JP2005023204A - ポリウレタン系発泡体の製造方法およびその装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ポリウレタン系発泡体をなす各原料を混合するに先立ち、ポリオール成分に対して所要量のガスを吹き込んで該発泡体の原料内にセルの基となる核の量を制御することで、任意のセル径を有するポリウレタン系発泡体の製造し得る方法およびその装置を提供する。
【解決手段】各原料を貯留する第1容器12と、貯留された各原料を攪拌して発泡原料Mとする攪拌機構16と、該第1容器12の底部に設けられパッチ制御下に発泡原料Mの外部に排出する排出孔12aと、この排出孔12aから排出された発泡原料Mを受容して発泡を進行させる第2容器14とからなるポリウレタン系発泡体の製造装置において、前記第1容器12に貯留される少なくともポリオールからなるポリオール成分に、所要量のガスGを吹き込む供給管15を設ける。
【選択図】 図1
【解決手段】各原料を貯留する第1容器12と、貯留された各原料を攪拌して発泡原料Mとする攪拌機構16と、該第1容器12の底部に設けられパッチ制御下に発泡原料Mの外部に排出する排出孔12aと、この排出孔12aから排出された発泡原料Mを受容して発泡を進行させる第2容器14とからなるポリウレタン系発泡体の製造装置において、前記第1容器12に貯留される少なくともポリオールからなるポリオール成分に、所要量のガスGを吹き込む供給管15を設ける。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ポリウレタン系発泡体の製造方法およびその装置に関し、更に詳細には、ポリウレタン系発泡体をバッチ発泡により逐次製造する際に、該発泡体をなす原料の1つであるポリオールにガスを供給し、該ガスの存在により任意の気泡(セル)数、すなわちセル径を有するポリウレタン系発泡体を製造する方法およびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に寸法が大きなポリウレタン系発泡体は、スラブ発泡法による製造が好適である。。そして前記スラブ発泡法としては、連続スラブ発泡工法と、バッチ発泡工法(不連続発泡工法)との2種類が挙げられる。前記連続スラブ発泡工法をなす製造装置50は、図5(a)に示す如く、コンベアー52に連続的に繰り出される紙またはプラスチックフィルム等の移送体54上に、図示しない専用の発泡機で連続的に計量混合した発泡原料Mを原料チャンバー56を介して吐出ノズル58から吐出し、順次発泡硬化させる工法である。このようにポリウレタン系発泡体を製造する連続スラブ発泡工法は、その連続的な製造手法故に一品種の量産性に優れた方法である。
【0003】
これに対して前記バッチ発泡工法をなす製造装置60は、図5(b)に示す如く、所要の量が確保できる第1容器12に、計量がなされたポリオールおよびイソシアネート等の各原料を投入し、攪拌機構16により攪拌混合して発泡原料Mとした後、該原料Mを発泡用の第2容器14に吐出させて該容器12内で発泡硬化させる方法である。そして前記バッチ発泡工法においては、その都度、発泡させる原料の調整が容易であるため、多品種の少量生産に向いている、といった長所を有している。また前記バッチ発泡工法は、連続スラブ発泡工法に用いられる設備に較べて、前述した如くその構造が簡易であり、規模的に大きくする必要がないため、設備的に必要とされる初期コストは、該連続スラブ発泡工法の100分の1程度と安価である利点もある。
【0004】
ここで前記バッチ発泡工法を実施する製造装置60を構成する第1容器12は、得るべきポリウレタン系発泡体の各原料を充分に貯留し得る容量を有し、また貯留された各原料を効率よく投入し、攪拌し得るように上方に開口し、かつ下方が窄まった略円筒形状となっている。そして前記第1容器12の下方は、該容器14内部で得られた発泡原料Mを排出し得る排出孔12aが設けられている。前記攪拌機構16は、略円筒形状をなす前記第1容器12の中心軸に沿って配置され、その先端には攪拌手段である攪拌羽根16aが備えられており、図示しない制御手段により回転制御可能に構成されている。前記第2容器14は、前記第1容器12で一度に得られる発泡原料Mが発泡した際の体積以上の体積を有する上方に開口した矩形容器であり、前記排出孔12aから排出される該発泡原料Mを受け止めるように、該第1容器12の下方に位置している。
【0005】
そして前記第1容器12は、攪拌機構16と共に図示しない制御手段によって制御下に上下移動可能に構成されており、該第1容器12が最下方に位置する場合には、該容器14の開口した底部が前記第2容器14に当接した状態に維持されている。すなわち、図6に示す如く、前記第1容器12内で発泡原料Mを得る際には、前記排出孔12aは前記第2容器14により塞がれた状態となっており(図6(a)参照)、前記攪拌手段16により発泡原料Mが得られた後は、該第1容器12を上昇させることで該排出孔12aが開口状態となり、これにより該発泡原料Mが該排出孔12aを介して第2容器14内に順次排出されることになる(図6(b)参照)。前記第2容器14に排出された発泡原料Mは、時間の経過と共に発泡が進行し、最終的に該容器12の内部形状と略一致した外部形状を有するポリウレタン系発泡体が得られる。このポリウレタン系発泡体には、必要に応じて所定寸法への切断・研磨等の後処理や検査等が施されて最終製品となる。
【0006】
一方、同じ物性を発現するよう同一の材質から製造され、その単位面積あたりの気泡数、すなわちセル径の異なるポリウレタン系発泡体については、様々な理由から大きな需要があり、このため安定した生産が望まれている。ここでポリウレタン系発泡体の発泡機構を考えてみると、基本的に前記ポリオールに発泡剤を添加した後、これにイソシアネートを混合、反応させて発泡させる、所謂化学的発泡法が一般的である。そして前記化学的発泡法の場合、得られるポリウレタン系発泡体のセル径は、発泡初期に発泡原料M中に発生する微細な気泡、所謂気泡の発生の基となる核(以下、単に核という)の発生数と、ポリオール等とイソシアネートとの反応に際して発生するガスの量とによって大きく決定される。すなわち、▲1▼発泡前の発泡原料Mを所定の圧力下におく等することで溶存ガス量を増加させ、該原料Mを常圧下に戻す際に発生する前記核の量を制御するか、または▲2▼主原料であるポリオールに混合される副原料たる発泡剤の量を変化させるか、により、セル径の異なるポリウレタン系発泡体を製造している。なお本発明において溶存は、流体中に気体が溶解している状態だけでなく、微細な気泡として分散している状態も示すものとする。
【0007】
【発明が解決すべき課題】
このような方法により実施されるセル径の異なるポリウレタン系発泡体の製造は、前記連続スラブ発泡工法においては、製造中に連続的に供給される発泡原料Mの発泡チャンバー56内への吐出圧や、吐出ノズル58の開口径を制御することで容易にかつ連続的に達成可能である。しかしなから、前記バッチ発泡工法においては、また大気下に開放した状態で発泡がなされるため、前述の連続スラブ発泡工法の如き方法の実施、すなわち▲1▼の採用は不可能である。更に▲2▼の方法においては、セル径を制御する発泡剤の添加量に伴って、得られるポリウレタン系発泡体の物性も変化してしまうため、該物性を安定させるべく前記ポリオールに混合される界面活性剤の如き副原料の種類や添加量を変化させる必要がある。この得られるポリウレタン系発泡体の物性を同一に調整する手間は、その都度、各原料を混合して発泡原料Mとするバッチ発泡工法においては、多大な手間を必要とし製造効率を大きく悪化させるため実際の製造には供し得ない。この欠点は、前記ポリオールを始めとする各原料の供給を自動的になし得る設備を用いること等で対応可能であるが、この場合、その設備費が非常に高価なものとなり、前記バッチ発泡工法における初期投資コストが安価である、といった優位性が皆無となってしまう。
【0008】
またバッチ発泡工法で使用される前記製造装置60における第1容器12は、その都度、発泡される発泡原料Mが貯留されて製造に供されるため、異なるセル径のポリウレタン系発泡体を製造する発泡原料Mを製造する毎に充分な洗浄を実施する手間も必要となる。この充分な作業を実施しない場合、前記第1容器12の壁面等に付着した先に使用された発泡原料Mと、新たに製造するべき異なるセル径のポリウレタン系発泡体の後に使用される発泡原料Mとが混ざり、コンタミネーション等が発生する重大な問題が指摘される。この問題を放置した場合、得られるポリウレタン系発泡体の物性を略同一に設定できなくなってしまう。この他、前記第1容器12に主原料であるポリオールを投入後、イソシアネートと反応混合させる前にある一定時間攪拌(予備混合)することにより溶存ガス量を増加させておいて、ある程度のセルの基となる前記核を増加させ、セル数の増加を図ることは可能である。しかし、このような予備混合によって達成される溶存ガス量の増加は極微量であり、また予備混合に要する時間も10〜24時間と長くなることが一般的であるため、量産性が悪いだけでなく、前記核の制御が困難であるため安定して任意のセル径を有するポリウレタン系発泡体を得ることができなかった。
【0009】
【発明の目的】
