JP2005023184A - 樹脂組成物及びこれを用いた半導体装置 - Google Patents

樹脂組成物及びこれを用いた半導体装置 Download PDF

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広幸 川上
Reiko Yamaguchi
玲子 山口
Yoshihiro Nomura
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Abstract

【課題】ポリイミドと同様な樹脂特性の塗膜がイミド化工程を伴わず、250℃以下の乾燥条件の工程だけで得ることができ、高強度で、可とう性に優れた塗膜を得ることができる樹脂組成物と半導体装置を提供する。
【解決手段】(A)室温で極性溶媒に可溶な芳香族熱可塑性樹脂、(B)室温で極性溶媒に不溶であるが、加熱することにより可溶な芳香族熱可塑性樹脂、及び極性溶媒を含有してなる樹脂組成物において、(A)室温で極性溶媒に可溶な芳香族熱可塑性樹脂が(a)芳香族ポリイソシアネート、(b)酸無水物基を有する3価のポリカルボン酸、及び(c)下記一般式(I)
【化1】
Figure 2005023184

(式中、aは0〜20、bは0〜70、cは1〜90の整数であり、R1及びR2は水素またはC1〜C3のアルキル基である)
で表されるジカルボン酸の混合物を極性溶媒中で反応させることを特徴とする変性ポリアミドイミド樹脂である樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、密着性、耐熱性及び可とう性に優れた樹脂組成物及びこれを用いた半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、耐熱性及び機械特性に優れたポリイミド、ポリアミドイミド又はポリアミド樹脂等が、エレクトロニクス等の分野で半導体素子の表面保護層や層間絶縁膜として広く使われている。最近、これら表面保護膜や層間絶縁膜の製造方法としてスクリーン印刷やディスペンス塗布が注目されている。スクリーン印刷を可能にする材料は、結合材として耐熱性のあるポリイミド樹脂等のワニスに、フィラーを分散し、ペーストとしたものが挙げられる。この材料のフィラーは、 ペーストにチキソトロピー性を付与する効果を与える。このフィラーとしては、シリカ微粒子や耐熱性のある非溶解性ポリイミド微粒子を用いる方法がある。しかしこれらは、加熱乾燥時にフィラー界面に多数の空隙や気泡が残留したり、膜強度が低いといった問題がある。これらを解決するために、特許文献1あるいは特許文献2に記載された耐熱樹脂ペーストが開発されている。これは、ポリアミック酸の結合材中に、ポリアミック酸のフィラーが分散されたペーストで、加熱乾燥時にフィラーが先ず溶解し、次いで結合材に相溶し、成膜時には均一な塗膜になるものである。しかしながら、イミド化工程を必要とするために、300℃以上の硬化条件が必要である。また、弾性率が高く、可とう性が劣るといった問題がある。また、他のポリイミドペーストにおいても同様の問題を抱えている。これらの問題を解決するため、さらに可とう性を向上した低弾性の樹脂ペーストが特許文献3に記載されているが、半導体素子の更なる薄型化に対応するため樹脂ペーストの更なる低弾性化が要求されてきている。
【0003】
【特許文献1】特許第2697215号公報
【特許文献2】特許第3087290号公報
【特許文献3】特開2001−323174号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ポリイミドと同様な樹脂特性の塗膜がイミド化工程を伴わず、250℃以下の乾燥条件の工程だけで得ることができ、さらに高強度で、可とう性に優れた塗膜を得ることができる樹脂組成物及びこれを用いた半導体装置を提供するものである。
【0005】
【問題を解決するための手段】
(1)本発明は、(A)室温で極性溶媒に可溶な芳香族熱可塑性樹脂、(B)室温で極性溶媒に不溶であるが、加熱することにより可溶な芳香族熱可塑性樹脂及び極性溶媒を含有してなる樹脂組成物において、(A)室温で極性溶媒に可溶な芳香族熱可塑性樹脂が(a)芳香族ポリイソシアネート(b)酸無水物基を有する3価のポリカルボン酸及び(c)下記一般式(I)
【化10】
Figure 2005023184
(式中、aは0〜20、bは0〜70、cは1〜90の整数であり、R1及びR2は水素またはC1〜C3のアルキル基である)
で表されるジカルボン酸の混合物を極性溶媒中で反応させることを特徴とする変性ポリアミドイミド樹脂である樹脂組成物に関する。
(2)また、本発明は、(B)室温で極性溶媒に不溶であるが、加熱することにより可溶な芳香族熱可塑性樹脂が(d)下記一般式(II)、
【化11】
Figure 2005023184
(式中、R、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜9のアルキル基、炭素数1〜9のアルコキシル基又はハロゲン原子を示す。Yは単結合、−O−、−S−、−C(=O)−、−SO−、−S(=O)−又は化12で表される基を示し、繰り返し単位毎に相違しても良い)
【化12】
Figure 2005023184
(式中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、ハロゲン原子又はフェニル基を示す)
で表される芳香族ジアミン化合物、(e)脂肪族及び/又は脂環式ジアミン化合物、(f)ジカルボン酸又はその反応性酸誘導体及び/又はトリカルボン酸又はその反応性酸誘導体及び(g)下記一般式(III)
【化13】
Figure 2005023184
(式中、Yは単結合、−O−、−S−、−C(=O)−、−SO−、−S(=O)−又は化14で表される基、又は2価の芳香族炭化水素基、脂肪族炭化水素基又は脂環式炭化水素基を示し、繰り返し単位毎に相違しても良い)
【化14】
Figure 2005023184
(式中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、ハロゲン原子又はフェニル基を示す)
で表されるテトラカルボン酸二無水物を極性溶媒中で反応させることを特徴とするポリエーテルアミドイミド樹脂である(1)記載の樹脂組成物に関する。
(3)また、本発明は、(B)室温で極性溶媒に不溶であるが、加熱することにより可溶な芳香族熱可塑性樹脂が(d)下記一般式(II)、
【化15】
Figure 2005023184
(式中、R、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜9のアルキル基、炭素数1〜9のアルコキシル基又はハロゲン原子を示す。Yは単結合、−O−、−S−、−C(=O)−、−SO−、−S(=O)−又は化16で表される基を示し、繰り返し単位毎に相違しても良い)
【化16】
Figure 2005023184
(式中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、ハロゲン原子又はフェニル基を示す)
で表される芳香族ジアミン化合物、(f)ジカルボン酸又はその反応性酸誘導体及び/又はトリカルボン酸又はその反応性酸誘導体及び(g)下記一般式(III)
【化17】
Figure 2005023184
(式中、Yは単結合、−O−、−S−、−C(=O)−、−SO−、−S(=O)−又は化18で表される基、又は2価の芳香族炭化水素基、脂肪族炭化水素基又は脂環式炭化水素基を示し、繰り返し単位毎に相違しても良い)
【化18】
Figure 2005023184
(式中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、ハロゲン原子又はフェニル基を示す)
で表されるテトラカルボン酸二無水物を極性溶媒中で反応させることを特徴とするポリエーテルアミドイミド樹脂である(1)〜(2)のいずれか1項記載の樹脂組成物に関する。
(4)また、本発明は、(e)脂肪族及び/又は脂環式ジアミン化合物がジアミノシロキサンを含有する(1)〜(3)のいずれか1項記載の樹脂組成物に関する。
(5)また、本発明は、(A)室温で極性溶媒に可溶な芳香族熱可塑性樹脂をフィルム化した場合の引張試験における引張弾性率が25℃で1GPa以下であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項記載の樹脂組成物に関する。
(6)また、本発明は、ゴム弾性を有する低弾性フィラー又は液状ゴムを含有する(1)〜(5)のいずれか1項記載の樹脂組成物に関する。
(7)また、本発明は、ゴム弾性を有する低弾性フィラーが表面を化学修飾したものである(6)記載の樹脂組成物に関する。
(8)また、本発明は、低弾性フィラーの表面がエポキシ基で化学修飾された(6)〜(7)のいずれか1項記載の樹脂組成物に関する。
(9)また、本発明は、粘度が1〜1000Pa・sの範囲にあり、チキソトロピー係数が1.2以上で、精密パターンが形成可能な(1)〜(8)のいずれか1項記載の樹脂組成物に関する。
(10)また、本発明は、(1)〜(9)のいずれか1項記載の樹脂組成物を用いた半導体装置に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の目的は、高強度で弾性率が低く、可とう性に優れた膜がイミド化工程を伴わず、250℃以下の溶媒乾燥の工程だけで得ることができる樹脂組成物を提供することにある。
【0007】
