JP2005020053A - 受信位置推定システム、受信機およびサーバー装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】放送側と受信側との双方にとって有効に情報を収集して活用することができるようにする装置、システムを提供する。
【解決手段】受信機3において、受信、選局した放送信号から、これに多重化されている送信局識別情報、送信時刻情報を抽出する。また、受信電界強度などの選局された放送信号の受信状態を示す情報を検出する。抽出した送信局識別情報、送信時刻情報と、検出した受信状態を示す情報とをメモリーに蓄積し、これを所定の通信ネットワーク5を通じてサーバー装置13に送信する。サーバー装置13は、受信機3側からの情報を受信し、受信した情報と、予め用意される送信局識別情報と送信局の送信出力情報とを含む情報とに基づいて、情報を送信してきた受信機3の受信位置を推定する。
【選択図】 図1
【解決手段】受信機3において、受信、選局した放送信号から、これに多重化されている送信局識別情報、送信時刻情報を抽出する。また、受信電界強度などの選局された放送信号の受信状態を示す情報を検出する。抽出した送信局識別情報、送信時刻情報と、検出した受信状態を示す情報とをメモリーに蓄積し、これを所定の通信ネットワーク5を通じてサーバー装置13に送信する。サーバー装置13は、受信機3側からの情報を受信し、受信した情報と、予め用意される送信局識別情報と送信局の送信出力情報とを含む情報とに基づいて、情報を送信してきた受信機3の受信位置を推定する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、DAB(Digital Audio Broadcasting)などのデジタルラジオ放送やFM多重データ放送(RDS:Radio Data System)などの付加情報が多重化された放送信号を受信して利用するための装置、その装置を用いて構成するシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
テレビ放送番組の視聴率調査は、例えば、予め選定した数百世帯の視聴者のテレビ受信機を対象にし、所定の時間間隔毎に、選局された放送チャンネルの番号と選局された時点の時間情報とを取得し、これを視聴データとして、当該テレビ受信機に取り付けられた記憶機能を備えた視聴データ収集装置に記憶する。この視聴データ収集装置は、例えば、電話回線ネットワーク等の通信ネットワークを介して、放送事業者側の集計センターの集計装置との間で通信回線を接続することができるようにされている。
【0003】
放送事業者側の集計センターは、所定のタイミングで個々の視聴データ収集装置との間に通信回線を接続し、視聴データの転送要求を送出して、個々の視聴データ収集装置から視聴データを収集する。そして、収集した各視聴データ収集装置からの視聴率データを集計することにより、各テレビ放送番組の平均視聴率や瞬間視聴率などの情報を得ることができるようにされている。
【0004】
また、近年においては、視聴データを取得する際にユーザーが実際に番組をみているか否かを確認できるようにする技術(特開2000−32500号公報)が提案されている。この技術を用いることにより、実際には誰も視聴していないのに、テレビ受信機の電源が投入されているために、視聴事実としてカウントされた場合と、実際に誰かが視聴している場合を視聴事実としてカウントした場合とを区別し、視聴率を視聴実態に即して把握することができるようにされる。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−32500号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、テレビ受信機やラジオ受信機の小型化、軽量化は年々進んでおり、小型化、軽量化された携帯用のテレビ受信機やラジオ受信機が提供され、これらを持ち運んで、外出先などにおいて、テレビ放送やラジオ放送を利用することが行われている。また、従来からほとんどの自動車にはラジオ受信機が搭載されており、移動しながらラジオ放送番組を聴取することは普通に行われている。
【0007】
このように、テレビ受信機やラジオ受信機が持ち運ばれて(移動しながら)利用される場合が多いことを考慮すると、放送番組が視聴あるいは聴取するようにされた位置(どこで番組が利用されたか)を把握することが重要になってくる。しかし、放送信号の受信機にGPS(Global Positioning System)などの測位装置を搭載することは大きなコストアップにつながるし、また、更なる小型化、軽量化を阻害することにもなりかねない。
【0008】
このため、放送信号の受信機の製造コストをアップさせたり、小型化や軽量化を阻害したりすること無く、できるだけ簡単に、放送番組の視聴位置あるいは聴取位置となる放送信号の受信位置を把握できるようにし、受信位置をも考慮した詳細な視聴率調査を行って、これを有効に活用したいとする要求がある。
【0009】
一方、放送信号の受信機のユーザーからすると、自動車に搭載されたラジオ受信機や携帯受信機を用いて放送番組を利用した場合に、どこで放送番組を利用しているのか、あるいは、どこで放送番組を利用したのかを知ることができれば、現在位置の確認や自分の移動経路を確認することができるなど便利である。
【0010】