この発明は、前述した従来技術に係るポリウレタン系発泡体の製造方法およびその装置に関して内在していた欠点に鑑み、これを好適に解決すべく提案されたものであって、ポリウレタン系発泡体の原料となるポリオールおよびイソシアネートを混合するに先立ち、該ポリオールを含むポリオール成分に対して所要量のガスを吹き込むことで、該ポリウレタン系発泡体の原料となる発泡原料内にセルの基となる、所謂核の量を制御し、これにより任意のセル径を有するポリウレタン系発泡体を製造し得る方法およびその装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本発明に係るポリウレタン系発泡体の製造装置は、主原料であるポリオールおよびイソシアネートと、所要の副原料とを貯留する第1容器と、貯留された各原料を攪拌して発泡原料とする攪拌機構と、前記第1容器の底部に設けられバッチ制御下に前記発泡原料の外部に排出する排出孔と、この排出孔から排出された前記発泡原料を受容して、該発泡原料の発泡を進行させる第2容器とからなるポリウレタン系発泡体の製造装置において、
前記第1容器に貯留される少なくとも前記ポリオールからなるポリオール成分に、所要量のガスを吹き込みする供給管を設けたことを特徴とする。
【0011】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の別の発明に係るポリウレタン系発泡体の製造方法は、主原料であるポリオールおよびイソシアネートと、所要の副原料とを第1容器中に注入し、これを攪拌して発泡原料をバッチ発泡させてポリウレタン系発泡体を製造する方法において、
前記ポリオールおよびイソシアネートと、所要の副原料との混合に先立ち、少なくとも該ポリオールからなるポリオール成分を第1容器中で攪拌して予備混合を行ない、
この予備混合の途中で所要量のガスを吹き込み、該ガスを核として作用させることで製造されるポリウレタン系発泡体におけるセルの直径の制御をなし得るようにしたことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係るポリウレタン系発泡体の製造方法およびその装置につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら製造方法の流れに従って以下説明する。なお、図5および図6を参照して説明した従来技術で既出の同一部材については、同じ符号を付して示し、その詳細説明は省略する。また本発明の説明において、主原料であるポリオールまたは該ポリオールに発泡剤等の副原料を添加したものポリオール成分と呼称する。
【0013】
本発明の好適な実施例に係るポリウレタン系発泡体の製造方法を実施する製造装置の一例を図1により説明する、前記製造装置10は、ポリウレタン系発泡体の主原料であるポリオールおよびイソシアネートと、所要の副原料とを貯留する第1容器12と、貯留された各原料を攪拌して発泡原料Mとする攪拌機構16と、該第1容器12で得られた発泡原料Mを受容して、該発泡原料Mの発泡を進行させる第2容器14とから基本的に構成される。そして前記第1容器12は、その上方が開口して前記各原料が容易に投入されるよう構成されると共に、その底部に常に開口した排出孔12aが開設されている。前記排出孔12aは、前記第1容器12内で攪拌により調整された発泡原料Mを該第1容器12から、前記第2容器14に対して排出するための孔である。
【0014】
前記第1容器12は、前述の如く、上方に開口すると共に、下方が窄まった略円筒形状をなしており、その略中央部である略円筒形状における軸心に回転軸16b(後述[0017])を同軸的に整列させるように前記攪拌機構16が支持部材18を介して配置されている。そして、前記攪拌機構16に取り付けられた本体ステー22を介して移動機構24に固定されており、該移動機構24により制御下に上下方向に自在に移動し得るように構成されている。また前記第1容器12の内部容量は、得るべきポリウレタン系発泡体の体積と発泡倍率とから算出された体積分の発泡原料Mを貯留し得る容積を有するように構成されている。このような構成とされることで前記第1容器12は、別途用意されている前記各原料を攪拌機構16により攪拌して発泡原料Mとすると共に、該発泡原料Mから得られるポリウレタン系発泡体のセル径を制御するためのガスGを吹き込みかつ充分に拡散させる役割を担うものである。
【0015】
前記第2容器14は、前記第1容器12の排出孔12aから排出される発泡原料Mを受容すべく、該排出孔12aの直下に配置される上方に開口した矩形形状の容器である。その容量は、前記第1容器12内に貯留し得る発泡原料Mの体積と発泡倍率とを乗じた得るべきポリウレタン系発泡体の体積以上となるようにされる。またその底面に対して、前記第1容器12の底部が接触することで、該底部に開口された排出孔12aが容易に密閉され得るように、該底面の排出孔12aとの接触位置に、所要の弾性率を有すると共に、通気性を有しない、例えばシート状のシリコーンフォームを配置するようにしてもよい。このような構成とされる前記第2容器14は、前記発泡原料Mを発泡・硬化させる、発泡容器としての役割を担う。そして得られるポリウレタン系発泡体の外部輪郭形状を規制する型枠としての役割も果たすため、最終的に製造されるポリウレタン系発泡体を材質とする製品に加工が容易な形状とされている。
【0016】
前記排出孔12aは、前記第1容器12の底部に設けられた開口部であり、攪拌によって得られる前記発泡原料Mを、該第1容器12から第2容器14に排出するために設けられている。本実施例においては、前記第1容器12が上方に移動することで排出孔12aが開口状態となり、複雑な制御等を実施しなくてもバッチ作業毎に得られる発泡原料Mを効率よく第2容器14に排出し得る構成となっているが、単なる開口構造ではなく、例えば制御下に開口し得る蓋部材を使用した構成としてもよい。
【0017】
前記攪拌機構16は、その先端の回転攪拌用の攪拌羽根16aと、該攪拌羽根16aを駆動する電気モータの如き駆動源20と、該攪拌羽根16aおよび駆動源20を接続する回転軸16bとから構成されている。前記攪拌羽根16aは、その直径が前記第1容器12の内壁に干渉しない範囲で最も大きくなるように設定され、該第1容器12内部に貯留される各原料の効率的な攪拌をなし得るようにされている。なお本実施例においては、前記攪拌羽根16aの駆動により攪拌される各原料は上方から下方に運ばれ、そして前記第1容器12の内壁の沿って下方から上方に運ばれる対流を形成するものである(図3(b) 参照)。
【0018】
そして前記第1容器12における所定位置には、攪拌中のポリオール成分に対して外部から所要のガスGを吹き込む供給管15が設けられている。前記供給管15は、その一方が図示しないガス供給源に接続され、他方の開口部15aが前記第1容器12に貯留される各原料の液面下に前記ガスGを供給し得るよう構成されている。前記供給管15および開口部15aの配置位置は、該開口部15aより吹き出されるガスGがポリオール成分中に効率よく溶存するよう、言い換えれば前記攪拌機構16により生ずる攪拌力を有効に利用し得るように設定される。本実施例において前記供給管15は、前記攪拌機構16の回転軸16bに対して近接した状態で平行に配置され、その先端である開口部15aの配置位置は前記攪拌羽根16aの上方に近接した位置に配設されている。
【0019】
なお本実施例において前記供給管15は、前記回転軸16bの回転を規制しないようベアリング等の手段を介在した位置決め部材16cにより、該回転軸16bに対して近接した状態で平行に配置されているが、殊にこの位置決め方法や配置位置に限定されるものではない。従って、例えば前記供給管15を、第1容器12の内壁に沿ってかつ前記攪拌羽根16aの回転に干渉しないように配置し、その開口部15aだけを前述の位置に設定するようにしてもよい。また前記開口部15aの配置位置についても、同じく限定されているわけではない。
【0020】
また前記開口部15aは、その開口面積が1〜100mm2の範囲になるように設定される。前記開口部15aから吹き出されるガスGの流量は、好適なセルCを備えるポリウレタン系発泡体、具体的には該ポリウレタン系発泡体内に形成されるセルCの直径、すなわちセル径が均質化するように設定されており(詳細は後述[0029])、その値から好適な該開口面積が算出されている。そして前記開口面積が1mm2未満の場合、ガスGの充分な吹き込みが困難となり、100mm2を越えると、前記ポリオール成分に対する溶存が好適に達成されず、単に気泡として該ポリオール成分中に存在することとなってしまい、その結果、イレギュラーとなる大きなセルCが形成され、ポリウレタン系発泡体をなす樹脂骨格も部分的に歪になる等の問題が生じる。
【0021】
【製造方法】
本発明の好適な実施例に係るポリウレタン系発泡体の製造方法について以下説明する。前記ポリウレタン系発泡体の製造方法は、図2および図3に示す如く、ポリオール成分貯留工程S1、ガス吹き込み・攪拌工程S2、発泡原料製造工程S3、発泡工程S4および最終工程S5から基本的に構成される。そしてこの中の工程S1〜S4を、前記製造装置10により繰り返し実施することで、バッチ処理によりポリウレタン系発泡体を製造するものである。なお、本製造方法を実施するに当たり、必要とされるポリオール、イソシアネートおよび発泡剤等の各種副原料は、所定の貯留タンク等に準備されているものとする。
【0022】
前記ポリオール成分貯留工程S1は、ポリウレタン系発泡体を製造する各原料のうち、ポリオールだけまたはポリオールと反応等を起こさない触媒等の副原料を混合したポリオール成分を、前記第1容器12に投入・貯留する工程である(図3(a)参照)。本ポリオール成分貯留工程S1で使用される各原料としては、前記ポリウレタン系発泡体の主原料であるポリオールと、必要に応じて所定量添加されるアミン触媒、スズ触媒等の重合触媒および発泡剤等の添加剤とが挙げられる。また前記添加剤については、必要に応じて架橋剤、整泡剤、鎖延長剤、難燃剤または紫外線吸収剤、酸化防止剤、老化防止剤、充填剤、可塑剤、着色剤、防黴剤または抗菌剤等が使用される。そして前記架橋剤としては、使用される前記主原料に合致する従来公知の物質が何れも使用可能である。なお前記副原料については、前記ポリオールとの混合により、該ポリオールを硬化させる等の、後述([0026])するガス吹き込み・攪拌工程S2実施の障害となる物質以外に限定される。
