JP2005024645A - 加熱定着装置用の分離機構及びそれを備えた加熱定着装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な構成によって、前述の問題点を解決し、加熱定着ローラ又は加圧ローラの耐久性向上を成し得る加熱定着装置用の分離機構を得る。
【解決手段】熱源を内蔵した加熱定着ローラと、加熱定着ローラに圧接して回転する加圧ローラとの一対のローラの少なくとも一方の表面に当接する分離爪12と、分離爪12が当接する、ローラ表面と分離爪12との当接部の接線方向に分離爪12の可動軸12aが摺動可能に且つ分離爪12が可動軸12aの回りに揺動自在に支持されるための長孔13aが設けられたガイド部材13と、ガイド部材13と分離爪12との間に設けられ、分離爪12が当接するローラ表面に分離爪12を当接させるためのバネ部材10と、長孔13aに沿って、分離爪12が当接するローラの回転方向上流側に向けて分離爪12を付勢する固定バネ部材14とを備えている。
【選択図】 図1
【解決手段】熱源を内蔵した加熱定着ローラと、加熱定着ローラに圧接して回転する加圧ローラとの一対のローラの少なくとも一方の表面に当接する分離爪12と、分離爪12が当接する、ローラ表面と分離爪12との当接部の接線方向に分離爪12の可動軸12aが摺動可能に且つ分離爪12が可動軸12aの回りに揺動自在に支持されるための長孔13aが設けられたガイド部材13と、ガイド部材13と分離爪12との間に設けられ、分離爪12が当接するローラ表面に分離爪12を当接させるためのバネ部材10と、長孔13aに沿って、分離爪12が当接するローラの回転方向上流側に向けて分離爪12を付勢する固定バネ部材14とを備えている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真装置に使用する加熱定着装置用の分離機構及びその分離機構を備えた加熱定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機、レーザビームプリンタ、ファクシミリには転写紙に静電付着している未定着トナーを転写紙に溶融接着させるための定着装置が設置されている。この定着装置は主として金属からなる加熱定着ローラと、加熱定着ローラに転写紙を密着させるため弾性層を保持する加圧ローラと、転写紙を定着したのち転写紙が加熱定着ローラに付着することによる転写紙の詰まりを防止するために転写紙をローラから分離する機能を持つ分離爪と、該加熱定着ローラの温度制御に用いるサーミスタなどにより構成される。
【0003】
前記加熱定着ローラは、通常アルミニウム合金もしくは鉄系の金属製円筒管を基体とする芯金(以下、単に芯金と称す)の表面を荒らす加工を行ない(例えば、サンドブラスト)、離型性、絶縁性、熱化学的安定性の良いフッ素樹脂(例えば、PFA(四フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂)やPTFE(四フッ化エチレン樹脂)に充填材を入れ、耐摩耗性を上げたもの)を、あるいはプライマー層を下地として乾燥後、その上にフッ素樹脂を(例えば、PFAやPTFEに充填材を入れ、耐摩耗性を上げたもの)を離型層として被覆塗装し、焼成、冷却した後、表面突起物を取り除く(例えば、テープ研磨)ことにより成る。
【0004】
また、加熱定着ローラはハロゲンランプにより熱せられ、約165〜230℃に保持され、未定着トナーを溶融して、加圧ローラとの間で圧力をかけることにより定着せしめる。
【0005】
このため加熱定着ローラの表面温度を制御するためにサーミスタが常に加熱定着ローラに接して、表面温度を検知し、該加熱定着ローラの表面温度が高い場合にはハロゲンランプの出力を下げる信号を、表面温度が低い場合にはハロゲンランプの出力を上げる信号をハロゲンランプの電源制御部に送る。これにより表面温度はある一定の温度幅に抑えられ、転写紙の安定した定着を実現する。
【0006】
このような定着手段において、転写紙が定着時に加熱定着ローラ側に巻き込まれる場合があり、さらには転写紙が巻き込まれてジャムなどの定着不良を発生させる。
【0007】
また、巻き込まれた際に巻き込まれた転写紙を加熱定着ローラより分離させるために具備された分離爪には加熱定着ローラ表面に食込み方向に力(食込み力Fs)が加わる。この食込み力Fsにより分離爪は加熱定着ローラ側に食込み、ローラ表面を傷つけ、画像不良、最悪はローラ表面の離型層を剥離させてしまう。
【0008】
図4は従来技術による加熱定着装置の概略を示す図であり、(A)は部分断面図、(B)は縦断面図であり、図5はその分離機構を示す部分拡大断面図、図6は図5の分離機構に備える分離爪及びそのガイド部材の分解斜視図、図7(A)は転写紙の巻き込み開始状態を示す部分拡大断面図、(B)は巻き込まれた転写紙が分離爪に当接した状態を示す部分拡大断面図である。
