JP2005022054A - 透光性合成樹脂板からなる光学素子の端面仕上げ加工の方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 エッジライト方式のバックライトの導光体における輝度均一性の向上に寄与し得る導光体の端面仕上げ加工装置を提供する。
【解決手段】 保持手段により保持される導光体2の端面2cの切削加工のための仕上げ切削刃物12及び粗切削刃物14を支持する刃物台10と、それをX方向に送り移動させるサーボモータ8b及びボールネジ軸8cを含む送り移動機構と、刃物台10をY方向に移動させるサーボモータ4a、ベルト4b及びネジ軸4cを含む切り込み移動機構と、これら送り移動機構と切り込み移動機構とを仕上げ切削刃物12による導光体端面2cの切削加工の切り込み量が加工位置に応じて変化するように制御する制御部20とを備える端面仕上げ加工装置。
【選択図】 図1
【解決手段】 保持手段により保持される導光体2の端面2cの切削加工のための仕上げ切削刃物12及び粗切削刃物14を支持する刃物台10と、それをX方向に送り移動させるサーボモータ8b及びボールネジ軸8cを含む送り移動機構と、刃物台10をY方向に移動させるサーボモータ4a、ベルト4b及びネジ軸4cを含む切り込み移動機構と、これら送り移動機構と切り込み移動機構とを仕上げ切削刃物12による導光体端面2cの切削加工の切り込み量が加工位置に応じて変化するように制御する制御部20とを備える端面仕上げ加工装置。
【選択図】 図1
Description
本発明は、合成樹脂板の端面加工の技術に属するものであり、特に透光性合成樹脂板からなる光学素子の端面仕上げ加工の方法及び装置に関するものである。本発明の適用される透光性合成樹脂板からなる光学素子としては、たとえば、液晶表示装置のバックライトを構成する板状導光体が挙げられる。
近年、液晶表示装置は、携帯用ノートパソコンやパソコン等のモニターとして、あるいは液晶テレビやビデオ一体型液晶テレビ、携帯電話機、携帯情報端末等の表示部として、種々の分野で広く使用されてきている。また、情報処理量の増大化、ニーズの多様化、マルチメディア対応等に伴って、液晶表示装置の大画面化、高精細化が盛んに進められている。
液晶表示装置は、基本的にバックライト部と液晶表示素子部とから構成されている。バックライト部としては、液晶表示装置のコンパクト化の観点から、エッジライト方式のものが多用されている。この方式のものでは、液晶表示素子部の背面側に板状導光体を配置し、その際に該導光体の一主面(光出射面)が液晶表示素子部の背面に対向するようにし、更に導光体の少なくとも1つの側端面(光入射端面)に対向するように一次光源を配置している。エッジライト方式の導光体としては、アクリル樹脂などの透光性合成樹脂を射出成形などの成形法を用いて板状に成形したものが使用される。射出成形により得られるブランクにはその端部にスプルーやランナーが付属しているので、成形加工後に所要の寸法及び形状の導光体にするために、これら不要部分を切り落とす。
ところで、上記エッジライト方式のバックライトの導光体では、一次光源から出射され導光体の光入射端面に入射し導光体内へと導かれた光の該導光体内での分布が光出射面からの出射光分布に大きく影響する。導光体内での光の分布は、光入射端面の性状によっても影響される。このため、従来、全体に亘ってできるだけ性状均一性の高い光入射端面を得るために、上記不要部分の切り落としの後にゲートカット痕などを除去すべく端面切削加工がなされている。この端面切削加工は、たとえば特開2001−260075号公報(特許文献1)に記載されているような装置を用いてなされる。この端面切削装置では、導光体の被加工端面部の厚さより大きな寸法の幅を持つダイヤモンドバイトを刃物台に固定して、該刃物台を導光体の被加工端面及び主面の双方に沿った方向に移動させ、所要の切り込み量にて繰り返し切削加工する。これにより、短時間で表面性状の均一性の高められた端面に加工できる。
しかし、近年、バックライトの光学的性能に対する要求はますます高くなっており、特に液晶表示素子の有効な表示領域に対応するバックライトの有効発光領域内での高い輝度均一性が要求されている。更に、局所的に輝度の極端に低い又は高い領域が発生すると特に目立って視認されるので、そのような局所的低/高輝度領域の発生を極力抑制することが極めて好ましい。このような局所的低/高輝度領域発生の原因の具体例としては、一次光源から光入射端面を介して導光体内に導かれる光の分布の不均一が挙げられる。
すなわち、一次光源として冷陰極管などの線状光源を用いた場合には、その端部に非発光部であるソケットが付されているので、該非発光部に対向して位置する光入射端面両端部分の近傍の導光体領域(導光体隅部)において導光体光出射面の輝度が低下する。また、一次光源として少なくとも1つの発光ダイオード(LED)などの点状光源からなるものを用いた場合には、LEDに対向して位置する光入射端面部分以外の光入射端面部分の近傍の導光体領域において導光体光出射面の輝度が低下する。これらの輝度低下領域がバックライト有効発光領域外であれば問題ないのであるが、近年、有効発光領域の大きさを維持しつつバックライトの外形寸法を小さくすることが要求されており、この要求に応ずるためにはできるだけ輝度低下領域を小さくすることが必要である。
また、導光体ブランクを得るための射出成形の際に合成樹脂が型内に注入されるゲートに対応する部分では樹脂注入時に特殊な樹脂配向が生ずるので、これに基づき導光体のゲート対応部分とその他の部分とでは切削などの加工性に若干の差が生ずることがある。従って、一様な切削のみでは、このゲート対応部分とその他の部分との表面性状に差が生じ、これに基づき特にゲート対応部分の近傍において導光体に低/高輝度領域が形成される。
しかし、近年、バックライトの光学的性能に対する要求はますます高くなっており、特に液晶表示素子の有効な表示領域に対応するバックライトの有効発光領域内での高い輝度均一性が要求されている。更に、局所的に輝度の極端に低い又は高い領域が発生すると特に目立って視認されるので、そのような局所的低/高輝度領域の発生を極力抑制することが極めて好ましい。このような局所的低/高輝度領域発生の原因の具体例としては、一次光源から光入射端面を介して導光体内に導かれる光の分布の不均一が挙げられる。
すなわち、一次光源として冷陰極管などの線状光源を用いた場合には、その端部に非発光部であるソケットが付されているので、該非発光部に対向して位置する光入射端面両端部分の近傍の導光体領域(導光体隅部)において導光体光出射面の輝度が低下する。また、一次光源として少なくとも1つの発光ダイオード(LED)などの点状光源からなるものを用いた場合には、LEDに対向して位置する光入射端面部分以外の光入射端面部分の近傍の導光体領域において導光体光出射面の輝度が低下する。これらの輝度低下領域がバックライト有効発光領域外であれば問題ないのであるが、近年、有効発光領域の大きさを維持しつつバックライトの外形寸法を小さくすることが要求されており、この要求に応ずるためにはできるだけ輝度低下領域を小さくすることが必要である。
