本発明は、例えば遊技内容に関連する演出映像を多様な形態で表示する遊技機用表示パネル及びそれが取り付けられた遊技機に関するものである。
従来、ゲームに関する演出映像を表示する映像表示装置を備えた遊技機が知られている。
例えば、周面に図柄が描かれている3個の回転リールと、3個の回転リールの前面に表示窓として設けられた透明又は不透明に切り替わる液晶シャッタとを備えた遊技機(スロットマシン)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1の遊技機(スロットマシン)は、遊技者からのゲーム開始の指示とゲーム終了の提示に従って一連のゲーム動作を行い、映像表示装置として設けられた表示窓(液晶シャッタ)をゲームの進行に応じて制御することで、演出効果等を考慮した表示を行っている。
そして、本遊技機は、ゲーム開始の指示がなされるのに従って3個の回転リールを回転させると共に、回転リール自体の一連の動きを透明な表示窓を通して視認可能に設定し、引き続きゲーム終了の提示がなされるのに従って回転リールを停止させ、回転リールに描かれている3個の図柄が所定の組合せで揃って入賞となると、揃った図柄に対向する表示窓の部分を部分的に透明、残余の図柄に対しては不透明となるように表示窓を制御することで、入賞の組合せに関係する3個の図柄のみを強調して表示するようにしている。
ところで、従来の遊技機にあっては、表示窓としての液晶シャッタを映像表示手段として備えているが、回転リールの前方に設けられた表示窓としての液晶シャッタを部分的に透明又は不透明とすることで、透明な部分を介して強調すべき図柄を視認可能としているだけであった。つまり、上述の遊技機は、回転リールで表示されたゲームの結果のみを強調しているに過ぎず、ゲーム性自体を向上させたものではなかった。
本発明は、こうした従来の課題に鑑みてなされたものであり、例えば回転リールの図柄を多様に表示して入賞のパターンを増やすなどゲーム性を向上させた遊技機用表示パネル、及びそれが取り付けられた遊技機を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、遊技機用表示パネルであって、透過像を表示可能とするフラットパネル型の画像表示部と、少なくとも一の側面に光源が設けられ前記画像表示部と平面形状が略同一の導光板と、入射光を拡散反射させる状態又は透過させる状態に切り替え制御が可能とされる複数の調光スクリーンとを備え、前記各調光スクリーンは、前記導光板を介在させて前記画像表示部に対向して並設されていることを特徴とする。
請求項1に記載の遊技機用表示パネルによれば、並設されている適宜の調光スクリーンを拡散反射状態にそれ以外を透過状態に制御すると、光源から照射され導光板を伝搬する光又は外部から入射する光は、拡散反射状態に制御された調光スクリーンで拡散反射し、透過状態に制御された調光スクリーンで透過する。
これにより、拡散反射状態の調光スクリーンに対向する画像表示部の表示領域に拡散光が供給され、この表示領域に表示された透過像が明るく表示される。また、透過状態に制御された調光スクリーンを通して、本遊技機用表示パネルの後方にある例えば回転リール等が目視可能となる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機用表示パネルであって、前記画像表示部は、液晶ディスプレイであることを特徴とする。
請求項2に記載の遊技機用表示パネルによれば、液晶ディスプレイは、調光スクリーンで拡散反射した光を通過させるので、液晶ディスプレイが表示する透過像が明るく表示される。
請求項3に記載の発明は、回転軸方向に沿って並設された複数の回転リールの前方に表示パネルが取り付けられた遊技機であって、前記表示パネルは、透過像を表示可能とするフラットパネル型の画像表示部の後面に当該画像表示部と平面形状が略同一であって少なくとも一の側面に光源が設けられた導光板が設置され、当該導光板の後面で前記各回転リールと対向する位置に、入射光を拡散反射させる状態又は透過させる状態に切り替え制御が可能とされる調光スクリーンが前記回転リールの配列に対応してそれぞれ並設されていることを特徴とする。
請求項3に記載の遊技機によれば、並設されている適宜の調光スクリーンを拡散反射状態にそれ以外を透過状態に制御すると、拡散反射状態に制御された調光スクリーンの後方にある回転リールの表示が当該調光スクリーンによって遮られるとともに、当該調光スクリーンの前方に位置する画像表示部の表示領域に拡散光が供給され、この表示領域に表示する透過像を明るく表示することができる。また、透過状態に制御された調光スクリーンを通して、当該調光スクリーンの後方にある回転リールが目視可能となる。
すなわち、適宜の調光スクリーンを拡散反射状態又は透過状態に切り替えて制御することにより、各調光スクリーンの後方に設置された回転リールを表示又は非表示にすることができるとともに、非表示にした回転リールの領域に画像表示部による透過像を明るく表示することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の遊技機であって、前記各回転リールは、当該回転リールの前方に位置する調光スクリーンが透過状態に制御されることで、前記表示パネルを通して目視されることを特徴とする。
