JP2005024470A - 方位検出器及び方位検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】正しい方位検出を行うために、方位検出器を回転させて校正を行う繁雑さを解消すること。
【解決手段】磁気検出素子の導体線に流す磁気バイアス用の直流電流の方向を正逆切り替えて、直流電流のそれぞれの流れ方向における、導体線のインダクタンスの方位角θに対応する値の差を求める。2つの磁気検出素子の前記差の値の逆正接演算により方位角を求めることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】磁気検出素子の導体線に流す磁気バイアス用の直流電流の方向を正逆切り替えて、直流電流のそれぞれの流れ方向における、導体線のインダクタンスの方位角θに対応する値の差を求める。2つの磁気検出素子の前記差の値の逆正接演算により方位角を求めることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は外部磁界の方位を検出する方位検出器及び方位検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
地磁気などの外部磁界を検出して方位を知る方位検出器は、磁界の強さと方向を検出できる2つの磁気検出素子を90°の角度差をもって水平面に配置した磁界検出器を備えている。磁界検出器の構成要素である磁気検出素子として、例えば棒状又は線状の磁性コアに導体線を巻回してコイルを形成したものが従来から知られている。この構成の磁気検出素子は比較的大型であり構造も複雑である。
近年小型かつ簡単な構造で磁気の検出感度も高い磁気検出器として、磁気インピーダンス効果を利用するものが広く用いられるようになってきた。
【0003】
磁気インピーダンス効果を利用する従来技術の磁気検出器の例を図6及び図7を参照して説明する。図6は本従来技術の磁気検出器の回路図であり、磁気検出素子40が「発振型」の検出回路50に接続されている。図7は、図6の磁気検出素子40の磁性コア46の中央を通るVII−VII線の断面図である。図6及び図7において、非磁性基板30の上に帯状の軟磁性体の磁性膜41及び42から成る磁性コア46が設けられている。磁性コア46の磁性膜41と42との間を、導体線43及び44が絶縁膜80A、80B及び80Cによって互に電気的に絶縁されて貫通している。導体線43の両端はそれぞれ電極端子31、32に接続されている。また導体線44の両端はそれぞれ電極端子33、34に接続されている。
【0004】
図6において、磁気検出素子40の電極端子33、34を、抵抗39が直列に接続された磁気バイアス用の直流電源29に接続する。また電極端子32、31に、検出回路50の発振回路60のインバータ回路51の入力端及び出力端をそれぞれ接続する。電極端子32、31にはコンデンサ52、54のそれぞれの一端が接続され、コンデンサ52、54のそれぞれの他端は回路グランドGに接続されている。正の直流電圧(+V)がインバータ回路51の電源端子53に印加されている。この発振回路60はインダクタンスを有する導体線43と組合わされてLC発振器の一種であるコルピッツ形発振回路を構成しており、発振周波数は約10MHzである。
【0005】
インバータ回路51の出力端56は周波数変調信号を復調するFM復調回路57の入力端に接続されている。FM復調回路57の出力は磁界検出回路58に入力されている。
導体線44に直流電源29から磁気バイアス用の直流電流を流し、磁気検出素子40を矢印100で示す外部磁界中におくと、導体線43のインダクタンスが外部磁界100の強さに応じて変化する。導体線43のインダクタンスの変化により発振回路60の発振周波数が変化し、周波数変調信号(FM変調信号)が出力端子56に出力される。このFM変調信号をFM復調回路57により復調し、磁界検出回路58によりレベル検出を行うことによって、外部磁界100の強さを検出することができる。一般に外部磁界の強さの変化量と発振周波数の変化量とは比例する。
【0006】
地磁気などの外部磁界の方位を検出する方位検出器を構成するには、図8に示すように、2つの磁気検出素子40A、40Bを同一面上で互に直角に配置する。2つの磁気検出素子40A、40Bは、図6に示す磁気検出素子40と同じものである。磁気検出素子40Aは検出回路50Aに接続され、磁気検出素子40Bは検出回路50Bに接続されている。検出回路50A、50Bは図6に示す検出回路50と同じものである。検出回路50A、50Bの各出力は、逆正接演算回路61に入力され以下に説明する演算をする。
【0007】
図8において、x軸が磁気検出素子40Aの磁性コア46Aの長手方向に平行な方向の軸であり、y軸が前記x軸と所定の角度で交叉する方向の軸であるとした場合、磁気検出素子40Bの磁性コア46Bについてのx−y直角座標を設定する。このx−y座標において、y軸との角度がθの方向の矢印Hで示す外部磁界(以下、外部磁界Hという)中にこの方位検出器を置くと、外部磁界Hのx軸方向のx成分は磁気検出素子40Aで検出され、外部磁界Hのy軸方向のy成分は磁気検出素子40Bで検出される。磁気検出素子40A、40Bが検出する外部磁界Hのx成分Hx、y成分Hyは式(1)で表される。
【0008】
【数1】
【0009】
前記外部磁束の方向がy軸に対してθの角度をなす場合に、その角度θが図9に示すように変化するときの、検出回路50Aの発振回路60Aの発振周波数の変化量をFA、検出回路50Bの発振回路60Bの発振周波数の変化量をFBとすると、FA、FBは式(2)で表される。
【0010】
【数2】
【0011】
fa、fbはそれぞれ、外部磁界Hの角度θが図9に示すように0から2πまで変化するときの発振回路60A、60Bの発振周波数を表す。fao、fboは発振周波数fa、fbが角度θの変化により変化するときの中心周波数を示す。
磁気検出素子40Aと40Bの特性は全く同じではなく若干異なっている。また発振回路60Aと60Bの特性も全く同じではなく若干異なっている。そのため通常中心周波数faoとfboは互に異なる。
式(2)に示すように、発振周波数fa、fbからそれぞれの中心周波数fao、fboを差し引くと、発振周波数の変化量FA、FBが得られる。発振周波数の変化量FAは式(1)に示す外部磁界Hのx軸成分Hxの変化量に比例し、変化量FBは同y軸成分Hyに比例するので、比例定数をkとすると、式(3)で表される周波数変調信号(FM変調信号)が得られる。
【0012】
【数3】
【0013】
式(3)のFM変調信号ksinθをFM復調回路57Aで復調し、FM変調信号kcosθをFM復調回路57Bで復調する。FM復調回路57Aから、レベルがksinθに比例する振幅変調信号msinθ(mは比例定数)が出力される。またFM復調回路57Bから、レベルがkcosθに比例する振幅変調信号mcosθが出力される。振幅変調信号msinθ、mcosθを用いて、正接演算回路61で式(4)に示す演算を行うと、正接tanθの値が、発振周波数fa、fb、中心周波数fao、fboの値から求められる。
【0014】
【数4】
【0015】
式(4)に対して式(5)に示す逆正接演算を行うと角度θを求めることができる。すなわち方位角θを知ることができる。
【0016】
【数5】
【0017】
前記従来例の磁気検出素子では、軟磁性体の磁性膜41及び42が温度依存性を有し、使用環境の温度変化によって透磁率などの磁気特性が変化する。また磁気特性の経時変化も無視できない。
検出回路50A、50Bのそれぞれの発振回路60A、60Bも温度依存性を有する。磁気検出素子40A、40B及び発振回路60A、60Bの温度依存性によって、使用環境の温度が変わると、式(5)の中心周波数fao、fboが変化する。中心周波数fao、fboの変化に応じて、発振周波数fa、fbも変化する。中心周波数fao、fboのそれぞれの変化率は同じではなく、磁気検出素子40Aと磁気検出素子40Bとでは異なる。そのため式(5)の演算で得られる検出結果の角度θに誤差が生じる。
【0018】
【特許文献1】
特許第3096413号公報
【特許文献2】
特許第3360519号公報
【特許文献3】
特開平5−273319号公報
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
この誤差を防ぐために、従来の方位検出器では、方位測定を行う前に方位検出器の校正を行っている。校正は以下のようにして行う。
磁気検出素子40A、40B及び発振回路60A、60Bを有する方位検出器は、工場出荷時の測定によってそれぞれの中心周波数fao、fboが判っている。この中心周波数を基準中心周波数far、fbrとする。
工場出荷後の使用時において、図8のように磁気検出素子40A、40Bを組合わせた方位検出器を、x−y座標軸を含む水平面内で角度θが0から2πの範囲で回転させる。そのときの発振周波数fa、fbの変化は図9のそれぞれの正弦波形に示すようになる。磁気検出素子40A、40Bを1回転させることによって、発振回路50A、50Bの現在の中心周波数fao、fboが判る。検出された現在の中心周波数fao、fboを、それぞれの基準中心周波数far、fbrを参照して補正する。すなわち現在の中心周波数faoと基準中心周波数farとから、中心周波数faoの変化率を求め、発振周波数faを補正する。