また、導光体ブランクを得るための射出成形の際に合成樹脂が型内に注入されるゲートに対応する部分では樹脂注入時に特殊な樹脂配向が生ずるので、これに基づき導光体のゲート対応部分とその他の部分とでは切削などの加工性に若干の差が生ずることがある。従って、一様な切削のみでは、このゲート対応部分とその他の部分との表面性状に差が生じ、これに基づき特にゲート対応部分の近傍において導光体に低/高輝度領域が形成される。
上記の端面切削装置及びこれを用いた切削方法は、以上のような局所的な低/高輝度領域の発生には対処しておらず、従って導光体の光出射面の輝度均一性の向上に関しては未だ十分とはいえない。
特開2001−260075号公報
そこで、本発明は、以上のような従来技術の問題点に鑑みて、エッジライト方式のバックライトの導光体における輝度均一性の向上に寄与し得る透光性合成樹脂板からなる光学素子の端面仕上げ加工の方法及び装置を提供することを目的とするものである。
更に、本発明は、透光性合成樹脂板からなりその端面を光の入射、出射及び/または反射などに寄与させる機能面として利用する光学素子において、前記端面での光の入射、出射及び/または反射などの機能を該端面内の領域に応じて変化させ得る端面仕上げ加工の方法及び装置を提供することを目的とするものである。
本発明によれば、以上の如き目的を達成するものとして、
2つの主面とこれら主面の外周縁に隣接する端面とを有する透光性合成樹脂板からなり前記端面を機能面として利用する光学素子の前記端面の仕上げ加工方法であって、
前記端面及び前記主面の双方に沿う方向に刃物台の送り移動を行うことで、前記刃物台に支持された切削刃物により前記端面の切削加工を行い、その際に前記切削刃物による前記端面の切削加工の切り込み量を前記端面の加工位置に応じて変化させることを特徴とする、透光性合成樹脂板からなる光学素子の端面仕上げ加工方法、
が提供される。
2つの主面とこれら主面の外周縁に隣接する端面とを有する透光性合成樹脂板からなり前記端面を機能面として利用する光学素子の前記端面の仕上げ加工方法であって、
前記端面及び前記主面の双方に沿う方向に刃物台の送り移動を行うことで、前記刃物台に支持された切削刃物により前記端面の切削加工を行い、その際に前記切削刃物による前記端面の切削加工の切り込み量を前記端面の加工位置に応じて変化させることを特徴とする、透光性合成樹脂板からなる光学素子の端面仕上げ加工方法、
が提供される。
また、本発明によれば、以上の如き目的を達成するものとして、
2つの主面とこれら主面の外周縁に隣接する端面とを有する透光性合成樹脂板からなり前記端面を機能面として利用する光学素子の前記端面の仕上げ加工装置であって、
保持手段により保持される前記合成樹脂板の端面の切削加工のための切削刃物を支持する刃物台と、
該刃物台を前記合成樹脂板の端面及び主面の双方に沿う方向に送り移動させる送り移動機構と、
前記刃物台を前記送り移動の方向と直交する方向に移動させる切り込み移動機構と、
前記送り移動機構と前記切り込み移動機構とを、前記切削刃物による前記端面の切削加工の切り込み量が前記端面の加工位置に応じて変化するように、制御する制御部と
を備えることを特徴とする、透光性合成樹脂板からなる光学素子の端面仕上げ加工装置、
が提供される。
2つの主面とこれら主面の外周縁に隣接する端面とを有する透光性合成樹脂板からなり前記端面を機能面として利用する光学素子の前記端面の仕上げ加工装置であって、
保持手段により保持される前記合成樹脂板の端面の切削加工のための切削刃物を支持する刃物台と、
該刃物台を前記合成樹脂板の端面及び主面の双方に沿う方向に送り移動させる送り移動機構と、
前記刃物台を前記送り移動の方向と直交する方向に移動させる切り込み移動機構と、
前記送り移動機構と前記切り込み移動機構とを、前記切削刃物による前記端面の切削加工の切り込み量が前記端面の加工位置に応じて変化するように、制御する制御部と
を備えることを特徴とする、透光性合成樹脂板からなる光学素子の端面仕上げ加工装置、
が提供される。
前記刃物台には前記切削刃物とそれによる切削加工に先立って行われる粗切削加工のための粗切削刃物とが支持することができる。この場合、前記刃物台は前記切削刃物及び前記粗切削刃物のうちの一方を他方より前記切り込み移動の移動方向に関して前進した第1の位置及び後退した第2の位置にて切り替えて支持する刃物支持位置切り替え手段を有しており、前記制御部は前記刃物支持位置切り替え手段を制御する。
本発明においては、前記切り込み量を前記端面の加工位置に応じて変化させることで、前記端面の表面性状たとえば表面粗さを前記端面の加工位置に応じて変化させるなどして適宜設定することができ、これにより前記端面での光の入射、出射及び/または反射などの機能を該端面内の領域に応じて適宜設定することが可能となる。
本発明においては、前記切り込み量を前記端面の加工位置に応じて変化させることで、前記端面の表面性状たとえば表面粗さを前記端面の加工位置に応じて変化させるなどして適宜設定することができ、これにより前記端面での光の入射、出射及び/または反射などの機能を該端面内の領域に応じて適宜設定することが可能となる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明による透光性合成樹脂板からなる光学素子の端面仕上げ加工方法の実施に使用される本発明の端面仕上げ加工装置の一実施形態を説明するための模式的構成図であり、図2は、その模式的斜視図である。
これらの図において、符号2は、被加工物である透光性合成樹脂板からなる光学素子を示し、具体的には液晶表示装置用のエッジライト方式のバックライトを構成する板状の導光体である。導光体2は、2つの主面2a,2bとこれら主面の外周縁に隣接する端面2c,2d,2e,2fとを有する。主面2aは光出射面として利用され、端面2cは光入射端面として利用される。導光体2は、不図示の加工装置本体に設けられた不図示の保持手段により所要の位置に位置決めされて、ほぼ水平に(即ち主面2a,2bがほぼXY面と平行な面内に位置するように)保持されている。端面2cは、被加工端面であり、XZ面に平行に位置する。透光性合成樹脂板は、切削加工可能なものであれば材質には特に制限はなく、例えばアクリル樹脂、ポリカーカーボネート樹脂または環状ポリオレフィン樹脂からなる。
加工装置本体にはバックプレート4が固定されている。該バックプレートにはY方向に延びたガイドレール6が取り付けられており、該ガイドレールによりガイドされてY方向に往復移動可能なように刃物台支持部8が取り付けられている。上記バックプレート4には正逆回転可能なサーボモータ4aが取り付けられており、その回転力は出力回転軸に巻き掛けられたベルト4bを介してそれぞれY方向に延びた2本のネジ軸4cに伝達される。一方、刃物台支持部8には、上記ネジ軸に形成された雄ネジと係合する雌ネジの形成された雌ネジ部材8aが取り付けられている。したがって、サーボモータ4aを駆動し停止させることで、刃物台支持部8をY方向に所望の位置へと移動させ停止させることができる。
