JP2005020472A - 固体撮像素子の個体情報設定方法、及び固体撮像素子、撮像装置 - Google Patents
固体撮像素子の個体情報設定方法、及び固体撮像素子、撮像装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】撮像装置において、使用する固体撮像素子の個体情報の設定や再設定を容易かつ誤りなく行うことを可能とする。
【解決手段】固体撮像素子の受光面1aにおいて画像の生成に使用しない非有効画素領域Bにデータ領域Cを設定する。データ領域Cの所定の画素部分のマイクロレンズ12の表面に黒色の塗装皮膜13を選択的に予め形成し、塗装皮膜13を形成した画素を「0」、他の画素を「1」として、データ領域Cに、固体撮像素子に固有の個体情報をデジタル情報として記録する。所定の条件下で固体撮像素子を駆動し、その時出力される撮像信号からデータ領域Cの各画素の値を判定することにより個体情報を読み出し、それを所定のメモリに記録する。撮像装置に固体撮像素子を組み込んだ状態で個体情報の設定ができ、その際には固体撮像素子と個体情報とが不可分の関係を確保される。また設定される個体情報それ自体から人為的な誤りが排除できる。
【選択図】 図2
【解決手段】固体撮像素子の受光面1aにおいて画像の生成に使用しない非有効画素領域Bにデータ領域Cを設定する。データ領域Cの所定の画素部分のマイクロレンズ12の表面に黒色の塗装皮膜13を選択的に予め形成し、塗装皮膜13を形成した画素を「0」、他の画素を「1」として、データ領域Cに、固体撮像素子に固有の個体情報をデジタル情報として記録する。所定の条件下で固体撮像素子を駆動し、その時出力される撮像信号からデータ領域Cの各画素の値を判定することにより個体情報を読み出し、それを所定のメモリに記録する。撮像装置に固体撮像素子を組み込んだ状態で個体情報の設定ができ、その際には固体撮像素子と個体情報とが不可分の関係を確保される。また設定される個体情報それ自体から人為的な誤りが排除できる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタルカメラに用いて好適な固体撮像素子の個体情報設定方法、及び固体撮像素子、撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、デジタルカメラ等の撮像装置には撮像素子としてCCDが多く用いられている。撮像装置においてCCDを適正に機能させるためには各種の設定パラメータが必要である。そのため、デジタルカメラ等においては、上記設定パラメータを所定のメモリに予め記憶しておき、稼働時には、記憶されている設定パラメータを読み出し、それに基づきCCDの駆動や各種の信号処理を実施するのが一般的である(例えば、下記特許文献1参照。)。
【0003】
一方、前述した設定パラメータとしてはCCDの種類毎に共通する情報や、デバイス毎に固有の個体情報があり、個体情報としては、例えば傷欠陥やRGB毎の感度やサブストレート電圧(又はその調整データ)がある。サブストレート電圧は垂直転送CCDの飽和電圧であり、従来であれば、内部で平均的なDCバイアスを発生させることにより、個体毎に外部から調整電圧を与える必要がなかったものが、近時のように画素数が増加し、かつサイズが小型化して1画素の大きさが小さくなり、その電圧に余裕がなくなったために個別調整の必要が生じてきたものである。
【0004】
ところで、前記個体情報のうち傷欠陥やRGB毎の感度等はCCDを製品に組み込んだ状態であっても、比較的短時間(例えば傷欠陥では、数十秒〜1分程度)に、かつ容易に取得することが可能である。それに対し、サブストレート電圧は、製品に組み込む以前における単体の状態でなければ最適な値を取得することが難しく、かつその取得にはかなりの時間が必要である。係ることから、通常は、CCDの製造時にそのデバイス表面(一般に裏面側)にシリアルナンバーを予め印字するとともに、シリアルナンバー毎のサブストレート電圧のデータを、記録媒体に記録された状態で、あるいは文書の形態でデジタルカメラ等の製造工場に提供する一方、製造工場では、CCDを製品に組み込む際に、提供されたデータを1台毎に前述した所定のメモリに書込むことが行われている。
【0005】
【特許文献1】
特開2003−46871号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようにCCDの個体情報をデジタルカメラ等に記録し、それを使用する場合には、設定パラメータの記録時間や管理等にコストがかかるという問題があった。特に前述したサブストレート電圧にあっては、その記録時に入力ミスを起こす可能性があり、さらにCCDを組み込んだ基板や製品を再調整する際、それらを分解しなければシリアルナンバーの確認ができず、それが著しい。
【0007】
本発明は、かかる従来の課題に鑑みてなされたものであり、撮像装置において、それに使用する固体撮像素子の個体情報の設定や再設定を容易かつ誤りなく行うことができる固体撮像素子の個体情報設定方法、及び固体撮像素子、撮像装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために請求項1の発明にあっては、受光面に結像された光学像を電荷に変換し撮像信号として出力する固体撮像素子を備えた撮像装置に、前記固体撮像素子に固有の個体情報を設定する方法であって、前記固体撮像素子の受光面における画像の生成に使用されない非有効画素領域に、前記個体情報を撮像信号として出力可能に予め記録しておき、前記個体情報設定の設定に際し、前記固体撮像素子を駆動するとともに、固体撮像素子から出力される撮像信号に含まれる個体情報を取得し、取得した個体情報を撮像装置が有する所定の記録媒体に記録する方法とした。
