JP2005023163A - 油性インクジェット記録用インク組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】顔料分散剤の少ない使用量において、顔料を微細に分散しても、初期及び長期保存においても良好な顔料分散性を有し、印字環境の温度変化に左右されずに、吐出安定性に優れる新規な油性インクジェット記録用インク組成物を提供する。
【解決手段】少なくとも、顔料、飽和炭化水素系有機溶媒及び/又は下記一般式(1);
Figure 2005023163

(式中、R、R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を表す)で表される炭化水素系有機溶媒、並びに、顔料分散剤からなる油性インクジェット記録用インク組成物であって、該顔料分散剤は、特定のカルボジイミド化合物であることを特徴とする油性インクジェット記録用インク組成物。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油性インクジェット記録用インク組成物に関し、より詳しくは、ピエゾ振動素子を用いる方式、サーマルヘッドを利用する方式、電気的吸引力を利用する方式等を使用した印刷装置に好適に利用することができる油性インクジェット記録用インク組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式の分野においては、濃度低下やにじみがなく、鮮明な色彩を有する画像をより高速で安定的に印刷するために、装置及びインクの両面から研究が行われている。
【0003】
現在、印刷装置としてはピエゾ振動素子を用いる方式、サーマルヘッドを利用する方式、電気的吸引力を利用する方式等が知られている。
その中でも、ピエゾ振動素子を利用する方式は、記録ヘッドの装置の構成が簡単で、他の方式と比較して、インクに対する電気的及び熱的性能の制限が少ないという点から有用性が高いものである。そして、このタイプの印刷装置に適用されるインクとして、顔料を飽和炭化水素系有機溶媒に分散させた油性タイプのものが実用化されている。
しかし、本質的に顔料タイプのインクでは、インク自体の経時安定性や吐出安定性の不良等、いわゆるインクジェット記録液の信頼性が低いという問題を有していた。
【0004】
また、近年、顔料タイプのインクでも染料タイプのインクに近い発色性、フェザリング等の印字品質が望まれ、更に顔料を微細に分散することが要求されている。
そこでこれらの問題、要求を解決する手段として、顔料を分散させる顔料分散剤の改良が行われている。
【0005】
例えば、飽和炭化水素系有機溶媒として流動パラフィン、顔料分散剤として長鎖アルキル基と二塩基酸の残基を有する化合物からなる油性インクジェット記録用インクが開示されているが、顔料分散効果は多少改善されるものの、上述したような問題、要求を解決するまでには至っていない(例えば、特許文献1参照。)。
それを解決するために、本出願人は、顔料、顔料分散剤としてポリアミン化合物と12−ヒドロキシステアリン酸自己縮合物との反応物、流動パラフィンを主成分とする飽和炭化水素系有機溶媒からなる油性インクジェット記録用インクに、更に植物油を含有させこれらの問題を解決した油性インクジェット記録用インクを開示している(例えば、特許文献2参照。)。これにより、問題を解決できるが、顔料分散剤の使用量が多く、この点について工夫の余地があった。
【0006】
【特許文献1】
国際公開第99/38925号パンフレット
【特許文献2】
特開2002−063947号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、顔料分散剤の少ない使用量において、顔料を微細に分散しても、初期及び長期保存においても良好な顔料分散性を有し、印字環境の温度変化に左右されずに、吐出安定性に優れる新規な油性インクジェット記録用インク組成物を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、顔料分散剤として、カルボジイミド化合物を利用した特定の顔料分散剤を使用することにより、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成させたものである。
【0009】
すなわち、本発明は、(1)少なくとも、顔料、飽和炭化水素系有機溶媒及び/又は下記一般式(1);
【0010】
【化2】
Figure 2005023163
【0011】
(式中、R、R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を表す)で表される炭化水素系有機溶媒、並びに、顔料分散剤からなる油性インクジェット記録用インク組成物であって、上記顔料分散剤は、下記(A)〜(C)からなる群より選択される少なくとも1種のものである油性インクジェット記録用インク組成物に関する。
(A)分子内にポリエステル鎖を有し、且つカルボジイミド当量が100〜50000のカルボジイミド化合物。
(B)分子内にポリエステル鎖を有し、且つアミン価を有するカルボジイミド系化合物。
(C)分子内にポリエステル鎖を有し、且つ顔料誘導体、顔料中間体、染料誘導体及び染料中間体からなる群より選択される少なくとも1種に起因する顔料吸着性を有する側鎖を有するカルボジイミド系化合物。
【0012】
また、本発明は、(2)上記飽和炭化水素系有機溶媒は、イソパラフィン、イソパラフィンとシクロパラフィンとの混合物、及び、流動パラフィンからなる群より選択される少なくとも1種である上記(1)項記載の油性インクジェット記録用インク組成物に関する。
【0013】
また、本発明は、(3)上記ポリエステル鎖は、式量200〜10000のポリエステル鎖である上記(1)又は(2)項記載の油性インクジェット記録用インク組成物に関する。
【0014】
また、本発明は、(4)上記ポリエステル鎖は、ヒドロキシカルボン酸自己重縮合物に起因するポリエステル鎖である上記(1)〜(3)項のいずれかに記載の油性インクジェット用インク組成物に関する。
【0015】
また、本発明は、(5)上記ヒドロキシカルボン酸自己重縮合物は、12−ヒドロキシステアリン酸自己重縮合物である上記(4)項記載の油性インクジェット記録用インク組成物に関する。
【0016】
また、本発明は、(6)上記顔料分散剤は、下記(D)〜(F)からなる群より選択される少なくとも1種のものである上記(1)〜(5)項のいずれかに記載の油性インクジェット記録用インク組成物に関する。
(D)分子内にポリエステル側鎖を有し、且つカルボジイミド当量が100〜50000のカルボジイミド化合物。
(E)分子内にポリエステル側鎖を有し、且つアミン価を有するカルボジイミド系化合物。
(F)分子内にポリエステル側鎖を有し、且つ顔料誘導体、顔料中間体、染料誘導体及び染料中間体からなる群より選択される少なくとも1種に起因する顔料吸着性を有する側鎖を有するカルボジイミド系化合物。
【0017】
また、本発明は、(7)上記カルボジイミド化合物(D)、上記カルボジイミド系化合物(E)又は上記カルボジイミド系化合物(F)は、カルボジイミド基と反応する官能基を有するポリエステル鎖とカルボジイミド基との反応により上記ポリエステル側鎖が分子内に導入されてなるものである上記(6)項記載の油性インクジェット記録用インク組成物に関する。
また、本発明は、(8)上記カルボジイミド化合物(D)、上記カルボジイミド系化合物(E)又は上記カルボジイミド系化合物(F)は、カルボジイミド基と反応する官能基を有する化合物とカルボジイミド基とを反応させた後、ポリエステル鎖を形成する化合物が分子内に導入されてなるものである上記(6)項記載の油性インクジェット記録用インク組成物に関する。
【0018】
また、本発明は、(9)上記アミン価を有するカルボジイミド系化合物は、主鎖に3級アミノ基を有するものである上記(1)〜(8)のいずれかに記載の油性インクジェット記録用インク組成物に関する。
そして、本発明は、(10)体積抵抗値が10Ω・cm以上である上記(1)〜(9)項のいずれかに記載の油性インクジェット記録用インク組成物に関する。
【0019】
以下に本発明の油性インクジェット記録用インク組成物をより詳細に説明する。本発明の油性インクジェット記録用インク組成物に用いられる顔料としては、一般のインクジェット記録用インクで使用できる各種の無機及び有機顔料が利用可能である。上記顔料としては、例えば、カーボンブラック、及び、染料レーキ顔料、アゾ系、ベンズイミダゾロン系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、インジゴ系、チオインジコ系、ペリレン系、ペリノン系、ジケトピロロピロール系、イソインドリノン系、ニトロ系、ニトロソ系、アンスラキノン系、フラバンスロン系、キノフタロン系、ピランスロン系、インダンスロン系等の有機顔料が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、とくに有用なものとしては、C.I.ピグメントイエロー93、95、109、110、120、128、138、139、151,154、155、173、180、185、193;C.I.ピグメントオレンジ34、36、43、61、63、71;C.I.ピグメントレッド122、202;C.I.ピグメントレッド122と202の固溶体;C.I.ピグメントブルー15;C.I.ピグメントバイオレット19、23、33;C.I.ピグメントグリーン7、36;C.I.ピグメントブラック7等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0020】
油性インクジェット記録方式では、例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色を基本として、最近ではオレンジ、グリーンを加えた6色、更にはライトマゼンタ、ライトブルーを加えた8色のインクを用いて画像等が形成されている。
これらの色相を得るために、更に上記の顔料の中でも耐候性の良好なものが好適であり、とりわけ、イエローとしては、C.I.ピグメントイエロー138、154、180、185、マゼンタとしては、C.I.ピグメントレッド122、202、C.I.ピグメントバイオレット19、シアンとしては、C.I.ピグメントブルー15、ブラックとしては、C.I.ピグメントブラック7の酸性若しくは中性顔料、オレンジとしては、C.I.ピグメントオレンジ43、61、63、71、グリーンとしては、C.I.ピグメントグリーン7、36がより好適である。
【0021】
本発明において、顔料の好適な使用量としては、油性インクジェット記録用インク組成物中に0.5〜30質量%であり、より好適には1〜10質量%程度である。顔料の使用量が少なくなりすぎるとインクの色濃度が低下するおそれがあり、一方、多くなりすぎるとインクの粘度や流動性の面から印刷が困難となるおそれがある。
【0022】
