラム1の有機感光層1bの厚さ毎に予め固有に定められている。ここで、有機感光層1bの厚さを直接計測することは困難であるため、シート材Pの累積出力枚数をその厚さの変化の指標としている。これは、有機感光層1bの厚さが、一般には、当該装置による画像形成の進行とともにほぼ比例して減少することを利用したものである。例えば、図4に示すように、最初に30μmであった厚さは、累積出力枚数が10万枚程度で半減する。
【0037】
説明を戻り、経時変化に関する正成分領域Aと負成分領域Bとの比率の一例を図5に示す。ここでは、累積枚数が3万5千枚までを初期レベルとし、この初期レベルでの正成分領域Aの比率を50%(負成分領域Bの比率も50%)としている。つまり、初期レベルでの波形は、図2(a)に示すように、正成分領域Aと負成分領域Bとが等しく対称にある。
【0038】
また、初期レベルに対し有機感光層1bの厚さの減少が進行した3万5千〜7万枚では、正成分領域Aの比率を初期レベルよりも大きい55%(負成分領域Bの比率は45%)としている。更に進行した7万〜10万枚では、正成分領域Aの比率を更に大きい60%(負成分領域Bの比率は40%)としている。いずれの波形も、図2(b)に示すように、正成分領域Aが負成分領域Bよりも大きく非対称にある。つまり、有機感光層1bの厚さが初期レベルに対して減少するに従って、バイアスそのもので見れば、最大ピーク電圧値が一定に維持されたまま、その実効電圧値がより大きく調整されるようになっている。
【0039】
このように、経時変化に関するバイアスの調整に用いられる正成分領域Aの比率としては、初期レベルに対して有機感光層1bの厚さが減少するに従ってより大きくなるように定められている。
【0040】
次に、画像形成装置における画像形成動作について、説明する。図6に示すように、画像形成動作が開始されると、CPU11は、センサ9で検出した温度及び湿度を受け取る(ステップ#10)。これと同時に、カウンタ10で検出したこれまでのシート材Pの出力累積枚数を受け取って(ステップ#20)、この累積枚数から感光体ドラム1における現時点での有機感光層1bの厚さを算出する(ステップ#30)。
【0041】
次いで、ステップ#40において、バイアスの構成要素である交流電圧の正成分領域Aと負成分領域Bの調整量(正成分領域Aの比率)を決定する。具体的には、図3に示すデータテーブルより、センサ9から取得の温度及び湿度に対応する正成分領域Aの比率を抽出するとともに、図5に示すデータテーブルより、算出の有機感光層1bの厚さに対応する正成分領域Aの比率を抽出し、これら抽出された比率を積算して、バイアスの調整量とする。
【0042】
続いて、ステップ#50において、この調整量をバイアス電源8に与え、バイアス電源8がその調整量に応じて交流電圧を調整するとともに、この交流電圧と直流電圧とを重畳させたバイアスを帯電部材2に印加する。
【0043】
そして、ステップ#60において、感光体ドラム1の有機感光層1bに対しての接触帯電、露光、及び現像が行われ、シート材Pに対してのトナー像転写及び定着が行われ、これに続いて、有機感光層1bのクリーニングが行われる。これで1サイクルの画像形成動作が終了する。
【0044】
このような画像形成動作の中では、帯電部材2に印加されたバイアスそのものは、最大ピーク電圧値が一定に維持されたまま、その実効電圧値は、標準レベルに比べて、低温や低湿下でより大きく、他方、高温や高湿下でより小さく調整されている。そのため、低温や低湿下では、帯電性の低下した有機感光層1bに対して、帯電の均一性や帯電効率に有効な重畳のバイアスを与えることができるし、しかもそのバイアスは、有機感光層1bに破損を与える程度のものにはならない。他方、高温や高湿下でも、帯電性の向上した有機感光層1bに対し、帯電の均一性や帯電効率に有効な重畳のバイアスを与えることができる。
【0045】
更に、バイアスそのものは、その実効電圧値が、有機感光層1bの厚さが初期レベルに対して減少するに従って、より大きく調整されている。そのため、膜厚減少の影響で次第に帯電性の低下した有機感光層1bに対して、帯電の均一性や帯電効率に有効な重畳のバイアスを与えることができるし、しかもそのバイアスは、有機感光層1bに破損を与える程度のものにはならない。
【0046】
従って、最終的にシート材Pに形成される画像の品位は、環境変化や経時変化にかかわらず優れたものとなる。
【0047】
なお、その他本発明は上記の各実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。例えば、環境変化に関するバイアスの調整のための検出対象は、上記の実施形態のように温度及び湿度の両方であることが望ましいが、使用地域に応じて、温度又は湿度のうちのいずれか1つにすることも可能である。更に、上記の実施形態では、環境変化及び経時変化をともに検出し、両者の変化を加味したバイアスに調整しているが、いずれか1つの変化に対応するバイアス調整にすることも勿論可能である。また、バイアスの構成要素である交流電圧の波形は、正弦波に限らず、矩形波や三角波等であってもよい。
