JP2005024211A - 廃棄物ガス化燃焼システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 (a)乾留缶11下部に開閉自在に設けられその手前側に灰貯留用ピット11eが備えられた灰出口11cと、(b)灰出口11cに対向して乾留缶11下部に開口して設けられた着火口11dと、(c)進退自在に取り付けられた灰掻出プレート12bを着火口11dから挿入して乾留缶11底部に堆積した灰を灰出口11cに向けて押し出す灰排出装置12と、を備えるように廃棄物ガス化燃焼システム10を構成した。
【選択図】 図1
Description
従来、このような廃棄物処理を行うごみ焼却炉などのメンテナンス時には、焼却炉内に付着、残留したダストや灰を、作業員が焼却炉内に入って清掃したり、灰の掻き出し装置を用いたりして排出するのが一般的である。例えばこのような灰の掻き出し装置などに関連して以下のような技術のものが知られている。
特許文献1には、焼却炉の炉体内に堆積した灰等の掻き出し動作を行いながら下降する掻き出し手段を設けることによって、灰等の掻き出し対象が上から順に自動的に掻き出されるようにした焼却炉の掻き出し装置が記載されている。
特許文献2には、ごみ焼却炉の炉内壁面や火格子面に付着、堆積したダストや灰を除去する外部操作可能なダスト・灰除去装置を設け、該除去装置には、高圧空気噴出用ノズルや高圧蒸気噴出用ノズル、機械的掻き落し除去装置を適用したものが開示されている。
また、特許文献2に記載のものでは、前記と同様に炉体から掻き出される灰が掻き出し装置側に堆積して効率的なメンテナンスが妨げられる上に、ダスト灰除去装置を外部操作可能にするために装置が複雑化して、耐久性や保守点検の容易性に欠けるという課題があった。
図1は本実施例に係る廃棄物ガス化燃焼システムの正面図であり、図2は同廃棄物ガス化燃焼システムの平面図である。
図1及び図2において、10は本実施例に係る廃棄物ガス化燃焼システム、11は古タイヤなどの有機質系廃棄物がその上部開口部から投入されて熱分解される乾留缶であり、複数基配設されている。12は各乾留缶11の下部に軌条12a上を走行自在に配設された灰排出装置、13は乾留缶11で熱分解されたガスをガス導管14を介して取り出し二次燃焼用バーナ15で空気を吹き込んで燃焼させるための二次燃焼室、16は二次燃焼室13で燃焼された排ガスを冷却するための冷却塔、17は冷却された排ガスを濾過処理するためのバグフィルタ、18は冷却塔16やバグフィルタ17などに消石灰などの脱硫剤や吸着剤を供給するための消石灰・活性炭供給装置、19はバグフィルタ17などで無害化されたガスを外部に放出するための煙突部である。
なお、本実施例では蓋部11bはホイストクレーン11aで吊り上げて開閉させるようにしているが、ヒンジを介して蓋部11bの周縁を乾留缶11の周縁に取り付けて、この蓋部11bを別途配設したアクチュエータ(図示せず)により所定角度で回動させて廃棄物投入口を自動開閉するように構成することもできる。
また、灰貯留用ピット11eには冷却水散布部11hが付設されており、乾留缶11の灰出口11cから排出される高温の燃焼灰に水を散布して冷却可能とし、燃焼灰による粉塵が周囲に飛散しないようにしている。なお、本実施例では冷却水散布部11hを乾留缶11から離隔して設けているが、乾留缶11に直接取付けてもよい。
灰排出装置12は各乾留缶11の着火口11d前部を周回又は直線移動するように敷設された軌条12aを介して走行可能に配置され、着火口11d内に進退自在に挿入される灰掻出プレート12bと同灰掻出プレート12bを駆動させる電動モータや油圧モータなどのシリンダ収縮機構が搭載された台車部12cとを有している。この台車部12cには灰落とし作業時の安定を図るためのウェイト(図示せず)が搭載されている。12dは先端に前記灰掻出プレート12bを取付けた伸縮ロッドである。
灰掻出プレート12bは、鋳鉄やステンレススチールなどの耐熱金属製であり、堆積した灰との当接面が平板状又は湾曲面状に形成されている。
まず、ホイストクレーン11aを操作して、蓋部11bを吊り上げてその開口した廃棄物投入口に古タイヤなどの有機質系廃棄物を搭載したトラックの荷台を位置付け、荷台を傾けて廃棄物投入口に落とし込む。そして、この蓋部11bを廃棄物投入口に吊り降ろして乾留缶11内を密封した後、開口した着火口11dから火種を入れて内部の有機質系廃棄物に着火する。こうして一次燃焼用ファン11gを介して乾留缶11内を加熱することにより、内部に収納された有機質系廃棄物を熱分解させると共に、ガス導管14を介して有機質系廃棄物が分解もしくは部分分解された分解ガスを乾留缶11から取り出す。排出された分解ガスは二次燃焼用バーナ15で二次燃焼用空気と共に燃焼されて二次燃焼室13に供給される。
