JP2005022278A - インサート成形用金型及びこれを用いたインサート成形品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】十分なガス抜き性能を得る。
【解決手段】キャビティ13にインサート部品としての多孔質体部2…をインサートし、この多孔質体部2…に連なるように溶融樹脂を射出するインサート成形を行う場合に、キャビティ13にインサートされる多孔質体部2…に接するように配置されたガス抜き部を設ける。ガス抜き部を、キャビティ13にインサートされた多孔質体部2…に接するガス通路17…から構成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、射出成形用金型に関するものであり、とくに、多孔質体部をインサート部品とするインサート成形を行うためのインサート成形用金型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、型締め状態で金型面間にキャビティが構成される射出成形用金型は、キャビティ内に溶融樹脂を射出して所定形状の射出成形品を製造するために用いられるものであるが、最近では、このような射出成形用金型を用いて、図4に示すように、例えば金属からなる薄板状をなす多孔質体部2…と、この多孔質体部2…の外周縁部から多孔質体部2…の面方向に延びる樹脂部3とが一体になった多孔質体−樹脂複合体1を製造したいという要求がある。
つまり、キャビティにインサート部品としての多孔質体部2…をインサートし、この多孔質体部2…に連なるように溶融樹脂を射出するインサート成形を行うことにより、多孔質体−樹脂複合体1であるインサート成形品を製造するのである。
【0003】
ところで、射出成形用金型(インサート成形用金型)においては、キャビティ内にもともと存在しているガス(空気)や溶融樹脂から発生するガスがこのキャビティ内に残留してしまうと成形不良になるため、型締め状態でキャビティの端部に連通するガス抜き部として例えば幅5μm〜20μm程度のスリットを設け、キャビティ内のガス抜きを行うようになっている(例えば、特許文献1を参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2003−127190号公報(4ページ左側・15〜22行)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、インサート成形によって製造すべき多孔質体−樹脂複合体1は薄肉とされる場合が多く、型締め状態でキャビティを構成する金型面間の間隔を非常に小さく設定する必要が生じるため、射出された溶融樹脂がキャビティ全体に行き渡りにくくなり、上述したような幅5μm〜20μm程度のスリットからなるガス抜き部を設けただけでは、十分なガス抜きを行うことができないという問題があった。
【0006】
なお、ガス抜き部としてのスリットの幅を20μmよりも大きく設定して、十分なガス抜き性能を得ようとすることが考えられるが、このようにすると、キャビティ内に射出された溶融樹脂がスリット内に入り込み、インサート成形品にバリの発生するおそれが生じてしまう。
また、十分なガス抜き性能が得られないと、溶融樹脂をキャビティ内に射出するときの射出圧力を上げる必要が生じてしまうため、この溶融樹脂がインサート部品である多孔質体部2…の内部の奥深くまで浸透し、所望の形状を有する多孔質体−樹脂複合体1をインサート成形で製造することができないというおそれもあった。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、多孔質体−樹脂複合体であるインサート成形品を製造する際に、十分なガス抜き性能を得ることができるインサート成形用金型及びこれを用いたインサート成形品の製造方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上述したようなインサート成形を行うのに際して、インサート部品である多孔質体部が通気性を有していることに着目し、この多孔質体部の通気性をうまく利用すれば、キャビティ内のガス抜きを行うためのガス抜き部として、従来のような幅狭のスリットではなく、十分な大きさを有するガス通路を形成することができ、ガス抜き性能を格段に向上することができるのを見出した。
【0009】
