JP2005024811A - 現像カートリッジ - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構成でありながら、精度よくアジテータの軸を支持して、アジテータの規則正しい回転を確保することのできる、現像カートリッジを提供すること。
【解決手段】現像カートリッジ34の一方の側壁46の内側壁に、略逆三角台形状の凹溝部65と、その凹溝部65と一体的に設けられる規制部66とを形成し、凹溝部65の最深部分68に、アジテータ36の軸48を支持させる。これにより、アジテータ36の軸48は、最深部分68において規制部66により上下方向移動が規制された状態で支持される。つまり、凹溝部65の最深部分68と、その凹溝部65に一体的に形成されている規制部66とにより、アジテータ36の軸48が支持されるため、アジテータ36の軸48の上下方向移動を精度よく規制して固定することができる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、現像カートリッジ、詳しくは、画像形成装置に着脱自在に装着される現像カートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、レーザプリンタなどの画像形成装置には、トナーが充填される現像カートリッジが着脱自在に装着されている。このような現像カートリッジには、充填されているトナーを攪拌するためのアジテータが、そのアジテータの軸が現像カートリッジの筐体に支持されることによって、回転可能に設けられている。
【0003】
より具体的には、アジテータの軸は、たとえば、筐体に設けられる軸受に支持させる(たとえば、特許文献1参照。)。あるいは、図8に示すように、筐体107の内側壁101に略V字状の溝102を形成し、その最深部分103にアジテータの軸104を嵌合させた状態で、筐体107とは別部材の上カバー106に設けられる略逆三角台形状のサイドプレート105を、その溝102に嵌合させて、最深部分103の底面とサイドプレート105の下端部との間で、軸104を挟持状に固定するようにして支持させている。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−115974号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかし、アジテータの軸を軸受で支持すると、部品点数や組み付け工数が多くなり、コストの上昇や作業効率の低下を招く。
【0005】
また、上記した図8に示す方法では、上カバー106を筐体107に、超音波溶着などにより接合するときのばらつきを考慮すると、軸104を、最深部分103の底面と、サイドプレート105の下端部との間で、ある程度の遊びをもって固定する必要がある。そのため、上下方向における軸104のがたつきを生じ、アジテータの規則正しい回転を確保できないという不具合がある。
【0006】
そこで、本発明は、簡易な構成でありながら、精度よくアジテータの軸を支持して、アジテータの規則正しい回転を確保することのできる、現像カートリッジを提供することある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、現像カートリッジであって、現像剤を収容する現像剤収容室と、前記現像剤収容室内に設けられるアジテータと、前記アジテータの軸の少なくとも一方を支持する軸支持部とを備え、前記軸支持部は、前記現像剤収容室の内壁に形成され、上端部が開放され、最深部分において前記軸を支持する凹溝部と、前記凹溝部に一体的に形成され、前記凹溝部の最深部分に支持された前記軸の上下方向移動を規制する規制部とを備えていることを特徴としている。
【0008】
このような構成によると、アジテータの軸は、凹溝部の最深部分において、凹溝部に一体的に形成されている規制部により上下方向移動が規制された状態で、支持される。つまり、この構成によると、凹溝部の最深部分と、その凹溝部に一体的に形成される規制部とにより、アジテータの軸を支持するので、別部材で固定する場合のような、ばらつきを考慮せずともよく、アジテータの軸の上下方向移動を精度よく規制して固定することができる。その結果、アジテータの軸のがたつきを低減して、アジテータの規則正しい回転を確保することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記最深部分が、前記軸と点接触するように形成されていることを特徴としている。
【0010】
軸と最深部分とが面接触すると、互いに接触する面の間に現像剤が入り込んで詰まってしまい、アジテータの回転不良を生じる。
【0011】
しかし、このような構成によると、軸と最深部分とが点接触するので、互いの接触点において現像剤が詰まりにくく、アジテータの円滑な回転を確保することができる。
【0012】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記最深部分が、矩形状に形成されていることを特徴としている。
【0013】
このような構成によると、最深部分が矩形状であるため、最深部分が円形である場合よりも、現像剤の詰まりを低減することができる。そのため、現像剤の詰まりによるアジテータの回転不良を低減することができる。
【0014】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の発明において、前記凹溝部が、上端部から下端部に向かって次第に幅狭となるように形成されていることを特徴としている。
【0015】
このような構成によると、アジテータの軸を、凹溝部の上端部から下端部に向かって挿入すれば、その凹溝部の幅狭形状に沿って、そのアジテータの軸を、最深部分に案内することができる。そのため、アジテータの軸の最深部分に対する組み付け性の向上を図ることができる。
【0016】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の発明において、前記規制部が、前記凹溝部の深さ方向と直交する幅方向において、前記凹溝部の一端側から、前記一端側と対向する他端側に向かって連続して延びるように、設けられていることを特徴としている。
【0017】
このような構成によると、凹溝部の最深部分において支持されるアジテータの軸は、幅方向一端側から他端側に向かって連続して延びる規制部によって、上下方向移動が規制される。そのため、アジテータの軸の最深部分における確実な支持を達成することができる。