本発明において、有機溶媒中の顔料を分散させるために用いる顔料分散剤としては、(A)分子内にポリエステル鎖を有し、且つカルボジイミド当量が100〜50000のカルボジイミド化合物、(B)分子内にポリエステル鎖を有し、且つアミン価を有するカルボジイミド系化合物、(C)分子内にポリエステル鎖を有し、且つ顔料誘導体、顔料中間体、染料誘導体及び染料中間体からなる群から選択される少なくとも1種に起因する顔料吸着性を有する側鎖を有するカルボジイミド系化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物が利用できる。なお、使用する顔料分散剤は、顔料の種類、有機溶媒の種類等に応じて適宜選択される。
顔料表面に存在する官能基とカルボジイミド化合物の共有結合を利用する場合、顔料分散剤としては、上記カルボジイミド化合物(A)を用いることが好ましく、酸性顔料との酸−塩基の親和力を利用する場合、顔料分散剤としては、上記カルボジイミド系化合物(B)を用いることが好ましく、分子構造の類似性に起因する親和力を利用する場合は、顔料分散剤としては、上記カルボジイミド系化合物(C)を用いることが好ましい。
【0023】
以下に、本発明の顔料分散剤についてより詳細に説明する。
(A)分子内にポリエステル鎖を有し、且つカルボジイミド当量が100〜50000のカルボジイミド化合物
本発明のポリエステル鎖を有するカルボジイミド化合物においては、カルボジイミド化合物を主鎖としたとき、ポリエステル鎖は、主鎖から枝分かれの状態にある鎖(以下、側鎖という)であってもよく、主鎖から枝分かれの状態にない鎖(以下、直鎖という)であってもよい。上記ポリエステル鎖を有するカルボジイミド化合物としては、(D)分子内にポリエステル側鎖を有し、且つカルボジイミド当量が100〜50000のカルボジイミド化合物が好ましい。
まず、ポリエステル直鎖を有するカルボジイミド化合物について、以下に説明する。
このポリエステル直鎖を有するカルボジイミド化合物は、分子内にカルボジイミド基、すなわち、−N=C=N−で表される基を1つ以上有する化合物をもとに、該化合物が有するイソシアネート基等の官能基とそれに反応可能な官能基との反応を利用してポリエステル鎖を付加する方法で得ることが好適である。
上記分子内にカルボジイミド基を1つ以上有する化合物としては、例えば、有機溶媒中で、カルボジイミド化触媒の存在下、イソシアネート化合物を脱炭酸反応によりカルボジイミド化する一般的な方法で得られるカルボジイミド化合物が利用できる。
【0024】
上記イソシアネート化合物としては、メチルイソシアネート、エチルイソシアネート、プロピルイソシアネート、ブチルイソシアネート、オクタデシルイソシアネート、フェニルイソシアネート等のモノイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の脂肪族、脂環族、芳香族、芳香脂肪族のジイソシアネート化合物を挙げることができる。
ここで、利用可能な有機溶媒としては、沸点が高く、かつ、イソシアネート化合物や生成するカルボジイミド基を有する化合物と反応するような活性水素を持たないものであり、具体的には、トルエン、キシレン、ジエチルベンゼン等の芳香族炭化水素;ジエチレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールジブチレート、ヘキシレングリコールジアセテート、グリコールジアセテート、メチルグリコールアセテート、エチルグリコールアセテート、ブチルグリコールアセテート、エチルジグリコールアセテート、ブチルジグリコールアセテート等のグリコールエーテルエステル類;エチルブチルケトン、アセトフェノン、プロピオフェノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸アミル、プロピオン酸プロピル、酪酸エチル等の脂肪族エステル等を挙げることができる。また、利用可能なカルボジイミド化触媒としては、ホスホレン類やホスホレンオキサイド類等が挙げられ、具体的には、1−エチル−3−メチル−3−ホスホレンオキサイド、1−フェニル−3−メチル−3−ホスホレンオキサイド、1−フェニル−3−メチル−2−ホスホレンオキサイド等が例示できる。
【0025】
これらの材料を用いて、イソシアネート基の脱炭酸反応を行う方法としては、既知の方法が利用でき、例えば、窒素雰囲気下で、100〜200℃の反応温度で行うことができる。なお、上記カルボジイミド基を含有する化合物を得る他の方法としては、例えば、米国特許第2941956号明細書、特公昭47−33279号公報、特開平5−178954号公報、特開平6−56950号公報等に記載の方法が挙げられる。
【0026】
例えば、K(≧2)モルのジイソシアネート化合物を脱炭酸して得られる分子内にカルボジイミド基を1つ以上有する化合物は、下記一般式(2)で表すことができる。
【0027】
【化3】
Figure 2005023163
【0028】
但し、式中のAは、ポリカルボジイミド化合物の合成に用いたジイソシアネート化合物のイソシアネート基を除く残基を表す。
上述した分子内にカルボジイミド基を1つ以上有する化合物の市販品としては、ジフェニルメタンジイソシアネートを原料としたモノカルボジイミド化合物としてルプラネートMM−103、XTB−3003(いずれも商品名、BASF社製)、スタバクゾールP(商品名、住友バイエルウレタン社製)、テトラメチルキシリレンジイソシアネートを原料としたポリカルボジイミドとしてカルボジライトV−03、V−05等(いずれも商品名、日清紡社製)等が挙げられる。
また、上記分子内にカルボジイミド基を1つ以上有する化合物のイソシアネート基に反応させるポリエステル化合物について説明する。
イソシアネート基と反応可能な官能基を有するポリエステル化合物としては、
(1)オキシカルボン酸、モノアルコール、低分子ジオール化合物等を開始剤とした環状エステル化合物の開環重合化合物(例えば、乳酸、カプロン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等のモノ又はポリオキシカルボン酸を開始剤として用い、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、2−メチルカプロラクトン、4−メチルカプロラクトン、β−プロピオラクトン、δ−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン等の環状エステル化合物を開環重合して得られるカルボキシル基と水酸基を有するポリエステル化合物;メタノール、エタノール等の低分子モノオール化合物を開始剤として用い、上記環状エステル化合物を開環重合して得られる水酸基を含有するポリエステルモノオール化合物;エチレングリコール、プロピレングリコール等の低分子ジオールを開始剤として用い、上記環状エステル化合物を開環重合して得られる水酸基を含有するポリエステルジオール化合物等)、
(2)オキシカルボン酸の自己重縮合化合物(乳酸、カプロン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等のモノオキシカルボン酸を重縮合して得られる、カルボキシル基と水酸基を含有するポリエステル化合物等)、
(3)低分子ジオール化合物と低分子ジカルボン酸化合物とを重縮合させて得られる化合物(例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の直鎖状グリコール類、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、エチルブチルプロパンジオール等の分岐グリコール類等の低分子ジオール化合物成分と、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸等の飽和及び不飽和脂肪族ジカルボン酸、フタル酸等の芳香族ジカルボン酸等の低分子ジカルボン酸化合物成分とを、低分子ジオール化合物の過剰存在下で反応させて得られる水酸基を含有するポリエステルジオール化合物等)等を挙げることができる。
【0029】
なお、ポリエステル化合物がカルボキシル基を有する場合は、ポリカルボジイミド化合物のカルボジイミド基とカルボキシル基との反応が、ポリカルボジイミド化合物のイソシアネート基と水酸基との反応より、優先的に行われ反応を制御することが困難である。
そのため、ポリエステル化合物がカルボキシル基を有する場合は、カルボキシル基をモノアルコール類、グリコール類等と反応させカルボキシル基を無くしたものが好適に利用できる。
【0030】
なかでも、ポリエステル化合物としては、ヒドロキシカルボン酸自己重縮合物である12−ヒドロキシステアリン酸を重縮合して得られるポリエステルのカルボキシル基をモノアルコール、グリコール等と反応させたカルボキシル基を無くしたものが好ましい。すなわちポリエステル直鎖を有するカルボジイミド化合物におけるポリエステル鎖は、ヒドロキシカルボン酸自己重縮合物に起因するポリエステル鎖であることが好ましい。また、ヒドロキシカルボン酸自己重縮合物は、12−ヒドロキシステアリン酸自己重縮合物であることが好ましい。
【0031】
得られる本発明のポリエステル直鎖を有するカルボジイミド化合物において、直鎖として導入するポリエステル鎖は、有機溶媒中での顔料分散安定性を向上させるものであれば特に制限はないが、式量が200以上、また、10000以下であることが好ましい。より好ましくは、式量が300以上、また、5000以下であるポリエステル鎖である。
【0032】
また、ポリエステル直鎖を有するカルボジイミド化合物のカルボジイミド当量としては100〜50000であり、好適には、200以上、また、10000以下である。ここで、カルボジイミド当量が高すぎると、有機溶媒中での顔料分散安定性が低下するおそれがある。一方、カルボジイミド当量が低すぎると、カルボジイミド基が過剰に存在することになり、分散媒体中での顔料分散安定性が低下するおそれがある。なお、本明細書において、カルボジイミド当量とは、(カルボジイミド化合物の分子量)/(カルボジイミド化合物分子中のカルボジイミド基の数)で表されるものである。
【0033】
また、本発明のポリエステル鎖を直鎖に有するカルボジイミド化合物の数平均分子量としては、1000以上、また、50000以下が好ましい。カルボジイミド化合物の数平均分子量が高くなりすぎると、適切な粘度のものが得られにくくなり、一方、数平均分子量が低くなりすぎると、有機溶媒中での顔料分散安定性が低下し好ましくない。
【0034】
次に、ポリエステル側鎖を有するカルボジイミド化合物について、以下に説明する。
本発明で使用できる分子内にポリエステル側鎖を有するカルボジイミド化合物としては、カルボジイミド基とそれに反応可能な官能基との反応を利用して、ポリエステル鎖を分子内に導入したカルボジイミド化合物が好ましく利用できる。
【0035】
また、本発明で使用できるポリエステル側鎖を有するカルボジイミド化合物は、分子内にポリエステル側鎖以外に、ポリエーテル側鎖、ポリアクリル側鎖、アルキル側鎖、ポリアミド側鎖、ポリウレタン側鎖等を有していてもよい。これら、ポリエーテル側鎖、ポリアクリル側鎖、アルキル側鎖、ポリアミド側鎖、ポリウレタン側鎖は、後述するようなポリエステル側鎖を分子内に導入する方法と同じように導入できる。
これら併用可能なポリエーテル鎖、ポリアクリル鎖、アルキル鎖、ポリアミド鎖、ポリウレタン鎖は、分散媒体への溶解性、顔料分散性、顔料の種類等により適宜導入することができる。