同様にして現在の中心周波数fboと基準中心周波数fbrとから中心周波数fboの変化率を求めて、発振周波数fbを補正する。補正された発振周波数fa、fbと現在の中心周波数fao、fboを用いて式(5)の演算を行うことにより、正しい方位角θを検出することができる。以上のように従来の方位検出器では、方位測定の前に磁気検出素子40A、40Bを水平面内で1回転させて校正を行う必要があるので操作が極めて繁雑であった。
本発明は磁気検出素子を回転させることなく校正を行うことができる方位検出器を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明の方位検出器は、所定角度で交差するx軸とy軸からなるx−y座標における外部磁界のx成分を検出するための、第1の磁性コア、バイアス磁界生成用の第1の導体線及び外部磁界に応じてインダクタンスが変化する第2の導体線を有する第1の磁気検出素子、前記第1の磁気検出素子の第1の導体線に、直流電流を正逆任意の方向に切り替えて流すように構成した第1の直流電源、前記外部磁界の前記x−y座標におけるy成分を検出するための、第2の磁性コア、バイアス磁界生成用の直流電流を流す第3の導体線及び外部磁界に応じてインダクタンスが変化する第4の導体線を有する第2の磁気検出素子、前記第2の磁気検出素子の第3の導体線に、直流電流を正逆任意の方向に切り替えて流すように構成した第2の直流電源、前記第1の磁気検出素子の第1の導体線に流す直流電流の方向を正逆切り替えたときの、前記第2の導体線のそれぞれのインダクタンスの差を求める第1の演算部、前記第2の磁気検出素子の第3の導体線に流す直流電流の方向を正逆切り替えたときの、前記第4の導体線のそれぞれのインダクタンスの差を求める第2の演算部、及び前記第1及び第2の演算部の両出力の逆正接演算を行って前記外部磁界の方位を求める演算回路有する。
【0021】
本発明によれば、磁気検出素子のバイアス磁界生成用の第1の導体線に流す直流電流の方向を正逆切り替えて反転させると、外部磁界による第2の導体線のインダクタンスの変化の方向が反転する。前記直流電流の方向を正逆反転させたときのそれぞれのインダクタンス値の差を求めると、外部磁界の強さの検出成分に対応するインダクタンス値が得られる。外部磁界中に2つの磁気検出素子を所定の角度で配置し、両磁気検出素子のそれぞれの第2の導体線の、外部磁界の強さの検出成分に対応するインダクタンス値を用いて逆正接演算を行うと、方位角を求めることができる。
【0022】
本発明の他の観点の方位検出器は、所定の角度で交差するx軸とy軸からなるx−y座標における外部磁界のx成分を検出するための、第1の磁性コア及びバイアス磁界生成用の第1の導体線を有する第1の磁気検出素子、前記第1の磁気検出素子の第1の導体線に、直流電流を正逆任意の方向に切り替えて流すように構成した第1の直流電源、前記第1の磁気検出素子の第1の導体線に流す直流電流の方向を正逆切り替えたときの、前記第1の導体線のそれぞれのインピーダンスの差を検出する第1のインピーダンス差検出回路、前記外部磁界の前記x−y座標におけるy成分を検出するための、第2の磁性コア及びバイアス磁界生成用の直流電流を流す第2の導体線を有する第2の磁気検出素子、前記第2の磁気検出素子の第2の導体線に、直流電流を正逆任意の方向に切り替えて流すように構成した第2の直流電源、前記第2の磁気検出素子の第2の導体線に流す直流電流の方向を正逆切り替えたときの、前記第2の導体線のインピーダンスの差を検出する第2のインピーダンス差検出回路、及び前記第1及び第2のインピーダンス差検出回路の両出力の逆正接演算を行う演算回路を有する。
【0023】
本発明によれば、磁気検出素子のバイアス磁界生成用の導体線に流す直流電流の方向を正逆切り替えて反転させると、外部磁界による前記導体線のインピーダンスの変化の方向が反転する。前記直流電流の方向を正逆反転させたときのそれぞれのインピーダンス値の差を求めると、外部磁界の強さの検出成分に対応するインピーダンス値が得られる。外部磁界中に2つの磁気検出素子を所定の角度で配置し、両磁気検出素子のそれぞれの導体線の外部磁界の強さの検出成分に対応するインピーダンス値を用いて逆正接演算を行うと、方位角を求めることができる。
【0024】
本発明の方位検出方法は、所定の角度で交差するx軸とy軸からなるx−y座標における外部磁界のx成分を検出するための、第1の磁性コア、及びバイアス磁界生成用の第1の導体線を有する第1の磁気検出素子、及び前記外部磁界の前記x−y座標におけるy成分を検出するための、第2の磁性コア及びバイアス磁界生成用の直流電流を流す第2の導体線を有する第2の磁気検出素子、を備える磁気検出器において、前記第1の磁気検出素子の第1の導体線に、バイアス磁界生成用の直流電流を正方向及び逆方向に切り替えて流すステップ、前記第1の磁気検出素子の第1の導体線に、バイアス磁界生成用の直流電流を正方向及び逆方向に切り替えて流したときの、前記第1の導体線のそれぞれのインピーダンスの差である第1のインピーダンス差を求めるステップ、前記第2の磁気検出素子の第2の導体線に、バイアス磁界生成用の直流電流を正方向及び逆方向に切り替えて流すステップ、前記第2の磁気検出素子の第2の導体線に、バイアス磁界生成用の直流電流を正方向及び逆方向に切り替えて流したときの、前記第2の導体線のそれぞれのインピーダンスの差である第2のインピーダンス差を求めるステップ、及び前記第1及び第2のインピーダンス差のそれぞれの値を用いて逆正接演算を行うステップを有する。
【0025】
本発明の他の観点の方位検出方法は、所定の角度で交差するx軸とy軸からなるx−y座標における外部磁界のx成分を検出するための、第1の磁性コア、バイアス磁界生成用の第1の導体線及び外部磁界に応じてインダクタンスが変化する第2の導体線を有する第1の磁気検出素子、及び前記外部磁界の前記x−y座標におけるy成分を検出するための、第2の磁性コア、バイアス磁界生成用の直流電流を流す第3の導体線及び外部磁界に応じてインダクタンスが変化する第4の導体線を有する第2の磁気検出素子、を備える磁気検出器において、前記第1の磁気検出素子の前記第1の導体線に、バイアス磁界生成用の直流電流を正方向及び逆方向に切り替えて流すステップ、前記第1の磁気検出素子の前記第1の導体線に、バイアス磁界生成用の直流電流を正方向及び逆方向に切り替えて流したとき、前記第1の磁気検出素子の前記第2の導体線のそれぞれのインダクタンスの差である第1のインダクタンス差を検出するステップ、前記第2の磁気検出素子の前記第3の導体線に、バイアス磁界生成用の直流電流を正方向及び逆方向に切り替えて流したとき、前記第2の磁気検出素子の前記第4の導体線のそれぞれのインダクタンスの差である第2のインダクタンス差を検出するステップ、及び前記第1のインダクタンス差と前記第2のインダクタンス差の値を用いて逆正接演算を行うステップを有する。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の方位検出器の好適な実施の形態を図1から図5を参照して説明する。
《実施の形態1》
図1は本発明の実施の形態1の方位検出器の回路図であり、発振型の検出回路を有するものである。図2は図1の検出回路5A、5Bに含まれるレベル差演算回路2A、2Bの詳細な回路図である。図3及び図4は本発明の動作を説明するための波形図である。
【0027】
図1において、磁気検出素子40A、40Bは図8に示す従来技術のものと同じである。図1では磁気検出素子40Aと40Bが互いに直角に配置されているが、磁気検出素子40Aと40Bの配置角度は直角に限定されるものではなく直角以外の所定の角度であってもよい。ただし、本実施の形態では標準的な形態例として、磁気検出素子40Aと40Bを互に直角に配置したものについて説明する。磁気検出素子40Aの電極端子34A、33Aに、切り替えスイッチ10Aの2つの可動接点11A、12Aがそれぞれ接続されている。切替スイッチ10Aでは、可動接点11Aと、2つの切替接点17A、18Aで1つの切替スイッチが構成され、可動接点12Aと2つの切替接点19A、20Aで他の1つの切替スイッチが構成されている。2つの切替スイッチは連動しており、可動接点11Aが切替接点17Aに接触しているとき、可動接点12Aは切替接点19Aに接触している。また、可動接点11Aが切替接点18Aに接しているとき、可動接点11Aは切替接点20Aに接している。切替接点17Aと20Aは共通に接続され、抵抗39Aを経て磁気バイアス用の直流電源29Aの正極に接続されている。切替接点18Aと19Aは共通に接続され、直流電源29Aの負極に接続されている。切替スイッチ10Aの切替動作によって磁気検出素子の導体線44Aを流れる直流電流の方向を正逆反転させることができる。
【0028】
同様にして、磁気検出素子40Bの電極端子34B、33Bに、切替スイッチ10Bの可動接点11B、12Bがそれぞれ接続されている。切替スイッチ10Bでは、可動接点11Bと、2つの切替接点17B、18Bで1つの切替スイッチが構成され、可動接点12Bと、2つの切替接点19B、20Bで他の1つの切替スイッチが構成されている。2つの切替スイッチは連動しており、可動接点11Bが切替接点17Bに接しているとき、可動接点12Bは切替接点19Bに接している。また可動接点11Bが切替接点18Bに接しているとき、可動接点11Bは切替接点20Bに接している。切替接点17Bと20Bは共通に接続され、抵抗39Bを経て磁気バイアス用の直流電源29Bの正極に接続されている。切替接点18Bと19Bは共通に接続され、直流電源29Bの負極に接続されている。切替スイッチ10Bの切替動作によって磁気検出素子40Bの導体線44Bを流れる直流電流の方向を正逆反転させることができる。