以上のことにかんがみ、この発明は、放送側と受信側との双方にとって有効に情報を収集して活用することができるようにする装置、システムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の受信位置推定システムは、放送信号の受信機と、通信ネットワークに接続するようにされたサーバー装置とからなり、
前記受信機は、
少なくとも放送信号を送信している送信局を特定するための送信局識別情報と放送時刻情報とが多重化された放送信号を受信し、選局する選局手段と、
前記選局手段により選局された前記放送信号に多重化されている前記送信局識別情報と前記放送時刻情報とを抽出する抽出手段と、
前記選局手段により選局された前記放送信号の受信状態を示す情報を検出する検出手段と、
前記抽出手段により抽出された情報と前記検出手段により検出された情報とを関連付けた履歴情報を記憶保持する蓄積手段と、
前記蓄積手段に蓄積されている前記履歴情報を、所定の通信装置を通じて、あるいは、直接に、前記通信ネットワークを介して前記サーバー装置に提供するようにする提供手段と
を備え、
前記サーバー装置は、
前記通信ネットワークを介して、前記受信機から提供される前記履歴情報を受信する受信手段と、
前記受信手段を通じて受信した前記履歴情報と、予め用意される送信局識別情報と送信局の送信出力情報と送信局の位置情報とが関連付けられた送信局に関する情報とに基づいて、前記受信機の受信位置を推定する推定手段と
を備えることを特徴とする。
【0012】
この請求項1に記載の発明の受信位置推定システムによれば、受信機においては、選局手段により受信、選局された放送信号から、これに多重化されている送信局識別情報、送信時刻情報が抽出手段により抽出される。また、例えば受信電界強度などの選局された放送信号の受信状態を示す情報が検出手段により検出される。
【0013】
そして、抽出手段により抽出された送信局識別情報や送信時刻情報などと、検出手段により検出された受信状態を示す情報とは蓄積手段に蓄積され、この蓄積された履歴情報が、所定の通信装置や通信ネットワークを通じてサーバー装置に送信される。
【0014】
サーバー装置は、受信機側からの履歴情報を受信手段により受信し、受信した履歴情報と、予め用意される送信局識別情報と送信局の送信出力情報と送信局の位置情報とを含む放送に関する情報とに基づいて、当該履歴情報を蓄積した受信機の受信位置を推定手段が推定する。すなわち、受信機側からの履歴情報と、放送に関する情報とに基づいて、受信機の受信位置(受信機の位置)が推測される。
【0015】
これにより、従来、聴取者のために、あるいは、放送局側においても聴取率調査などのためにほとんど利用されることのなかった送信局の位置情報を有効に活用することができるようにされる。例えば、放送局側に設けられるサーバー装置は、放送信号を受信して利用した受信機の受信位置の推定結果を得ることができるようにされる。
【0016】
そして、推定結果に基づいて、実際の放送信号を受信して利用するようにしている、あるいは、利用するようにした位置をも考慮した詳細な視聴率調査を行うことができると共に、これを受信機のユーザーに直接的に提供するなどのことができるようにされる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照しながらこの発明によるシステム、装置の一実施の形態について説明する。以下に説明する実施の形態においては、既にヨーロッパやカナダなどにおいて行われているEureka147方式のデジタルラジオ放送であるDAB(Digital Audio Broadcasting)を利用する場合を例にして説明する。
【0018】
[受信位置推定システムの概要について]
図1は、この発明によるシステムが適用されて構成された受信位置推定システムを適用するための図である。図1に示すように、この実施の形態の受信位置推定システムは、デジタルオーディオ放送(DAB)を行う放送局1と、放送局1から送信された放送信号を中継する複数の送信局2と、ユーザー(聴取者)のラジオ受信機(単に、受信機という。)3およびネットワーク端末4とからなるものである。
【0019】
この実施の形態において、放送局1は、図1に示したように、コンテンツデータベース11、所定のフォーマットのデジタル放送信号を形成して送出する放送設備12、検索・認証・場所推定サーバー装置(以下、単にサーバー装置という。)13を備えたものである。
【0020】
コンテンツデータベース11は、放送番組に関する情報が蓄積されるものであり、現在放送している番組についての情報やこれから放送する番組についての情報だけでなく、過去に放送された番組に関する情報も保持しているものである。すなわち、放送した(過去の)番組に関する情報、放送している(現在の)番組に関する情報、これから放送する(未来の)番組に関する情報を保持しているものである。
【0021】
図2は、この実施の形態のコンテンツデータベース11に記憶保持される情報について説明するための図である。コンテンツデータベース11に記憶保持されている情報は、後述するDABの放送信号(アンサンブル信号)に多重化するようにする種々の情報からなるものである。
【0022】