また、本発明の目的は、極性溶媒に室温では不溶であるが、加熱することにより可溶な芳香族熱可塑性樹脂により、樹脂組成物のチキソトロピーを付与し、スクリーン印刷、ディスペンス塗布等で、精密パターンが形成可能な樹脂組成物を提供することにある。
【0008】
本発明における極性溶媒とは、有極性分子から構成される溶媒であれば特に制限は無いが、例えば、アルコール類、カルボン酸等のように解離して容易にプロトンを放出するプロトン性溶媒や、解離してプロトンを生じない非プロトン性溶媒などが挙げられる。好ましくは、アセトニトリル、ジメトキシエタン、N,N−ジメチルヒルムアミド、N,N−ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン等の非プロトン性溶媒、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジプロピルエーテル、トリエチレングリコールジブチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジプロピルエーテル、テトラエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類が使用できる。
【0009】
また、本発明における室温とは、特に温度の指定や調節を行わないで処理する場合や試料や物質を室内に放置しておいたような場合の温度条件を示し、特に制限されないが、10〜40℃の範囲内の温度が好ましい。また、加熱とは室温以上に昇温することで、特に温度に制限されないが、50℃以上に昇温することが好ましい。
【0010】’
本発明の(A)室温で極性溶媒に可溶な芳香族熱可塑性樹脂に用いられる(a)芳香族ポリイソシアネートとしては特に制限が無く、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリシレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’−[2,2−ビス(4−フェノキシフェニル)プロパン]ジイソシアネート、ビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、ビフェニル−3,3’−ジイソシアネート、ビフェニル−3,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、2,2’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジエチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、2,2’−ジエチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、2,2’−ジメトキシビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、ナフタレン−2,6−ジイソシアネート等が挙げられる。これらは単独で、あるいは組み合わせて使用することができる。必要に応じてこの一部をヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、水添m−キシレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族、脂環式イソシアネート及び3官能以上のポリイソシアネートに置き換えて使用してもよく、経日変化を避けるために適当なブロック剤で安定化したものを使用してもよい。
【0011】
また、(b)成分の酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体としては、例えば、例えば、一般式(IV)及び(V)
【化19】
Figure 2005023184
【化20】
Figure 2005023184
(式中、Rは水素原子、アルキル基又はフェニル基を示し、Yは−CH2−、−CO−、−SO2−又は−O−を示す)
で表される化合物が挙げられ、トリメリット酸無水物が、耐熱性、コスト面等で好ましい。
【0012】
また、これらの他に必要に応じて、テトラカルボン酸二無水物(ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−スルホニルジフタル酸二無水物、m−ターフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、4,4,−オキシジフタル酸二無水物、1,1,1,3,3,3,−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2,−ビス[4,(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、1,1,1,3,3,3,−ヘキサフルオロ−2,2−ビス[4−(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ−〔2,2,2〕−オクト−7−エン−2:3:5:6−テトラカルボン酸二無水物等)、脂肪族ジカルボン酸(コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、スベリン酸、セバシン酸、デカン二酸、ドデカン二酸、ダイマー酸等)、芳香族ジカルボン酸(イソフタル酸、テレフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、オキシジ安息香酸等)などを使用することができる。これらの使用量は、(b)成分及び(c)成分の総量に対して、50モル%未満とすることが好ましい。
【0013】
本発明における(c)上記一般式(I)で表されるジカルボン酸としては、下記一般式(VI)
【化21】
Figure 2005023184
(式中、a、b、c、R1及びR2は一般式(I)と同意義である。)で表されるジアミンとトリメリット酸無水物を無溶媒あるいは有機溶媒中で反応させて、下記一般式(VII)
【化22】
Figure 2005023184
(式中、a、b、c、R1及びR2は一般式(I)と同意義である。)で表される化合物を得た後、加熱脱水閉環することにより得ることができる。
上記一般式(VI)で表されるジアミンとしては、例えば、サン テクノケミカル(株)製、商品名、 ジェファーミン D−230、D−400、D−2000、D−4000、ED−600、ED−900、ED−2001、EDR−148等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0014】
上記一般式式(VII)で表されるジアミンとトリメリット酸無水物の使用割合は、2:1(モル比)とすることが好ましい。
【0015】
上記一般式(VII)で表される化合物を得るための反応は、0〜150℃とすることが好ましく、反応時間は、バッチの規模、採用される反応条件等により適宜選択することができる。
【0016】
上記一般式(VII)で表される化合物を加熱脱水閉環して一般式(I)で表されるジカルボン酸とする反応は、50〜250℃とすることが好ましく、脱水閉環し易くするために、減圧反応とすることもできる。
【0017】
上記一般式(VII)で表される化合物を得るための反応と一般式(I)で表されるジカルボン酸を得るための反応は、段階的に行うことも連続的に行うこともできるが、コスト面を考慮すれば、連続で行うことが好ましい。
【0018】
使用できる有機溶媒としては、例えば、ケトン系溶媒(メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、エステル系溶媒(酢酸エチル、酢酸ブチル、γ−ブチロラクトン等)、エーテル系溶媒(ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル等)、セロソルブ系溶媒(ブチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート等)、芳香族炭化水素系溶媒(トルエン、キシレン、p−シメン等)、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホランなどが挙げられるが、溶解性、沸点、コスト面を考慮すれば、その後の変性ポリアミドイミド樹脂の製造で使用する非含窒素系極性溶媒を使用するのが好ましく、無溶媒で反応を行うのがさらに好ましい。
【0019】
本発明において(b)成分の酸無水物基を有する3価のカルボン酸の誘導体と(c)成分の一般式(I)で表されるジカルボン酸の反応割合は、(b)成分/(c)成分(モル比)を0.1/0.9〜0.9/0.1とすることが好ましく、0.2/0.8〜0.8/0.2とすることがより好ましく、0.3/0.7〜0.7/0.3とすることが特に好ましい。0.1/0.9未満では耐熱性等が低下する傾向があり、0.9/0.1を超えると、可とう性が低下する傾向がある。
【0020】
本発明における(a)成分と(b)成分及び(c)成分の使用量は、カルボキシル基のモル数及び酸無水物基のモル数の合計に対するイソシアネート基のモル数の比率を0.7〜1.5とすることが好ましく、1.0付近とすることがより好ましい。0.7未満又は1.5を超えると、樹脂の分子量を高くすることが困難となる傾向がある。
【0021】
本発明の変性ポリアミドイミド樹脂の製造法における反応は、非含窒素系極性溶媒中で、遊離発生してくる炭酸ガスを反応系より除去しながら加熱縮合することにより行われる。
【0022】