切替スイッチ10Aと10Bは連動しており、図示を省略した制御部により、後で詳しく説明するように連動して動作をする。切替スイッチ10A、10Bは具体的な装置では電子スイッチを用いて構成される。
【0029】
磁気検出素子40Aの電極端子32A、31Aは、検出回路5Aの発振回路60Aを構成するインバータ回路51Aの入力端及び出力端にそれぞれ接続されている。電極端子32A、31Aにはコンデンサ52A、54Aのそれぞれの一端が接続され、コンデンサ52A、54Aのそれぞれの他端は回路グランドGに接続されている。正の直流電圧(+V)がインバータ回路51Aの電源端子53Aに印加されている。この発振回路60Aはインダクタンスを有する導体線43Aと組合わされてLC発振器の一種であるコルピッツ形発振回路を構成しており、発振周波数は約10MHzである。
【0030】
インバータ回路51Aの出力端56AはFM復調回路57Aの入力端に接続されている。FM復調回路57Aの出力はレベル差演算回路2Aに入力されている。
同様にして磁気検出素子40Bの電極端子32B、31Bは、検出回路5Bの発振回路60Bを構成するインバータ回路51Bの入力端及び出力端にそれぞれ接続されている。電極端子32B、31Bにはコンデンサ52B、54Bのそれぞれの一端が接続され、コンデンサ52B、54Bのそれぞれの他端は回路グランドGに接続されている。正の直流電圧(+V)がインバータ回路51Bの電源端子53Bに印加されている。この発振回路60Bはインダクタンスを有する導体線43Bと組合わされてLC発振器の一種であるコルピッツ形発振回路を構成しており、発振周波数は約10MHzである。
インバータ回路51Bの出力端56BはFM復調回路57Bの入力端に接続されている。FM復調回路57Bの出力はレベル差演算回路2Bに入力されている。
【0031】
レベル差演算回路2A、2Bの回路図を図2に示す。レベル差演算回路2Aと2Bとは実質的に同じ構成及び機能を有する。レベル差検出回路2Aには、FM復調回路57Aで復調された信号が入力され、入力信号のレベルをレベル検出回路3Aによって検出する。検出されたレベルは、AD変換されてメモリ4Aに記憶される。同様にして、レベル差検出回路2Bには、FM復調回路57Bで復調された信号が入力され、入力信号のレベルをレベル検出回路3Bによって検出する。検出されたレベルは、AD変換されてメモリ4Bに記憶される。メモリ4A、4Bに記憶されたそれぞれのレベルのデータは後で詳しく説明するようにそれぞれの減算回路7A、7Bに入力される。減算回路7A、7Bの出力は正接演算と逆正接演算を行う正接演算回路61に入力される。
【0032】
本実施の形態の方位検出器の動作を図1から図4を参照して説明する。切替スイッチ10A、10Bを図1に示す状態にして、可動接点11A、12Aをそれぞれ切替接点17A、19Aに接触させ、可動接点11B、12Bをそれぞれ、切替接点17B、19Bに接触させる。これにより導体線44A及び44Bには、それぞれの矢印の方向に直流電流が流れる。
発振回路60Aは、導体線43Aのインダクタンス及びコンデンサ52A、54Aの各容量で定まる周波数で発振し、発振信号がFM復調回路57Aに入力されている。
発振回路60Bは、導体線43Bのインダクタンス及びコンデンサ52B、54Bの各容量で定まる周波数で発振し、発振信号がFM復調回路57Bに入力されている。
【0033】
図1において、x軸が磁気検出素子40Aの磁性コア46Aの長手方向に平行であり、y軸が磁気検出素子40Bの磁性コア46Bの長手方向に平行なx−y直角座標を設定する。このx−y座標において、y軸との角度がθの方向の矢印Hで示す外部磁界(以下、外部磁界Hという)中にこの方位検出器を置くと、外部磁界Hのx成分は磁気検出素子40Aで検出され、外部磁界Hのy成分は磁気検出素子40Bで検出される。磁気検出素子40A、40Bが検出する外部磁界Hのx成分Hx、y成分Hyは前記の式(1)で表される。外部磁界Hのx軸方向の成分Hxの強さに応じて磁気検出素子40Aの導体線43Aのインダクタンス値が定まり、発振回路60Aの発振周波数が定まる。この発振周波数を「fa(+)」と表す。かっこに入れた正号「(+)」は導体線44Aを流れる直流電流の方向が図1に示す矢印の方向と同じ向きであることを表している。直流電流が矢印の方向と逆向きに流れるときは負号「(−)」で表し、発振周波数を「fa(−)」と表す。同様にして、外部磁界Hのy軸方向の成分Hyの強さに応じて磁気検出素子40Bの導体線43Bのインダクタンス値が定まり、発振回路60Bの発振周波数が定まる。磁気検出素子40Bの導体線44Bを矢印方向に直流電流が流れるとき、この発振周波数を「fb(+)」と表す。直流電流が導体線44Bを矢印と逆向きに流れるときの発振周波数を「fb(−)」と表す。
図1のx−y座標において、角度θと、発振回路60Aの発振周波数fa(+)は図3の曲線a(+)のように対応している。同様にして、角度θを発振回路60Bの発振周波数fb(+)は曲線b(+)のように対応している。
【0034】
発振回路60Aの発振周波数fa(+)の出力はFM復調回路57Aに入力されて復調され、レベルが周波数に応じて変化する検出信号が得られる。検出信号はレベル差演算回路2Aに入力される。図2のレベル差演算回路2Aにおいて、検出信号はレベル検出回路3Aに入力され所望のレベルに増幅された後AD変換され、発振周波数fa(+)に比例する検出データDa(+)が出力されメモリ4Aに入力される。メモリ4Aは検出データDa(+)を記憶する。同様にして、発振回路60Bの発振周波数fb(+)に比例する検出データDb(+)がレベル検出回路3Bからメモリ4Bに印加される。メモリ4Bは検出データDb(+)を記憶する。
【0035】
次に、図1の切替スイッチ10A、10Bを切り替えて、可動接点11A、12Aをそれぞれ切替接点18A、20Aに接触させる。これにより磁気検出素子40Aの導体線44Aに矢印の方向と逆向きに直流電流が流れる。同様にして、切替スイッチ10Bを切り替えることにより磁気検出素子40Bの導体線44Bに矢印と逆向きに直流電流が流れる。上記の操作により、磁気検出素子40A、40Bのそれぞれの導体線44A、44Bの直流電流の方向を逆向きにして、角度θを変化させると、発振回路60Aの発振周波数fa(−)の変化は、図3の曲線a(−)で示すようになり、発振周波数fa(+)の変化とは逆位相となる。これは導体線44Aを流れる直流電流の方向を逆にしてバイアス磁界の方向を反転すると、外部磁界Hによる導体線44Aのインダクタンスの変化が元の逆になるからである。同様にして、発振回路60Bの発振周波数fb(−)の変化は曲線b(−)のようになる。発振回路60Aの発振周波数fa(−)の発振出力は、FM復調回路57A、レベル検出回路3Aを経て検出データDa(−)となり、メモリ4Aに記憶される。同様にして、発振回路60Bの発振周波数fb(−)の発振出力は、FM復調回路57B及びレベル検出回路3Bを経て検出データDb(−)となり、メモリ4Bに記憶される。検出データDa(−)及びDb(−)は、それぞれ発振周波数fa(−)、及びfb(−)に比例している。
【0036】
図4は、角度θと、検出データDa(+)、Da(−)、Db(+)及びDb(−)との関係を示す曲線であり、各曲線の形は、図3のそれぞれ対応する、曲線a(+)、a(−)、b(+)、b(−)と同じである。
図2に示すレベル差演算回路2Aの減算回路7Aに、メモリ4Aから図4に示す検出データDa(+)とDa(−)を入力し、減算演算を行う。検出データDa(+)、Da(−)の曲線の波高値をmとすると、減算結果は式(6)で表される。
【0037】
【数6】
【0038】
同様にして、レベル差演算回路2Bの減算回路7bにメモリ4Bから図4に示す検出データDb(+)とDb(−)を入力し、減算演算を行う。検出データDb(+)及びDb(−)の曲線の波高値をnとすると、減算結果は式(7)で表される。
【0039】
【数7】
【0040】
式(6)及び式(7)の演算結果データ2msinθ及び2ncosθを正接演算回路61に入力して正接(tanθ)を求めると、式(8)に示すようになる。
【0041】
【数8】
【0042】
正接演算回路61でさらに、式(8)の逆正接演算を行うと、式(9)に示すように角度θを求めることができる。角度θは図示を省略した表示装置に表示されるようにしてもよい。式(6)及び(7)の減算演算を行うことによって、磁気検出素子40A、40Bの各導体線の固有のインダクタンスは相殺され、外部磁界Hの強さに対応するインダクタンスの変分のみが得られる。従って、磁気検出素子40A、40B各導体線のインダクタンスが経時変化等によって変動したとしても、その変動は、減算演算によって相殺され、検出された方位に影響を与えることはない。
【0043】
【数9】
【0044】
本実施例の方位検出器では以上のように、方位の測定時に、磁気検出素子40A、40Bの磁気バイアス用の直流電流の方向を切り替えるという簡単な操作によって、磁気検出素子40A、40Bの相互の特性上の差異や発振回路60A、60Bの相互の特性上の差異があっても、これらの差異の影響を受けずに方位角θを求めることができる。また発振回路60A、60Bの発振周波数の中心周波数を求めるために方位検出器を1回転させる必要はない。方位の測定時のデータとして中心周波数を用いないので、中心周波数が工場出荷時の値から経時変化で変わっていたとしても、測定方位θに誤差を生じることはない。前記レベル差演算回路2A、2Bでは、アナログ入力信号をAD変換したデジタル信号を用いて処理を行っているが、レベル差演算回路2A、2Bのレベル検出回路、メモリ、減算回路をアナログ対応の回路で構成してもよい。この場合メモリ4A、4Bはコンデンサ等のレベル記憶素子を用いることができる。また減算回路7A、7Bは、一般によく知られている比較回路を用いることができる。正接演算回路61もアナログ要素により構成することが可能である。