【0009】
かかる方法においては、撮像装置に固体撮像素子が組み込まれた状態で、撮像装置への固有情報の設定を行うことができ、その際には、固体撮像素子と個体情報とが不可分の関係を確保され、かつ設定される個体情報それ自体から人為的な誤りが排除されることとなる。
【0010】
また、請求項2の発明にあっては、受光面に結像された光学像を電荷に変換し、撮像信号として出力する固体撮像素子において、前記受光面における画像の生成に使用されない非有効画素領域に、当該固体撮像素子に固有の個体情報を撮像信号として出力可能に記録したものとした。かかる構成からなる固体撮像素子を用いれば請求項1の発明が実施可能となる。
【0011】
また、請求項3の発明にあっては、前記個体情報を、複数の画素部分の受光機能を制限する、つまり受光機能を低下させたり無効としたりすることにより前記非有効画素領域に記録したものとした。
【0012】
また、請求項4の発明にあっては、前記複数の画素部分に遮光手段を設けることにより、前記複数の画素部分の受光機能を制限したものとした。
【0013】
また、請求項5の発明にあっては、前記複数の画素部分に対して受光機能を喪失させる処理を施すことにより、前記複数の画素部分の受光機能を制限したものとした。
【0014】
また、請求項6の発明にあっては、前記個体情報を、誤り訂正が可能なデータ構造で前記非有効画素領域に記録したものとした。
【0015】
かかる構成においては、個体情報を構成する非有効画素領域に傷欠陥が存在する場合においても、常に正確な個体情報を提供することが可能となる。
【0016】
また、請求項7の発明にあっては、受光面に結像された光学像を電荷に変換し撮像信号として出力する固体撮像素子を備えた撮像装置において、前記固体撮像素子に固有の個体情報が記録される記録手段と、前記固体撮像素子を駆動するとともに、固体撮像素子から出力される撮像信号に含まれる個体情報を取得する個体情報取得手段と、この個体情報取得手段により取得された個体情報を前記記録手段に記録させる制御手段とを備えたものとした。かかる構成からなる撮像装置によれば請求項1の発明が実施可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図にしたがって説明する。図1は、本発明に係るデジタルカメラの要部を示す概略ブロック図である。
【0018】
デジタルカメラは固体撮像素子であるCCD1を備えており、CCD1の受光面には、図示しない光学系により被写体の光学像が結像される。CCD1は、TG(Timing Generator)2により駆動され、各画素の蓄積電荷レベルに応じた撮像信号をアナログ処理部3に出力する。アナログ処理部3は、AGC(Auto Gain Control)アンプ、CDS(Correlated Double Sampling)回路、ADコンバータを含み、入力した撮像信号のゲインを調整するととともに、TG2からのタイミングに同期した信号を用いて入力した撮像信号のサンプリングを行い、所定のビット数でデジタルデータ化して撮像データとしてCPU4へ出力する。
【0019】
CPU4は、内蔵メモリ5に記録されている各種の制御プログラムに基づき、上記画像データの圧縮を含む装置全体の制御を行う。CPU4へ送られた撮像データは、その後、各種の信号処理を施されてRGBの色毎の画像データに変換される。変換された画像データは、さらにビデオ信号に変換されて図外のモニタによってスルー画像として表示されたり、撮影操作に応じてJPEG等の所定フォーマットに従い圧縮されて図外の画像記録用のメモリに記録される。
【0020】
また、上記内蔵メモリ5は、必要に応じた記録データの書き込み、及び書き込まれたデータの保持が可能なフラッシュメモリ等であって、内蔵メモリ5には、前述した制御プログラムとともに、撮像時におけるAE(自動露出制御)、AWB(オートホワイトバランス)等の動作に使用されるデータ、及びCCD1を適正に機能させるための設定パラメータが含まれている。CCD1の設定パラメータは、従来技術で説明したように、CCD1の種類に応じた情報やCCD1に固有の個体情報であり、係る設定パラメータに基づきCPU4はCCD1の駆動を制御する。その際、CPU4は、上記設定パラメータとして記録されているサブストレート電圧の設定情報に基づきDAコンバータ6を制御し、図外の電源回路からCCD1へ供給するサブストレート電圧を最適な値とする。なお、DAコンバータ6とCCD1との間にはインピーダンス調整用のバッファ7が設けられている。また、本実施の形態において上記設定情報はサブストレート電圧の電圧値とするが、所定の基準電圧との差等の他の情報であってもよい。
【0021】
