JP2005021919A - 耐摩耗性耐欠損性セラミックスを用いた成形用型及びそれを用いる加工方法 - Google Patents
耐摩耗性耐欠損性セラミックスを用いた成形用型及びそれを用いる加工方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】リードフレームやモーターコアなどの微細加工用に使用できかつ耐久性が改良される、耐摩耗性耐欠損性セラミックスを用いた成形用型を提供すること。
【解決手段】TiB2又はTi1−xMexB2(ここでMeはV, Nb, Ta, Cr及びMoのうち少なくとも1種であり、0.02≦x≦0.50)の組成を有するチタンホウ化物又は金属ホウ化物固溶体に0.01〜0.20μmの炭化珪素焼結体破砕粉0.1〜5.0質量%を含有してなる焼結体、又は、Ti−Zr−B固溶体粒子及び/又はTi−Hf−B固溶体粒子を分散した炭化珪素質焼結体から、摺動面又は駆動部などの成形用型の少なくとも一部が形成されている成形用型。
【選択図】 なし
【解決手段】TiB2又はTi1−xMexB2(ここでMeはV, Nb, Ta, Cr及びMoのうち少なくとも1種であり、0.02≦x≦0.50)の組成を有するチタンホウ化物又は金属ホウ化物固溶体に0.01〜0.20μmの炭化珪素焼結体破砕粉0.1〜5.0質量%を含有してなる焼結体、又は、Ti−Zr−B固溶体粒子及び/又はTi−Hf−B固溶体粒子を分散した炭化珪素質焼結体から、摺動面又は駆動部などの成形用型の少なくとも一部が形成されている成形用型。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐摩耗性耐欠損性セラミックスを用いた成形用型及びそれを用いた加工方法に係り、打ち抜きや切断などの剪断加工、曲げ、深絞りや平押しなどの塑性加工、微細形状品のプレス加工、特に、微細加工用成形型、具体的にはリードフレームやモーターコアなどの成形に使用することができる耐摩耗性耐欠損性セラミックスを用いた成形用型及びそれを用いた加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
微細加工用成形型、具体的にはリードフレームやモーターコアなどの成形に使用する金型は、ストローク回数が600回/分以上という高速で用いられており、最近ではさらに1200回/分以上という超高速性が求められるにいたっていることから高い剛性もあり、また微細加工が要求されるため、高硬度で耐磨耗性に優れるものが求められ、高硬度炭素鋼製金型に代えて超硬材料、具体的には炭化タングステン基超硬合金製の金型が提案されている(特許文献1など)。
【0003】
しかし、例えばWC−Coなどの炭化タングステン基超硬合金は炭化タングステン粒をコバルトやニッケルで結合した内部組織を有するものであるため、結合剤であるコバルトやニッケルが相対的に低硬度であり、かじりを受け易く割れも発生し易いので、金型としては求められる硬度を有していない。
【0004】
また、炭化珪素質焼結体に硬質かつ耐酸化性の高いTi−Zr−B固溶体粒子やTi−Hf−B固溶体粒子を分散して耐磨耗性及び耐欠損性を向上させた粒子分散炭化珪素質焼結体及びそれで作製した熱間線材圧延ガイドローラーその他が提案されている(特許文献2〜7など)。
【0005】
しかし、これらは熱間線材圧延ガイドローラーなどの用途に関する開示であり、本発明の成形用型を開示するものではない。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−241138号公報
【特許文献2】
特開平9−278523号公報
【特許文献3】
特開2000−351671号公報
【特許文献4】
特開2001−322873号公報
【特許文献5】
特開2001−280514号公報
【特許文献6】
特開2002−211981号公報
【特許文献7】
特開2003−10914号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記の如き現状に鑑み、リードフレームやモーターコアなどの微細加工用に使用できかつ耐久性が改良される、耐摩耗性耐欠損性セラミックスを用いた成形用型を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために下記を提供する。
【0009】
(1)TiB2又はTi1−xMexB2(ここでMeはV, Nb, Ta, Cr及びMoのうち少なくとも1種であり、0.02≦x≦0.50)の組成を有するチタンホウ化物又は金属ホウ化物固溶体に0.01〜0.20μmの炭化珪素焼結体破砕粉0.1〜5.0質量%を含有してなる焼結体から摺動面又は駆動部などの成形用型の少なくとも一部が形成されていることを特徴とするホウ化チタン系焼結体を用いた成形用型。
【0010】
(2)前記ホウ化チタン系セラミックスが95%以上の理論密度で、2.4x104MPa以上のビッカース硬度、5MPam1/2以上の破壊靭性値を有する上記(1)に記載のホウ化チタン系焼結体を用いた成形用型。
【0011】
(3)Ti−Zr−B固溶体粒子及び/又はTi−Hf−B固溶体粒子を分散した炭化珪素質焼結体から摺動面又は駆動部などの成形用型の少なくとも一部が形成されていることを特徴とする粒子分散型炭化珪素質焼結体を用いた成形用型。
【0012】
(4)Ti−Zr−B固溶体粒子の組成がTi1−xZrxB2(0.02≦x≦0.25)であり、Ti−Hf−B固溶体粒子の組成がTi1−xHfxB2(0.02≦x≦0.25)である上記(3)に記載の粒子分散型炭化珪素質焼結体を用いた成形用型。
【0013】
(5)固溶体粒子の平均粒径が1〜10μmの範囲である上記(3)(4)に記載の粒子分散型炭化珪素質焼結体を用いた成形用型。
【0014】
(6)前記炭化珪素質焼結体中の固溶体粒子の体積分率が20〜70%の範囲である上記(3)〜(5)のいずれか1項に記載の粒子分散型炭化珪素質焼結体を用いた成形用型。
【0015】
(7)前記炭化珪素質焼結体の相対密度が95%以上である上記(3)〜(6)のいずれか1項に記載の粒子分散型炭化珪素質焼結体を用いた成形用型。
【0016】
(8)リードフレームの成形用型である上記(3)〜(7)のいずれか1項に記載の成形用型。
【0017】
(9)モーターコアの成形用型である上記(3)〜(7)のいずれか1項に記載の成形用型。
【0018】
(10)上記(1)〜(7)のいずれか1項に記載の成形用型を用いてリードフレームのプレス成形加工を行うことを特徴とするリードフレームの成形加工方法。
【0019】