【0036】
なお、本明細書において、このようなカルボジイミド基と官能基との反応をグラフト化反応と呼ぶことがあり、その方法で導入された側鎖をグラフト化側鎖、導入されたポリエステル側鎖をグラフト化ポリエステル側鎖と呼ぶこともある。
そして、このようなグラフト化ポリエステル側鎖を有するカルボジイミド化合物としては、分子内にカルボジイミド基を2つ以上有するポリカルボジイミド化合物をもとに、グラフト化反応によりポリエステル側鎖を1つ以上付加する(残余のカルボジイミド基も1つ以上とする)方法で得られるカルボジイミド化合物を挙げることができる。
【0037】
このような方法に用いられるカルボジイミド基を2つ以上有するポリカルボジイミド化合物としては、例えば、下記一般式(3)で表されるK(≧3)モルのジイソシアネート化合物を脱炭酸して得られる化合物、さらにその化合物のイソシアネート基に、後述のイソシアネート基と反応可能な官能基を有する化合物を反応させて得られる化合物、後述の一般式(4)で表される2モルのモノイソシアネート化合物と1モル以上のジイソシアネート化合物を脱炭酸して得られる化合物等が挙げられる。
【0038】
【化4】
Figure 2005023163
【0039】
なお、上記一般式中、Aは、ポリカルボジイミド化合物の合成に用いたジイソシアネート化合物のイソシアネート基を除く残基であり、Bは、ポリカルボジ化合物の合成に用いたモノイソシアネート化合物のイソシアネート基を除く残基である。
【0040】
上記一般式(2)(但し、K≧3)で表されるカルボジイミド基を有するポリカルボジイミド化合物の市販品としては、テトラメチルキシリレンジイソシアネートを原料としたポリカルボジイミドとしてカルボジライトV−03、V−05等(いずれも商品名、日清紡社製)等が挙げられる。
また、上記一般式(2)(但し、K≧3)で表されるポリカルボジイミド化合物のイソシアネート基にイソシアネート基と反応可能な官能基を有する化合物を反応させて得られる化合物に使用するイソシアネート基と反応可能な官能基を有する化合物としては、残余のカルボジイミド基と反応性が低くて、先にイソシアネート基と選択的に反応する化合物が好ましく、例えば、メタノール、エタノール等の低分子モノアルコール化合物、水酸基を含有するポリエステル化合物、ポリアルキレングリコールとそのモノアルキルエステル化合物、ポリメチルメタクリレートジオール、ポリブチルメタクリレートジオール、ポリ2−エチルヘキシルメタクリレートジオール等の水酸基含有ポリアクリル化合物といったような水酸基含有化合物を挙げることができる。
【0041】
上記のような方法を用いて得られた、分子内に2つ以上のカルボジイミド基を有する化合物に、更にグラフト化反応により、ポリエステル側鎖を導入して、分子内にカルボジイミド基及びグラフト化ポリエステル側鎖とを、それぞれ少なくとも1つ有するカルボジイミド化合物とする。
【0042】
そして、グラフト化反応によりポリエステル側鎖を分子内に導入する代表的な方法としては、カルボジイミド基と反応する官能基、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、燐酸基、水酸基、アミノ基等(好ましくは、カルボキシル基、スルホン酸基、燐酸基等の酸基)を有するポリエステル化合物を、カルボジイミド化合物のカルボジイミド基と反応させる方法が好適に利用できる。
上記ポリエステル側鎖を有するカルボジイミド化合物は、好ましくは、ポリエステル側鎖がカルボジイミド基とカルボキシル基との反応により分子内に導入されてなるものである。
【0043】
上記カルボジイミド基と反応する官能基を有するポリエステル化合物としては、まず、
(I)オキシカルボン酸、モノアルコール、低分子ジオール化合物等を開始剤とした環状エステル化合物の開環重合化合物(例えば、乳酸、カプロン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等のモノ又はポリオキシカルボン酸を開始剤として用い、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、2−メチルカプロラクトン、4−メチルカプロラクトン、β−プロピオラクトン、δ−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン等の環状エステル化合物を開環重合して得られるカルボキシル基と水酸基を有するポリエステル化合物;メタノール、エタノール等の低分子モノオール化合物を開始剤として用い、上記環状エステル化合物を開環重合して得られる水酸基を含有するポリエステルモノオール化合物;エチレングリコール、プロピレングリコール等の低分子ジオールを開始剤として用い、上記環状エステル化合物を開環重合して得られる水酸基を含有するポリエステルジオール化合物等)を挙げることができる。
【0044】
また、(II)オキシカルボン酸の自己重縮合化合物(乳酸、カプロン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等のモノオキシカルボン酸を重縮合して得られる、カルボキシル基と水酸基とを含有するポリエステル化合物等)を挙げることができる。
また、(III)低分子ジオール化合物と低分子ジカルボン酸化合物とを重縮合させて得られる化合物(例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の直鎖状グリコール類、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、エチルブチルプロパンジオール等の分岐グリコール類等の低分子ジオール化合物成分と、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸等の飽和及び不飽和脂肪族ジカルボン酸、フタル酸等の芳香族ジカルボン酸等の低分子ジカルボン酸化合物成分とを、低分子ジオール化合物の過剰存在下で反応させて得られる水酸基を含有するポリエステルジオール化合物等)を挙げることができる。
【0045】
また、(IV)モノアルコールを開始剤とした環状エステル化合物の開環重合物のリン酸エステル化合物(例えば、上記ポリエステルモノオール化合物をリン酸とエステル化反応させて得られるリン酸基を含有するポリエステルジオール化合物等)、(V)アミノ基含有スルホン酸化合物を開始剤とした環状エステル化合物の開環重合化合物(例えば、タウリン等のアミノ基含有スルホン酸化合物を開始剤として、上記環状エステル化合物を開環重合して得られるスルホン酸を含有するポリエステルジオール化合物等)を挙げることができる。
また、(VI)モノアルコールを開始剤とした環状エステル化合物の開環重合物の亜硫酸ガス付加物(例えば、上記ポリエステルモノオール化合物に亜硫酸ガスを付加して得られるスルホン酸を含有するポリエステルジオール化合物等)を挙げることができる。
【0046】
カルボジイミド化合物の分子内に導入するカルボジイミド基と反応する官能基を有するポリエステル化合物は、油性インクジェット記録用インク組成物の溶媒に応じて、適宜、選択されるが、分散安定性の点から、ヒドロキシカルボン酸の自己重縮合化合物が好ましく、より好ましくは、12−ヒドロキシステアリン酸の自己重縮合化合物である。
【0047】
また、カルボジイミド基と反応可能な官能基を有する化合物として、水酸基を有するポリエステル化合物を使用すると、もととなるポリカルボジイミド化合物がさらにイソシアネート基を有する場合、カルボジイミド基より先にイソシアネート基との反応が起こり、反応の制御が困難となり、さらに、カルボジイミド基と反応可能な官能基を有する化合物として、水酸基を2つ以上有するポリエステル化合物は、グラフト化反応の間に架橋してゲル化を起こす可能性がある。
【0048】
そこで、カルボジイミド基と反応可能な官能基が水酸基のみの化合物については、更に、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水コハク酸等の酸無水物を反応させて、カルボキシル基を1つ含有したポリエステル化合物を得てから、グラフト化反応させることが望ましい。
【0049】
上記で例示したポリエステル化合物をグラフト化により分子内に少なくとも1つ導入したカルボジイミド化合物は、更に、カルボジイミド基を少なくとも1つ有する必要があり、例えば、上記一般式(2)(但し、K≧3)で表されるカルボジイミド化合物にグラフト化反応により側鎖を導入すると、下記一般式(4)で表されるカルボジイミド化合物を得るものである(但し、K−1=m+n個とする)。
【0050】
【化5】
Figure 2005023163
【0051】
ここで、Aは、ポリカルボジイミド化合物の合成に用いたジイソシアネート化合物のイソシアネート基を除く残基である。Xは、同一又は異なって、カルボジイミド基とそれに反応可能な官能基を反応させて得られる3価の連結基、Yは、同一又は異なって、ポリエステル鎖であり、m及びnは、1以上の整数を表す。
なお、上記Xで表される3価の連結基として、例えば、カルボジイミド基とカルボキシル基との反応から形成される連結基は、下記一般式(5)、(6)、カルボジイミド基と水酸基との反応から形成される連結基は、以下の一般式(7)、(8)、カルボジイミド基とアミノ基との反応から形成される連結基は、以下の一般式(9)、カルボジイミド基とスルホン酸基との反応から形成される連結基は、以下の一般式(10)、カルボジイミド基と燐酸基との反応から形成される連結基は、以下の一般式(11)で表される。
【0052】
【化6】
Figure 2005023163
【0053】
上記一般式中、Rは、水素原子又は炭素原子1以上の炭化水素基を表す。
更に、一般式(4)で表されるカルボジイミド化合物は、分子内にイソシアネート基を有するが、イソシアネート基と反応可能な官能基を有する化合物を反応させることも可能であり、下記一般式(12)で表される化合物も本発明のカルボジイミド化合物として利用することができる。
【0054】
【化7】
Figure 2005023163
【0055】
上記一般式中、Z及びZは、それぞれ独立に、異なる構造を有しても良い、イソシアネート基と反応可能な官能基を有する化合物の、当該官能基の活性水素の1つを除く残基を表す。Aは、ポリカルボジイミド化合物の合成に用いたジイソシアネート化合物のイソシアネート化合物を除く残基である。Xは、同一又は異なって、カルボジイミド基とそれに反応可能な官能基を反応させて得られる3価の連結基、Yは、同一又は異なって、ポリエステル鎖であり、m及びnは1以上の整数を表す。
【0056】
このようなイソシアネート基と反応可能な官能基を有する化合物としては、上述のジイソシアネート化合物を脱炭酸して得られる化合物、一般式(2)(但し、K≧3)の化合物のイソシアネート基に、イソシアネート基と反応可能な官能基を有する化合物を反応させて得られる化合物に使用するものと同じものが使用できる。
【0057】
なお、以上に挙げた反応、すなわち、上記水酸基含有化合物を開始剤とした環状エステル化合物の開環反応、ヒドロキシカルボン酸の重縮合反応、低分子ジオール化合物と低分子ジカルボン酸化合物との縮重合反応、水酸基含有ポリエステル化合物と酸無水基の開環反応、カルボジイミド基とカルボキシル基や水酸基等との反応、イソシアネート基と水酸基等との反応は常法が利用できる。
【0058】
本発明におけるカルボジイミド化合物は、カルボジイミド基及びグラフト化ポリエステル鎖とを、それぞれ少なくとも1つ含有する化合物であればよく、各反応材料を反応させる順序が異なっても、最終的に得られる化合物が同一の分子構造を有すれば、得られる性能も異なるものではない。
【0059】
従って、上記一般式(12)のカルボジイミド化合物において、グラフト化ポリエステル側鎖を導入するために、先にカルボキシル基等の官能基含有ポリエステル化合物を合成後、カルボジイミド基に反応させて上記側鎖とする方法を説明したが、グラフト化側鎖を導入する別の方法としては、カルボジイミド基と反応する官能基とポリエステル鎖を連結する基とを有する化合物をカルボジイミド基に反応させた後、ポリエステル鎖を形成する化合物を分子内に導入させることによっても行うことができる。
例えば、先にオキシカルボン酸をカルボジイミド基に反応させて、水酸基をカルボジイミド化合物の分子内に導入した後、環状ポリエステル化合物を開環重合させて、ポリエステル鎖をグラフト結合する方法であっても良い。
更に、先にカルボジイミド基を有する化合物の分子内に残存するイソシアネート基と、上述したようなイソシアネート基と反応可能な官能基とを反応させた後、グラフト化を行っても良く、そして、これらの反応の順序については、好ましくない副反応生成物の最も少なくなるような条件で合成することが望ましい。
【0060】
上記分子内にグラフト化ポリエステル鎖を有するカルボジイミド化合物のその他の例としては、上記一般式(2)で表される化合物と、カルボジイミド基の全てをグラフト化ポリエステル鎖とした下記一般式(13)で表される化合物をもとに、次の方法から得られる化合物を挙げることができる。
【0061】
【化8】
Figure 2005023163
【0062】
上記一般式中、X、Y、A及びKは全て上記と同じ定義である。
まず、一般式(2)で表されるカルボジイミド化合物、又は、一般式(13)で表される化合物のどちらか一方を用い、両末端のイソシアネート基にジオール化合物を反応させて、両末端が水酸基の化合物を得る。例えば、一般式(2)で表される化合物1モルとジオール化合物2モルを反応させて得られる化合物は、下記一般式(14)で表され、一方、一般式(13)で表される化合物1モルとジオール化合物2モルを反応させて得られる化合物は、下記一般式(15)で表される。
【0063】
【化9】
Figure 2005023163
【0064】
上記一般式中、Gは、ジオール化合物の水酸基を除く残基を表す。また、X、Y、A及びKは全て上記と同じ定義である。
そして、上記カルボジイミド基を有するジオール化合物(一般式(14)で表される化合物)に対して、グラフト化ポリエステル鎖を有するジイソシアネート化合物(一般式(13)で表される化合物)、その逆として、グラフト化ポリエステル鎖を有するジオール化合物(一般式(15)で表される化合物)に対して、カルボジイミド基を有するジイソシアネート化合物(一般式(2)で表される化合物)を反応させて得られる化合物は、本発明で利用可能である。
【0065】
更に、ポリカルボジイミド化合物の代わりや併用成分として、モノカルボジイミド化合物や、モノカルボジイミド化合物にグラフト化ポリエステル鎖を導入した化合物等を利用する等の他の組合せからでも、グラフト化ポリエステル鎖を有するカルボジイミド化合物を得ることも可能である。
【0066】
以上の例示したようなカルボジイミド化合物において、側鎖として導入するポリエステル鎖は、有機溶媒中での顔料分散安定性を向上させるものであれば特に制限はないが、式量が200以上、また、10000以下であることが好ましい。より好ましくは、式量が300以上であり、5000以下であるポリエステル鎖である。
【0067】
上記側鎖として導入するポリエステル鎖は、ヒドロキシカルボン酸自己重縮合物に起因するポリエステル鎖であることが好ましい。また、ヒドロキシカルボン酸自己重縮合物は、12−ヒドロキシステアリン酸自己重縮合物であることが好ましい。
【0068】
また、ポリエステル側鎖を有するカルボジイミド化合物は、上記に記載したように有機溶媒への溶解性、顔料分散性、顔料の種類等によりポリエステル側鎖以外にポリエーテル側鎖、ポリアクリル側鎖、アルキル側鎖、ポリアミド側鎖、ポリウレタン側鎖等が併用可能である。
ポリエーテル側鎖、ポリアクリル側鎖、アルキル側鎖、ポリアミド側鎖、ポリウレタン側鎖を分子内に導入する代表的な方法としては、ポリエステル側鎖を導入する方法と同じ方法が利用できる。
例えば、カルボジイミド化合物にポリエーテル側鎖を導入する場合は、分子内にカルボジイミド基を含有する化合物のカルボジイミド基と(1)オキシカルボン酸、モノアルコール、低分子ジオール化合物等を開始剤とした環状エーテル化合物の開環重合化合物、(2)モノアルコールを開始剤とした環状エーテル化合物の開環重合物のリン酸エステル化合物、(3)アミノ基含有スルホン酸化合物を開始剤とした環状エーテル化合物の開環重合化合物、(4)モノアルコールを開始剤とした環状エーテル化合物の開環重合物の亜硫酸ガス付加物等等のカルボジイミド基と反応可能な官能基を有するポリエーテル化合物とを反応させることにより導入することができ、ポリアクリル側鎖を導入する場合は、分子内にカルボジイミド基を含有する化合物のカルボジイミド基とカルボキシル基、水酸基、スルホン酸基及びアミノ基からなる群より選択される少なくとも1種を有する(メタ)アクリルモノマーから選択される少なくとも1種を含有する単量体成分を重合してなる(メタ)アクリル系重合体等のカルボジイミド基と反応可能な官能基を有するポリアクリル化合物とを反応させることにより導入することができる。
【0069】
上記カルボジイミド基と反応可能な官能基の中でも、カルボジイミド基との反応性の面からはカルボキシル基、スルホン酸基等の酸基を有するものが有利である。
尚、カルボジイミド基と反応可能な官能基を有する化合物として、水酸基を有するポリエステル化合物を使用するともととなるポリカルボジイミド化合物がさらにイソシアネート基を有する場合、カルボジイミド基より先にイソシアネート基との反応が起こり、反応の制御が困難となり、さらに、カルボジイミド基と反応可能な官能基を有する化合物として、水酸基を2つ以上有するポリエステル化合物は、グラフト化反応の間に架橋してゲル化を起こす可能性がある。
【0070】
そこで、カルボジイミド基と反応可能な官能基が水酸基のみのポリエーテル化合物、ポリアクリル化合物等の化合物については、更に、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水コハク酸等の酸無水物を反応させて、カルボキシル基を一つ含有したポリエーテル化合物、ポリアクリル化合物等の化合物を得てから、グラフト化反応させることが望ましい。
【0071】
以上のカルボジイミド化合物は、グラフト化反応を利用して側鎖を導入する方法により得られるものであるが、グラフト化反応以外の方法で、カルボジイミド化合物の側鎖としてポリエステル鎖を導入する方法としては、例えば、上記一般式(2)で表されるポリカルボジイミド化合物を、ポリエステル側鎖を有する鎖伸長剤を用いて鎖伸長させる方法等が利用できる。
このような鎖伸長剤としては、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の水酸基を3つ以上有するポリオール化合物に、上記環状ポリエステル化合物を開環重合させて得られる化合物、上記低分子ジオール化合物に一部トリオール化合物を併用して、上記低分子ジカルボン酸と重縮合させて得られる化合物、ジメチロールプロピオン酸等のジオールモノカルボン酸に、ポリエステル鎖を分子内に有するエポキシ化合物を反応させて得られる化合物等を挙げることができる。
【0072】
上記方法で得られるカルボジイミド化合物は、カルボジイミド当量が100〜50000であり、好適には、200以上、また、10000以下である。ここで、カルボジイミド当量が高すぎると、有機溶媒中での分散安定性が低下するおそれがある。一方、カルボジイミド当量が低すぎると、カルボジイミド基が過剰に存在することになり、有機溶媒中での顔料分散安定性が低下するおそれがある。
【0073】
上記方法で得られるカルボジイミド化合物の数平均分子量としては、1000以上、また、50000以下が好ましい。カルボジイミド化合物の数平均分子量が高くなりすぎると、適切な粘度のものが得られにくくなるおそれがあり、一方、数平均分子量が低くなりすぎると、有機溶媒中での顔料分散安定性が低下するおそれがあり好ましくない。
【0074】
(B)分子内にポリエステル鎖を有し、且つアミン価を有するカルボジイミド系化合物
本発明で使用できる分子内にポリエステル鎖を有し、且つアミン価を有するカルボジイミド系化合物について、以下に説明する。
本発明のポリエステル鎖を有し、且つアミン価を有するカルボジイミド系化合物とは、カルボジイミド化合物から得られるもので、カルボジイミド化合物を主鎖としたとき、ポリエステル鎖は、側鎖であってもよく、直鎖であってもよい。上記ポリエステル鎖を有し、且つアミン価を有するカルボジイミド系化合物としては、(E)分子内にポリエステル側鎖を有し、且つアミン価を有するカルボジイミド系化合物が好ましい。
なお、本明細書において、カルボジイミド系化合物は、カルボジイミド基を有する化合物を元にして得られる化合物であり、最終的に得られた化合物の分子内にカルボジイミド基を有しているものはもちろん、有していないものも含む。
【0075】
ここでは、分子内にポリエステル側鎖を有し、且つアミン価を有するカルボジイミド系化合物について説明する。上記カルボジイミド系化合物は、分子内にポリエステル側鎖以外にポリエーテル側鎖、ポリアクリル側鎖、アルキル側鎖、ポリアミド側鎖、ポリウレタン側鎖等を有していてもよい。
まず、分子内にカルボジイミドを1つ以上有する化合物をもとに、そのカルボジイミド基に、カルボジイミド基と反応する官能基、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、燐酸基、水酸基、アミノ基等との反応(グラフト化反応と呼ぶこともある)を利用してポリエステル側鎖(グラフト化ポリエステル鎖と呼ぶこともある)を付加する(残余のカルボジイミド基は存在しなくてもよい)方法でカルボジイミド系化合物を得ることが好ましい。
【0076】
上記カルボジイミド基を1つ以上有するカルボジイミド化合物としては、上記一般式(2)で表されるカルボジイミド化合物が利用できる。
本発明では、一般式(2)で表される分子内に1つ以上のカルボジイミド基を有するカルボジイミド化合物のカルボジイミド基に、更にグラフト化反応により、ポリエステル側鎖を導入して、分子内にグラフト化ポリエステル鎖を少なくとも1つ含有するカルボジイミド系化合物を得る。
【0077】
グラフト化反応によりポリエステル側鎖を分子内に導入する代表的な方法としては、カルボジイミド基と反応可能な官能基を有するポリエステル化合物を用いて、カルボジイミド基を当該官能基と反応させる方法が好適に利用できる。