【0023】
主原料の1つとして使用される前記ポリオールとしては、一般にポリオールと呼称される水酸基を2個以上有する化合物、例えばポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール等が単一または混合されている物質が好適である。この他、水酸基の代わりにカルボン酸、アミン等の活性水素を有する化合物の併用も可能である。また前記イソシアネートとしては、通常使用されているイソシアネート基を2個以上有する芳香族系、脂肪族系、脂環族系の各種イソシアネート化合物、更には、イソシアネート化合物を変性して得られる変性イソシアネートが使用可能であり、また該イソシアネートを2種類以上併用するようにしてもよい。
【0024】
前記添加物のうち主要な物質について説明すると、前記触媒としては、従来公知の物質を使用する事が可能であり、例えばジメチルシクロヘキシルアミン、N−メチルジシクロヘキシルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、N−メチルモルフォリン、N−エチルモルフォリン、N−ジメチルベンジルアミン等の非反応型モノアミン、トリエチレンジアミン、テトラメチルヘキサメチレンジアミン、ビスジメチルアミノエチルエーテル、テトラメチルプロパンジアミン、ジメチルアミノエチルモルフォリン、テトラメチルエチレンジアミン、ジアゾビシクロウンデセン、2−メチル−1,4−ジアゾ(2,2,2)ビシクロオクタン等の非反応型ジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ペンタメチルジプロピレントリアミン等の非反応型トリアミン、ジメチルエタノールアミン、N−トリオキシエチレン−N,N−ジメチルアミン、N,N−ジメチル−N−ヘキサノールアミン等の反応型アミンまたはこれらの有機酸塩、1−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、1−ブチル−2−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物、スタナスオクトエート、スタナスオレエート、ジヅチルチンジラウレート、ジブチルチンジマレエート、オクチル酸鉛等の有機金属化合物、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノアルキル)ヘキサヒドロ−S−トリアジン、酢酸カリウム、オクチル酸カリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム等の3量化触媒が挙げられる。また前記発泡剤としては、水、HCFC−141b、HFC−134a、HFC−245faまたはHFC−365mfc等のハロゲン化炭化水素、シクロペンタン、イソペンタン、ノルマルペンタン等の炭化水素類、ノナフロロブチルメチルエーテル、ノナフロロイソブチルメチルエーテル、ノナフロロブチルエチルエーテル、ノナフロロイソブチルエチルエーテル、ペンタフロロエチルメチルエーテルまたはヘプタフロロイソプロピルメチルエーテル等のハイドロフルオロカーボン類或いは液化炭酸ガス等が用いられる。これら発泡剤のうち、水が汎用性等の点で一番好ましい。
【0025】
この他、前記整泡剤については、通常のポリウレタンフォームの製造にて通常使用されている物質が使用可能である。例えばジメチルシロキサン系、ポリエーテルジメチルシロキサン系またはフェニルメチルシロキサン系等の各種整泡剤が挙げられる。前記架橋剤としては、従来公知のエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の多価アルコール類、ヘキサメチレンジアミン、ヒドラジン、ジエチルトルエンジアミン、ジエチレントリアミン等のアミン類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミノアルコール類が挙げられる。そして前記鎖延長剤としては、ジエチルトルエンジアミン、ジメチルチオトルエンジアミンなどの多価アミン等が、前記難燃剤としては、トリス−ジクロロプロピルホスフェート、トリス−クロロエチルホスフェート、ジブロモネオペンチルアルコール、トリブロモネオペンチルアルコール等が、前記紫外線吸収剤としては、2−(2−ヒドロキシ−5−ターシャリーブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2’−(2’ヒドロキシ−3’,5’−ジターシャリーブチルフェニル)5クロロベンゾトリアゾール、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)セパケート、4−ベンゾイロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等が夫々挙げられる。この他、各種充填剤、難燃剤または着色剤等も用途等に応じて、適宜添加可能である。
【0026】
前記ガス吹き込み・攪拌工程S2は、前記ポリオール成分貯留工程S1で第1容器12内に投入・貯留されているポリオール成分に、所要量のガスGを吹き込み、更に前記攪拌機構16の使用により充分に溶存させる工程であり、後述([0032])する発泡原料製造工程S3での各原料の攪拌混合に対して、予備混合と捉えられる。ここで前記ポリオール成分に吹き込まれるガスGは、後述([0034])する発泡工程S4において、ポリオールおよびイソシアネートの反応により発生する発泡ガスの核となるものであり、該ガスGの吹き込み量が多いほど、得られるポリウレタン系発泡体のセル径は小さく(単位面積当たりのセルCの数が多く)なる。
【0027】
これはポリオールおよびイソシアネートが混合された発泡原料Mからの発泡ガスの発生機構から説明が可能である。この機構を以下説明すると、一般に液体内における気体の発生は、基本的に大きな駆動力、すなわち大きなエネルギーが必要とされ、通常の場合、該発生に要するエネルギーを持ち得た部位に瞬時に気泡が発生する。この発生は、所謂突沸のようなものであり、ランダムであって制御できるものではない。そして、図4(a)に示す如く、一体発生した発泡ガスの気泡は、後から発生する発泡ガスの核として作用するために、優先的に大きくなってしまう。また発泡原料Mから発生する発泡ガスの総量は一定であるため、前記核の数が少なければ最終的に存在する気泡数、すなわちセル数は少なく、また大きくなってしまう。更にこの突沸的なメカニズムで発生する発泡ガスは、前述の如く、その発生時期が特定できるものではなく、その発生時期にズレがあるほど最終的に形成されるセルCの直径(セル径)は異なったものとなってしまう(図4(a)参照)。
【0028】
これに対し、図4(b)に示す如く、予め発泡原料M中に気体の核となるべきものを予め用意できれば、該発泡原料Mから発生する発泡ガスを効率よくセルCとし得る。更に前記核を事前に用意することで、前述した核のランダムな発生を抑制し得るため、各核内に取り込まれる発泡ガスの量の均質化も可能となる。これは、最終的に形成されるセル径が均質となることを意味する(図4(b)参照)。
【0029】
このような機構により、前記ガスGの吹き込みは得られるポリウレタン系発泡体のセル径に大きな影響を与え、その吹き込み量を制御することで該セル径の制御を可能としている。ここで使用されるガスGとしては、吹き込まれるポリオール成分を化学的に変化させないものであることが必要であり、その心配のない、例えば乾燥空気、窒素等の不活性ガス等であれば何れでも採用可能である。そして前記ガスGのガス圧は0.1MPa以上に設定され、かつ注入に際してのガス流量が0.01〜5.0l/minの範囲に設定される。前記ガス圧については、好適なガスGの吹き込みに必要であり、この値を下回ると効率の良い吹き込みが困難となる。
【0030】
またガス流量については、0.01l/min未満であると、前述のガス圧と同様な問題が生じ、5.0l/minを越えると、前記ポリオール成分に対する好適な溶存が困難となり、単に気泡として該ポリオール成分中に存在することとなってしまい、その結果、イレギュラーとなる大きなセルCが形成され、ポリウレタン系発泡体をなす樹脂骨格の形成等に問題が生じる。この他、前記副原料として使用される界面活性剤、整泡剤等の種類によっては、前記ガス流量が5.0l/minを越えると、前記ガスGの吹き込みによりポリオール成分の泡立ちが発生してしまい、やはり良好な構造のポリウレタン系発泡体の製造が困難となる問題がある。なお、ガス圧の上限については、基本的に設定されない。これはガス圧が高くなるほど、前記ポリオール成分への吹き込みが高い溶存を可能とするためである。従って、一般的な工場施設等で、法規性等の問題から上限値として設定される0.6MPa程度では、殊に問題は生じない。
【0031】
そして前記ガスGのポリオール成分への吹き込み後には、前記攪拌機構16による攪拌が実施される(図3(b)参照)。攪拌については、その攪拌時間を60秒以内とすることが望ましい。この時間が60秒を越えても、一般にそれ以上の溶存をなし得ることは困難であり、逆に製造時間が長くなって製造コストが悪化するためである。この他、例えば湿度が高い等の製造環境によっては、前記ガスGとの長時間接触による、ポリオール成分の変質も問題とされる。またこの攪拌は、前記ガスGを吹き込みつつ実施とすることが製造時間の短縮等の要因からも望ましい。