(11)上記(1)〜(7)のいずれか1項に記載の成形用型を用いてモーターコアのプレス成形加工を行うことを特徴とするモーターコアの成形加工方法。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の耐摩耗性耐欠損性セラミックスを用いた成形用型は、TiB2又はTi1−xMexB2(ここでMeはV, Nb, Ta, Cr及びMoのうち少なくとも1種であり、0.02≦x≦0.50)の組成を有するチタンホウ化物又は金属ホウ化物固溶体に0.01〜0.20μmの炭化珪素焼結体破砕粉0.1〜5.0質量%を含有してなる焼結体から作製する。
【0021】
TiB2の組成を有するチタンホウ化物は、セラミックスとして高硬度かつ導電性を有しており、耐磨耗性に優れるほか、放電加工による微細加工が可能であるので、リードフレームなどの微細加工用成形型を作製できる。さらにTiB2に0.01〜0.20μmの炭化珪素焼結体破砕粉0.1〜5.0質量%を含有してなる焼結体を用いて成形用型を作製しプラスチックや鋼板の成形実験をし、かじりやチッピングが少なく耐欠損性に優れており、十分に成形用型として用い得るものであることが確認された。従来、セラミックスはかじりやチッピングなど欠損し易いため、たとえ高硬度で耐磨耗性に優れていても成形用型材料として好適な材料は見出されていなかったが、TiB2に炭化珪素焼結体破砕粉を含有してなる焼結体はリードフレームなどの微細加工用成形型として実用しても、耐摩耗性及び耐欠損性、さらに高速加工性のいずれの特性も備えていることが見出された。
【0022】
さらに、上記TiB2に代えて、Ti1−xMexB2(ここでMeはV, Nb, Ta, Cr及びMoのうち少なくとも1種であり、0.02≦x≦0.50)の組成を有する金属ホウ化物固溶体に0.01〜0.20μmの炭化珪素焼結体破砕粉0.1〜5.0質量%を含有してなる焼結体では、上記TiB2に基づく焼結体と比べても耐欠損性が同等以上に優れていることも見出された。
【0023】
TiB2は、高硬度かつ高靭性のセラミックス材料であり、しかも導電性を有するので、微細加工用の成形用型材料としての適性を有している。
【0024】
Ti1−xMexB2は、TiB2に金属Meのホウ化物を固溶させた固溶体であり、TiB2単体に比べて硬度や破壊靭性値が上昇する。しかしTi1−xMexB2において、xが0.02未満ではTiB2への固溶効果が乏しくなり、十分な高硬度化が図れないおそれがあり、また0.50を越えると、分散している炭化珪素粉との熱膨張係数がかけ離れてしまうため、焼結時に緻密化し難くなり、相対密度の低い焼結体となり易く、また破壊靭性も低下するおそれが高くなる。
【0025】
Ti1−xMexB2は、予め製造しておいた粉末又はバルクを焼結体製造直前に粉砕して使用してもよいが、成形用型の焼結体製造時にTiB2粉末とMeホウ化物粉末及び/又はMe炭化物粉末を出発材料とし、これらを炭化珪素破砕粉と混合し、TiB2単体の焼結の場合と同様に焼結すれば、得られる焼結体中ではTi1−xMexB2金属ホウ化物固溶体として存在することができる。例えば、TiB2にVB2,BC,NbB2,NbCなどのMeホウ化物及び/又はMe炭化物を所定量を混合し、焼結時の反応により複合ホウ化物を形成してもよい。この製法については詳しく後述する。
【0026】
本発明の焼結体は、TiB2又はTi1−xMexB2の組成を有するチタンホウ化物又は金属ホウ化物固溶体に炭化珪素焼結体からなるポット、ボールからの破砕粉を含有する。炭化珪素の微細な破砕粉は硬質かつ耐酸化性のある高融点化合物であり、焼結後にホウ化チタン又は金属ホウ化物固溶体焼結体中に分散粒子として残留し、粗大粒子の生成を抑制し焼結体全体の硬度や破壊靭性値を向上させる作用をする。ホウ化チタン又は金属ホウ化物固溶体と炭化珪素との熱膨張率差やヤング率の相違などにより、非常に微細な状態で分散した炭化珪素の近傍に残留応力が発生し、焼結体の破壊に際して破壊エネルギーを分散させる作用を有し、靭性を著しく増大させ、かつ耐摩耗性も向上させる作用もある。靭性の増大は耐欠損性の向上に効果がある。
【0027】
炭化珪素破砕粉は、平均粒径が0.01〜0.2μm程度の微細な粒子であることが好ましい。平均粒径が0.01μm未満では強度特性に顕著な効果が得難く、また0.2μmを越えるとセラミックス母相中で比較的大きな欠陥を形成し易く逆効果に繋がることがある。またその含有量は0.1〜5.0質量%の範囲内、好ましくは2〜4質量%の範囲内である。含有量が0.1質量%未満では、母相結晶粒の成長抑制効果が乏しく、また5.0質量%を越えると母相の柱状成長並びに結晶相の交差により高靭性化を阻害する。
【0028】
さらに、炭化珪素破砕粉はチタンホウ化物又は金属ホウ化物固溶体粉末又は金属炭化物の原料粉末の粉砕又は整粒工程でミリングの容器及び媒体としての炭化珪素から混入する破砕粉であることが望ましい。ホウ化チタン又は金属ホウ化物固溶体粉末又は金属炭化化物の原料粉末は平均粒径2μm以下に微細化されると酸化されて焼結性や焼結体の物性を低下させるので、成形及び焼結直前に粉砕及び整粒することが望ましいこと、コスト及び均一分散のために望ましいからである。
【0029】
本発明のチタンホウ化物又は金属ホウ化物固溶体に炭化珪素破砕粉を含有する焼結体の製造は、チタンホウ化物又は金属ホウ化物又は金属炭化物の原料粉末の粒子に、炭化珪素破砕粉と焼結助剤、特に炭化ホウ素やカーボンを混合して、成形後、焼結すればよい。
【0030】
焼結原料としてのチタンホウ化物又は金属ホウ化物粉末又は金属炭化物の原料粉末は平均粒径が1〜10μm、より好ましくは3〜5μmであることが好ましい。平均粒径が1μm未満では靭性が増大する効果が得られ難く、また10μmを越えると硬さや靭性の低下を招く。チタンホウ化物又は金属ホウ化物又は金属炭化物の原料粉末の粉末は、粉砕に要する費用が高額で、かつ平均2μm以下の微粉末では表面酸化層の影響が大きく、焼結性や焼結体の物性を著しく低下させるため、成形及び焼結工程の直前に粉砕及び整粒工程が必要である。上記のごとく、この粉砕及び整粒工程の際にミリング媒体及び容器からの破砕粉として炭化珪素破砕粉をチタンホウ化物又は金属ホウ化物又は金属炭化物の原料粉末と混合させることが、チタンホウ化物又は金属ホウ化物又は金属炭化化物の原料粉末の粉末の表面酸化防止及び均一分散並びに低コストのために望ましい。
【0031】
このようにして得られるホウ化チタン系焼結体は、95%以上の理論密度、2.4x104MPa以上のビッカース硬度、5MPam1/2以上の破壊靭性値を有することができる。より好適には、98%以上の理論密度、3.0x104MPa以上のビッカース硬度、6MPam1/2以上の破壊靭性値を有することができる。また、このホウ化チタン系焼結体は、5.0x10−4Ωcm以下、さらには1.0x10−4Ωcm以下、特に5.0x10−5Ωcm以下の低い体積抵抗率を有することができる。