【0018】
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記規制部は、前記一端側と前記他端側との間に隙間ができるように設けられていることを特徴としている。
【0019】
このような構成によると、規制部においては、一端側と他端側との間に隙間がきるので、アジテータの軸を、その隙間から最深部分に挿入することができる。そのため、アジテータの軸の最深部分に対する組み付け性の向上を図ることができる。
【0020】
また、請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、前記隙間の幅は、前記アジテータの軸の太さよりも狭いことを特徴としている。
【0021】
このような構成によると、最深部分において支持されたアジテータの軸が、規制部を超えて外れにくくすることができる。
【0022】
また、請求項8に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記規制部は、前記一端側と前記他端側とを連結するように設けられていることを特徴としている。
【0023】
このような構成によると、最深部分において支持されたアジテータの軸が、規制部を超えて外れることを防止することができる。
【0024】
また、請求項9に記載の発明は、請求項1ないし8のいずれかに記載の発明において、前記アジテータの軸が、直径3〜8mmであることを特徴としている。
【0025】
このような構成によると、アジテータの軸を撓ませて、最深部分に固定することができる。そのため、アジテータの軸の最深部分に対する組み付け性の向上を図ることができる。
【0026】
請求項10に記載の発明は、請求項1ないし9のいずれかに記載の発明において、前記現像剤収容室の前記内壁には、前記現像剤収容室内の現像剤の残量を検知するための検知用窓が、前記内壁の表面と面一となるように設けられていることを特徴としている。
【0027】
このような構成によると、検知用窓が、内壁の表面と面一で設けられているため、アジテータの軸方向において、アジテータと検知用窓を含む内壁の表面との間隔を等しくすることができる。そのため、アジテータと検知用窓を含む内壁の表面との間隔を、わずかの隙間に設定して、それらの間から漏れる現像剤を低減することにより、現像剤の攪拌効率の向上を図ることができる。
【0028】
また、請求項11に記載の発明は、請求項1ないし10のいずれかに記載の発明において、前記現像剤収容室の上方を被覆する上カバーを備え、前記上カバーには、前記凹溝部に嵌合される嵌合部が設けられており、前記嵌合部は、前記凹溝部に嵌合された状態において、前記内壁の表面と面一となるように設けられていることを特徴としている。
【0029】
このような構成によると、凹溝部には、内壁の表面と面一となる嵌合部が嵌合されるので、凹溝部内において現像剤が滞留することを防止することができる。しかも、嵌合部は、凹溝部に嵌合された状態で内壁の表面と面一となるので、アジテータの軸方向において、アジテータと嵌合部を含む内壁の表面との間隔を等しくすることができる。そのため、アジテータと嵌合部を含む内壁の表面との間隔を、わずかの隙間に設定して、それらの間から漏れる現像剤を低減することにより、現像剤の攪拌効率の向上を図ることができる。
【0030】
また、請求項12に記載の発明は、請求項1ないし11のいずれかに記載の発明において、前記アジテータは、現像剤を攪拌するための羽根部材を備え、前記羽根部材は、前記現像剤収容室における前記アジテータの軸方向全域にわたって設けられていることを特徴としている。
【0031】
このような構成によると、羽根部材によって、現像剤収容室に収容される現像剤を、アジテータの軸方向全域にわたって攪拌することができる。そのため、現像剤収容室に収容される現像剤を、十分に攪拌することができる。
【0032】
また、請求項13に記載の発明は、請求項1ないし12のいずれかに記載の発明において、前記凹溝部は、前記現像剤収容室の前記アジテータの軸方向一方側に設けられ、前記現像剤収容室の前記アジテータの軸方向他方側には、前記アジテータの軸を挿通する貫通孔が設けられていることを特徴としている。
【0033】
このような構成によると、アジテータの軸の他端部を、貫通孔に挿通し、一端部を、凹溝部の最深部分において固定することにより、アジテータの軸をがたつきなく支持することができる。
【0034】
また、請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の発明において、前記貫通孔に挿通された前記軸には、前記アジテータを回転するための動力を伝達するギヤが設けられていることを特徴としている。
【0035】
このような構成によると、ギヤに伝達される動力によって、アジテータを回転させることができる。そのため、アジテータの定速回転を確保することができる。
【0036】
また、請求項15に記載の発明は、請求項13に記載の発明において、前記アジテータは、前記軸の他端部を前記貫通孔に挿通した後、自身の弾性により撓んだ状態で、前記軸支持部へ取り付けられることを特徴としている。
【0037】
このような構成によると、アジテータの軸の他端部を貫通孔に挿通した後に、その軸を撓ませて、その軸の一端部を軸支持部へ取り付けるので、アジテータの軸が最深部分において弾性的に支持される。そのため、アジテータの軸を最深部分において、しっかりと支持することができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の画像形成装置としてのレーザプリンタの一実施形態を示す要部側断面図である。
【0039】
図1において、このレーザプリンタ1は、非磁性1成分の現像方式によって画像を形成する電子写真方式のレーザプリンタである。このレーザプリンタ1は、本体フレーム2内において、用紙3を給紙するためのフィーダ部4、給紙された用紙3に画像を形成するための画像形成部5を備えている。
【0040】
フィーダ部4は、本体フレーム2内の底部に、着脱可能に装着される給紙トレイ6と、給紙トレイ6の一端側端部(以下、この一端側を前側、その反対側を後側とする。)に設けられる給紙機構部7と、給紙機構部7に対し用紙3の搬送方向の下流側に設けられる搬送ローラ8、9および10と、これら搬送ローラ搬送ローラ8、9および10に対し用紙3の搬送方向の下流側に設けられるレジストローラ11とを備えている。
【0041】