【0032】
前記発泡原料製造工程S3は、前記ガス吹き込み・攪拌工程S2の実施により前記ガスGが吹き込まれて充分に溶存された状態となっているポリオール成分に対して、得るべきポリウレタン系発泡体となる発泡原料Mとするに足る他の原料、すなわちイソシアネート、まだポリオールに混合されていない不可欠な各副原料等を混合し、該発泡原料Mを得る工程である(図3(c)参照)。具体的には、前記第1容器12内に貯留されているガスGを吹き込み済みのポリオール成分に、計量された前記各原料を投入し、前記攪拌機構16の攪拌によりなされる。
【0033】
前記イソシアネートとしては、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗製ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート(TDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、P−フェニレンジイソシアネート(PPDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチレンジイソシアネート(TMXDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)等の芳香族イソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、シクロヘキシルジイソシアネート(CHDI)、水添化XDI(H6XDI)、水添化MDI(H12MDI)等の脂環族イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、リシンジイソシアネート(LDI)、リシントリイソシアネート(LTI)等の脂肪族イソシアネート類が挙げられる。また、その変性体としてはイソシアネート化合物のウレタン変性体、2量体、3量体、カルボジイミド変性体、アロファネート変性体、ビューレット変性体、ウレア変性体またはプレポリマー等が挙げられる。
【0034】
前記発泡工程S4は、前記第1容器12を移動機構24により所定距離上昇させ、得られた発泡原料Mを排出孔12aを介して前記第2容器14に排出させ、該第2容器14内で発泡反応を進行させる工程である(図3(d)参照)。この際、前記第1容器12の上方への移動距離は、前記発泡原料Mが排出孔12aから充分に排出されると共に、該発泡原料Mが第2容器14への落差を伴う排出により余分な気泡等を巻き込まない程度に設定される。また前記発泡原料Mは、ポリオール成分とイソシアネートとを混合した瞬間から発泡・硬化を始めるため、該発泡原料Mの排出はできるだけ速やかに実施する必要があり、通常は10秒以内で実施されている。
【0035】
ここまでの各工程S1〜S4を経ることで得られるポリウレタン系発泡体は、製品形状への加工および検査を行なう最終工程S5が実施されることで最終製品とされる。また前記製造装置10においては、全く同じ組成の原料を投入することで、そのバッチ毎にセル径の異なるポリウレタン系発泡体を製造し得るため、これまでのようにその都度、該製造装置10に付着した発泡原料Mの洗浄等を実施する必要がない。
【0036】
また前記各工程S1〜S4を経ることで得られるポリウレタン系発泡体は、物性的には該発泡体を形成するセルCの直径を40個/25.4mm以上、好適には50個/25.4mm以上に設定することが可能となる。一般に簡易な設備での製造が可能な大気圧開放下でのオープン発泡法である本バッチ発泡工法から得られるポリウレタン系発泡体は、その密度を40kg/m3以下、更には30kg/m3程度に設定することも可能である一方で、そのセル径を微細とすることがオープン発泡故に困難であった。しかし本発明に係る製造方法およびその装置によれば、前述の低密度を達成しつつ、かつそのセル径も微細なものとし得る。
【0037】
更に前記バッチ発泡工法は、大気圧開放下でのオープン発泡法であるが故、通常では前述([0027])した機構により、そのセル径の分布が広くなり、所謂単分散したセルCを有するポリウレタン系発泡体の製造が困難であった。この点も本発明に係る製造方法およびその装置の採用により、その分散度を小さく設定し得る。
【0038】
【実験例】
次に本発明に係るポリウレタン系発泡体の製造方法について、前記ガス吹き込み・攪拌工程S2において吹き込まれるガスGの流量等を変化させた場合に得られるポリウレタン系発泡体についての実験例を以下に示す。ポリウレタン系発泡体をなす発泡原料を得るための各原料として、以下に記載する物質を使用すると共に、以下の表1の条件でガスを吹き込んで該発泡原料を得、ここから実施例1および2並びに比較例1〜3に係るポリウレタン系発泡体を製造した。そして、得られたポリウレタン系発泡体から測定すべき物性に合わせた試験片を採取し、密度(kg/m3)、セル数(個/25.4mm(1inch))、硬度(N)および外観を夫々測定観察した。なお、前記各物性の測定は、JIS K 6400の規定に準じて実施し、外観は目視により確認して、良好:○、問題有り:×で表した。
【0039】
(使用した各原料)
・ポリオール:商品名 GP3000;三洋化成製
・イソシアネート:商品名 T−80;日本ポリウレタン製
・副原料
触媒A:商品名 33LV;エアープロダクツ製(アミン触媒)
触媒B:商品名 MRH110;城北化学製(スズ触媒)
整泡剤:商品名 B8110;ゴールドシュミット製
発泡剤:水
・ガス:乾燥エアー
【0040】
(詳細な製造方法)
前記ポリオール、触媒A、発泡剤および整泡剤を夫々100:0.3:3.7:1.0の重量比で混合して168kgに調整し、得られた調整物40kgに対して0.076kgのスズ触媒を混合してポリオール成分とした。そして得られたポリオール成分に対して、ガスを吹き込み・攪拌処理を施し、その後、前記調整物40kgに対して18.7kgの重量比となるようイソシアネートを混合して発泡原料とした。
・使用した製造装置に第1容器は100lであり、直径φ350mm、3枚羽根の攪拌羽根を備える攪拌手段をガス吹き込み・攪拌工程では500回転/分、60秒の条件で使用し、発泡原料製造工程では500回転/分、7秒の条件で使用した。なお、ポリウレタン系発泡体の製造に当たって、全原料の温度は22℃に設定した。
【0041】
【表1】
【0042】
(結果)
得られた結果を、以下の表1に併せて記す。この表1から、本発明に係るポリウレタン系発泡体の製造方法においては、ポリオール成分に吹き込むガスの流量を0.1〜0.5l/minの範囲に設定することで、従来のバッチ発泡工法では得られない、細かいセル径を有するポリウレタン系発泡体をその樹脂骨格を壊すことなく製造し得ることが確認された。また比較例2および3に係る目視による外観異常は、何れもイレギュラーなセル径を有する大きなセルの存在によるもので、樹脂骨格が部分的に欠損した状態となっており、得られたポリウレタン系発泡体には亀裂等が確認された。
【0043】
【発明の効果】
以上に説明した如く、本発明に係るポリウレタン系発泡体の製造方法およびその装置によれば、ポリウレタン系発泡体の原料となるポリオールおよびイソシアネートを混合するに先立ち、該ポリオールを含むポリオール成分に対して所要量のガスを吹き込むことで、該ポリウレタン系発泡体の原料となる発泡原料内にセルの基となる、所謂核の量を制御し得るため、これにより同一の物性を有し、任意のセル径を有するポリウレタン系発泡体をバッチ発泡工法により安価かつ大量に製造し得る。
【0044】
また得られるポリウレタン系発泡体については、40kg/m3以下の低密度と、40個/25.4mm以上となる微細かつ分散度の高いなセル径を有する構造とする効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施例に係るポリウレタン系発泡体の製造装置を示す概略斜視図である
【図2】実施例に係るポリウレタン系発泡体の製造方法を示すフローチャート図である。
【図3】図2に示した製造方法を、各工程毎の製造装置の様子を示した状態図である。
【図4】発泡原料にガスを吹き込まずに発泡させた際の該発泡原料内を示す状態図(a)と、発泡原料にガスを吹き込んで核として作用させて発泡させた際の該発泡原料内を示す状態図(b)である。
【図5】従来技術に係るスラブ発泡法によりポリウレタン系発泡体を製造する製造装置の概略図であり、(a)は連続スラブ発泡工法に係る製造装置、(b)はバッチ発泡工法に係る製造装置を夫々示す。
【図6】図5(b)に係る製造装置の製造時における第1容器の動きを示す概略図である。
【符号の説明】
12 第1容器
12a 排出孔
14 第2容器
15 供給管
15a 開口部
16 攪拌機構
16a 攪拌羽根
16b 回転軸
C セル
G ガス
M 発泡原料
【発明の属する技術分野】