【0032】
本発明は、もう1つの態様において、成形用型は、Ti−Zr−B固溶体粒子及び/又はTi−Hf−B固溶体粒子を分散した炭化珪素質焼結体からなる粒子分散型炭化珪素質焼結体を用いて製造する。
【0033】
耐摩耗性と耐欠損性を同時に改善し本課題を達成するためには、高硬度化、高靭性化、高剛性が必要不可欠である。これらの特性を同時に向上させる方法としては、充分緻密な焼結体において、硬質かつ剛性の高い粒子を分散させることが効果的であり、特に、硬質かつ剛性の高いTi−Zr−B固溶体粒子及び/又はTi−Hf−B固溶体粒子を炭化珪素中に分散させることにより、従来のモノリシック炭化珪素製ガイドローラーに比べて、耐摩耗性を高めつつ、さらに、チッピング、割れ等の耐欠損性を著しく向上させる作用を付与することが可能である。
【0034】
Ti−Zr−B固溶体及び/又はTi−Hf−B固溶体粒子は、hcp 構造をもつ硬質かつ耐酸化性のある高融点化合物であり、焼結後に炭化珪素焼結体中に分散粒子として残留し、焼結体全体の硬度を向上させる作用をもつ。そして、炭化珪素相−固溶体相の熱膨張係数差やヤング率の相異等により分散粒子近傍に残留応力を発生させ、破壊の際の破壊エネルギーを向上させる作用を持ち、靭性を著しく向上させつつ剛性を向上させる作用を持つ。
【0035】
Ti−Zr−B固溶体及び/又はTi−Hf−B固溶体粒子は、Ti1−x Zrx B2、Ti1−x Hfx B2で表すことができ、xの値の範囲としては0.02〜0.25であり、より好ましくは0.02〜0.10である。TiB2にZrB2又はHfB2を所定量固溶させると、TiB2又はHfB2単身の場合に比べて硬さを著しく向上させることができるが、xが0.02より少ない場合、Zr又はHfの固溶効果が乏しく十分な高硬度化が図れず、また、0.25を超えるとマトリックスである炭化珪素との熱膨張係数がかけ離れてしまい、複合材料を焼結する際に、理論密度比95%以上の相対密度が得られ難く、破壊靭性値も低下するため好適ではない。
【0036】
本発明の焼結体では、Ti1−x Zrx B2固溶体及び/又はTi1−x Hfx B2固溶体を20〜70体積%含むことが好ましいが、70体積%より多く添加すると粒子分散させることによる残留応力が過大になり靭性値が大きく低下し、耐欠損性が低下する。また、20体積%より少ないと、硬さ、靭性、剛性の向上に充分な寄与が認められない。より好ましくは40〜60体積%である。
【0037】
分散させるTi1−x Zrx B2固溶体相及び/又はTi1−x Hfx B2固溶体相の粒子径としては、平均結晶粒径の範囲が、1〜10μmであることが好ましく、より好ましくは3〜5μmが適している。1μmより小さいと、靭性への寄与が得られ難く、また、10μmより大きいと、硬さ、剛性の低下を招く。さらに、本発明では、焼結体の相対密度を95%以上とするが、95%未満では、Ti1−x Zrx B2固溶体粒子及び/又はTi1−x Hfx B2固溶体の分散による焼結体中への残留応力の付与が不十分となるため好ましくない。
【0038】
また、セラミック原料としては、TiB2に、ZrB2とZrC の少なくとも1種又はHfB2とHfC の少なくとも1種を所定量添加すれば良く、炭化珪素焼結時に、硼化物でも炭化物でも、最終固溶体として、Ti1−x Zrx B2固溶体及び/又はTi1−x Hfx B2固溶体が得られれば構わない。炭化珪素(SiC )は共有結合性の強い物質であり、単味では焼結が困難であるため、緻密化に際しては種々の添加物を加えても構わない。焼結助剤としては炭化硼素、金属硼素、炭素(カーボンブラック等)、有機質炭素源、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、希土類酸化物、等を用いることができる。
【0039】
焼結方法としては、無加圧焼結法、ガス圧焼結法、熱間静水圧プレス焼結法、ホットプレス法の何れの方法も用いることが可能であり、更に、一種もしくは複数の焼結法を組み合わせることも可能である。無加圧焼結は、真空中または不活性ガス流通中にて行うと、緻密な焼結体が得られ易い。複雑形状であるガイドローラーにおいて、高密度を達成するためには、無加圧焼結後、さらにArガス等の不活性雰囲気中にて熱間静水圧プレス焼結を行うことが好ましい。
【0040】
焼結時の最高温度の範囲としては、1950〜2200℃であることが好ましく、最高温度での保持時間は、4時間以上であることが望ましい。1950℃未満では充分高い密度が得られず、固溶体相粒子近傍に高い残留応力を発生させることが困難で、高い靭性が得られない。また、2200℃より高い温度では、SiC が昇華・分解するため好ましくない。
【0041】
焼結時の保持時間としては、原料として用いたTiB2粉末とZrB2又はZrC粉末又はHfB2又はHfC粉末が反応し安定なTi1−x Zrx B2固溶体相又はTix Hf1−x B2固溶体相を生成するために、上記焼結温度の範囲にて、4時間以上の保持が必要である。また、このようにして得られる粒子分散型炭化珪素質焼結体は、95%以上の理論密度、2.4x104MPa以上のビッカース硬度、5MPam1/2以上の破壊靭性値を有することができる。より好適には、99%以上の理論密度、3.0x104MPa以上のビッカース硬度、6MPam1/2以上の破壊靭性値を有することができる。また、この粒子分散型炭化珪素質焼結体は、5.0x10−4Ωcm以下、さらには1.0x10−4Ωcm以下の低い体積抵抗率を有することができる。
【0042】
このようにして製造されるホウ化チタン系焼結体又は粒子分散型炭化珪素質焼結体は、高硬度、高破壊靭性値及び低抵抗値を有し、これを成形用型に用いた場合、高硬度即ち耐磨耗性に優れながら、従来のセラミックスと比べて顕著に耐欠損性に優れるので、かじり、チッピング、汚れがない特徴を有し、高剛性をも併せ持っており、十分に実用性に富むセラミックス材料であることが確認された。しかも、導電性があるので放電加工をすることができることも確認されており、リードフレームやモーターコアなどの微細加工用成形型として利用する上で有利である。
【0043】
本発明のホウ化チタン系焼結体又は粒子分散型炭化珪素質焼結体を用いた成形用型は、特にプレス加工用の成形用型、特にパンチとダイに好適に用いることができる。図1に代表例として穴抜き加工に用いる上型1および下型2の例を示す。本発明のホウ化チタン系焼結体又は粒子分散型炭化珪素質焼結体は特にパンチ11及び/又はダイ21の部分に好適に用いることができる。例えば、図2に示すように、ダイ21の上に被加工物3を載置し、上型のポンチ11をプレスすることで、被加工物3に穴あけ加工を施す。31は被加工物3から穴あけされて生じたスクラップである。本発明のホウ化チタン系焼結体又は粒子分散型炭化珪素質焼結体を用いた成形用型は、高速繰返し加工をしても摩耗、かじりなどが少ない特徴がある。