【0009】
図4において定着装置の構成は前述したように、加熱定着ローラ1と、加圧ローラ2と、熱源であるハロゲンヒータ3と、分離爪6と、図示しないサーミスタなどから構成される。
【0010】
図5及び図6に示すように、分離爪6がガイド部材9によって揺動自在に支持されている。そして、分離爪6とガイド部材9との間を連結しているバネ部材10によって、当接位置6aで加熱定着ローラ1に分離爪6が当接する。
【0011】
転写紙7が加熱定着ローラ1により定着された後、加熱定着ローラ1に対する巻き込みが生じると、図7(B)に示すように巻き込まれた転写紙7aが分離爪6に対して矢示方向に食込み力Fsを加える。食込み力Fsによって分離爪6は、支持軸を基準に加熱定着ローラ1の表面に対してローラ表面の接線方向11より食込み、加熱定着ローラ1の表面を傷をつけてしまう。なお図7(B)中、符号Faは食込み力Fsの接線方向11と直交する方向の成分である。
【0012】
このため、巻き込み時の分離爪の食込み防止には各種の従来技術が開示されている。
例えば、特開昭63−4288号公報には、分離爪の支持軸をリンク機構を介して巻き込み方向の上方側に移動させうる技術が開示されている。しかし、これによれば、巻き込み時の移動から回避された後に移動原点へ十分に戻らない可能性がある。また、移動時に分離点以外が加熱定着ローラ表面に接触するために偏磨耗を生じる可能性がある。
【0013】
また、特開平5−224557号公報に開示された技術では、上下左右に遊嵌されているため接触状態がむしろ安定せず、偏磨耗する可能性がある。
【0014】
また、特開平6−11992号公報では、当接方向(加熱定着ローラの法線方向)に移動するため加熱定着ローラの外径差によって当接角度が変化するため、分離に必要な当接角度を保つことが容易ではない。
【0015】
また、特開平10−74015号公報では、ジャム発生時の検知手段であり、巻き込み時の移動から回避された後に移動原点へ十分戻らない可能性がある。また、加熱定着ローラの軸方向に対して複数個ある分離爪について同時に稼動するため稼動させるための負荷がかかり、一方のみ動作する可能性がある。
【0016】
また、特開平11−219060号公報では、分離部材を支持する支持部材から弾性体を介して当接されるため分離爪の摺動基準がなく、当接角度が安定しない可能性がある。
【0017】
また、実開昭61−88165号公報では、加熱定着ローラの外径差によって当接角度を対応させるためには定着装置ごとに固定部材のギャップ量を調整する必要があり容易ではない。
【0018】
また、実開昭62−51370号公報では、移動後に規制部材と分離爪がブリッジ現象を起こし、巻き込み時の移動から回避された後に移動原点へ十分戻らない可能性がある。
【0019】
また、実開昭63−57677号公報では、機構が複雑で、且つ転写紙の巻き込み時に加熱定着ローラ表面から離隔されるため、離隔後の再当接時に過負荷が加わり、加熱定着ローラ表面を傷つける可能性がある。
【0020】
【特許文献1】
特開昭63−4288号公報
【特許文献2】
特開平5−224557号公報
【特許文献3】
特開平6−11992号公報
【特許文献4】
特開平10−74015号公報
【特許文献5】
特開平11−219060号公報
【特許文献6】
実開昭61−88165号公報
【特許文献7】
実開昭62−51370号公報
【特許文献8】
実開昭63−57677号公報
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
前記した転写紙の巻き込み時に巻き込まれた転写紙を加熱定着ローラより分離させるために具備された分離爪には加熱定着ローラ表面に食込み方向に力(食込み力Fs)が加わる。この食込み力Fsにより分離爪は加熱定着ローラ側に食込み、ローラ表面を傷つけ、画像不良、最悪はローラ表面の離型層を剥離させてしまうという問題点があった。
【0022】
そこで、本発明は、簡易な構成によって、前述の問題点を解決し、加熱定着ローラ又は加圧ローラの耐久性向上を成し得る加熱定着装置用の分離機構及びそれを備えた加熱定着装置を提供することをその目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、熱源を内蔵した加熱定着ローラと、該加熱定着ローラに圧接して回転する加圧ローラとの間に、未定着トナー画像が転写された転写紙を挟持して前記未定着トナーを定着させた後、前記ローラに巻き付いた転写紙を分離するための加熱定着装置用の分離機構において、
前記一対のローラの少なくとも一方の表面に当接する分離爪と、
