JP2005021107A - 多孔質フィルムを利用した水耕栽培装置 - Google Patents

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Kenichiro Yasuba
健一郎 安場
Mikio Yashiro
幹雄 屋代
Kentaro Matsuo
健太郎 松尾
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Abstract

【課題】水耕栽培を行うときに用いる容器(水耕槽)の外周部分に、液体は透過しないが気体は透過させる性質を有する多孔質フィルムを使用する。
【解決手段】水耕栽培に使用され、培養液4を収容する容器(水耕槽)であって、この容器(水耕槽)の外側部分に、液体は透過しないが気体は透過させる性質を有する多孔質フィルム3を使用した。多孔質フィルム3を、容器(水耕槽)の外側部分に設けられ、多数の窓部2aを開けた水耕槽枠2により支持した。そして、容器(水耕槽)として長期間の使用が可能であり、しかも酸素透過量が多くて作物7の生育に好結果をもたらす。また、電力を用いることがないので、経済的である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水耕栽培を行うときに用いる容器(水耕槽)の外周部分に、液体は透過しないが気体は透過させる性質を有する多孔質フィルムを使用した水耕栽培装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、水耕栽培に使用され、培養液を収容する容器であって、上記容器の全面に撥水性表面改質剤(撥水剤)を浸透させ、培養液の溶存酸素濃度を高め、作物の根に酸素を供給して作物の成長を促進するようにした技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特許第2873959号公報
【0004】
上記先行技術に記載のものは、図4に示すように、水耕栽培装置Aに使用される容器Bを植木鉢と同様の素焼鉢、またはコンクリート、またはプラスチックベッドにより構成し、該容器Bが素焼鉢の場合は、底の穴をシリコンシーラントにより塞いでいる。また、容器Bがコンクリートまたはプラスチックベッドの場合は、コンクリート板またはプラスチック板を、上面が解放された長立方形の箱状に組み立て、各角部の内側を防水処理している。容器Bの素焼鉢、またはコンクリートベッドの全面に、オルガノシラン系の化合物からなる撥水性表面改質剤(撥水剤)Cを浸透させている。
【0005】
そして、容器Bの素焼鉢、またはコンクリートベッド、またはプラスチックベッド内に所定量の培養液Dを収容し、この培養液Dの上面に、作物Fの栽培床となる発泡スチロール板Eが浮かべられ、この発泡スチロール板Eに、作物Fがプラスチック製網Gを介して、その根が下方の培養液Dに浸るようにして植え付けられて栽培される。容器Bは、作物Fが発泡スチロール板Eの表面から上方に露出するようにして、白色のポリエチレンフィルムHにより覆われている。
【0006】
上記のように、容器Bの素焼鉢、またはコンクリートベッドの全面に、オルガノシラン系の化合物からなる撥水性表面改質剤(撥水剤)Cを浸透させることにより、容器B全体が撥水性を持ち、容器B全体が空気の層のようになって培養液D中に酸素が溶け込み易くなり、培養液Dの溶存酸素濃度が高められ、作物Fの根に酸素が供給されて作物Fの成長を促進し、作物Fの収量及び品質を高めることができる。また、従来周知の技術として、容器Bにオルガノシラン系の化合物からなる撥水性表面改質剤(撥水剤)Cを浸透させない状態で、エアーポンプIにより培養液Dを曝気(エアレーション)する曝気装置を備えたものが知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のように容器Bの素焼鉢、またはコンクリートベッドの全面に、オルガノシラン系の化合物からなる撥水性表面改質剤(撥水剤)Cを浸透させた場合には、面積当たりの酸素透過量が少なく、作物の生育に十分な酸素を供給できない可能性があった。また、材質が破損しやすく、振動等で装置が崩壊する恐れがあり、取り扱いが難しかった。さらに、夏期には水耕液温が上昇するため生育が悪くなる、等の問題点があった。また、エアーポンプIにより培養液Dを曝気(エアレーション)する場合には、曝気装置を作動させるために電力を必要とし、停電時には栽培している作物Fが枯れる恐れがある、といった問題点があった。
【0008】
そこで本発明は、容器に多孔質フィルムを使用することにより、容器として長期間の使用が可能となり、しかも酸素透過量が多くて作物の生育に好結果をもたらし、電力を用いることがなく、上記従来の問題点を解決するようにした水耕栽培装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明は、
A.水耕栽培に使用され、培養液を収容する容器であって、前記容器の外側部分に、液体は透過しないが気体は透過させる性質を有する多孔質フィルムを使用したこと特徴とする。
【0010】
B.前記多孔質フィルムを、容器外側部分に設けられ、多数の窓部を開け水耕槽枠により支持したことを特徴とする。
【0011】
【作用】
上記の構成により本発明の多孔質フィルムを使用した水耕栽培装置は、以下の作用をする。
a.容器の外側部分に、液体は透過しないが気体は透過させる性質を有する多孔質フィルムを使用することで、容器として長期間の使用が可能である。多孔質フィルムは酸素透過量が多く、作物の生育に好結果をもたらす。また、電力を用いないので経済的であり、停電によるトラブルも発生しない。
b.多孔質フィルムを、容器外側部分に設けられ、多数の窓部を開け水耕槽枠により支持することで、多孔質フィルムの外気と接する面積が広くなり、酸素透過量が多くなる。また、多孔質フィルムは水耕槽枠により支持されていることで、容器としての強度に問題はない。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を添付の図面を参照して具体的に説明する。