【0044】
【実施例】
(実施例1〜10)
炭化珪素(SiC)粉末 (平均粒径0.7μm)
2ホウ化チタン(TiB2 )粉末 (平均粒径4.5μm)
2ホウ化バナジウム(VB2 )粉末 (平均粒径6.5μm)
2ホウ化ニオブ(NbB2 )粉末 (平均粒径5.8μm)
2ホウ化タンタル(TaB2 )粉末 (平均粒径5.9μm)
2ホウ化クロム(CrB2 )粉末 (平均粒径6.5μm)
2ホウ化モリブデン(MoB2 )粉末 (平均粒径3.8μm)
炭化ニオブ(NbC)粉末 (平均粒径5.2μm)
炭化バナジウム(VC)粉末 (平均粒径5.6μm)
炭化タンタル(TaC)粉末 (平均粒径4.7μm)
炭化ホウ素(B4 C)粉末 (平均粒径0.5μm)
を第1表に示す所定量(質量%)添加し、分散媒としてアセトン又はエタノールを用い、炭化珪素セラミックスを内貼りしたボールミル用ポット・蓋にφ10mmの炭化珪素セラミックスボールを混合メディアとして用い、48時間混練した。アセトン又はエタノールの添加量は、投入したセラミックス粉末100gに対し60gの割合とした。
【0045】
次いで得られた混合粉末を成形後、焼結した。成形条件としては冷間静水圧による加圧140MPa とし、□120mm×厚さ20mmの平方板およびφ3mm×長さ60mmの円柱を成形した。これを素地加工し、□100mm×厚さ15mm、φ2mm×長さ50mmの2種の成形体を得た。
【0046】
焼結条件としては、3.0×10−2Pa中にて、第2表中に示す温度で8時間保持の真空焼結を行った。必要に応じ、その後の二次焼結として同じく第2表中に示す温度、圧力のArガス雰囲気中にて3時間保持の熱間静水圧加圧(HIP)処理を行った。
【0047】
得られたセラミック材料は10−4Ω・cmオーダーの十分な導電性を有し、ワイヤーカット等の放電加工が可能であり、幅狭のスリットや細穴の加工も容易に行なうことができるものであった。
【0048】
物性評価用に同条件にて製造した焼結体(50mm×50mm×厚さ10mm)の平板からJIS試験片を研削加工し、機械的性質、構成結晶相ならびに混合時の混入物量をそれぞれ測定した。
【0049】
硬さは押込荷重98Nにてビッカース硬さとして測定した。
【0050】
破壊靭性についてはJIS R1607のSEPB法により室温にて破壊靭性値KICを測定した。
【0051】
熱膨張率は室温〜100℃までの平均熱膨張率を測定した。
【0052】
焼結体密度は、アルキメデス法により相対密度として測定した。
【0053】
また、X線回折法を用いて、混合前の原料粉末段階での各粉末のX線回折ピークをそれぞれ測定し、混合・成形し、焼結後の焼結体のX線回折ピークと照合したところ、TiB2 中にV,Nb,Ta,Cr,Moがそれぞれ固溶し、結晶格子のずれが生じていることを確認した。
【0054】
さらに、破砕混入した炭化珪素(SiC)についても、X線回折で同定され、混入量についてはボールミルとφ10mm炭化珪素ボールの摩耗量から求められ、本実施例ではいずれも原料投入量に対し、2〜4質量部の混入量であった。得られた各焼結体の諸特性を焼結体密度と共に第2表に示す。
【0055】
(比較例11〜15)
比較例11〜15は、それぞれ高Ni系グレン鋳鉄の場合(比較例11)、高Ni系グレン鋳鉄にφ3〜5mmの分布を有する超硬(WC−6%Co)粒子を鋳ぐるんだ場合(比較例12)、通常のサイアロンセラミックスを用いた場合(比較例13)の各比較例である。比較例14は一般市販のボロン−カーボン系炭化珪素セラミックス単体(純度97質量%)、比較例15は一般市販の2ホウ化チタンセラミックス単体(純度92質量%)の焼結体である。これらを併せて第1表および第2表の比較例の欄に示す。
【0056】
打ち抜き時の耐摩耗性・耐欠損性を評価するため、実施例及び比較例ごとに各セラミック材料で丸型パンチ及び丸穴ダイスを研削加工及び放電加工で作成した。
【0057】
上記の型を用い、厚さ0.3mmのCu・Ni系合金シートに直径0.050mmの多数の丸穴をパンチングした。直径0.050mmの丸型パンチと丸穴雌型のクリアランスは0.005mmであった。プレス速度は800stroke/min.(SPM)であり、加工数は500万個とした。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
第2表に見られるように、本発明材を型材とした場合には、いずれも、かじりが発生せず、汚染もされなかった。
【0061】
これに対して、比較例の材料を型材とした場合には、型材の摩耗量が実施例より明らかに多く、また、かじり及び汚染が発生したほか、型が破損するものもあった。
【0062】
【発明の効果】
本発明によれば、高硬度であり耐磨耗性に優れたセラミックスを用いた成形用型であり、かつ耐欠損性にも優れており、また放電加工も可能であるため、従来の超硬合金基焼結体、さらにはSiC質焼結体から成る成形用型と比べて、耐磨耗性が大幅に改良された成形用型が提供される。従来、セラミックス材料では硬度には優れていても、耐欠損性が劣るため成形用型に実用できなかった。本発明の形成用型は、リードフレームやモーターコアなどの微細加工を要する部材を600〜1200ストローク/分あるいはそれ以上の高速で加工する成形用型にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の成形用型の1例を模式的に示す。
【図2】本発明の成形用型を用いてリードフレームなどの被加工物を成形する様子を模式的に示す。
【符号の説明】
1…上型
2…下型
3…被加工物
11…パンチ
21…ダイ
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐摩耗性耐欠損性セラミックスを用いた成形用型及びそれを用いた加工方法に係り、打ち抜きや切断などの剪断加工、曲げ、深絞りや平押しなどの塑性加工、微細形状品のプレス加工、特に、微細加工用成形型、具体的にはリードフレームやモーターコアなどの成形に使用することができる耐摩耗性耐欠損性セラミックスを用いた成形用型及びそれを用いた加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