こうして得られた高温の燃焼ガスが熱交換機や冷却塔16、バグフィルタ17などで処理され、固形分の除去処理や無害化処理がなされた後、緊急用煙突などを備えた煙突部19から外部に放出されるようになっている。
次に、図3(a)に示すように着火口11d、及びその着火口に対向して配置された灰出口11cを開放する。こうして、台車部12cのシリンダ伸縮機構を作動させて灰掻出プレート12bを伸長させる操作を行う。これによって、図3(b)に示すように乾留缶11の底部に堆積した燃焼灰が灰出口11cからその手間側に設けられた灰貯留用ピット11eに落とし込まれる。このとき、前記冷却水散布部11hより水を散布して灰が飛散しないようにする。
1.廃棄物はその前処理が不要で乾留缶11上部の廃棄物投入口から古タイヤ等は原形のまま乾留缶11に装入する事ができるので、生産性に優れている。
2.廃棄物は古タイヤの部分燃焼によって熱分解乾溜されるので、燃焼容易な可燃ガスが得られ残留灰分は最小量で、そのまま再利用あるいは廃棄できる。
3.回収された可燃ガスは燃焼制御が容易であるので、爆発の危険がなく自動燃焼させることができ、安全性にも優れている。
4.燃焼ガスはバグフィルタ17における濾過処理や石灰・活性炭供給装置による処理がなされて清浄化されるので、特殊な廃棄物処理以外は後処理を不要とすることができる。
5.高温の燃焼ガスは多くの用途(例えば、蒸気発生・加熱・乾燥)等に使用できるので、全体システムの省エネ化や効率化等を図ることができる。
6.プロセスと構成機器の構成が単純となるので、運転操作や保守点検等を安全かつ簡単にでき、操作性にも優れている。
図5は廃棄物ガス化燃焼システムに適用される配管系の正面図であり、図6は図5における矢視A−A断面図である。
図5において、21は乾留缶10を支持するようにその四隅に立設された各4本の支持柱であり、同支持柱21はその一部が円筒状などに形成されその内部を配管系の一部として利用できる。すなわち、支持柱21下部に分岐配管23を連設し、この分岐配管23を介して一次燃焼用ファン11gから燃焼用空気が導入されるようにしている。こうして、支持柱21内を流路として上昇した燃焼用空気が乾留缶10上部側壁から乾留缶10の内部に一次空気として吹き込まれ、古タイヤを含む有機質系廃棄物を部分燃焼させるようになっている。
本実施例に係る廃棄物ガス化燃焼システム10は以上のように構成されているので、灰排出装置12の灰掻出プレート12bを着火口11dへ挿入する際の灰排出作業用スペースを確保することができ、灰排出作業用スペースを容易に確保して廃棄物ガス化燃焼システム10を効率的に稼働させ、その生産性を高めることができる。
11 乾留缶
11a ホイストクレーン
11b 蓋部
11c 灰出口
11d 着火口
11e 灰貯留用ピット
11f 支持柱
11g 一次燃焼用ファン
11h 冷却水散布部
12 灰排出装置
12a 軌条
12b 灰掻出プレート
12c 台車部
13 二次燃焼室
14 ガス導管
15 二次燃焼用バーナ
16 冷却塔
17 バグフィルタ
18 消石灰・活性炭供給装置
19 煙突部
21 支持柱
23 分岐配管
Claims (4)
- タイヤやプラスチック、木材などの有機質系廃棄物を乾留缶の上部から供給し、前記乾留缶内を加熱し前記有機質系廃棄物を熱分解乾留して燃焼ガスを発生させる廃棄物ガス化燃焼システムであって、
(a)前記乾留缶下部に開閉自在に設けられ、これに臨むように灰貯留用ピットが備えられた灰出口と、(b)前記灰出口に対向して前記乾留缶下部に開口して設けられた着火口と、(c)進退自在に取り付けられた灰掻出プレートを前記着火口から挿入して前記乾留缶底部に堆積した灰を前記灰出口に向けて押し出す灰排出装置と、を備えたことを特徴とする廃棄物ガス化燃焼システム。 - 前記乾留缶を一直線状又は円周状などに複数配列して、前記乾留缶の前記着火口の手前側にそれぞれ配設された軌条を介して前記灰排出装置を走行自在に配置したことを特徴とする請求項1に記載の廃棄物ガス化燃焼システム。
- 前記灰貯留用ピットの上部に設けられ前記灰出口から排出される灰に水を散布する散布部を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の廃棄物ガス化燃焼システム。
- 前記乾留缶を支持する複数の支持柱部の一部又は全部に、前記乾留缶に一次燃焼用空気を供給する空気供給配管系を内蔵させ、前記灰掻出プレートを前記着火口へ挿入する際の灰排出作業用スペースを確保したことを特徴とする請求項1〜3の内いずれか1項に記載の廃棄物ガス化燃焼システム。
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