給紙トレイ6は、用紙3を積層状に収容可能な上面が開放されたボックス形状をなし、本体フレーム2の底部に対して水平方向に着脱可能とされている。この給紙トレイ6内には、用紙押圧板12が設けられている。用紙押圧板12は、用紙3を積層状にスタック可能とされ、給紙機構部7に対して遠い方の端部において揺動可能に支持されることによって、給紙機構部7に対して近い方の端部が上下方向に移動可能とされる。用紙押圧板12の下方には、図示しないばねが配置され、そのばねによって用紙押圧板12が上方向に付勢されている。そのため、用紙押圧板12は、用紙3の積層量が増えるに従って、給紙機構部7に対して遠い方の端部を支点として、ばねの付勢力に抗して下向きに揺動される。
【0042】
給紙機構部7は、給紙ローラ13と、その給紙ローラ13に対向する分離パット14と、分離パット14の裏側に配置されるばね15とを備えている。給紙機構部7では、ばね15の付勢力によって、分離パット14が給紙ローラ13に向かって押圧されている。
【0043】
そして、用紙押圧板12がばねによって上方に付勢されると、用紙押圧板12上の最上位にある用紙3は、給紙ローラ13に向かって押圧される。給紙ローラ13の回転によって用紙3の先端は、給紙ローラ13と分離パット14とで挟まれ、給紙ローラ13と分離パット14との協動により、用紙3が1枚毎に分離される。分離された用紙3は、搬送ローラ8、9および10によってレジストローラ11に送られる。
【0044】
レジストローラ11は、1対のローラから構成されており、用紙3の斜行を矯正して、画像形成位置(後述する感光ドラム82と転写ローラ84との接触部分)に送るようにしている。
【0045】
なお、このレーザプリンタ1のフィーダ部4は、さらに、任意のサイズの用紙3を積層可能とするマルチパーパストレイ16と、マルチパーパストレイ16に積層される用紙3を給紙するためのマルチパーパス給紙ローラ18と、そのマルチパーパス給紙ローラ18に対向するマルチパーパス分離パット19とを備えている。マルチパーパストレイ16は、後述する前カバー32内に折り畳まれた状態で収容されている。
【0046】
画像形成部5は、スキャナ部20、プロセスユニット21および定着部22を備えている。
【0047】
スキャナ部20は、本体フレーム2内の上部に設けられ、レーザ発光部(図示せず。)、回転駆動されるポリゴンミラー23、レンズ24および25、反射鏡26、27および28を備えている。
【0048】
画像データに基づいて変調され、レーザ発光部から発光されるレーザビームは、鎖線で示すように、ポリゴンミラー23、レンズ24、反射鏡26および27、レンズ25、反射鏡28の順に通過あるいは反射して、後述するプロセスユニット21の感光ドラム82の表面に照射される。
【0049】
プロセスユニット21は、スキャナ部20の下方に設けられ、本体フレーム2に対して着脱自在に装着されている。
【0050】
すなわち、本体フレーム2は、プロセスユニット21を収容するためのプロセス収容部30と、プロセスユニット21を本体フレーム2に対して着脱させるためのプロセス収容部30へ通じる開口31と、開口31を被覆または開放するための前カバー32とを備えている。
【0051】
プロセス収容部30は、スキャナ部20の下方において、プロセスユニット21を収容できる空間として設けられている。開口31は、プロセス収容部30から前カバー32に至る通路として形成されている。また、前カバー32は、本体フレーム2の前側の前面および上面にわたって設けられている。この前カバー32は、閉位置と開位置との間を揺動して、閉位置において開口31を開放し、閉位置において開口31を被覆する。
【0052】
そして、プロセスユニット21は、前カバー32を開位置に位置させた状態で、開口31を介して、プロセス収容部30に対して着脱される。
【0053】
プロセスユニット21は、本体フレーム2に対して着脱される感光体カートリッジ33と、感光体カートリッジ33に着脱自在に収容される現像カートリッジ34とを備えている。
【0054】
現像カートリッジ34は、筐体35、その筐体35内に設けられるアジテータ36、供給ローラ37、現像ローラ38および層厚規制ブレード39を備えている。
【0055】
筐体35は、図2および図3に示すように、前壁42と、前壁42の下端部から後方に湾曲する底壁43と、底壁43の後端部から上方に突出する仕切壁44と、仕切壁44の下端部から後方に延びる下壁45と、下壁45の上方に形成されるブレード支持壁58とを備えている。
【0056】
これら前壁42、底壁43、仕切壁44、下壁45およびブレード支持壁58と、これらの幅方向(前後方向と直交する方向であって筐体35の幅方向、以下同じ。)両側に設けられる両側壁46および47とが、一体成形されている。
【0057】
そして、この筐体35は、前側において、前壁42、底壁43、仕切壁44および両側壁46および47で囲まれる断面略U字状の空間が、現像剤収容室としてのトナー収容室40として形成されている。また、後側において、仕切壁44、下壁45、ブレード支持壁58および両側壁46および47で囲まれる空間が現像室41として形成されている。
【0058】
なお、この筐体35の上端部の周囲には、図4に示すように、次に述べる上カバー56が重ね合わされる下側当接部61が、略水平方向に延びるように、一体形成されている。
【0059】
また、筐体35は、図3および図4に示すように、この筐体35の上方開口部を被覆する上カバー56を備えている。この上カバー56は、筐体35とは別部材として形成されており、筐体35の上方開口部を被覆する上板57と、上板57における前後方向途中の仕切壁44との対向位置から下方に向かって延びる上側仕切板59とが、一体形成されている。
【0060】
なお、この上カバー56の上板57の周囲には、図4に示すように、筐体35の下側当接部61に重ね合わされる上側当接部62が、略水平方向に延びるように、一体形成されている。
【0061】
また、この筐体35の幅方向一方側には、図2および図3に示すように、後述する凹溝部65の案内部分67に嵌合する嵌合部として嵌合板60が一体成形されている。
【0062】
この嵌合板60は、側面視が、凹溝部65の案内部分67とほぼ同一形状の上端部から下端部に向かって次第に幅狭となる略逆三角台形状をなし、筐体35の前後方向途中の凹溝部65との対向位置であって、図4に示すように、上側当接部62における筐体35の幅方向内側から下方に向かって延びるように形成されている。