反応温度は、80〜200℃とすることが好ましく、100〜180℃とすることがより好ましい。反応時間は、バッチの規模、採用される反応条件により適宜選択することができる。
【0023】
反応に使用される非含窒素系極性溶媒としては、例えば、シクロヘキサノン、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、γ−ブチロラクトン、スルホラン等が好ましく用いられるが、高揮発性であって低温硬化性を付与できるγ−ブチロラクトンが最も好ましい。
【0024】
非含窒素系極性溶媒の使用量は、生成する変性ポリアミドイミド樹脂の1.0〜5.0倍(重量比)とすることが好ましい。1.0倍未満では、合成時の粘度が高すぎて、撹拌不能により合成が困難となる傾向があり、5.0倍を超えると、反応速度が低下する傾向がある。
【0025】
本発明の変性ポリアミドイミド樹脂の数平均分子量(GPC法で測定し、標準ポリスチレンによる検量線を用いて算出)は、4,000〜30,000とすることが好ましく、5,000〜28,000とすることがより好ましい。数平均分子量が、4,000未満では、耐熱性等が低下する傾向があり、30,000を超えると、非含窒素系溶媒に溶解しにくくなり、合成中に不溶化しやすい。
【0026】
また、本発明の変性ポリアミドイミド樹脂の酸価(KOHmg/g)は、1〜60であることが好ましく、5〜50であることがより好ましく、10〜50であることが特に好ましい。酸価が、1未満では、耐熱性等が低下する傾向があり、60を超えると、粘度安定性が劣る傾向がある。また、合成終了後に、樹脂末端のイソシアネート基を、アルコール類、ラクタム類、オキシム類等のブロック剤でブロックすることもできる。
【0027】
本発明に使用される変性ポリアミドイミド樹脂組成物は、変性ポリアミドイミド樹脂を上記した有機溶媒で樹脂分が20〜40重量%となるように希釈した後、ポリブロックイソシアネート化合物を添加することにより製造することもできる。
【0028】
ポリブロックイソシアネート化合物としては、特に制限はなく、例えば、住友バイエルウレタン(株)製、商品名、デスモジュール BL3175、APステーブル、AP−12ステーブル、CTステーブル、BL1100、BL1190、BL1265、AP−2170ステーブル、BL4165、TPLS−2759、デスモカップ 11、12、クレラン UT、UI、U12、TPKL5−2668、TPLS−2727、デスモサーム 2170、2265、日立化成工業(株)製、商品名、 WD 2502等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。ポリブロックイソシアネート化合物の添加方法としては、添加するポリブロックイソシアネート化合物を予めポリアミドイミド樹脂に含まれる溶媒と同一の溶媒に溶解してから添加することができ、直接ポリアミドイミド樹脂に添加することもできる
【0029】
本発明に使用される変性ポリアミドイミド樹脂をフィルム化した場合の引張試験における引張弾性率が25℃で1GPa以下であり、好ましくは0.01GPa〜0.8GPaである。引張弾性率が1GPaを超えると、得られる樹脂組成物の室温付近での弾性率低下効果が十分でなく、温度サイクルテストを行った際の劣化が大きくなる傾向がある。
【0030】
また、本発明に使用される変性ポリアミドイミド樹脂をフィルム化した場合の熱機械分析におけるガラス転移温度(Tg)は0〜300℃であり、好ましくは10℃〜300℃であり、さらに好ましくは10℃〜250℃である。Tgが0℃未満だと得られる樹脂組成物の耐熱性が低下する傾向があり、300℃を超えると密着性に劣る傾向がある
【0031】
本発明の(B)室温で極性溶媒に不溶であるが、加熱することにより可溶な芳香族熱可塑性樹脂であるポリエーテルアミドイミド樹脂とは、下記化23のエーテルと化24、化25又は化26のアミド基又はイミド基を繰り返し単位として含んでなる樹脂が好ましい。
【化23】
Figure 2005023184
【化24】
Figure 2005023184
(ここで、B1は3価の芳香族炭化水素基、脂肪族炭化水素基又は脂環式炭化水素基を示す)
【化25】
Figure 2005023184
(ここで、B2は2価の芳香族炭化水素基、脂肪族炭化水素基又は脂環式炭化水素基を示す)
【化26】
Figure 2005023184
(ここで、B3は4価の芳香族炭化水素基、脂肪族炭化水素基又は脂環式炭化水素基を示す)
【0032】
本発明における前記一般式(II)で表されるエーテル結合を有する芳香族ジアミン化合物としては、例えば、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔3−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、2,2−ビス〔3−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、2,2−ビス〔3,5−ジメチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、2,2−ビス〔3,5−ジブロモ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス〔3−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,1−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕シクロヘキサン、1,1−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕シクロペンタン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、4,4’−カルボニルビス(p−フェニレンオキシ)ジアニリン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル等が挙げられるが、これらの中でも2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパンが好ましい。必要に応じて、上記の芳香族ジアミン化合物は2種以上を組合せて用いることができる。
【0033】
本発明において、一般式(II)で表される芳香族ジアミン化合物は、ジアミン成分の総量に対して0.1〜99.9モル%が好ましく、15〜99.9モル%がより好ましく、30〜99.9モル%がさらにに好ましい。
【0034】
本発明における(e)脂肪族及び/又は脂環式ジアミン化合物としては、アミノ基が脂肪族又は脂環式炭化水素に結合している化合物であれば、特に制限はないが、例えば、1,2−ジアミノエタン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、メチルペンタメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン化合物、1,2−ジアミノシクロヘキサン、メチレンジアミノシクロヘキサミン、ノルボルナンジアミン等の脂環式ジアミン化合物、ジアミノシロキサン、主鎖がエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの共重合体であるジアミン化合物、主鎖がゴムであるジアミン化合物が挙げられる。必要に応じて、上記の脂肪族又は脂環式ジアミン化合物は2種以上を組合せて用いることができる。
【0035】
本発明において、脂肪族又は脂環式ジアミン化合物は、ジアミン成分の総量に対して0.1〜95モル%が好ましく、0.1〜90モル%がより好ましく、0.1〜85モル%がさらに好ましい。
【0036】
本発明における前記ジカルボン酸又はその反応性酸誘導体としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ビメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、オキシジ安息香酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸及びこれらの反応性酸誘導体等を挙げることができるが、テレフタル酸、イソフタル酸及びこれらの反応性酸誘導体が入手容易であり好ましい。必要に応じて、上記のジカルボン酸又はその反応性酸誘導体は2種以上を組合せて用いることができる。
【0037】
また、前記トリカルボン酸又はその反応性酸誘導体としては、トリメリット酸、3,3,4’−ベンゾフェノントリカルボン酸、2,3,4’−ジフェニルトリカルボン酸、2,3,6−ピリジントリカルボン酸、3,4,4’−ベンズアニリドトリカルボン酸、1,4,5−ナフタレントリカルボン酸、2’−メトキシ−3,4,4’−ジフェニルエーテルトリカルボン酸、2’−クロロベンズアニリド−3,4,4’トリカルボン酸等を挙げることができる。また、前記トリカルボン酸の反応性誘導体としては、前記芳香族トリカルボン酸の酸無水物、ハライド、エステル、アミド、アンモニウム塩等があり、これらの例としては、トリメリット酸無水物、トリメリット酸無水物モノクロライド、1,4−ジカルボキシ−3−N,N−ジメチルカルバモイルベンゼン、1,4−ジカルボメトキシ−3−カルボキシベンゼン、1,4−ジカルボキシ−3−カルボフェノキシベンゼン、2,6−ジカルボキシ−3−カルボメトキシピリジン、1,6−カルボキシ−5−カルバモイルナフタレン、前記芳香族トリカルボン酸とアンモニア、ジメチルアミン、トリエチルアミン等からなるアンモニウム塩類等を挙げることができるが、これらの中でもトリメリット酸無水物及びトリメリット酸無水物モノクロライドが好ましい。必要に応じて、上記のトリカルボン酸又はその反応性酸誘導体は2種以上を組合せて用いることができる。