カルボジイミド基と反応可能な官能基としては、例えば、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、スルホン酸基、リン酸基等を挙げることができる。上記分子内にグラフト化ポリエステル鎖を少なくとも1つ含有するカルボジイミド系化合物は、好ましくは、ポリエステル側鎖がカルボジイミド基とカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等の酸基との反応により分子内に導入されてなるものである。
【0078】
上記カルボジイミド基と反応可能な官能基を有するポリエステル化合物としては、上記(A)ポリエステル鎖を有するカルボジイミド化合物について述べたものと同じものが使用でき、好ましくは、ヒドロキシカルボン酸の自己重縮合化合物であり、中でも12−ヒドロキシステアリン酸自己重縮合物が好ましい。
このような方法で得られるグラフト化ポリエステル鎖を分子内に少なくとも1つ有する化合物は、例えば、下記一般式(16)で表されるような化合物である。
【0079】
【化10】
Figure 2005023163
【0080】
上記一般式中、Xは、カルボジイミド基とそれに反応可能な官能基を反応させて得られる3価の連結基、Yは、ポリエステル鎖、Aは、上記と同じ定義であり、mは、0又は1以上の整数、nは、1以上の整数を表す。
【0081】
なお、上記Xで表される3価の連結基としてば、上記(A)ポリエステル鎖を有するカルボジイミド化合物について説明したものと同じである。
【0082】
上記ポリエステル側鎖を有するカルボジイミド系化合物は、上述したように、溶媒への溶解性、顔料分散性、顔料の種類等によりポリエステル側鎖以外にポリエーテル側鎖、ポリアクリル側鎖、アルキル側鎖、ポリアミド側鎖、ポリウレタン側鎖等が併用可能である。
カルボジイミド化合物にポリエーテル側鎖、ポリアクリル側鎖、アルキル側鎖、ポリアミド側鎖、ポリウレタン側鎖等を導入する方法は、(A)ポリエステル鎖を有するカルボジイミド化合物について述べた方法と同じ方法で導入することができる。
【0083】
次いで、得られた一般式(16)で表されるポリエステル側鎖を有する化合物にアミノ基を導入する。
上記アミノ基は、主鎖にあることが好ましく、また、上記アミノ基としては、3級アミノ基であることが好ましい。
そこで、一般式(16)で表されるカルボジイミド化合物を出発物質として、分子内のイソシアネート基を利用して主鎖にアミノ基を導入することが好ましい。
【0084】
このようにイソシアネート基を利用して主鎖にアミノ基を導入する際に用いる化合物としては、イソシアネート基と反応する官能基を有する化合物を用いることができ、そのような化合物としては、カルボジイミド基と反応性が低くて、先にイソシアネート基と選択的に反応する化合物が好ましい。例えば、アミノ基を有し、更にイソシアネート基と反応可能な官能基を有する化合物としては、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジメタノールアミン等のN−アルキルジアルカノールアミン化合物等の水酸基含有アミン化合物を挙げることができる。
【0085】
更に、上記ポリエステル側鎖を有し、且つアミン価を有するカルボジイミド系化合物(アミノ基を有し、グラフト化ポリエステル側鎖を有するカルボジイミド系化合物)が、カルボジイミド基を有していない場合には、無水コハク酸や無水トリメリット酸等の酸無水物と反応させて酸価を導入してもかまわない。
【0086】
また、本発明におけるアミノ基を有し、グラフト化ポリエステル側鎖を有するカルボジイミド系化合物は、アミノ基を有し、グラフト化ポリエステル鎖を少なくとも1つ含有する化合物であればよく、各反応材料を反応させる順序が異なっても、最終的に得られる化合物が同一の分子構造を有すれば、得られる性能も異なるものではない。そしてこれらの反応させる順序については、好ましくない副反応生成物の最も少なくなるような条件で合成することが好ましい。
【0087】
本発明におけるアミノ基を有し、グラフト化ポリエステル側鎖を有するカルボジイミド系化合物のアミン価の範囲としては、カルボジイミド系化合物がカルボジイミド基を有さない場合は、3〜60が好ましく、より好ましくは、5〜30であり、カルボジイミド系化合物がカルボジイミド基を有する場合は、0〜60が好ましい範囲である。
カルボジイミド系化合物がカルボジイミド基を有さず、アミン価が3より小さい場合又はアミン価が60より大きい場合、カルボジイミド系化合物がカルボジイミド基を有する場合において、アミン価が60より大きい場合は、いずれも、顔料分散性や分散安定性が低下するおそれがあり、好ましくない。
【0088】
上記アミノ基を有し、グラフト化ポリエステル側鎖を有するカルボジイミド系化合物において、側鎖として導入するポリエステル鎖は、有機溶媒中での顔料分散安定性を向上させるものであれば特に制限はないが、式量が200以上、また、10000以下であることが好ましい。より好ましくは、式量が300以上、また、5000以下のポリエステル鎖である。
【0089】
また、本発明におけるアミノ基を有し、グラフト化ポリエステル側鎖を有するカルボジイミド系化合物がカルボジイミド基を有する場合、カルボジイミド当量が100以上が好ましく、より好ましくは、100以上、また、50000以下であり、さらに好適には、200以上、10000以下である。ここで、カルボジイミド当量が100より低いとカルボジイミド基が過剰に存在することになり、有機溶媒中での顔料分散安定性が低下するおそれがある。
【0090】
また、本発明のアミノ基を有しグラフト化ポリエステル側鎖を有するカルボジイミド系化合物の数平均分子量としては、1000以上、また、50000以下が好ましい。カルボジイミド系化合物の数平均分子量が高くなりすぎると、適切な粘度のものが得られにくくなるおそれがあり、一方、数平均分子量が低くなりすぎると、有機溶媒中での顔料分散安定性が低下するおそれがあり好ましくない。
【0091】
(C)分子内にポリエステル鎖を有し、且つ顔料誘導体、顔料中間体、染料誘導体及び染料中間体からなる群より選択される少なくとも1種に起因する顔料吸着性を有する側鎖を有するカルボジイミド系化合物
本発明の分子内にポリエステル鎖を有し、且つ顔料誘導体、顔料中間体、染料誘導体及び染料中間体からなる群より選択される少なくとも1種に起因する顔料吸着性を有する側鎖を有するカルボジイミド系化合物(以下、ポリエステル鎖及び顔料吸着性を有する側鎖を有するカルボジイミド系化合物ということがある。)とは、カルボジイミド化合物から得られるもので、カルボジイミド系化合物を主鎖としたとき、ポリエステル鎖は、側鎖であってもよく、直鎖であってもよい。上記ポリエステル鎖及び顔料吸着性を有する側鎖を有するカルボジイミド系化合物としては、(F)分子内にポリエステル側鎖を有し、且つ顔料誘導体、顔料中間体、染料誘導体及び染料中間体からなる群より選択される少なくとも1種に起因する顔料吸着性を有する側鎖を有するカルボジイミド系化合物が好ましい。
【0092】
なお、本明細書において、顔料誘導体及び/又は染料誘導体を、以下、色剤誘導体ということがある。また、顔料中間体及び/又は染料中間体を、以下、色剤中間体ということがある。
【0093】
上記顔料誘導体、顔料中間体、染料誘導体及び染料中間体からなる群より選択される少なくとも1種に起因する顔料吸着性を有する側鎖は、顔料誘導体、顔料中間体、染料誘導体及び染料中間体からなる群より選択される少なくとも1種との反応により分子内に導入されてなるものが好ましい。
【0094】
ここでは、分子内にポリエステル側鎖を有し、且つ顔料誘導体、顔料中間体、染料誘導体及び染料中間体からなる群より選択される少なくとも1種に起因する顔料吸着性を有する側鎖を有するカルボジイミド系化合物(以下、ポリエステル側鎖及び顔料吸着性を有する側鎖を有するカルボジイミド系化合物ということがある。)について説明する。上記カルボジイミド系化合物は、分子内にポリエステル側鎖以外にポリエーテル側鎖、ポリアクリル側鎖、アルキル側鎖、ポリアミド側鎖、ポリウレタン側鎖等を有していてもよい。
【0095】
上記ポリエステル側鎖及び顔料吸着性を有する側鎖を有するカルボジイミド系化合物は、分子内にカルボジイミド基を2つ以上有するカルボジイミド化合物をもとに、そのカルボジイミド基に、カルボジイミド基と反応する官能基、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、燐酸基、水酸基、アミノ基等との反応(グラフト化と呼ぶこともある。)を利用してポリエステル側鎖(グラフト化側鎖と呼ぶこともある。)を付加する方法でポリエステル側鎖を有するカルボジイミド化合物を得たのち、該カルボジイミド化合物に、カルボジイミド基と反応する官能基を有する顔料誘導体、顔料中間体、染料誘導体及び染料中間体からなる群より選択される少なくとも1種を反応させて、顔料吸着性を有する側鎖を分子内に導入することにより得られるものが好ましい。
【0096】
このようなグラフト化側鎖を有するカルボジイミド化合物としては、まず、分子内にカルボジイミド基を2つ以上有するカルボジイミド化合物をもとに、グラフト化反応によりポリエステル側鎖を1つ以上付加する(残余のカルボジイミド基も1つ以上とする)方法で得られるカルボジイミド化合物を挙げることできる。ここで、上記カルボジイミド基を2つ以上有するカルボジイミド化合物としては、例えば、3モル以上のジイソシアネート化合物を脱炭酸して得られる、上記一般式(2)(但し、K≧3)で表される化合物、2モルのモノイソシアネート化合物と1モル以上のジイソシアネート化合物を脱炭酸して得られる、上記一般式(3)(但し、K≧3)で表される化合物を挙げることができる。これらは、ポリカルボジイミド化合物ともいう。
さらに、カルボジイミド基を2つ以上有するポリカルボジイミド化合物として、上記一般式(2)(但し、K≧3)の化合物のイソシアネート基と上記イソシアネート基と反応可能な官能基を有する化合物とから得られるカルボジイミド化合物も使用可能である。
【0097】
上記方法等を用いて得られた、分子内に2つ以上のカルボジイミド基を有する化合物に、さらにグラフト化反応によりポリエステル側鎖を導入して、分子内にカルボジイミド基と、グラフト化ポリエステル側鎖とを、それぞれ少なくとも1つ含有するカルボジイミド化合物とする。
【0098】
そして、グラフト化反応によりポリエステル側鎖を分子内に導入する代表的な方法としては、カルボジイミド基と反応可能な官能基を有するポリエステル化合物を用いて、カルボジイミド基を有するポリカルボジイミド化合物のカルボジイミド基と反応させる方法が利用できる。
カルボジイミド基と反応可能な官能基としては、例えば、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、スルホン酸基、リン酸基等を挙げることができる。上記分子内にグラフト化ポリエステル鎖を少なくとも1つ含有するカルボジイミド化合物は、ポリエステル側鎖がカルボジイミド基とカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等の酸基との反応により分子内に導入されてなるものが好ましい。