微細加工用成形型、具体的にはリードフレームやモーターコアなどの成形に使用する金型は、ストローク回数が600回/分以上という高速で用いられており、最近ではさらに1200回/分以上という超高速性が求められるにいたっていることから高い剛性もあり、また微細加工が要求されるため、高硬度で耐磨耗性に優れるものが求められ、高硬度炭素鋼製金型に代えて超硬材料、具体的には炭化タングステン基超硬合金製の金型が提案されている(特許文献1など)。
【0003】
しかし、例えばWC−Coなどの炭化タングステン基超硬合金は炭化タングステン粒をコバルトやニッケルで結合した内部組織を有するものであるため、結合剤であるコバルトやニッケルが相対的に低硬度であり、かじりを受け易く割れも発生し易いので、金型としては求められる硬度を有していない。
【0004】
また、炭化珪素質焼結体に硬質かつ耐酸化性の高いTi−Zr−B固溶体粒子やTi−Hf−B固溶体粒子を分散して耐磨耗性及び耐欠損性を向上させた粒子分散炭化珪素質焼結体及びそれで作製した熱間線材圧延ガイドローラーその他が提案されている(特許文献2〜7など)。
【0005】
しかし、これらは熱間線材圧延ガイドローラーなどの用途に関する開示であり、本発明の成形用型を開示するものではない。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−241138号公報
【特許文献2】
特開平9−278523号公報
【特許文献3】
特開2000−351671号公報
【特許文献4】
特開2001−322873号公報
【特許文献5】
特開2001−280514号公報
【特許文献6】
特開2002−211981号公報
【特許文献7】
特開2003−10914号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記の如き現状に鑑み、リードフレームやモーターコアなどの微細加工用に使用できかつ耐久性が改良される、耐摩耗性耐欠損性セラミックスを用いた成形用型を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために下記を提供する。
【0009】
(1)TiB2又はTi1−xMexB2(ここでMeはV, Nb, Ta, Cr及びMoのうち少なくとも1種であり、0.02≦x≦0.50)の組成を有するチタンホウ化物又は金属ホウ化物固溶体に0.01〜0.20μmの炭化珪素焼結体破砕粉0.1〜5.0質量%を含有してなる焼結体から摺動面又は駆動部などの成形用型の少なくとも一部が形成されていることを特徴とするホウ化チタン系焼結体を用いた成形用型。
【0010】
(2)前記ホウ化チタン系セラミックスが95%以上の理論密度で、2.4x104MPa以上のビッカース硬度、5MPam1/2以上の破壊靭性値を有する上記(1)に記載のホウ化チタン系焼結体を用いた成形用型。
【0011】
(3)Ti−Zr−B固溶体粒子及び/又はTi−Hf−B固溶体粒子を分散した炭化珪素質焼結体から摺動面又は駆動部などの成形用型の少なくとも一部が形成されていることを特徴とする粒子分散型炭化珪素質焼結体を用いた成形用型。
【0012】
(4)Ti−Zr−B固溶体粒子の組成がTi1−xZrxB2(0.02≦x≦0.25)であり、Ti−Hf−B固溶体粒子の組成がTi1−xHfxB2(0.02≦x≦0.25)である上記(3)に記載の粒子分散型炭化珪素質焼結体を用いた成形用型。
【0013】
(5)固溶体粒子の平均粒径が1〜10μmの範囲である上記(3)(4)に記載の粒子分散型炭化珪素質焼結体を用いた成形用型。
【0014】
(6)前記炭化珪素質焼結体中の固溶体粒子の体積分率が20〜70%の範囲である上記(3)〜(5)のいずれか1項に記載の粒子分散型炭化珪素質焼結体を用いた成形用型。
【0015】
(7)前記炭化珪素質焼結体の相対密度が95%以上である上記(3)〜(6)のいずれか1項に記載の粒子分散型炭化珪素質焼結体を用いた成形用型。
【0016】
(8)リードフレームの成形用型である上記(3)〜(7)のいずれか1項に記載の成形用型。
【0017】
(9)モーターコアの成形用型である上記(3)〜(7)のいずれか1項に記載の成形用型。
【0018】
(10)上記(1)〜(7)のいずれか1項に記載の成形用型を用いてリードフレームのプレス成形加工を行うことを特徴とするリードフレームの成形加工方法。
【0019】
(11)上記(1)〜(7)のいずれか1項に記載の成形用型を用いてモーターコアのプレス成形加工を行うことを特徴とするモーターコアの成形加工方法。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の耐摩耗性耐欠損性セラミックスを用いた成形用型は、TiB2又はTi1−xMexB2(ここでMeはV, Nb, Ta, Cr及びMoのうち少なくとも1種であり、0.02≦x≦0.50)の組成を有するチタンホウ化物又は金属ホウ化物固溶体に0.01〜0.20μmの炭化珪素焼結体破砕粉0.1〜5.0質量%を含有してなる焼結体から作製する。
【0021】
TiB2の組成を有するチタンホウ化物は、セラミックスとして高硬度かつ導電性を有しており、耐磨耗性に優れるほか、放電加工による微細加工が可能であるので、リードフレームなどの微細加工用成形型を作製できる。さらにTiB2に0.01〜0.20μmの炭化珪素焼結体破砕粉0.1〜5.0質量%を含有してなる焼結体を用いて成形用型を作製しプラスチックや鋼板の成形実験をし、かじりやチッピングが少なく耐欠損性に優れており、十分に成形用型として用い得るものであることが確認された。従来、セラミックスはかじりやチッピングなど欠損し易いため、たとえ高硬度で耐磨耗性に優れていても成形用型材料として好適な材料は見出されていなかったが、TiB2に炭化珪素焼結体破砕粉を含有してなる焼結体はリードフレームなどの微細加工用成形型として実用しても、耐摩耗性及び耐欠損性、さらに高速加工性のいずれの特性も備えていることが見出された。
【0022】
さらに、上記TiB2に代えて、Ti1−xMexB2(ここでMeはV, Nb, Ta, Cr及びMoのうち少なくとも1種であり、0.02≦x≦0.50)の組成を有する金属ホウ化物固溶体に0.01〜0.20μmの炭化珪素焼結体破砕粉0.1〜5.0質量%を含有してなる焼結体では、上記TiB2に基づく焼結体と比べても耐欠損性が同等以上に優れていることも見出された。
【0023】
TiB2は、高硬度かつ高靭性のセラミックス材料であり、しかも導電性を有するので、微細加工用の成形用型材料としての適性を有している。
【0024】