この実施の形態の場合には、図2に示すように、コンテンツデータベース11に記憶保持されている情報は、放送局を特定するためのチャンネルナンバ(放送局識別情報)、放送時刻を示す情報(放送時刻情報)、放送番組を識別するためのサービスID(放送番組識別情報)、放送番組のジャンルを示すプログラムタイプ、コンテンツの再生制御に用いるコンテンツ制御情報、放送局からの放送信号を中継する送信局の位置情報(送信局位置情報(経度緯度情報))、その他、放送信号を識別するためのアンサンブルID(放送信号識別情報)、サブチャンネルID、コンポーネントID、各種のラベル情報、さらに受信機への提供対象のコンテンツデータ等の種々の付加情報を記憶保持している。
【0023】
そして、放送設備12は、コンテンツデータベース11や外部から供給されるオーディオデータ等の1つ以上のコンテンツデータと、放送信号に多重化すべき上述した種々の付加情報の供給を受けて、これらを多重化したDABの放送信号を形成し、これを放送する。
【0024】
DABの場合には、図1に示したように、比較的に小電力の多数の送信局2を通じて、単一の周波数の放送信号でサービスエリアをカバーするSFN(Single Frequency Network)方式を採用することによって、安定して高品位に放送信号を送信することができるようにしている。各受信機3は、最寄りの送信局2から送信された放送信号を受信、選局し、これを復調して利用することになる。
【0025】
なお、図1においては、説明を簡単にするために、受信機3は1台しか示していないが、受信機3は、多数のユーザーのそれぞれ毎に存在するものであり、実際には多数の受信機3が存在することになる。
【0026】
また、各ユーザーの受信機3と、各ユーザーのネットワーク端末4とは、所定のインターフェースを通じて接続可能にされている。この実施の形態においては、後述もするように、受信機3とネットワーク端末4とはUSB(Universal Serial Bus)によって接続することができるようにされている。これにより、後述もするように、ネットワーク端末4は、受信機3に蓄積された蓄積データを吸い上げたり(収集したり)、また、各受信機3に対して必要なデータを供給したりすることができるようにされる。
【0027】
そして、受信機3のユーザー側のネットワーク端末4と、放送局側のサーバー装置13とは、通信ネットワーク5を通じて通信回線を接続し、データの送受を行うことができるようにしている。これにより、ユーザー側のネットワーク端末4は、受信機3から収集した情報をサーバー装置13に送信したり、サーバー装置13から必要な情報の提供を受けて、これをユーザーに提供したりすることができるようにされる。
【0028】
なお、この実施の形態において、放送局1は、図1に示したように、DABの放送信号の送出元であり、送信局2は、各地域ごとに設けられ、放送局(送出元)1からの放送信号を中継する役割を有するものである。また、放送局1から送出された放送信号をユーザーの受信機で受信して利用することもでき、放送局1は送信局としての機能をも有するものである。
【0029】
また、この実施の形態において、ネットワーク端末4としては、通信機能を備え、通信ネットワーク5に接続可能とされたパーソナルコンピュータや携帯電話端末などの機器である。また、この実施の形態においては、サーバー装置3は放送局1に設けるようにしたが、放送局1とは全く別に設けるようにすることも可能である。すなわち、放送設備11とは全く別の場所である例えば集計センターなどに設置したり、また、視聴率の調査会社の装置として設けたりすることも可能である。
【0030】
そして、DABの場合には、1つの放送信号に複数のコンテンツデータ(放送番組データ)が多重化されると共に、例えば、送信局識別情報や放送時刻情報などの付加情報が多重化されている。この実施の形態においては、DABの放送信号に多重化された付加情報のうち、送信局識別情報や放送時刻情報を抽出し、これを利用することにより受信機3の受信位置を推定(推測)するなど、従来できなかった新たな機能を実現することができるようにしている。
【0031】
[DABの放送信号(アンサンブル信号)フレーム構造について]
次に、放送局の放送設備12から送出されるDABの放送信号(アンサンブル信号)のフレーム構造について説明する。図3はDABの放送信号のフレーム構造を説明するための図である。DABの放送信号は、フレーム単位に送信され、図2に示すように、各フレームは、同期用のシンボル、(Fast Information Channel)、MSC(Main Data Channel)からなっている。
【0032】
図3に示すように、同期シンボルとしては、ヌルシンボル、フェーズリファレンスシンボルの2シンボル用意されている。このうち、ヌルシンボルには、DABの放送信号の送信局の識別情報(送信局識別情報)が含まれるようにされている。
【0033】
FICは、3つ以上のサブブロックから構成されており、上述した放送局識別情報、放送時刻情報、サービスID(放送番組識別情報)、プログラムタイプ、コンテンツの再生制御に用いるコンテンツ制御情報、放送局からの放送信号を中継する送信局の位置情報(送信局位置情報)、その他、放送信号を識別するためのアンサンブルID(放送信号識別情報)、サブチャンネルID、コンポーネントID、各種のラベル情報、データの多重化に関する情報等の様々な付加情報を有するようにされている。
【0034】
また、MSCは、図3に示したように、時間軸上に多重化された放送番組などのデータフィールドを有するようにされている。すなわち、DABのアンサンブル信号に多重化された複数のオーディオデータ等が、このMSCの各データフィールドのデータである。
