JP2005022512A - 輸送機械用骨格構造部材 - Google Patents

輸送機械用骨格構造部材 Download PDF

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Seiji Yamazaki
省二 山崎
Mitsuaki Hirota
満昭 廣田
Kenji Iimura
健次 飯村
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Abstract

【解決手段】輸送機械の骨格部材11内の空間16及び/又は骨格部材11とその周囲のパネル部材とで囲まれる空間に複数の粉粒体17を充填した骨格構造部材12であって、骨格部材11及び/又はパネル部材に、空間16の内部圧力が上昇したときに粉粒体17を噴出させるとともに内部圧力に応じて開放量を変化させる切り込み14を設けた。
【効果】骨格構造部材に外部から荷重が作用して空間の内部圧力が上昇した場合に、空間の内部圧力に応じて粉粒体噴出部の開放量を変化させ、粉粒体の噴出量を変化させることができ、空間の内部圧力をほぼ一定に保てる。従って、骨格構造部材に部材全体の折れ曲がりなどの局部的な変形が発生せず、骨格構造部材で支持できる荷重が低下しないため、支持できる荷重が大きな状態をより大きな変位量まで維持できて、骨格構造部材の吸収エネルギー量をより増加させることができる。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄道車両、産業車両、船舶、航空機、自動車、自動二輪車等の輸送機械用骨格構造部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
骨格構造部材として、骨格部材に粉粒体を充填したもの(例えば、特許文献1、特許文献2及び特許文献3参照。)や骨格部材にゲルを充填したもの(例えば、特許文献4参照。)が知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−193649公報(第9−10頁、図1−図4)
【特許文献2】
米国特許第4610836号公報(第3−5欄、図1、図2)
【特許文献3】
米国特許第4695343号公報(第3−5欄、図1、図2)
【特許文献4】
特開平9−136681号公報(第11頁、図9A)
【0004】
特許文献1を図7で説明し、特許文献2を図8で説明し、特許文献3を図9で説明する。
図7は従来の骨格構造部材を説明する第1拡大断面図であり、骨格構造部材の内部に挿入するために複数の粉粒体を結合して固めた固形化粉粒体200は、粉粒体201…(…は複数個を示す。以下同じ。)と、これらの粉粒体201…を固形にするために粉粒体201…のそれぞれの間に満たした樹脂、接着剤等のバインダ202とからなり、粉粒体201を構造的に密に型に投入した後、バインダ202を流し込んで形成する。この固形化粉粒体200は、車体等の骨格部材内に挿入することで骨格構造部材を形成するものであり、車体の強度、剛性の向上を図る。
【0005】
図8は従来の骨格構造部材を説明する第2拡大断面図であり、骨格構造部材の内部に挿入するために複数の粉粒体を結合して固めた固形化粉粒体210は、接着剤211をコーティングした粉粒体としてのガラス製の小球体212…からなり、これらの小球体212…をガラス繊維製のクロスで包み、骨格部材内に満たすことで骨格構造部材を形成する。特許文献3にも同様の構造が記載されている。
【0006】
図9は従来の骨格構造部材を示す第3拡大断面図であり、骨格構造部材220は、ロアー・パネル221,222間にゲル223を充填したものである。なお、224はロアー・パネル222に開けたオリフィス、225はオリフィス224を塞ぐキャップである。
【0007】
例えば、車両衝突等で、ゲル223に過大な圧力が発生したときに、その圧力でキャップ225を外し、ゲル223を噴出させることで衝撃エネルギーを吸収する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
以下に、骨格構造部材に荷重を加えて強制的に崩壊させる圧潰試験の方法及びこの方法で図7〜図9に示した従来の骨格構造部材の圧潰試験を行った結果を示す。
【0009】
図10(a)〜(c)は従来の骨格構造部材の圧潰試験の内容を示す説明図であり、(a),(b)は圧潰試験の方法、(c)は圧潰試験の結果を示す。
(a)において、中空の四角形断面とした骨格部材231に粉粒体を充填した骨格構造部材232に、白抜き矢印で示すように軸方向の圧縮荷重、即ち荷重Fを加えて強制的に変形させる。