このようにしてなされた本発明によるインサート成形用金型は、キャビティにインサート部品としての多孔質体部をインサートし、この多孔質体部に連なるように溶融樹脂を射出するインサート成形を行うことにより、多孔質体−樹脂複合体であるインサート成形品を製造するためのインサート成形用金型であって、前記キャビティにインサートされる前記多孔質体部に接するように配置されたガス抜き部が設けられていることを特徴とするものであり、また、本発明によるインサート成形品の製造方法は、本発明のインサート成形用金型を用い、前記キャビティに、インサート部品としての前記多孔質体部をインサートし、この多孔質体部に連なるように溶融樹脂を射出するインサート成形を行うときに、前記ガス抜き部によって前記キャビティ内のガス抜きを行うことを特徴とするものである。
【0010】
本発明では、キャビティ内のガス抜きを行うためのガス抜き部を、キャビティにインサートされた多孔質体部に接するような配置で設けていることから、キャビティ内のガスは、通気性を有する多孔質体部を通過してからガス抜き部に流れ込むことによって金型外へ放出される。
そのため、溶融樹脂が流れ込んでしまうような大きさを有するガス抜き部を設けたとしても、このガス抜き部に接する多孔質体部の存在によって、溶融樹脂がガス抜き部に入り込んでしまうことがなくなり、ガス抜き性能を格段に向上させることが可能となる。また、これにともない、溶融樹脂の射出圧力を必要以上に上げる必要もなくなるので、所望の形状を有する多孔質体−樹脂複合体をインサート成形によって確実に製造することができる。
ここで、ガス抜き部としては、例えば、前記キャビティにインサートされた前記多孔質体部に接するガス通路から構成されていたり、あるいは、前記キャビティにインサートされた前記多孔質体部に接するガス抜き用多孔質体部と、このガス抜き用多孔質体部に接するガス通路とから構成されていたりする場合などが挙げられる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第一実施形態によるインサート成形用金型について、図1を参照しながら説明するが、まず、このインサート成形用金型によって製造するインサート成形品である多孔質体−樹脂複合体を、図4を参照しながら説明する。
図4に示すように、この多孔質体−樹脂複合体1は、例えば金属からなる薄板状をなす複数の多孔質体部2…と、これら複数の多孔質体部2…のそれぞれの外周縁部から多孔質体部2…の面方向に延びる樹脂部3とが一体になったものであり、全体として矩形薄板状をなしている。
【0012】
多孔質体部2…のそれぞれは、三次元網目構造を有する矩形薄板状をなし、側部に開口する気孔が各方向に連通していることにより、通気性・吸水性を備え、軽量で表面積が大きいという特性を有している。
一方、樹脂部3は、多孔質体部2…と略同じ厚さを有する枠形薄板状をなし、複数の多孔質体部2…のそれぞれの外周縁部に対して段差なく連ねられていることにより、複数の多孔質体部2…を保持するようになっている。
なお、複数の多孔質体部2…と樹脂部3とが一体になった矩形薄板状をなす多孔質体−樹脂複合体1は、その樹脂部3が固定あるいは狭持されるなどして各種装置に取り付けられることにより、例えば、フィルタ・ガス拡散部材・放熱部材・吸水部材などに用いられる。
【0013】
ここで、多孔質体部2…は、各種方法により製造することができるが、例えば、金属粉末を含むスラリーを薄く成形して乾燥させることによってグリーンシートを得た後、このグリーンシートを焼成することで製造することができる。
図3に、ドクターブレード法によってスラリーを薄く成形するためのグリーンシート製造装置を示す。
【0014】
スラリーSは、例えばSUS316L等の金属粉末、有機バインダ(メチルセルロース)、溶媒(水)を混合したものであり、必要に応じて、加熱処理により気化する発泡剤(ヘキサン)や消泡剤(エタノール)等が添加される。
グリーンシート製造装置30において、まず、スラリーSが貯蔵されたホッパ31から、ローラ32によって搬送されるキャリアシート33上にスラリーSが供給されると、キャリアシート33上のスラリーSが、移動するキャリアシート33とドクターブレード34との間で延ばされ、所定の厚さに成形される。
【0015】
成形されたスラリーSは、さらにキャリアシート33によって搬送され、加熱炉35を通過するとともに、この加熱炉35中で乾燥されることにより、SUS316L粉末が有機バインダによって接合された状態のグリーンシートGが形成される。なお、スラリーSに発泡剤が含まれる場合、キャリアシート33上に延ばされた状態のスラリーSを、乾燥前に、高湿度雰囲気下にて加熱処理し、発泡剤を発泡させて発泡スラリーとしてから、乾燥処理を行ってグリーンシートGを形成する。
最後に、このグリーンシートGは、キャリアシート33から取り外された後、図示しない真空炉にて脱脂・焼成されることにより、有機バインダが取り除かれ、金属粉末同士が焼結した多孔質体部2となる。