【0035】
このようなフレーム構造を有するDABの放送信号(アンサンブル信号)を受信する受信機においては、受信したアンサンブル信号の各フレームのFICに含まれているプログラムタイプや多重化に関する情報を抽出し、これを用いることによって、複数の放送番組のオーディオデータが多重化されているアンサンブル信号から、目的とする放送番組のオーディオデータを抽出し、これを再生することによって、ユーザーが聴取できるようにされる。
【0036】
[受信機3の構成と動作について]
次に、上述したようなフレーム構造を有するDABの放送信号を受信して復調するこの実施の形態の受信機3について説明する。図4は、この実施の形態の受信機3を説明するためのブロック図である。
【0037】
この実施の形態の受信機3は、以下に説明するように、受信したDABの放送信号を復調して再生することができると共に、受信したDABの放送信号から抽出される付加情報のうち、送信局識別情報や放送時刻情報などの受信位置の推定処理やDABの所定の放送信号が確かに受信選局されていたか否かの認証処理等のために必要となる情報を聴取履歴情報として蓄積する。
【0038】
そして、蓄積した聴取履歴情報を用いて自己の受信位置位置を推定したり、また、蓄積した聴取履歴情報を放送局2側のサーバー装置13に送信して、サーバー装置13側において、DABの所定の放送信号が確かに受信選局されていたか否かの認証処理を行うなどのために利用できるようにしたりしている。
【0039】
そして、この実施の形態の受信機3では、アンテナ31で、DABの放送信号が受信され、フロントエンド(図4においてはF/Eと記載。)32で、その受信信号がダウンコンバートされて中間周波信号に変換され、A/D(Analog/Digital)コンバータ33で、その中間周波信号がデジタル信号に変換され、そのデジタル信号が、直交復調回路(図3においてはDIQと記載。)34で、同相成分(inphase)と直交成分(quadrature)に分解され、FFT(Fast Fourier Transform)復調回路35で、周波数領域のデータに復調される。
【0040】
復調されたデータ中の、図3に示した同期チャンネルのフェーズリファレンスシンボル部分のデータは、DSP(Digital Signal Processor)36に送られて、DSP36から同期制御信号が得られ、その同期制御信号が、D/A(Digital/Analog)コンバータ46でアナログ信号に変換されて、フロントエンド32およびA/Dコンバータ33に送られる。
【0041】
復調されたデータ中の、FICデータおよびMSCデータは、バッファ用のRAM37を備えるデインターリーブ処理回路(図3においてはDe−Intと記載。)38で、差動復調された後、周波数デインターリーブ処理される。
【0042】
さらに、そのうちのMSCデータは、デインターリーブ処理回路18で時間デインターリーブ処理された後、ビタビ復号回路39でビタビ復号され、時間インターリーブ処理されていないFICデータは、そのまま、ビタビ復号回路39でビタビ復号される。
【0043】
ビタビ復号後のMSCデータ中のMPEG(Moving Picture Experts Group)圧縮されたオーディオデータは、MPEGデコーダ41でMPEG復号された後、D/Aコンバータ42でアナログ音声信号に変換され、そのアナログ音声信号が音声増幅回路43で増幅されてスピーカー44に供給される。
【0044】
また、ビタビ復号後のFICデータは、ビタビ復号回路39から制御部51に供給され、種々の制御に用いられたり、また、FICデータの中の予め決められた所定のデータについては、視聴履歴情報とをして記憶保持され管理したりすることができるようにされる。
【0045】
さらに、この実施の形態の受信機3においては、ビタビ復号回路39からのビタビ復号後のデータは、受信品質測定回路45に供給される。受信品質測定回路45は、ビタビ復号後のデータに基づいて、受信信号(DABの放送信号)のエラーレート(伝送エラーレート)を算出する。ここで算出された伝送エラーレートは、制御部51に供給される。
【0046】
DABの放送信号の伝送エラーレートは、受信状態を示すものであるが、一般に、送信局2から受信機3までの距離が近い場合には、受信状態はよく、伝送エラーレートは低くなるが、送信局2から受信機3までの距離が遠くなるにしたがって、受信状態も悪くなり、伝送エラーレートも高くなるという関係を持っている。
【0047】
したがって、受信機3が受信しているDABの放送信号についての伝送エラーレートは、受信機3が受信しているDABの放送信号の送信局と当該受信機3との位置関係、すなわち、送信局2を基準とする受信機3の位置(受信位置)を推定するための情報として用いることができるものである。
【0048】
なお、この実施の形態においては、ビタビ復号後のデータを用いて受信品質測定回路45において、伝送エラーレートを測定するものとして説明したが、これに限るものではない。いわゆるプレ・ビタビ方式を用いることによって、ビタビ復号前の受信データを用いて受信したDABの放送信号の伝送エラーレートを測定することも可能である。
【0049】