一方、前記CCD1は図2に示した構成を備えている。同図(a)はCCD1の受光面1aの画素領域を示す模式図、同図(b)はCCD1の感光部の構造を示す模式断面図である。CCD1の受光面1aは、その全画素領域が有効画素領域Aと非有効画素領域Bとから構成されている。有効画素領域Aは、各画素部分に配置されたフォトダイオード11(同図(b)参照)の光電変換によって出力された撮像信号が画像データに変換され、撮像した画像の生成に使用される領域である。これと異なり非有効画素領域Bは、その部分に配置された図示しないフォトダイオード11の光電変換により出力された撮像信号が、最終的には撮像した画像の生成に使用されない領域である。なお、係る構成については従来の一般的なCCDにおいても同様であるとともに、通常、非有効画素領域Bには有効画素領域Aに接して遮光領域Dが存在している。
【0022】
また、本実施の形態のCCD1にあっては、前記遮光領域Dを除く非有効画素領域Bに前述したサブストレート電圧の設定情報が、以下の方式により記録されている。すなわち、非有効画素領域Bに所定の画素数分のデータ領域Cを設定し、その内の複数画素部分に、図2(b)に示したように、フォトダイオード11を覆っている集光用のマイクロレンズ12の表面に黒色の塗装皮膜13を選択的に形成して、所定の画素部分の受光機能を無効とする。そして、その画素部分を「0」、それ以外のデータ領域Cの画素部分を「1」として認識させることにより(詳細については後述する。)、複数の画素部分によって、前記設定情報に応じた所定のビット長(例えば4ビット乃至8ビット)のデジタル情報を構成させるといったものである。なお、前記設定情報の記録、つまり前記塗装皮膜13の形成は、CCD1の製造時に例えばウェハーの状態で行ったものである。
【0023】
そして、以上の構成からなるデジタルカメラにおいては、前述した方式でCCD1に記録されているサブストレート電圧の設定情報(CPU4がCCD1の駆動制御に直接使用する設定パラメータ)が、その製造過程でCCD1が製品に組み込まれた状態で、以下の初期設定作業が行われることにより内蔵メモリ5に記録されている。
【0024】
図3は、その手順を示したフローチャートであって、作業者は、まず図4に示したように、一様の明るさを有する被写体を提供するための被写部102aを備えた輝度箱102を準備し、製品(デジタルカメラ)101の撮影レンズ101aを前記被写部102aに向けて配置した状態で、工場内での初期設定用として製品101に用意されている隠しモードを設定する(ステップS1)。するとCPU4が、先ず前記サブストレート電圧をCCD1の種類に応じた基準電圧に制御しながらCCD1を駆動し(ステップS2)、CCD1から出力された全画素領域(有効画素領域Aと非有効画素領域B)の撮像信号に基づく画像データを取得する(ステップS3)。つまり、製品として通常取得する画像データが、例えば横1,600ドット×縦1,200画素等の画像サイズ(最大サイズ)のデータである場合には、それ以上の画像サイズ(横1,600+n画素×縦1,200+n画素)の画像データを取得する。次に、その画像データから前述したデータ領域C以外で、かつ遮光領域Dを除いた領域の画素の電圧(輝度情報)の平均値を計算した後(ステップS4)、データ領域Cの全画素について、その電圧を計算した平均値と比較し、その電圧が計算した平均値と同等の電圧であれば「1」、平均値よりも所定幅を超えるような低い電圧であれば「0」と判定し(ステップS5)、データ領域Cの全画素の判定結果からなるデジタル情報、つまりCCD1の個体情報として与えられているサブストレート電圧の情報に基づき、前述した設定パラメータとしてのサブストレート電圧の設定情報(本実施の形態では設定電圧)を生成する(ステップS6)。そして、生成した設定情報を内蔵メモリ5に記録させる(ステップS7)。
【0025】
以上のように本実施の形態においては、デジタルカメラの製造に際して、CCD1に固有のサブストレート電圧を設定(記録)するとき、その設定データがCCD1と不可分の関係を確保され、かつ設定データから人為的な誤りを確実に排除することができる。よって、サブストレート電圧の設定を容易かつ誤りなく行うことができる。しかも製品出荷前の最終テストで、撮像系等に何らかの不具合が生じ、上記サブストレート電圧を再設定する必要が生じた場合においても、その再設定作業を容易かつ誤りなく行うことができる。
【0026】
なお、上記説明では、CCD1からサブストレート電圧の設定情報を読み出し、それを内蔵メモリ5に記録する時期を、製品の組み立てが終了した時点である場合について説明したが、内蔵メモリ5に設定情報を記録させる時期は、CPU4が前述した設定処理を実行可能な状態であればいつの時点でも構わない。
【0027】
また、CCD1からサブストレート電圧の設定情報を読み出す際、CCD1に、輝度箱102を用いて一様の明るさを有する被写体を撮像させる場合について説明したが、CCD1の出力信号(撮像信号)に基づき、それに記録されている設定情報(デジタル情報)が認識可能であれば、他の被写体を撮像させるようにしてもよい。
【0028】
また、本実施の形態においては、CCD1にサブストレート電圧の設定情報のみを記録する場合について説明したが、これに止まらずCCD1に固有の他の個体情報、例えば傷欠陥やRGB毎の感度等の情報についても、サブストレート電圧と同様の方式でCCD1に記録し、かつ同様の方法で内蔵メモリ5に記録(デジタルカメラに設定)するようにしてもよい。
【0029】