請求項4に記載の遊技機によれば、調光スクリーンを透過状態に制御するとその後方にある回転リールが目視される。特定の調光スクリーンを透過状態に制御することで、回転リールを選択的に表示させることができるので、例えばゲームにおける入賞パターンを多様に設定できる等、ゲームの興趣を向上させることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載の遊技機であって、前記画像表示部は、前記導光板を介在させて設置された複数の前記調光スクリーンのうち、拡散反射状態に制御された調光スクリーンと対向する表示領域に透過像を表示することを特徴とする。
請求項5に記載の遊技機によれば、調光スクリーンを拡散反射状態に制御してそれに対向する画像表示部の表示領域に透過像を表示する。これにより、適宜の回転リールを非表示にしその領域に透過像を表示することができるので、例えばゲームにおける入賞パターンを多様に設定できる等、ゲームの興趣を向上させることができる。
請求項6に記載の発明は、請求項3〜5の何れか1項に記載の遊技機であって、前記調光スクリーンの側縁に前記回転リールを照らす光源が設けられていることを特徴とする。
請求項6に記載の遊技機によれば、調光スクリーンの周縁に設けられた光源が回転リールを照らすので、表示パネルを通して回転リールが明るく目視される。
請求項7に記載の発明は、請求項3〜6の何れか1項に記載の遊技機であって、前記画像表示部は、液晶ディスプレイであることを特徴とする。
請求項7に記載の遊技機によれば、液晶ディスプレイは、透過像を表示するので、調光スクリーンからの拡散光を変調させた明るい映像を表示することができる。
請求項1及び2に記載の発明によれば、各調光スクリーンを一様に透過又は拡散反射状態に制御することで、本遊技機用表示パネルを透明又は不透明にすることができる。
特に、適宜の調光スクリーンを拡散反射状態に制御して、その調光スクリーンの後方にある例えば回転リール等の表示を遮るとともに、当該調光スクリーンの前方に位置する画像表示部の表示領域に透過像を明るく表示することができる。
これにより、遊技機における視覚的な演出を多様に表現することが可能になる。
請求項3〜7に記載の発明によれば、適宜の調光スクリーンを拡散反射状態又は透過状態に切り替えて制御することにより、各調光スクリーンの後方に設置された回転リールを表示又は非表示にすることができるとともに、非表示にした回転リールの領域に透過像を明るく表示することができる。
これにより、例えばゲームにおける入賞パターンを多様に設定できる等、ゲームの興趣を向上させることができる。
以下、本発明に係る最良の実施形態であるスロットマシンについて説明する。図1は、スロットマシンSMの外観構造を表した斜視図である。同図において、スロットマシンSMは、遊技者に面するフロントドアFDと、フロントドアFDが開閉可能に取り付けられた箱形形状の筐体KTを備えて構成されている。
フロントドアFDには、硬質プラスチック等で形成されたいわゆる化粧板に相当する上部パネル部UPと中部パネル部MPと下部パネル部LPが設けられ、これらのパネル部UP、MP、LPによってフロントドアFDの前面が覆われている。
上部パネル部UPには、蛍光灯や高輝度発光ダイオード等で形成された上部ランプU1と、上部パネル部UPの背後に設置されている図示しないスピーカの鳴動音を出力させるスリット溝等が形成された放音部U2、U3と、放音部U2、U3との間に演出映像等を表示する副表示部U4が設けられている。
副表示部U4は、上部パネル部UPに形成された孔である表示窓に透明な樹脂又はガラス等の板が嵌め込まれ、当該表示窓を通して筐体KT内部に設けられているカラー表示可能なCRTまたは液晶表示ユニット等の映像表示装置PDUが表示する映像を視認できるようになっている。
中部パネル部MPには孔としての表示窓が形成され、この表示窓を塞ぐように後述する表示パネル100が設置されている。ここで、表示パネル100は、映像表示機能またはシャッタ機能等を有している。そして、この表示パネル100を通して、筐体KT内に取り付けられている3個の回転リールR1、R2、R3の図柄を視認可能としたり、回転リールR1、R2、R3に描かれた図柄に重ねて演出映像を表示させたりすることができる。
ここで、3個の回転リールR1、R2、R3は円筒形状を有しており、それぞれが回転軸方向に並べられた状態で筐体KT内に取り付けられている。各回転リールR1、R2、R3の周面には複数種類の図柄が描かれているため、遊技者の指示操作に応じて各回転リールR1、R2、R3が回転及び停止の動作をすることにより表示図柄の種類が変更されるようになっている。
また、中部パネル部MPのパネル面には、スロットマシンSMの使用方法やゲーム内容の説明、入賞時に払出される遊技用メダル(以下、単に「メダル」という)の枚数等の説明が、視覚効果を高めた絵柄や文字、模様等によって描かれている。
また、中部パネル部MPの側部には、蛍光灯や高輝度発光ダイオードで形成されたサイドランプM1、M2が設けられ、ゲームの進行状況等に応じてこれらのサイドランプM1、M2が点滅等することで、演出効果を高めるようになっている。
中部パネル部MPの下側には、略水平の水平面を有する操作卓MTが形成されている。