刃物台支持部8には、正逆回転可能なサーボモータ8bが取り付けられており、その回転力はボールネジ軸8cに伝達される。刃物台支持部8により、刃物台10がX方向に移動可能なように支持されている。即ち、刃物台10には、ボールネジ軸8cと係合する係合部材10aが取り付けられており、サーボモータ8aを駆動し停止させることで、刃物台10をX方向に所望の位置へと移動させ停止させることができる。尚、図示はしないが、刃物台支持部8には刃物台10のX方向移動をガイドするためのガイドレールが設けられており、刃物台10はこのガイドレールと上記ボールネジ軸8cとに沿ってX方向に平行移動せしめられる。
刃物台10の移動精度を高めるために、上記ガイドレールを2本互いに平行に配置して使用するのが好ましい。これにより、ボールネジ軸8cには主として刃物台の駆動の機能のみをもたせ、ガイドレールに刃物台10の位置精度を高く維持し且つ刃物台10の駆動時の振動を抑制する機能をもたせることができる。
刃物台10とガイドレールとのクリアランスを適度に設定することが望ましい。このクリアランスは例えば1〜5μm程度とすることが好ましい。クリアランスが上記範囲を外れて小さくなりすぎると、刃物台10の駆動ができなくなる場合がある。また、クリアランスが上記範囲を外れて大きくなりすぎると、刃物台10の駆動の際にブレによる振動が生じて、導光体端面に斜光発生の原因となる不規則な凹凸パターンが形成されやすくなる傾向にある。
刃物台10には、仕上げ切削刃物12と該仕上げ切削刃物による切削加工に先立って行われる粗切削加工のための粗切削刃物14とが取り付けられている。これらの刃物は、例えば焼結多結晶ダイヤモンドバイトであり、仕上げ切削刃物12は粗切削刃物14に比べて小さい粒子のダイヤモンドを使用している。ダイヤモンドバイトは、例えば、平均粒径が0.5〜15μm、好ましく0.5〜12μm、更に好ましくは1〜3μmの範囲内で該平均粒径値に対してその±50%の範囲内の粒径のダイヤモンド粒子をバインダーと共に焼結して得られたものである。ダイヤモンド粒子の平均粒径が15μmより大きくなると、導光体の光入射端面の近傍に明帯が現れやすくなり、ダイヤモンド粒子の平均粒径が0.5μmより小さくなると、導光体の光入射端面の近傍に暗帯が現れやすくなる。
刃物台10には、仕上げ切削刃物12及び粗切削刃物14のうちの一方を他方より切り込み移動の移動方向(Y方向)に関して前進した第1の位置及び後退した第2の位置にて切り替えて支持する刃物支持位置切り替え手段10bが付設されている。該刃物支持位置切り替え手段は、具体的には例えば粗切削刃物14のみを第1の位置と第2の位置との間で位置切り替え可能に支持するものからなるが、仕上げ切削刃物12のみを位置切り替え可能に支持してもよいし、双方の切削刃物12,14を同時に互いに逆向きに位置切り替え可能に支持してもよい。粗切削刃物14のみを位置切り替え可能に支持する刃物支持位置切り替え手段10bとしては、例えば、刃物台10に対して粗切削刃物14をY方向位置が可変なように支持し、粗切削刃物14と共に移動する部材をエアシリンダーなどによりY方向に駆動するようにしたものが挙げられる。
図3は、導光体2と仕上げ切削刃物12及び粗切削刃物14とのZ方向に関する位置関係を示す模式図である。図示されているように、仕上げ切削刃物12及び粗切削刃物14は、導光体2の端面2cの幅(Z方向寸法)より大きな幅(Z方向寸法)を持っており、導光体端面2cの幅全体を仕上げ切削刃物12または粗切削刃物14により一時に切削加工することができる。
上記サーボモータ4a、ベルト4b、ネジ軸4c、雌ネジ部材8a及び刃物台支持部8を含んで切り込み移動機構が構成されており、上記サーボモータ8b、ボールネジ軸8c及び係合部材10aを含んで送り移動機構が構成されている。サーボモータ4a,8b及び刃物支持位置切り替え手段10bは、制御部20により制御される。以下、制御部20の動作を、図4、図5及び図6をも参照しながら説明する。
図4は、刃物支持位置切り替え手段10bによる粗切削刃物14の位置切り替えと粗切削加工及び仕上げ切削加工の説明図であり、図5は、最終仕上げ切削加工の加工位置と切り込み量との関係を示す図であり、図6は、最終仕上げ切削加工により形成される導光体端面の形状を示す図である。
導光体端面2cの粗切削加工に際しては、制御部20からの指令に基づき、刃物支持位置切り替え手段10bは、図4(a)に示されるように、刃物台10に対する粗切削刃物14の位置を、Y方向に関して仕上げ切削刃物12より前進した(即ち導光体2に近づいた)第1の位置(1)に切り替える。この状態で、制御部20からの指令に基づき、サーボモータ8bが所要のタイミングで正転及び逆転を繰り返し、かくして送り移動機構により刃物台10上の粗切削刃物14がX方向に所要のストローク(導光体端面2cのX方向寸法より大きな距離)にて往復移動せしめられる。同時に、制御部20からの指令に基づき、サーボモータ8bと同期してサーボモータ4aが所要のタイミングで正転及び逆転を繰り返し、かくして切り込み移動機構により刃物台10上の粗切削刃物14がY方向に往復移動せしめられる。具体的には、図1及び図4において、粗切削刃物14がX方向に右から左へと移動する際に粗切削加工がなされ、X方向ストロークの左端にて反転する際に粗切削刃物14がY方向に僅かに後退し(即ち導光体から遠ざかり)、X方向ストロークの右端にて反転する際に粗切削刃物14がY方向に所要の切り込み量(例えば10〜30μm程度)に上記後退量を加えた距離だけ前進する。このようにして所望回数(例えば5〜30回程度)の粗切削を行う。
粗切削加工から仕上げ切削加工に移行する際には、先ず、制御部20からの指令に基づき、刃物支持位置切り替え手段10bは、図4(b)に示されるように、刃物台10に対する粗切削刃物14の位置を、Y方向に関して切削刃物12より後退した第2の位置(2)に切り替える。次に、この状態で、制御部20からの指令に基づき、サーボモータ4aが正転し、かくして、図4(c)に示されるように、切り込み移動機構により刃物台10上の粗切削刃物14がY方向に前進せしめられる。この前進は、Y方向に関して、第1の位置での粗切削刃物14の先端の位置と仕上げ切削刃物12の先端の位置との差(この値は既知であり例えば100μm程度である)よりも僅かに小さな距離だけおこなわれる。これにより、仕上げ切削加工の準備が完了する。
導光体端面2cの仕上げ切削加工に際しては、制御部20からの指令に基づき、サーボモータ8bが所要のタイミングで正転及び逆転を繰り返し、かくして送り移動機構により刃物台10上の仕上げ切削刃物12がX方向に所要のストローク(導光体端面2cのX方向寸法より大きな距離)にて往復移動せしめられる。同時に、制御部20からの指令に基づき、サーボモータ8bと同期してサーボモータ4aが所要のタイミングで正転及び逆転を繰り返し、かくして切り込み移動機構により刃物台10上の仕上げ切削刃物12がY方向に往復移動せしめられる。具体的には、図1及び図4において、切削刃物12がX方向に右から左へと移動する際に仕上げ切削加工がなされ、X方向ストロークの左端にて反転する際に切削刃物12がY方向に僅かに後退し、X方向ストロークの右端にて反転する際に切削刃物12がY方向に所要の切り込み量(例えば2〜20μm程度)に上記後退量を加えた距離だけ前進する。このようにして所望回数(例えば2〜5回程度)の仕上げ切削加工を行う。