Ti1−xMexB2は、TiB2に金属Meのホウ化物を固溶させた固溶体であり、TiB2単体に比べて硬度や破壊靭性値が上昇する。しかしTi1−xMexB2において、xが0.02未満ではTiB2への固溶効果が乏しくなり、十分な高硬度化が図れないおそれがあり、また0.50を越えると、分散している炭化珪素粉との熱膨張係数がかけ離れてしまうため、焼結時に緻密化し難くなり、相対密度の低い焼結体となり易く、また破壊靭性も低下するおそれが高くなる。
【0025】
Ti1−xMexB2は、予め製造しておいた粉末又はバルクを焼結体製造直前に粉砕して使用してもよいが、成形用型の焼結体製造時にTiB2粉末とMeホウ化物粉末及び/又はMe炭化物粉末を出発材料とし、これらを炭化珪素破砕粉と混合し、TiB2単体の焼結の場合と同様に焼結すれば、得られる焼結体中ではTi1−xMexB2金属ホウ化物固溶体として存在することができる。例えば、TiB2にVB2,BC,NbB2,NbCなどのMeホウ化物及び/又はMe炭化物を所定量を混合し、焼結時の反応により複合ホウ化物を形成してもよい。この製法については詳しく後述する。
【0026】
本発明の焼結体は、TiB2又はTi1−xMexB2の組成を有するチタンホウ化物又は金属ホウ化物固溶体に炭化珪素焼結体からなるポット、ボールからの破砕粉を含有する。炭化珪素の微細な破砕粉は硬質かつ耐酸化性のある高融点化合物であり、焼結後にホウ化チタン又は金属ホウ化物固溶体焼結体中に分散粒子として残留し、粗大粒子の生成を抑制し焼結体全体の硬度や破壊靭性値を向上させる作用をする。ホウ化チタン又は金属ホウ化物固溶体と炭化珪素との熱膨張率差やヤング率の相違などにより、非常に微細な状態で分散した炭化珪素の近傍に残留応力が発生し、焼結体の破壊に際して破壊エネルギーを分散させる作用を有し、靭性を著しく増大させ、かつ耐摩耗性も向上させる作用もある。靭性の増大は耐欠損性の向上に効果がある。
【0027】
炭化珪素破砕粉は、平均粒径が0.01〜0.2μm程度の微細な粒子であることが好ましい。平均粒径が0.01μm未満では強度特性に顕著な効果が得難く、また0.2μmを越えるとセラミックス母相中で比較的大きな欠陥を形成し易く逆効果に繋がることがある。またその含有量は0.1〜5.0質量%の範囲内、好ましくは2〜4質量%の範囲内である。含有量が0.1質量%未満では、母相結晶粒の成長抑制効果が乏しく、また5.0質量%を越えると母相の柱状成長並びに結晶相の交差により高靭性化を阻害する。
【0028】
さらに、炭化珪素破砕粉はチタンホウ化物又は金属ホウ化物固溶体粉末又は金属炭化物の原料粉末の粉砕又は整粒工程でミリングの容器及び媒体としての炭化珪素から混入する破砕粉であることが望ましい。ホウ化チタン又は金属ホウ化物固溶体粉末又は金属炭化化物の原料粉末は平均粒径2μm以下に微細化されると酸化されて焼結性や焼結体の物性を低下させるので、成形及び焼結直前に粉砕及び整粒することが望ましいこと、コスト及び均一分散のために望ましいからである。
【0029】
本発明のチタンホウ化物又は金属ホウ化物固溶体に炭化珪素破砕粉を含有する焼結体の製造は、チタンホウ化物又は金属ホウ化物又は金属炭化物の原料粉末の粒子に、炭化珪素破砕粉と焼結助剤、特に炭化ホウ素やカーボンを混合して、成形後、焼結すればよい。
【0030】
焼結原料としてのチタンホウ化物又は金属ホウ化物粉末又は金属炭化物の原料粉末は平均粒径が1〜10μm、より好ましくは3〜5μmであることが好ましい。平均粒径が1μm未満では靭性が増大する効果が得られ難く、また10μmを越えると硬さや靭性の低下を招く。チタンホウ化物又は金属ホウ化物又は金属炭化物の原料粉末の粉末は、粉砕に要する費用が高額で、かつ平均2μm以下の微粉末では表面酸化層の影響が大きく、焼結性や焼結体の物性を著しく低下させるため、成形及び焼結工程の直前に粉砕及び整粒工程が必要である。上記のごとく、この粉砕及び整粒工程の際にミリング媒体及び容器からの破砕粉として炭化珪素破砕粉をチタンホウ化物又は金属ホウ化物又は金属炭化物の原料粉末と混合させることが、チタンホウ化物又は金属ホウ化物又は金属炭化化物の原料粉末の粉末の表面酸化防止及び均一分散並びに低コストのために望ましい。
【0031】
このようにして得られるホウ化チタン系焼結体は、95%以上の理論密度、2.4x104MPa以上のビッカース硬度、5MPam1/2以上の破壊靭性値を有することができる。より好適には、98%以上の理論密度、3.0x104MPa以上のビッカース硬度、6MPam1/2以上の破壊靭性値を有することができる。また、このホウ化チタン系焼結体は、5.0x10−4Ωcm以下、さらには1.0x10−4Ωcm以下、特に5.0x10−5Ωcm以下の低い体積抵抗率を有することができる。
【0032】
本発明は、もう1つの態様において、成形用型は、Ti−Zr−B固溶体粒子及び/又はTi−Hf−B固溶体粒子を分散した炭化珪素質焼結体からなる粒子分散型炭化珪素質焼結体を用いて製造する。
【0033】
耐摩耗性と耐欠損性を同時に改善し本課題を達成するためには、高硬度化、高靭性化、高剛性が必要不可欠である。これらの特性を同時に向上させる方法としては、充分緻密な焼結体において、硬質かつ剛性の高い粒子を分散させることが効果的であり、特に、硬質かつ剛性の高いTi−Zr−B固溶体粒子及び/又はTi−Hf−B固溶体粒子を炭化珪素中に分散させることにより、従来のモノリシック炭化珪素製ガイドローラーに比べて、耐摩耗性を高めつつ、さらに、チッピング、割れ等の耐欠損性を著しく向上させる作用を付与することが可能である。
【0034】
Ti−Zr−B固溶体及び/又はTi−Hf−B固溶体粒子は、hcp 構造をもつ硬質かつ耐酸化性のある高融点化合物であり、焼結後に炭化珪素焼結体中に分散粒子として残留し、焼結体全体の硬度を向上させる作用をもつ。そして、炭化珪素相−固溶体相の熱膨張係数差やヤング率の相異等により分散粒子近傍に残留応力を発生させ、破壊の際の破壊エネルギーを向上させる作用を持ち、靭性を著しく向上させつつ剛性を向上させる作用を持つ。
【0035】
Ti−Zr−B固溶体及び/又はTi−Hf−B固溶体粒子は、Ti1−x Zrx B2、Ti1−x Hfx B2で表すことができ、xの値の範囲としては0.02〜0.25であり、より好ましくは0.02〜0.10である。TiB2にZrB2又はHfB2を所定量固溶させると、TiB2又はHfB2単身の場合に比べて硬さを著しく向上させることができるが、xが0.02より少ない場合、Zr又はHfの固溶効果が乏しく十分な高硬度化が図れず、また、0.25を超えるとマトリックスである炭化珪素との熱膨張係数がかけ離れてしまい、複合材料を焼結する際に、理論密度比95%以上の相対密度が得られ難く、破壊靭性値も低下するため好適ではない。
【0036】