【0063】
また、この嵌合板60の厚さは、凹溝部65に嵌合した状態において、一方の側壁46の内側壁の表面と面一となる厚さに設定されている。
【0064】
トナー収容室40には、現像剤としてのトナーが収容されている。トナーとしては、正帯電性の非磁性1成分のトナーであって、スチレンなどのスチレン系単量体や、アクリル酸、アルキル(C1〜C4)アクリレート、アルキル(C1〜C4)メタアクリレートなどのアクリル系単量体に代表される重合性単量体を、懸濁重合などの公知の重合方法によって共重合させることにより得られる重合トナーが用いられている。重合トナーは、平均粒径は、約6〜10μm程度の略球形状をなし、流動性が極めて良好である。なお、重合トナーには、カーボンブラックなどの着色剤やワックスなどが配合される。さらに、トナーの流動性を向上させるために、シリカなどの外添剤が添加される。
【0065】
また、このトナー収容室40内には、アジテータ36が設けられている。アジテータ36は、可撓性を有するABS樹脂などの樹脂材料からなり、図4に示すように、軸48と、軸48に設けられる羽根部材49と、羽根部材49に設けられる可撓性のフィルム部材50と、軸48に設けられるワイパ支持部51とが、一体成形されている。
【0066】
軸48は、トナー収容室40の側面視ほぼ中央において、筐体35の幅方向に沿って配置され、両側壁46および47の間に架設されている。この軸48は、直径3〜8mmの丸棒状をなし、可撓性を有し、両側壁46および47の間の長さよりも、長く形成されている。
【0067】
羽根部材49は、縦杆52および横杆53を備えている。縦杆52は、軸48の軸方向において互いに所定間隔を隔てて複数設けられ、軸48から径方向外方であって同じ方向に延びるように形成されている。なお、軸48の軸方向両端の縦杆52は、各側壁46および47とわずかの隙間を隔てて対向するように設けられている。また、横杆53は、各縦杆52の遊端部を連結するように設けられている。これによって、羽根部材49は、トナー収容室40におけるアジテータ36の軸方向全域にわたって設けられている。
【0068】
また、フィルム部材50は、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂フィルムからなり、横杆53の長手方向にわたって貼着されている。なお、フィルム部材50は、トナーを攪拌できるように、底壁43と接触して撓む長さとして設定されている。
【0069】
なお、軸48の軸方向中央の縦杆52には、図3にも示すように、側面視略台形状に突出する突出杆55が設けられており、この突出杆55にも、上記と同様のフィルム部材50が貼着されている。
【0070】
また、ワイパ支持部51は、略矩形平板状をなし、軸48の軸方向両端部において、縦杆52の突出方向と反対方向に突出するように設けられている。各ワイパ支持部51には、後述するトナー残量検知用窓64を払拭するための弾性部材からなるワイパ54がねじ止めされている。なお、各ワイパ54は、トナー残量検知用窓64を払拭するために、各側壁46および47と弾性的に接触するように配置されている。
【0071】
また、このトナー収容室40内の一方の側壁46には、図2および図3に示すように、アジテータ36の軸48を支持するための軸支持部63と、トナー残量検知用窓64とが設けられている。
【0072】
軸支持部63は、凹溝部65と、規制部66とを備えている。
【0073】
凹溝部65は、トナー収容室40における側壁46の前後方向中央において、側壁46の内側壁を凹状に窪ませることによって形成されている。この凹溝部65は、上端部が開放され、その上端部から下端部に向かって次第に幅狭となる側面視略逆三角台形状に形成される案内部分67と、その案内部分67の下方において、側面視略矩形状に形成される最深部分68とが、連続して一体的に形成されている。
【0074】
規制部66は、案内部分67と最深部分68との間に設けられている。この規制部66は、凹溝部65の深さ方向と直交する幅方向、つまり、前後方向において、案内部分67と最深部分68との間の後端側から、その後端側と対向する前端側に向かって連続して延び、後端側と前端側との間に隙間Sができるように設けられている。
【0075】
この規制部66は、上下方向に撓み変形可能な弾性を有する側面視略矩形状をなし、側壁46の内側壁と面一となる厚さで、その側壁46および凹溝部65と一体成形されている。また、規制部66と、その規制部66と前後方向に対向する凹溝部65の前端側との間の隙間Sは、アジテータ36の軸48の太さ(直径)よりも、狭く設定されている。
【0076】
なお、この凹溝部65において、最深部分68の前後方向長さは、アジテータ36の軸48の太さよりわずかに長く、また、最深部分68の底面から規制部66の下面までの長さも、アジテータ36の軸48の太さよりわずかに長く設定されている。
【0077】
トナー残量検知用窓64は、トナー収容室40の後方下側において、側壁46の厚さ方向が貫通される側面視略矩形状の開口部分に埋設されている。このトナー残量検知用窓64は、略矩形状の内側表面が、側壁46の内側壁と面一となるように側壁46に埋設されている。なお、このトナー残量検知用窓64は、図2が参照されるように、外側表面には、円筒状の光透過部69が設けられている。
【0078】
また、このトナー収容室40内の他方の側壁47には、アジテータ36の軸48を挿通するための貫通孔70と、トナー残量検知用窓64と、トナー充填口98とが設けられている。
【0079】
貫通孔70は、図4に示すように、一方の側壁46に形成される最深部分68と筐体35の幅方向において対向する位置に設けられ、他方の側壁47の厚さ方向を貫通するように、アジテータ36の軸48とほぼ同径で形成されている。
【0080】
トナー残量検知用窓64は、一方の側壁46に設けられるトナー残量検知用窓64と筐体35の幅方向において対向する位置に設けられ、他方の側壁47の厚さ方向が貫通される略矩形状の開口部分に埋設されている。このトナー残量検知用窓64は、略矩形状の内側表面が、側壁47の内側壁と面一となるように側壁47に埋設されている。なお、このトナー残量検知用窓64は、図2に示すように、外側表面には、円筒状の光透過部69が設けられている。
【0081】
トナー充填口98は、図2に示すように、他方の側壁47の前方において、側壁47の厚さ方向を貫通する円形状に形成されている。このトナー充填口98には、図5に示すように、トナーがトナー収容室40に収容された状態において、キャップ99が被覆されている。