操作卓MTの水平面の右側には、メダルを投入するためのメダル投入部M3が設けられ、水平面の左側には、押しボタンスイッチである3個のベットボタンM4、M5、M6が設けられている。
ベットボタンは、スロットマシンの1ゲームに賭けるメダルの枚数を提示するためのボタンスイッチである。すなわち、ベットボタンM4、M5、M6を押圧操作することで、それぞれ1枚、2枚、3枚のメダル数をスロットマシンに提示する。
操作卓MTの前面左側には、ゲーム開始を指示するためのスタートレバーM7が設けられ、ほぼ中央にゲーム終了の提示をするための押しボタンスイッチである3個のストップボタンM8、M9、M10が設けられている。
スタートレバーM7は、球形の操作ノブを備えた揺動可能な操作旱を備え、操作旱が傾倒操作されるとオン、操作旱から手が離されるとスプリングの付勢力によって自動的に元の傾きに戻ってオフ状態となるユニットで形成されている。
ストップボタンM8、M9、M10は、押圧操作することで回転中の回転リールR1、R2、R3をそれぞれ独立に停止させる。
すなわち、遊技者がベットボタンM4、M5、M6の何れかをオン操作して1ゲーム当たりのメダル数を提示した後、スタートレバーM7をオン操作すると、ゲーム開始となり、回転リールR1、R2、R3が回転を開始する。
引き続き、回転リールR1、R2、R3の回転中に遊技者がストップボタンM8、M9、M10を任意の順番でオン操作すると、そのオン操作された順序に従ってストップボタンに対応している回転リールが制動されて停止する。
そして、3個の回転リールR1、R2、R3に描かれている図柄が所定の組合せで揃うと入賞となり、入賞の種類に応じた枚数のメダルが遊技者に対して払出される。
操作卓MT前面の右側には、フロントドアFDを施錠するための施錠部KYが設けられており、スロットマシンSMの管理者等が施錠部KYに所定の鍵を挿入して開錠操作すると、蝶番機構によって筐体KTに取り付けられているフロントドアFDを前方へ開くことができ、また、フロントドアFDを閉じると、施錠部KYが自動的にフロントドアFDと筐体KTとを施錠するようになっている。
下部パネル部LPには、スロットマシンSMのゲーム内容を紹介等するための表示領域L1と、表示領域L1の下側に設けられた受皿L2と、当該受皿L2にメダル等を排出するための排出口L3とが設けられている。
次に、スロットマシンSMの動作を制御する制御システムを、図2を参照し説明する。図2は、スロットマシンSMの制御システム構成を表した回路ブロック図である。
主制御ユニットMCUは、筐体KT内部に設置され、マイクロプロセッサ(MPU)と、記憶部(ROM、RAM、情報記憶媒体)と、周辺機器または周辺回路等との制御信号の入出力を行うための入出力ポート等(いずれも図示略)を搭載している。マイクロプロセッサは、予めROM等の記憶部が記憶するシステムプログラムに従ってスロットマシンSMの一連のゲーム動作を制御、実行する。
また、主制御ユニットMCUは、スロットマシンSMに対して遊技者がゲームの進行に関わる操作指示を行う上述のベットボタンM4、M5、M6、スタートレバーM7、ストップボタンM8、M9、M10等の操作手段(スイッチ類)SWUからの操作信号、及びメダル投入センサ、メダル払出センサ等の各種センサSENSからの検出信号を入力する。
また、主制御ユニットMCUは、各回転リールR1、R2、R3に取り付けられた各ステッピングモータRMを制御するモータコントローラMTCと接続されている。
主制御ユニットMCUからの制御信号に従ってモータコントローラMTCがステッピングモータRMに駆動パルス信号を供給すると、ステッピングモータRMは、供給された駆動パルス毎に所定角度回転し、回転リールR1、R2、R3が回転する。つまり、主制御ユニットMCUは、モータコントローラMTCが出力する駆動パルス信号の周波数を制御することで、回転リールR1、R2、R3の回転及び制動制御をするとともに、出力させた駆動パルス信号のパルスをカウントすることで回転リールR1、R2、R3の角度位置を求める、つまり周面に描かれた図柄の位置を知ることができるようになっている。
また、主制御ユニットMCUは、副制御ユニットSCUと接続されている。副制御ユニットSCUは、上述した上部ランプU1、サイドランプM1、M2、スピーカ等の演出を行うための外部出力手段SLEと接続され、ゲームの進行に応じてこれら外部出力手段SLEに制御信号を出力することにより、光による演出や効果音を再生してスピーカを鳴動させるような音による演出を行っている。
また、主制御ユニットMCUは、映像表示コントローラDCUと接続されている。映像表示コントローラDCUは、副表示部U4に設けられている映像表示装置PDU、及び表示パネル100に備えられている液晶表示部LQDに映像を表示させるための映像信号を出力する。
すなわち、映像表示コントローラDCUは、ゲームの進行に応じて主制御ユニットMCUから指令される演出制御信号に従って、必要な動画像等の映像データを例えばROM等の映像情報媒体PDMから取得し、取得した映像データを再生(デコード)しながら映像表示装置PDUの画素数(解像度)に対応する映像信号Sijを生成する。そして、1フレーム周期(例えば1/30秒)信号に同期して映像表示装置PUDに映像信号Sijを供給することで、ゲームを演出するための動画像を映像表示装置PDUに表示させる。同様に、映像情報媒体PDMから取得した映像データを表示パネル100の液晶表示部LQDの画素数に対応する映像信号Smnに変換し液晶表示部LQDに供給することで表示パネルに演出映像を表示させる。