前記分離爪が当接する、ローラ表面と前記分離爪との当接部の接線方向に前記分離爪の可動軸が摺動可能に且つ前記分離爪が前記可動軸回りに揺動自在に支持されるための長孔が設けられたガイド部材と、
前記ガイド部材と前記分離爪との間に設けられ、前記分離爪が当接するローラ表面に前記分離爪を当接させるための当接バネ部材と、
前記長孔に沿って、前記分離爪が当接するローラの回転方向上流側に向けて前記分離爪を付勢する固定バネ部材とを備えていることを特徴とする加熱定着装置用の分離機構である。
【0024】
また、請求項2の発明は、前記ローラに巻き付いた転写紙から前記分離爪に作用する前記接線方向の力に抗する前記固定バネ部材の前記押し戻し力Fbは、前記転写紙を分離させる際に懸かる該転写紙より加わる食込み力Fsの接線方向成分より小さいことを特徴とする請求項1に記載の加熱定着装置用の分離機構である。
【0025】
また、請求項3の発明は、前記分離爪が当接するローラ表面への前記分離爪の食い込み方向を規制するための角度固定部材を備えていることを特徴とする請求項2に記載の加熱定着装置用の分離機構である。
【0026】
また、請求項4の発明は、請求項1〜3の何れかに記載の加熱定着装置用の分離機構を備えている加熱定着装置である。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る一実施形態の加熱定着装置用の分離機構を示す図であり、(A)は斜視図、(B)は正面図、(C)は背面図、図2(A)は図1の分離機構による転写紙の巻き込み開始状態を示す部分拡大断面図、(B)は同分離機構による、巻き込まれた転写紙が分離爪に当接した状態を示す部分拡大断面図である。
【0028】
図1に示すように、本発明に係る一実施形態の加熱定着装置用の分離機構は、加熱定着ローラ1の表面に当接する分離爪12と、加熱定着ローラ1の表面の分離爪12が当接する当接位置12b(図2(A)参照)における接線方向11(図2(B)参照)に、分離爪12の可動軸12aが摺動可能に且つ分離爪12が可動軸12aの回りに揺動自在に支持される、ガイド部材13に設けられた長孔13aと、ガイド部材13と分離爪12との間に設けられ、加熱定着ローラ1の表面に分離爪12を当接させるための当接バネ部材であるバネ部材10とを備え、さらに、図2に示すように、長孔13aに沿って、加熱定着ローラ1の回転方向上流側に向けて分離爪12を付勢する固定バネ部材14を備えている。
【0029】
上述したように、本発明による分離機構は、図1に示すように、ガイド部材13に設けられた長孔13aによって加熱定着ローラ表面の当接部12b(図2(A)参照)に対して、分離爪12が接線方向11(図2(B)参照)に摺動可能な可動軸12aを有している。また、長孔13aに支持された可動軸12aにより、分離爪12が接線方向11に摺動自在且つ可動軸12aを中心として揺動自在となっている。
【0030】
そのため、図2(B)に示すように、巻き込まれた転写紙7aが分離爪12に食込み力Fsを作用させても、分離爪12が矢示方向に摺動するため接線方向11と直交する方向に対して食込みが発生せず、ローラ表面を傷つけることはない。また、分離爪12が加熱定着ローラ1の表面に当接した状態で摺動するため、分離爪12の当接状態が保たれたままとなるので、片当たりなどによるキズを低減し、加熱定着ローラ1の表面性を維持することができる。
【0031】
上述したように転写紙7が巻き込まれた場合は、上述の可動軸12aによって分離爪12が食込み力Fs方向の接線方向11、即ち、長孔の長手方向13aに摺動し、転写紙7が容易に分離され、排紙方向に排紙された後は、接線方向11に対して可動軸12aが当接位置12bに対応するように固定バネ部材14よって当接位置12bに再セットされる。即ち、固定バネ部材14よって分離爪12が当接位置12bに復帰する。
【0032】
また、図3(A)は本発明の他の実施形態に係る分離機構の正面図、同(B)は図3(A)の分離機構を同図の左側から見た背面図である。
【0033】
この実施形態では、角度固定部材15を具備した分離機構を示している。ガイド部材13にM3十字穴付きのナベ小ネジ16によるネジ締結された角度固定部材15が、分離爪12の接線方向11の摺動を案内するとともに、食込み方向への遥動による当接角度の変化を抑制させることが可能である。
【0034】
本説明では角度固定部材15はネジ締結としたが、固定方法は接着、テーピングなどコストと耐久性などから設定されるものであり、本発明はネジ締結の固定方法に何ら限定されるものではない。
【0035】
また、ガイド部材13に設けられた長孔13aと分離爪12の可動軸12aとは嵌合状態にて逐次摺動する。本発明でも長孔13aはプレス加工による板金抜きで形成したため切断面が粗くなりやすい。そこで、摺動部分の偏磨耗を防止する目的で、分離爪12の可動軸12aにSUSの中実材を所定寸法で圧入した。このことで上記の偏磨耗を未然に防止することが可能となる。