【0016】
このようにして得られた多孔質体部2は、図1(a)に示すような本第一実施形態によるインサート成形用金型10を用いたインサート成形において、インサート部品としてキャビティ13に複数インサートされることにより、図4に示すような多孔質体−樹脂複合体1として製造される。
【0017】
このインサート成形用金型10は、図1(a)に示すように、固定金型11及び可動金型12からなる一対の金型を備えており、固定金型11の金型面11Aと可動金型12の金型面12Aとの間に、型締め状態で、上述したような矩形薄板状をなす多孔質体−樹脂複合体1をインサート成形するためのキャビティ13を構成している。
そして、キャビティ13に、インサート部品として複数の多孔質体部2…をインサートし、ランナ14からゲート15を通じて射出した溶融樹脂16をキャビティ13内に充填することにより、複数の多孔質体部2…と樹脂部3とが一体になったインサート成形品である多孔質体−樹脂複合体1を製造するのである。
【0018】
ここで、本第一実施形態によるインサート成形用金型10においては、キャビティ13に複数の多孔質体部2…がインサートされたときに、これら複数の多孔質体部2…のそれぞれに接するように配置されたガス抜き部が、例えば一方の金型である可動金型12に設けられており、このガス抜き部によって、インサート成形時のキャビティ13内のガス抜きが行われる。
【0019】
ガス抜き部は、キャビティ13にインサートされた複数の多孔質体部2…のそれぞれに接するようにして、金型面12Aに開口する複数のガス通路17…から構成されたものであり、一つの多孔質体部2には、複数ずつのガス通路17…が接するようになっている。
つまり、各多孔質体部2が、可動金型12の金型面12Aに開口するガス通路17…の複数ずつに覆い被さるように、キャビティ13にインサートされるのである。
【0020】
また、ガス抜き部として設けられた複数のガス通路17…と、インサート成形される多孔質体−樹脂複合体1との位置関係を、多孔質体−樹脂複合体1の厚み方向に沿って見ると、図1(b)に示すように、ガス通路17…は、キャビティ13にインサートされた多孔質体部2…だけに接するような配置で設けられ、キャビティ13内に充填される溶融樹脂16には接しないように設けられている。
【0021】
このようなインサート成形によって製造される多孔質体−樹脂複合体1は、その多孔質体部2…と樹脂部3とが、多孔質体部2…の側部に開口する気孔における5μm〜1000μm程度の深さまで溶融樹脂16が含浸して硬化することによって、アンカー効果で強固に接合されている。
例えば、樹脂部3の材料にポリプロピレンを用いた場合、成形温度180℃、80kNで型締めし、成形圧250kg/cmで射出成形すると、上記のような多孔質体−樹脂複合体1が得られる。
【0022】
また、型締め時のキャビティ13の厚さ(型開閉方向の大きさ)は、多孔質体部2…よりも若干小さく設定されており、型締め時に金型面11A,12A間で多孔質体部2…を3〜90%圧縮することで、射出樹脂圧により多孔質体部2…をキャビティ13に対して確実に固定するとともに、多孔質体部2…の平坦度を向上するようにしている。
【0023】
以上説明したような本第一実施形態によるインサート成形用金型10によれば、キャビティ13内のガス抜きを行うためのガス通路17…が、キャビティ13にインサートされた多孔質体部2…に接するような配置で設けられていることから、キャビティ13内のガスは、通気性を有する多孔質体部2…を通過してから、多孔質体部2…に接するガス通路17に流れ込むようにして金型外へ放出される。
【0024】
これにより、溶融樹脂16が入り込んでしまうような十分な大きさを有するガス通路17…を設けて、インサート成形時のガス抜き性能を格段に向上させたとしても、これらのガス通路17…に接して覆い被さるようにインサートされた多孔質体部2…の存在により、溶融樹脂16がガス通路17…内に入り込んでしまうといった不具合が生じることはない。
また、このようにガス抜き性能を格段に向上させることができるのにともない、溶融樹脂16の射出圧力を必要以上に上げる必要もなくなるので、所望の形状を有する多孔質体−樹脂複合体1をインサート成形によって確実に製造することができる。
【0025】
なお、多孔質体部2…については、これを用いて製造する多孔質体−樹脂複合体1に求められる特性に応じて適宜選択されるものであり、適度な通気性を有してさえいれば、本第一実施形態によるインサート成形用金型10を有効に利用できる。
そのため、多孔質体部2…は、上述したような粉末焼結法で製造されたものに限らず、金属不織布やカーボンペーパーなどであってもよい。