本実施形態では、以上のような導光体端面2cの全領域に対する均一な切り込み量での仕上げ切削加工に続いて、仕上げ切削加工の最終工程として最終仕上げ研削加工を行う。即ち、上記の均一切り込み量での仕上げ切削加工における切り込み量を、端面2cのX方向の加工位置に応じて変化させる。この切り込み量の変化は、制御部20からサーボモータ4aに対して所要のタイミングにて所要の変化速度での正転または逆転を指令することでなされる。
この最終仕上げ研削の際には、刃物台10のX方向の送り移動の速度を、例えば50〜2000mm/secの範囲内の一定速度とすることができる。また、刃物台10のX方向の送り移動の速度を、例えば50〜2000mm/secの範囲内で変化させてもよい。
図5は5段階に亘って切り込み量を変化させる例を示しており、段階1では一定の第1の切り込み量にて最終仕上げ切削加工が行われ、段階2では該第1の切り込み量から第2の切り込み量へと徐々に変化する切り込み量にて最終仕上げ切削加工が行われ、段階3では一定の第2の切り込み量にて最終仕上げ切削加工が行われ、段階4では該第2の切り込み量から第3の切り込み量へと徐々に変化する切り込み量にて最終仕上げ切削加工が行われ、段階5では一定の第3の切り込み量にて最終仕上げ切削加工が行われる。段階1、段階3及び段階5ではサーボモータ4aは停止しており、段階2及び段階4ではサーボモータ4aはそれぞれ一定速度で回転している。これにより、図6に示されるように、上記段階1〜段階5に応じて形成された最終仕上げ面領域2c−1〜2c−5からなる最終仕上げ端面2cが形成される。この最終仕上げ切削加工の際の切り込み量は、例えば3〜50μm程度の範囲内で変化させることができる。
被加工端面の加工性が全体に亘って均一であるとして、最終仕上げ面領域2c−1〜2c−5は、切り込み量が異なることに基づき、表面性状が互いに異なるものになる。特に、その表面粗さは、切り込み量に応じて変化し、切り込み量が大きくなるほど表面粗さが大きくなる。最終仕上げ面2c−1,2c−3,2c−5の表面粗さR(2c−1),R(2c−3),R(2c−5)は、それぞれほぼ一定であり、R(2c−1)<R(2c−3)<R(2c−5)の関係にある。最終仕上げ面2c−2,2c−4の表面粗さR(2c−2),R(2c−4)は、それぞれR(2c−1)からR(2c−3)へ又はR(2c−3)からR(2c−5)へと徐々に変化している。これらの表面粗さは、例えば、10点最大平均粗さRa(測定長2mm)で0.03〜0.3μmの範囲内で変化させることができる。
刃物台10のX方向の送り移動の速度を変化させることによっても、導光体端面の表面性状例えば表面粗さを変化させることができる。送り移動速度が小さい場合には端面の表面粗さが大きくなる傾向にあり、送り移動速度が大きい場合には端面の表面粗さが小さくなる傾向にある。従って、上記のような最終仕上げ切削加工の際に、切り込み量の大きな位置ほど送り移動速度を小さくして切削加工を行うことにより、より一層の表面粗さの差を実現することができる。或いは、送り移動速度を小さくすることで、所望の表面粗さを得るための切り込み量を低減することができる。
以上の実施形態では導光体端面の全体にわたって一時に最終仕上げ切削加工を行っているが、本発明では、一時に端面全体の最終仕上げ切削加工を行わなくともよい。たとえば、端面全体を一様な切り込み量にて切削加工した後に更に大きな切り込み量にて部分的に最終切削加工することが可能であり、部分的に最終切削加工した後に他の部分をより小さな切り込み量で一様に切削加工することも可能である。
このようにして最終仕上げ切削加工された端面2cを持つ導光体2をエッジライト方式のバックライトの導光体として使用した場合には、一次光源から出射され光入射端面2cに入射する光は光入射端面2cにおいてX方向位置に応じて異なる光拡散を受けるので、導光体2内に導かれた光の分布は、全面均一な表面粗さの光入射端面を持つ導光体の場合とは異なるものとなる。従って、上記図5に示すような切り込み量の分布のパターンを適宜設定することで、全面均一な表面粗さの光入射端面を持つ導光体を用いた場合の導光体光出射面における輝度分布の不均一を低減することができる。
また、このようにして最終仕上げ切削加工された端面2cを光入射端面以外の端面として利用することも可能である。その場合には、導光体2内を導光された光が当該端面2cにより反射され或いは当該端面2cを出射して該端面に隣接配置された光反射部材による反射を受けて再入射する。その際の光の反射、出射或いは入射に対する端面2cの作用をX方向位置に応じて変化させるために、切り込み量の分布のパターンを適宜設定する。これにより、上記光入射端面の場合と同様な作用効果を得ることができる。
以上の実施形態では仕上げ切削刃物12及び粗切削刃物14を刃物台10に対し固定した状態で切削加工を行っているが、本発明においては、仕上げ切削刃物12及び粗切削刃物14の少なくとも一方を刃物台10に対し回転させた状態で切削加工を行うことも可能である。図7は、そのような変形例を示す模式的部分平面図である。この変形例では、刃物台10に対してほぼXY面と平行な面内にてY方向に対し僅かな傾きを持つ回転中心の周りで駆動回転せしめられるように支持されたカップ型の焼結多結晶ダイヤモンドカップホイールからなる仕上げ切削刃物12’及び粗切削刃物14’が使用されている。粗切削刃物14’は、図示されるY方向に関し後退した第2の位置と、Y方向に関し前進した第1の位置との間で移動可能である。この変形例は、上記実施形態とは端面2cに対する仕上げ切削刃物12’及び粗切削刃物14の接触形態が異なり、それによる切削加工面性状の相違はあるものの、上記実施形態とほぼ同様な作用効果を発揮する。
本発明により端面仕上げ加工が施される透光性合成樹脂板からなる光学素子は、上記実施形態で説明したようなエッジライト方式のバックライトを構成する導光体以外のものであってもよく、被加工端面が光学的に何らかの機能を発揮する面であればよい。このような光学素子としては、少なくとも1つの端面から光が入射せしめられ、他の少なくとも1つの端面から光が出射せしめられる導光体や、少なくとも一方の主面から光が入射せしめら少なくとも1つの端面から光が出射せしめられる導光体が例示される。
以下、実施例により本発明を更に説明する。
[実施例1]
射出成形及びゲートカットにより得られた横寸法307.5mm、縦寸法232.7mm、厚さ2.2mのアクリル樹脂製の板状導光体2の上記寸法307.5mmの辺に対応する端面である光入射端面2cを、図1〜図6に関し説明した端面仕上げ加工装置を用いて、切削加工した。仕上げ切削刃物12及び粗切削刃物14として、いずれも焼結多結晶ダイヤモンドバイト(ダイヤモンドの平均粒径2μm)を用いた。なお、導光体2は、一方の主面である光出射面2aがマット面とされ、他方の主面2bには光入射端面2cと直交する方向に延びた多数のプリズム列が互いに平行に形成されているものであった(後述の図10参照)。
粗切削加工では、一定の送り速度1600mm/secにて一定の切り込み量25μmで7回の切削を実施した。仕上げ切削加工では、先ず一定の送り速度150mm/secにて一定の切り込み量5μmで3回の切削を実施し、次いで、最終仕上げ研削加工として一定の送り速度150mm/secにて図8に示すような切削深さプロファイルに従って切削を実施した。