また、この実施の形態の受信機3のフロントエンド32は、受信、選局した放送信号の受信電界強度を測定する機能を備え、測定した受信電界強度を示す情報を、A/Dコンバータ47を通じて制御部51に供給する。受信電界強度は、遮蔽物などの影響を受けるが、基本的に、受信電界強度は、送信局からの距離が短ければ大きくなり、送信局からの距離が長くなれば小さくなる。したがって、この受信電界強度も、受信機が受信しているDABの放送信号の送信局と当該受信機との位置関係を推定する情報として用いることができるものである。
【0050】
そして、この実施の形態の受信機3の制御部51は、図では省略したが、CPU(Central Processing Unit)、このCPUが実行すべき後述の受信位置を推定するための受信位置推定処理ルーチンを含むプログラムや各種の固定データが書き込まれたROM(Read Only Memory)、および、CPUのワークエリアなどとして機能するRAM(Random Access Memory)等を有するものとして構成されたものである。
【0051】
この制御部51には、図4に示したように、操作部53が、入力インターフェース(図4においては入力I/Fと記載。)54を介して接続され、また、表示部55が、表示制御部56を介して接続される。ここで表示部55は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)が用いられたものである。
【0052】
ユーザーは、表示部55にアンサンブルのリストを表示させて、操作部53での操作により、アンサンブルを選択し、さらに、その選択したアンサンブルに属するサービスのリストを表示部55に表示させて、操作部53での操作によりサービスを選択することができる。
【0053】
そして、この実施の形態の受信機3の制御部51は、図4に示したように、ビタビ復号回路39からのビタビ復号後のFICデータから聴取履歴情報として残しておくべき送信局識別情報などのデータを抽出すると共に、これらの抽出したデータと、フロントエンド32において測定するようにした受信電界強度と、品質測定部45において測定したDABの放送信号の伝送エラーレートとを関連付けた聴取履歴情報を情報蓄積メモリー61に蓄積するようにしている。
【0054】
図5は、受信機3の情報蓄積メモリー61に蓄積される聴取履歴情報(履歴情報)の一例を説明するための図である。図4に示すように、この実施の形態の受信機3において、制御部51は、ビタビ複号回路39から供給されるFICデータから抽出するようにした(1)放送局識別情報、(2)放送時刻情報、(3)番組識別情報、(4)プログラムタイプ、(5)送信局識別情報と、測定して得た(6)受信電界強度と(7)受信信号の伝送エラーレートとを対応付けて蓄積するようにしている。
【0055】
また、制御部51には、放送局情報メモリー62が接続されている。この放送局情報メモリー62には、予め放送局や送信局の識別情報と、それら放送局や送信局の送信出力や位置を示す情報等を記憶保持している。
【0056】
図6は、放送局情報メモリー62に予め記憶保持される放送局情報の一例を説明するための図である。図6に示すように、この実施の形態においては、予め各放送局、送信局に割り当てられている識別情報(放送局識別情報または送信局識別情報)と、その放送局または送信局の送信出力を示す情報と、その放送局または送信局の位置を示す情報(緯度経度情報)とが関連付けられて記憶されている。
【0057】
そして、この実施の形態の受信機3の制御部51は、詳しくは後述するように、情報蓄積メモリー61に蓄積された情報と、放送局情報メモリー62に保持されている情報とに基づいて、受信した放送信号の送信局の位置を基準として、自機の受信位置を推定し、これを例えば表示部55を通じてユーザーに通知することができるものである。
【0058】
そして、この実施の形態の受信機3の制御部51は、情報蓄積メモリー61に蓄積された聴取履歴情報を、USB(Universal Serial Bus)インターフェース(図4においてはUSBI/Fと記載。)を通じて、例えば、パーソナルコンピュータであるネットワーク端末4に提供することができるものである。なお、受信機3とネットワーク通信端末4との接続インターフェース(図4の63)は、USBなどの有線接続に限らず、Bluetoothなどの無線接続も可能である。
【0059】
ネットワーク端末4は、USBインターフェースを通じて自機に接続された受信機3からこれに蓄積されている聴取履歴情報を収集する。そして、ネットワーク端末4は、通信ネットワーク5を介して放送局側のサーバー装置13との間に通信回線を接続し、受信機3から収集した蓄積データと当該ネットワーク端末4自身の識別情報とを、サーバー装置13に送信する。
【0060】
サーバー装置13は、詳しくは後述もするが、ネットワーク端末4からの受信機3から収集した聴取履歴情報に基づいてコンテンツデータベース11に蓄積されている情報を検索し、聴取履歴情報が示す放送番組を選局してユーザーが聴取できるようにしていたかの認証を取るようにすることができるようにされる。
【0061】
また、サーバー装置4は、ネットワーク端末4から提供された聴取履歴情報に基づいて、DABの放送信号により提供された放送番組を聴取できるようにしていたときの当該受信機3の位置(受信位置)を推定してどこでDABの放送信号2より提供された放送番組が利用するようにされていたのかを確認したり、また、聴取履歴情報に基づいて、聴取率を算出したり、視聴者プレゼントの当選者を選んだりするなどのことができるようにしている。
【0062】