【0038】
前記の一般式(III)で表されるテトラカルボン酸二無水物又はその反応性酸誘導体としては、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、3,4,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,2’,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジメチルシラン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メチルフェニルシラン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジフェニルシラン二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェニルジメチルシリル)ベンゼン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシクロヘキサン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、4,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物等のテトラカルボン酸二無水物及びこれらの反応性酸誘導体等が挙げられる。ここでは3,4,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物又はビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物が好ましい。また、必要に応じて、上記のテトラカルボン酸又はその反応性酸誘導体は2種以上を組合せて用いることができる。
【0039】
本発明において、ジカルボン酸又はその反応性酸誘導体、トリカルボン酸又はその反応性酸誘導体及び一般式(III)で表されるテトラカルボン酸二無水物又はその反応性酸誘導体、いわゆる酸成分の総量はジアミン成分の総量に対して80〜150モル%使用するのが好ましく、90〜150モル%がより好ましい。この使用量が80モル%より少ないか、150モル%を超えると、得られるポリエーテルアミドイミド樹脂の分子量が向上しにくくなる傾向があり、得られる樹脂組成物の耐熱性が低下する傾向がある。
【0040】
本発明において使用することができるジアミノシロキサン化合物としては、下記一般式(VIII)
【化27】
Figure 2005023184
(式中、R及びRは炭素原子数1〜30の二価の炭化水素基を示し、それぞれ同一でも異なっていてもよく、R及びRは一価の炭化水素基を示し、それぞれ同一でも異なっていてもよく、mは1以上の整数である)
で表されるものだったら特に制限は無く、例えば、信越化学工業製、商品名、X−22−161AS、X22−161A、X−22−161B、東レ・ダウコーニングシリコーン製、商品名、BY16−853U、BY16−853、BY16−853B、東芝シリコーン製、商品名、TSL9386、TSL9346、TSL9306、日本ユニカー製、商品名、F2−053−01等が挙げられる。必要に応じて、ジアミノシロキサンは2種以上を組み合せて用いることができる。
【0041】
本発明において、ジアミノシロキサン化合物はジアミン成分の総量に対して0.1〜99.9モル%が好ましく、0.1〜95モル%がより好ましく、0.1〜90モル%がさらに好ましい。
【0042】
また、本発明の(B)室温で極性溶媒に不溶であるが、加熱することにより可溶な芳香族熱可塑性樹脂であるポリエーテルアミドイミド樹脂の成分として、一般式(II)で示した化合物以外の芳香族ジアミン化合物を使用することもできる。芳香族ジアミン化合物としては、特に制限あ無く、例えば、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、ジアミノ−m−キシリレン、ジアミノ−p−キシリレン、1,4−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、2,7−ナフタレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、o−トリジン、2,4−トリレンジアミン、1,3−ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス−(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス−(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス−[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、4,4’−ビス−(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、2,2−ビス(4−アミノフェニル)−プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ジメチル−ベンジジン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−ベンジジン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラエチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラn−プロピルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトライソプロピルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラブチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチル−5,5’−ジイソプロピルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−5,5’−ジイソプロピルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,5−ジメチル−3’,5’−ジエチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,5−ジメチル−3’,5’−ジイソプロピルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,5−ジエチル−3’,5’−ジイソプロピルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,5−ジエチル−3’,5’−ジブチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,5−ジイソプロピル−3’,5’−ジブチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジイソプロピル−5,5’−ジブチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチル−5,5’−ジブチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−5,5’−ジブチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジn−プロピルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジイソプロピルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジブチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5−トリメチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5−トリエチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5−トリn−プロピルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5−トリイソプロピルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5−トリブチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3−メチル−3’−エチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3−メチル−3’−イソプロピルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3−エチル−3’−イソプロピルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3−エチル−3’−ブチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3−イソプロピル−3’−ブチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニル)イソプロパン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(3,3’,5,5’−テトラエチルジフェニル)イソプロパン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(3,3’,5,5’−テトラn−プロピルジフェニル)イソプロパン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(3,3’,5,5’−テトライソプロピルジフェニル)イソプロパン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(3,3’,5,5’−テトラブチルジフェニル)イソプロパン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラエチルジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラn−プロピルジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトライソプロピルジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラブチルジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラエチルジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラn−プロピルジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトライソプロピルジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラブチルジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニルケトン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラエチルジフェニルケトン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラn−プロピルジフェニルケトン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトライソプロピルジフェニルケトン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラブチルジフェニルケトン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラメチルベンズアニリド、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラエチルベンズアニリド、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラn−プロピルジベンズアニリド、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトライソプロピルベンズアニリド、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラブチルベンズアニリド、メタトルイレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、1,4−ビス(4−アミノクミル)ベンゼン(BAP)、1,3−ビス(4−アミノクミル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン等が挙げられる。必要に応じて、上記の芳香族ジアミン化合物は2種以上を組み合せて用いることができる。
【0043】
本発明におけるポリエーテルアミドイミド樹脂の合成に際しては、ジアミン成分と酸成分との反応に用いられている公知の方法をそのまま採用することができ、諸条件についても特に制限はなく、公知の方法が利用できる。この反応は有機溶媒中で行い、その有機溶媒として、例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルアセドアミド、ジメチルホルムアミド、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の含窒素化合物、スルホラン、ジメチルスルホキシド等の含硫黄化合物、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、γ−ヘプタラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトン等のラクトン類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン等のケトン類、エチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジプロピルエーテル、トリエチレングリコールジブチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジプロピルエーテル、テトラエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類、フェノール、クレゾール、キシレノール等のフェノール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート等のエステル類、トルエン、キシレン、ジエチルベンゼン、シクロヘキサン等の炭化水素類、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、塩化メチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類が挙げられる。これらは単独で又は組合せて用いることができる。
【0044】
これらの反応は、上記有機溶媒中でジアミン化合物と酸化合物を−78〜100℃、好ましくは−50〜60℃で行う。この反応において、無機酸受容剤をジアミン化合物の総量に対して90〜400モル%添加しても良い。この無機酸受容剤としては、例えば、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリアミルアミン、ピリジン等の第3級アミン、酸化プロピレン、スチレンオキシド、シクロヘキセンオキシド等の1,2−エポキシド等が挙げられる。反応が進行するにつれて反応液は徐々に増粘する。この場合、ポリエーテルアミドイミドの前駆体であるポリアミック酸が生成する。このポリアミック酸を脱水閉環によりイミド化しポリエーテルアミドイミドを得る。この脱水閉環には、80〜400℃で熱処理し脱水反応を行う熱閉環法、脱水剤を用いて脱水する化学閉環法等がある。
【0045】
熱閉環法の場合、脱水反応で生じる水を系外に除去しながら行うことが好ましい。このとき80〜400℃、好ましくは100〜250℃に反応液を加熱することにより行う。この際、ベンゼン、トルエン、キシレン等のような水と共沸するような溶剤を併用し、水を共沸除去してもよい。
【0046】
化学閉環法の場合、化学的脱水剤の存在下、0〜120℃、好ましくは10〜80℃で反応させる。化学的脱水剤としては、例えば、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水安息香酸等の酸無水物、ジシクロヘキシルカルボジイミド等のカルボジイミド化合物等を用いるのが好ましい。このとき、ピリジン、イソキノリン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、アミノピリジン、イミダゾール等の環化反応を促進する物質を併用することが好ましい。化学的脱水剤はジアミン化合物の総量に対して90〜600モル%、環化反応を促進する物質はジアミン化合物の総量に対して40〜300モル%使用される。また、トリフェニルホスファイト、トリシクロヘキシルホスファイト、トリフェニルホスフェート、リン酸、五酸化リン等のリン化合物、ホウ酸、無水ホウ酸等のホウ素化合物等の脱水触媒を用いてもよい。
【0047】
脱水反応によりイミド化を終了した反応液を、メタノール等の低級アルコール、水又はこれらの混合物等の上記有機溶媒と相溶性であって、かつ樹脂に対して貧溶媒である大過剰の溶媒に注ぎ、樹脂の沈殿物を得て、これをろ別し、溶媒を乾燥することによって、本発明のポリエーテルアミドイミドを得る。
【0048】
上記の方法により得られた(A)室温で極性溶媒に可溶な芳香族熱可塑性樹脂である変性ポリアミドイミド樹脂又は(B)室温で極性溶媒に不溶であるが、加熱することにより可溶な芳香族熱可塑性樹脂であるポリエーテルアミドイミド樹脂において、その配合は特に制限されず、任意の配合量でよい。好ましくは、(A)室温で極性溶媒に可溶な芳香族熱可塑性樹脂である変性ポリアミドイミド樹脂の総量100重量部に対して、(B)室温で極性溶媒に不溶であるが、加熱することにより可溶な芳香族熱可塑性樹脂であるポリエーテルアミドイミド樹脂10〜300重量部であり、より好ましくは10〜200重量部である。(B)室温で極性溶媒に不溶であるが、加熱することにより可溶な芳香族熱可塑性樹脂であるポリエーテルアミドイミド樹脂の使用量が10重量部より少ないと、得られる樹脂組成物のチキソトロピー性が低下する傾向があり、300重量部より多いと得られる膜物性が低下する傾向がある。