【0010】
(b)において、骨格構造部材232の変位量、詳しくは、荷重を加えるために骨格構造部材232の端部に当てる押圧片の変位量をλとすると、変位量λが大きくなるにつれて、骨格構造部材232は、蛇腹状に座屈変形するか、図に示したようなZ字形、又はくの字形に屈曲変形する。
【0011】
(c)は(a),(b)のように変形させたときの骨格構造部材の荷重Fと変位量λとの関係を説明するグラフであり、縦軸は荷重F、横軸は変位量λを表す。また、試料としては、内部に充填材を充填せずに骨格部材のみにした比較例1(未充填)、図7に示した粉粒体をバインダで結合した比較例2(粉粒体バインダ結合)、図8に示した小球体を接着剤で結合した比較例3(小球体接着剤結合)、これらの比較例2及び比較例3よりも低強度の粉粒体を充填した比較例4(低強度粉粒体)の4種である。
【0012】
比較例1では、荷重Fは小さいが、骨格部材が蛇腹状に潰れるために変位量λは大きい。
このときの変位量d1は骨格部材が潰れ切ったときの変位量であり、外部から加えたエネルギーを有効に吸収できる有効ストローク(即ち、ゼロからd1までの変位量λ)である。この有効ストローク後は荷重Fが急激に立ち上がる。
比較例2〜比較例4については有効ストロークまでのデータをグラフ中に描いた。
【0013】
また、比較例1の線と横軸とで挟まれる部分の有効ストローク範囲における面積は、比較例1の骨格構造部材の吸収エネルギー量を表し、この吸収エネルギー量を有効ストロークで割った値が図中の荷重f1となる。即ち、この荷重f1は比較例1の平均荷重である。
【0014】
このことから、骨格構造部材の吸収エネルギー量をより増加させるには、高い平均荷重と長い有効ストロークが必要である。
比較例2(図7で説明した骨格構造部材(粉粒体バインダ結合))では、平均荷重は非常に大きくなるが変位量λはそれほど大きくならない。これは、粉粒体の結合が極めて強固であるために、変形の初期に、骨格構造の内部圧力が過度に上昇してZ字形又はくの字形に屈曲し、その後は荷重が急激に減少したことによる。従って、吸収エネルギー量は比較例1に対してそれほど増加しない。
【0015】
比較例3(図8で説明した骨格構造部材(小球体接着剤結合))では、比較例2と同様の理由で、平均荷重は大きくなるが変位量λはそれほど大きくならず、吸収エネルギー量は比較例1に対してあまり増加しない。
【0016】
比較例4(低強度粉粒体)では、粉粒体自体が潰れやすいために、骨格構造部材の内部圧力の上昇はそれほど急激ではなく、前述のZ字形又はくの字形に屈曲することがないため、変位量λは比較例2及び比較例3よりも大きくなるが、粉粒体が骨格構造部材内に止まるために比較例1よりも変形量λは小さくなる。また、平均荷重は小さく、結果として、吸収エネルギー量は小さくなる。
以上の結果より、骨格構造部材の平均荷重を高め、これと同時に有効ストロークを伸ばすことは難しい。
【0017】
また、図9に戻って、骨格構造部材220では、内部にゲル223を充填するため、骨格構造部材220に荷重が作用した場合に、ゲル223が円滑に流動してオリフィスから噴出するため、骨格構造部材220の変形中は内部圧力はほぼ一定に保たれる。従って、局部的な変形は発生しないから、比較的大きな荷重を大きな変位量まで維持することが可能になる。
【0018】
しかし、骨格構造部材内に粉粒体を充填した場合は、粉粒体同士の摩擦力のために粉粒体の流動は上記のゲル223の流動に比べてスムーズに行われないから、内部圧力を一定に保つことは難しい。
この内容を以下の図11〜図13で詳細に説明する。
【0019】
図11(a)〜(c)は従来の骨格構造部材の変形の作用を示す第1作用図であり、図9に示した骨格構造部材220と同様に、粉粒体を排出する構造にした骨格構造部材について説明する。
(a)において、骨格構造部材240は、骨格部材241と、この骨格部材241内に充填した粉粒体242…と、粉粒体242…を排出するために骨格部材241に開けたドレイン穴243を塞ぐキャップ244とからなる。
【0020】
(b)において、骨格構造部材240に白抜き矢印で示すように軸方向の圧縮荷重、即ち荷重Fを加える。
これにより、骨格部材241の内部圧力が急激に増加し、粉粒体242…がキャップ244((a)参照)を押し退け、ドレイン穴243から外部に噴出する。
【0021】