また、映像表示コントローラDCUは、表示パネル100に備えられた後述する調光スクリーンSCRに制御信号を出力することで、調光スクリーンSCRのほぼ全面にわたって光の透過及び拡散の状態を制御することが可能となっている。
次に、上述の表示パネル100についての好適な実施例を図面を参照しながら説明する。
図3は、本表示パネル101の構成を模式的に表した分解斜視図である。同図において、本表示パネル101は、透過型の画像表示部としての液晶表示部LQDと、導光板TPBと、調光スクリーンSCRとを備えて構成されている。
液晶表示部LQDは、透過像を表示するフラットパネル型の表示モジュールであり、例えばカラー表示可能な液晶ディスプレイによって形成されている。液晶ディスプレイからなる表示領域の外縁には、該液晶ディスプレイを駆動するためのLSI等を搭載する図示しないフレキシブル回路基板が接続されている。
導光板TPBは、ガラス等からなる透明な平行平板であり、その上下側面に冷陰極蛍光ランプ等から形成されたバックライト(照明光源)CFLが配置されている。
調光スクリーンSCRは、そのほぼ全面にわたって入射光を透過させる透過状態または入射光を拡散反射させる拡散反射状態に切り替えて制御することが可能な平板状のスクリーンである(詳細な構成の説明は後述する)。
本表示パネル101は、液晶表示部LQDの背面(回転リールRが配置される側)に導光板TPBが密着して配置され、さらに導光板TPBの背面に調光スクリーンSCRが密着して配置されている。これにより、本表示パネル101は、液晶表示部LQD、導光板TPB、バックライトCFL、調光スクリーンSCR等がユニット化された構造となっている。
本表示パネル101は、回転リールRの周面に沿って描かれた3個の図柄を視認できる程度の高さ(縦)寸法(例えば約12cm)、また、軸方向に並べられた3個の回転リールの幅にほぼ一致した幅(横)寸法(例えば約27cm)に形成されている。そして、本表示パネル101は、回転リールRを目視するためにスロットマシンSMのフロントドアFDに形成された表示窓に取り付けられ、これを介して各回転リールRに描かれている縦方向3個、横方向3列の各図柄が視認できるようになっている。
本表示パネル101は、図4に示すように、バックライトCFLと導光板TPBとの間に透過光を拡散させる拡散手段としての拡散シートTPFが介在するものでもよい。また、拡散シートTPFは、導光板TPBの側面に直接貼り付けられるものでもよい。
図5(a)は、YZ面に沿った拡散シートTPFの断面図である。拡散シートTPFの一例としては、図5(b)に示すように、ガラスまたは透明な樹脂等から形成されたフィルム状のレンチキュラーシートである。図5(b)において小さな矢印は傾斜方向を示している。レンチキュラーシートの少なくとも一方の表面には、導光板TPBの面方向(X方向)に沿って微小な三角溝が複数形成されている。
また、拡散シートTPFの他の例としては、図5(c)に示すように、透明な材料から形成されたフィルム状のプリズムシートである。プリズムシートの少なくとも一方の表面には、それぞれ傾斜方向が異なる微小な傾斜面が形成されている。図5(c)において小さな矢印は傾斜方向を示し、この場合、プリズムシートの表面に微小な四角推(プリズム)が形成されていることを表している。
バックライトCFLから拡散シートTPFに照射光が入射すると、拡散シートTPFの表面に形成されている三角溝等の傾斜面によって照射光は異なる方向に屈折して透過する。このように、拡散シートTPFを介して導光板TPBに拡散光を入射させることにより、調光スクリーンSCRの全面でほぼ均一に光が散乱し、液晶表示部LQD側に散乱光を供給することができる。
なお、拡散シートTPFは、上述の表面形状の例に限定されるものではない。例えば表面に半球状のマイクロレンズアレイが形成されたもののように、光を拡散させて透過させる特性を有する拡散シートTPFであれば同様の効果が得られる。
更に、図4において、バックライトCFLが配置されていない側の導光板TPBの側面にフィルム状の反射シートRPFが貼り付けられる。反射シートRPFは、導光板TPB内を伝搬する光がもれるのを防止する。
次に、上述の調光スクリーンSCRの構成を図6に基づいて説明する。図6は、調光スクリーンSCRの構成を模式的に表した断面図である。
同図に示すように、調光スクリーンSCRは、互いに対向配置されたガラス等からなる透明な透明基板SUBF、SUBRの間に、厚さ約数十ミクロンの透明な重合体(ポリマ)フィルムPOLが挟まれて密封されている。重合体フィルムPOLには、たくさんの泡状の穴(カプセル)が散在し、それら各穴には糸状の分子構造を有する液晶(ネマティック液晶)が詰まっている(以下、液晶が詰まったこれらの穴を「液晶球LQB」という)。
各透明基板SUBF、SUBRの重合体フィルムPOLが密封された側面には、ITO等の透明電極SEL、DELが蒸着されており、これらは上述した映像表示コントローラDCUに接続され所定の電圧が印可されるようになっている。