【0045】
《実施の形態2》
本発明の実施の形態2の方位検出器を図5を参照して説明する。
図5は本発明の実施の形態2の方位検出器の回路図である。図5において、磁気検出素子70A、70Bは図1の磁気検出素子40A、40Bと異なっている。すなわち磁気検出素子70Aの磁性コア46Aを貫通する導体線は1つでありこれを導体線45Aとする。同様にして、磁気検出素子70Bの磁性コア46Bを1つの導体線45Bが貫通している。導体線45Aの両端はそれぞれ電極端子33A、34Aに接続されている。電極端子33A、34Aは、図に示すものと同じ構成の切替スイッチ10を経て直流電源29Aに接続されている。同様にして、磁気検出素子70Bの導体線45Bの両端はそれぞれ電極端子33B及び34Bに接続されている。電極端子33B、34Bは図1に示すものと同じ構成の切替スイッチ10Bを経て直流電源29Bに接続されている。
前記電極端子33A、34Aには、直流電流を阻止するためのそれぞれのコンデンサC1及びC2を介して高周波の定電流源である高周波電源71A(周波数は例えば10MHz)の両出力端が接続されている。前記電極端子33A、34AにはさらにAM検波回路73Aの両入力端がコンデンサC1及びC2を介して接続されている。AM検波回路73Aの出力端は、レベル差演算回路2Aの入力端に接続されている。
【0046】
同様にして、前記電極端子33B、34Bには、直流電流を阻止するためのそれぞれのコンデンサC1及びC2を介して高周波の定電流源である高周波電源71B及びAM検波回路73Bが接続されている。AM検波回路73Bの出力端はレベル差演算回路2Bの入力端に接続されている。レベル差演算回路2A、2Bは図2に示すものと同じである。
レベル差演算回路2A、2Bの出力端は正接演算回路61の入力端に接続されている。本実施の形態の磁気検出回路は「アンプ型」と呼ばれている。
【0047】
次に本実施の形態2の方位検出器の動作を説明する。図5において、切替スイッチ10Aの可動接点11A、12Aをそれぞれ切替接点17A、19Aに接触させて、磁気検出素子70Aの導体線45Aに矢印で示す方向の直流バイアス電流を流す。同様にして、切替スイッチ10Bの可動接点11B、12Bをそれぞれ切替接点17B、19Bに接触させ、磁気検出素子70Bの導体線45Bに矢印で示す方向の電流を流す。導体線45Aには高周波電源71Aから高周波電流も供給される。外部磁界Hのx軸成分Hxの変化によって、導体線45Aのインダクタンスが変化し、電極端子33Aと34Aとの間のインピーダンスが変化する。その結果AM検波回路73Aの入力レベルが変化し、AM検波出力も変化する。AM検波回路73Aの検波出力はレベル差演算回路2Aに入力され、レベル検出回路3AによりAD変換されて、図4に示す角度θに対応するデータDa(+)と実質的に同じデータが出力されメモリ4Aに記憶される。同様の動作により、レベル差演算回路2Bのレベル検出回路3BによりデータDb(+)が出力されメモリ4Bに記憶される。次に切替スイッチ10Aの可動接点11A、12Aを、それぞれ切替接点18A、20Aに切替えて、導体線45Aに矢印と逆方向の直流電流を流す。この状態において前記と同様にAM検波回路73Aの検波出力をレベル差演算回路2Aに入力し、レベル検出回路3Aの出力のデータDa(−)と実質的に同じデータがメモリ4Aに記憶される。同様にしてレベル差演算回路2Bにおいてレベル検出回路3BからデータDb(−)が出力されメモリ4Bに記憶される。
【0048】
次に、前記のデータDa(+)とDa(−)をメモリ4Aから読み出して減算回路7Aに入力し減算演算をする。演算結果の出力は式(6)で表される。また前記のデータDb(+)とDb(−)から式(7)に示す演算をする。レベル差演算回路2A、2Bの出力に正接演算回路61に入力され、式(8)に示す演算をする。更に式(9)に示す逆正接演算を行うことによって方向角θを検出することが出来る。
【0049】
【発明の効果】
以上の各実施の形態で詳細に説明したように、本発明の方位検出器では方位の測定を行うとき、磁気バイアス用の直流電流の方向を正逆切り替える。直流バイアス電流の正逆切り替えたときのそれぞれの検出出力の差を求めることにより、方位角θに対する磁界強度のx軸成分及びy軸成分を求め逆正接演算を行うことによって、方位角θを検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の方位検出器の回路図
【図2】本発明の実施の形態の1のレベル差演算回路2A、2Bのブロック図
【図3】本発明の実施の形態1の方位検出器の動作を説明するための角度と周波数の関係を示すグラフ
【図4】本発明の実施の形態1の方位検出器の動作を説明するための角度(θ)と検出データの関係を示すグラフ
【図5】本発明の実施の形態2の方位検出器の回路図
【図6】従来の方位センサに用いる磁気検出器の回路図
【図7】図7の磁性コア46のVII−VII断面図
【図8】従来の方位検出器の回路図
【図9】従来の方位検出器の動作を示す、角度(θ)と周波数の関係を示す図
【符号の説明】
2A、2B 演算部、レベル差演算回路
2A、2B、73A、73B インピーダンス差検出回路
10A、10B、29A、29B 直流電源
40A、40B 磁気検出素子
43A、43B、44A、44B 導体線
46A、46B 磁性コア
57A、57B 復調回路
60A、60B LC発振回路
61 逆正接演算回路
【発明の属する技術分野】
本発明は外部磁界の方位を検出する方位検出器及び方位検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
地磁気などの外部磁界を検出して方位を知る方位検出器は、磁界の強さと方向を検出できる2つの磁気検出素子を90°の角度差をもって水平面に配置した磁界検出器を備えている。磁界検出器の構成要素である磁気検出素子として、例えば棒状又は線状の磁性コアに導体線を巻回してコイルを形成したものが従来から知られている。この構成の磁気検出素子は比較的大型であり構造も複雑である。
近年小型かつ簡単な構造で磁気の検出感度も高い磁気検出器として、磁気インピーダンス効果を利用するものが広く用いられるようになってきた。
【0003】
磁気インピーダンス効果を利用する従来技術の磁気検出器の例を図6及び図7を参照して説明する。図6は本従来技術の磁気検出器の回路図であり、磁気検出素子40が「発振型」の検出回路50に接続されている。図7は、図6の磁気検出素子40の磁性コア46の中央を通るVII−VII線の断面図である。図6及び図7において、非磁性基板30の上に帯状の軟磁性体の磁性膜41及び42から成る磁性コア46が設けられている。磁性コア46の磁性膜41と42との間を、導体線43及び44が絶縁膜80A、80B及び80Cによって互に電気的に絶縁されて貫通している。導体線43の両端はそれぞれ電極端子31、32に接続されている。また導体線44の両端はそれぞれ電極端子33、34に接続されている。
【0004】
図6において、磁気検出素子40の電極端子33、34を、抵抗39が直列に接続された磁気バイアス用の直流電源29に接続する。また電極端子32、31に、検出回路50の発振回路60のインバータ回路51の入力端及び出力端をそれぞれ接続する。電極端子32、31にはコンデンサ52、54のそれぞれの一端が接続され、コンデンサ52、54のそれぞれの他端は回路グランドGに接続されている。正の直流電圧(+V)がインバータ回路51の電源端子53に印加されている。この発振回路60はインダクタンスを有する導体線43と組合わされてLC発振器の一種であるコルピッツ形発振回路を構成しており、発振周波数は約10MHzである。
【0005】
インバータ回路51の出力端56は周波数変調信号を復調するFM復調回路57の入力端に接続されている。FM復調回路57の出力は磁界検出回路58に入力されている。
導体線44に直流電源29から磁気バイアス用の直流電流を流し、磁気検出素子40を矢印100で示す外部磁界中におくと、導体線43のインダクタンスが外部磁界100の強さに応じて変化する。導体線43のインダクタンスの変化により発振回路60の発振周波数が変化し、周波数変調信号(FM変調信号)が出力端子56に出力される。このFM変調信号をFM復調回路57により復調し、磁界検出回路58によりレベル検出を行うことによって、外部磁界100の強さを検出することができる。一般に外部磁界の強さの変化量と発振周波数の変化量とは比例する。
【0006】
地磁気などの外部磁界の方位を検出する方位検出器を構成するには、図8に示すように、2つの磁気検出素子40A、40Bを同一面上で互に直角に配置する。2つの磁気検出素子40A、40Bは、図6に示す磁気検出素子40と同じものである。磁気検出素子40Aは検出回路50Aに接続され、磁気検出素子40Bは検出回路50Bに接続されている。検出回路50A、50Bは図6に示す検出回路50と同じものである。検出回路50A、50Bの各出力は、逆正接演算回路61に入力され以下に説明する演算をする。