【0036】
また、分離爪12において、接線方向11に摺動可能な可動軸12aは、ガイド部材13より硬度の高い金属材料からなることが好ましい。
【0037】
以下に実施例を示す。
[実施例]
本発明に係る一実施例の分離爪12は当接幅を3mmとして当接バネ部材であるバネ部材10による押し付け力を7.5Nとして、加熱定着ローラ1の長手方向に7ヶ所の分離爪12を設置した。
【0038】
デジタル複写機((株)リコー製Imagio NEO450)の定着装置を改造して本発明の分離機構を各種セッティングし、第1のジャム試験として、ベタ黒、ハーフトーン画像をA4横幅で高さ30mmの画像パターンを用いて連続通紙によるジャム発生頻度および150k枚通紙後の爪磨耗量(偏磨耗量の度合い)を確認した。また、第2のジャム試験として、A4横ハーフトーン画像にOHP用紙(当社製PPC−FC)を通紙してジャムの発生を確認した。(線速は45CPM)
従来の分離機構を具備したときと、本発明による分離機構を具備したときとの比較結果を次の表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
ここで、比較例2は、従来技術の特開平5−224557号公報に基づくものである。また、比較例3は、実施例1に対して、押し戻し力Fbと食込み力Fsの接線方向の成分との大きさが逆転している点のみ異なり、他の構成は実施例1と同様である。
【0041】
表1から明らかなように、加熱定着ローラ1に巻き込まれた転写紙7aから分離爪12に作用する接線方向11の力に抗する固定バネ部材14の押し戻し力Fbは、転写紙7を分離させる際に懸かる転写紙7より加わる食込み力Fsの接線方向成分より小さくすることによって、ジャム発生を低減でき、爪部摩耗量は改善の効果が認められた。
本発明は、接触キズが予想される分離部材を有した樹脂皮膜の耐久性向上に応用可能である。
【0042】
上記実施例では、加熱定着ローラに本発明の分離機構を設けた場合について説明したが、加圧ローラに本発明の分離機構を設けるようにしてもよい。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1又は請求項2の発明によれば、従来より分離爪の摩耗を低減でき、分離爪などの片当たりなどによる加熱定着ローラ表面又は加圧ローラ表面のキズを低減することができるので、加熱定着ローラ又は加圧ローラの表面性を維持することができ、加熱定着ローラ又は加圧ローラの耐久性向上を成し得る。
【0044】
また、本発明の分離機構を加圧ローラ側に具備することで弾性層を有するため表面硬度が低く、食込みやすい加圧ローラへの分離機構を容易に設定することが可能となり、転写紙の両面複写時でも良好な分離性能を確保でき、加熱定着装置の信頼性が向上する。
【0045】
また、請求項3の発明によれば、分離機構に大きな食込み力がかかったときでも、分離機構の食い込みを確実に防止することができ、厚い転写紙等の分離機構に大きな食込み力がかかる転写材を用いることができる。
【0046】
また、請求項4の発明によれば、請求項1〜3の何れかの効果を備えた加熱定着装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施形態の加熱定着装置用の分離機構を示す図であり、(A)は斜視図、(B)は正面図、(C)は背面図である。
【図2】(A)は図1の分離機構による転写紙の巻き込み開始状態を示す部分拡大断面図、(B)は同分離機構による、巻き込まれた転写紙が分離爪に当接した状態を示す部分拡大断面図、(C)はガイド部材を示す図である。
【図3】図3(A)は本発明の他の実施形態に係る分離機構の正面図、同(B)は図3(A)の分離機構を同図の左側から見た背面図である。
【図4】従来技術による加熱定着装置の概略を示す図であり、(A)は部分断面図、(B)は縦断面図である。
【図5】図4の加熱定着装置に備える分離機構を示す部分拡大断面図である。
【図6】図5の分離機構に備える分離爪及びそのガイド部材の分解斜視図である。
【図7】(A)は転写紙の巻き込み開始状態を示す部分拡大断面図、(B)は巻き込まれた転写紙が分離爪に当接した状態を示す部分拡大断面図である。
【符号の説明】
1 加熱定着ローラ
2 加圧ローラ
3 ハロゲンヒータ
6 分離爪
6a 当接位置
7 転写紙
7a 巻き込まれた転写紙
9 ガイド部材
10 バネ部材
11 接線方向
12 分離爪
12a 可動軸
12b 当接位置
13 ガイド部材
13a 長孔
14 固定バネ部材
15 角度固定部材
Fb 押し戻し力
Fs 食込み力