図6(a)に示すように、液晶球LQB内の液晶は、通常、液晶球の内壁に沿った分子配列となっている。このため各液晶球LQBは光学的な異方性を有し、この状態で調光スクリーンSCRに光が入射すると、液晶球LQBによって複屈折し様々な方向に拡散する。これにより、調光スクリーンSCRに入射した光の一部は拡散反射し、他の成分は透過する(拡散反射状態)。
一方、映像表示コントローラDCUによって透明電極SEL、DEL間に電圧が印可されると、図6(b)に示すように、液晶球LQB内の液晶分子は電界方向、すなわち透明基板SUBF、SUBRの離間する方向に沿って並ぶため、調光スクリーンSCRに入射した光の大部分は直進して透過する(透過状態)。
すなわち、調光スクリーンSCRは、透明電極SEL、DELに印可する電圧を変化させることによって、入射した光を拡散反射させる淡白色の状態から光を透過させる無色透明の状態に制御される。
次に、このような構成の本表示パネル101の動作を図7に基づいて説明する。なお、図7は、スロットマシンSMの回転リールRとその前方側に設けられた本実施例に係る表示パネル101の断面図である。
図7(a)は、調光スクリーンSCRの透明電極SEL、DEL間に電圧が印可された状態(透過状態)を表している。この状態では、液晶表示部LQD、導光板TPB、及び調光スクリーンSCRが全て透明なので、後方の回転リールR周面に描かれた図柄が本表示パネル101を通して視認可能となる。
また、回転リールR内にはリールバックライトユニット301が設置され、リールバックライトユニット301には、表示パネル101側に向けて、回転リールRの内周面を照射する発光ダイオード302が3段に分けられて配置されている。
回転リールRが停止した際に、各発光ダイオード302が回転リールRを照射することにより、正面側に停止した上中下3個の図柄が明るく表示される。
また、調光スクリーンSCRの上下両縁側には、回転リールRの軸方向に沿って超高輝度発光ダイオード201が複数配列されている。超高輝度発光ダイオード201の背後には、反射板202がその反射面を調光スクリーンSCRに向けて配置されている。超高輝度発光ダイオード201は、一般的な発光ダイオードに比較して十数倍の照度の光を出力することができる。
超高輝度発光ダイオード201が発光すると、回転リールRの正面が直接照射され、これにより、正面側に停止した回転リールRの図柄が明るく表示される。また超高輝度発光ダイオード201が発光した直接光、及び反射板202で反射した反射光が調光スクリーンSCRに入射して表示パネル101を透過するので、スロットマシンSMの正面側を明るく照らし出すようなゲーム演出を行うことができる。
図7(b)は、調光スクリーンSCRの透明電極SEL、DEL間に電圧が印可されず、調光スクリーンSCRのほぼ全面が入射光を拡散させる状態(拡散反射状態)であることを表している。
この場合、バックライトCFLから照射され導光板TPB内を伝搬する照射光は、調光スクリーンSCRのほぼ全面で拡散反射し、拡散した光は液晶表示部LQDを透過して遊技者側へ進行する。このとき、液晶表示部LQDに透過像を表示させると、調光スクリーンSCRで拡散反射された拡散光が液晶表示部LQDを透過する際に変調され、遊技者側からは明るさを有する透過像が観察される。
次に、このような機能を有する本表示パネル101による表示例を説明する。図8(a)は、調光スクリーンSCRが透明な状態(透過状態)に制御された場合、図8(b)は、調光スクリーンSCRが拡散反射状態に制御された場合を表している。
すなわち、スロットマシンSMの通常のゲームを行うときには、図8(a)に示すように調光スクリーンSCRを透過状態に制御して、回転リールRの周面に描かれている図柄RPが本表示パネル101を通して遊技者PEYEに視認される。遊技者PEYEは、回転リールRの回転によって変動表示される図柄を見ながら、目的とする図柄を有効ラインに停止させるタイミングを見計らい各回転リールRの停止操作を順次行う。そして、すべての回転リールRが停止しその正面側に表示される図柄RPが本表示パネル101を通して視認できるようになっている。
つまり、図8(a)に示すように、スロットマシンのゲーム中は、各回転リールRの例えば「チェリー」の図柄RPが本表示パネル101を通して視認される。また、同図に示すように図柄RPが横一列に揃って入賞が確定したとき、回転リールR内に設けられている発光ダイオード302、または調光スクリーンSCRの縁側に設けられている超高輝度発光ダイオード201を点灯・点滅させて回転リールRまたは図柄RPの明るさを演出させてもよい。
また、例えばゲームとゲームとの間、あるいは一定時間遊技操作がされず待機状態にあるスロットマシンSMは、図8(b)に示すように、調光スクリーンSCRを拡散反射状態にし、液晶表示部LQDに動画等の映像を表示してもよい。
例えば、前回のゲーム中に「チェリー」の役が内部当選しながらも入賞が確定せず次回のゲームに持ち越されている場合、次回のゲームを実施する前に、図8(b)に示すような当該当選役に関連する「チェリー」の透過像TPIを液晶表示部LQDに表示させ、遊技者に「チェリー」の役が持ち越されていることを知らせるようにしてもよい。