このようなサーバー装置13においての処理の結果得られた情報は、通信ネットワーク5を通じて、聴取履歴情報の送信元のネットワーク端末4に返信される。ネットワーク端末4は上述もしたように、例えばパーソナルコンピュータであり、サーバー装置13からの処理の結果得られた情報の提供を受け、これを自機のディスプレイに表示するなどして、受信機3のユーザーに提供し、サーバー装置3からの処理結果をユーザーが利用可能することができる。
【0063】
なお、上述の説明からわかるように、この実施の形態の受信機3において、主に、フロントエンド32が選局手段としての機能を実現し、A/Dコンバータ33、直交復調回路34、FFT復調回路35、デインターリーブ処理回路38、ビタビ復号回路39からなる復調処理系と制御部51とが少なくとも送信局識別情報や送信時刻情報などの必要な情報を抽出する抽出手段としての機能を実現している。
【0064】
また、この実施の形態においては、受信電界強度と伝送エラーレートとを受信状態(受信品質)を示す情報として用いるようにしており、受信電界強度の検出機能を備えたフロントエンド32と、受信品質測定回路45とが、受信状態を示す情報を検出する検出手段としての機能を実現している。また、情報蓄積メモリー61が聴取履歴情報(履歴情報)を蓄積する蓄積手段としての機能を実現し、USBインターフェース63とネットワーク端末4とが、履歴情報をサーバー装置13に提供する提供手段としての機能を実現している。
【0065】
さらに、放送局情報メモリー62が、送信局識別情報と送信局の送信出力情報と送信局の位置情報とを含む放送に関する情報を保持する保持手段としての機能を実現し、制御部51が、自機の受信位置を推定する自機位置推定手段としての機能を実現し、また、表示部55と表示制御部56とが推定結果を通知する通知手段としての機能を実現している。
【0066】
[サーバー装置13の構成と動作について]
次に、放送局側のサーバー装置13について説明する。図7は、この実施の形態のサーバー装置13を説明するためのブロック図である。
【0067】
図7に示すように、この実施の形態のサーバー装置13は、CPU131、ROM132、RAM33、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)134、通信インターフェース(図7においては通信I/Fと記載。)、作業ファイル136、外部記憶装置とのインターフェース(図7においてはI/Fと記載。)137、138を備えたものである。
【0068】
サーバー装置13は、インターフェース137を通じて、放送局側に設けられるコンテンツデータベース11のデータを参照することができると共に、インターフェース138を通じて、同じく放送局側に設けられる放送局データベース14のデータをも参照することができるものである。
【0069】
ここで、コンテンツデータベース11は、図2を用いて説明したように、放送した(過去の)番組に関する情報、放送している(現在の)番組に関する情報、これから放送する(未来の)番組に関する情報を記憶保持するものであり、DABの放送信号(アンサンブル信号)に多重化するようにする種々の情報からなるものである。
【0070】
また、放送局データベース14は、例えば、図6に示したように、放送局識別情報または送信局識別情報、送信出力情報、放送局または送信局の位置情報を記憶保持するものである。
【0071】
そして、サーバー装置13は、上述もしたように、DABの受信機のユーザーから、ネットワーク端末4および通信ネットワーク5を通じて送信されてくるDABの受信機の聴取履歴情報を通信インターフェース135を通じて受け付け、これを作業ファイル136に記憶する。
【0072】
そして、サーバー装置13のCPU131は、ROM132から受信位置を推定する処理を行うプログラムを読み出して実行し、まず、作業ファイル136に格納した蓄積情報に基づいて、コンテンツデータベース11内を検索し、蓄積情報を送信してきたユーザーは、受信機3を通じて、いつ、どの放送番組を聴取するようにしたのかの認証を取る。
【0073】
そして、サーバー装置13のCPU131は、作業ファイル136に記憶した情報と、放送局データベース14に保持されている情報とに基づいて、受信した放送信号の送信局の位置を基準として、受信機3の受信位置を推定する。作業ファイル136に記憶した聴取履歴情報が複数個ある場合には、当該聴取履歴情報を蓄積した受信機3の移動経路までをも推定することができる。
【0074】
このサーバー装置13においての受信位置の推定処理結果は、サーバー装置13から通信ネットワーク5を通じて、送信元のネットワーク端末4に返信することにより、受信機3のユーザーもネットワーク端末4を通じて、利用することができるようにされる。
【0075】
このように、この実施の形態のサーバー装置13は、DABの受信機3のユーザーから送信されてくるDABの受信機において蓄積した蓄積情報と、コンテンツデータベースと、放送局データベースとに基づいて、検索機能、認証機能、受信位置(受信場所)推定機能を実現するようにしている。
【0076】
なお、上述の説明からわかるように、この実施の形態のサーバー装置13において、通信インターフェース135がCPU131と協働して、受信手段および送信手段としての機能を実現し、また、主に、CPU131がここで実行するプログラムによって、推定手段としての機能を実現している。
【0077】