【0099】
上記カルボジイミド基と反応可能な官能基を有するポリエステル化合物としては、上記(A)ポリエステル側鎖を有するカルボジイミド化合物について説明したものと同様のものを用いることができ、ヒドロキシカルボン酸の自己重縮合化合物が好ましく、中でも、12−ヒドロキシステアリン酸自己重縮合化合物がより好ましい。
【0100】
このような方法で得られるグラフト化ポリエステル側鎖を分子内に少なくとも1つ有する化合物は、上記(A)ポリエステル鎖を有するカルボジイミド化合物又は(B)ポリエステル鎖を有し、且つアミン価を有するカルボジイミド系化合物について説明したのと同様に、溶媒への溶解性、顔料分散性、顔料の種類等により、ポリエステル側鎖以外にポリエーテル側鎖、ポリアクリル側鎖、アルキル側鎖、ポリアミド側鎖、ポリウレタン側鎖等を有していてもよい。上記ポリエステル側鎖以外にポリエーテル側鎖、ポリアクリル側鎖、アルキル側鎖、ポリアミド側鎖、ポリウレタン側鎖等を導入する方法としては、上記(A)ポリエステル側鎖を有するカルボジイミド化合物について説明した方法と同じ方法を用いることができる。
【0101】
上記ポリエステル側鎖を有するカルボジイミド化合物を用いて、分子内にポリエステル側鎖を有し、且つ顔料誘導体、顔料中間体、染料誘導体及び染料中間体からなる群より選択される少なくとも1種に起因する顔料吸着性を有する側鎖を有するカルボジイミド系化合物を得る方法としては、上記ポリエステル側鎖を有するカルボジイミド化合物に、カルボジイミド基と反応する官能基を有する顔料誘導体、顔料中間体、染料誘導体及び染料中間体からなる群より選択される少なくとも1種を反応させて、顔料吸着性を有する側鎖を分子内に導入する方法が好ましい。
【0102】
上記カルボジイミド系化合物を用いて顔料を分散媒体中に分散させた油性インクジェット記録用インク組成物では、上記カルボジイミド系化合物の分子内に存在する顔料吸着性を有する側鎖が、顔料と吸着し、且つカルボジイミド系化合物の分子量効果により顔料表面に厚い吸着層を形成することができることから、良好な流動性と分散安定性が得られるものと考えられる。
【0103】
さらにカルボジイミド系化合物がポリエステル側鎖を有するものであるので、顔料を分散媒体中に分散したときに、該側鎖が、分散媒体中でドメインを形成して立体障害等の作用をすることから、顔料を分散媒体中に安定的に分散させることができるものと考えられる。
なお、上記ポリエステル側鎖及び顔料吸着性を有する側鎖を有するカルボジイミド系化合物としては、ポリエステル側鎖を有し、上記顔料吸着性を有する側鎖を有する化合物であればよく、各反応材料を反応させる順序が異なっても、最終的に得られる化合物が同一の分子構造を有すれば、得られる性質も異なるものではない。例えば、カルボジイミド化合物のカルボジイミド基に、予め、カルボジイミド基と反応する官能基を有する顔料誘導体、顔料中間体、染料誘導体及び染料中間体からなる群より選択される少なくとも1種を反応させた後、さらに、ポリエステル側鎖を導入して得られるカルボジイミド系化合物であってもよい。上記各反応材料を反応させる順序については、好ましくない副生成物が最も少なくなるような条件で反応させることが好ましい。
【0104】
上記ポリエステル側鎖及び顔料吸着性を有する側鎖を有するカルボジイミド系化合物において、側鎖として導入するポリエステル鎖は、有機溶媒中での顔料分散安定性を向上させるものであれば特に制限はないが、式量が200以上、また、10000以下であることが好ましい。より好ましくは、式量が300以上、また、5000以下のポリエステル鎖である。
【0105】
また、上記ポリエステル側鎖及び顔料吸着性を有する側鎖を有するカルボジイミド系化合物がカルボジイミド基を有する場合、カルボジイミド当量が100以上が好ましく、より好ましくは、100以上、また、50000以下であり、さらに好適には、200以上、10000以下である。ここで、カルボジイミド当量が100より低いとカルボジイミド基が過剰に存在することになり、有機溶媒中での顔料分散安定性が低下するおそれがある。
【0106】
また、上記ポリエステル側鎖及び顔料吸着性を有する側鎖を有するカルボジイミド系化合物の数平均分子量としては、1000以上、また、50000以下が好ましい。カルボジイミド系化合物の数平均分子量が高くなりすぎると、適切な粘度のものが得られにくくなるおそれがあり、一方、数平均分子量が低くなりすぎると、有機溶媒中での顔料分散安定性が低下するおそれがあり好ましくない。
【0107】
上記顔料誘導体、顔料中間体、染料誘導体及び染料中間体としては、使用する顔料の種類に応じて適宜最適なものが選択されるものである。好適な顔料誘導体としては、本発明で使用できる上記顔料の分子の誘導体であって、カルボジイミド基と反応可能な官能基を有する化合物が挙げられる。また、好適な顔料中間体としては、顔料を合成する際に使用する化合物であって、例えば、ナフトエ酸、下記式(17):
【0108】
【化11】
Figure 2005023163
【0109】
で表される2−カルボキシピラジン等のカルボジイミド基と反応可能な官能基を有する化合物が挙げられる。また、染料誘導体としては、染料の分子の誘導体であって、例えば、β−ナフトールオレンジ染料誘導体等のカルボジイミド基と反応可能な官能基を有する化合物が挙げられる。染料中間体としては、染料を合成する際に使用する化合物であって、特開2002−22922号公報に記載されているアントラキノン誘導体等のカルボジイミド基と反応可能な官能基と顔料吸着部とを有する色素残基等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0110】
上記色剤誘導体及び上記色剤中間体が有するカルボジイミド基と反応可能な官能基が、カルボキシル基、スルホン酸基、燐酸基、水酸基及びアミノ基からなる群よりされる少なくとも1種の官能基を有するものが好適で、より好ましくは、カルボキシル基、スルホン酸基及び燐酸基の酸基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有するものである。
【0111】
本発明において、顔料分散剤として使用される(A)分子内にポリエステル鎖を有するカルボジイミド化合物、(B)分子内にポリエステル側を有し、且つアミン価を有するカルボジイミド系化合物及び(C)分子内にポリエステル鎖を有し、且つ顔料誘導体、顔料中間体、染料誘導体及び染料中間体からなる群から選択される少なくとも1種に起因する顔料吸着性を有する側鎖を有するカルボジイミド系化合物は、油性インクジェット記録用インク組成物に使用する有機溶媒、顔料の種類等に応じて、適宜選択され使用される。
【0112】
特に、顔料表面に存在するカルボジイミド基と反応する官能基とカルボジイミド化合物のカルボジイミド基との反応による共有結合を利用する場合としては、顔料分散剤としては、上記(A)のカルボジイミド化合物を用いることが好ましい。また、酸性顔料との酸−塩基の親和力を利用する場合は、顔料分散剤としては、上記(B)のカルボジイミド系化合物を用いることが好ましい。また、分子構造の類似性に起因する親和力を利用する場合は、顔料としては、カルボジイミド基と反応可能な官能基を有さない顔料(共有結合を利用しない場合)、カルボジイミド基と反応可能な官能基を有する顔料であっても、該顔料が有するカルボジイミド基と反応可能な官能基が例えばアミノ基、水酸基等で、カルボジイミド基と反応する温度が100℃以上である顔料(共有結合を利用する場合)に有効で、顔料分散剤としては、上記(C)のカルボジイミド系化合物を用いることが好ましい。
【0113】
なお、分子構造の類似性に起因する親和力を利用する場合においては、上記顔料誘導体、上記顔料中間体、上記染料誘導体及び上記染料中間体は、同一または類似の分子構造を有する顔料との組合せが好適である以外に、用いる顔料と異なる分子構造を有する顔料の誘導体等であっても、顔料の表面に充分な吸着性を有するものであれば利用が可能である。このような顔料誘導体、顔料中間体、染料誘導体及び染料中間体と顔料との好適な組合せとしては、例えば、(1)顔料誘導体としてのフタロシアニン系顔料誘導体については、顔料としてのフタロシアニン系顔料以外にもピグメントブラック7との組合せがあり、また、(2)染料誘導体としてのβ−ナフトールオレンジ染料誘導体については、顔料としてのナフトール系顔料以外にも、縮合アゾ顔料との組合せがあり、また、(3)染料中間体としてのアントラキノン誘導体については、顔料としてのジアントラキノニル系顔料以外にも、ジケトピロロピロール系顔料、縮合アゾ顔料、イソインドリ系顔料、ペリノン系顔料、ヘテロ環を有するアゾ系顔料、キナクリドン系顔料、ジブロモアンタントロン系顔料及び/又はベンズイミダゾロン系顔料との組合せである。
【0114】
上記顔料分散剤の好適な使用量(使用比率)としては、顔料1重量部に対して3〜100重量部、より好ましくは5〜50重量部であるが、分散性能、流動性等の要求性能等によって調整することが好ましい。
【0115】
本発明で利用できる油性インクジェット記録用インク組成物に用いられる有機溶媒としては、飽和炭化水素系有機溶媒及び/又は上記一般式(1)で表される炭化水素系有機溶媒を含有するものが使用できる。
本発明の油性インクジェット記録用インク組成物に利用できる飽和炭化水素系有機溶媒としては、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン等のノルマルパラフィン系炭化水素;イソオクタン、イソデカン、イソドデカン等のイソパラフィン系炭化水素;シクロヘキサン、シクロオクタン、シクロデカン、デカリン等のシクロパラフィン系炭化水素;更に、市販製品として、アイソパーE、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーM、エクソールD130、エクソールD140(以上、いずれもエクソン化学社製)、シェルゾール(シェルオイル社製)、ソルトロール(フィリップス石油社製)、ベガゾール(モービル石油社製)、IPソルベンド2835(出光石油化学社製)、モレスコホワイトP−40、モレスコホワイトP−55(以上、いずれも松村石油研究所社製)、流動パラフィンNo.40−S、流動パラフィンNo.55−S(以上、いずれも中央化成社製)等を挙げることができる(市販の飽和炭化水素系有機溶媒の中には少量の不飽和炭化水素を含有するものもあるが、本発明では支障なく利用できる)。なお、市販製品については、商品名を表す。
上記飽和炭化水素系有機溶媒としては、これらの中でも、イソパラフィン、イソパラフィンとシクロパラフィンとの混合物及び流動パラフィンからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0116】
なお、本発明の油性インクジェット記録用インク組成物の蒸発乾燥による印字速度の向上とノズルの目詰まりを考慮すると、飽和炭化水素系有機溶媒の沸点としては180〜360℃/101kPaの範囲にあるのが好適である。また、インクの吐出安定性の面から、飽和炭化水素系有機溶媒は25℃における粘度が20mPa・s以下のものが好適である。また、低粘度の飽和炭化水素系有機溶媒と高粘度の飽和炭化水素系有機溶媒とを混合して、上記範囲内の粘度になるように調整しても使用可能である。