上述の表示例の他にも、例えば、調光スクリーンSCRを透過状態にして回転リールRを目視可能にさせながら液晶表示部LQDに透過像TPIを表示させてもよい。これによると、液晶表示部LQDが表示する透過像TPIが回転リールRに重ねて表示される。回転中または停止時の回転リールRに液晶表示部LQDによる動画像を重ねて表示させることで、回転リールRの図柄を様々に演出する表示が可能になる。
このように、本表示パネル101よれば、映像による様々な演出表示をゲームの進行に応じて行うことができる。特に、本表示パネル101は、スロットマシンのゲームを行う際に遊技者が主に注視する回転リールRの表示窓に配置されるので、遊技者の視線を大きく移動させることなくゲームに関する情報またはゲームを行う際に必要な情報等を確実に遊技者に報知することができる。
次に、本発明に係る表示パネルの他の実施例を図面を参照しながら説明する。
図9は、本表示パネル102の構成を模式的に表した分解斜視図である。
なお、図9において、実施例1の説明に使用した図3と同一または相当する部分を同一符号で示している。
図9において、本表示パネル102は、液晶表示部LQDと、導光板TPBと、バックライトCFLと、3個の調光スクリーンSCR1、SCR2、SCR3とを備えて構成されている。
液晶表示部LQD、導光板TPB、及びバックライトCFLは、実施例1と同一の構成である。
個々の調光スクリーンSCR1、SCR2、SCR3は、実施例1における調光スクリーンSCRと同一の構造を有しているが、その幅(横)寸法は一つの回転リールの幅にほぼ一致させた寸法(例えば9cm)に形成されている。そして、それぞれの調光スクリーンSCR1、SCR2、SCR3は、その光透過状態及び光を拡散反射させる状態等の光学的な性質がそれぞれ独立して制御されるようになっている。
また、本表示パネル102は、液晶表示部LQDの背面(回転リールR1、R2、R3が配置される側)に導光板TPBが密着して配置され、さらに導光板TPBの背面に、各回転リールR1、R2、R3に対向して各調光スクリーンSCR1、SCR2、SCR3が密着配置されたユニット構造となっている。
そして、本表示パネル102は、回転リールRを目視するためにスロットマシンSMのフロントドアFDに形成された表示窓に取り付けられ、本表示パネル102を介して、各回転リールR1、R2、R3の周面に描かれた図柄が視認できるようになっている。
次に、かかる構成の本表示パネル102の動作を説明する。例えば、図9において、左側の調光スクリーンSCR1は入射光を拡散反射させる状態にあり、中央と右側の調光スクリーンSCR2、SCR3は、所定の電圧が印可されて透明な状態(透過状態)となっている。この場合、液晶表示部LQD、導光板TPB、調光スクリーンSCR2、SCR3を通して中央と右側の回転リールR2、R3の図柄が遊技者PEYEから視認可能となっている。
一方、調光スクリーンSCR1は拡散反射状態に制御されているので、左側の回転リールR1は調光スクリーンSCR1に遮られて遊技者PEYEからは見えない。しかし、調光スクリーンSCR1の前方に液晶表示部LQDが表示する透過像TPIは、調光スクリーンSCR1で拡散反射したバックライトCFLからの照明光により明るく表示される。
次に、このような機能を有する本表示パネル102による表示例を図10に示す。
図10(a)は、左側の調光スクリーンSCR1が拡散反射状態に、中央と右側の調光スクリーンSCR2、SCR3が透過状態に制御された場合を表している。この場合、中央と右側の回転リールR2、R3の図柄が、本表示パネル102を通して表示され、左側の回転リールR1の図柄は調光スクリーンSCR1によって遮られている。このとき、調光スクリーンSCR1の前方に液晶表示部LQDによって表示された「7」の透過像TPIは、調光スクリーンSCR1で拡散反射される照明光によって明るく表示される。
また、図10(b)は、左側と右側の調光スクリーンSCR1、SCR3が拡散反射状態に、中央の調光スクリーンSCR2が透過状態に制御された場合を表している。この場合、中央の回転リールR2の図柄が、本表示パネル102を通して表示され、左側と右側の回転リールR1、R3の図柄は調光スクリーンSCR1、SCR3によって遮られている。このとき、調光スクリーンSCR1の前方に液晶表示部LQDが表示する「7」の透過像TPIと、調光スクリーンSCR3の前方に表示する「キャラクタ」の透過像TPIとは、調光スクリーンSCR1、SCR3で拡散反射される照明光によって明るく表示される。
このように、調光スクリーンSCR1、SCR2、SCR3を透明または不透明の状態にして、各回転リールを選択的に表示または非表示にする制御が可能になる。そして、非表示に制御された回転リールの表示領域に液晶表示部LQDが透過像TPIを表示させることで、スロットマシンSMの興趣を向上させる多様な入賞パターンを設定することができる。
すなわち、図10(a)の表示例において、例えば内部抽選によって左側の回転リールR1が「7」の特別枠に当選した状況にあるとき、左側の回転リールR1は、「7」の図柄が表示されたものとみなされる。つまり、回転リールの停止操作(目押し操作)により中央と右側の回転リールR2、R3に「7」が表示されれば入賞が確定するので、遊技者が行う目押し操作による入賞の確率が高められる。