[受信位置推定システムを構成する各装置の処理について]
次に、この実施の形態の受信位置推定システムを構成する装置のうち、受信機3、ネットワーク端末4、サーバー装置13のそれぞれにおいて行われる処理について、フローチャートを参照しながら説明する。
【0078】
[受信機においての処理]
まず、この実施の形態の受信機3において行われる処理について説明する。図8は、受信機3において行われる処理を説明するためのフローチャートである。図8に示す処理は、受信機3に電源が投入された場合に、受信機3の制御部51の制御によって行なわれる処理である。
【0079】
受信機3に電源が投入されると、制御部51は、DSP36を通じて受信系の各部を制御し、DABの放送信号を受信、選局し、復調処理を行って再生するようにする処理を開始する(ステップS101)。ここで、復調処理は、上述もしたように、直交復調回路34、FFT復調回路35、デインターリーブ処理回路38、ビタビ復調回路39、MPEGデコーダ41の各処理回路での一連の処理である。このステップS101の処理により、受信機3を通じてのラジオ放送番組の聴取が可能となる。
【0080】
なお、このステップS101の処理では、電源の投入直後の場合には、制御部51は、いわゆるラストチャンネルメモリー機能を用いて、前回電源が落とされる直前まで、受信、選局し、再生するようにしていたDABの放送信号と同じ周波数のDABの放送信号を受信、選局し、復調処理を開始するようにする。また、ユーザーからの選局を変更する指示を受け付けた場合には、制御部51は、その変更指示に応じて、選局している放送信号を変更し、選局変更後の放送信号の復調処理を開始するようにしている。
【0081】
そして、上述もしたように、ビタビ復号回路39において、復号されたFICデータは、制御部51に供給されて種々の制御に用いられるが、制御部51は、ビタビ復号回路39からのFICデータのうち、放送局識別情報、放送時刻情報、番組識別情報、プログラムタイプ、送信局識別情報などの受信位置推定処理や認証処理に必要になるデータを抽出する(ステップS102)。
【0082】
また、制御部51は、フロントエンド32の機能により検出される、選局しているDABの放送信号の受信電界強度を、A/Dコンバータ47を通じて取得すると共に、受信品質測定回路45において、ビタビ復号回路39からの復号されたデータに基づいて検出される受信信号(受信したDABの放送信号)についての伝送エラーレートを取得する(ステップS103)。
【0083】
そして、制御部51は、ステップS102において抽出した必要なデータと、ステップS103において取得した受信電界強度および伝送エラーレートとを対応付けて、情報蓄積メモリー61に蓄積する(ステップS104)。この後、蓄積した情報の内の送信局識別情報に基づいて、送信局情報メモリー62を参照し、送信局に関する情報である該当送信局の送信出力情報と当該送信局の位置とを取得する(ステップS105)。
【0084】
この後、制御部51は、ステップS105において取得した、受信している放送信号の送信局に関する情報(送信出力と位置)と、ステップS104において取得した受信電界強度および伝送エラーレートとに基づいて、当該送信局の位置を基準とし、その送信局からの放送信号を受信している受信機3の受信位置を算出する(ステップS106)。
【0085】
このステップS106においての処理は、上述もしたように、受信機3における受信したDABの放送信号の受信電界強度と伝送エラーレートとは、当該DABの放送信号を送信している送信局から当該受信機3までの距離に応じて変化するものである。つまり、受信電界強度は送信局からの距離に逆比例し、また、伝送エラーレートは送信局からの距離に比例するという関係を有している。
【0086】
この関係を利用し、この実施の形態の受信機3においては、受信している放送信号の送信局の送信出力と、その放送信号を受信している受信機におけるその放送信号の受信電界強度とに基づいて、所定の計算式にしたがって、送信局から受信機3までの距離を算出する。このように、ステップS106の処理は、送信局の送信出力と、受信機3で検出した受信電界強度とに基づいて、送信局の位置(所在地)を基準とする受信機の受信位置を推定する受信位置推定処理を実現している。
【0087】
そして、制御部51は、ステップS106において算出した受信位置、および、ステップS104においてメモリーに蓄積した放送時刻などの情報を、表示制御部56を通じて表示部55に表示することにより、受信機3のユーザーに通知するようにする(ステップS107)。
【0088】
このステップS107の通知処理においての受信位置の通知は、例えば、送信局の位置を中心とし、半径何キロの範囲内などのように、受信位置の属するであろう範囲を通知するようにしたり、簡単な地図情報などを利用することにより、送信局の位置を基準として、XX県XX市付近などのように通知したりすることができるようにされる。
【0089】
この後、制御部51は、操作部53を通じて、ユーザーから選局の変更指示を受け付けたか否かを判断し(ステップS108)、選局の変更指示を受け付けたと判断した時には、この図8に示すステップS101からの処理を繰り返し、新たに選局するようにした放送信号について、上述した処理を行って、当該受信機3がDABの放送信号を受信している位置を推定するようにする。
【0090】