【0048】
また、経時変化を検出するためのカウンタ10に代えて、バイアス電源8と帯電部材2との接続経路中に電流計を配設し、この電流計により印加バイアスの流れ込み電流量を有機感光層1bの厚さの指標として測定するようにしてもよい。これは、有機感光層1bの厚さが減少するに従って、その電流量が増加することを活用したものである。
【0049】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明の画像形成装置によれば、バイアスそのものの最大ピーク電圧値が一定に維持されたまま、その実効電圧値は、標準レベルに比べて、低温や低湿下でより大きく、他方、高温や高湿下でより小さく調整される。そのため、低温や低湿下では、帯電性の低下した有機感光層に対して、帯電の均一性や帯電効率に有効な重畳のバイアスを与えることができるし、しかもそのバイアスは、有機感光層に破損を与える程度のものにはならない。他方、高温や高湿下でも、帯電性の向上した有機感光層に対し、帯電の均一性や帯電効率に有効な重畳のバイアスを与えることができる。従って、最終的にシート材に形成される画像の品位は、環境変化にかかわらず優れたものとなる。
【0050】
また本発明の画像形成装置によれば、バイアスそのものの最大ピーク電圧値が一定に維持されたまま、その実効電圧値は、有機感光層の厚さが初期レベルに対して減少するに従って、より大きく調整される。そのため、膜厚減少の影響で次第に帯電性の低下した有機感光層に対して、帯電の均一性や帯電効率に有効な重畳のバイアスを与えることができるし、しかもそのバイアスは、有機感光層に破損を与える程度のものにはならない。従って、最終的にシート材に形成される画像の品位は、経時変化にかかわらず優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である画像形成装置の要部を示す縦断面図である。
【図2】本一実施形態でのバイアスにおける交流電圧の波形の模式図である。
【図3】本一実施形態でのバイアスにおける環境変化に対応する正成分領域の比率の一例を示すデータテーブルである。
【図4】シート材の累積出力枚数と有機感光層の厚さとの相関を示す模式図である。
【図5】本一実施形態でのバイアスにおける経時変化に対応する正成分領域の比率の一例を示すデータテーブルである。
【図6】本一実施形態の画像形成装置における画像形成動作を説明するフローチャートである。
【図7】温度、湿度と有機感光層の帯電性との相関を示す模式図である。
【図8】有機感光層の厚さとその帯電性との相関を示す模式図である。
【符号の説明】
1 感光体(像担持体)
1a 導電性素管
1b 有機感光層
2 帯電部材(接触帯電部材)
2a 導電性基体
2b 導電性ゴム層
3 露光器
4 現像器
5 転写器
6 クリーニング器
7 定着器
8 バイアス電源(バイアス印加手段)
9 センサ
10 カウンタ
11 CPU
A バイアスの構成要素である交流電圧の波形の正成分領域
B バイアスの構成要素である交流電圧の波形の負成分領域
P シート材
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機やプリンタやファクシミリ等の画像形成装置に関し、特に、像担持体の表面の有機感光層をいわゆる接触帯電方法によって帯電させる画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来一般の画像形成装置では、概略、以下に示す画像形成の動作が行われる。先ず、像担持体である感光体ドラムの表面が帯電器により一様に所定電位に帯電される。次いで、露光器からの画像情報に基づく照射光によりその感光体ドラムの表面に静電潜像が形成され、現像器によりその静電潜像にトナーを付着させてトナー顕像が現像される。続いて、感光体ドラム上のトナー顕像は、転写ローラ等の転写器により紙等のシート材上に転写される。その後、このシート材は、一対のローラからなる定着器に搬送され、この定着器での加熱・加圧によりトナー像が定着されて、外部に排出すなわち出力される。一方、転写後の感光体ドラムは、この表面に残存するトナーがクリーニングブレード等のクリーニング器により除去され、更に必要に応じて除電器によりその表面が一様に除電される。こうした画像形成の動作が繰り返し行われる。
【0003】
ここで、感光体ドラムを帯電させる手法としては、いわゆる非接触帯電方法と接触帯電方法とがある。前者の非接触帯電方法を採用した画像形成装置における帯電器はコロナ帯電器が代表的であり、このコロナ帯電器は、微小間隔を空けて対向配置された感光体ドラムに向けて放電コロナを発生させ、これにより感光体ドラムの表面を帯電させるものである。但し、このコロナ帯電器では、環境に有害であるオゾン等や、感光体ドラムの表面劣化を促進して画質に悪影響を与えるアンモニウム塩等といった放電生成物が発生してしまう欠点がある。