加工済みの導光体端面2cの表面粗さを測定長2mm及び測定速度0.03mm/secで測定したところ、10点最大平均粗さRaが、切り込み量5μmの最終仕上げ面領域2c−2では0.08〜0.09μmであったが、切り込み量10〜5μmの最終仕上げ面領域では最大0.12μmであった。
この導光体を用いて、図10に示すようなエッジライト方式のバックライトを作製した。すなわち、導光体端面2cに対向するようにリフレクタ102付きの線状一次光源101を配置し、導光体主面2bに対向するように光反射シート105を配置し、導光体光出射面2a上にプリズムシート104を配置した。プリズムシート104の導光体光出射面2aと対向する下面(入光面)104aには、一次光源101と平行にX方向に延びた多数のプリズム列が互いに平行に形成されていた。
比較のために、最終仕上げ面領域2c−1についても最終仕上げ面領域2c−2と同様な一定の切り込み量5μmで最終仕上げ切削加工したこと以外は同様にして導光体を作製し、これを用いて同様にして比較例バックライトを作製した。
双方のバックライトにつき、一次光源101を点灯して、プリズムシート104の上面(出光面)104bを観察したところ、比較例バックライトでは一次光源端部に対応する領域に低輝度の暗い領域が目だったが、本発明実施例のバックライトでは最終仕上げ面領域2c−1の近傍の低輝度領域は小さくなり大幅な改善がなされ、導光体隅部の光学性能は著しく向上した。
[実施例2]
最終仕上げ研削加工の切削深さプロファイルを図9に示すようにしたこと以外は実施例1と同様にして切削加工を実施した。尚、導光体2は、射出成形の際のゲートに対応する部分が光入射端面2cのX方向中央部であった。
加工済みの導光体端面2cの表面粗さを測定長2mm及び測定速度0.03mm/secで測定したところ、全最終仕上げ面領域2c−1〜2c−5で、10点最大平均粗さRaが0.08〜0.09μmであった。この導光体を用いて、実施例1と同様にしてバックライトを作製した。
比較のために、最終仕上げ面領域2c−2〜2c−4についても最終仕上げ面領域2c−1,2c−5と同様な一定の切り込み量5μmで最終仕上げ切削加工したこと以外は同様にして導光体を作製した。導光体端面2cの表面粗さを測定長2mm及び測定速度0.03mm/secで測定したところ、ゲート対応部分である最終仕上げ面領域2c−3で、10点最大平均粗さRaが0.06μmであった。この導光体を用いて、同様にして比較例バックライトを作製した。
双方のバックライトにつき、一次光源101を点灯して、プリズムシート104の上面(出光面)104bを観察したところ、比較例バックライトでは導光体のゲート対応部分に対応する領域に低輝度の暗い領域が目だったが、本発明実施例のバックライトでは導光体のゲート対応部分及びその近傍に対応する最終仕上げ面領域2c−2〜2c−4の近傍の低輝度領域は殆ど目立たず大幅な改善がなされ、導光体の光入射端面中央部近傍領域の光学性能は著しく向上した。
これらの図において、符号2は、被加工物である透光性合成樹脂板からなる光学素子を示し、具体的には液晶表示装置用のエッジライト方式のバックライトを構成する板状の導光体である。導光体2は、2つの主面2a,2bとこれら主面の外周縁に隣接する端面2c,2d,2e,2fとを有する。主面2aは光出射面として利用され、端面2cは光入射端面として利用される。導光体2は、不図示の加工装置本体に設けられた不図示の保持手段により所要の位置に位置決めされて、ほぼ水平に(即ち主面2a,2bがほぼXY面と平行な面内に位置するように)保持されている。端面2cは、被加工端面であり、XZ面に平行に位置する。透光性合成樹脂板は、切削加工可能なものであれば材質には特に制限はなく、例えばアクリル樹脂、ポリカーカーボネート樹脂または環状ポリオレフィン樹脂からなる。
加工装置本体にはバックプレート4が固定されている。該バックプレートにはY方向に延びたガイドレール6が取り付けられており、該ガイドレールによりガイドされてY方向に往復移動可能なように刃物台支持部8が取り付けられている。上記バックプレート4には正逆回転可能なサーボモータ4aが取り付けられており、その回転力は出力回転軸に巻き掛けられたベルト4bを介してそれぞれY方向に延びた2本のネジ軸4cに伝達される。一方、刃物台支持部8には、上記ネジ軸に形成された雄ネジと係合する雌ネジの形成された雌ネジ部材8aが取り付けられている。したがって、サーボモータ4aを駆動し停止させることで、刃物台支持部8をY方向に所望の位置へと移動させ停止させることができる。
刃物台支持部8には、正逆回転可能なサーボモータ8bが取り付けられており、その回転力はボールネジ軸8cに伝達される。刃物台支持部8により、刃物台10がX方向に移動可能なように支持されている。即ち、刃物台10には、ボールネジ軸8cと係合する係合部材10aが取り付けられており、サーボモータ8aを駆動し停止させることで、刃物台10をX方向に所望の位置へと移動させ停止させることができる。尚、図示はしないが、刃物台支持部8には刃物台10のX方向移動をガイドするためのガイドレールが設けられており、刃物台10はこのガイドレールと上記ボールネジ軸8cとに沿ってX方向に平行移動せしめられる。
刃物台10の移動精度を高めるために、上記ガイドレールを2本互いに平行に配置して使用するのが好ましい。これにより、ボールネジ軸8cには主として刃物台の駆動の機能のみをもたせ、ガイドレールに刃物台10の位置精度を高く維持し且つ刃物台10の駆動時の振動を抑制する機能をもたせることができる。
刃物台10とガイドレールとのクリアランスを適度に設定することが望ましい。このクリアランスは例えば1〜5μm程度とすることが好ましい。クリアランスが上記範囲を外れて小さくなりすぎると、刃物台10の駆動ができなくなる場合がある。また、クリアランスが上記範囲を外れて大きくなりすぎると、刃物台10の駆動の際にブレによる振動が生じて、導光体端面に斜光発生の原因となる不規則な凹凸パターンが形成されやすくなる傾向にある。
刃物台10には、仕上げ切削刃物12と該仕上げ切削刃物による切削加工に先立って行われる粗切削加工のための粗切削刃物14とが取り付けられている。これらの刃物は、例えば焼結多結晶ダイヤモンドバイトであり、仕上げ切削刃物12は粗切削刃物14に比べて小さい粒子のダイヤモンドを使用している。ダイヤモンドバイトは、例えば、平均粒径が0.5〜15μm、好ましく0.5〜12μm、更に好ましくは1〜3μmの範囲内で該平均粒径値に対してその±50%の範囲内の粒径のダイヤモンド粒子をバインダーと共に焼結して得られたものである。ダイヤモンド粒子の平均粒径が15μmより大きくなると、導光体の光入射端面の近傍に明帯が現れやすくなり、ダイヤモンド粒子の平均粒径が0.5μmより小さくなると、導光体の光入射端面の近傍に暗帯が現れやすくなる。