本発明の焼結体では、Ti1−x Zrx B2固溶体及び/又はTi1−x Hfx B2固溶体を20〜70体積%含むことが好ましいが、70体積%より多く添加すると粒子分散させることによる残留応力が過大になり靭性値が大きく低下し、耐欠損性が低下する。また、20体積%より少ないと、硬さ、靭性、剛性の向上に充分な寄与が認められない。より好ましくは40〜60体積%である。
【0037】
分散させるTi1−x Zrx B2固溶体相及び/又はTi1−x Hfx B2固溶体相の粒子径としては、平均結晶粒径の範囲が、1〜10μmであることが好ましく、より好ましくは3〜5μmが適している。1μmより小さいと、靭性への寄与が得られ難く、また、10μmより大きいと、硬さ、剛性の低下を招く。さらに、本発明では、焼結体の相対密度を95%以上とするが、95%未満では、Ti1−x Zrx B2固溶体粒子及び/又はTi1−x Hfx B2固溶体の分散による焼結体中への残留応力の付与が不十分となるため好ましくない。
【0038】
また、セラミック原料としては、TiB2に、ZrB2とZrC の少なくとも1種又はHfB2とHfC の少なくとも1種を所定量添加すれば良く、炭化珪素焼結時に、硼化物でも炭化物でも、最終固溶体として、Ti1−x Zrx B2固溶体及び/又はTi1−x Hfx B2固溶体が得られれば構わない。炭化珪素(SiC )は共有結合性の強い物質であり、単味では焼結が困難であるため、緻密化に際しては種々の添加物を加えても構わない。焼結助剤としては炭化硼素、金属硼素、炭素(カーボンブラック等)、有機質炭素源、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、希土類酸化物、等を用いることができる。
【0039】
焼結方法としては、無加圧焼結法、ガス圧焼結法、熱間静水圧プレス焼結法、ホットプレス法の何れの方法も用いることが可能であり、更に、一種もしくは複数の焼結法を組み合わせることも可能である。無加圧焼結は、真空中または不活性ガス流通中にて行うと、緻密な焼結体が得られ易い。複雑形状であるガイドローラーにおいて、高密度を達成するためには、無加圧焼結後、さらにArガス等の不活性雰囲気中にて熱間静水圧プレス焼結を行うことが好ましい。
【0040】
焼結時の最高温度の範囲としては、1950〜2200℃であることが好ましく、最高温度での保持時間は、4時間以上であることが望ましい。1950℃未満では充分高い密度が得られず、固溶体相粒子近傍に高い残留応力を発生させることが困難で、高い靭性が得られない。また、2200℃より高い温度では、SiC が昇華・分解するため好ましくない。
【0041】
焼結時の保持時間としては、原料として用いたTiB2粉末とZrB2又はZrC粉末又はHfB2又はHfC粉末が反応し安定なTi1−x Zrx B2固溶体相又はTix Hf1−x B2固溶体相を生成するために、上記焼結温度の範囲にて、4時間以上の保持が必要である。また、このようにして得られる粒子分散型炭化珪素質焼結体は、95%以上の理論密度、2.4x104MPa以上のビッカース硬度、5MPam1/2以上の破壊靭性値を有することができる。より好適には、99%以上の理論密度、3.0x104MPa以上のビッカース硬度、6MPam1/2以上の破壊靭性値を有することができる。また、この粒子分散型炭化珪素質焼結体は、5.0x10−4Ωcm以下、さらには1.0x10−4Ωcm以下の低い体積抵抗率を有することができる。
【0042】
このようにして製造されるホウ化チタン系焼結体又は粒子分散型炭化珪素質焼結体は、高硬度、高破壊靭性値及び低抵抗値を有し、これを成形用型に用いた場合、高硬度即ち耐磨耗性に優れながら、従来のセラミックスと比べて顕著に耐欠損性に優れるので、かじり、チッピング、汚れがない特徴を有し、高剛性をも併せ持っており、十分に実用性に富むセラミックス材料であることが確認された。しかも、導電性があるので放電加工をすることができることも確認されており、リードフレームやモーターコアなどの微細加工用成形型として利用する上で有利である。
【0043】
本発明のホウ化チタン系焼結体又は粒子分散型炭化珪素質焼結体を用いた成形用型は、特にプレス加工用の成形用型、特にパンチとダイに好適に用いることができる。図1に代表例として穴抜き加工に用いる上型1および下型2の例を示す。本発明のホウ化チタン系焼結体又は粒子分散型炭化珪素質焼結体は特にパンチ11及び/又はダイ21の部分に好適に用いることができる。例えば、図2に示すように、ダイ21の上に被加工物3を載置し、上型のポンチ11をプレスすることで、被加工物3に穴あけ加工を施す。31は被加工物3から穴あけされて生じたスクラップである。本発明のホウ化チタン系焼結体又は粒子分散型炭化珪素質焼結体を用いた成形用型は、高速繰返し加工をしても摩耗、かじりなどが少ない特徴がある。
【0044】
【実施例】
(実施例1〜10)
炭化珪素(SiC)粉末 (平均粒径0.7μm)
2ホウ化チタン(TiB2 )粉末 (平均粒径4.5μm)
2ホウ化バナジウム(VB2 )粉末 (平均粒径6.5μm)
2ホウ化ニオブ(NbB2 )粉末 (平均粒径5.8μm)
2ホウ化タンタル(TaB2 )粉末 (平均粒径5.9μm)
2ホウ化クロム(CrB2 )粉末 (平均粒径6.5μm)
2ホウ化モリブデン(MoB2 )粉末 (平均粒径3.8μm)
炭化ニオブ(NbC)粉末 (平均粒径5.2μm)
炭化バナジウム(VC)粉末 (平均粒径5.6μm)
炭化タンタル(TaC)粉末 (平均粒径4.7μm)
炭化ホウ素(B4 C)粉末 (平均粒径0.5μm)
を第1表に示す所定量(質量%)添加し、分散媒としてアセトン又はエタノールを用い、炭化珪素セラミックスを内貼りしたボールミル用ポット・蓋にφ10mmの炭化珪素セラミックスボールを混合メディアとして用い、48時間混練した。アセトン又はエタノールの添加量は、投入したセラミックス粉末100gに対し60gの割合とした。
【0045】
次いで得られた混合粉末を成形後、焼結した。成形条件としては冷間静水圧による加圧140MPa とし、□120mm×厚さ20mmの平方板およびφ3mm×長さ60mmの円柱を成形した。これを素地加工し、□100mm×厚さ15mm、φ2mm×長さ50mmの2種の成形体を得た。
【0046】
焼結条件としては、3.0×10−2Pa中にて、第2表中に示す温度で8時間保持の真空焼結を行った。必要に応じ、その後の二次焼結として同じく第2表中に示す温度、圧力のArガス雰囲気中にて3時間保持の熱間静水圧加圧(HIP)処理を行った。
【0047】
得られたセラミック材料は10−4Ω・cmオーダーの十分な導電性を有し、ワイヤーカット等の放電加工が可能であり、幅狭のスリットや細穴の加工も容易に行なうことができるものであった。
【0048】