【0004】
一方、後者の接触帯電方法は、感光体ドラムの表面に対し、直流電圧及び交流電圧が重畳されてなるバイアスが印加された導電性の帯電部材を接触させ、これによりその接触帯電部材を介して感光体ドラムの表面に電荷を与え、その表面を帯電させるものである(例えば、特許文献1参照)。この接触帯電方法を採用した画像形成装置は、上記した放電生成物の発生を格段に低減できることから、近年の主流となっている。なお、接触帯電部材に印加するバイアスは直流電圧及び交流電圧が重畳されてなるが、これは、感光体ドラムに対しての帯電の均一性や帯電効率を高めるために施すものである。以下、この接触帯電方法を採用した画像形成装置に関して述べていく。
【0005】
ところで、画像形成装置における像担持体(感光体ドラム)は、当該装置に搭載される部品の中でも特に高価なものである。そのため、近年では、コスト低減を主目的に、実質帯電される感光層として有機の感光層を採用するとともに、この有機感光層を導電性素管の表面に単層又は積層で形成してなる像担持体を用いている。単層の有機感光層は、電荷発生剤と電荷輸送剤とがバインダ樹脂中に分散されたものであり、積層の有機感光層は、電荷発生剤と電荷輸送剤とが別個の層に分散され、且つ電荷発生剤を含有した電荷発生層が電荷輸送剤を含有した電荷輸送層で被覆されたものである。有機感光層を有する像担持体には、以下に示す特質とこれに伴う問題がある。
【0006】
第1に、使用する際の温度や湿度といった環境の変化に敏感であり、この環境変化に追従して有機感光層の帯電特性が顕著に変化する。つまり、図7に示すように、温度や湿度が高くなるに従って、有機感光層の帯電性(与えられたバイアスに対しての帯電度合い)が増加する。そうすると、標準状態に見合うように予め設定されたバイアスを常時同一の設定条件で接触帯電部材に印加したのでは、温度や湿度が標準レベルよりも高い場合、有機感光層に与えられるバイアスとしては過剰になって、有機感光層の表面電位上昇を招き、他方、温度や湿度が標準レベルよりも低い場合、有機感光層は所望する所定電位まで帯電されなくなる。いずれの場合にも、最終的にシート材に形成される画像の品位低下につながる。
【0007】
第2に、繰り返しの使用に伴う帯電部材との接触やバイアス印加により、有機感光層の表面が摩耗したり劣化したりし易く、特にその有機感光層の厚さの減少といった経時変化に追従して有機感光層の帯電性が次第に低下する(図8参照)。つまり、初期状態に見合うように予め設定されたバイアスを永続して同一の設定条件で接触帯電部材に印加したのでは、有機感光層は所望する所定電位まで帯電されなくなる。その結果、やはりシート材上の画像の品位が徐々に低下していく。
【0008】
このように有機感光層を有する像担持体に対しては、実際の使用状況を踏まえると、接触帯電部材に印加するバイアスを環境変化や経時変化に対応して適宜調整する必要がある。そのため従来は、バイアスの構成要素である直流電圧及び交流電圧のうちで、直流電圧の電圧値(以下、「直流電圧値」と記すことがある)を調整したり、交流電圧のピーク電圧値(以下、「交流ピーク電圧値」と記すことがある)を調整したりしていた。つまり、環境変化に関しては、温度や湿度が標準レベルに比べて高い場合、標準状態の設定条件に対し直流電圧値或いは交流ピーク電圧値を小さくし、他方、温度や湿度が標準レベルに比べて低い場合、標準状態の設定条件に対し直流電圧値或いは交流ピーク電圧値を大きくしていた。また、経時変化に関しては、有機感光層の厚さが初期レベルに対して減少するに従って、初期状態の設定条件に対し直流電圧値或いは交流ピーク電圧値を大きくしていた。
【0009】
【特許文献1】
特開平6−202434号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、直流電圧値或いは交流ピーク電圧値のいずれの調整においても、環境変化における低温や低湿下や、有機感光層の膜厚が減少した状態で、像担持体の有機感光層にピンホール等が発生する場合があった。これは、直流電圧値或いは交流ピーク電圧値が大きくなるの伴ってバイアスそのものの最大ピーク電圧値が大きくなるため、有機感光層の帯電性に対しては有効になる反面、有機感光層が耐え得るには過剰なバイアスとなるからである。また、高温や高湿下での交流ピーク電圧値の調整においては、交流ピーク電圧値が小さくなるのに伴ってバイアスそのもののピーク間電圧値が小さくなることから、バイアスとして直流電圧に交流電圧を重畳させた効果が薄れ、像担持体に対しての帯電の均一性や帯電効率が悪化してしまう。
【0011】
従って、有機感光層を有する像担持体に対しては、接触帯電部材に印加するバイアスを環境変化や経時変化に対応して適宜調整する必要があるものの、バイアスの直流電圧値或いは交流ピーク電圧値の調整では、十分に対処できないといえる。