【0082】
そして、アジテータ36は、筐体35のトナー収容室40に、次のようにして組み付けられている。
【0083】
すなわち、まず、アジテータ36の軸48の他端部を、他方の側壁47の貫通孔70に挿通した後、軸48を自身の弾性により軸方向に撓ませる。その後、図6(a)に示すように、アジテータ36の軸48の一端部を、凹溝部65の案内部分67の上方から下方へ向かって挿入する。すると、アジテータ36の軸48は、凹溝部65の幅狭形状に沿って最深部分68に向かって案内される。そして、アジテータ36の軸48が規制部66に当接すると、その規制部66を下方向に撓ませながら、隙間Sから最深部分68に挿入される。これによって、アジテータ36の軸48が軸支持部63へ取り付けられる。
【0084】
次いで、上カバー56を、上カバー56の嵌合板60を凹溝部65の案内部分67に挿入しながら、筐体35の上方から被せ、上カバー56の上側当接部62を筐体35の下側当接部61に重ね合わせる。その後、上側当接部62と下側当接部61とを、超音波溶着により接合する。これによって、上カバー56が筐体35の上方開口部を被覆し、上カバー56の嵌合板60が凹溝部65の案内部分67に組み付けられる。
【0085】
また、このようにして組み付けられた状態においては、上カバー56の嵌合板60が、一方の側壁46の内側壁の表面と面一となるように嵌合される。
【0086】
現像室41には、図1に示すように、供給ローラ37、現像ローラ38および層厚規制ブレード39が設けられている。
【0087】
供給ローラ37は、トナー収容室40の後方において、筐体35の幅方向に沿って設けられ、両側壁46および47において回転可能に支持されている。この供給ローラ37は、アジテータ45の回転方向と逆方向に回転可能に設けられている。供給ローラ37は、金属製のローラ軸に、導電性のウレタンスポンジが被覆されている。
【0088】
現像ローラ38は、供給ローラ37の後方において、筐体35の幅方向に沿って設けられ、両側壁46および47において回転可能に支持されている。この現像ローラ38は、供給ローラ37の回転方向と同方向に回転可能に設けられている。
【0089】
現像ローラ38は、金属製のローラ軸の表面に、導電性の弾性材料、カーボン微粒子を含む導電性のウレタンゴムまたはシリコーンゴムを被覆し、その弾性材料の表面に、フッ素が含有されているウレタンゴムまたはシリコーンゴムのコート層を被覆して形成される。また、現像ローラ38のローラ軸には、図示しない電源が接続され、現像時には現像バイアスが印加される。
【0090】
そして、これら供給ローラ37と現像ローラ38とは、互いに対向配置され、現像ローラ38に対して供給ローラ37がある程度圧縮するような状態で接触されている。供給ローラ37と現像ローラ38とは、それらの対向接触部分において、互いに逆方向に回転する。
【0091】
層厚規制ブレード39は、供給ローラ37の上方であって、現像ローラ38の回転方向における供給ローラ37との対向位置と感光ドラム82との対向位置との間において、筐体35のブレード支持壁58に支持されている。
【0092】
この層厚規制ブレード39は、現像ローラ38の軸方向に沿って現像ローラ38と対向配置されており、板ばね部材71と、その板ばね部材71の先端部に設けられ、現像ローラ38と接触される絶縁性のシリコーンゴムからなる圧接部72とを備えている。層厚規制ブレード39は、板ばね部材71がブレード支持壁58に支持された状態で、圧接部72が板ばね部材71の弾性力によって、現像ローラ38の表面に圧接されている。
【0093】
また、この現像カートリッジ34には、図5に示すように、アジテータ36、供給ローラ37、現像ローラ38を回転駆動するギヤ機構部73が設けられている。このギヤ機構部73は、現像カートリッジ34の他方の側壁47の外側壁に設けられており、入力ギヤ74、供給ローラ駆動ギヤ75、現像ローラ駆動ギヤ76、第1中間ギヤ77、第2中間ギヤ78、第3中間ギヤ79およびアジテータ駆動ギヤ80を備えている。
【0094】
入力ギヤ74は、他方の側壁47の外側壁における現像ローラ38とアジテータ36との間において回転可能に設けられている。この入力ギヤ74には、図示しないモータからの動力が入力される。
【0095】
供給ローラ駆動ギヤ75は、入力ギヤ74の下方において、入力ギヤ74と噛み合う状態で、供給ローラ37のローラ軸の軸端部に設けられている。
【0096】
現像ローラ駆動ギヤ76は、入力ギヤ74の後方側方において、入力ギヤ74と噛み合う状態で、現像ローラ38のローラ軸の軸端部に設けられている。
【0097】
第1中間ギヤ77は、入力ギヤ74の前方側方において、入力ギヤ74と噛み合うように側壁47の外側壁に回転可能に設けられている。
【0098】
第2中間ギヤ78は、第1中間ギヤ77の上方において、第1中間ギヤ77と噛み合うように側壁47の外側壁に回転可能に設けられている。
【0099】
第3中間ギヤ79は、第2中間ギヤ78の前方側方において、第2中間ギヤ78と噛み合うように側壁47の外側壁に回転可能に設けられている。
【0100】
アジテータ駆動ギヤ80は、第3中間ギヤ79の前方斜め下方において、第3中間ギヤ79と噛み合う状態で、貫通孔70に挿通されているアジテータ36の軸48の軸端部に設けられている。
【0101】
そして、入力ギヤ74に、図示しないモータからの動力が入力されると、その動力が、供給ローラ駆動ギヤ75および現像ローラ駆動ギヤ76に伝達され、供給ローラ37および現像ローラ38が、それぞれ回転駆動される。
【0102】
また、入力ギヤ74に入力された動力は、第1中間ギヤ77、第2中間ギヤ78および第3中間ギヤ79を介して、アジテータ駆動ギヤ80に伝達され、アジテータ36の軸48が回転駆動される。
【0103】
そして、図1に示すように、アジテータ36の回転により、トナー収容室40内に収容されるトナーが、フィルム部材50によって掻き上げられ、仕切壁44と上側仕切板59との間から、現像室41に搬送される。
【0104】
現像室41内に搬送されてきたトナーは、供給ローラ37の回転によって、現像ローラ38に供給される。この供給ローラ37から現像ローラ38へのトナーの供給時において、供給ローラ37と現像ローラ38との間においてトナーが摺擦され正極性に帯電される。
【0105】