また、本実施の形態では、CCD1におけるサブストレート電圧の記録構造として、前述したデータ領域C内の所定の画素部分の受光機能を無効としたものについて説明したが、CCD1から出力される撮像信号に基づき所定の画素部分とそれ以外の画素部分とが識別可能であれば、所定の画素部分の受光機能を完全に無効とせず、ある程度の受光機能を残すようにしてもかまわない。つまりCCD1における記録時点では、サブストレート電圧の設定情報を「0」と「1」とからなる完全なデジタル情報とせずともよく、それをCCD1の出力信号(撮像信号)から読み取った時点でデジタル情報として認識させるようにしてもよい。さらには、例えば「0」と「1」と以外の値「1.5」等の表現を可能とするよう、所定の画素部分の受光機能を3段階等の他段階に制限して、3値以上のデータによる情報記録を行うようにしてもよい。
【0030】
また、受光機能を無効とするため、所定の画素部分のマイクロレンズ12の表面に塗装皮膜13を形成したが、塗装皮膜13の材質及び塗装方法はマイクロレンズ12の材質に応じて適宜選択可能である。また、塗装以外の方法によって、例えばマイクロレンズ12の表面又は裏面に遮光皮膜を形成し、それにより所定の画素部分の受光機能を制限するようにしてもよい。また、受光機能を無効とする方法については、前述した遮光領域Dの遮光方法と同一としてもよい。さらに、他の実施の形態としては、例えばCCD1の製造後や製造過程で、所定の画素部分のフォトダイオード11にレーザー光線を照射し、その熱でフォトダイオード11を破壊するといったように、所定の画素部分について素子それ自体の受光機能を喪失させる処理を施すことが考えられる。
【0031】
また、本実施の形態では、データ領域C内の所定の画素の各々に、デジタル情報の「0」又は「1」を表現させるようにしたが、現在CCD1においては、いずれかの画素に傷欠陥が不可避的に存在しており、それがデータ領域C内の所定の画素に存在する場合も予想される。したがって、データ領域CにCCD1の固有情報を記録する際には、その記録データに何らかの誤り訂正が可能なデータ構造を採用することが望ましい。
【0032】
誤り訂正が可能なデータ構造としては、例えば3×3画素の複数画素を1ブロックとし、ブロック単位で「0」又は「1」を表現させるものがある。その場合、記録されている設定情報を撮像信号から読み取る際には、各ブロックの値(「0」又は「1」)を9画素の値(電圧)を平均化した値から判定したり、9画素について個別に値(「0」又は「1」)をいったん判定し、その判定結果の多数決を採り、その結果を各ブロックの値としたりすることにより、データ領域Cにおける傷欠陥の存在に起因するデータ不良をなくすことができる。
【0033】
また、上記とは別に、データ領域C内の3以上の奇数ヶ所に設定情報を記録しておく、つまり設定情報の記録に冗長性を持たせたデータ構造としてもよい。その場合には、それら複数の設定情報の読み取り結果について多数決を行い、それにより採用する設定情報を決定するようにすれば、データ領域Cにおける傷欠陥の存在に起因するデータ不良をなくすことができる。
【0034】
また、本実施の形態では、本発明をデジタルカメラに採用した場合について説明したが、本発明はデジタルカメラ以外にも、デジタルビデオカメラ、携帯電話やPDAに内蔵又は外付けされるカメラユニット等の他の撮像装置にも採用することができる。また、本発明をCCDに採用した場合について説明したが、これに限らず、本発明は、撮像した画像の生成に使用されない非有効画素領域を有するものであれば、MOS型等の他の固体撮像素子にも採用することができる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の固体撮像素子の個体情報設定方法によれば、撮像装置に固体撮像素子が組み込まれた状態で、撮像装置への固有情報の設定が行うことができ、その際には、固体撮像素子と個体情報とが不可分の関係を確保され、かつ設定される個体情報それ自体から人為的な誤りが排除されるようにした。よって、撮像装置において、それに使用する固体撮像素子の個体情報の設定や再設定を容易かつ誤りなく行うことが可能となる。
【0036】
また、本発明の固体撮像素子及び撮像装置においては、それを用いることにより上記方法を実施することが可能となる。特に、請求項6の固体撮像素子では、個体情報を構成する非有効画素領域に傷欠陥が存在する場合においても、常に正確な個体情報を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示すデジタルカメラの要部を示す概略ブロック図である。
【図2】同デジタルカメラが有するCCDの構造を示す図であって、(a)は受光面の画素領域を示す模式図、(b)は感光部の模式断面図である。
【図3】同デジタルカメラにおける工場内での初期設定作業の手順を示すフローチャートである。
【図4】同初期設定作業の作業形態を示す図である。
【符号の説明】
1 CCD
1a 受光面
2 TG
3 アナログ処理部
4 CPU
5 内蔵メモリ
6 DAコンバータ
7 バッファ
11 フォトダイオード
12 マイクロレンズ
13 塗装皮膜
101 製品
102 輝度箱
A 有効画素領域
B 非有効画素領域
C データ領域
D 遮光領域