【0012】
そこで、本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、環境変化や経時変化を伴う実際の使用状況下で、単層の有機感光層を有する像担持体に対して、有機感光層の破損を防止し、且つ帯電の均一性や帯電効率を損なうことなく接触帯電できる画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明による画像形成装置は、表面に有機感光層を有する像担持体と、この像担持体の表面に接触して前記有機感光層を所定電位に帯電させる接触帯電部材と、直流電圧及び交流電圧が重畳されてなるバイアスを生成して前記接触帯電部材に印加するバイアス印加手段と、を備えた画像形成装置において、前記像担持体の周囲の温度又は湿度のうちの少なくとも1つを検出するセンサと、このセンサからの検出温度又は検出湿度に基づいて前記バイアス印加手段を制御する制御手段と、を備えていて、前記制御手段は、前記バイアスに関し、前記直流電圧の電圧値及び前記交流電圧のピーク電圧値を一定に維持しながら、前記交流電圧の波形における正成分領域と負成分領域とを前記検出結果に対応する比率に調整するようになっており、前記像担持体の帯電極性と同極性の成分領域の比率は、前記検出温度又は検出湿度が高くなるに従ってより小さく、前記検出温度又は検出湿度が低くなるに従ってより大きく設定されていることを特徴とする。
【0014】
これにより、バイアスそのものの最大ピーク電圧値が一定に維持されたまま、その実効電圧値は、標準レベルに比べて、低温や低湿下でより大きく、他方、高温や高湿下でより小さく調整される。従って、低温や低湿下では、帯電性の低下した有機感光層に対して、帯電の均一性や帯電効率に有効な重畳のバイアスを与えることができるし、しかもそのバイアスは、有機感光層に破損を与える程度のものにはならない。他方、高温や高湿下でも、帯電性の向上した有機感光層に対し、帯電の均一性や帯電効率に有効な重畳のバイアスを与えることができる。
【0015】
また、上記目的を達成するための本発明による画像形成装置は、表面に有機感光層を有する像担持体と、この像担持体の表面に接触して前記有機感光層を所定電位に帯電させる接触帯電部材と、直流電圧及び交流電圧が重畳されてなるバイアスを生成して前記接触帯電部材に印加するバイアス印加手段と、を備えた画像形成装置において、前記有機感光層の厚さの指標を検出する厚さ指標検出手段と、この厚さ指標検出手段からの検出結果に基づいて前記バイアス印加手段を制御する制御手段と、を備えていて、前記制御手段は、前記バイアスに関し、前記直流電圧の電圧値及び前記交流電圧のピーク電圧値を一定に維持しながら、前記交流電圧の波形における正成分領域と負成分領域とを前記検出結果より算出した前記有機感光層の厚さに対応する比率に調整するようになっており、前記像担持体の帯電極性と同極性の成分領域の比率は、前記厚さが減少するに従ってより大きく設定されていることを特徴とする。
【0016】
これにより、バイアスそのものの最大ピーク電圧値が一定に維持されたまま、その実効電圧値は、有機感光層の厚さが初期レベルに対して減少するに従って、より大きく調整される。従って、膜厚の減少で次第に帯電性の低下した有機感光層に対して、帯電の均一性や帯電効率に有効な重畳のバイアスを与えることができるし、しかもそのバイアスは、有機感光層に破損を与える程度のものにはならない。
【0017】
ここで、有機感光層の厚さを直接計測することは困難であるため、厚さ指標算出手段を介して間接的にその厚さを算出するわけであるが、その厚さ指標検出手段を簡単に得る目的で、前記厚さ指標検出手段は、当該画像形成装置で画像形成されて出力されたシート材の累積枚数を前記指標として検出するようになっているとよい。また、前記厚さ指標検出手段は、前記バイアス印加手段から前記接触帯電部材に流れ込む前記バイアスの電流量を前記指標として検出するようになっていてもよい。
【0018】
更に、実用性を踏まえ、前記接触帯電部材がローラ状又はブラシ状であることが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の画像形成装置の実施形態について、図面を参照しながら詳述する。図1は本発明の一実施形態である画像形成装置の要部を示す縦断面図、図2はその画像形成装置で用いられるバイアスにおける交流電圧の波形の模式図であって、図2(a)はその交流電圧の正成分領域と負成分領域との比率が等しい状態、図2(b)は正成分領域の比率が大きい状態、図2(c)は正成分領域の比率が小さい状態をそれぞれ示す。また、図3は環境変化に対応する正成分領域の比率の一例を示すデータテーブル、図4はシート材の累積出力枚数と有機感光層の厚さとの相関を示す模式図、図5は経時変化に対応する正成分領域の比率の一例を示すデータテーブル、図6はその画像形成装置における画像形成動作を説明するフローチャートである。