刃物台10には、仕上げ切削刃物12及び粗切削刃物14のうちの一方を他方より切り込み移動の移動方向(Y方向)に関して前進した第1の位置及び後退した第2の位置にて切り替えて支持する刃物支持位置切り替え手段10bが付設されている。該刃物支持位置切り替え手段は、具体的には例えば粗切削刃物14のみを第1の位置と第2の位置との間で位置切り替え可能に支持するものからなるが、仕上げ切削刃物12のみを位置切り替え可能に支持してもよいし、双方の切削刃物12,14を同時に互いに逆向きに位置切り替え可能に支持してもよい。粗切削刃物14のみを位置切り替え可能に支持する刃物支持位置切り替え手段10bとしては、例えば、刃物台10に対して粗切削刃物14をY方向位置が可変なように支持し、粗切削刃物14と共に移動する部材をエアシリンダーなどによりY方向に駆動するようにしたものが挙げられる。
図3は、導光体2と仕上げ切削刃物12及び粗切削刃物14とのZ方向に関する位置関係を示す模式図である。図示されているように、仕上げ切削刃物12及び粗切削刃物14は、導光体2の端面2cの幅(Z方向寸法)より大きな幅(Z方向寸法)を持っており、導光体端面2cの幅全体を仕上げ切削刃物12または粗切削刃物14により一時に切削加工することができる。
上記サーボモータ4a、ベルト4b、ネジ軸4c、雌ネジ部材8a及び刃物台支持部8を含んで切り込み移動機構が構成されており、上記サーボモータ8b、ボールネジ軸8c及び係合部材10aを含んで送り移動機構が構成されている。サーボモータ4a,8b及び刃物支持位置切り替え手段10bは、制御部20により制御される。以下、制御部20の動作を、図4、図5及び図6をも参照しながら説明する。
図4は、刃物支持位置切り替え手段10bによる粗切削刃物14の位置切り替えと粗切削加工及び仕上げ切削加工の説明図であり、図5は、最終仕上げ切削加工の加工位置と切り込み量との関係を示す図であり、図6は、最終仕上げ切削加工により形成される導光体端面の形状を示す図である。
導光体端面2cの粗切削加工に際しては、制御部20からの指令に基づき、刃物支持位置切り替え手段10bは、図4(a)に示されるように、刃物台10に対する粗切削刃物14の位置を、Y方向に関して仕上げ切削刃物12より前進した(即ち導光体2に近づいた)第1の位置(1)に切り替える。この状態で、制御部20からの指令に基づき、サーボモータ8bが所要のタイミングで正転及び逆転を繰り返し、かくして送り移動機構により刃物台10上の粗切削刃物14がX方向に所要のストローク(導光体端面2cのX方向寸法より大きな距離)にて往復移動せしめられる。同時に、制御部20からの指令に基づき、サーボモータ8bと同期してサーボモータ4aが所要のタイミングで正転及び逆転を繰り返し、かくして切り込み移動機構により刃物台10上の粗切削刃物14がY方向に往復移動せしめられる。具体的には、図1及び図4において、粗切削刃物14がX方向に右から左へと移動する際に粗切削加工がなされ、X方向ストロークの左端にて反転する際に粗切削刃物14がY方向に僅かに後退し(即ち導光体から遠ざかり)、X方向ストロークの右端にて反転する際に粗切削刃物14がY方向に所要の切り込み量(例えば10〜30μm程度)に上記後退量を加えた距離だけ前進する。このようにして所望回数(例えば5〜30回程度)の粗切削を行う。
粗切削加工から仕上げ切削加工に移行する際には、先ず、制御部20からの指令に基づき、刃物支持位置切り替え手段10bは、図4(b)に示されるように、刃物台10に対する粗切削刃物14の位置を、Y方向に関して切削刃物12より後退した第2の位置(2)に切り替える。次に、この状態で、制御部20からの指令に基づき、サーボモータ4aが正転し、かくして、図4(c)に示されるように、切り込み移動機構により刃物台10上の粗切削刃物14がY方向に前進せしめられる。この前進は、Y方向に関して、第1の位置での粗切削刃物14の先端の位置と仕上げ切削刃物12の先端の位置との差(この値は既知であり例えば100μm程度である)よりも僅かに小さな距離だけおこなわれる。これにより、仕上げ切削加工の準備が完了する。
導光体端面2cの仕上げ切削加工に際しては、制御部20からの指令に基づき、サーボモータ8bが所要のタイミングで正転及び逆転を繰り返し、かくして送り移動機構により刃物台10上の仕上げ切削刃物12がX方向に所要のストローク(導光体端面2cのX方向寸法より大きな距離)にて往復移動せしめられる。同時に、制御部20からの指令に基づき、サーボモータ8bと同期してサーボモータ4aが所要のタイミングで正転及び逆転を繰り返し、かくして切り込み移動機構により刃物台10上の仕上げ切削刃物12がY方向に往復移動せしめられる。具体的には、図1及び図4において、切削刃物12がX方向に右から左へと移動する際に仕上げ切削加工がなされ、X方向ストロークの左端にて反転する際に切削刃物12がY方向に僅かに後退し、X方向ストロークの右端にて反転する際に切削刃物12がY方向に所要の切り込み量(例えば2〜20μm程度)に上記後退量を加えた距離だけ前進する。このようにして所望回数(例えば2〜5回程度)の仕上げ切削加工を行う。
本実施形態では、以上のような導光体端面2cの全領域に対する均一な切り込み量での仕上げ切削加工に続いて、仕上げ切削加工の最終工程として最終仕上げ研削加工を行う。即ち、上記の均一切り込み量での仕上げ切削加工における切り込み量を、端面2cのX方向の加工位置に応じて変化させる。この切り込み量の変化は、制御部20からサーボモータ4aに対して所要のタイミングにて所要の変化速度での正転または逆転を指令することでなされる。
この最終仕上げ研削の際には、刃物台10のX方向の送り移動の速度を、例えば50〜2000mm/secの範囲内の一定速度とすることができる。また、刃物台10のX方向の送り移動の速度を、例えば50〜2000mm/secの範囲内で変化させてもよい。
図5は5段階に亘って切り込み量を変化させる例を示しており、段階1では一定の第1の切り込み量にて最終仕上げ切削加工が行われ、段階2では該第1の切り込み量から第2の切り込み量へと徐々に変化する切り込み量にて最終仕上げ切削加工が行われ、段階3では一定の第2の切り込み量にて最終仕上げ切削加工が行われ、段階4では該第2の切り込み量から第3の切り込み量へと徐々に変化する切り込み量にて最終仕上げ切削加工が行われ、段階5では一定の第3の切り込み量にて最終仕上げ切削加工が行われる。段階1、段階3及び段階5ではサーボモータ4aは停止しており、段階2及び段階4ではサーボモータ4aはそれぞれ一定速度で回転している。これにより、図6に示されるように、上記段階1〜段階5に応じて形成された最終仕上げ面領域2c−1〜2c−5からなる最終仕上げ端面2cが形成される。この最終仕上げ切削加工の際の切り込み量は、例えば3〜50μm程度の範囲内で変化させることができる。
被加工端面の加工性が全体に亘って均一であるとして、最終仕上げ面領域2c−1〜2c−5は、切り込み量が異なることに基づき、表面性状が互いに異なるものになる。特に、その表面粗さは、切り込み量に応じて変化し、切り込み量が大きくなるほど表面粗さが大きくなる。最終仕上げ面2c−1,2c−3,2c−5の表面粗さR(2c−1),R(2c−3),R(2c−5)は、それぞれほぼ一定であり、R(2c−1)<R(2c−3)<R(2c−5)の関係にある。最終仕上げ面2c−2,2c−4の表面粗さR(2c−2),R(2c−4)は、それぞれR(2c−1)からR(2c−3)へ又はR(2c−3)からR(2c−5)へと徐々に変化している。これらの表面粗さは、例えば、10点最大平均粗さRa(測定長2mm)で0.03〜0.3μmの範囲内で変化させることができる。