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタルカメラに用いて好適な固体撮像素子の個体情報設定方法、及び固体撮像素子、撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、デジタルカメラ等の撮像装置には撮像素子としてCCDが多く用いられている。撮像装置においてCCDを適正に機能させるためには各種の設定パラメータが必要である。そのため、デジタルカメラ等においては、上記設定パラメータを所定のメモリに予め記憶しておき、稼働時には、記憶されている設定パラメータを読み出し、それに基づきCCDの駆動や各種の信号処理を実施するのが一般的である(例えば、下記特許文献1参照。)。
【0003】
一方、前述した設定パラメータとしてはCCDの種類毎に共通する情報や、デバイス毎に固有の個体情報があり、個体情報としては、例えば傷欠陥やRGB毎の感度やサブストレート電圧(又はその調整データ)がある。サブストレート電圧は垂直転送CCDの飽和電圧であり、従来であれば、内部で平均的なDCバイアスを発生させることにより、個体毎に外部から調整電圧を与える必要がなかったものが、近時のように画素数が増加し、かつサイズが小型化して1画素の大きさが小さくなり、その電圧に余裕がなくなったために個別調整の必要が生じてきたものである。
【0004】
ところで、前記個体情報のうち傷欠陥やRGB毎の感度等はCCDを製品に組み込んだ状態であっても、比較的短時間(例えば傷欠陥では、数十秒〜1分程度)に、かつ容易に取得することが可能である。それに対し、サブストレート電圧は、製品に組み込む以前における単体の状態でなければ最適な値を取得することが難しく、かつその取得にはかなりの時間が必要である。係ることから、通常は、CCDの製造時にそのデバイス表面(一般に裏面側)にシリアルナンバーを予め印字するとともに、シリアルナンバー毎のサブストレート電圧のデータを、記録媒体に記録された状態で、あるいは文書の形態でデジタルカメラ等の製造工場に提供する一方、製造工場では、CCDを製品に組み込む際に、提供されたデータを1台毎に前述した所定のメモリに書込むことが行われている。
【0005】
【特許文献1】
特開2003−46871号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようにCCDの個体情報をデジタルカメラ等に記録し、それを使用する場合には、設定パラメータの記録時間や管理等にコストがかかるという問題があった。特に前述したサブストレート電圧にあっては、その記録時に入力ミスを起こす可能性があり、さらにCCDを組み込んだ基板や製品を再調整する際、それらを分解しなければシリアルナンバーの確認ができず、それが著しい。
【0007】
本発明は、かかる従来の課題に鑑みてなされたものであり、撮像装置において、それに使用する固体撮像素子の個体情報の設定や再設定を容易かつ誤りなく行うことができる固体撮像素子の個体情報設定方法、及び固体撮像素子、撮像装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために請求項1の発明にあっては、受光面に結像された光学像を電荷に変換し撮像信号として出力する固体撮像素子を備えた撮像装置に、前記固体撮像素子に固有の個体情報を設定する方法であって、前記固体撮像素子の受光面における画像の生成に使用されない非有効画素領域に、前記個体情報を撮像信号として出力可能に予め記録しておき、前記個体情報設定の設定に際し、前記固体撮像素子を駆動するとともに、固体撮像素子から出力される撮像信号に含まれる個体情報を取得し、取得した個体情報を撮像装置が有する所定の記録媒体に記録する方法とした。
【0009】
かかる方法においては、撮像装置に固体撮像素子が組み込まれた状態で、撮像装置への固有情報の設定を行うことができ、その際には、固体撮像素子と個体情報とが不可分の関係を確保され、かつ設定される個体情報それ自体から人為的な誤りが排除されることとなる。
【0010】
また、請求項2の発明にあっては、受光面に結像された光学像を電荷に変換し、撮像信号として出力する固体撮像素子において、前記受光面における画像の生成に使用されない非有効画素領域に、当該固体撮像素子に固有の個体情報を撮像信号として出力可能に記録したものとした。かかる構成からなる固体撮像素子を用いれば請求項1の発明が実施可能となる。
【0011】
また、請求項3の発明にあっては、前記個体情報を、複数の画素部分の受光機能を制限する、つまり受光機能を低下させたり無効としたりすることにより前記非有効画素領域に記録したものとした。
【0012】
また、請求項4の発明にあっては、前記複数の画素部分に遮光手段を設けることにより、前記複数の画素部分の受光機能を制限したものとした。
【0013】
また、請求項5の発明にあっては、前記複数の画素部分に対して受光機能を喪失させる処理を施すことにより、前記複数の画素部分の受光機能を制限したものとした。
【0014】
また、請求項6の発明にあっては、前記個体情報を、誤り訂正が可能なデータ構造で前記非有効画素領域に記録したものとした。
【0015】
かかる構成においては、個体情報を構成する非有効画素領域に傷欠陥が存在する場合においても、常に正確な個体情報を提供することが可能となる。
【0016】