(c)において、粉粒体242…が噴出した部分の近傍の粉粒体242…の内部圧力が低下して、骨格構造部材240のドレイン穴243に近い部分の強度が小さくなり、この部分を起点にして全体が折れ曲がる又は屈曲する。これにより、骨格構造部材240で支えられる荷重は非常に小さくなる。従って、骨格構造部材240の吸収エネルギー量は少ない。
【0022】
図12(a)〜(d)は従来の骨格構造部材の変形の作用を示す第2作用図であり、図11と同様なドレイン穴を複数個設けた骨格構造部材を示す。
(a)において、骨格構造部材250は、骨格部材251と、この骨格部材251内に充填した粉粒体242…と、骨格部材251に開けた粉粒体242…のドレイン穴252,253をそれぞれ塞ぐキャップ254,256とからなる。
【0023】
(b)において、骨格構造部材250に白抜き矢印で示すように軸方向の圧縮荷重、即ち荷重Fを加える。
これにより、骨格部材251の上部の内部圧力が急激に増加し、粉粒体242…が上方のキャップ254((a)参照)を押し退け、ドレイン穴252から外部に噴出する。
【0024】
(c)において、粉粒体242…が噴出した部分の近傍の粉粒体242…の内部圧力が低下し、骨格構造部材250のドレイン穴252に近い部分の強度が小さくなって、この部分を起点にして全体が折れ曲がる又は屈曲する。
【0025】
更に、骨格部材251の下部の内部圧力が増加して、粉粒体242…が下方のキャップ256((b)参照)を押し退け、ドレイン穴253から外部に噴出するため、(d)に示すように、上記と同様にドレイン穴253に近い部分を起点にして屈曲する。
このように、ドレイン穴253に近い部分で屈曲が発生し、全体が折れ曲がるために、荷重が著しく変動し、結果的に吸収エネルギー量は増加しない。
【0026】
図13は従来の骨格構造部材の圧潰試験の結果を示すグラフであり、図11及び図12に示した骨格構造部材240,250の結果を説明する。
ドレイン穴を1ヶ所設けた比較例5(骨格構造部材240(図11参照))では、荷重Fは小さく、変位量λの最大値も小さいため、吸収エネルギー量は少ない。
【0027】
ドレイン穴を複数ヶ所設けた比較例6(骨格構造部材250(図12参照))では、荷重Fが大きく変動しながら比較的大きな変位量d2まで変位する。
図中のf2は比較例2の平均荷重であり、それほど大きくないために、結果として吸収エネルギー量はさほど多くならない。
【0028】
そこで、本発明の目的は、輸送機械用骨格構造部材の吸収エネルギー量をより増大させることにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、輸送機械の骨格部材内の空間及び/又は骨格部材とその周囲のパネル部材とで囲まれる空間に複数の粉粒体を充填した骨格構造部材であって、骨格部材及び/又はパネル部材に、空間の内部圧力が上昇したときに粉粒体を噴出させるとともに内部圧力に応じて開放量を変化させる粉粒体噴出部を設けたことを特徴とする。
【0030】
骨格構造部材に外部から荷重が作用して空間の内部圧力が上昇した場合に、空間の内部圧力に応じて粉粒体噴出部の開放量を変化させ、粉粒体の噴出量を変化させることができるため、空間の内部圧力をほぼ一定に保つことができる。従って、骨格構造部材に部材全体の折れ曲がりなどの局部的な変形が発生せず、骨格構造部材で支持できる荷重が低下しないため、支持できる荷重が大きな状態をより大きな変位量まで維持することができて、骨格構造部材の吸収エネルギー量をより増加させることができる。
【0031】
請求項2は、粉粒体噴出部を切り込みとしたことを特徴とする。
粉粒体噴出部を切り込みとしたことで、切り込みを容易に形成することができ、骨格構造部材に要するコストを低減することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1(a),(b)は本発明に係る骨格構造部材の斜視図である。
(a)は中空とした骨格部材11内に粉粒体を充填した輸送機械用骨格構造部材12(以下、単に「骨格構造部材12」と記す。)を示す。なお、13,13は骨格部材11の両端を塞ぐ端部閉塞部材である。
骨格部材11は、端部閉塞部材13,13を含めた六面体の少なくとも一つの壁11aに粉粒体噴出部としての切り込み14を設けた部材である。
(b)において、切り込み14は、例えば、X字状に形成したものである。なお、15…は切り込み14を形成したことで出来る山形部である。
【0033】
図2は図1(a)の2−2線断面図であり、骨格構造部材12は、骨格部材11内の空間16内に粉粒体17…を充填したものである。なお、粉粒体17の粒径が切り込み14の幅よりも小さい場合には、粉粒体17が外部に流出しないように、例えば、粉粒体17…を予め袋又は容器に詰め、この袋又は容器を空間16内に挿入してもよい。