刃物台10のX方向の送り移動の速度を変化させることによっても、導光体端面の表面性状例えば表面粗さを変化させることができる。送り移動速度が小さい場合には端面の表面粗さが大きくなる傾向にあり、送り移動速度が大きい場合には端面の表面粗さが小さくなる傾向にある。従って、上記のような最終仕上げ切削加工の際に、切り込み量の大きな位置ほど送り移動速度を小さくして切削加工を行うことにより、より一層の表面粗さの差を実現することができる。或いは、送り移動速度を小さくすることで、所望の表面粗さを得るための切り込み量を低減することができる。
以上の実施形態では導光体端面の全体にわたって一時に最終仕上げ切削加工を行っているが、本発明では、一時に端面全体の最終仕上げ切削加工を行わなくともよい。たとえば、端面全体を一様な切り込み量にて切削加工した後に更に大きな切り込み量にて部分的に最終切削加工することが可能であり、部分的に最終切削加工した後に他の部分をより小さな切り込み量で一様に切削加工することも可能である。
このようにして最終仕上げ切削加工された端面2cを持つ導光体2をエッジライト方式のバックライトの導光体として使用した場合には、一次光源から出射され光入射端面2cに入射する光は光入射端面2cにおいてX方向位置に応じて異なる光拡散を受けるので、導光体2内に導かれた光の分布は、全面均一な表面粗さの光入射端面を持つ導光体の場合とは異なるものとなる。従って、上記図5に示すような切り込み量の分布のパターンを適宜設定することで、全面均一な表面粗さの光入射端面を持つ導光体を用いた場合の導光体光出射面における輝度分布の不均一を低減することができる。
また、このようにして最終仕上げ切削加工された端面2cを光入射端面以外の端面として利用することも可能である。その場合には、導光体2内を導光された光が当該端面2cにより反射され或いは当該端面2cを出射して該端面に隣接配置された光反射部材による反射を受けて再入射する。その際の光の反射、出射或いは入射に対する端面2cの作用をX方向位置に応じて変化させるために、切り込み量の分布のパターンを適宜設定する。これにより、上記光入射端面の場合と同様な作用効果を得ることができる。
以上の実施形態では仕上げ切削刃物12及び粗切削刃物14を刃物台10に対し固定した状態で切削加工を行っているが、本発明においては、仕上げ切削刃物12及び粗切削刃物14の少なくとも一方を刃物台10に対し回転させた状態で切削加工を行うことも可能である。図7は、そのような変形例を示す模式的部分平面図である。この変形例では、刃物台10に対してほぼXY面と平行な面内にてY方向に対し僅かな傾きを持つ回転中心の周りで駆動回転せしめられるように支持されたカップ型の焼結多結晶ダイヤモンドカップホイールからなる仕上げ切削刃物12’及び粗切削刃物14’が使用されている。粗切削刃物14’は、図示されるY方向に関し後退した第2の位置と、Y方向に関し前進した第1の位置との間で移動可能である。この変形例は、上記実施形態とは端面2cに対する仕上げ切削刃物12’及び粗切削刃物14の接触形態が異なり、それによる切削加工面性状の相違はあるものの、上記実施形態とほぼ同様な作用効果を発揮する。
本発明により端面仕上げ加工が施される透光性合成樹脂板からなる光学素子は、上記実施形態で説明したようなエッジライト方式のバックライトを構成する導光体以外のものであってもよく、被加工端面が光学的に何らかの機能を発揮する面であればよい。このような光学素子としては、少なくとも1つの端面から光が入射せしめられ、他の少なくとも1つの端面から光が出射せしめられる導光体や、少なくとも一方の主面から光が入射せしめら少なくとも1つの端面から光が出射せしめられる導光体が例示される。
以下、実施例により本発明を更に説明する。
[実施例1]
射出成形及びゲートカットにより得られた横寸法307.5mm、縦寸法232.7mm、厚さ2.2mのアクリル樹脂製の板状導光体2の上記寸法307.5mmの辺に対応する端面である光入射端面2cを、図1〜図6に関し説明した端面仕上げ加工装置を用いて、切削加工した。仕上げ切削刃物12及び粗切削刃物14として、いずれも焼結多結晶ダイヤモンドバイト(ダイヤモンドの平均粒径2μm)を用いた。なお、導光体2は、一方の主面である光出射面2aがマット面とされ、他方の主面2bには光入射端面2cと直交する方向に延びた多数のプリズム列が互いに平行に形成されているものであった(後述の図10参照)。
粗切削加工では、一定の送り速度1600mm/secにて一定の切り込み量25μmで7回の切削を実施した。仕上げ切削加工では、先ず一定の送り速度150mm/secにて一定の切り込み量5μmで3回の切削を実施し、次いで、最終仕上げ研削加工として一定の送り速度150mm/secにて図8に示すような切削深さプロファイルに従って切削を実施した。
加工済みの導光体端面2cの表面粗さを測定長2mm及び測定速度0.03mm/secで測定したところ、10点最大平均粗さRaが、切り込み量5μmの最終仕上げ面領域2c−2では0.08〜0.09μmであったが、切り込み量10〜5μmの最終仕上げ面領域では最大0.12μmであった。
この導光体を用いて、図10に示すようなエッジライト方式のバックライトを作製した。すなわち、導光体端面2cに対向するようにリフレクタ102付きの線状一次光源101を配置し、導光体主面2bに対向するように光反射シート105を配置し、導光体光出射面2a上にプリズムシート104を配置した。プリズムシート104の導光体光出射面2aと対向する下面(入光面)104aには、一次光源101と平行にX方向に延びた多数のプリズム列が互いに平行に形成されていた。
比較のために、最終仕上げ面領域2c−1についても最終仕上げ面領域2c−2と同様な一定の切り込み量5μmで最終仕上げ切削加工したこと以外は同様にして導光体を作製し、これを用いて同様にして比較例バックライトを作製した。
双方のバックライトにつき、一次光源101を点灯して、プリズムシート104の上面(出光面)104bを観察したところ、比較例バックライトでは一次光源端部に対応する領域に低輝度の暗い領域が目だったが、本発明実施例のバックライトでは最終仕上げ面領域2c−1の近傍の低輝度領域は小さくなり大幅な改善がなされ、導光体隅部の光学性能は著しく向上した。
[実施例2]
最終仕上げ研削加工の切削深さプロファイルを図9に示すようにしたこと以外は実施例1と同様にして切削加工を実施した。尚、導光体2は、射出成形の際のゲートに対応する部分が光入射端面2cのX方向中央部であった。
加工済みの導光体端面2cの表面粗さを測定長2mm及び測定速度0.03mm/secで測定したところ、全最終仕上げ面領域2c−1〜2c−5で、10点最大平均粗さRaが0.08〜0.09μmであった。この導光体を用いて、実施例1と同様にしてバックライトを作製した。