この発明は、ポリウレタン系発泡体の製造方法およびその装置に関し、更に詳細には、ポリウレタン系発泡体をバッチ発泡により逐次製造する際に、該発泡体をなす原料の1つであるポリオールにガスを供給し、該ガスの存在により任意の気泡(セル)数、すなわちセル径を有するポリウレタン系発泡体を製造する方法およびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に寸法が大きなポリウレタン系発泡体は、スラブ発泡法による製造が好適である。。そして前記スラブ発泡法としては、連続スラブ発泡工法と、バッチ発泡工法(不連続発泡工法)との2種類が挙げられる。前記連続スラブ発泡工法をなす製造装置50は、図5(a)に示す如く、コンベアー52に連続的に繰り出される紙またはプラスチックフィルム等の移送体54上に、図示しない専用の発泡機で連続的に計量混合した発泡原料Mを原料チャンバー56を介して吐出ノズル58から吐出し、順次発泡硬化させる工法である。このようにポリウレタン系発泡体を製造する連続スラブ発泡工法は、その連続的な製造手法故に一品種の量産性に優れた方法である。
【0003】
これに対して前記バッチ発泡工法をなす製造装置60は、図5(b)に示す如く、所要の量が確保できる第1容器12に、計量がなされたポリオールおよびイソシアネート等の各原料を投入し、攪拌機構16により攪拌混合して発泡原料Mとした後、該原料Mを発泡用の第2容器14に吐出させて該容器12内で発泡硬化させる方法である。そして前記バッチ発泡工法においては、その都度、発泡させる原料の調整が容易であるため、多品種の少量生産に向いている、といった長所を有している。また前記バッチ発泡工法は、連続スラブ発泡工法に用いられる設備に較べて、前述した如くその構造が簡易であり、規模的に大きくする必要がないため、設備的に必要とされる初期コストは、該連続スラブ発泡工法の100分の1程度と安価である利点もある。
【0004】
ここで前記バッチ発泡工法を実施する製造装置60を構成する第1容器12は、得るべきポリウレタン系発泡体の各原料を充分に貯留し得る容量を有し、また貯留された各原料を効率よく投入し、攪拌し得るように上方に開口し、かつ下方が窄まった略円筒形状となっている。そして前記第1容器12の下方は、該容器14内部で得られた発泡原料Mを排出し得る排出孔12aが設けられている。前記攪拌機構16は、略円筒形状をなす前記第1容器12の中心軸に沿って配置され、その先端には攪拌手段である攪拌羽根16aが備えられており、図示しない制御手段により回転制御可能に構成されている。前記第2容器14は、前記第1容器12で一度に得られる発泡原料Mが発泡した際の体積以上の体積を有する上方に開口した矩形容器であり、前記排出孔12aから排出される該発泡原料Mを受け止めるように、該第1容器12の下方に位置している。
【0005】
そして前記第1容器12は、攪拌機構16と共に図示しない制御手段によって制御下に上下移動可能に構成されており、該第1容器12が最下方に位置する場合には、該容器14の開口した底部が前記第2容器14に当接した状態に維持されている。すなわち、図6に示す如く、前記第1容器12内で発泡原料Mを得る際には、前記排出孔12aは前記第2容器14により塞がれた状態となっており(図6(a)参照)、前記攪拌手段16により発泡原料Mが得られた後は、該第1容器12を上昇させることで該排出孔12aが開口状態となり、これにより該発泡原料Mが該排出孔12aを介して第2容器14内に順次排出されることになる(図6(b)参照)。前記第2容器14に排出された発泡原料Mは、時間の経過と共に発泡が進行し、最終的に該容器12の内部形状と略一致した外部形状を有するポリウレタン系発泡体が得られる。このポリウレタン系発泡体には、必要に応じて所定寸法への切断・研磨等の後処理や検査等が施されて最終製品となる。
【0006】
一方、同じ物性を発現するよう同一の材質から製造され、その単位面積あたりの気泡数、すなわちセル径の異なるポリウレタン系発泡体については、様々な理由から大きな需要があり、このため安定した生産が望まれている。ここでポリウレタン系発泡体の発泡機構を考えてみると、基本的に前記ポリオールに発泡剤を添加した後、これにイソシアネートを混合、反応させて発泡させる、所謂化学的発泡法が一般的である。そして前記化学的発泡法の場合、得られるポリウレタン系発泡体のセル径は、発泡初期に発泡原料M中に発生する微細な気泡、所謂気泡の発生の基となる核(以下、単に核という)の発生数と、ポリオール等とイソシアネートとの反応に際して発生するガスの量とによって大きく決定される。すなわち、▲1▼発泡前の発泡原料Mを所定の圧力下におく等することで溶存ガス量を増加させ、該原料Mを常圧下に戻す際に発生する前記核の量を制御するか、または▲2▼主原料であるポリオールに混合される副原料たる発泡剤の量を変化させるか、により、セル径の異なるポリウレタン系発泡体を製造している。なお本発明において溶存は、流体中に気体が溶解している状態だけでなく、微細な気泡として分散している状態も示すものとする。
【0007】
【発明が解決すべき課題】
このような方法により実施されるセル径の異なるポリウレタン系発泡体の製造は、前記連続スラブ発泡工法においては、製造中に連続的に供給される発泡原料Mの発泡チャンバー56内への吐出圧や、吐出ノズル58の開口径を制御することで容易にかつ連続的に達成可能である。しかしなから、前記バッチ発泡工法においては、また大気下に開放した状態で発泡がなされるため、前述の連続スラブ発泡工法の如き方法の実施、すなわち▲1▼の採用は不可能である。更に▲2▼の方法においては、セル径を制御する発泡剤の添加量に伴って、得られるポリウレタン系発泡体の物性も変化してしまうため、該物性を安定させるべく前記ポリオールに混合される界面活性剤の如き副原料の種類や添加量を変化させる必要がある。この得られるポリウレタン系発泡体の物性を同一に調整する手間は、その都度、各原料を混合して発泡原料Mとするバッチ発泡工法においては、多大な手間を必要とし製造効率を大きく悪化させるため実際の製造には供し得ない。この欠点は、前記ポリオールを始めとする各原料の供給を自動的になし得る設備を用いること等で対応可能であるが、この場合、その設備費が非常に高価なものとなり、前記バッチ発泡工法における初期投資コストが安価である、といった優位性が皆無となってしまう。
【0008】
またバッチ発泡工法で使用される前記製造装置60における第1容器12は、その都度、発泡される発泡原料Mが貯留されて製造に供されるため、異なるセル径のポリウレタン系発泡体を製造する発泡原料Mを製造する毎に充分な洗浄を実施する手間も必要となる。この充分な作業を実施しない場合、前記第1容器12の壁面等に付着した先に使用された発泡原料Mと、新たに製造するべき異なるセル径のポリウレタン系発泡体の後に使用される発泡原料Mとが混ざり、コンタミネーション等が発生する重大な問題が指摘される。この問題を放置した場合、得られるポリウレタン系発泡体の物性を略同一に設定できなくなってしまう。この他、前記第1容器12に主原料であるポリオールを投入後、イソシアネートと反応混合させる前にある一定時間攪拌(予備混合)することにより溶存ガス量を増加させておいて、ある程度のセルの基となる前記核を増加させ、セル数の増加を図ることは可能である。しかし、このような予備混合によって達成される溶存ガス量の増加は極微量であり、また予備混合に要する時間も10〜24時間と長くなることが一般的であるため、量産性が悪いだけでなく、前記核の制御が困難であるため安定して任意のセル径を有するポリウレタン系発泡体を得ることができなかった。
【0009】
【発明の目的】
この発明は、前述した従来技術に係るポリウレタン系発泡体の製造方法およびその装置に関して内在していた欠点に鑑み、これを好適に解決すべく提案されたものであって、ポリウレタン系発泡体の原料となるポリオールおよびイソシアネートを混合するに先立ち、該ポリオールを含むポリオール成分に対して所要量のガスを吹き込むことで、該ポリウレタン系発泡体の原料となる発泡原料内にセルの基となる、所謂核の量を制御し、これにより任意のセル径を有するポリウレタン系発泡体を製造し得る方法およびその装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本発明に係るポリウレタン系発泡体の製造装置は、主原料であるポリオールおよびイソシアネートと、所要の副原料とを貯留する第1容器と、貯留された各原料を攪拌して発泡原料とする攪拌機構と、前記第1容器の底部に設けられバッチ制御下に前記発泡原料の外部に排出する排出孔と、この排出孔から排出された前記発泡原料を受容して、該発泡原料の発泡を進行させる第2容器とからなるポリウレタン系発泡体の製造装置において、
前記第1容器に貯留される少なくとも前記ポリオールからなるポリオール成分に、所要量のガスを吹き込みする供給管を設けたことを特徴とする。
【0011】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の別の発明に係るポリウレタン系発泡体の製造方法は、主原料であるポリオールおよびイソシアネートと、所要の副原料とを第1容器中に注入し、これを攪拌して発泡原料をバッチ発泡させてポリウレタン系発泡体を製造する方法において、
前記ポリオールおよびイソシアネートと、所要の副原料との混合に先立ち、少なくとも該ポリオールからなるポリオール成分を第1容器中で攪拌して予備混合を行ない、
この予備混合の途中で所要量のガスを吹き込み、該ガスを核として作用させることで製造されるポリウレタン系発泡体におけるセルの直径の制御をなし得るようにしたことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係るポリウレタン系発泡体の製造方法およびその装置につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら製造方法の流れに従って以下説明する。なお、図5および図6を参照して説明した従来技術で既出の同一部材については、同じ符号を付して示し、その詳細説明は省略する。また本発明の説明において、主原料であるポリオールまたは該ポリオールに発泡剤等の副原料を添加したものポリオール成分と呼称する。