【0007】
図8において、x軸が磁気検出素子40Aの磁性コア46Aの長手方向に平行な方向の軸であり、y軸が前記x軸と所定の角度で交叉する方向の軸であるとした場合、磁気検出素子40Bの磁性コア46Bについてのx−y直角座標を設定する。このx−y座標において、y軸との角度がθの方向の矢印Hで示す外部磁界(以下、外部磁界Hという)中にこの方位検出器を置くと、外部磁界Hのx軸方向のx成分は磁気検出素子40Aで検出され、外部磁界Hのy軸方向のy成分は磁気検出素子40Bで検出される。磁気検出素子40A、40Bが検出する外部磁界Hのx成分Hx、y成分Hyは式(1)で表される。
【0008】
【数1】
【0009】
前記外部磁束の方向がy軸に対してθの角度をなす場合に、その角度θが図9に示すように変化するときの、検出回路50Aの発振回路60Aの発振周波数の変化量をFA、検出回路50Bの発振回路60Bの発振周波数の変化量をFBとすると、FA、FBは式(2)で表される。
【0010】
【数2】
【0011】
fa、fbはそれぞれ、外部磁界Hの角度θが図9に示すように0から2πまで変化するときの発振回路60A、60Bの発振周波数を表す。fao、fboは発振周波数fa、fbが角度θの変化により変化するときの中心周波数を示す。
磁気検出素子40Aと40Bの特性は全く同じではなく若干異なっている。また発振回路60Aと60Bの特性も全く同じではなく若干異なっている。そのため通常中心周波数faoとfboは互に異なる。
式(2)に示すように、発振周波数fa、fbからそれぞれの中心周波数fao、fboを差し引くと、発振周波数の変化量FA、FBが得られる。発振周波数の変化量FAは式(1)に示す外部磁界Hのx軸成分Hxの変化量に比例し、変化量FBは同y軸成分Hyに比例するので、比例定数をkとすると、式(3)で表される周波数変調信号(FM変調信号)が得られる。
【0012】
【数3】
【0013】
式(3)のFM変調信号ksinθをFM復調回路57Aで復調し、FM変調信号kcosθをFM復調回路57Bで復調する。FM復調回路57Aから、レベルがksinθに比例する振幅変調信号msinθ(mは比例定数)が出力される。またFM復調回路57Bから、レベルがkcosθに比例する振幅変調信号mcosθが出力される。振幅変調信号msinθ、mcosθを用いて、正接演算回路61で式(4)に示す演算を行うと、正接tanθの値が、発振周波数fa、fb、中心周波数fao、fboの値から求められる。
【0014】
【数4】
【0015】
式(4)に対して式(5)に示す逆正接演算を行うと角度θを求めることができる。すなわち方位角θを知ることができる。
【0016】
【数5】
【0017】
前記従来例の磁気検出素子では、軟磁性体の磁性膜41及び42が温度依存性を有し、使用環境の温度変化によって透磁率などの磁気特性が変化する。また磁気特性の経時変化も無視できない。
検出回路50A、50Bのそれぞれの発振回路60A、60Bも温度依存性を有する。磁気検出素子40A、40B及び発振回路60A、60Bの温度依存性によって、使用環境の温度が変わると、式(5)の中心周波数fao、fboが変化する。中心周波数fao、fboの変化に応じて、発振周波数fa、fbも変化する。中心周波数fao、fboのそれぞれの変化率は同じではなく、磁気検出素子40Aと磁気検出素子40Bとでは異なる。そのため式(5)の演算で得られる検出結果の角度θに誤差が生じる。
【0018】
【特許文献1】
特許第3096413号公報
【特許文献2】
特許第3360519号公報
【特許文献3】
特開平5−273319号公報
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
この誤差を防ぐために、従来の方位検出器では、方位測定を行う前に方位検出器の校正を行っている。校正は以下のようにして行う。
磁気検出素子40A、40B及び発振回路60A、60Bを有する方位検出器は、工場出荷時の測定によってそれぞれの中心周波数fao、fboが判っている。この中心周波数を基準中心周波数far、fbrとする。
工場出荷後の使用時において、図8のように磁気検出素子40A、40Bを組合わせた方位検出器を、x−y座標軸を含む水平面内で角度θが0から2πの範囲で回転させる。そのときの発振周波数fa、fbの変化は図9のそれぞれの正弦波形に示すようになる。磁気検出素子40A、40Bを1回転させることによって、発振回路50A、50Bの現在の中心周波数fao、fboが判る。検出された現在の中心周波数fao、fboを、それぞれの基準中心周波数far、fbrを参照して補正する。すなわち現在の中心周波数faoと基準中心周波数farとから、中心周波数faoの変化率を求め、発振周波数faを補正する。
同様にして現在の中心周波数fboと基準中心周波数fbrとから中心周波数fboの変化率を求めて、発振周波数fbを補正する。補正された発振周波数fa、fbと現在の中心周波数fao、fboを用いて式(5)の演算を行うことにより、正しい方位角θを検出することができる。以上のように従来の方位検出器では、方位測定の前に磁気検出素子40A、40Bを水平面内で1回転させて校正を行う必要があるので操作が極めて繁雑であった。
本発明は磁気検出素子を回転させることなく校正を行うことができる方位検出器を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明の方位検出器は、所定角度で交差するx軸とy軸からなるx−y座標における外部磁界のx成分を検出するための、第1の磁性コア、バイアス磁界生成用の第1の導体線及び外部磁界に応じてインダクタンスが変化する第2の導体線を有する第1の磁気検出素子、前記第1の磁気検出素子の第1の導体線に、直流電流を正逆任意の方向に切り替えて流すように構成した第1の直流電源、前記外部磁界の前記x−y座標におけるy成分を検出するための、第2の磁性コア、バイアス磁界生成用の直流電流を流す第3の導体線及び外部磁界に応じてインダクタンスが変化する第4の導体線を有する第2の磁気検出素子、前記第2の磁気検出素子の第3の導体線に、直流電流を正逆任意の方向に切り替えて流すように構成した第2の直流電源、前記第1の磁気検出素子の第1の導体線に流す直流電流の方向を正逆切り替えたときの、前記第2の導体線のそれぞれのインダクタンスの差を求める第1の演算部、前記第2の磁気検出素子の第3の導体線に流す直流電流の方向を正逆切り替えたときの、前記第4の導体線のそれぞれのインダクタンスの差を求める第2の演算部、及び前記第1及び第2の演算部の両出力の逆正接演算を行って前記外部磁界の方位を求める演算回路有する。
【0021】
本発明によれば、磁気検出素子のバイアス磁界生成用の第1の導体線に流す直流電流の方向を正逆切り替えて反転させると、外部磁界による第2の導体線のインダクタンスの変化の方向が反転する。前記直流電流の方向を正逆反転させたときのそれぞれのインダクタンス値の差を求めると、外部磁界の強さの検出成分に対応するインダクタンス値が得られる。外部磁界中に2つの磁気検出素子を所定の角度で配置し、両磁気検出素子のそれぞれの第2の導体線の、外部磁界の強さの検出成分に対応するインダクタンス値を用いて逆正接演算を行うと、方位角を求めることができる。
【0022】
本発明の他の観点の方位検出器は、所定の角度で交差するx軸とy軸からなるx−y座標における外部磁界のx成分を検出するための、第1の磁性コア及びバイアス磁界生成用の第1の導体線を有する第1の磁気検出素子、前記第1の磁気検出素子の第1の導体線に、直流電流を正逆任意の方向に切り替えて流すように構成した第1の直流電源、前記第1の磁気検出素子の第1の導体線に流す直流電流の方向を正逆切り替えたときの、前記第1の導体線のそれぞれのインピーダンスの差を検出する第1のインピーダンス差検出回路、前記外部磁界の前記x−y座標におけるy成分を検出するための、第2の磁性コア及びバイアス磁界生成用の直流電流を流す第2の導体線を有する第2の磁気検出素子、前記第2の磁気検出素子の第2の導体線に、直流電流を正逆任意の方向に切り替えて流すように構成した第2の直流電源、前記第2の磁気検出素子の第2の導体線に流す直流電流の方向を正逆切り替えたときの、前記第2の導体線のインピーダンスの差を検出する第2のインピーダンス差検出回路、及び前記第1及び第2のインピーダンス差検出回路の両出力の逆正接演算を行う演算回路を有する。
【0023】
本発明によれば、磁気検出素子のバイアス磁界生成用の導体線に流す直流電流の方向を正逆切り替えて反転させると、外部磁界による前記導体線のインピーダンスの変化の方向が反転する。前記直流電流の方向を正逆反転させたときのそれぞれのインピーダンス値の差を求めると、外部磁界の強さの検出成分に対応するインピーダンス値が得られる。外部磁界中に2つの磁気検出素子を所定の角度で配置し、両磁気検出素子のそれぞれの導体線の外部磁界の強さの検出成分に対応するインピーダンス値を用いて逆正接演算を行うと、方位角を求めることができる。
【0024】