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真装置に使用する加熱定着装置用の分離機構及びその分離機構を備えた加熱定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機、レーザビームプリンタ、ファクシミリには転写紙に静電付着している未定着トナーを転写紙に溶融接着させるための定着装置が設置されている。この定着装置は主として金属からなる加熱定着ローラと、加熱定着ローラに転写紙を密着させるため弾性層を保持する加圧ローラと、転写紙を定着したのち転写紙が加熱定着ローラに付着することによる転写紙の詰まりを防止するために転写紙をローラから分離する機能を持つ分離爪と、該加熱定着ローラの温度制御に用いるサーミスタなどにより構成される。
【0003】
前記加熱定着ローラは、通常アルミニウム合金もしくは鉄系の金属製円筒管を基体とする芯金(以下、単に芯金と称す)の表面を荒らす加工を行ない(例えば、サンドブラスト)、離型性、絶縁性、熱化学的安定性の良いフッ素樹脂(例えば、PFA(四フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂)やPTFE(四フッ化エチレン樹脂)に充填材を入れ、耐摩耗性を上げたもの)を、あるいはプライマー層を下地として乾燥後、その上にフッ素樹脂を(例えば、PFAやPTFEに充填材を入れ、耐摩耗性を上げたもの)を離型層として被覆塗装し、焼成、冷却した後、表面突起物を取り除く(例えば、テープ研磨)ことにより成る。
【0004】
また、加熱定着ローラはハロゲンランプにより熱せられ、約165〜230℃に保持され、未定着トナーを溶融して、加圧ローラとの間で圧力をかけることにより定着せしめる。
【0005】
このため加熱定着ローラの表面温度を制御するためにサーミスタが常に加熱定着ローラに接して、表面温度を検知し、該加熱定着ローラの表面温度が高い場合にはハロゲンランプの出力を下げる信号を、表面温度が低い場合にはハロゲンランプの出力を上げる信号をハロゲンランプの電源制御部に送る。これにより表面温度はある一定の温度幅に抑えられ、転写紙の安定した定着を実現する。
【0006】
このような定着手段において、転写紙が定着時に加熱定着ローラ側に巻き込まれる場合があり、さらには転写紙が巻き込まれてジャムなどの定着不良を発生させる。
【0007】
また、巻き込まれた際に巻き込まれた転写紙を加熱定着ローラより分離させるために具備された分離爪には加熱定着ローラ表面に食込み方向に力(食込み力Fs)が加わる。この食込み力Fsにより分離爪は加熱定着ローラ側に食込み、ローラ表面を傷つけ、画像不良、最悪はローラ表面の離型層を剥離させてしまう。
【0008】
図4は従来技術による加熱定着装置の概略を示す図であり、(A)は部分断面図、(B)は縦断面図であり、図5はその分離機構を示す部分拡大断面図、図6は図5の分離機構に備える分離爪及びそのガイド部材の分解斜視図、図7(A)は転写紙の巻き込み開始状態を示す部分拡大断面図、(B)は巻き込まれた転写紙が分離爪に当接した状態を示す部分拡大断面図である。
【0009】
図4において定着装置の構成は前述したように、加熱定着ローラ1と、加圧ローラ2と、熱源であるハロゲンヒータ3と、分離爪6と、図示しないサーミスタなどから構成される。
【0010】
図5及び図6に示すように、分離爪6がガイド部材9によって揺動自在に支持されている。そして、分離爪6とガイド部材9との間を連結しているバネ部材10によって、当接位置6aで加熱定着ローラ1に分離爪6が当接する。
【0011】
転写紙7が加熱定着ローラ1により定着された後、加熱定着ローラ1に対する巻き込みが生じると、図7(B)に示すように巻き込まれた転写紙7aが分離爪6に対して矢示方向に食込み力Fsを加える。食込み力Fsによって分離爪6は、支持軸を基準に加熱定着ローラ1の表面に対してローラ表面の接線方向11より食込み、加熱定着ローラ1の表面を傷をつけてしまう。なお図7(B)中、符号Faは食込み力Fsの接線方向11と直交する方向の成分である。
【0012】
このため、巻き込み時の分離爪の食込み防止には各種の従来技術が開示されている。
例えば、特開昭63−4288号公報には、分離爪の支持軸をリンク機構を介して巻き込み方向の上方側に移動させうる技術が開示されている。しかし、これによれば、巻き込み時の移動から回避された後に移動原点へ十分に戻らない可能性がある。また、移動時に分離点以外が加熱定着ローラ表面に接触するために偏磨耗を生じる可能性がある。
【0013】
また、特開平5−224557号公報に開示された技術では、上下左右に遊嵌されているため接触状態がむしろ安定せず、偏磨耗する可能性がある。
【0014】
また、特開平6−11992号公報では、当接方向(加熱定着ローラの法線方向)に移動するため加熱定着ローラの外径差によって当接角度が変化するため、分離に必要な当接角度を保つことが容易ではない。