【0049】
本発明の樹脂組成物において、樹脂総量100重量部に対して、極性溶媒100〜3500重量部を使用することが好ましく、150〜1000重量部使用することがより好ましい。極性溶媒は特に制限されないが、例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルアセドアミド、ジメチルホルムアミド等の含窒素化合物、スルホラン、ジメチルスルホキシド等の含硫黄化合物、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、γ−ヘプタラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトン等のラクトン類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン等のケトン類、エチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジプロピルエーテル、トリエチレングリコールジブチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジプロピルエーテル、テトラエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類等が挙げられる。
【0050】
本発明における樹脂組成物、つまり上記の方法により得られた(A)室温で極性溶媒に可溶な芳香族熱可塑性樹脂である変性ポリアミドイミド樹脂又は(B)室温で極性溶媒に不溶であるが、加熱することにより可溶な芳香族熱可塑性樹脂であるポリエーテルアミドイミド樹脂の2種類の樹脂と極性溶媒からなる樹脂組成物は、特に制限されないが、例えば、(A)室温で極性溶媒に可溶な芳香族熱可塑性樹脂である変性ポリアミドイミド樹脂を極性溶媒に溶解したワニスに、(B)室温で極性溶媒に不溶であるが、加熱することにより可溶な芳香族熱可塑性樹脂であるポリエーテルアミドイミド樹脂を添加し、50〜200℃に加熱し、均一に溶解した後、放冷して2種類の樹脂を含む樹脂組成物のペーストを得ることができる。
【0051】
本発明において使用することができるゴム弾性を有する低弾性フィラ又は液状ゴムとしては、特に制限はないが、アクリルゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、ブタジエンゴム等の弾性体のフィラやこれらの液状ゴム等が挙げられる。ここでは、樹脂組成物の耐熱性を考慮してシリコーンゴムが好ましい。また、フィラの表面はエポキシ基で化学的に修飾されたものが好ましい。上記のエポキシ基の代わりにアミノ基、アクリル基、ビニル基、フェニル基等の官能基で修飾されたものを使用することができる。これらの低弾性フィラを耐熱性を有する熱可塑性樹脂に添加することにより、耐熱性及び密着性を損なうことなく、低弾性にすること、また、弾性率をコントロールすることが可能となる。
【0052】
本発明において使用することができる表面が化学修飾されたゴム弾性を有する低弾性フィラの平均粒径は、0.1〜50μmで球形又は不定形に微粒子化したものが好ましい。平均粒径が0.1μm未満では粒子間の凝集が起き、充分分散することが難しい傾向がある。また、50μmを超えると、塗膜の表面が荒れ、均一な塗膜を得ることが難しい傾向がある。
【0053】
本発明の樹脂組成物において、表面が化学修飾されたゴム弾性を有する低弾性フィラの配合量は、芳香族熱可塑性樹脂の全総量100重量部に対して、5〜900重量部使用することが好ましく、5〜800重量部使用することがより好ましい。
【0054】
本発明における樹脂組成物、上記方法により得られた(A)室温で極性溶媒に可溶な芳香族熱可塑性樹脂である変性ポリアミドイミド樹脂又は(B)室温で極性溶媒に不溶であるが、加熱することにより可溶な芳香族熱可塑性樹脂であるポリエーテルアミドイミド樹脂の2種類の樹脂と極性溶媒及び/又は低弾性フィラとからなる樹脂組成物は、らいかい機、3本ロール、ボールミル、プラネタリミキサ、ディスパー、ホモジナイザー等の分散機で混練攪拌することにより樹脂組成物を得ることができる。
【0055】
本発明において、着色剤、カップリング剤等の添加剤、樹脂改質剤を添加してもよい。着色剤としては、カーボンブラック、染料、顔料等が挙げられる
【0056】
カップリング剤としては、シラン系、チタン系、アルミニウム系などが挙げられるが、シラン系カップリング剤が最も好ましい。
【0057】
シラン系カップリング剤としては、特に制限は無く、例えば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N‐フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピル−トリス(2−メトキシ−エトキシ−エトキシ)シラン、N−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、トリアミノプロピル−トリメトキシシラン、3−4,5−ジヒドロイミダゾール−1−イル−プロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピル−トリメトキシシラン、3−メルカプトプロピル−メチルジメトキシシラン、3−クロロプロピル−メチルジメトキシシラン、3−クロロプロピル−ジメトキシシラン、3−シアノプロピル−トリエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリクロロシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、アミルトリクロロシラン、オクチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルトリ(メタクリロイルオキエトキシ)シラン、メチルトリ(グリシジルオキシ)シラン、N−β(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、オクタデシルジメチル〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕アンモニウムクロライド、γ−クロロプロピルメチルジクロロシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、トリメチルシリルイソシアネート、ジメチルシリルイソシアネート、メチルシリルトリイソシアネート、ビニルシリルトリイソシアネート、フェニルシリルトリイソシアネート、テトライソシアネートシラン、エトキシシランイソシアネートなどを使用することができ、これらの1種又は2種以上を併用することもできる。
【0058】
チタン系カップリング剤としては、特に制限は無く、例えば、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリス(n−アミノエチル)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ジクミルフェニルオキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアエチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタンチリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレート、テトラメチルオルソチタネート、テトラエチルオルソチタネート、テタラプロピルオルソチタネート、テトライソブチルオルソチタネート、ステアリルチタネート、クレシルチタネートモノマー、クレシルチタネートポリマー、ジイソプロポキシ−ビス(2,4−ペンタジオネート)チタニウム(IV)、ジイソプロピル−ビス−トリエタノールアミノチタネート、オクチレングリコールチタネート、テトラ−n−ブトキシチタンポリマー、トリ−n−ブトキシチタンモノステアレートポリマー、トリ−n−ブトキシチタンモノステアレートなどを使用することができ、これらの1種又は2種以上を併用することもできる。
【0059】
アルミニウム系カップリング剤としては、特に制限は無く、例えば、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトイス(エチルアセトアセテート)、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムモノアセチルアセテートビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウム=モノイソプロポキシモノオレオキシエチルアセトアセテート、アルミニウム−ジ−n−ブトキシド−モノ−エチルアセトアセテート、アルミニウム−ジ−イソ−プロポキシド−モノ−エチルアセトアセテート等のアルミニウムキレート化合物、アルミニウムイソプロピレート、モノ−sec−ブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウム−sec−ブチレート、アルミニウムエチレート等のアルミニウムアルコレートなどを使用することができ、これらの1種又は2種以上を併用することもできる。
【0060】
上記の添加剤は芳香族熱可塑性樹脂の全総量100重量部に対して、50重量部以下の配合量にすることが好ましい。上記添加剤の添加量が50重量部より多いと、得られる塗膜物性が低下する傾向がある。