【0034】
図3(a)〜(c)は本発明に係る骨格構造部材の作用を示す作用図であり、骨格構造部材12を圧潰試験で強制的に変形させたときの変化を説明する。
(a)は骨格構造部材12に荷重を加える前の状態を示す。
(b)において、骨格構造部材12に軸圧縮荷重Fを加える。これにより、骨格部材11内の空間16に内部圧力が発生する、即ち、粉粒体17同士に圧力が作用し、また、骨格部材11の内面にも粉粒体17から圧力が作用する。
【0035】
この内部圧力が大きくなるにつれて、切り込み14が大きく開くようになり、この切り込み14から粉粒体17…が外部に噴出して、内部圧力がそれ以上に増加するのを防ぐ。
内部圧力が小さいときは、切り込み14の開放量は少ない、即ち、山形部15の開く度合は小さい。
【0036】
(c)において、軸圧縮荷重が更に大きくなって、空間16の内部圧力が(b)のときよりも更に大きくなると、内部圧力に応じて切り込み14の開放量は更に多くなり、即ち、山形部15の開く度合は更に大きくなり、切り込み14からの粉粒体17…の噴出量も多くなる。この結果、空間16の内部圧力が低下し、内部圧力をほぼ一定に保つことができる。
このように、切り込み14は、内部圧力に応じて開放量が変化する部分であり、山形部15は、内部圧力に応じて開く度合が変化する部分である。
【0037】
図4は本発明に係る骨格構造部材の圧潰試験の結果を示すグラフであり、図10に示した方法と同じ方法で圧潰試験を実施した結果を示す。縦軸は荷重F、横軸は変位量λを表す。
骨格構造部材に切り込みを設けた実施例(切り込み)では、その平均荷重をf3とすると、この平均荷重f3は、比較例6(ドレイン穴複数ヶ所)の平均荷重f2よりも大きく、更に、変位量λの最大値も大きい、即ち有効ストロークが長いため、各比較例に比べて吸収エネルギー量をより増大させることができる。
【0038】
図5(a)〜(h)は本発明に係る骨格構造部材の切り込みの変形例を示す要部正面図である。なお、図中の各切り込みの上方が荷重を作用させる側である。
(a)は八方に延ばした切り込み21を示す。なお、22…は山形部である。
(b)は2つの円弧からなる切り込み24を示す。なお、25,26,26,27は山形部である。
【0039】
(c)はX状の切り込みの中央に穴を開けた切り込み31を示す。なお、32…は山形部である。
(d)はX字状の切り込みの中央及び各端部に穴を開けた切り込み34を示す。なお、35…は山形部である。
【0040】
(e)は骨格部材の長手方向に沿って設けた直線状の切り込み37を示す。なお、38,38は切り込み37の側方部であり、内部圧力に応じて開く程度が変化する部分である。ここで、直線状の切り込みを骨格部材の長手方向に直交する方向に形成してもよい。
(f)はV字状の切り込み41を示す。なお、42は山形部である。
【0041】
(g)はW字状の切り込み44を示す。なお、45,45,46は山形部である。
(h)は三方に延ばした切り込み48を示す。なお、51…は山形部である。
【0042】
図6(a),(b)は本発明に係る骨格構造部材の粉粒体噴出部の別の実施の形態を示す断面図である。
【0043】
(a)は骨格部材11の壁11aの内面に粉粒体噴出部としての切削部61を設けたことを示す。
このような切削部61を骨格部材11に設けることで、骨格部材11内の空間の内部圧力が増加したときに、切削部61を起点にして亀裂を発生させ、内部圧力に応じて亀裂の開放量を変化させ、外部に噴出する粉粒体の量を変化させ、内部圧力を一定に保つ。
【0044】
(b)は骨格部材11の壁11aの内面に塑性変形による粉粒体噴出部としての打ち込み部63を設けたことを示す。打ち込み部63((a)参照)の作用は切削部61と同じである。
【0045】
以上の(a),(b)で説明したように、骨格部材11の内面に切削部61又は打ち込み部63を設けることで、骨格部材11が変形中に切削部61又は打ち込み部63に応力を集中させ、破断、即ち亀裂を発生させるようにした。この亀裂が前述の切り込みに相当する。
【0046】
切削部61及び打ち込み部63は、それぞれ一本の溝として形成してもよいし、あるいは、壁11aの内面に対して垂直な方向から見たときは、例えば、図5に示した各切り込みの形状と同様な溝として形成してもよい。
【0047】
切削部61及び打ち込み部63は壁11aを貫通していないため、骨格部材11に荷重が作用しない状態では、粉粒体が外部に流出することがなく、取り扱い性を向上させることができる。