【0013】
本発明の好適な実施例に係るポリウレタン系発泡体の製造方法を実施する製造装置の一例を図1により説明する、前記製造装置10は、ポリウレタン系発泡体の主原料であるポリオールおよびイソシアネートと、所要の副原料とを貯留する第1容器12と、貯留された各原料を攪拌して発泡原料Mとする攪拌機構16と、該第1容器12で得られた発泡原料Mを受容して、該発泡原料Mの発泡を進行させる第2容器14とから基本的に構成される。そして前記第1容器12は、その上方が開口して前記各原料が容易に投入されるよう構成されると共に、その底部に常に開口した排出孔12aが開設されている。前記排出孔12aは、前記第1容器12内で攪拌により調整された発泡原料Mを該第1容器12から、前記第2容器14に対して排出するための孔である。
【0014】
前記第1容器12は、前述の如く、上方に開口すると共に、下方が窄まった略円筒形状をなしており、その略中央部である略円筒形状における軸心に回転軸16b(後述[0017])を同軸的に整列させるように前記攪拌機構16が支持部材18を介して配置されている。そして、前記攪拌機構16に取り付けられた本体ステー22を介して移動機構24に固定されており、該移動機構24により制御下に上下方向に自在に移動し得るように構成されている。また前記第1容器12の内部容量は、得るべきポリウレタン系発泡体の体積と発泡倍率とから算出された体積分の発泡原料Mを貯留し得る容積を有するように構成されている。このような構成とされることで前記第1容器12は、別途用意されている前記各原料を攪拌機構16により攪拌して発泡原料Mとすると共に、該発泡原料Mから得られるポリウレタン系発泡体のセル径を制御するためのガスGを吹き込みかつ充分に拡散させる役割を担うものである。
【0015】
前記第2容器14は、前記第1容器12の排出孔12aから排出される発泡原料Mを受容すべく、該排出孔12aの直下に配置される上方に開口した矩形形状の容器である。その容量は、前記第1容器12内に貯留し得る発泡原料Mの体積と発泡倍率とを乗じた得るべきポリウレタン系発泡体の体積以上となるようにされる。またその底面に対して、前記第1容器12の底部が接触することで、該底部に開口された排出孔12aが容易に密閉され得るように、該底面の排出孔12aとの接触位置に、所要の弾性率を有すると共に、通気性を有しない、例えばシート状のシリコーンフォームを配置するようにしてもよい。このような構成とされる前記第2容器14は、前記発泡原料Mを発泡・硬化させる、発泡容器としての役割を担う。そして得られるポリウレタン系発泡体の外部輪郭形状を規制する型枠としての役割も果たすため、最終的に製造されるポリウレタン系発泡体を材質とする製品に加工が容易な形状とされている。
【0016】
前記排出孔12aは、前記第1容器12の底部に設けられた開口部であり、攪拌によって得られる前記発泡原料Mを、該第1容器12から第2容器14に排出するために設けられている。本実施例においては、前記第1容器12が上方に移動することで排出孔12aが開口状態となり、複雑な制御等を実施しなくてもバッチ作業毎に得られる発泡原料Mを効率よく第2容器14に排出し得る構成となっているが、単なる開口構造ではなく、例えば制御下に開口し得る蓋部材を使用した構成としてもよい。
【0017】
前記攪拌機構16は、その先端の回転攪拌用の攪拌羽根16aと、該攪拌羽根16aを駆動する電気モータの如き駆動源20と、該攪拌羽根16aおよび駆動源20を接続する回転軸16bとから構成されている。前記攪拌羽根16aは、その直径が前記第1容器12の内壁に干渉しない範囲で最も大きくなるように設定され、該第1容器12内部に貯留される各原料の効率的な攪拌をなし得るようにされている。なお本実施例においては、前記攪拌羽根16aの駆動により攪拌される各原料は上方から下方に運ばれ、そして前記第1容器12の内壁の沿って下方から上方に運ばれる対流を形成するものである(図3(b) 参照)。
【0018】
そして前記第1容器12における所定位置には、攪拌中のポリオール成分に対して外部から所要のガスGを吹き込む供給管15が設けられている。前記供給管15は、その一方が図示しないガス供給源に接続され、他方の開口部15aが前記第1容器12に貯留される各原料の液面下に前記ガスGを供給し得るよう構成されている。前記供給管15および開口部15aの配置位置は、該開口部15aより吹き出されるガスGがポリオール成分中に効率よく溶存するよう、言い換えれば前記攪拌機構16により生ずる攪拌力を有効に利用し得るように設定される。本実施例において前記供給管15は、前記攪拌機構16の回転軸16bに対して近接した状態で平行に配置され、その先端である開口部15aの配置位置は前記攪拌羽根16aの上方に近接した位置に配設されている。
【0019】
なお本実施例において前記供給管15は、前記回転軸16bの回転を規制しないようベアリング等の手段を介在した位置決め部材16cにより、該回転軸16bに対して近接した状態で平行に配置されているが、殊にこの位置決め方法や配置位置に限定されるものではない。従って、例えば前記供給管15を、第1容器12の内壁に沿ってかつ前記攪拌羽根16aの回転に干渉しないように配置し、その開口部15aだけを前述の位置に設定するようにしてもよい。また前記開口部15aの配置位置についても、同じく限定されているわけではない。
【0020】
また前記開口部15aは、その開口面積が1〜100mm2の範囲になるように設定される。前記開口部15aから吹き出されるガスGの流量は、好適なセルCを備えるポリウレタン系発泡体、具体的には該ポリウレタン系発泡体内に形成されるセルCの直径、すなわちセル径が均質化するように設定されており(詳細は後述[0029])、その値から好適な該開口面積が算出されている。そして前記開口面積が1mm2未満の場合、ガスGの充分な吹き込みが困難となり、100mm2を越えると、前記ポリオール成分に対する溶存が好適に達成されず、単に気泡として該ポリオール成分中に存在することとなってしまい、その結果、イレギュラーとなる大きなセルCが形成され、ポリウレタン系発泡体をなす樹脂骨格も部分的に歪になる等の問題が生じる。
【0021】
【製造方法】
本発明の好適な実施例に係るポリウレタン系発泡体の製造方法について以下説明する。前記ポリウレタン系発泡体の製造方法は、図2および図3に示す如く、ポリオール成分貯留工程S1、ガス吹き込み・攪拌工程S2、発泡原料製造工程S3、発泡工程S4および最終工程S5から基本的に構成される。そしてこの中の工程S1〜S4を、前記製造装置10により繰り返し実施することで、バッチ処理によりポリウレタン系発泡体を製造するものである。なお、本製造方法を実施するに当たり、必要とされるポリオール、イソシアネートおよび発泡剤等の各種副原料は、所定の貯留タンク等に準備されているものとする。
【0022】
前記ポリオール成分貯留工程S1は、ポリウレタン系発泡体を製造する各原料のうち、ポリオールだけまたはポリオールと反応等を起こさない触媒等の副原料を混合したポリオール成分を、前記第1容器12に投入・貯留する工程である(図3(a)参照)。本ポリオール成分貯留工程S1で使用される各原料としては、前記ポリウレタン系発泡体の主原料であるポリオールと、必要に応じて所定量添加されるアミン触媒、スズ触媒等の重合触媒および発泡剤等の添加剤とが挙げられる。また前記添加剤については、必要に応じて架橋剤、整泡剤、鎖延長剤、難燃剤または紫外線吸収剤、酸化防止剤、老化防止剤、充填剤、可塑剤、着色剤、防黴剤または抗菌剤等が使用される。そして前記架橋剤としては、使用される前記主原料に合致する従来公知の物質が何れも使用可能である。なお前記副原料については、前記ポリオールとの混合により、該ポリオールを硬化させる等の、後述([0026])するガス吹き込み・攪拌工程S2実施の障害となる物質以外に限定される。
【0023】
主原料の1つとして使用される前記ポリオールとしては、一般にポリオールと呼称される水酸基を2個以上有する化合物、例えばポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール等が単一または混合されている物質が好適である。この他、水酸基の代わりにカルボン酸、アミン等の活性水素を有する化合物の併用も可能である。また前記イソシアネートとしては、通常使用されているイソシアネート基を2個以上有する芳香族系、脂肪族系、脂環族系の各種イソシアネート化合物、更には、イソシアネート化合物を変性して得られる変性イソシアネートが使用可能であり、また該イソシアネートを2種類以上併用するようにしてもよい。
【0024】