また、図10(b)の表示例において、例えば内部抽選によって左側の回転リールR1が「7」の特別枠に当選し、右側の回転リールR3が「キャラクタ」の特別枠に当選した状況にあるとき、左側の回転リールR1は、「7」の図柄が表示されたものとみなされ、右側の回転リールR3は、「キャラクタ」の特別枠によって図柄の一致要件が除外されている、すなわち入賞に係る図柄が表示されたものとみなされる。つまり、中央の回転リールR2だけ目押し操作して「7」を表示されれば入賞が確定するので、遊技者が行う目押し操作による入賞の確率が高められる。
このように、本表示パネル102を介して回転リールRを様々に表示させることにより、従来のスロットマシンにはなかった表示演出やゲームの興趣を向上させる新しい入賞パターンを設定することができる。
次に、本発明に係る表示パネルの他の実施例を図面を参照しながら説明する。
図11は、本表示パネル103の構成を模式的に表した分解斜視図である。
なお、図11において、実施例1の説明に使用した図3と同一または相当する部分を同一符号で示している。
図11において、本表示パネル103は、液晶表示部LQDと、導光板TPBと、バックライトCFLと、ドットマトリクス型の調光スクリーンSCRDとを備えて構成されている。
液晶表示部LQD、導光板TPB、及びバックライトCFLは、実施例1と同一の構成である。
ドットマトリクスの調光スクリーンSCRDは、そのほぼ全面にマトリクス状に配列された(画像ピクセルに相当する)ドット毎に入射光を透過させる透過状態または入射光を拡散反射させる拡散反射状態に切り替え制御することが可能な平板状のスクリーンである(詳細な構成の説明は後述する)。
本表示パネル103は、液晶表示部LQDの背面(回転リールRが配置される側)に導光板TPBが密着して配置され、さらに導光板TPBの背面に調光スクリーンSCRDが密着して配置されている。これにより、本表示パネル103は、液晶表示部LQD、導光板TPB、バックライトCFL、調光スクリーンSCRD等がユニット化された構造となっている。
本表示パネル103は、回転リールRの周面に沿って描かれた3個の図柄を視認できる程度の高さ(縦)寸法(例えば約12cm)、また、軸方向に並べられた3個の回転リールの幅にほぼ一致した幅(横)寸法(例えば約27cm)に形成されている。そして、本表示パネル101は、回転リールRを目視するためにスロットマシンSMのフロントドアFDに形成された表示窓に取り付けられ、これを介して各回転リールRに描かれている縦方向3個、横方向3列の各図柄が視認できるようになっている。
次に、上述したドットマトリクス型の調光スクリーンSCRDの構成を図12及び13に基づいて説明する。図12は、調光スクリーンSCRDの構成を模式的に表した断面図、図13は、調光スクリーンSCRDの電極の配置と回路ブロックを表した平面図である。
図12において、調光スクリーンSCRDは、互いに対向配置されたガラス等からなる透明な透明基板SUBF、SUBRの間に、厚さ約数十ミクロンの透明な重合体フィルムPOLが挟まれて密封されている。重合体フィルムPOLには、ネマティック液晶が充填された液晶球LQBが散在している。
液晶球LQB内の液晶は、電界が印可されていない通常の状態であれば、液晶球LQBの内壁に沿った分子配列となっており、この状態で調光スクリーンSCRDに入射した光は、液晶球LQBによって複屈折して様々な方向に拡散する。一方、液晶球LQBが電界中にあるとネマティック液晶の分子配向が電界方向に沿って並ぶので、電界方向に入射された光は透過する。
透明基板SUBFの重合体フィルムPOLが密封された側面には、所定の間隔をおいて横方向(X方向)に伸長する複数の透明な行電極LELが形成されている。また、透明基板SUBRの重合体フィルムPOLが密封された側面には、所定の間隔をおいて縦方向(Y方向)に伸長する複数の透明な列電極CELが形成されている。
図13において、調光スクリーンSCRDの表示領域の縁部には、行電極LELの一端が接続された駆動回路211と、列電極CELの一端が接続された駆動回路221とが実装されている。駆動回路211、221は、スロットマシンSMに設けられている映像表示コントローラDCUから供給される制御信号によって、選択的に行電極LEL及び列電極CELに電圧を印可することで、これら行電極LEL及び列電極CELが交差する部分(ドット)に電界を生じさせる。
すなわち、図12において、選択された行電極LEL及び列電極CELに所定の電圧が印可され、これらの交差する電極によって挟まれた重合体フィルムPOL部分に電界が生じると、電界が生じている部分に散在する液晶球LQBの液晶分子は電界方向、すなわち透明基板SUBF、SUBRの離間する方向に沿って並ぶので、この部分は光を透過させる透明な状態となる。
一方、行電極LEL及び列電極CELによって電界が生じていない部分の重合体フィルムPOLは、入射光の一部を拡散反射させるので淡白色の状態となる。
このように、調光スクリーンSCRDは、複数の行電極LEL及び列電極CELが交差してマトリクス状に配置された各ドットを、透過または拡散反射の状態に制御することが可能となっており、ドットを適宜選択し制御することで透過または拡散反射の状態からなるスクリーン像SCIを生成することができる。