そして、帯電されたトナーは、現像ローラ38の表面上に担持され、現像ローラ38の回転に伴って、現像ローラ38と層厚規制ブレード39の圧接部72との間に進入する。トナーは現像ローラ38と圧接部72との間を通過するときに、さらに摩擦によって帯電され、その層の厚さが規制されて、現像ローラ38の表面上に薄層として担持される。
【0106】
感光体カートリッジ33は、フレーム81と、そのフレーム81内に設けられる感光ドラム82と、スコロトロン型帯電器83と、転写ローラ84と、クリーニング部85とを備えている。
【0107】
フレーム81は、後方が、感光ドラム82、スコロトロン型帯電器83、転写ローラ84およびクリーニング部85を収容するドラム収容部86として形成され、前方が、上方が開放され、現像カートリッジ34を収容する現像収容部87として形成されている。
【0108】
感光ドラム82は、現像ローラ38の後方において、その現像ローラ38と対向配置されている。感光ドラム82は、フレーム81の幅方向に沿って設けられ、フレーム81の幅方向両端部において回転可能に支持されている。この感光ドラム82は、円筒状のアルミニウム素管の表面にポリカーボネートなどからなる正帯電性の感光層を形成したものであり、円筒状の素管は電気的に接地されている。
【0109】
スコロトロン型帯電器83は、感光ドラム82の上方において、感光ドラム82と接触しないように、所定間隔を隔てて対向配置され、フレーム81の幅方向に沿って設けられている。このスコロトロン型帯電器83は、タングステン製の帯電用ワイヤからコロナ放電を発生させる正帯電用のスコロトロン型の帯電器であり、感光ドラム82の表面を一様に正極性に帯電させる。
【0110】
感光ドラム82の回転に伴なって、感光ドラム82の表面は、スコロトロン型帯電器83により一様に正帯電され、画像データに基づいてスキャナ部20から発光されたレーザビームが照射されることにより露光され、静電潜像が形成される。
【0111】
次いで、現像ローラ38の回転により、現像ローラ38の表面上に担持されかつ正極性に帯電されているトナーが、感光ドラム82に対向して接触する時に、感光ドラム82の表面上に形成される静電潜像、すなわち、一様に正帯電されている感光ドラム82の表面のうち、レーザビームによって露光され電位が下がっている露光部分に供給され、選択的に担持されることによって可視像化される。
【0112】
転写ローラ84は、感光ドラム82の下方において、この感光ドラム82に対向配置され、フレーム81の幅方向に沿って設けられ、フレーム81の幅方向両端部において回転可能に支持されている。この転写ローラ84は、金属製のローラ軸に、導電性のゴム材料が被覆されて形成され、ローラ軸には図示しない電源が接続されている。トナーを用紙3へ転写する時には、ローラ軸に転写バイアスが印加される。
【0113】
そして、感光ドラム82の回転に伴い、レジストローラ11から搬送されてくる用紙3が感光ドラム82の表面と接触しながら、感光ドラム82と転写ローラ84との間を通る間に、感光ドラム82の表面に担持されたトナーが、用紙3に転写される。トナーが転写された用紙3は、定着部22に向けて搬送される。
【0114】
クリーニング部85は、ドラム収容部86内の前方において、感光ドラム82に対して現像ローラ38の反対側に設けられており、1次クリーニングローラ88と、2次クリーニングローラ89と、掻取スポンジ90と、紙粉貯留部91とを備えている。
【0115】
1次クリーニングローラ88は、感光ドラム82と対向配置され、フレーム81の幅方向に沿って設けられ、フレーム81の幅方向両端部において回転可能に支持されている。この1次クリーニングローラ88には、クリーニング時に、クリーニングバイアスが印加されている。
【0116】
2次クリーニングローラ89は、1次クリーニングローラ88と対向配置され、フレーム81の幅方向に沿って設けられ、フレーム81の幅方向両端部において回転可能に支持されている。
【0117】
掻取スポンジ90は、2次クリーニングローラ89の上方において、2次クリーニングローラ89と接触するように対向配置され、フレーム81の幅方向に沿って設けられ、フレーム81の幅方向両端部において回転可能に支持されている。
【0118】
紙粉貯留部91は、1次クリーニングローラ88よりも後方のドラム収容部86内の空間として形成されている。
【0119】
そして、このクリーニング部85では、トナーを用紙3へ転写する時には、1次クリーニングローラ88に低バイアスが印加され、感光ドラム82に残存するトナーが、1次クリーニングローラ88に一時的に捕捉される。
【0120】
一方、トナーが用紙3へ転写されない時、つまり、連続して送られる用紙3と用紙3との間隔に相当する間には、1次クリーニングローラ88に高バイアスが印加され、1次クリーニングローラ88に一時的に捕捉されているトナーが感光ドラム82に戻され、転写時に用紙3から感光ドラム82に付着した紙粉が、1次クリーニングローラ88に捕捉される。感光ドラム82に戻されたトナーは、現像ローラ38によって回収される。1次クリーニングローラ88に捕捉された紙粉は、2次クリーニングローラ89と対向した時に、その2次クリーニングローラ89に捕捉される。2次クリーニングローラ89に捕捉された紙粉は、掻取スポンジ90と対向した時に、その掻取スポンジ90によって掻き取られ、紙粉貯留部91に溜められる。
【0121】
定着部22は、プロセスユニット22の後方であって、用紙3の搬送方向下流側に設けられており、加熱ローラ92と、加圧ローラ93と、搬送ローラ94とを備えている。加熱ローラ92は、金属製の素管内にヒータとしてハロゲンランプを備えている。加圧ローラ93は、加熱ローラ92の下方に対向配置され、その加熱ローラ92を下方から押圧するように設けられている。また、搬送ローラ94は、加熱ローラ92および加圧ローラ93に対して、用紙3の搬送方向下流側に設けられている。
【0122】
用紙3に転写されたトナーは、加熱ローラ92と加圧ローラ93との間を通る間に、熱によって溶融し、用紙3に固着する。用紙3は、搬送ローラ94によって、搬送ローラ94の後方において上下方向に配置されるガイド板95に案内されて、排紙ローラ96に向けて搬送される。
【0123】
排紙ローラ96によって搬送されてきた用紙3は、その後、排紙ローラ96によって、排紙トレイ97上に排紙される。
【0124】