比較のために、最終仕上げ面領域2c−2〜2c−4についても最終仕上げ面領域2c−1,2c−5と同様な一定の切り込み量5μmで最終仕上げ切削加工したこと以外は同様にして導光体を作製した。導光体端面2cの表面粗さを測定長2mm及び測定速度0.03mm/secで測定したところ、ゲート対応部分である最終仕上げ面領域2c−3で、10点最大平均粗さRaが0.06μmであった。この導光体を用いて、同様にして比較例バックライトを作製した。
双方のバックライトにつき、一次光源101を点灯して、プリズムシート104の上面(出光面)104bを観察したところ、比較例バックライトでは導光体のゲート対応部分に対応する領域に低輝度の暗い領域が目だったが、本発明実施例のバックライトでは導光体のゲート対応部分及びその近傍に対応する最終仕上げ面領域2c−2〜2c−4の近傍の低輝度領域は殆ど目立たず大幅な改善がなされ、導光体の光入射端面中央部近傍領域の光学性能は著しく向上した。
本発明は、たとえば液晶表示装置のバックライトを構成する板状導光体の端面仕上げ加工に適用される。
2 透光性合成樹脂板からなる板状の導光体
2a 導光体主面(光出射面)
2b 導光体主面
2c 導光体端面(光入射端面)
2c−1〜2c−5 最終仕上げ面領域
2d,2e,2f 導光体端面
4 バックプレート
4a サーボモータ
4b ベルト
4c ネジ軸
6 ガイドレール
8 刃物台支持部
8a 雌ネジ部材
8b サーボモータ
8c ボールネジ軸
10 刃物台
10a 係合部材
10b 刃物支持位置切り替え手段
12,12’ 仕上げ切削刃物
14,14’ 粗切削刃物
20 制御部
2a 導光体主面(光出射面)
2b 導光体主面
2c 導光体端面(光入射端面)
2c−1〜2c−5 最終仕上げ面領域
2d,2e,2f 導光体端面
4 バックプレート
4a サーボモータ
4b ベルト
4c ネジ軸
6 ガイドレール
8 刃物台支持部
8a 雌ネジ部材
8b サーボモータ
8c ボールネジ軸
10 刃物台
10a 係合部材
10b 刃物支持位置切り替え手段
12,12’ 仕上げ切削刃物
14,14’ 粗切削刃物
20 制御部
Claims (15)
- 2つの主面とこれら主面の外周縁に隣接する端面とを有する透光性合成樹脂板からなり前記端面を機能面として利用する光学素子の前記端面の仕上げ加工方法であって、
前記端面及び前記主面の双方に沿う方向に刃物台の送り移動を行うことで、前記刃物台に支持された切削刃物により前記端面の切削加工を行い、その際に前記切削刃物による前記端面の切削加工の切り込み量を前記端面の加工位置に応じて変化させることを特徴とする、透光性合成樹脂板からなる光学素子の端面仕上げ加工方法。 - 前記切り込み量を前記端面の加工位置に応じて変化させることで、前記端面の表面性状を前記端面の加工位置に応じて変化させることを特徴とする、請求項1に記載の透光性合成樹脂板からなる光学素子の端面仕上げ加工方法。
- 前記端面の加工位置に応じて変化させられる前記表面性状は表面粗さを含むことを特徴とする、請求項2に記載の透光性合成樹脂板からなる光学素子の端面仕上げ加工方法。
- 前記切削刃物を前記刃物台に対し固定した状態で前記端面の切削加工を行うことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の透光性合成樹脂板からなる光学素子の端面仕上げ加工方法。
- 前記切削刃物としてダイヤモンドバイトを使用し、前記切り込み量を前記端面の加工位置に応じて3〜50μmの範囲内で変化させることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の透光性合成樹脂板からなる光学素子の端面仕上げ加工方法。
- 前記ダイヤモンドバイトは、平均粒径が0.5〜15μmの範囲内で該平均粒径値に対してその±50%の範囲内の粒径のダイヤモンド粒子をバインダーと共に焼結して得られたものであることを特徴とする、請求項5に記載の透光性合成樹脂板からなる光学素子の端面仕上げ加工方法。
- 前記切り込み量を前記端面の加工位置に応じて変化させることで、前記端面の表面粗さを前記端面の加工位置に応じて10点最大平均粗さRaで0.03〜0.3μmの範囲内で変化させることを特徴とする、請求項5〜6のいずれかに記載の透光性合成樹脂板からなる光学素子の端面仕上げ加工方法。
- 前記刃物台の送り移動を一定速度で行うことを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の透光性合成樹脂板からなる光学素子の端面仕上げ加工方法。
- 前記刃物台の送り移動を前記端面の加工位置に応じて変化させることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の透光性合成樹脂板からなる光学素子の端面仕上げ加工方法。
- 前記刃物台の送り移動の速度を50〜2000mm/secの範囲内とすることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の透光性合成樹脂板からなる光学素子の端面仕上げ加工方法。
- 2つの主面とこれら主面の外周縁に隣接する端面とを有する透光性合成樹脂板からなり前記端面を機能面として利用する光学素子の前記端面の仕上げ加工装置であって、
保持手段により保持される前記合成樹脂板の端面の切削加工のための切削刃物を支持する刃物台と、
該刃物台を前記合成樹脂板の端面及び主面の双方に沿う方向に送り移動させる送り移動機構と、
前記刃物台を前記送り移動の方向と直交する方向に移動させる切り込み移動機構と、
前記送り移動機構と前記切り込み移動機構とを、前記切削刃物による前記端面の切削加工の切り込み量が前記端面の加工位置に応じて変化するように、制御する制御部と
を備えることを特徴とする、透光性合成樹脂板からなる光学素子の端面仕上げ加工装置。 - 前記切削刃物は前記刃物台に対し固定されることを特徴とする、請求項11に記載の透光性合成樹脂板からなる光学素子の端面仕上げ加工装置。
- 前記刃物台には前記切削刃物とそれによる切削加工に先立って行われる粗切削加工のための粗切削刃物とが支持されており、前記刃物台は前記切削刃物及び前記粗切削刃物のうちの一方を他方より前記切り込み移動の移動方向に関して前進した第1の位置及び後退した第2の位置にて切り替えて支持する刃物支持位置切り替え手段を有しており、前記制御部は前記刃物支持位置切り替え手段を制御することを特徴とする、請求項11〜12のいずれかに記載の透光性合成樹脂板からなる光学素子の端面仕上げ加工装置。
- 前記切削刃物は、ダイヤモンドバイトからなり、平均粒径が0.5〜15μmの範囲内で該平均粒径値に対してその±50%の範囲内の粒径のダイヤモンド粒子をバインダーと共に焼結して得られたものであることを特徴とする、請求項11〜13のいずれかに記載の透光性合成樹脂板からなる光学素子の端面仕上げ加工装置。
- 前記送り移動機構は、前記刃物台の移動をガイドする互いに平行な2つのガイドレールを備えていることを特徴とする、請求項11〜14のいずれかに記載の透光性合成樹脂板からなる光学素子の端面仕上げ加工装置。
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