本発明の方位検出方法は、所定の角度で交差するx軸とy軸からなるx−y座標における外部磁界のx成分を検出するための、第1の磁性コア、及びバイアス磁界生成用の第1の導体線を有する第1の磁気検出素子、及び前記外部磁界の前記x−y座標におけるy成分を検出するための、第2の磁性コア及びバイアス磁界生成用の直流電流を流す第2の導体線を有する第2の磁気検出素子、を備える磁気検出器において、前記第1の磁気検出素子の第1の導体線に、バイアス磁界生成用の直流電流を正方向及び逆方向に切り替えて流すステップ、前記第1の磁気検出素子の第1の導体線に、バイアス磁界生成用の直流電流を正方向及び逆方向に切り替えて流したときの、前記第1の導体線のそれぞれのインピーダンスの差である第1のインピーダンス差を求めるステップ、前記第2の磁気検出素子の第2の導体線に、バイアス磁界生成用の直流電流を正方向及び逆方向に切り替えて流すステップ、前記第2の磁気検出素子の第2の導体線に、バイアス磁界生成用の直流電流を正方向及び逆方向に切り替えて流したときの、前記第2の導体線のそれぞれのインピーダンスの差である第2のインピーダンス差を求めるステップ、及び前記第1及び第2のインピーダンス差のそれぞれの値を用いて逆正接演算を行うステップを有する。
【0025】
本発明の他の観点の方位検出方法は、所定の角度で交差するx軸とy軸からなるx−y座標における外部磁界のx成分を検出するための、第1の磁性コア、バイアス磁界生成用の第1の導体線及び外部磁界に応じてインダクタンスが変化する第2の導体線を有する第1の磁気検出素子、及び前記外部磁界の前記x−y座標におけるy成分を検出するための、第2の磁性コア、バイアス磁界生成用の直流電流を流す第3の導体線及び外部磁界に応じてインダクタンスが変化する第4の導体線を有する第2の磁気検出素子、を備える磁気検出器において、前記第1の磁気検出素子の前記第1の導体線に、バイアス磁界生成用の直流電流を正方向及び逆方向に切り替えて流すステップ、前記第1の磁気検出素子の前記第1の導体線に、バイアス磁界生成用の直流電流を正方向及び逆方向に切り替えて流したとき、前記第1の磁気検出素子の前記第2の導体線のそれぞれのインダクタンスの差である第1のインダクタンス差を検出するステップ、前記第2の磁気検出素子の前記第3の導体線に、バイアス磁界生成用の直流電流を正方向及び逆方向に切り替えて流したとき、前記第2の磁気検出素子の前記第4の導体線のそれぞれのインダクタンスの差である第2のインダクタンス差を検出するステップ、及び前記第1のインダクタンス差と前記第2のインダクタンス差の値を用いて逆正接演算を行うステップを有する。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の方位検出器の好適な実施の形態を図1から図5を参照して説明する。
《実施の形態1》
図1は本発明の実施の形態1の方位検出器の回路図であり、発振型の検出回路を有するものである。図2は図1の検出回路5A、5Bに含まれるレベル差演算回路2A、2Bの詳細な回路図である。図3及び図4は本発明の動作を説明するための波形図である。
【0027】
図1において、磁気検出素子40A、40Bは図8に示す従来技術のものと同じである。図1では磁気検出素子40Aと40Bが互いに直角に配置されているが、磁気検出素子40Aと40Bの配置角度は直角に限定されるものではなく直角以外の所定の角度であってもよい。ただし、本実施の形態では標準的な形態例として、磁気検出素子40Aと40Bを互に直角に配置したものについて説明する。磁気検出素子40Aの電極端子34A、33Aに、切り替えスイッチ10Aの2つの可動接点11A、12Aがそれぞれ接続されている。切替スイッチ10Aでは、可動接点11Aと、2つの切替接点17A、18Aで1つの切替スイッチが構成され、可動接点12Aと2つの切替接点19A、20Aで他の1つの切替スイッチが構成されている。2つの切替スイッチは連動しており、可動接点11Aが切替接点17Aに接触しているとき、可動接点12Aは切替接点19Aに接触している。また、可動接点11Aが切替接点18Aに接しているとき、可動接点11Aは切替接点20Aに接している。切替接点17Aと20Aは共通に接続され、抵抗39Aを経て磁気バイアス用の直流電源29Aの正極に接続されている。切替接点18Aと19Aは共通に接続され、直流電源29Aの負極に接続されている。切替スイッチ10Aの切替動作によって磁気検出素子の導体線44Aを流れる直流電流の方向を正逆反転させることができる。
【0028】
同様にして、磁気検出素子40Bの電極端子34B、33Bに、切替スイッチ10Bの可動接点11B、12Bがそれぞれ接続されている。切替スイッチ10Bでは、可動接点11Bと、2つの切替接点17B、18Bで1つの切替スイッチが構成され、可動接点12Bと、2つの切替接点19B、20Bで他の1つの切替スイッチが構成されている。2つの切替スイッチは連動しており、可動接点11Bが切替接点17Bに接しているとき、可動接点12Bは切替接点19Bに接している。また可動接点11Bが切替接点18Bに接しているとき、可動接点11Bは切替接点20Bに接している。切替接点17Bと20Bは共通に接続され、抵抗39Bを経て磁気バイアス用の直流電源29Bの正極に接続されている。切替接点18Bと19Bは共通に接続され、直流電源29Bの負極に接続されている。切替スイッチ10Bの切替動作によって磁気検出素子40Bの導体線44Bを流れる直流電流の方向を正逆反転させることができる。
切替スイッチ10Aと10Bは連動しており、図示を省略した制御部により、後で詳しく説明するように連動して動作をする。切替スイッチ10A、10Bは具体的な装置では電子スイッチを用いて構成される。
【0029】
磁気検出素子40Aの電極端子32A、31Aは、検出回路5Aの発振回路60Aを構成するインバータ回路51Aの入力端及び出力端にそれぞれ接続されている。電極端子32A、31Aにはコンデンサ52A、54Aのそれぞれの一端が接続され、コンデンサ52A、54Aのそれぞれの他端は回路グランドGに接続されている。正の直流電圧(+V)がインバータ回路51Aの電源端子53Aに印加されている。この発振回路60Aはインダクタンスを有する導体線43Aと組合わされてLC発振器の一種であるコルピッツ形発振回路を構成しており、発振周波数は約10MHzである。
【0030】
インバータ回路51Aの出力端56AはFM復調回路57Aの入力端に接続されている。FM復調回路57Aの出力はレベル差演算回路2Aに入力されている。
同様にして磁気検出素子40Bの電極端子32B、31Bは、検出回路5Bの発振回路60Bを構成するインバータ回路51Bの入力端及び出力端にそれぞれ接続されている。電極端子32B、31Bにはコンデンサ52B、54Bのそれぞれの一端が接続され、コンデンサ52B、54Bのそれぞれの他端は回路グランドGに接続されている。正の直流電圧(+V)がインバータ回路51Bの電源端子53Bに印加されている。この発振回路60Bはインダクタンスを有する導体線43Bと組合わされてLC発振器の一種であるコルピッツ形発振回路を構成しており、発振周波数は約10MHzである。
インバータ回路51Bの出力端56BはFM復調回路57Bの入力端に接続されている。FM復調回路57Bの出力はレベル差演算回路2Bに入力されている。
【0031】
レベル差演算回路2A、2Bの回路図を図2に示す。レベル差演算回路2Aと2Bとは実質的に同じ構成及び機能を有する。レベル差検出回路2Aには、FM復調回路57Aで復調された信号が入力され、入力信号のレベルをレベル検出回路3Aによって検出する。検出されたレベルは、AD変換されてメモリ4Aに記憶される。同様にして、レベル差検出回路2Bには、FM復調回路57Bで復調された信号が入力され、入力信号のレベルをレベル検出回路3Bによって検出する。検出されたレベルは、AD変換されてメモリ4Bに記憶される。メモリ4A、4Bに記憶されたそれぞれのレベルのデータは後で詳しく説明するようにそれぞれの減算回路7A、7Bに入力される。減算回路7A、7Bの出力は正接演算と逆正接演算を行う正接演算回路61に入力される。
【0032】
本実施の形態の方位検出器の動作を図1から図4を参照して説明する。切替スイッチ10A、10Bを図1に示す状態にして、可動接点11A、12Aをそれぞれ切替接点17A、19Aに接触させ、可動接点11B、12Bをそれぞれ、切替接点17B、19Bに接触させる。これにより導体線44A及び44Bには、それぞれの矢印の方向に直流電流が流れる。
発振回路60Aは、導体線43Aのインダクタンス及びコンデンサ52A、54Aの各容量で定まる周波数で発振し、発振信号がFM復調回路57Aに入力されている。
発振回路60Bは、導体線43Bのインダクタンス及びコンデンサ52B、54Bの各容量で定まる周波数で発振し、発振信号がFM復調回路57Bに入力されている。
【0033】
図1において、x軸が磁気検出素子40Aの磁性コア46Aの長手方向に平行であり、y軸が磁気検出素子40Bの磁性コア46Bの長手方向に平行なx−y直角座標を設定する。このx−y座標において、y軸との角度がθの方向の矢印Hで示す外部磁界(以下、外部磁界Hという)中にこの方位検出器を置くと、外部磁界Hのx成分は磁気検出素子40Aで検出され、外部磁界Hのy成分は磁気検出素子40Bで検出される。磁気検出素子40A、40Bが検出する外部磁界Hのx成分Hx、y成分Hyは前記の式(1)で表される。外部磁界Hのx軸方向の成分Hxの強さに応じて磁気検出素子40Aの導体線43Aのインダクタンス値が定まり、発振回路60Aの発振周波数が定まる。この発振周波数を「fa(+)」と表す。かっこに入れた正号「(+)」は導体線44Aを流れる直流電流の方向が図1に示す矢印の方向と同じ向きであることを表している。直流電流が矢印の方向と逆向きに流れるときは負号「(−)」で表し、発振周波数を「fa(−)」と表す。同様にして、外部磁界Hのy軸方向の成分Hyの強さに応じて磁気検出素子40Bの導体線43Bのインダクタンス値が定まり、発振回路60Bの発振周波数が定まる。磁気検出素子40Bの導体線44Bを矢印方向に直流電流が流れるとき、この発振周波数を「fb(+)」と表す。直流電流が導体線44Bを矢印と逆向きに流れるときの発振周波数を「fb(−)」と表す。