【0020】
本実施形態の画像形成装置は、接触帯電方法を採用したものであって、図1に示すように、大きくは、軸回転駆動される像担持体である感光体ドラム1と、この感光体ドラム1の表面を一様に所定電位に帯電させる帯電部材2と、この帯電部材2により帯電された感光体ドラム1の表面を露光して画像情報に基づく静電潜像を形成する露光器3と、この露光器3により形成された静電潜像にトナーを付着させてトナー顕像を形成(現像)するための現像器4と、この現像器4により形成されたトナー顕像をシート材Pに転写させる転写ローラよりなる転写器5と、転写後の感光体ドラム1の表面に残存するトナーを除去するためのクリーニング器6と、シート材P上に転写されたトナー像を加熱・加圧して定着させる一対のローラよりなる定着器7と、を備えている。
【0021】
更に、直流電圧及び交流電圧が重畳されてなるバイアスを生成するバイアス電源8と、当該装置内の特に感光体ドラム1の周囲の温度及び湿度を検出するセンサ9と、当該装置で画像形成されて出力されたシート材Pの累積枚数を計測するカウンタ10と、これらのバイアス電源8、センサ9及びカウンタ10に接続されて全体を制御するCPU11と、を備えている。
【0022】
より具体的には、感光体ドラム1は、基体であるアルミ等の導電性素管1aの表面に有機感光層1bを単層で形成してなり、この有機感光層1bは、帯電部材2を構成する後述の導電性ゴム層2bと接触し、実質電荷が与えられて所定電位に帯電される。
【0023】
ここで、有機感光層1bの詳細な構成について、述べておく。有機感光層1bは、電荷発生剤(CGM)と電荷輸送剤(CTM)とがバインダ樹脂中に分散されてなるものである。電荷発生剤としては、フタロシアニン系顔料やペリレン系顔料等が好適であるが、セレンやセレン−テルルやアモルファスシリコン等であってもよく、所望の領域に吸収波長域を有するよう2種以上混合して用いることも可能である。また、電荷輸送剤としては、公知の電子輸送剤(ETM)と正孔輸送剤(HTM)とを組み合わせて用いることが好ましい。
【0024】
電子輸送剤としては、無水コハク酸や無水マレイン酸やジブロム無水コハク酸等の電子吸引性物質が挙げられ、2種以上を併用することも可能である。他方、正孔輸送剤としては、ピレンやカルバゾール化合物やヒドラゾン塩等が挙げられ、これも2種以上を併用することが可能である。バインダ樹脂としては、耐摩耗性に優れる点で、ポリカーボネート樹脂やポリエステル樹脂等が好適である。
【0025】
本実施形態の有機感光層1bでは、電荷発生剤が固形分当たり3〜5重量%、電荷輸送剤が固形分当たり60〜80重量%程度で含有されていて、電子輸送剤と正孔輸送剤との重量比は、1:5〜1:1程度となっている。また、その有機感光層1bの初期状態の厚さについては、25〜100μm程度が一般的であるが、本実施形態では、30μmに設定している。
【0026】
導電性素管1a上への単層有機感光層1bの形成手法については、電荷発生剤、電荷輸送剤及びバインダ樹脂を所定の量比で適当な溶媒中に溶解或いは分散させた塗工液を調製し、これをデイッピング等によって導電性素管1a上に所定厚みで塗布して、加熱乾燥させることにより行われる。
【0027】
但し、有機感光層1bは、導電性素管1a上に直接形成してもよいが、下引き層を両者の間に介在させてもよい。この下引き層としては、カゼインやポリビニルアルコール等の高分子膜が挙げられ、その厚さは、0.01〜20μm程度が好ましい。この場合、下引き層に導電性を付与するために、金や銀やアルミ等の金属粉末、酸化チタンや酸化スズ等の酸化金属粉末、或いはカーボンブラック等の導電性微粉末を分散させることが好適である。
【0028】
また、有機感光層1bに対し、より一層の帯電の均一性や付着トナーの離剥性に配慮して、有機感光層1bの表面にオーバーコート層を設けてもよい。このオーバーコート層としては、透明で、且つ耐摩耗性やトナー離剥性等に優れることが要求され、シリコン樹脂が最適である。その厚さは、成形の容易性や有機感光層1bの帯電性を考慮すると、0.5〜5μm程度が好ましい。
【0029】
続いて、帯電部材2は、ローラ状の導電性基体2aの表面に導電性ゴム層2bを形成してなり、感光体ドラム1の表面と弾力的な接触状態で対向配置され、感光体ドラム1の回転に同期して従動回転するようになっている。ここで導電性基体2aは、アルミやスチールやステンレス等の金属製であって、バイアス電源8に接続されている。また、導電性ゴム層2bは、エピクロルヒドリンゴムやシリコンゴムやポリブタジエンゴムやアクリルゴム等の各種ゴムに、カーボンブラックや金属粉末等の導電性徴粉末を分散させたイオン導電性のゴム組成物である。この導電性ゴム層2bには、CPU11からの指令によるバイアス電源8からのバイアスが、導電性基体2aを通じて印加される。このバイアスの詳細な性状については、後述する。