そして、このレーザプリンタ1に装着される現像カートリッジ34において、アジテータ36の軸48は、図3に示すように、凹溝部65の最深部分68において、凹溝部65に一体的に形成されている規制部66により上下方向移動が規制された状態で、支持される。つまり、凹溝部65の最深部分68と、その凹溝部65に一体的に形成されている規制部66とにより、アジテータ36の軸48を支持する。そのため、アジテータ36の軸48を、最深部分68と上カバー56の嵌合板60との間で固定する場合のようなばらつきを考慮せずともよく、アジテータ36の軸48の上下方向移動を精度よく規制して固定することができる。その結果、アジテータ36の軸48のがたつきを低減して、アジテータ36の規則正しい回転を確保することができる。
【0125】
また、この現像カートリッジ34では、最深部分68が矩形状に形成されている。たとえば、最深部分68が円形状に形成されている場合には、最深部分68が軸48と面接触するので、互いに接触する面の間にトナーが入り込んで詰まってしまい、アジテータ36の回転不良を生じる。しかし、このように、最深部分68が矩形状に形成されていれば、軸48と最深部分68とが点接触するので、互いの接触点においてトナーが詰まりにくく、アジテータ36の円滑な回転を確保することができる。
【0126】
また、凹溝部65の案内部分67は、上端部が開放され、その上端部から下端部に向かって次第に幅狭となる側面視略三角台形状に形成されているので、アジテータ36の軸48を、案内部分67の上端部から下端部に向かって挿入すれば、その案内部分67の幅狭形状に沿って、そのアジテータ36の軸48を、最深部分68に案内することができる。そのため、アジテータ36の軸48の最深部分68に対する組み付け性の向上を図ることができる。
【0127】
また、規制部66は、最深部分68の上方において、案内部分67と最深部分68との間の後端側から、その後端側と対向する前端側に向かって連続して延びるように形成されている。そのため、最深部分68において支持されるアジテータ36の軸48は、そのアジテータ36の軸48の上方に設けられる規制部66によって、上下方向移動が規制される。そのため、アジテータ36の軸48の最深部分68における確実な支持を達成することができる。
【0128】
また、規制部66は、後端側と前端側との間に隙間Sが形成されるように設けられているので、上記したように、アジテータ36の軸48を、その隙間Sから最深部分68に挿入することができる。そのため、アジテータ36の軸48の最深部分68に対する組み付け性の向上を図ることができる。
【0129】
しかも、隙間Sの幅は、アジテータ36の軸48の太さよりも狭く形成されているので、最深部分68において支持されたアジテータ36の軸48が、規制部66を超えて外れにくくすることができる。
【0130】
なお、規制部66は、案内部分67と最深部分68との間の後端側と前端側との間に隙間Sが形成されるように設けずに、たとえば、図7に示すように、後端側と前端側との間を連結するように形成してもよい。
【0131】
規制部66を、このように形成することにより、最深部分68において支持されたアジテータ36の軸48が、規制部66を超えて外れることを防止することができる。
【0132】
また、この現像カートリッジ34では、アジテータ36の軸48が、直径3〜8mmであるので、アジテータ36の軸48を撓ませて、最深部分68に固定させることができる。すなわち、このアジテータ36を、現像カートリッジ34のトナー収容室40に取り付けるには、上記したように、アジテータ36の軸48の他端部を、他方の側壁47の貫通孔70に挿通した後、軸48を自身の弾性により軸方向に撓ませ、その後、アジテータ36の軸48の一端部を、凹溝部65の案内部分67の上端部から下端部に向かって挿入し、規制部66に当接させて、その規制部66を下方向に撓ませながら、隙間Sから最深部分68に挿入させる。これによって、アジテータ36の軸48の最深部分68に対する組み付け性の向上を図ることができ、また、アジテータ36の軸48を最深部分68において、しっかりと支持することができる。
【0133】
また、このような取り付けにおいては、アジテータ36の軸48の他端部が、貫通孔70に挿通され、一端部が、最深部分68において固定されるので、アジテータ36の軸48をがたつきなく支持することができる。
【0134】
また、この現像カートリッジ34では、トナー収容室40の両側壁46および47には、トナー残量検知用窓64が、両側壁46および47の内側壁の表面と面一となるように設けられている。また、トナー収容室40の一方の側壁46の凹溝部65の案内部分67には、上カバー56の嵌合板60が、一方の側壁46の内側壁の表面と面一となるように嵌合されている。
【0135】
これによって、アジテータ36の軸方向において、羽根部材49の軸方向両端部と、両側壁46および47の内側壁の表面との間隔を等しくすることができる。そのため、羽根部材49の軸方向両端部と、トナー残量検知用窓64や嵌合板60を含む内側壁の表面との間隔を、わずかの隙間に設定して、それらの間から漏れるトナーを低減することにより、トナーの攪拌効率の向上を図ることができる。言い換えると、アジテータ36の羽根部材49を、トナー収容室40におけるアジテータ36の軸方向全域にわたって設けることができるので、その軸方向全域にわたってトナーを攪拌することができる。そのため、トナー収容室40に収容されるトナーを、十分に攪拌することができる。
【0136】
また、凹溝部65の案内部分67には、嵌合板60が嵌合されるので、案内部分67内においてトナーが滞留することを防止することができる。
【0137】
また、この現像カートリッジ34では、貫通孔70に挿通されたアジテータ36の軸48には、アジテータ36を回転するための動力を伝達するアジテータ駆動ギヤ80が設けられているので、このアジテータ駆動ギヤ80に伝達される動力によって、アジテータ36を回転させることができる。そのため、アジテータ36の定速回転を確保することができる。
【0138】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1に記載の発明によれば、アジテータの軸のがたつきを低減して、アジテータの規則正しい回転を確保することができる。
【0139】
請求項2に記載の発明によれば、アジテータの円滑な回転を確保することができる。
【0140】
請求項3に記載の発明によれば、現像剤の詰まりによるアジテータの回転不良を低減することができる。
【0141】
請求項4に記載の発明によれば、アジテータの軸の最深部分に対する組み付け性の向上を図ることができる。
【0142】