【0015】
また、特開平10−74015号公報では、ジャム発生時の検知手段であり、巻き込み時の移動から回避された後に移動原点へ十分戻らない可能性がある。また、加熱定着ローラの軸方向に対して複数個ある分離爪について同時に稼動するため稼動させるための負荷がかかり、一方のみ動作する可能性がある。
【0016】
また、特開平11−219060号公報では、分離部材を支持する支持部材から弾性体を介して当接されるため分離爪の摺動基準がなく、当接角度が安定しない可能性がある。
【0017】
また、実開昭61−88165号公報では、加熱定着ローラの外径差によって当接角度を対応させるためには定着装置ごとに固定部材のギャップ量を調整する必要があり容易ではない。
【0018】
また、実開昭62−51370号公報では、移動後に規制部材と分離爪がブリッジ現象を起こし、巻き込み時の移動から回避された後に移動原点へ十分戻らない可能性がある。
【0019】
また、実開昭63−57677号公報では、機構が複雑で、且つ転写紙の巻き込み時に加熱定着ローラ表面から離隔されるため、離隔後の再当接時に過負荷が加わり、加熱定着ローラ表面を傷つける可能性がある。
【0020】
【特許文献1】
特開昭63−4288号公報
【特許文献2】
特開平5−224557号公報
【特許文献3】
特開平6−11992号公報
【特許文献4】
特開平10−74015号公報
【特許文献5】
特開平11−219060号公報
【特許文献6】
実開昭61−88165号公報
【特許文献7】
実開昭62−51370号公報
【特許文献8】
実開昭63−57677号公報
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
前記した転写紙の巻き込み時に巻き込まれた転写紙を加熱定着ローラより分離させるために具備された分離爪には加熱定着ローラ表面に食込み方向に力(食込み力Fs)が加わる。この食込み力Fsにより分離爪は加熱定着ローラ側に食込み、ローラ表面を傷つけ、画像不良、最悪はローラ表面の離型層を剥離させてしまうという問題点があった。
【0022】
そこで、本発明は、簡易な構成によって、前述の問題点を解決し、加熱定着ローラ又は加圧ローラの耐久性向上を成し得る加熱定着装置用の分離機構及びそれを備えた加熱定着装置を提供することをその目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、熱源を内蔵した加熱定着ローラと、該加熱定着ローラに圧接して回転する加圧ローラとの間に、未定着トナー画像が転写された転写紙を挟持して前記未定着トナーを定着させた後、前記ローラに巻き付いた転写紙を分離するための加熱定着装置用の分離機構において、
前記一対のローラの少なくとも一方の表面に当接する分離爪と、
前記分離爪が当接する、ローラ表面と前記分離爪との当接部の接線方向に前記分離爪の可動軸が摺動可能に且つ前記分離爪が前記可動軸回りに揺動自在に支持されるための長孔が設けられたガイド部材と、
前記ガイド部材と前記分離爪との間に設けられ、前記分離爪が当接するローラ表面に前記分離爪を当接させるための当接バネ部材と、
前記長孔に沿って、前記分離爪が当接するローラの回転方向上流側に向けて前記分離爪を付勢する固定バネ部材とを備えていることを特徴とする加熱定着装置用の分離機構である。
【0024】
また、請求項2の発明は、前記ローラに巻き付いた転写紙から前記分離爪に作用する前記接線方向の力に抗する前記固定バネ部材の前記押し戻し力Fbは、前記転写紙を分離させる際に懸かる該転写紙より加わる食込み力Fsの接線方向成分より小さいことを特徴とする請求項1に記載の加熱定着装置用の分離機構である。
【0025】
また、請求項3の発明は、前記分離爪が当接するローラ表面への前記分離爪の食い込み方向を規制するための角度固定部材を備えていることを特徴とする請求項2に記載の加熱定着装置用の分離機構である。
【0026】
また、請求項4の発明は、請求項1〜3の何れかに記載の加熱定着装置用の分離機構を備えている加熱定着装置である。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る一実施形態の加熱定着装置用の分離機構を示す図であり、(A)は斜視図、(B)は正面図、(C)は背面図、図2(A)は図1の分離機構による転写紙の巻き込み開始状態を示す部分拡大断面図、(B)は同分離機構による、巻き込まれた転写紙が分離爪に当接した状態を示す部分拡大断面図である。
【0028】