また、請求項7の発明にあっては、受光面に結像された光学像を電荷に変換し撮像信号として出力する固体撮像素子を備えた撮像装置において、前記固体撮像素子に固有の個体情報が記録される記録手段と、前記固体撮像素子を駆動するとともに、固体撮像素子から出力される撮像信号に含まれる個体情報を取得する個体情報取得手段と、この個体情報取得手段により取得された個体情報を前記記録手段に記録させる制御手段とを備えたものとした。かかる構成からなる撮像装置によれば請求項1の発明が実施可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図にしたがって説明する。図1は、本発明に係るデジタルカメラの要部を示す概略ブロック図である。
【0018】
デジタルカメラは固体撮像素子であるCCD1を備えており、CCD1の受光面には、図示しない光学系により被写体の光学像が結像される。CCD1は、TG(Timing Generator)2により駆動され、各画素の蓄積電荷レベルに応じた撮像信号をアナログ処理部3に出力する。アナログ処理部3は、AGC(Auto Gain Control)アンプ、CDS(Correlated Double Sampling)回路、ADコンバータを含み、入力した撮像信号のゲインを調整するととともに、TG2からのタイミングに同期した信号を用いて入力した撮像信号のサンプリングを行い、所定のビット数でデジタルデータ化して撮像データとしてCPU4へ出力する。
【0019】
CPU4は、内蔵メモリ5に記録されている各種の制御プログラムに基づき、上記画像データの圧縮を含む装置全体の制御を行う。CPU4へ送られた撮像データは、その後、各種の信号処理を施されてRGBの色毎の画像データに変換される。変換された画像データは、さらにビデオ信号に変換されて図外のモニタによってスルー画像として表示されたり、撮影操作に応じてJPEG等の所定フォーマットに従い圧縮されて図外の画像記録用のメモリに記録される。
【0020】
また、上記内蔵メモリ5は、必要に応じた記録データの書き込み、及び書き込まれたデータの保持が可能なフラッシュメモリ等であって、内蔵メモリ5には、前述した制御プログラムとともに、撮像時におけるAE(自動露出制御)、AWB(オートホワイトバランス)等の動作に使用されるデータ、及びCCD1を適正に機能させるための設定パラメータが含まれている。CCD1の設定パラメータは、従来技術で説明したように、CCD1の種類に応じた情報やCCD1に固有の個体情報であり、係る設定パラメータに基づきCPU4はCCD1の駆動を制御する。その際、CPU4は、上記設定パラメータとして記録されているサブストレート電圧の設定情報に基づきDAコンバータ6を制御し、図外の電源回路からCCD1へ供給するサブストレート電圧を最適な値とする。なお、DAコンバータ6とCCD1との間にはインピーダンス調整用のバッファ7が設けられている。また、本実施の形態において上記設定情報はサブストレート電圧の電圧値とするが、所定の基準電圧との差等の他の情報であってもよい。
【0021】
一方、前記CCD1は図2に示した構成を備えている。同図(a)はCCD1の受光面1aの画素領域を示す模式図、同図(b)はCCD1の感光部の構造を示す模式断面図である。CCD1の受光面1aは、その全画素領域が有効画素領域Aと非有効画素領域Bとから構成されている。有効画素領域Aは、各画素部分に配置されたフォトダイオード11(同図(b)参照)の光電変換によって出力された撮像信号が画像データに変換され、撮像した画像の生成に使用される領域である。これと異なり非有効画素領域Bは、その部分に配置された図示しないフォトダイオード11の光電変換により出力された撮像信号が、最終的には撮像した画像の生成に使用されない領域である。なお、係る構成については従来の一般的なCCDにおいても同様であるとともに、通常、非有効画素領域Bには有効画素領域Aに接して遮光領域Dが存在している。
【0022】
また、本実施の形態のCCD1にあっては、前記遮光領域Dを除く非有効画素領域Bに前述したサブストレート電圧の設定情報が、以下の方式により記録されている。すなわち、非有効画素領域Bに所定の画素数分のデータ領域Cを設定し、その内の複数画素部分に、図2(b)に示したように、フォトダイオード11を覆っている集光用のマイクロレンズ12の表面に黒色の塗装皮膜13を選択的に形成して、所定の画素部分の受光機能を無効とする。そして、その画素部分を「0」、それ以外のデータ領域Cの画素部分を「1」として認識させることにより(詳細については後述する。)、複数の画素部分によって、前記設定情報に応じた所定のビット長(例えば4ビット乃至8ビット)のデジタル情報を構成させるといったものである。なお、前記設定情報の記録、つまり前記塗装皮膜13の形成は、CCD1の製造時に例えばウェハーの状態で行ったものである。
【0023】
そして、以上の構成からなるデジタルカメラにおいては、前述した方式でCCD1に記録されているサブストレート電圧の設定情報(CPU4がCCD1の駆動制御に直接使用する設定パラメータ)が、その製造過程でCCD1が製品に組み込まれた状態で、以下の初期設定作業が行われることにより内蔵メモリ5に記録されている。
【0024】