【0030】
なお、弾力的な導電性ゴム層2bを設けた理由は、接触対象である感光体ドラム1の有機感光層1bへの安定した接触を維持するするためである。従って、導電性ゴム層2bに代えて、これと同様に作用する導電性ブラシを導電性基体2aの表面から周囲に突出するよう設けても構わない。
【0031】
引き続き、帯電部材2に印加されるバイアスの性状とその調整について、詳述する。本実施形態では、環境変化とともに経時変化に対応して、すなわち環境変化についてはセンサ9からの検出結果である温度及び湿度、経時変化についてはカウンタ10からの検出結果であるシート材Pの累積出力枚数に基づいて、CPU11によりバイアスが調整されるようになっている。そのバイアス調整は、図2に示すように、バイアスの構成要素である交流電圧の波形である正弦波における正成分領域Aと負成分領域Bとの比率を変化させることでなされる。但し、直流電圧の電圧値及び交流電圧のピーク電圧値Vppは一定に維持する。なお、ここでいう正成分領域Aとは、交流電圧のみの波形におけるピーク間中央値(図2では、0(ゼロ))よりもプラス側の面積を示し、他方負成分領域Bとは、マイナス側の面積を示しており、そのピーク間中央値は、実際のバイアスにおいて直流電圧の電圧値に相当する。
【0032】
次に、正成分領域Aと負成分領域Bとの比率であるが、先ず、環境変化に関しては、温度及び湿度毎に予め固有の比率が定められている。その一例を図3に示す。ここでは、温度が15〜25℃で湿度が20〜80%を標準レベルとし、この標準レベルでの正成分領域Aの比率を50%(負成分領域Bの比率も50%)としている。つまり、標準レベルでの波形は、図2(a)に示すように、正成分領域Aと負成分領域Bとが等しく対称にある。
【0033】
また、標準レベルに対し低温低湿下の例えば温度が15℃以下で湿度が20%以下では、正成分領域Aの比率を標準レベルよりも大きい70%(負成分領域Bの比率は30%)としている。この低温低湿下での波形は、図2(b)に示すように、正成分領域Aが負成分領域Bよりも大きく非対称にある。つまり、低温低湿下では、バイアスそのもので見れば、標準レベルに比べて、最大ピーク電圧値が一定に維持されたまま、その実効電圧値がより大きく調整されるようになっている。
【0034】
他方標準レベルに対し高温高湿下の例えば温度が25℃以上で湿度が80%以上では、正成分領域Aの比率を標準レベルよりも小さい30%(負成分領域Bの比率は70%)としている。この高温高湿下での波形は、図2(c)に示すように、正成分領域Aが負成分領域Bよりも小さく非対称にある。つまり、高温高湿下では、バイアスそのもので見れば、標準レベルに比べて、最大ピーク電圧値が一定に維持されたまま、その実効電圧値がより小さく調整されるようになっている。
【0035】
このように、環境変化に関するバイアスの調整に用いられる正成分領域Aの比率としては、標準レベルに対して高くなるに従ってより小さく、標準レベルに対して低くなるに従ってより大きくなるものが定められている。
【0036】
一方、経時変化に関する正成分領域Aと負成分領域Bとの比率は、感光体ドラム1の有機感光層1bの厚さ毎に予め固有に定められている。ここで、有機感光層1bの厚さを直接計測することは困難であるため、シート材Pの累積出力枚数をその厚さの変化の指標としている。これは、有機感光層1bの厚さが、一般には、当該装置による画像形成の進行とともにほぼ比例して減少することを利用したものである。例えば、図4に示すように、最初に30μmであった厚さは、累積出力枚数が10万枚程度で半減する。
【0037】
説明を戻り、経時変化に関する正成分領域Aと負成分領域Bとの比率の一例を図5に示す。ここでは、累積枚数が3万5千枚までを初期レベルとし、この初期レベルでの正成分領域Aの比率を50%(負成分領域Bの比率も50%)としている。つまり、初期レベルでの波形は、図2(a)に示すように、正成分領域Aと負成分領域Bとが等しく対称にある。
【0038】
また、初期レベルに対し有機感光層1bの厚さの減少が進行した3万5千〜7万枚では、正成分領域Aの比率を初期レベルよりも大きい55%(負成分領域Bの比率は45%)としている。更に進行した7万〜10万枚では、正成分領域Aの比率を更に大きい60%(負成分領域Bの比率は40%)としている。いずれの波形も、図2(b)に示すように、正成分領域Aが負成分領域Bよりも大きく非対称にある。つまり、有機感光層1bの厚さが初期レベルに対して減少するに従って、バイアスそのもので見れば、最大ピーク電圧値が一定に維持されたまま、その実効電圧値がより大きく調整されるようになっている。
【0039】
このように、経時変化に関するバイアスの調整に用いられる正成分領域Aの比率としては、初期レベルに対して有機感光層1bの厚さが減少するに従ってより大きくなるように定められている。
【0040】