【0061】
本発明において、極性溶媒に室温では不溶であるが、加熱することにより可溶な芳香族熱可塑性樹脂が樹脂組成物にチキソトロピーを付与し、スクリーン印刷及びディスペンス塗布により、精密パターンを形成することが可能となる。このとき、樹脂組成物の粘度は1〜1000Pa・sが好ましい。1Pa・s未満の場合、印刷時に樹脂組成物の形状保持が困難となる、及び樹脂組成物の糸引きが激しく、印刷が困難となる、また、1000Pa・sを超えると樹脂組成物が固くなり、印刷時の取り扱いが非常に困難になり精密パターンの形成が困難になるという問題がある。また、チキソトロピー係数は1.2〜20の範囲が好ましく、1.5〜15の範囲がより好ましい。チキソトロピー係数が1.2未満の場合、精密パターンを形成しても形状が崩れてしまい、精密パターンの形成が難しい傾向がある。
【0062】
本発明の樹脂組成物で精密パターンを得る方法としては、特に制限はないが、例えば、スクリーン印刷法、ディスペンス塗布法、ポッティング法、カーテンコート法、凸版印刷法、凹版印刷法、平版印刷法等が挙げられる。
【0063】
本発明の樹脂組成物を用いた半導体装置は、基板又はリードフレームに本発明の樹脂組成物を塗布又は張り付けた後、チップを接着して得られる。例えば、本発明の樹脂組成物を半導体部品の表面に塗布乾燥して保護膜を形成し、製造することができる。この樹脂組成物をチップ表面に塗布又は張り付けた後、基板又はリードフレームに接着してもよい。塗布乾燥は公知の方法によって行うことができる。この際、イミド化を伴わず、かつ250℃以下の溶剤乾燥の工程で塗膜を得ることができる。形成された塗膜のガラス転移温度Tgは180℃以上で、熱分解温度は300℃以上であり、十分な耐熱性を有する。また、塗膜の弾性率は0.2〜3.0GPaの範囲でコントロール可能なことから、あらゆる半導体装置に対応することができる。
【0064】
本発明の樹脂組成物を用いた半導体装置は、同一構造の配線が複数形成された半導体基板に、本発明の樹脂組成物を塗布・乾燥して樹脂層を形成する工程、前記樹脂層上に前記半導体基板上の電極と電気的に導通した再配線を形成する工程、前記再配線上に保護層を形成する工程、前記保護層に外部電極端子を形成する工程、次いで、必要に応じてダイシングする工程を行い製造される。上記半導体基板としては、特に制限されないが、例えば、シリコンウエハ等が挙げられる。上記樹脂層の塗布方法は特に制限はない、スクリーン印刷またはディスペンス塗布が好ましい。
【0065】
本発明において、樹脂層の乾燥方法は公知の方法によって行うことができる。この際、イミド化を伴わず、250℃以下の溶剤乾燥の工程で樹脂層を得ることができる。これにより、配線が形成された基板にダメージを与えることなく、樹脂層を形成することができる。形成された樹脂層のガラス転移温度Tgは180℃以上で、熱分解温度は300℃以上の耐熱性を有することが好ましい。また、再配線を形成する工程で必要とされる耐スパッタ性、耐メッキ性、耐アルカリ性等も有することから、あらゆる半導体装置に対応することができる。また、シリコンウエハの反り量も低減することができる。この方法により製造される半導体装置は歩留まりの向上が期待でき、生産性の向上が可能となる。
【0066】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔ジカルボン酸化合物の合成〕
(合成例1)
攪拌機、温度計、窒素導入管及び油水分離器付冷却管を備えた100mlフラスコに、ジェファーミン D−400(サン テクノケミカル(株)商品名、脂肪族ジアミン、アミン価 4.4(meq/g))31.82g(0.07モル)及びトリメリット酸無水物 26.88g(0.14モル)を仕込み、80℃まで昇温して30分間攪拌する。その後、160℃まで昇温し、減圧条件下(フラスコ内の圧力:約8.8×10Pa)2時間攪拌し、酸価140KOHmg/gのジカルボン酸を得た。
(合成例2)
合成例1と全く同様のフラスコに、ジェファーミン D−2000(サン テクノケミカル(株)商品名、脂肪族ジアミン、アミン価 1.0(meq/g))60g(0.03モル)及びトリメリット酸無水物 11.52g(0.06モル)を仕込み、合成例1と 全く同様の操作を行い、酸価 47KOHmg/gのジカルボン酸を得た。
合成例1及び合成例2で得られたジカルボン酸を、KBr法により、赤外吸収スペクトル(日本電子(株)製、JIR−100型)を測定したところ、それぞれ、1780cm−1付近にイミド基の特性吸収が確認された。
〔変性ポリアミドイミド樹脂の合成〕
(合成例3)
攪拌機、温度計、窒素導入管及び冷却管を備えた500mlフラスコに、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート 32.5g(0.13モル)、無水トリメリット酸 12.48g(0.065モル)、合成例1で得られたジカルボン酸 52.16g(0.065モル)及びγ−ブチロラクトン 204.0gを仕込み、160℃まで昇温した後、2.5時間反応させて、数平均分子量が13,100の樹脂を得た。得られた樹脂をγ−ブチロラクトンで希釈し、不揮発分 25質量%、酸価 16.7KOHmg/gの変性ポリアミドイミド樹脂溶液(PAI−1)を得た。
(合成例4)
合成例3と同様のフラスコに、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート15.75g(0.063モル)、無水トリメリット酸 6.048g(0.0315モル)、合成例2で得られたジカルボン酸 73.962g(0.0315モル)及びγ−ブチロラクトン 203.48gを仕込み、160℃まで昇温した後、3.5時間反応させて、数平均分子量が22,000の樹脂を得た。得られた樹脂をγ−ブチロラクトンで希釈し、不揮発分 25質量%、酸価 14.1KOHmg/gの変性ポリアミドイミド樹脂溶液(PAI−2)を得た。(合成例5)
合成例3と同様のフラスコに、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート51.0g(0.204モル)、無水トリメリット酸 38.4g(0.2モル)及びN−メチル−2−ピロリドン 187.74gを仕込み、130℃まで昇温した後、4時間反応させて、数平均分子量が17,000の樹脂を得た。得られた樹脂をN,N−ジメチルホルムアミドで希釈し、不揮発分 25質量%、酸価 32.0KOHmg/gのポリアミドイミド樹脂溶液(PAI−3)を得た。
得られた変性ポリアミドイミド溶液及びポリアミドイミド溶液をガラス板上に塗布し、90℃で480秒乾燥した後、空気雰囲気下160℃で60分間加熱して得た塗膜(膜厚:30μm)について、ガラス転移温度(Tg)及び引張弾性率を下記条件で測定した。
結果を表1に示す。
(1)ガラス転移温度(Tg)
熱機械分析装置(セイコー電子(株)製 TMA−120)で測定した。
測定モード:エクステンション
測定スパン:10mm
荷 重:10g
昇温速度 :5℃/min
雰 囲 気:空気
(2)引張弾性率
万能試験機(オリエンテック社製 テンシロンUCT−5T型)で測定した。
測定温度:25℃
引張速度:5mm/min
【表1】
Figure 2005023184
〔ポリエーテルアミドイミド樹脂の合成〕
(合成例6)
温度計、攪拌機、窒素導入管、油水分離器付き冷却管を取り付けた1リットルの4ツ口フラスコに、窒素気流下、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(98.4g(240ミリモル)を入れ、N−メチル−2−ピロリドン700gを加えて溶解した。
次に20℃を超えないように冷却しながらイソフタル酸ジクロライド24.8g(122ミリモル)と3,4,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物39.4g(122ミリモル)の酸化合物を加えた。室温で1時間攪拌した後、20℃を超えないように冷却しながらトリエチルアミン30.3g(300ミリモル)を加えて、室温で3時間反応させてポリアミック酸ワニスを製造した。
得られたポリアミック酸ワニスを更に190℃で脱水反応を6時間行い、ポリエーテルアミドイミドのワニスを製造した。
このポリエーテルアミドイミドのワニスを水に注いで得られる沈殿物を分離、粉砕、乾燥して極性溶媒に室温では不溶であるが、加熱することにより可溶なポリエーテルアミドイミド粉末(PEAI−1)を得た。
(合成例7)
合成例6において、ジアミン化合物をビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン93.3g(216ミリモル)、1,3−ビス(アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン6.0g(24ミリモル)に変更したこと以外は、合成例5と全く同様の操作を行い極性溶媒に室温では不溶であるが、加熱することにより可溶なポリエーテルアミドイミド粉末(PEAI−2)を得た。
(合成例8)
温度計、攪拌機、窒素導入管、油水分離器付き冷却管を取り付けた1リットルの4ツ口フラスコに、窒素気流下、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン98.4g(240ミリモル)を入れ、N−メチル−2−ピロリドン700gを加えて溶解した。次に20℃を超えないように冷却しながら無水トリメリット酸クロライド51.2g(244ミリモル)を加えた。室温で1時間攪拌した後、20℃を超えないように冷却しながらトリエチルアミン30.3g(300ミリモル)を加えて、室温で3時間反応させてポリアミック酸ワニスを製造した。