図3は、その手順を示したフローチャートであって、作業者は、まず図4に示したように、一様の明るさを有する被写体を提供するための被写部102aを備えた輝度箱102を準備し、製品(デジタルカメラ)101の撮影レンズ101aを前記被写部102aに向けて配置した状態で、工場内での初期設定用として製品101に用意されている隠しモードを設定する(ステップS1)。するとCPU4が、先ず前記サブストレート電圧をCCD1の種類に応じた基準電圧に制御しながらCCD1を駆動し(ステップS2)、CCD1から出力された全画素領域(有効画素領域Aと非有効画素領域B)の撮像信号に基づく画像データを取得する(ステップS3)。つまり、製品として通常取得する画像データが、例えば横1,600ドット×縦1,200画素等の画像サイズ(最大サイズ)のデータである場合には、それ以上の画像サイズ(横1,600+n画素×縦1,200+n画素)の画像データを取得する。次に、その画像データから前述したデータ領域C以外で、かつ遮光領域Dを除いた領域の画素の電圧(輝度情報)の平均値を計算した後(ステップS4)、データ領域Cの全画素について、その電圧を計算した平均値と比較し、その電圧が計算した平均値と同等の電圧であれば「1」、平均値よりも所定幅を超えるような低い電圧であれば「0」と判定し(ステップS5)、データ領域Cの全画素の判定結果からなるデジタル情報、つまりCCD1の個体情報として与えられているサブストレート電圧の情報に基づき、前述した設定パラメータとしてのサブストレート電圧の設定情報(本実施の形態では設定電圧)を生成する(ステップS6)。そして、生成した設定情報を内蔵メモリ5に記録させる(ステップS7)。
【0025】
以上のように本実施の形態においては、デジタルカメラの製造に際して、CCD1に固有のサブストレート電圧を設定(記録)するとき、その設定データがCCD1と不可分の関係を確保され、かつ設定データから人為的な誤りを確実に排除することができる。よって、サブストレート電圧の設定を容易かつ誤りなく行うことができる。しかも製品出荷前の最終テストで、撮像系等に何らかの不具合が生じ、上記サブストレート電圧を再設定する必要が生じた場合においても、その再設定作業を容易かつ誤りなく行うことができる。
【0026】
なお、上記説明では、CCD1からサブストレート電圧の設定情報を読み出し、それを内蔵メモリ5に記録する時期を、製品の組み立てが終了した時点である場合について説明したが、内蔵メモリ5に設定情報を記録させる時期は、CPU4が前述した設定処理を実行可能な状態であればいつの時点でも構わない。
【0027】
また、CCD1からサブストレート電圧の設定情報を読み出す際、CCD1に、輝度箱102を用いて一様の明るさを有する被写体を撮像させる場合について説明したが、CCD1の出力信号(撮像信号)に基づき、それに記録されている設定情報(デジタル情報)が認識可能であれば、他の被写体を撮像させるようにしてもよい。
【0028】
また、本実施の形態においては、CCD1にサブストレート電圧の設定情報のみを記録する場合について説明したが、これに止まらずCCD1に固有の他の個体情報、例えば傷欠陥やRGB毎の感度等の情報についても、サブストレート電圧と同様の方式でCCD1に記録し、かつ同様の方法で内蔵メモリ5に記録(デジタルカメラに設定)するようにしてもよい。
【0029】
また、本実施の形態では、CCD1におけるサブストレート電圧の記録構造として、前述したデータ領域C内の所定の画素部分の受光機能を無効としたものについて説明したが、CCD1から出力される撮像信号に基づき所定の画素部分とそれ以外の画素部分とが識別可能であれば、所定の画素部分の受光機能を完全に無効とせず、ある程度の受光機能を残すようにしてもかまわない。つまりCCD1における記録時点では、サブストレート電圧の設定情報を「0」と「1」とからなる完全なデジタル情報とせずともよく、それをCCD1の出力信号(撮像信号)から読み取った時点でデジタル情報として認識させるようにしてもよい。さらには、例えば「0」と「1」と以外の値「1.5」等の表現を可能とするよう、所定の画素部分の受光機能を3段階等の他段階に制限して、3値以上のデータによる情報記録を行うようにしてもよい。
【0030】
また、受光機能を無効とするため、所定の画素部分のマイクロレンズ12の表面に塗装皮膜13を形成したが、塗装皮膜13の材質及び塗装方法はマイクロレンズ12の材質に応じて適宜選択可能である。また、塗装以外の方法によって、例えばマイクロレンズ12の表面又は裏面に遮光皮膜を形成し、それにより所定の画素部分の受光機能を制限するようにしてもよい。また、受光機能を無効とする方法については、前述した遮光領域Dの遮光方法と同一としてもよい。さらに、他の実施の形態としては、例えばCCD1の製造後や製造過程で、所定の画素部分のフォトダイオード11にレーザー光線を照射し、その熱でフォトダイオード11を破壊するといったように、所定の画素部分について素子それ自体の受光機能を喪失させる処理を施すことが考えられる。
【0031】
また、本実施の形態では、データ領域C内の所定の画素の各々に、デジタル情報の「0」又は「1」を表現させるようにしたが、現在CCD1においては、いずれかの画素に傷欠陥が不可避的に存在しており、それがデータ領域C内の所定の画素に存在する場合も予想される。したがって、データ領域CにCCD1の固有情報を記録する際には、その記録データに何らかの誤り訂正が可能なデータ構造を採用することが望ましい。