図1のx−y座標において、角度θと、発振回路60Aの発振周波数fa(+)は図3の曲線a(+)のように対応している。同様にして、角度θを発振回路60Bの発振周波数fb(+)は曲線b(+)のように対応している。
【0034】
発振回路60Aの発振周波数fa(+)の出力はFM復調回路57Aに入力されて復調され、レベルが周波数に応じて変化する検出信号が得られる。検出信号はレベル差演算回路2Aに入力される。図2のレベル差演算回路2Aにおいて、検出信号はレベル検出回路3Aに入力され所望のレベルに増幅された後AD変換され、発振周波数fa(+)に比例する検出データDa(+)が出力されメモリ4Aに入力される。メモリ4Aは検出データDa(+)を記憶する。同様にして、発振回路60Bの発振周波数fb(+)に比例する検出データDb(+)がレベル検出回路3Bからメモリ4Bに印加される。メモリ4Bは検出データDb(+)を記憶する。
【0035】
次に、図1の切替スイッチ10A、10Bを切り替えて、可動接点11A、12Aをそれぞれ切替接点18A、20Aに接触させる。これにより磁気検出素子40Aの導体線44Aに矢印の方向と逆向きに直流電流が流れる。同様にして、切替スイッチ10Bを切り替えることにより磁気検出素子40Bの導体線44Bに矢印と逆向きに直流電流が流れる。上記の操作により、磁気検出素子40A、40Bのそれぞれの導体線44A、44Bの直流電流の方向を逆向きにして、角度θを変化させると、発振回路60Aの発振周波数fa(−)の変化は、図3の曲線a(−)で示すようになり、発振周波数fa(+)の変化とは逆位相となる。これは導体線44Aを流れる直流電流の方向を逆にしてバイアス磁界の方向を反転すると、外部磁界Hによる導体線44Aのインダクタンスの変化が元の逆になるからである。同様にして、発振回路60Bの発振周波数fb(−)の変化は曲線b(−)のようになる。発振回路60Aの発振周波数fa(−)の発振出力は、FM復調回路57A、レベル検出回路3Aを経て検出データDa(−)となり、メモリ4Aに記憶される。同様にして、発振回路60Bの発振周波数fb(−)の発振出力は、FM復調回路57B及びレベル検出回路3Bを経て検出データDb(−)となり、メモリ4Bに記憶される。検出データDa(−)及びDb(−)は、それぞれ発振周波数fa(−)、及びfb(−)に比例している。
【0036】
図4は、角度θと、検出データDa(+)、Da(−)、Db(+)及びDb(−)との関係を示す曲線であり、各曲線の形は、図3のそれぞれ対応する、曲線a(+)、a(−)、b(+)、b(−)と同じである。
図2に示すレベル差演算回路2Aの減算回路7Aに、メモリ4Aから図4に示す検出データDa(+)とDa(−)を入力し、減算演算を行う。検出データDa(+)、Da(−)の曲線の波高値をmとすると、減算結果は式(6)で表される。
【0037】
【数6】
【0038】
同様にして、レベル差演算回路2Bの減算回路7bにメモリ4Bから図4に示す検出データDb(+)とDb(−)を入力し、減算演算を行う。検出データDb(+)及びDb(−)の曲線の波高値をnとすると、減算結果は式(7)で表される。
【0039】
【数7】
【0040】
式(6)及び式(7)の演算結果データ2msinθ及び2ncosθを正接演算回路61に入力して正接(tanθ)を求めると、式(8)に示すようになる。
【0041】
【数8】
【0042】
正接演算回路61でさらに、式(8)の逆正接演算を行うと、式(9)に示すように角度θを求めることができる。角度θは図示を省略した表示装置に表示されるようにしてもよい。式(6)及び(7)の減算演算を行うことによって、磁気検出素子40A、40Bの各導体線の固有のインダクタンスは相殺され、外部磁界Hの強さに対応するインダクタンスの変分のみが得られる。従って、磁気検出素子40A、40B各導体線のインダクタンスが経時変化等によって変動したとしても、その変動は、減算演算によって相殺され、検出された方位に影響を与えることはない。
【0043】
【数9】
【0044】
本実施例の方位検出器では以上のように、方位の測定時に、磁気検出素子40A、40Bの磁気バイアス用の直流電流の方向を切り替えるという簡単な操作によって、磁気検出素子40A、40Bの相互の特性上の差異や発振回路60A、60Bの相互の特性上の差異があっても、これらの差異の影響を受けずに方位角θを求めることができる。また発振回路60A、60Bの発振周波数の中心周波数を求めるために方位検出器を1回転させる必要はない。方位の測定時のデータとして中心周波数を用いないので、中心周波数が工場出荷時の値から経時変化で変わっていたとしても、測定方位θに誤差を生じることはない。前記レベル差演算回路2A、2Bでは、アナログ入力信号をAD変換したデジタル信号を用いて処理を行っているが、レベル差演算回路2A、2Bのレベル検出回路、メモリ、減算回路をアナログ対応の回路で構成してもよい。この場合メモリ4A、4Bはコンデンサ等のレベル記憶素子を用いることができる。また減算回路7A、7Bは、一般によく知られている比較回路を用いることができる。正接演算回路61もアナログ要素により構成することが可能である。
【0045】
《実施の形態2》
本発明の実施の形態2の方位検出器を図5を参照して説明する。
図5は本発明の実施の形態2の方位検出器の回路図である。図5において、磁気検出素子70A、70Bは図1の磁気検出素子40A、40Bと異なっている。すなわち磁気検出素子70Aの磁性コア46Aを貫通する導体線は1つでありこれを導体線45Aとする。同様にして、磁気検出素子70Bの磁性コア46Bを1つの導体線45Bが貫通している。導体線45Aの両端はそれぞれ電極端子33A、34Aに接続されている。電極端子33A、34Aは、図に示すものと同じ構成の切替スイッチ10を経て直流電源29Aに接続されている。同様にして、磁気検出素子70Bの導体線45Bの両端はそれぞれ電極端子33B及び34Bに接続されている。電極端子33B、34Bは図1に示すものと同じ構成の切替スイッチ10Bを経て直流電源29Bに接続されている。
前記電極端子33A、34Aには、直流電流を阻止するためのそれぞれのコンデンサC1及びC2を介して高周波の定電流源である高周波電源71A(周波数は例えば10MHz)の両出力端が接続されている。前記電極端子33A、34AにはさらにAM検波回路73Aの両入力端がコンデンサC1及びC2を介して接続されている。AM検波回路73Aの出力端は、レベル差演算回路2Aの入力端に接続されている。
【0046】
同様にして、前記電極端子33B、34Bには、直流電流を阻止するためのそれぞれのコンデンサC1及びC2を介して高周波の定電流源である高周波電源71B及びAM検波回路73Bが接続されている。AM検波回路73Bの出力端はレベル差演算回路2Bの入力端に接続されている。レベル差演算回路2A、2Bは図2に示すものと同じである。
レベル差演算回路2A、2Bの出力端は正接演算回路61の入力端に接続されている。本実施の形態の磁気検出回路は「アンプ型」と呼ばれている。
【0047】
次に本実施の形態2の方位検出器の動作を説明する。図5において、切替スイッチ10Aの可動接点11A、12Aをそれぞれ切替接点17A、19Aに接触させて、磁気検出素子70Aの導体線45Aに矢印で示す方向の直流バイアス電流を流す。同様にして、切替スイッチ10Bの可動接点11B、12Bをそれぞれ切替接点17B、19Bに接触させ、磁気検出素子70Bの導体線45Bに矢印で示す方向の電流を流す。導体線45Aには高周波電源71Aから高周波電流も供給される。外部磁界Hのx軸成分Hxの変化によって、導体線45Aのインダクタンスが変化し、電極端子33Aと34Aとの間のインピーダンスが変化する。その結果AM検波回路73Aの入力レベルが変化し、AM検波出力も変化する。AM検波回路73Aの検波出力はレベル差演算回路2Aに入力され、レベル検出回路3AによりAD変換されて、図4に示す角度θに対応するデータDa(+)と実質的に同じデータが出力されメモリ4Aに記憶される。同様の動作により、レベル差演算回路2Bのレベル検出回路3BによりデータDb(+)が出力されメモリ4Bに記憶される。次に切替スイッチ10Aの可動接点11A、12Aを、それぞれ切替接点18A、20Aに切替えて、導体線45Aに矢印と逆方向の直流電流を流す。この状態において前記と同様にAM検波回路73Aの検波出力をレベル差演算回路2Aに入力し、レベル検出回路3Aの出力のデータDa(−)と実質的に同じデータがメモリ4Aに記憶される。同様にしてレベル差演算回路2Bにおいてレベル検出回路3BからデータDb(−)が出力されメモリ4Bに記憶される。
【0048】
次に、前記のデータDa(+)とDa(−)をメモリ4Aから読み出して減算回路7Aに入力し減算演算をする。演算結果の出力は式(6)で表される。また前記のデータDb(+)とDb(−)から式(7)に示す演算をする。レベル差演算回路2A、2Bの出力に正接演算回路61に入力され、式(8)に示す演算をする。更に式(9)に示す逆正接演算を行うことによって方向角θを検出することが出来る。
【0049】
【発明の効果】