【0117】
本発明の油性インクジェット記録用インク組成物に利用できる上記一般式(1)で表される炭化水素系有機溶媒の具体例としては、1−フェニル−キシリルエタン、フェニルキシリルメタン等が挙げられる。これらの有機溶媒は、単独又は混合して利用できる。
【0118】
また、本発明の油性インキジェット記録用インク組成物には、更に顔料分散性や吐出安定性を向上させるために、溶媒として植物油等の助剤を併用することも可能である。
上記植物油としては、大豆油、綿実油、ヒマワリ油、ナタネ油、カラシ油、ゴマ油等の半乾性油、オリーブ油、落花生油、ツバキ油等の不乾性油、亜麻仁油、サフラワー油等の乾性油を挙げることができ、これらの植物油は単独又は混合して使用できる。特に性状の点からは、酸化による重合性の低い半乾性油や不乾性油であって、その中でも、より低粘度なナタネ油、オリーブ油、また、安価な大豆油が好ましい。
【0119】
そして、本発明で用いる飽和炭化水素系有機溶媒及び/又は上記一般式(1)で表される炭化水素系有機溶媒と植物油の使用量は、飽和炭化水素系有機溶媒と上記一般式(1)で表される炭化水素系有機溶媒との合計質量(飽和炭化水素系有機溶媒の質量+上記一般式(1)で表される炭化水素系有機溶媒の質量)をWHC、植物油の質量をWVOとしたとき、WVO/WHC≦0.5となる量であることが好ましい。
【0120】
また、本発明の油性インクジェット記録用インク組成物には、被印刷体への固着性等の改善のために、更に通常の油性インクジェット記録用インク組成物で利用されている各種バインダー樹脂を併用することができ、特に再溶解性に効果がある石油樹脂やロジン変性マレイン酸樹脂等は好適である。なお、顔料分散剤として、カルボジイミド基を有するものを使用する場合は、バインダー樹脂としては、カルボジイミド基と反応する官能基を有していないものを使用することが好ましい。
また、顔料の分散に効果のある顔料誘導体や界面活性剤を上記顔料分散剤と併用することもできる。また、粘度調整剤等の各種添加剤を併用することもできる。
【0121】
次に、これらの材料を用いて油性インクジェット記録用インク組成物を製造する方法を詳細に説明する。
これらの材料を用いて油性インクジェット記録用インク組成物を製造する方法としては、例えば、飽和炭化水素系有機溶媒及び/又は上記一般式(1)で表される炭化水素系有機溶媒の一部に顔料分散剤を溶解させて顔料分散剤溶剤とし、これに更に顔料、必要に応じてバインダー樹脂、界面活性剤等を混合攪拌し、分散機で顔料を分散してベースインクを調製し、このベースインクに、残りの溶媒、必要に応じて植物油、その他の添加剤を添加混合する方法等が利用できるが、これらに限定されるものではない。
【0122】
上記分散機としては、例えば、湿式サーキュレーションミル、ビーズミル、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー(マイクロフルイダイザー、ナノマイザー、アルティマイザー、ジーナスPY、DeBEE2000等)、パールミル等を挙げることができ、特に油性インクジェット記録用インク組成物では、より微細に顔料を分散させる必要があることから、上記分散機の中でも湿式サーキュレーションミル、DeBEE2000が好ましい。
なお、得られる油性インクジェット記録用インク組成物は、25℃における表面張力が36mN/m以上であることが好ましく、この範囲の表面張力を有する油性インクジェット記録用インク組成物は、ノズル内への充填が速やかであり、ノズルの詰まりも少なくすることができる。
また、低温における保存安定性等を良好にするという観点から、油性インクジェット記録用インク組成物の凝固点は−10℃が好適である。更に、油性インクジェット記録用インク組成物の粘度としては、使用時の環境温度において、1.0〜30.0mPa・sが好ましく、特に5.0〜20.0mPa・sが好適である。粘度がこの範囲にあると、高速印刷において吐出追随性や吐出安定性も良好となる。
【0123】
これらの物性値は、最終的な油性インクジェット記録用インク組成物として有しているものであればよいが、とくに主要成分である飽和炭化水素系有機溶媒及び/又は上記一般式(1)で表される炭化水素系有機溶媒に支配される物性値であることから、用いる飽和炭化水素系有機溶媒及び/又は上記一般式(1)で表される炭化水素系有機溶媒(混合物の場合は混合物として)として、上記の表面張力及び粘度を有し、更に凝固点が−10℃以下となるものを選択しておくことが望ましい。
【0124】
本発明の油性インクジェット記録用インク組成物は、10Ω・cm以上の体積抵抗値を有するものが好ましく、帯電剤を含有しないものが好ましい。従って、帯電させたインク液滴と電極との間に発生する電気的吸引力を利用して、連続的に液滴を飛翔させるインクジェット記録方法で使用する油性インクジェット記録用インクとは、本質的に要求される吐出特性が異なるものである。
【0125】
本発明の油性インクジェット記録用インク組成物の用途としては、ピエゾ振動素子を利用して油性インクジェット記録用インクを吐出する、オンデマンド・インクジェット記録方式に適しており、現在市販されている油性インクジェット記録用インクを用いる印刷装置において、良好な吐出安定性を得ることができる。なお、上記一般式(1)で表される炭化水素系有機溶媒が溶剤の主要成分である場合は、ピエゾ振動素子を利用して油性インクジェット記録用インクを吐出する、オンデマンド・インクジェット記録方式において7kHzを越える印刷周波数での吐出性も良好となる。
本発明の油性インクジェット記録用インク組成物としては、該組成物をそのまま油性インクジェット記録用インクとしてもよいし、更にその他の添加剤を添加すること等により、油性インクジェット記録用インクを構成する成分としてもよい。
【0126】
本発明の油性インクジェット記録用インク組成物を印刷する被印刷体としては、インクジェット記録方式で一般に使用されているものがいずれも使用でき、例えば、普通紙、インク受理層を設けた専用紙、プラスチックフィルム、インク受理層を設けたプラスチックフィルム等が挙げられる。
【0127】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、本実施例において、「部」及び「%」は、それぞれ「重量部」及び「質量%」を表す。
【0128】
[顔料分散剤の調製]
(調製例1)
還流冷却管、窒素ガス導入管、攪拌棒、温度計を備えた四つ口フラスコに、イソシアネート基を有するカルボジイミド当量316のポリカルボジイミド化合物50.0部、分子量1000のポリ(3−メチルペンチルアジペート)ジオール115.7部を仕込み、約100℃で5時間保持して、イソシアネート基と水酸基とを反応させ、次いで末端にカルボキシル基を有する分子量2000の12−ヒドロキシステアリン酸自己縮合物84.6部を仕込み、約100℃で2時間保持して、カルボジイミド基とカルボキシル基とを反応させた後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート375.5部を仕込んで数平均分子量約4200、カルボジイミド当量2053の顔料分散剤1(ポリエステル側鎖を有するカルボジイミド化合物(A)、固形分40%)を得た。
【0129】
(調製例2)
還流冷却管、窒素ガス導入管、攪拌棒、温度計を備えた四つ口フラスコに、イソシアネート基を有するカルボジイミド当量316のポリカルボジイミド化合物57.0部、メチルジエタノールアミン16.0部を仕込み、約100℃で2時間保持して、イソシアネート基と水酸基とを反応させ、次いでプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート97.7部を仕込んだ後、末端にカルボキシル基を有する分子量1000の12−ヒドロキシステアリン酸自己縮合物178.7部仕込み、約90℃で保持して、カルボジイミド基とカルボキシル基とを反応させた後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート97.7部を仕込んで数平均分子量約5600、アミン価29.6の顔料分散剤2(カルボジイミド系化合物(B)、固形分56.3%)を得た。
【0130】
(調製例3)
還流冷却管、窒素ガス導入管、攪拌棒、温度計を備えた四つ口フラスコに、イソシアネート基を有するカルボジイミド当量316のポリカルボジイミド化合物50.0部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート567.6部で溶解させた分子量約2000の12−ヒドロキシステアリン酸自己縮合物のカルボキシル基をプロピレングリコールの水酸基と反応させたジオール331.4部、メチルジエタノールアミン4.5部を仕込み、約100時間で8時間保持して、イソシアネート基と水酸基とを反応させ顔料分散剤3(直鎖状のカルボジイミド化合物(C)、固形分40%)を得た。
【0131】
(調製例4)
還流冷却管、窒素ガス導入管、攪拌棒、温度計を備えた四つ口フラスコに、イソシアネート基を有するカルボジイミド当量316のポリカルボジイミド化合物50.0部、分子量1000のポリ(3−メチルペンチルアジペート)ジオール115.7部を仕込み、約100℃で5時間保持して、イソシアネート基と水酸基とを反応させ、次いで末端にカルボキシル基を有する分子量2000の12−ヒドロキシステアリン酸自己縮合物84.6部を仕込み、約100℃で2時間保持して、更に、フタロシアニンブルーのスルホン化物75.5gを仕込み、約100℃でカルボジイミド基とスルホン酸基とが完全に反応するまで反応させた後、PMAC488.7部を仕込んで、顔料分散剤4(ポリエステル側鎖、顔料吸着性を有する側鎖を有するカルボジイミド化合物(D)、固形分40%)を得た。
【0132】
実施例1〜8、比較例1、2
(ベースインク1の製造)
分散剤として顔料分散剤1の1重量部(固形分)を、溶剤としてアイソパーM(イソパラフィンの混合物、沸点範囲208〜254℃/101kPa、エクソン化学社製)の14重量部に溶解し、これに顔料としてカーボンブラックMA−8(三菱化学社製)の5部を攪拌混合した後、ビーズミルを用いて練肉し、3μppのプリーツフィルタで濾過して粗大粒子を除去して、ベースインク1を得た。
【0133】
(ベースインク2の製造)
分散剤として顔料分散剤3の1重量部(固形分)を、溶剤としてアイソパーM(イソパラフィンの混合物、沸点範囲208〜254℃/101kPa、エクソン化学社製)の14重量部に溶解し、これに顔料としてカーボンブラックMA−8(三菱化学社製)の5部を攪拌混合した後、ビーズミルを用いて練肉し、3μppのプリーツフィルタで濾過して粗大粒子を除去して、ベースインク2を得た。
【0134】
(ベースインク3の製造)
分散剤として顔料分散剤1の1重量部(固形分)を、溶剤としてアイソパーM(イソパラフィンの混合物、沸点範囲208〜254℃/101kPa、エクソン化学社製)の14重量部に溶解し、これに顔料として5412SD(C.I.ピグメントブルー15:4、大日本インキ化学工業社製)の5部を攪拌混合した後、ビーズミルを用いて練肉し、3μppのプリーツフィルタで濾過して粗大粒子を除去して、ベースインク3を得た。