図1に示すように、本発明に係る一実施形態の加熱定着装置用の分離機構は、加熱定着ローラ1の表面に当接する分離爪12と、加熱定着ローラ1の表面の分離爪12が当接する当接位置12b(図2(A)参照)における接線方向11(図2(B)参照)に、分離爪12の可動軸12aが摺動可能に且つ分離爪12が可動軸12aの回りに揺動自在に支持される、ガイド部材13に設けられた長孔13aと、ガイド部材13と分離爪12との間に設けられ、加熱定着ローラ1の表面に分離爪12を当接させるための当接バネ部材であるバネ部材10とを備え、さらに、図2に示すように、長孔13aに沿って、加熱定着ローラ1の回転方向上流側に向けて分離爪12を付勢する固定バネ部材14を備えている。
【0029】
上述したように、本発明による分離機構は、図1に示すように、ガイド部材13に設けられた長孔13aによって加熱定着ローラ表面の当接部12b(図2(A)参照)に対して、分離爪12が接線方向11(図2(B)参照)に摺動可能な可動軸12aを有している。また、長孔13aに支持された可動軸12aにより、分離爪12が接線方向11に摺動自在且つ可動軸12aを中心として揺動自在となっている。
【0030】
そのため、図2(B)に示すように、巻き込まれた転写紙7aが分離爪12に食込み力Fsを作用させても、分離爪12が矢示方向に摺動するため接線方向11と直交する方向に対して食込みが発生せず、ローラ表面を傷つけることはない。また、分離爪12が加熱定着ローラ1の表面に当接した状態で摺動するため、分離爪12の当接状態が保たれたままとなるので、片当たりなどによるキズを低減し、加熱定着ローラ1の表面性を維持することができる。
【0031】
上述したように転写紙7が巻き込まれた場合は、上述の可動軸12aによって分離爪12が食込み力Fs方向の接線方向11、即ち、長孔の長手方向13aに摺動し、転写紙7が容易に分離され、排紙方向に排紙された後は、接線方向11に対して可動軸12aが当接位置12bに対応するように固定バネ部材14よって当接位置12bに再セットされる。即ち、固定バネ部材14よって分離爪12が当接位置12bに復帰する。
【0032】
また、図3(A)は本発明の他の実施形態に係る分離機構の正面図、同(B)は図3(A)の分離機構を同図の左側から見た背面図である。
【0033】
この実施形態では、角度固定部材15を具備した分離機構を示している。ガイド部材13にM3十字穴付きのナベ小ネジ16によるネジ締結された角度固定部材15が、分離爪12の接線方向11の摺動を案内するとともに、食込み方向への遥動による当接角度の変化を抑制させることが可能である。
【0034】
本説明では角度固定部材15はネジ締結としたが、固定方法は接着、テーピングなどコストと耐久性などから設定されるものであり、本発明はネジ締結の固定方法に何ら限定されるものではない。
【0035】
また、ガイド部材13に設けられた長孔13aと分離爪12の可動軸12aとは嵌合状態にて逐次摺動する。本発明でも長孔13aはプレス加工による板金抜きで形成したため切断面が粗くなりやすい。そこで、摺動部分の偏磨耗を防止する目的で、分離爪12の可動軸12aにSUSの中実材を所定寸法で圧入した。このことで上記の偏磨耗を未然に防止することが可能となる。
【0036】
また、分離爪12において、接線方向11に摺動可能な可動軸12aは、ガイド部材13より硬度の高い金属材料からなることが好ましい。
【0037】
以下に実施例を示す。
[実施例]
本発明に係る一実施例の分離爪12は当接幅を3mmとして当接バネ部材であるバネ部材10による押し付け力を7.5Nとして、加熱定着ローラ1の長手方向に7ヶ所の分離爪12を設置した。
【0038】
デジタル複写機((株)リコー製Imagio NEO450)の定着装置を改造して本発明の分離機構を各種セッティングし、第1のジャム試験として、ベタ黒、ハーフトーン画像をA4横幅で高さ30mmの画像パターンを用いて連続通紙によるジャム発生頻度および150k枚通紙後の爪磨耗量(偏磨耗量の度合い)を確認した。また、第2のジャム試験として、A4横ハーフトーン画像にOHP用紙(当社製PPC−FC)を通紙してジャムの発生を確認した。(線速は45CPM)
従来の分離機構を具備したときと、本発明による分離機構を具備したときとの比較結果を次の表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
ここで、比較例2は、従来技術の特開平5−224557号公報に基づくものである。また、比較例3は、実施例1に対して、押し戻し力Fbと食込み力Fsの接線方向の成分との大きさが逆転している点のみ異なり、他の構成は実施例1と同様である。
【0041】
表1から明らかなように、加熱定着ローラ1に巻き込まれた転写紙7aから分離爪12に作用する接線方向11の力に抗する固定バネ部材14の押し戻し力Fbは、転写紙7を分離させる際に懸かる転写紙7より加わる食込み力Fsの接線方向成分より小さくすることによって、ジャム発生を低減でき、爪部摩耗量は改善の効果が認められた。