【0026】
しかしながら、多孔質体部2…の気孔径や気孔率が小さすぎると、溶融樹脂16が気孔中に適度に入り込めなくなってアンカー効果が不十分となり、樹脂部3との接合強度が十分に得られないおそれや、キャビティ13内のガスをガス通路17…へ流入させるための通気性が多少損なわれてしまうおそれがある。
逆に、多孔質体部2…の気孔径や気孔率が大きすぎても、多孔質体部2…自体の強度が不足して、樹脂成形圧及び樹脂硬化時の圧縮に耐えられなくなって変形の生じるおそれや、溶融樹脂16が多孔質体部2…の気孔における奥深くまで浸透しすぎてしまって、所望の形状を維持することができなくなるおそれがある。
それゆえ、多孔質体部2…については、気孔径が10μm〜2mm程度、気孔率が40〜98%程度に設定されていることが好ましい。
【0027】
一方、樹脂部3についても、これを用いて製造する多孔質体−樹脂複合体1に求められる特性に応じて耐熱温度や硬度等が考慮されつつ適宜選択されるものであって、熱可塑性樹脂、エラストマー(ゴムを含む)など、射出成形可能な材質であればよい。
また、この樹脂部3は、図1に示すように平坦であってもよいが、ねじ挿通孔用の穴や、装置に対する嵌合用の溝形状、強度向上のためのリブ形状、ボスなどを樹脂成形時に設けておいてもよい。
【0028】
さらに、樹脂部3は、多孔質体部2…の外周縁部すべてに連なる必要はなく、必要に応じて部分的に連なっていてもよいし、多孔質体部2…に予め穴を設けておいて、ここに溶融樹脂16を充填するように射出することにより、多孔質体部2…の外周縁部だけではなく中程にも樹脂部3が連なるようにしてもよいし、多孔質体部2の少なくとも片面側に例えば格子状に連なるようにしてもよい。
例えば、図5に示すように、樹脂部3が、複数の多孔質体部2…の外周縁部に対して部分的に連なるとともに、これら複数の多孔質体部2…の片面側に連なるようにしていもよいし、例えば、図6に示すように、樹脂部3が、多孔質体部2の外周縁部すべてに連なるとともに、この多孔質体部2の片面側に格子状に連なるようにしてもよい。
要は、少なくとも一つの多孔質体部2をインサート部品としたインサート成形を行うときに、多孔質体部2に接するようなガス抜き部を設けることができれば、本第一実施形態によるインサート成形用金型10を有効に活用することができるのである。
【0029】
次に、本発明の第二実施形態によるインサート成形用金型について、図2を参照しながら説明するが、第一実施形態と同様の部分には同一の符合を用いてその説明を省略する。
【0030】
本第二実施形態によるインサート成形用金型10に設けられたガス抜き部は、図2(b)に示すように、キャビティ13にインサートされた複数の多孔質体部2…のそれぞれに接するようにして、金型面12Aに開口する複数の凹部にそれぞれ嵌め込まれたガス抜き用多孔質体部18…と、これら複数のガス抜き用多孔質体部18…のそれぞれに接する複数のガス通路17…とから構成されたものであり、一つの多孔質体部2には、一つのガス抜き用多孔質体部18が接し、一つのガス抜き用多孔質体部18には、複数ずつのガス通路17…が接するようになっている。
つまり、各多孔質体部2が、可動金型12の金型面12Aに開口する凹部に嵌め込まれたガス抜き用多孔質体部18…のそれぞれに覆い被さるように、キャビティ13にインサートされるのである。
【0031】
このとき、ガス抜き部として設けられた複数のガス抜き用多孔質体部18…及び複数のガス通路17…と、インサート成形される多孔質体−樹脂複合体1との位置関係を、多孔質体−樹脂複合体1の厚み方向に沿って見ると、図2(b)に示すように、ガス抜き用多孔質体部18…は、キャビティ13にインサートされた多孔質体部2…だけに接するような配置で設けられ、キャビティ13内に充填される溶融樹脂16には接しないように設けられている。
【0032】
ガス抜き用多孔質体部18…は、インサート部品である多孔質体部2…と同様に、三次元網目構造を有する矩形薄板状をなし、側部に開口する気孔が各方向に連通していることにより、通気性・吸水性を備え、軽量で表面積が大きいという特性を有しているものである。
さらに、このガス抜き用多孔質体部18…は、多孔質体部2…に接することになる面18Aが、研磨加工が施されることなく例えば放電加工によって仕上げられたままの状態とされており、この面18Aに対してある程度の面粗さが与えられている。
【0033】