【0048】
以上の図1(a),(b)及び図3で説明したように、本発明は第1に、輸送機械の骨格部材11内の空間16及び/又は骨格部材11とその周囲のパネル部材とで囲まれる空間に複数の粉粒体17を充填した骨格構造部材12であって、骨格部材11及び/又はパネル部材に、空間16の内部圧力が上昇したときに粉粒体17を噴出させるとともに内部圧力に応じて開放量を変化させる粉粒体噴出部としての切り込み14を設けたことを特徴とする。
【0049】
骨格構造部材12に外部から荷重が作用して空間16の内部圧力が上昇した場合に、空間16の内部圧力に応じて切り込み14の開放量を変化させ、粉粒体17…の噴出量を変化させることができるため、空間16の内部圧力をほぼ一定に保つことができる。従って、骨格構造部材12に部材全体の折れ曲がりなどの局部的な変形が発生せず、骨格構造部材12で支持できる荷重が低下しないため、支持できる荷重が大きな状態をより大きな変位量まで維持することができて、骨格構造部材12の吸収エネルギー量をより増加させることができる。
【0050】
本発明は第2に、粉粒体噴出部を切り込み14としたことを特徴とする。
粉粒体噴出部を切り込み14としたことで、切り込み14を容易に形成することができ、骨格構造部材12に要するコストを低減することができる。
【0051】
尚、本実施の形態では、骨格部材内の空間に粉粒体を充填したが、これに限らず、粉粒体を、骨格部材とその周囲のパネル部材とで囲まれる空間に充填してもよいし、骨格部材内の空間と、骨格部材とその周囲のパネル部材とで囲まれる空間との両方に充填してもよい。
【0052】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1の輸送機械用骨格構造部材は、骨格部材及び/又はパネル部材に、空間の内部圧力が上昇したときに粉粒体を噴出させるとともに内部圧力に応じて開放量を変化させる粉粒体噴出部を設けたので、骨格構造部材に外部から荷重が作用して空間の内部圧力が上昇した場合に、空間の内部圧力に応じて粉粒体噴出部の開放量を変化させ、粉粒体の噴出量を変化させることができるため、空間の内部圧力をほぼ一定に保つことができる。従って、骨格構造部材に部材全体の折れ曲がりなどの局部的な変形が発生せず、骨格構造部材で支持できる荷重が低下しないため、支持できる荷重が大きな状態をより大きな変位量まで維持することができて、骨格構造部材の吸収エネルギー量をより増加させることができる。
【0053】
請求項2の輸送機械用骨格構造部材は、粉粒体噴出部を切り込みとしたので、切り込みを容易に形成することができ、骨格構造部材に要するコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る骨格構造部材の斜視図
【図2】図1(a)の2−2線断面図
【図3】本発明に係る骨格構造部材の作用を示す作用図
【図4】本発明に係る骨格構造部材の圧潰試験の結果を示すグラフ
【図5】本発明に係る骨格構造部材の切り込みの変形例を示す要部正面図
【図6】本発明に係る骨格構造部材の粉粒体噴出部の別の実施の形態を示す断面図
【図7】従来の骨格構造部材を説明する第1拡大断面図
【図8】従来の骨格構造部材を説明する第2拡大断面図
【図9】従来の骨格構造部材を示す第3拡大断面図
【図10】従来の骨格構造部材の圧潰試験の内容を示す説明図
【図11】従来の骨格構造部材の変形の作用を示す第1作用図
【図12】従来の骨格構造部材の変形の作用を示す第2作用図
【図13】従来の骨格構造部材の圧潰試験の結果を示すグラフ
【符号の説明】
11…骨格部材、12…輸送機械用骨格構造部材、14,21,24,31,34,37,41,44,48…粉粒体噴出部(切り込み)、16…空間、17…粉粒体、61,63…粉粒体噴出部(切削部、打ち込み部)。

Claims (2)

  1. 輸送機械の骨格部材内の空間及び/又は骨格部材とその周囲のパネル部材とで囲まれる空間に複数の粉粒体を充填した骨格構造部材であって、
    前記骨格部材及び/又は前記パネル部材に、前記空間の内部圧力が上昇したときに前記粉粒体を噴出させるとともに内部圧力に応じて開放量を変化させる粉粒体噴出部を設けたことを特徴とする輸送機械用骨格構造部材。
  2. 前記粉粒体噴出部は切り込みであることを特徴とする請求項1記載の輸送機械用骨格構造部材。
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