次に、本表示パネル103による表示例を図14に示す。なお、図14(a)は、液晶表示部LQDに表示させた透過像の例、図14(b)は、液晶表示部LQDによる上述の表示と同時にドットマトリクス型の調光スクリーンSCRDに表示させたスクリーン像の例、図14(c)は、これらの像を表示させたときに本表示パネル103を介して遊技者側に表示される映像例である。
図14(a)において、液晶表示部LQDには、着色または半透明の3個の「7」を表す透過像TPIが背後に位置する回転リールRの配列に対応して表示され、透過像TPIを除く表示領域は透明に制御されている。
図14(b)において、調光スクリーンSCRDは、上述の透過像TPIを投影した領域、すなわち、透過像TPIとほぼ同一の輪郭形状を有し後方に重なるドットが拡散反射状態に制御され、これにより、「7」を表すスクリーン像SCIが表示され、それ以外の表示領域は透過状態に制御されている。
本表示パネル103にこのような表示をさせると、バックライトCFLからの照明光が導光板TPBを伝搬して調光スクリーンSCRDの「7」のスクリーン像SCIの部分で拡散反射するため、図14(c)に示すように、前方の液晶表示部LQDが表示する「7」の透過像TPIが前述のスクリーン像SCIによる拡散光によって明るく表示される。そして、調光スクリーンSCRDが表示する「7」のスクリーン像SCIを除く表示領域を通して、背後に設置されている回転リールRが目視される。
また、本表示パネル103による別の表示例を図15に示す。図15(a)は、液晶表示部LQDに表示させた透過像の例、図15(b)は、液晶表示部LQDによる上述の表示と同時に調光スクリーンSCRDに表示させたスクリーン像の例、図15(c)は、これらの像を表示させたときに本表示パネル103を介して遊技者側に表示される映像例である。
図15(a)において、液晶表示部LQDの表示領域には、背後に位置する回転リールRの配列に対応して3個の「7」を表す透明領域が形成され、これ以外の表示領域は着色または半透明の状態に表示制御されている。
図15(b)において、調光スクリーンSCRDの表示領域のうち、液晶表示部LQDが表示する上述の「7」の透明領域と前後方向に重なる表示領域は透過状態に制御され、これ以外の周囲の表示領域は拡散反射状態に制御されている。
このような表示制御をすることにより、バックライトCFLからの照明光が調光スクリーンSCRDの「7」の透明領域を除く表示領域で拡散反射し、同じく液晶表示部LQDの「7」の透明領域の周囲が拡散光によって明るく表示される。また、「7」を表す透明な表示領域を通して背後に設置されている回転リールRの図柄RPが視認される。したがって、回転リールRの図柄RPを本表示パネル103が表示する映像によって装飾する等の演出表示を行うことが可能になる。
このように、本表示パネル103によれば、液晶表示部LQDが表示する透過像TPIに対応してドットマトリクス型の調光スクリーンSCRDに拡散反射状態のスクリーン像SCIを表示させると、バックライトCFLからの照明光がスクリーン像SCIで拡散反射し透過像TPIが明るく表示される。
また同時に、調光スクリーンSCRDが表示するスクリーン像SCIを除く表示領域を通して、背後に設置されている回転リールRの図柄RPが視認されるので、これらの図柄RPを液晶表示部LQDが表示する透過像TPIによって装飾する等の演出表示を行うことができる。
なお、上述した本発明に係る実施形態の説明では、3個の回転リールを目視させるために、スロットマシンSMの中部パネル部MPに形成された表示窓を塞ぐように表示パネル101、102、103が取り付けられた例を示した。しかし、本発明に係る表示パネルは、これに限定されず、例えばスロットマシンSMの中部パネル部MPとほぼ同一の表示領域を有する表示パネル101、102、103を取り付け、中部パネル部MPのほぼ全面にわたって広範囲に演出映像を表示するものでもよい。
スロットマシンSMの外観構造を表した斜視図である。
スロットマシンSMの制御システム構成を表した回路ブロック図である。
表示パネル101の構成を表した分解斜視図である。
表示パネル101の構成を更に表した分解斜視図である。
拡散シートTPFの構成を表した説明図である。
調光スクリーンSCRの構成を表した断面図である。
表示パネル101の動作を説明するための断面図である。
表示パネル101による表示例を説明するための分解斜視図である。
表示パネル102の構成を表した分解斜視図である
表示パネル102による表示例を表した図である。
表示パネル103の構成を表した分解斜視図である。
調光スクリーンSCRDの構成を表した断面図である。
調光スクリーンSCRDの電極の配置と回路ブロックを表した平面図である。
表示パネル103による表示例を表した図である。
表示パネル103による表示例を更に表した図である。
符号の説明
100、101、102、103 …表示パネル
SCR …調光スクリーン
SCRD …ドットマトリクス型の調光スクリーン
LQD …液晶表示部
TPB …導光板
CFL …バックライト
TPF …拡散シート
SM …スロットマシン
R …回転リール
MCU …主制御ユニット
DCU …映像表示コントローラ
TPI …透過像
SCI …スクリーン像