図1において、符号1は水耕栽培装置で、直径が20cm、高さ10cmの大きさの有底円筒形をしたものである。この水耕栽培装置1の外側部分には、外周部に多数の窓部2aを開けたプラスチック製の水耕槽枠2が設けられ、この水耕槽枠2の内面に、液体は透過しないが気体は透過させる性質を有する多孔質フィルム3が、張設,支持されている。そして、水耕槽枠2と多孔質フィルム3とで容器(水耕槽)を構成している。
【0013】
前記多孔質フィルム3の内部には、培養液4が収容(充填)される。該培養液4の液面上には、容器の内径より1cm程度短い直径を有する円形をした発泡スチロールからなる栽培ベッド5を浮かせている。この栽培ベッド5の径方向中央部分に、直径1cm程度の作物栽植穴を穿設しており、この作物栽植穴の底部にプラスチック製の作物植え付け網6が張設されている。該作物植え付け網6には、この実施例では、作物としてホウレンソウ7が、その根が下方の培養液4に浸るようにして植え付けられている。水耕栽培装置1全体は、ホウレンソウ7が栽培ベッド5の表面から上方に露出するようにして、白色のポリエチレンフィルム8により覆われている。この白色のポリエチレンフィルム8は、培養液4の蒸散を防ぎ、多孔質フイルム3の紫外線による劣化を防ぐと共に、ホウレンソウ7の根への光の透過を防ぐ働きをする。
【0014】
この実施形態の水耕栽培装置1によれば、多孔質フィルム3が、液体(培養液4)は透過させないが、気体(空気,酸素)は透過させる性質を有するため、培養液4を多孔質フィルム3内に溜めることができ、水耕槽枠2の窓部2aを介して広い面積で外気と接する多孔質フィルム3を通して、培養液4中に酸素が供給され、培養液4の液温を低下させる。図3に示す本発明による多孔質フィルム3、周知の通気防水布及び撥水剤を処理したコンクリート、通気性のない塩化ビニールの酸素透過量を比較したグラフでも明らかなように、本発明による多孔質フィルム3の酸素透過量が最も多くなっている。
【0015】
図3に示すグラフは、酸素透過量測定用装置を用いて、本発明による多孔質フィルムと、周知の通気防水布と、撥水剤を処理したコンクリートと、通気性のない塩化ビニールの、酸素透過量を測定した結果を示している。測定用容器に使用した水の量は500ml、測定期間中は測定用容器の上面をポリエチレンフィルムにより覆った。測定開始時には溶存酸素濃度を4mg/lに調整した。測定開始から4時間後に溶存酸素濃度を測定した。図中のアルファベットは、異なる文字間でチューキーの多重検定(n=4)により5%レベルで有意差があることを示している。そして、撥水剤を処理した水耕装置に比べて、多孔質フィルム3を利用した場合には耐久性が高く、ホウレンソウでは5回以上の栽培ができることが確認された。
【0016】
図2に示すグラフから明らかなように、6月播種と8月播種のホウレンソウの新鮮重は、本発明による水耕栽培装置1により栽培したものの方が、従来の水耕栽培装置により栽培したものより何れも多く、作物の生育が促進されることが証明されている。
【0017】
図2のグラフは、6月播種と8月播種のホウレンソウ’アクティブ’を、本発明の多孔質フィルム3を用いた水耕栽培装置1と、従来の水耕栽培装置(酸素富化処理なしとエアレーションあり)により栽培した新鮮重を比較したものである。ホウレンソウは、消毒した培土に播種した後、1週間の実生苗を図1の栽培ベッド5の作物植え付け網6に定植した。従来の水耕栽培装置のエアレーションなしとバブリングを行った処理区では、無加工のプラスチック容器を利用した。ECが2mS/cmとなるように培養液及び水道水を補充した。6月播種では21日間、8月播種では28日間栽培を行った後に調査した1個体/装置の場合は2反復、2及び3個体/装置の場合は1反復で試験を行った。バブリングは6時間おき15分ずつ行った。容積4l、フィルム面積800cmであった。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の多孔質フィルムを使用した水耕栽培装置は、請求項1及び2に記載の構成を有することにより、以下の作用効果を奏することができる。
▲1▼.電力を用いずに水耕栽培を実施することができる。容器に撥水処理を施していないので、容器の寿命が長くなる。
▲2▼.また、多孔質フィルムを介して培養液中に酸素が供給され、溶存酸素濃度が高くなり、作物の生長を促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による水耕栽培装置の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】本発明の水耕栽培装置により栽培したホウレンソウと、従来の水耕栽培装置により栽培したホウレンソウの新鮮重を比較したグラフである。
【図3】本発明による多孔質フィルム、周知の通気防水布及び撥水剤を処理したコンクリートの酸素透過量を示すグラフである。
【図4】従来の水耕栽培装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 水耕栽培装置
2 水耕槽枠 2a 窓部
3 多孔質フィルム
4 培養液
5 栽培ベッド
6 作物植え付け網
7 ホウレンソウ(作物)
8 ポリエチレンフィルム

Claims (2)

  1. 水耕栽培に使用され、培養液を収容する容器であって、
    前記容器の外側部分に、液体は透過しないが気体は透過させる性質を有する多孔質フィルムを使用したこと特徴とする多孔質フィルムを利用した水耕栽培装置。
  2. 前記多孔質フィルムを、容器外側部分に設けられ、多数の窓部を開けた水耕槽枠により支持したことを特徴とする請求項1記載の多孔質フィルムを利用した水耕栽培装置。
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