【0135】
(ベースインク4の製造)
分散剤として顔料分散剤2の1重量部(固形分)を、溶剤としてアイソパーM(イソパラフィンの混合物、沸点範囲208〜254℃/101kPa、エクソン化学社製)の14重量部に溶解し、これに顔料として5412SDの5部を攪拌混合した後、ビーズミルを用いて練肉し、3μppのプリーツフィルタで濾過して粗大粒子を除去して、ベースインク4を得た。
【0136】
(ベースインク5の製造)
分散剤としてソルスパース17000(分散剤、アベシア社製)の1重量部(固形分)を、溶剤としてアイソパーM(イソパラフィンの混合物、沸点範囲208〜254℃/101kPa、エクソン化学社製)の14重量部に溶解し、これに顔料としてカーボンブラックMA−8(三菱化学社製)の5部を攪拌混合した後、ビーズミルを用いて練肉し、3μppのプリーツフィルタで濾過して粗大粒子を除去して、ベースインク5を得た。
【0137】
(ベースインク6の製造)
分散剤としてソルスパース17000の1重量部(固形分)を、溶剤としてアイソパーM(イソパラフィンの混合物、沸点範囲208〜254℃/101kPa、エクソン化学社製)の14重量部に溶解し、これに顔料として5412SDの5部を攪拌混合した後、ビーズミルを用いて練肉し、3μppのプリーツフィルタで濾過して粗大粒子を除去して、ベースインク6を得た。
【0138】
(ベースインク7の製造)
分散剤として顔料分散剤4の1重量部(固形分)を、溶剤としてアイソパーM(イソパラフィンの混合物、沸点範囲208〜254℃/101kPa、エクソン化学社製)の14重量部に溶解し、これにピグメントブラック7の5部を攪拌混合した後、ビーズミルを用いて練肉し、3μppのプリーツフィルタで濾過して粗大粒子を除去して、ベースインク7を得た。
【0139】
(ベースインク8の製造)
分散剤として顔料分散剤2の1重量部(固形分)を、溶剤としてアイソパーM(イソパラフィンの混合物、沸点範囲208〜254℃/101kPa、エクソン化学社製)の14重量部に溶解し、これにピグメントレッド122の5部を攪拌混合した後、ビーズミルを用いて練肉し、3μppのプリーツフィルタで濾過して粗大粒子を除去して、ベースインク8を得た。
【0140】
(ベースインク9の製造)
分散剤として顔料分散剤3の1重量部(固形分)を、溶剤としてアイソパーM(イソパラフィンの混合物、沸点範囲208〜254℃/101kPa、エクソン化学社製)の14重量部に溶解し、これにピグメントレッド122の5部を攪拌混合した後、ビーズミルを用いて練肉し、3μppのプリーツフィルタで濾過して粗大粒子を除去して、ベースインク9を得た。
【0141】
【表1】
Figure 2005023163
【0142】
表1について以下に説明する。
「MA−8」(商品名)とは、三菱化学社製のカーボンブラックであり、「5412SD」(商品名)とは、大日本インキ化学工業社製の顔料(C.I.ピグメントブルー15:4)であり、「アイソパーM」(商品名)とは、エクソン化学社製のイソパラフィンの混合物(沸点範囲208〜254℃/101kPa)であり、「ソルスパース17000」(商品名)とは、アベシア社製の分散剤である。また、表1中の数値の単位は、重量部(%)である。顔料分散剤1〜4については、固形分の重量%である。
【0143】
(油性インクジェット記録用インク組成物)
表2の配合に従い、上記ベースインク1〜9とその他の材料とを攪拌混合して油性インクジェット記録用インクを得、下記の性能評価を行った。
【0144】
<性能評価>
(低温保存安定性)
実施例1〜8、比較例1、2の各油性インクジェット記録用インクをガラス瓶にとり密栓して、0℃で1ヶ月、ついで−10℃で1ヶ月間経時させた後の、沈降物の有無とその状態から低温保存安定性を評価した。
評価
A:沈降物は全く生じない
B:沈降物は生じるが、軽く振ればなくなる
C:激しく振っても沈降物がなくならない
【0145】
(保存安定性)
実施例1〜8、比較例1、2の各油性インクジェット記録用インクをガラス瓶にとり密栓して、60℃で10日間保存したときの沈降物の有無を観察し、次の基準に基づいて保存安定性を評価した。
A:沈降物は全く生じない
B:沈降物は生じるが、軽く振ればなくなる
C:激しく振っても沈降物がなくならない
【0146】
(常温吐出安定性)
一般的な室内環境と考えられる20℃の温度下で、市販の油性インクジェット記録用インク対応の印字装置(IP−4000、ピエゾタイプ、セイコーインスツルメンツ社製)及び水性インクジェット記録用インク対応の印字装置(MJ−830C、ピエゾタイプ、セイコーエプソン社製)を用いて、実施例1〜8、比較例1、2の各油性インクジェット記録用インクを印字し、得られた印字物の細線の連続性から常温における吐出安定性を評価した。
用紙:Xerox LのA4用紙
印字図柄:長さ180mm、太さ約0.2mmの細線を用紙1枚に対して30本印字
評価
A:100枚印字してもかすれがみられない
B:印字枚数が50枚以上、100枚未満でかすれた部分が見受けられる
C:印字枚数が50枚未満でかすれた部分が見受けられる
【0147】
(低温吐出安定性)
室温を5℃として、印字の細線の太さを約0.3mmとした以外は上記の常温での吐出安定性と同じ評価方法で、実施例1〜8、比較例1、2の各油性インクジェット記録用インクの低温での吐出安定性を評価した。
評価
A:100枚印字してもかすれがみられない
B:印字枚数が50枚以上、100枚未満でかすれた部分が見受けられる
C:印字枚数が50枚未満でかすれた部分が見受けられる
【0148】
(サテライト特性)
上記印字装置を用いて、実施例1〜8、比較例1、2の油性インクジェット記録用インクをXerox LのA4用紙上に印字(英数文字)し、そのときのサテライトドットの発生の有無により評価した。
A:サテライトドットの発生なく印字できるもの
C:印字されたものにサテライトドットが発生するもの
【0149】
【表2】
Figure 2005023163
【0150】
表2において、「IPソルベント2835」はイソパラフィンの混合物(出光石油化学社製、沸点範囲277〜353℃/101kPa)であり、「SAS−296」は1−フェニル−キシリルエタン(日本石油化学社製)である。また、「IP−4000」(商品名)とは、セイコーインスツルメンツ社製の油性インクジェット記録用インク対応の印字装置(ピエゾタイプ)を用いた場合の評価であり、「MJ830−C」(商品名)とは、セイコーエプソン社製の水性インクジェット記録用インク対応の印字装置(ピエゾタイプ)を用いた場合の評価である。表2中の数値の単位は、重量部である。
【0151】
【発明の効果】
本発明で得られた油性インクジェット記録用インク組成物は、上述の構成からなり、実施例に示したように、顔料分散剤の使用量を少なくしても、初期及び長期保存においても良好な顔料分散性を有し、印字環境の温度変化に左右されずに、吐出安定性に優れるものである。

Claims (10)

  1. 少なくとも、顔料、飽和炭化水素系有機溶媒及び/又は下記一般式(1);
    Figure 2005023163
    (式中、R、R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を表す)で表される炭化水素系有機溶媒、並びに、顔料分散剤からなる油性インクジェット記録用インク組成物であって、
    該顔料分散剤は、下記(A)〜(C)からなる群より選択される少なくとも1種のものである
    ことを特徴とする油性インクジェット記録用インク組成物。
    (A)分子内にポリエステル鎖を有し、且つカルボジイミド当量が100〜50000のカルボジイミド化合物。
    (B)分子内にポリエステル鎖を有し、且つアミン価を有するカルボジイミド系化合物。
    (C)分子内にポリエステル鎖を有し、且つ顔料誘導体、顔料中間体、染料誘導体及び染料中間体からなる群より選択される少なくとも1種に起因する顔料吸着性を有する側鎖を有するカルボジイミド系化合物。
  2. 前記飽和炭化水素系有機溶媒は、イソパラフィン、イソパラフィンとシクロパラフィンとの混合物、及び、流動パラフィンからなる群より選択される少なくとも1種である
    ことを特徴とする請求項1記載の油性インクジェット記録用インク組成物。
  3. 前記ポリエステル鎖は、式量200〜10000のポリエステル鎖である
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の油性インクジェット記録用インク組成物。
  4. 前記ポリエステル鎖は、ヒドロキシカルボン酸自己重縮合物に起因するポリエステル鎖である
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の油性インクジェット用インク組成物。
  5. 前記ヒドロキシカルボン酸自己重縮合物は、12−ヒドロキシステアリン酸自己重縮合物である
    ことを特徴とする請求項4記載の油性インクジェット記録用インク組成物。
  6. 前記顔料分散剤は、下記(D)〜(F)からなる群より選択される少なくとも1種のものである
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の油性インクジェット記録用インク組成物。
    (D)分子内にポリエステル側鎖を有し、且つカルボジイミド当量が100〜50000のカルボジイミド化合物。
    (E)分子内にポリエステル側鎖を有し、且つアミン価を有するカルボジイミド系化合物。
    (F)分子内にポリエステル側鎖を有し、且つ顔料誘導体、顔料中間体、染料誘導体及び染料中間体からなる群から選択される少なくとも1種に起因する顔料吸着性を有する側鎖を有するカルボジイミド系化合物。
  7. 前記カルボジイミド化合物(D)、前記カルボジイミド系化合物(E)又は前記カルボジイミド系化合物(F)は、カルボジイミド基と反応する官能基を有するポリエステル鎖とカルボジイミド基との反応により前記ポリエステル側鎖が分子内に導入されてなるものである
    ことを特徴とする請求項6記載の油性インクジェット記録用インク組成物。
  8. 前記カルボジイミド化合物(D)、前記カルボジイミド系化合物(E)又は前記カルボジイミド系化合物(F)は、カルボジイミド基と反応する官能基を有する化合物とカルボジイミド基とを反応させた後、ポリエステル鎖を形成する化合物が分子内に導入されてなるものである
    ことを特徴とする請求項6記載の油性インクジェット記録用インク組成物。
  9. 前記アミン価を有するカルボジイミド系化合物は、主鎖に3級アミノ基を有するものである
    ことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の油性インクジェット記録用インク組成物。
  10. 体積抵抗値が10Ω・cm以上である
    ことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の油性インクジェット記録用インク組成物。
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