以上の各実施の形態で詳細に説明したように、本発明の方位検出器では方位の測定を行うとき、磁気バイアス用の直流電流の方向を正逆切り替える。直流バイアス電流の正逆切り替えたときのそれぞれの検出出力の差を求めることにより、方位角θに対する磁界強度のx軸成分及びy軸成分を求め逆正接演算を行うことによって、方位角θを検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の方位検出器の回路図
【図2】本発明の実施の形態の1のレベル差演算回路2A、2Bのブロック図
【図3】本発明の実施の形態1の方位検出器の動作を説明するための角度と周波数の関係を示すグラフ
【図4】本発明の実施の形態1の方位検出器の動作を説明するための角度(θ)と検出データの関係を示すグラフ
【図5】本発明の実施の形態2の方位検出器の回路図
【図6】従来の方位センサに用いる磁気検出器の回路図
【図7】図7の磁性コア46のVII−VII断面図
【図8】従来の方位検出器の回路図
【図9】従来の方位検出器の動作を示す、角度(θ)と周波数の関係を示す図
【符号の説明】
2A、2B 演算部、レベル差演算回路
2A、2B、73A、73B インピーダンス差検出回路
10A、10B、29A、29B 直流電源
40A、40B 磁気検出素子
43A、43B、44A、44B 導体線
46A、46B 磁性コア
57A、57B 復調回路
60A、60B LC発振回路
61 逆正接演算回路
Claims (6)
- 所定角度で交差するx軸とy軸からなるx−y座標における外部磁界のx成分を検出するための、第1の磁性コア、バイアス磁界生成用の第1の導体線及び外部磁界に応じてインダクタンスが変化する第2の導体線を有する第1の磁気検出素子、
前記第1の磁気検出素子の第1の導体線に、直流電流を正逆任意の方向に切り替えて流すように構成した第1の直流電源、
前記外部磁界の前記x−y座標におけるy成分を検出するための、第2の磁性コア、バイアス磁界生成用の直流電流を流す第3の導体線及び外部磁界に応じてインダクタンスが変化する第4の導体線を有する第2の磁気検出素子、
前記第2の磁気検出素子の第3の導体線に、直流電流を正逆任意の方向に切り替えて流すように構成した第2の直流電源、
前記第1の磁気検出素子の第1の導体線に流す直流電流の方向を正逆切り替えたときの、前記第2の導体線のそれぞれのインダクタンスの差を求める第1の演算部、
前記第2の磁気検出素子の第3の導体線に流す直流電流の方向を正逆切り替えたときの、前記第4の導体線のそれぞれのインダクタンスの差を求める第2の演算部、及び
前記第1及び第2の演算部の両出力の逆正接演算を行って前記外部磁界の方位を求める演算回路を有する方位検出器。 - 前記第1の検出素子の第2の導体線に接続された第1のLC発振回路、
前記第1のLC発振回路の発振周波数に対応するレベルを有する出力信号を得る第1の復調回路、
前記第1の磁気検出素子の第1の導体線に流す直流電流の方向を正逆切り替えたときの、前記第1の復調回路のそれぞれの出力信号の差を求める第1のレベル差演算回路、
前記第2の磁気検出素子の第4の導体線に接続された第2のLC発信回路、
前記第2のLC発信回路の発振周波数に対応するレベルを有する出力信号を得る第2の復調回路、
前記第2の磁気検出素子の第3の導体線に流す直流電流の方向を正逆切り替えたときの、前記第2の復調回路のそれぞれの出力信号の差を求める第2のレベル差演算回路、及び
前記第1及び第2のレベル差演算回路の両出力の逆正接演算を行う演算回路を更に有する請求項1記載の方位検出器。 - 所定の角度で交差するx軸とy軸からなるx−y座標における外部磁界のx成分を検出するための、第1の磁性コア及びバイアス磁界生成用の第1の導体線を有する第1の磁気検出素子、
前記第1の磁気検出素子の第1の導体線に、直流電流を正逆任意の方向に切り替えて流すように構成した第1の直流電源、
前記第1の磁気検出素子の第1の導体線に流す直流電流の方向を正逆切り替えたときの、前記第1の導体線のそれぞれのインピーダンスの差を検出する第1のインピーダンス差検出回路、
前記外部磁界の前記x−y座標におけるy成分を検出するための、第2の磁性コア及びバイアス磁界生成用の直流電流を流す第2の導体線を有する第2の磁気検出素子、
前記第2の磁気検出素子の第2の導体線に、直流電流を正逆任意の方向に切り替えて流すように構成した第2の直流電源、
前記第2の磁気検出素子の第2の導体線に流す直流電流の方向を正逆切り替えたときの、前記第2の導体線のインピーダンスの差を検出する第2のインピーダンス差検出回路、及び
前記第1及び第2のインピーダンス差検出回路の両出力の逆正接演算を行う演算回路を有する方位検出器。 - 前記第1の磁気検出素子の前記第1の導体線に高周波の定電流を流す第1の高周波電源、
前記第1の磁気検出素子の前記第1の導体線に流す直流電流の方向を正逆切り替えたときの、前記第1の導体線の両端に生じるそれぞれの高周波電圧の差を求める第1のインピーダンス差検出回路、
前記第2の磁気検出素子の前記第2の導体線に高周波の定電流を流す第2の高周波電源、及び
前記第2の磁気検出素子の前記第2の導体線に流す直流電流の方向を正逆切り替えたときの、前記第2の導体線の両端に生じるそれぞれの高周波電圧の差を求める第2のインピーダンス差検出回路を更に有する請求項3記載の方位検出器。 - 所定の角度で交差するx軸とy軸からなるx−y座標における外部磁界のx成分を検出するための、第1の磁性コア、及びバイアス磁界生成用の第1の導体線を有する第1の磁気検出素子、及び
前記外部磁界の前記x−y座標におけるy成分を検出するための、第2の磁性コア及びバイアス磁界生成用の直流電流を流す第2の導体線を有する第2の磁気検出素子、
を備える磁気検出器において、
前記第1の磁気検出素子の第1の導体線に、バイアス磁界生成用の直流電流を正方向及び逆方向に切り替えて流すステップ、
前記第1の磁気検出素子の第1の導体線に、バイアス磁界生成用の直流電流を正方向及び逆方向に切り替えて流したときの、前記第1の導体線のそれぞれのインピーダンスの差である第1のインピーダンス差を求めるステップ、
前記第2の磁気検出素子の第2の導体線に、バイアス磁界生成用の直流電流を正方向及び逆方向に切り替えて流すステップ、
前記第2の磁気検出素子の第2の導体線に、バイアス磁界生成用の直流電流を正方向及び逆方向に切り替えて流したときの、前記第2の導体線のそれぞれのインピーダンスの差である第2のインピーダンス差を求めるステップ、及び
前記第1及び第2のインピーダンス差のそれぞれの値を用いて逆正接演算を行うステップ
を有する方位検出方法。 - 所定の角度で交差するx軸とy軸からなるx−y座標における外部磁界のx成分を検出するための、第1の磁性コア、バイアス磁界生成用の第1の導体線及び外部磁界に応じてインダクタンスが変化する第2の導体線を有する第1の磁気検出素子、及び
前記外部磁界の前記x−y座標におけるy成分を検出するための、第2の磁性コア、バイアス磁界生成用の直流電流を流す第3の導体線及び外部磁界に応じてインダクタンスが変化する第4の導体線を有する第2の磁気検出素子、
を備える磁気検出器において、
前記第1の磁気検出素子の前記第1の導体線に、バイアス磁界生成用の直流電流を正方向及び逆方向に切り替えて流すステップ、
前記第1の磁気検出素子の前記第1の導体線に、バイアス磁界生成用の直流電流を正方向及び逆方向に切り替えて流したとき、前記第1の磁気検出素子の前記第2の導体線のそれぞれのインダクタンスの差である第1のインダクタンス差を検出するステップ、
前記第2の磁気検出素子の前記第3の導体線に、バイアス磁界生成用の直流電流を正方向及び逆方向に切り替えて流したとき、前記第2の磁気検出素子の前記第4の導体線のそれぞれのインダクタンスの差である第2のインダクタンス差を検出するステップ、及び
前記第1のインダクタンス差と前記第2のインダクタンス差の値を用いて逆正接演算を行うステップを有する方位検出方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003192386A JP2005024470A (ja) | 2003-07-04 | 2003-07-04 | 方位検出器及び方位検出方法 |
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JP2003192386A JP2005024470A (ja) | 2003-07-04 | 2003-07-04 | 方位検出器及び方位検出方法 |
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JP2005024470A true JP2005024470A (ja) | 2005-01-27 |
Family
ID=34189705
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105628010A (zh) * | 2015-09-25 | 2016-06-01 | 宇龙计算机通信科技(深圳)有限公司 | 终端指南针的校准方法及系统 |
CN111693911A (zh) * | 2019-03-11 | 2020-09-22 | Tdk株式会社 | 磁传感器装置 |
-
2003
- 2003-07-04 JP JP2003192386A patent/JP2005024470A/ja active Pending
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