物性評価用に同条件にて製造した焼結体(50mm×50mm×厚さ10mm)の平板からJIS試験片を研削加工し、機械的性質、構成結晶相ならびに混合時の混入物量をそれぞれ測定した。
【0049】
硬さは押込荷重98Nにてビッカース硬さとして測定した。
【0050】
破壊靭性についてはJIS R1607のSEPB法により室温にて破壊靭性値KICを測定した。
【0051】
熱膨張率は室温〜100℃までの平均熱膨張率を測定した。
【0052】
焼結体密度は、アルキメデス法により相対密度として測定した。
【0053】
また、X線回折法を用いて、混合前の原料粉末段階での各粉末のX線回折ピークをそれぞれ測定し、混合・成形し、焼結後の焼結体のX線回折ピークと照合したところ、TiB2 中にV,Nb,Ta,Cr,Moがそれぞれ固溶し、結晶格子のずれが生じていることを確認した。
【0054】
さらに、破砕混入した炭化珪素(SiC)についても、X線回折で同定され、混入量についてはボールミルとφ10mm炭化珪素ボールの摩耗量から求められ、本実施例ではいずれも原料投入量に対し、2〜4質量部の混入量であった。得られた各焼結体の諸特性を焼結体密度と共に第2表に示す。
【0055】
(比較例11〜15)
比較例11〜15は、それぞれ高Ni系グレン鋳鉄の場合(比較例11)、高Ni系グレン鋳鉄にφ3〜5mmの分布を有する超硬(WC−6%Co)粒子を鋳ぐるんだ場合(比較例12)、通常のサイアロンセラミックスを用いた場合(比較例13)の各比較例である。比較例14は一般市販のボロン−カーボン系炭化珪素セラミックス単体(純度97質量%)、比較例15は一般市販の2ホウ化チタンセラミックス単体(純度92質量%)の焼結体である。これらを併せて第1表および第2表の比較例の欄に示す。
【0056】
打ち抜き時の耐摩耗性・耐欠損性を評価するため、実施例及び比較例ごとに各セラミック材料で丸型パンチ及び丸穴ダイスを研削加工及び放電加工で作成した。
【0057】
上記の型を用い、厚さ0.3mmのCu・Ni系合金シートに直径0.050mmの多数の丸穴をパンチングした。直径0.050mmの丸型パンチと丸穴雌型のクリアランスは0.005mmであった。プレス速度は800stroke/min.(SPM)であり、加工数は500万個とした。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
第2表に見られるように、本発明材を型材とした場合には、いずれも、かじりが発生せず、汚染もされなかった。
【0061】
これに対して、比較例の材料を型材とした場合には、型材の摩耗量が実施例より明らかに多く、また、かじり及び汚染が発生したほか、型が破損するものもあった。
【0062】
【発明の効果】
本発明によれば、高硬度であり耐磨耗性に優れたセラミックスを用いた成形用型であり、かつ耐欠損性にも優れており、また放電加工も可能であるため、従来の超硬合金基焼結体、さらにはSiC質焼結体から成る成形用型と比べて、耐磨耗性が大幅に改良された成形用型が提供される。従来、セラミックス材料では硬度には優れていても、耐欠損性が劣るため成形用型に実用できなかった。本発明の形成用型は、リードフレームやモーターコアなどの微細加工を要する部材を600〜1200ストローク/分あるいはそれ以上の高速で加工する成形用型にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の成形用型の1例を模式的に示す。
【図2】本発明の成形用型を用いてリードフレームなどの被加工物を成形する様子を模式的に示す。
【符号の説明】
1…上型
2…下型
3…被加工物
11…パンチ
21…ダイ
Claims (11)
- TiB2又はTi1−xMexB2(ここでMeはV, Nb, Ta, Cr及びMoのうち少なくとも1種であり、0.02≦x≦0.50)の組成を有するチタンホウ化物又は金属ホウ化物固溶体に0.01〜0.20μmの炭化珪素焼結体破砕粉0.1〜5.0質量%を含有してなる焼結体から摺動面又は駆動部などの成形用型の少なくとも一部が形成されていることを特徴とするホウ化チタン系焼結体を用いた成形用型。
- 前記ホウ化チタン系セラミックスが95%以上の理論密度で、2.4x104MPa以上のビッカース硬度、5MPam1/2以上の破壊靭性値を有する請求項1に記載のホウ化チタン系焼結体を用いた成形用型。
- Ti−Zr−B固溶体粒子及び/又はTi−Hf−B固溶体粒子を分散した炭化珪素質焼結体から摺動面又は駆動部などの成形用型の少なくとも一部が形成されていることを特徴とする粒子分散型炭化珪素質焼結体を用いた成形用型。
- Ti−Zr−B固溶体粒子の組成がTi1−xZrxB2(0.02≦x≦0.25)であり、Ti−Hf−B固溶体粒子の組成がTi1−xHfxB2(0.02≦x≦0.25)である請求項3に記載の粒子分散型炭化珪素質焼結体を用いた成形用型。
- 固溶体粒子の平均粒径が1〜10μmの範囲である請求項3又は4に記載の粒子分散型炭化珪素質焼結体を用いた成形用型。
- 前記炭化珪素質焼結体中の固溶体粒子の体積分率が20〜70%の範囲である請求項3〜5のいずれか1項に記載の粒子分散型炭化珪素質焼結体を用いた成形用型。
- 前記炭化珪素質焼結体の相対密度が95%以上である請求項3〜6のいずれか1項に記載の粒子分散型炭化珪素質焼結体を用いた成形用型。
- リードフレームの成形用型である請求項1〜7のいずれか1項に記載の成形用型。
- モーターコアの成形用型である請求項1〜7のいずれか1項に記載の成形用型。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の成形用型を用いてリードフレームのプレス成形加工を行うことを特徴とするリードフレームの成形加工方法。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の成形用型を用いてモーターコアのプレス成形加工を行うことを特徴とするモーターコアの成形加工方法。
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JP2017178771A (ja) * | 2016-03-25 | 2017-10-05 | 東京窯業株式会社 | 導電性炭化珪素質焼結体の製造方法及び導電性炭化珪素質焼結体 |
WO2023157913A1 (ja) * | 2022-02-18 | 2023-08-24 | Agc株式会社 | SiSiC部材およびその製造方法 |
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2003
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