得られたポリアミック酸ワニスを更に180℃で脱水反応を6時間行い、ポリエーテルアミドイミドのワニスを製造した。
このポリエーテルアミドイミドのワニスを水に注いで得られる沈殿物を分離、粉砕、乾燥して極性溶媒に室温で可溶なポリエーテルアミドイミド粉末(PEAI−3)を得た。
(実施例1)
温度計、攪拌機、窒素導入管、油水分離器付き冷却管を取り付けた300mlの4ツ口フラスコに、窒素気流下、合成例3で得られた変性ポリアミドイミド樹脂溶液(PAI−1)15g、合成例5で得られたポリエーテルアミドイミド樹脂粉末(PEAI−1)15g及びγ−ブチロラクトン70gを加えて攪拌した。次に、これを150℃で1時間加熱した。このとき、室温では不均一であったワニスが、加熱後均一になった。加熱停止後、攪拌しながら室温まで放冷し、2種類の樹脂を含んだ黄褐色ペーストを得た。
得られたペーストの粘度及びチキソトロピー係数(TI値)をジャスコインターナショナル社製のCVOレオメーター等を用いて測定した。
また、得られたペーストをシリコンウエハ上にスクリーン印刷機(ニューロング精密工業社製、アライメント装置付きLS−34GX)、ニッケル合金アディティブメッキ製メッシュレスメタル版(メッシュ工業社製、厚み50μm、パタ−ン寸法8mm×mm)及びパーマレックスメタルスキージ(巴工業社輸入)を用いて、印刷性を評価した。
印刷後、パターンを光学顕微鏡で、にじみ及びだれを観察した。
さらに、得られたペーストをテフロン(登録商標)基板上に塗布し、250℃で加熱して、有機溶媒を乾燥させて、膜厚25μmの塗膜を形成した。これを動的粘弾性スペクトロメーター((株)岩本製作所製)により、引張り弾性率(25℃、10Hz)及びガラス転移温度(周波数10Hz、昇温速度2℃/min)を測定した。
また、熱天秤により熱分解開始温度を測定した。
得られたペーストを配線が形成された半導体基板に、スクリーン印刷で樹脂層を複数個塗布し、乾燥する工程、前記樹脂層上に前記半導体基板上の電極と電気的に導通した再配線を形成する工程、前記再配線上に保護層を形成する工程、前記保護層に外部電極端子を形成する工程を行い、ダイシングして半導体装置を作製した。
この半導体装置をヒートサイクル試験(−55℃/30min←→125℃/30min、1000サイクル)を行い、樹脂層にクラックが発生するかどうか調べた。クラックの発生しなかったものを○、発生したものを×として半導体装置を評価した。
上記樹脂組成物及び半導体装置の評価結果を表3に示す。
(実施例2〜4)
合成例3及び4で得られた変性ポリアミドイミド樹脂溶液と合成例6及び7で得られたポリエーテルアミドイミド粉末を表2に示す配合で混合し、実施例1と全く同様の操作を行った。
樹脂組成物及び半導体装置の評価結果をまとめて表3に示す。
【表2】
Figure 2005023184
(比較例1)
実施例1において、合成例3で得られた変性ポリアミドイミド樹脂溶液(PAI−1)を合成例5で得られた変性ポリアミドイミド樹脂溶液(PAI−3)に変更した以外は実施例1と全く同様の操作を行った。
樹脂組成物及び半導体装置の評価結果をまとめて表3に示す。
(比較例2)
実施例1において、合成例3で得られた変性ポリアミドイミド樹脂溶液(PAI−1)15g、合成例6で得られたポリエーテルアミドイミド樹脂粉末(PEAI−1)15gを合成例8で得られた極性溶媒に室温で可溶なポリエーテルアミドイミド粉末(PEAI−3)30gに変更した以外は実施例1と全く同様の操作を行った。
樹脂組成物及び半導体装置の評価結果をまとめて表3に示す。
【表3】
Figure 2005023184
※1)(A):室温で極性溶媒に可溶な芳香族熱可塑性樹脂
※2)(B):室温で極性溶媒に不溶であるが加熱することにより可溶な芳香族熱可塑性樹脂
【0067】
【発明の効果】
本発明の樹脂組成物により、ポリイミドと同様の樹脂特性、つまり高強度で可とう性に優れた塗膜がイミド化工程を伴わずに得ることができる。さらにスクリーン印刷やディスペンス塗布等で精密パターンを形成することが可能で、本発明の樹脂組成物を用いた半導体装置は良好な特性を与えるものである。

Claims (10)

  1. (A)室温で極性溶媒に可溶な芳香族熱可塑性樹脂、(B)室温で極性溶媒に不溶であるが、加熱することにより可溶な芳香族熱可塑性樹脂、及び極性溶媒を含有してなる樹脂組成物において、(A)室温で極性溶媒に可溶な芳香族熱可塑性樹脂が(a)芳香族ポリイソシアネート、(b)酸無水物基を有する3価のポリカルボン酸、及び(c)下記一般式(I)
    Figure 2005023184
    (式中、aは0〜20、bは0〜70、cは1〜90の整数であり、R1及びR2は水素またはC1〜C3のアルキル基である)
    で表されるジカルボン酸の混合物を極性溶媒中で反応させることを特徴とする変性ポリアミドイミド樹脂である樹脂組成物。
  2. (B)室温で極性溶媒に不溶であるが、加熱することにより可溶な芳香族熱可塑性樹脂が(d)下記一般式(II)、
    Figure 2005023184
    (式中、R、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜9のアルキル基、炭素数1〜9のアルコキシル基又はハロゲン原子を示す。Yは単結合、−O−、−S−、−C(=O)−、−SO−、−S(=O)−又は化3で表される基を示し、繰り返し単位毎に相違しても良い)
    Figure 2005023184
    (式中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、ハロゲン原子又はフェニル基を示す)
    で表される芳香族ジアミン化合物、(e)脂肪族及び/又は脂環式ジアミン化合物、(f)ジカルボン酸又はその反応性酸誘導体及び/又はトリカルボン酸又はその反応性酸誘導体及び(g)下記一般式(III)
    Figure 2005023184
    (式中、Yは単結合、−O−、−S−、−C(=O)−、−SO−、−S(=O)−又は化5で表される基、又は2価の芳香族炭化水素基、脂肪族炭化水素基又は脂環式炭化水素基を示し、繰り返し単位毎に相違しても良い)
    Figure 2005023184
    (式中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、ハロゲン原子又はフェニル基を示す)
    で表されるテトラカルボン酸二無水物を極性溶媒中で反応させるポリエーテルアミドイミド樹脂である請求項1記載の樹脂組成物。
  3. (B)室温で極性溶媒に不溶であるが、加熱することにより可溶な芳香族熱可塑性樹脂が(d)下記一般式(II)、
    Figure 2005023184
    (式中、R、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜9のアルキル基、炭素数1〜9のアルコキシル基又はハロゲン原子を示す。Yは単結合、−O−、−S−、−C(=O)−、−SO−、−S(=O)−又は化7で表される基を示し、繰り返し単位毎に相違しても良い)
    Figure 2005023184
    (式中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、ハロゲン原子又はフェニル基を示す)
    で表される芳香族ジアミン化合物、(f)ジカルボン酸又はその反応性酸誘導体及び/又はトリカルボン酸又はその反応性酸誘導体及び(g)下記一般式(III)
    Figure 2005023184
    (式中、Yは単結合、−O−、−S−、−C(=O)−、−SO−、−S(=O)−又は化9で表される基、又は2価の芳香族炭化水素基、脂肪族炭化水素基又は脂環式炭化水素基を示し、繰り返し単位毎に相違しても良い)
    Figure 2005023184
    (式中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、ハロゲン原子又はフェニル基を示す)
    で表されるテトラカルボン酸二無水物を極性溶媒中で反応させるポリエーテルアミドイミド樹脂である請求項1〜2のいずれか1項記載の樹脂組成物。
  4. (e)脂肪族及び/又は脂環式ジアミン化合物がジアミノシロキサンを含有する請求項1〜3のいずれか1項記載の樹脂組成物。
  5. (A)室温で極性溶媒に可溶な芳香族熱可塑性樹脂をフィルム化した場合の引張試験における引張弾性率が25℃で1GPa以下である請求項1〜4のいずれか1項記載の樹脂組成物。
  6. ゴム弾性を有する低弾性フィラー又は液状ゴムを含有する請求項1〜5のいずれか1項記載の樹脂組成物。
  7. ゴム弾性を有する低弾性フィラーが表面を化学修飾したものである請求項6記載の樹脂組成物。
  8. 低弾性フィラーの表面がエポキシ基で化学修飾された請求項6〜7のいずれか1項記載の樹脂組成物。
  9. 粘度が1〜1000Pa・sの範囲にあり、チキソトロピー係数が1.2以上で、精密パターンが形成可能な請求項1〜8のいずれか1項記載の樹脂組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項記載の樹脂組成物を用いた半導体装置。
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