本発明は、接触キズが予想される分離部材を有した樹脂皮膜の耐久性向上に応用可能である。
【0042】
上記実施例では、加熱定着ローラに本発明の分離機構を設けた場合について説明したが、加圧ローラに本発明の分離機構を設けるようにしてもよい。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1又は請求項2の発明によれば、従来より分離爪の摩耗を低減でき、分離爪などの片当たりなどによる加熱定着ローラ表面又は加圧ローラ表面のキズを低減することができるので、加熱定着ローラ又は加圧ローラの表面性を維持することができ、加熱定着ローラ又は加圧ローラの耐久性向上を成し得る。
【0044】
また、本発明の分離機構を加圧ローラ側に具備することで弾性層を有するため表面硬度が低く、食込みやすい加圧ローラへの分離機構を容易に設定することが可能となり、転写紙の両面複写時でも良好な分離性能を確保でき、加熱定着装置の信頼性が向上する。
【0045】
また、請求項3の発明によれば、分離機構に大きな食込み力がかかったときでも、分離機構の食い込みを確実に防止することができ、厚い転写紙等の分離機構に大きな食込み力がかかる転写材を用いることができる。
【0046】
また、請求項4の発明によれば、請求項1〜3の何れかの効果を備えた加熱定着装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施形態の加熱定着装置用の分離機構を示す図であり、(A)は斜視図、(B)は正面図、(C)は背面図である。
【図2】(A)は図1の分離機構による転写紙の巻き込み開始状態を示す部分拡大断面図、(B)は同分離機構による、巻き込まれた転写紙が分離爪に当接した状態を示す部分拡大断面図、(C)はガイド部材を示す図である。
【図3】図3(A)は本発明の他の実施形態に係る分離機構の正面図、同(B)は図3(A)の分離機構を同図の左側から見た背面図である。
【図4】従来技術による加熱定着装置の概略を示す図であり、(A)は部分断面図、(B)は縦断面図である。
【図5】図4の加熱定着装置に備える分離機構を示す部分拡大断面図である。
【図6】図5の分離機構に備える分離爪及びそのガイド部材の分解斜視図である。
【図7】(A)は転写紙の巻き込み開始状態を示す部分拡大断面図、(B)は巻き込まれた転写紙が分離爪に当接した状態を示す部分拡大断面図である。
【符号の説明】
1 加熱定着ローラ
2 加圧ローラ
3 ハロゲンヒータ
6 分離爪
6a 当接位置
7 転写紙
7a 巻き込まれた転写紙
9 ガイド部材
10 バネ部材
11 接線方向
12 分離爪
12a 可動軸
12b 当接位置
13 ガイド部材
13a 長孔
14 固定バネ部材
15 角度固定部材
Fb 押し戻し力
Fs 食込み力
Claims (4)
- 熱源を内蔵した加熱定着ローラと、該加熱定着ローラに圧接して回転する加圧ローラとの間に、未定着トナー画像が転写された転写紙を挟持して前記未定着トナーを定着させた後、前記ローラに巻き付いた転写紙を分離するための加熱定着装置用の分離機構において、
前記一対のローラの少なくとも一方の表面に当接する分離爪と、
前記分離爪が当接する、ローラ表面と前記分離爪との当接部の接線方向に前記分離爪の可動軸が摺動可能に且つ前記分離爪が前記可動軸回りに揺動自在に支持されるための長孔が設けられたガイド部材と、
前記ガイド部材と前記分離爪との間に設けられ、前記分離爪が当接するローラ表面に前記分離爪を当接させるための当接バネ部材と、
前記長孔に沿って、前記分離爪が当接するローラの回転方向上流側に向けて前記分離爪を付勢する固定バネ部材とを備えていることを特徴とする加熱定着装置用の分離機構。 - 前記ローラに巻き付いた転写紙から前記分離爪に作用する前記接線方向の力に抗する前記固定バネ部材の前記押し戻し力Fbは、前記転写紙を分離させる際に懸かる該転写紙より加わる食込み力Fsの接線方向成分より小さいことを特徴とする請求項1に記載の加熱定着装置用の分離機構。
- 前記分離爪が当接するローラ表面への前記分離爪の食い込み方向を規制するための角度固定部材を備えていることを特徴とする請求項2に記載の加熱定着装置用の分離機構。
- 請求項1〜3の何れかに記載の加熱定着装置用の分離機構を備えている加熱定着装置。
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JP2003187124A JP2005024645A (ja) | 2003-06-30 | 2003-06-30 | 加熱定着装置用の分離機構及びそれを備えた加熱定着装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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