前記添加物のうち主要な物質について説明すると、前記触媒としては、従来公知の物質を使用する事が可能であり、例えばジメチルシクロヘキシルアミン、N−メチルジシクロヘキシルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、N−メチルモルフォリン、N−エチルモルフォリン、N−ジメチルベンジルアミン等の非反応型モノアミン、トリエチレンジアミン、テトラメチルヘキサメチレンジアミン、ビスジメチルアミノエチルエーテル、テトラメチルプロパンジアミン、ジメチルアミノエチルモルフォリン、テトラメチルエチレンジアミン、ジアゾビシクロウンデセン、2−メチル−1,4−ジアゾ(2,2,2)ビシクロオクタン等の非反応型ジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ペンタメチルジプロピレントリアミン等の非反応型トリアミン、ジメチルエタノールアミン、N−トリオキシエチレン−N,N−ジメチルアミン、N,N−ジメチル−N−ヘキサノールアミン等の反応型アミンまたはこれらの有機酸塩、1−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、1−ブチル−2−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物、スタナスオクトエート、スタナスオレエート、ジヅチルチンジラウレート、ジブチルチンジマレエート、オクチル酸鉛等の有機金属化合物、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノアルキル)ヘキサヒドロ−S−トリアジン、酢酸カリウム、オクチル酸カリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム等の3量化触媒が挙げられる。また前記発泡剤としては、水、HCFC−141b、HFC−134a、HFC−245faまたはHFC−365mfc等のハロゲン化炭化水素、シクロペンタン、イソペンタン、ノルマルペンタン等の炭化水素類、ノナフロロブチルメチルエーテル、ノナフロロイソブチルメチルエーテル、ノナフロロブチルエチルエーテル、ノナフロロイソブチルエチルエーテル、ペンタフロロエチルメチルエーテルまたはヘプタフロロイソプロピルメチルエーテル等のハイドロフルオロカーボン類或いは液化炭酸ガス等が用いられる。これら発泡剤のうち、水が汎用性等の点で一番好ましい。
【0025】
この他、前記整泡剤については、通常のポリウレタンフォームの製造にて通常使用されている物質が使用可能である。例えばジメチルシロキサン系、ポリエーテルジメチルシロキサン系またはフェニルメチルシロキサン系等の各種整泡剤が挙げられる。前記架橋剤としては、従来公知のエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の多価アルコール類、ヘキサメチレンジアミン、ヒドラジン、ジエチルトルエンジアミン、ジエチレントリアミン等のアミン類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミノアルコール類が挙げられる。そして前記鎖延長剤としては、ジエチルトルエンジアミン、ジメチルチオトルエンジアミンなどの多価アミン等が、前記難燃剤としては、トリス−ジクロロプロピルホスフェート、トリス−クロロエチルホスフェート、ジブロモネオペンチルアルコール、トリブロモネオペンチルアルコール等が、前記紫外線吸収剤としては、2−(2−ヒドロキシ−5−ターシャリーブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2’−(2’ヒドロキシ−3’,5’−ジターシャリーブチルフェニル)5クロロベンゾトリアゾール、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)セパケート、4−ベンゾイロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等が夫々挙げられる。この他、各種充填剤、難燃剤または着色剤等も用途等に応じて、適宜添加可能である。
【0026】
前記ガス吹き込み・攪拌工程S2は、前記ポリオール成分貯留工程S1で第1容器12内に投入・貯留されているポリオール成分に、所要量のガスGを吹き込み、更に前記攪拌機構16の使用により充分に溶存させる工程であり、後述([0032])する発泡原料製造工程S3での各原料の攪拌混合に対して、予備混合と捉えられる。ここで前記ポリオール成分に吹き込まれるガスGは、後述([0034])する発泡工程S4において、ポリオールおよびイソシアネートの反応により発生する発泡ガスの核となるものであり、該ガスGの吹き込み量が多いほど、得られるポリウレタン系発泡体のセル径は小さく(単位面積当たりのセルCの数が多く)なる。
【0027】
これはポリオールおよびイソシアネートが混合された発泡原料Mからの発泡ガスの発生機構から説明が可能である。この機構を以下説明すると、一般に液体内における気体の発生は、基本的に大きな駆動力、すなわち大きなエネルギーが必要とされ、通常の場合、該発生に要するエネルギーを持ち得た部位に瞬時に気泡が発生する。この発生は、所謂突沸のようなものであり、ランダムであって制御できるものではない。そして、図4(a)に示す如く、一体発生した発泡ガスの気泡は、後から発生する発泡ガスの核として作用するために、優先的に大きくなってしまう。また発泡原料Mから発生する発泡ガスの総量は一定であるため、前記核の数が少なければ最終的に存在する気泡数、すなわちセル数は少なく、また大きくなってしまう。更にこの突沸的なメカニズムで発生する発泡ガスは、前述の如く、その発生時期が特定できるものではなく、その発生時期にズレがあるほど最終的に形成されるセルCの直径(セル径)は異なったものとなってしまう(図4(a)参照)。
【0028】
これに対し、図4(b)に示す如く、予め発泡原料M中に気体の核となるべきものを予め用意できれば、該発泡原料Mから発生する発泡ガスを効率よくセルCとし得る。更に前記核を事前に用意することで、前述した核のランダムな発生を抑制し得るため、各核内に取り込まれる発泡ガスの量の均質化も可能となる。これは、最終的に形成されるセル径が均質となることを意味する(図4(b)参照)。
【0029】
このような機構により、前記ガスGの吹き込みは得られるポリウレタン系発泡体のセル径に大きな影響を与え、その吹き込み量を制御することで該セル径の制御を可能としている。ここで使用されるガスGとしては、吹き込まれるポリオール成分を化学的に変化させないものであることが必要であり、その心配のない、例えば乾燥空気、窒素等の不活性ガス等であれば何れでも採用可能である。そして前記ガスGのガス圧は0.1MPa以上に設定され、かつ注入に際してのガス流量が0.01〜5.0l/minの範囲に設定される。前記ガス圧については、好適なガスGの吹き込みに必要であり、この値を下回ると効率の良い吹き込みが困難となる。
【0030】
またガス流量については、0.01l/min未満であると、前述のガス圧と同様な問題が生じ、5.0l/minを越えると、前記ポリオール成分に対する好適な溶存が困難となり、単に気泡として該ポリオール成分中に存在することとなってしまい、その結果、イレギュラーとなる大きなセルCが形成され、ポリウレタン系発泡体をなす樹脂骨格の形成等に問題が生じる。この他、前記副原料として使用される界面活性剤、整泡剤等の種類によっては、前記ガス流量が5.0l/minを越えると、前記ガスGの吹き込みによりポリオール成分の泡立ちが発生してしまい、やはり良好な構造のポリウレタン系発泡体の製造が困難となる問題がある。なお、ガス圧の上限については、基本的に設定されない。これはガス圧が高くなるほど、前記ポリオール成分への吹き込みが高い溶存を可能とするためである。従って、一般的な工場施設等で、法規性等の問題から上限値として設定される0.6MPa程度では、殊に問題は生じない。
【0031】
そして前記ガスGのポリオール成分への吹き込み後には、前記攪拌機構16による攪拌が実施される(図3(b)参照)。攪拌については、その攪拌時間を60秒以内とすることが望ましい。この時間が60秒を越えても、一般にそれ以上の溶存をなし得ることは困難であり、逆に製造時間が長くなって製造コストが悪化するためである。この他、例えば湿度が高い等の製造環境によっては、前記ガスGとの長時間接触による、ポリオール成分の変質も問題とされる。またこの攪拌は、前記ガスGを吹き込みつつ実施とすることが製造時間の短縮等の要因からも望ましい。
【0032】
前記発泡原料製造工程S3は、前記ガス吹き込み・攪拌工程S2の実施により前記ガスGが吹き込まれて充分に溶存された状態となっているポリオール成分に対して、得るべきポリウレタン系発泡体となる発泡原料Mとするに足る他の原料、すなわちイソシアネート、まだポリオールに混合されていない不可欠な各副原料等を混合し、該発泡原料Mを得る工程である(図3(c)参照)。具体的には、前記第1容器12内に貯留されているガスGを吹き込み済みのポリオール成分に、計量された前記各原料を投入し、前記攪拌機構16の攪拌によりなされる。
【0033】
前記イソシアネートとしては、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗製ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート(TDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、P−フェニレンジイソシアネート(PPDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチレンジイソシアネート(TMXDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)等の芳香族イソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、シクロヘキシルジイソシアネート(CHDI)、水添化XDI(H6XDI)、水添化MDI(H12MDI)等の脂環族イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、リシンジイソシアネート(LDI)、リシントリイソシアネート(LTI)等の脂肪族イソシアネート類が挙げられる。また、その変性体としてはイソシアネート化合物のウレタン変性体、2量体、3量体、カルボジイミド変性体、アロファネート変性体、ビューレット変性体、ウレア変性体またはプレポリマー等が挙げられる。