【0032】
誤り訂正が可能なデータ構造としては、例えば3×3画素の複数画素を1ブロックとし、ブロック単位で「0」又は「1」を表現させるものがある。その場合、記録されている設定情報を撮像信号から読み取る際には、各ブロックの値(「0」又は「1」)を9画素の値(電圧)を平均化した値から判定したり、9画素について個別に値(「0」又は「1」)をいったん判定し、その判定結果の多数決を採り、その結果を各ブロックの値としたりすることにより、データ領域Cにおける傷欠陥の存在に起因するデータ不良をなくすことができる。
【0033】
また、上記とは別に、データ領域C内の3以上の奇数ヶ所に設定情報を記録しておく、つまり設定情報の記録に冗長性を持たせたデータ構造としてもよい。その場合には、それら複数の設定情報の読み取り結果について多数決を行い、それにより採用する設定情報を決定するようにすれば、データ領域Cにおける傷欠陥の存在に起因するデータ不良をなくすことができる。
【0034】
また、本実施の形態では、本発明をデジタルカメラに採用した場合について説明したが、本発明はデジタルカメラ以外にも、デジタルビデオカメラ、携帯電話やPDAに内蔵又は外付けされるカメラユニット等の他の撮像装置にも採用することができる。また、本発明をCCDに採用した場合について説明したが、これに限らず、本発明は、撮像した画像の生成に使用されない非有効画素領域を有するものであれば、MOS型等の他の固体撮像素子にも採用することができる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の固体撮像素子の個体情報設定方法によれば、撮像装置に固体撮像素子が組み込まれた状態で、撮像装置への固有情報の設定が行うことができ、その際には、固体撮像素子と個体情報とが不可分の関係を確保され、かつ設定される個体情報それ自体から人為的な誤りが排除されるようにした。よって、撮像装置において、それに使用する固体撮像素子の個体情報の設定や再設定を容易かつ誤りなく行うことが可能となる。
【0036】
また、本発明の固体撮像素子及び撮像装置においては、それを用いることにより上記方法を実施することが可能となる。特に、請求項6の固体撮像素子では、個体情報を構成する非有効画素領域に傷欠陥が存在する場合においても、常に正確な個体情報を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示すデジタルカメラの要部を示す概略ブロック図である。
【図2】同デジタルカメラが有するCCDの構造を示す図であって、(a)は受光面の画素領域を示す模式図、(b)は感光部の模式断面図である。
【図3】同デジタルカメラにおける工場内での初期設定作業の手順を示すフローチャートである。
【図4】同初期設定作業の作業形態を示す図である。
【符号の説明】
1 CCD
1a 受光面
2 TG
3 アナログ処理部
4 CPU
5 内蔵メモリ
6 DAコンバータ
7 バッファ
11 フォトダイオード
12 マイクロレンズ
13 塗装皮膜
101 製品
102 輝度箱
A 有効画素領域
B 非有効画素領域
C データ領域
D 遮光領域
Claims (7)
- 受光面に結像された光学像を電荷に変換し画像信号として出力する固体撮像素子を備えた撮像装置に、前記固体撮像素子に固有の個体情報を設定する方法であって、
前記固体撮像素子の受光面における画像の生成に使用されない非有効画素領域に、前記個体情報を撮像信号として出力可能に予め記録しておき、前記個体情報設定の設定に際し、前記固体撮像素子を駆動するとともに、固体撮像素子から出力される撮像信号に含まれる個体情報を取得し、取得した個体情報を撮像装置が有する所定の記録媒体に記録することを特徴とする固体撮像素子の個体情報設定方法。 - 受光面に結像された光学像を電荷に変換し、撮像信号として出力する固体撮像素子において、
前記受光面における画像の生成に使用されない非有効画素領域に、当該固体撮像素子に固有の個体情報を撮像信号として出力可能に記録したことを特徴とする固体撮像素子。 - 前記個体情報を、複数の画素部分の受光機能を制限することにより前記非有効画素領域に記録したことを特徴とする請求項2記載の固体撮像素子。
- 前記複数の画素部分に遮光手段を設けることにより、前記複数の画素部分の受光機能を制限したことを特徴とする請求項3記載の固体撮像素子。
- 前記複数の画素部分に対して受光機能を喪失させる処理を施すことにより、前記複数の画素部分の受光機能を制限したことを特徴とする請求項3記載の固体撮像素子。
- 前記個体情報を、誤り訂正が可能なデータ構造で前記非有効画素領域に記録したことを特徴とする請求項3,4又は5記載の固体撮像素子。
- 受光面に結像された光学像を電荷に変換し撮像信号として出力する固体撮像素子を備えた撮像装置において、
前記固体撮像素子に固有の個体情報が記録される記録手段と、
前記固体撮像素子を駆動するとともに、固体撮像素子から出力される撮像信号に含まれる個体情報を取得する個体情報取得手段と、
この個体情報取得手段により取得された個体情報を前記記録手段に記録させる制御手段と
を備えたことを特徴とする撮像装置。
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