次に、画像形成装置における画像形成動作について、説明する。図6に示すように、画像形成動作が開始されると、CPU11は、センサ9で検出した温度及び湿度を受け取る(ステップ#10)。これと同時に、カウンタ10で検出したこれまでのシート材Pの出力累積枚数を受け取って(ステップ#20)、この累積枚数から感光体ドラム1における現時点での有機感光層1bの厚さを算出する(ステップ#30)。
【0041】
次いで、ステップ#40において、バイアスの構成要素である交流電圧の正成分領域Aと負成分領域Bの調整量(正成分領域Aの比率)を決定する。具体的には、図3に示すデータテーブルより、センサ9から取得の温度及び湿度に対応する正成分領域Aの比率を抽出するとともに、図5に示すデータテーブルより、算出の有機感光層1bの厚さに対応する正成分領域Aの比率を抽出し、これら抽出された比率を積算して、バイアスの調整量とする。
【0042】
続いて、ステップ#50において、この調整量をバイアス電源8に与え、バイアス電源8がその調整量に応じて交流電圧を調整するとともに、この交流電圧と直流電圧とを重畳させたバイアスを帯電部材2に印加する。
【0043】
そして、ステップ#60において、感光体ドラム1の有機感光層1bに対しての接触帯電、露光、及び現像が行われ、シート材Pに対してのトナー像転写及び定着が行われ、これに続いて、有機感光層1bのクリーニングが行われる。これで1サイクルの画像形成動作が終了する。
【0044】
このような画像形成動作の中では、帯電部材2に印加されたバイアスそのものは、最大ピーク電圧値が一定に維持されたまま、その実効電圧値は、標準レベルに比べて、低温や低湿下でより大きく、他方、高温や高湿下でより小さく調整されている。そのため、低温や低湿下では、帯電性の低下した有機感光層1bに対して、帯電の均一性や帯電効率に有効な重畳のバイアスを与えることができるし、しかもそのバイアスは、有機感光層1bに破損を与える程度のものにはならない。他方、高温や高湿下でも、帯電性の向上した有機感光層1bに対し、帯電の均一性や帯電効率に有効な重畳のバイアスを与えることができる。
【0045】
更に、バイアスそのものは、その実効電圧値が、有機感光層1bの厚さが初期レベルに対して減少するに従って、より大きく調整されている。そのため、膜厚減少の影響で次第に帯電性の低下した有機感光層1bに対して、帯電の均一性や帯電効率に有効な重畳のバイアスを与えることができるし、しかもそのバイアスは、有機感光層1bに破損を与える程度のものにはならない。
【0046】
従って、最終的にシート材Pに形成される画像の品位は、環境変化や経時変化にかかわらず優れたものとなる。
【0047】
なお、その他本発明は上記の各実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。例えば、環境変化に関するバイアスの調整のための検出対象は、上記の実施形態のように温度及び湿度の両方であることが望ましいが、使用地域に応じて、温度又は湿度のうちのいずれか1つにすることも可能である。更に、上記の実施形態では、環境変化及び経時変化をともに検出し、両者の変化を加味したバイアスに調整しているが、いずれか1つの変化に対応するバイアス調整にすることも勿論可能である。また、バイアスの構成要素である交流電圧の波形は、正弦波に限らず、矩形波や三角波等であってもよい。
【0048】
また、経時変化を検出するためのカウンタ10に代えて、バイアス電源8と帯電部材2との接続経路中に電流計を配設し、この電流計により印加バイアスの流れ込み電流量を有機感光層1bの厚さの指標として測定するようにしてもよい。これは、有機感光層1bの厚さが減少するに従って、その電流量が増加することを活用したものである。
【0049】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明の画像形成装置によれば、バイアスそのものの最大ピーク電圧値が一定に維持されたまま、その実効電圧値は、標準レベルに比べて、低温や低湿下でより大きく、他方、高温や高湿下でより小さく調整される。そのため、低温や低湿下では、帯電性の低下した有機感光層に対して、帯電の均一性や帯電効率に有効な重畳のバイアスを与えることができるし、しかもそのバイアスは、有機感光層に破損を与える程度のものにはならない。他方、高温や高湿下でも、帯電性の向上した有機感光層に対し、帯電の均一性や帯電効率に有効な重畳のバイアスを与えることができる。従って、最終的にシート材に形成される画像の品位は、環境変化にかかわらず優れたものとなる。
【0050】
また本発明の画像形成装置によれば、バイアスそのものの最大ピーク電圧値が一定に維持されたまま、その実効電圧値は、有機感光層の厚さが初期レベルに対して減少するに従って、より大きく調整される。そのため、膜厚減少の影響で次第に帯電性の低下した有機感光層に対して、帯電の均一性や帯電効率に有効な重畳のバイアスを与えることができるし、しかもそのバイアスは、有機感光層に破損を与える程度のものにはならない。従って、最終的にシート材に形成される画像の品位は、経時変化にかかわらず優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である画像形成装置の要部を示す縦断面図である。