【0034】
前記発泡工程S4は、前記第1容器12を移動機構24により所定距離上昇させ、得られた発泡原料Mを排出孔12aを介して前記第2容器14に排出させ、該第2容器14内で発泡反応を進行させる工程である(図3(d)参照)。この際、前記第1容器12の上方への移動距離は、前記発泡原料Mが排出孔12aから充分に排出されると共に、該発泡原料Mが第2容器14への落差を伴う排出により余分な気泡等を巻き込まない程度に設定される。また前記発泡原料Mは、ポリオール成分とイソシアネートとを混合した瞬間から発泡・硬化を始めるため、該発泡原料Mの排出はできるだけ速やかに実施する必要があり、通常は10秒以内で実施されている。
【0035】
ここまでの各工程S1〜S4を経ることで得られるポリウレタン系発泡体は、製品形状への加工および検査を行なう最終工程S5が実施されることで最終製品とされる。また前記製造装置10においては、全く同じ組成の原料を投入することで、そのバッチ毎にセル径の異なるポリウレタン系発泡体を製造し得るため、これまでのようにその都度、該製造装置10に付着した発泡原料Mの洗浄等を実施する必要がない。
【0036】
また前記各工程S1〜S4を経ることで得られるポリウレタン系発泡体は、物性的には該発泡体を形成するセルCの直径を40個/25.4mm以上、好適には50個/25.4mm以上に設定することが可能となる。一般に簡易な設備での製造が可能な大気圧開放下でのオープン発泡法である本バッチ発泡工法から得られるポリウレタン系発泡体は、その密度を40kg/m3以下、更には30kg/m3程度に設定することも可能である一方で、そのセル径を微細とすることがオープン発泡故に困難であった。しかし本発明に係る製造方法およびその装置によれば、前述の低密度を達成しつつ、かつそのセル径も微細なものとし得る。
【0037】
更に前記バッチ発泡工法は、大気圧開放下でのオープン発泡法であるが故、通常では前述([0027])した機構により、そのセル径の分布が広くなり、所謂単分散したセルCを有するポリウレタン系発泡体の製造が困難であった。この点も本発明に係る製造方法およびその装置の採用により、その分散度を小さく設定し得る。
【0038】
【実験例】
次に本発明に係るポリウレタン系発泡体の製造方法について、前記ガス吹き込み・攪拌工程S2において吹き込まれるガスGの流量等を変化させた場合に得られるポリウレタン系発泡体についての実験例を以下に示す。ポリウレタン系発泡体をなす発泡原料を得るための各原料として、以下に記載する物質を使用すると共に、以下の表1の条件でガスを吹き込んで該発泡原料を得、ここから実施例1および2並びに比較例1〜3に係るポリウレタン系発泡体を製造した。そして、得られたポリウレタン系発泡体から測定すべき物性に合わせた試験片を採取し、密度(kg/m3)、セル数(個/25.4mm(1inch))、硬度(N)および外観を夫々測定観察した。なお、前記各物性の測定は、JIS K 6400の規定に準じて実施し、外観は目視により確認して、良好:○、問題有り:×で表した。
【0039】
(使用した各原料)
・ポリオール:商品名 GP3000;三洋化成製
・イソシアネート:商品名 T−80;日本ポリウレタン製
・副原料
触媒A:商品名 33LV;エアープロダクツ製(アミン触媒)
触媒B:商品名 MRH110;城北化学製(スズ触媒)
整泡剤:商品名 B8110;ゴールドシュミット製
発泡剤:水
・ガス:乾燥エアー
【0040】
(詳細な製造方法)
前記ポリオール、触媒A、発泡剤および整泡剤を夫々100:0.3:3.7:1.0の重量比で混合して168kgに調整し、得られた調整物40kgに対して0.076kgのスズ触媒を混合してポリオール成分とした。そして得られたポリオール成分に対して、ガスを吹き込み・攪拌処理を施し、その後、前記調整物40kgに対して18.7kgの重量比となるようイソシアネートを混合して発泡原料とした。
・使用した製造装置に第1容器は100lであり、直径φ350mm、3枚羽根の攪拌羽根を備える攪拌手段をガス吹き込み・攪拌工程では500回転/分、60秒の条件で使用し、発泡原料製造工程では500回転/分、7秒の条件で使用した。なお、ポリウレタン系発泡体の製造に当たって、全原料の温度は22℃に設定した。
【0041】
【表1】
【0042】
(結果)
得られた結果を、以下の表1に併せて記す。この表1から、本発明に係るポリウレタン系発泡体の製造方法においては、ポリオール成分に吹き込むガスの流量を0.1〜0.5l/minの範囲に設定することで、従来のバッチ発泡工法では得られない、細かいセル径を有するポリウレタン系発泡体をその樹脂骨格を壊すことなく製造し得ることが確認された。また比較例2および3に係る目視による外観異常は、何れもイレギュラーなセル径を有する大きなセルの存在によるもので、樹脂骨格が部分的に欠損した状態となっており、得られたポリウレタン系発泡体には亀裂等が確認された。
【0043】
【発明の効果】
以上に説明した如く、本発明に係るポリウレタン系発泡体の製造方法およびその装置によれば、ポリウレタン系発泡体の原料となるポリオールおよびイソシアネートを混合するに先立ち、該ポリオールを含むポリオール成分に対して所要量のガスを吹き込むことで、該ポリウレタン系発泡体の原料となる発泡原料内にセルの基となる、所謂核の量を制御し得るため、これにより同一の物性を有し、任意のセル径を有するポリウレタン系発泡体をバッチ発泡工法により安価かつ大量に製造し得る。
【0044】
また得られるポリウレタン系発泡体については、40kg/m3以下の低密度と、40個/25.4mm以上となる微細かつ分散度の高いなセル径を有する構造とする効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施例に係るポリウレタン系発泡体の製造装置を示す概略斜視図である
【図2】実施例に係るポリウレタン系発泡体の製造方法を示すフローチャート図である。
【図3】図2に示した製造方法を、各工程毎の製造装置の様子を示した状態図である。
【図4】発泡原料にガスを吹き込まずに発泡させた際の該発泡原料内を示す状態図(a)と、発泡原料にガスを吹き込んで核として作用させて発泡させた際の該発泡原料内を示す状態図(b)である。
【図5】従来技術に係るスラブ発泡法によりポリウレタン系発泡体を製造する製造装置の概略図であり、(a)は連続スラブ発泡工法に係る製造装置、(b)はバッチ発泡工法に係る製造装置を夫々示す。
【図6】図5(b)に係る製造装置の製造時における第1容器の動きを示す概略図である。
【符号の説明】
12 第1容器
12a 排出孔
14 第2容器
15 供給管
15a 開口部
16 攪拌機構
16a 攪拌羽根
16b 回転軸
C セル
G ガス
M 発泡原料
Claims (8)
- 主原料であるポリオールおよびイソシアネートと、所要の副原料とを貯留する第1容器(12)と、貯留された各原料を攪拌して発泡原料(M)とする攪拌機構(16)と、前記第1容器(12)の底部に設けられパッチ制御下に前記発泡原料(M)の外部に排出する排出孔(12a)と、この排出孔(12a)から排出された前記発泡原料(M)を受容して、該発泡原料(M)の発泡を進行させる第2容器(14)とからなるポリウレタン系発泡体の製造装置において、
前記第1容器(12)に貯留される少なくとも前記ポリオールからなるポリオール成分に、所要量のガス(G)を吹き込む供給管(15)を設けた
ことを特徴とするポリウレタン系発泡体の製造装置。 - 前記攪拌機構(16)は、前記第1容器(12)における略中央部近傍に配置され、該第1容器(12)中のポリオール成分を回転攪拌する攪拌羽根(16a)を備える請求項1記載のポリウレタン系発泡体の製造装置。
- 前記供給管(15)は、前記攪拌羽根(16a)の回転軸(16b)に近接して開口している請求項2記載のポリウレタン系発泡体の製造装置。
- 前記供給管(15)における開口部(15a)の開口面積は、1〜100mm2の範囲に設定されている請求項1〜3の何れかに記載のポリウレタン系発泡体の製造装置。
- 主原料であるポリオールおよびイソシアネートと、所要の副原料とを第1容器(12)中に注入し、これを攪拌して発泡原料(M)をバッチ発泡させてポリウレタン系発泡体を製造する方法において、
前記ポリオールおよびイソシアネートと、所要の副原料との混合に先立ち、少なくとも該ポリオールからなるポリオール成分を第1容器(12)中で攪拌して予備混合を行ない、
この予備混合の途中で所要量のガス(G)を吹き込み、該ガス(G)を核として作用させることで製造されるポリウレタン系発泡体におけるセル(C)の直径の制御をなし得るようにした
ことを特徴とするポリウレタン系発泡体の製造方法。 - 前記ガス(G)は、そのガス圧が0.1MPa以上に設定され、かつ注入に際してのガス流量が0.01〜5.0l/minの範囲に設定される請求項5記載のポリウレタン系発泡体の製造方法。
- 前記ガス(G)の攪拌は、60秒以内に設定される請求項5または6記載のポリウレタン系発泡体の製造方法。
- 前記セル(C)の直径は、40個/25.4mm以上、好適には50個/25.4mm以上に設定される請求項5〜7の何れかに記載のポリウレタン系発泡体の製造方法。
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-
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