請求項5に記載の発明によれば、アジテータの軸の最深部分における確実な支持を達成することができる。
【0143】
請求項6に記載の発明によれば、アジテータの軸の最深部分に対する組み付け性の向上を図ることができる。
【0144】
請求項7に記載の発明によれば、最深部分において支持されたアジテータの軸が、規制部を超えて外れにくくすることができる。
【0145】
請求項8に記載の発明によれば、最深部分において支持されたアジテータの軸が、規制部を超えて外れることを防止することができる。
【0146】
請求項9に記載の発明によれば、アジテータの軸の最深部分に対する組み付け性の向上を図ることができる。
【0147】
請求項10に記載の発明によれば、現像剤の攪拌効率の向上を図ることができる。
【0148】
請求項11に記載の発明によれば、凹溝部内において現像剤が滞留することを防止することができる。また、現像剤の攪拌効率の向上を図ることができる。
【0149】
請求項12に記載の発明によれば、現像剤収容室に収容される現像剤を、十分に攪拌することができる。
【0150】
請求項13に記載の発明によれば、アジテータの軸をがたつきなく支持することができる。
【0151】
請求項14に記載の発明によれば、アジテータの定速回転を確保することができる。
【0152】
請求項15に記載の発明によれば、アジテータの軸を最深部分において、しっかりと支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置としての、レーザプリンタの一実施形態を示す要部側断面図である。
【図2】図1に示すレーザプリンタの現像カートリッジを示す一部切欠斜視図である。
【図3】図2に示す現像カートリッジの側断面図である。
【図4】図2に示す現像カートリッジの縦断面図である。
【図5】図2に示す現像カートリッジ(ギヤ機構部の装着状態)の側面図である。
【図6】図2に示す現像カートリッジに対するアジテータの取り付けを説明するための説明図であって、
(a)は、アジテータの軸を凹溝部に挿入する状態、
(b)は、アジテータの軸を凹溝部の最深部分に挿入した状態
を示す。
【図7】図2に示す現像カートリッジの他の実施形態(規制部が連結されている態様)を示す側断面図である。
【図8】従来の現像カートリッジの側断面図である。
【符号の説明】
1 レーザプリンタ
3 用紙
34 現像カートリッジ
36 アジテータ
40 トナー収容室
48 軸
49 羽根部材
56 上カバー
60 嵌合板
63 軸支持部
64 トナー残量検知用窓
65 凹溝部
66 規制部
68 最深部分
70 貫通孔
80 アジテータ駆動ギヤ
S 隙間

Claims (15)

  1. 現像剤を収容する現像剤収容室と、
    前記現像剤収容室内に設けられるアジテータと、
    前記アジテータの軸の少なくとも一方を支持する軸支持部とを備え、
    前記軸支持部は、
    前記現像剤収容室の内壁に形成され、上端部が開放され、最深部分において前記軸を支持する凹溝部と、
    前記凹溝部に一体的に形成され、前記凹溝部の最深部分に支持された前記軸の上下方向移動を規制する規制部とを備えていることを特徴とする、現像カートリッジ。
  2. 前記最深部分が、前記軸と点接触するように形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の現像カートリッジ。
  3. 前記最深部分が、矩形状に形成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の現像カートリッジ。
  4. 前記凹溝部が、上端部から下端部に向かって次第に幅狭となるように形成されていることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の現像カートリッジ。
  5. 前記規制部が、前記凹溝部の深さ方向と直交する幅方向において、前記凹溝部の一端側から、前記一端側と対向する他端側に向かって連続して延びるように、設けられていることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の現像カートリッジ。
  6. 前記規制部は、前記一端側と前記他端側との間に隙間ができるように設けられていることを特徴とする、請求項5に記載の現像カートリッジ。
  7. 前記隙間の幅は、前記アジテータの軸の太さよりも狭いことを特徴とする、請求項6に記載の現像カートリッジ。
  8. 前記規制部は、前記一端側と前記他端側とを連結するように設けられていることを特徴とする、請求項5に記載の現像カートリッジ。
  9. 前記アジテータの軸が、直径3〜8mmであることを特徴とする、請求項1ないし8のいずれかに記載の現像カートリッジ。
  10. 前記現像剤収容室の前記内壁には、前記現像剤収容室内の現像剤の残量を検知するための検知用窓が、前記内壁の表面と面一となるように設けられていることを特徴とする、請求項1ないし9のいずれかに記載の現像カートリッジ。
  11. 前記現像剤収容室の上方を被覆する上カバーを備え、
    前記上カバーには、前記凹溝部に嵌合される嵌合部が設けられており、
    前記嵌合部は、前記凹溝部に嵌合された状態において、前記内壁の表面と面一となるように設けられていることを特徴とする、請求項1ないし10のいずれかに記載の現像カートリッジ。
  12. 前記アジテータは、現像剤を攪拌するための羽根部材を備え、
    前記羽根部材は、前記現像剤収容室における前記アジテータの軸方向全域にわたって設けられていることを特徴とする、請求項1ないし11のいずれかに記載の現像カートリッジ。
  13. 前記凹溝部は、前記現像剤収容室の前記アジテータの軸方向一方側に設けられ、
    前記現像剤収容室の前記アジテータの軸方向他方側には、前記アジテータの軸を挿通する貫通孔が設けられていることを特徴とする、請求項1ないし12のいずれかに記載の現像カートリッジ。
  14. 前記貫通孔に挿通された前記軸には、前記アジテータを回転するための動力を伝達するギヤが設けられていることを特徴とする、請求項13に記載の現像カートリッジ。
  15. 前記アジテータは、前記軸の他端部を前記貫通孔に挿通した後、自身の弾性により撓んだ状態で、前記軸支持部へ取り付けられることを特徴とする、請求項13に記載の現像カートリッジ。
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