【図2】本一実施形態でのバイアスにおける交流電圧の波形の模式図である。
【図3】本一実施形態でのバイアスにおける環境変化に対応する正成分領域の比率の一例を示すデータテーブルである。
【図4】シート材の累積出力枚数と有機感光層の厚さとの相関を示す模式図である。
【図5】本一実施形態でのバイアスにおける経時変化に対応する正成分領域の比率の一例を示すデータテーブルである。
【図6】本一実施形態の画像形成装置における画像形成動作を説明するフローチャートである。
【図7】温度、湿度と有機感光層の帯電性との相関を示す模式図である。
【図8】有機感光層の厚さとその帯電性との相関を示す模式図である。
【符号の説明】
1 感光体(像担持体)
1a 導電性素管
1b 有機感光層
2 帯電部材(接触帯電部材)
2a 導電性基体
2b 導電性ゴム層
3 露光器
4 現像器
5 転写器
6 クリーニング器
7 定着器
8 バイアス電源(バイアス印加手段)
9 センサ
10 カウンタ
11 CPU
A バイアスの構成要素である交流電圧の波形の正成分領域
B バイアスの構成要素である交流電圧の波形の負成分領域
P シート材
Claims (6)
- 表面に有機感光層を有する像担持体と、この像担持体の表面に接触して前記有機感光層を所定電位に帯電させる接触帯電部材と、直流電圧及び交流電圧が重畳されてなるバイアスを生成して前記接触帯電部材に印加するバイアス印加手段と、を備えた画像形成装置において、
前記像担持体の周囲の温度又は湿度のうちの少なくとも1つを検出するセンサと、このセンサからの検出温度又は検出湿度に基づいて前記バイアス印加手段を制御する制御手段と、を備えていて、
前記制御手段は、前記バイアスに関し、前記直流電圧の電圧値及び前記交流電圧のピーク電圧値を一定に維持しながら、前記交流電圧の波形における正成分領域と負成分領域とを前記検出結果に対応する比率に調整するようになっており、前記像担持体の帯電極性と同極性の成分領域の比率は、前記検出温度又は検出湿度が高くなるに従ってより小さく、前記検出温度又は検出湿度が低くなるに従ってより大きく設定されていることを特徴とする画像形成装置。 - 表面に有機感光層を有する像担持体と、この像担持体の表面に接触して前記有機感光層を所定電位に帯電させる接触帯電部材と、直流電圧及び交流電圧が重畳されてなるバイアスを生成して前記接触帯電部材に印加するバイアス印加手段と、を備えた画像形成装置において、
前記有機感光層の厚さの指標を検出する厚さ指標検出手段と、この厚さ指標検出手段からの検出結果に基づいて前記バイアス印加手段を制御する制御手段と、を備えていて、
前記制御手段は、前記バイアスに関し、前記直流電圧の電圧値及び前記交流電圧のピーク電圧値を一定に維持しながら、前記交流電圧の波形における正成分領域と負成分領域とを前記検出結果より算出した前記有機感光層の厚さに対応する比率に調整するようになっており、前記像担持体の帯電極性と同極性の成分領域の比率は、前記厚さが減少するに従ってより大きく設定されていることを特徴とする画像形成装置。 - 前記厚さ指標検出手段は、当該画像形成装置で画像形成されて出力されたシート材の累積枚数を前記指標として検出することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記厚さ指標検出手段は、前記バイアス印加手段から前記接触帯電部材に流れ込む前記バイアスの電流量を前記指標として検出することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記接触帯電部材がローラ状又はブラシ状であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記有機感光層は単層であって、前記像担持体の帯電極性は正であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の画像形成装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008046323A (ja) * | 2006-08-15 | 2008-02-28 | Kyocera Mita Corp | 画像形成装置 |
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-
2003
- 2003-07-04 JP JP2003191645A patent/JP2005024991A/ja active Pending
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