以上説明したような本第二実施形態によるインサート成形用金型10によれば、キャビティ13内のガス抜きを行うためのガス抜き用多孔質体部18…が、キャビティ13にインサートされた多孔質体部2…に接するような配置で設けられていることから、キャビティ13内のガスは、通気性を有する多孔質体部2…を通過し、さらに多孔質体部2…に接するガス抜き用多孔質体部18…を通過してから、ガス抜き用多孔質体部18…に接するガス通路17に流れ込むようにして金型外へ放出される。
そのため、本第二実施形態によるインサート成形用金型10によっても、上述した第一実施形態と同様の効果を得ることが可能となっている。
【0034】
また、ガス抜き部として設けられたガス抜き用多孔質体部18…において、その多孔質体部2…に接する面18Aに対してある程度の面粗さが与えられていることから、とくに気孔率が高く設定された多孔質体部2…をインサート部品とするインサート成形を行う場合であっても、型締め時に金型面11A,12A間で圧縮される多孔質体部2…を、多孔質体部2…とガス抜き用多孔質体部18…との間で生じる摩擦力により、キャビティ13に対して確実に固定することが可能となっている。
【0035】
なお、本第二実施形態で用いたガス抜き用多孔質体部18は、適度な通気性及び強度を有していれば、その材質などを問うことはなく、例えば、多孔質体部2…と同様に粉末焼結法によって製造されたものを用いることができる(多孔質体部2…と同じものを用いてもよい)。
【0036】
また、以上説明してきたような各実施形態においては、そのガス抜き部を可動金型12だけに設けているが、これに限定されることはなく、ガス抜き部が、固定金型11のみに設けられていてもよいし、可動金型12及び固定金型11の両方に設けられていてもよい。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、インサート部品である多孔質体部が備える通気性をうまく利用して、ガス抜き部をキャビティ内にインサートされた多孔質体部に接するような配置で設けたことから、インサート成形時のガス抜き性能を格段に向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の第一実施形態によるインサート成形用金型を示す概略断面説明図、(b)は(a)に示すインサート成形用金型における各種部材の位置関係を示す説明図である。
【図2】(a)は本発明の第二実施形態によるインサート成形用金型を示す概略断面説明図、(b)は(a)に示すインサート成形用金型における各種部材の位置関係を示す説明図である。
【図3】多孔質体部分を製造する方法の一例を示す模式図である。
【図4】(a)は本発明の実施形態によるインサート成形用金型を用いて製造する多孔質体−樹脂複合体を示す平面図、(b)は(a)におけるA−A線断面図である。
【図5】多孔質体−樹脂複合体の一例を示す斜視図である。
【図6】(a)は多孔質体−樹脂複合体の一例を示す平面図、(b)は(a)におけるA−A線断面図である。
【符号の説明】
1 多孔質体−樹脂複合体
2 多孔質体部
3 樹脂部
10 インサート成形用金型
11 固定金型
11A 金型面
12 可動金型
12A 金型面
13 キャビティ
16 溶融樹脂
17 ガス通路
18 ガス抜き用多孔質体部

Claims (4)

  1. キャビティにインサート部品としての多孔質体部をインサートし、この多孔質体部に連なるように溶融樹脂を射出するインサート成形を行うことにより、多孔質体−樹脂複合体であるインサート成形品を製造するためのインサート成形用金型であって、
    前記キャビティにインサートされる前記多孔質体部に接するように配置されたガス抜き部が設けられていることを特徴とするインサート成形用金型。
  2. 請求項1に記載のインサート成形用金型において、
    前記ガス抜き部が、前記キャビティにインサートされた前記多孔質体部に接するガス通路から構成されていることを特徴とするインサート成形用金型。
  3. 請求項1に記載のインサート成形用金型において、
    前記ガス抜き部が、前記キャビティにインサートされた前記多孔質体部に接するガス抜き用多孔質体部と、このガス抜き用多孔質体部に接するガス通路とから構成されていることを特徴とするインサート成形用金型。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のインサート成形用金型を用いたインサート成形品の製造方法であって、
    前記キャビティに、インサート部品としての前記多孔質体部をインサートし、この多孔質体部に連なるように溶融樹脂を射出するインサート成形を行うときに、前記ガス抜き部によって前記キャビティ内のガス抜きを行うことを特徴とするインサート成形品の製造方法。
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