ステップS108の判断処理において、ユーザーからの選局の変更指示を受け付けていないと判断したときには、制御部51は、当該受信機3の電源をオフにする操作が行われたか否かを判断する(ステップS109)。ステップS109の判断処理において、電源をオフにする操作はされていないと判断した時には、制御部51は、受信、選局したDABの放送信号の復調を行い再生する処理を続行すると共に、ステップS102からの判断処理を繰り返し、受信位置の推定処理および受信位置などの通知処理を繰り返すようにする。
【0091】
また、ステップS109の判断処理において、電源をオフにする操作を受け付けと判断したときには、制御部51は、電源投入時において、前回電源をオフにする直前まで、受信、選局していた放送信号を再度受信し選局するための情報を制御部51に設けられたEEPROMなどの不揮発性メモリーに格納し、各部について電源を落とせる状態に遷移させて、電源を落とすようにする終了処理を実行して(ステップS111)、この図8に示す処理を終了する。
【0092】
なお、受信電界強度と伝送エラーレートとを用いることにより、例えば、受信電界強度が高いのに、伝送エラーレートが低い場合などには、妨害波が多く、受信位置の算出には利用できないと判断し、再度、受信電界強度と伝送エラーレートとの検出を行うようにして確認し、両者の検出情報の関係が正常な値となった後に受信位置の算出を行うようにしてもよい。
【0093】
また、受信位置の推定処理において、受信位置を計算により求めるようにする場合には、受信している放送信号の送信局の送信出力と、その放送信号を受信している受信機におけるその放送信号についての伝送エラーレートとに基づいて、所定の計算式にしたがって、送信局から受信機3までの距離を算出するようにしてもよい。
【0094】
また、受信している放送信号の送信局の送信出力と、その放送信号を受信している受信機におけるその放送信号の受信電界強度および伝送エラーレートとに基づいて、所定の計算式にしたがって、送信局から受信機3までの距離を算出するようにしてもよい。つまり、受信電界強度と伝送エラーレートとの一方または両方を用いることが可能である。
【0095】
また、ここでは、受信機3におけるDABの放送信号の受信位置の推定処理においては、計算式により求めるものとして説明したが、これに限るものではない。例えば、送信局の送信出力と受信電界強度と送信局からの距離との関係、あるいは、送信局の送信出力と伝送エラーレートと送信局からの距離とのの関係、あるいは、送信局の送信出力と、受信電界強度および伝送エラーレートと、送信局からの距離との関係を予め計算により求めるか、予め測定しておくことにより得ておくようにする。
【0096】
そして、予め得るようにした上述の関係を示す情報をテーブル化して内部メモリーあるいは受信機3に着脱可能とされた外部メモリーに予め記憶保持させておき、これを用いて受信位置を推定するようにすることもできる。つまり、送信出力が何kWの時に受信電界強度が何V/mであれば、送信局からの距離は何kmというように、上述した受信位置を推定するための各パラメータ同士の関係をテーブル化しておく。
【0097】
このようなテーブル情報を用いることにより、受信している放送信号の送信局の送信出力と、受信電界強度、あるいは、伝送エラーレート、あるいは、受信電界強度と伝送エラーレートがわかれば、それらの情報に基づいて、単にテーブル情報を参照するだけで、迅速に送信局を基準とする受信機3の受信位置を比較的に正確に推定することができる。
【0098】
[ネットワーク端末の処理]
次に、上述したように、受信機3の情報蓄積メモリーに蓄積される情報を放送局側のサーバー装置3に送信する場合に、受信機3のユーザー側において用いられるネットワーク端末4においての処理について説明する。図9は、ネットワーク端末4においての処理を説明するためのフローチャートである。
【0099】
上述もしたように、ネットワーク端末4は、通信機能を備えたパーソナルコンピュータや携帯電話端末等の機器であり、この実施の形態においては、USBインターフェースを通じてこの実施の形態の受信機3が接続される。
【0100】
ネットワーク端末4は、ユーザーから受信機3の蓄積情報である聴取履歴情報を収集することの指示入力を受け付けると、図9に示す処理を実行し、USB接続された受信機3に対して聴取履歴情報の提供を要求し、これに応じて受信機3からUSBインターフェースを通じて送信されてくる聴取履歴情報を取り込む(ステップS201)。
【0101】
そして、ネットワーク端末4は、ユーザーからの指示に応じて、通信ネットワーク5を通じてサーバー装置13との間に通信回線を接続し、受信機から取り込んだ聴取履歴情報を当該ネットワーク端末の識別情報と共にサーバー装置13に送信する(ステップS202)。
【0102】
ネットワーク端末4は、サーバー装置13からの返信を待ち、サーバー装置13から受信位置の推定結果などが送信されて来たときには、サーバー装置13からの受信位置の推定結果などを受信し(ステップS203)、これをユーザーに通知し(ステップS204)、この図9の処理を終了する。
【0103】
なお、サーバー装置14においての受信場所の推定処理等にある程度の時間がかかる場合には、ステップS203の後に、一旦通信回線を切断し、サーバー装置13からの接続要求に応じて、再度、通信回線を接続した後に、返信されてきた情報を受信するようにしてもよい。
【0104】
このように、この実施の形態においては、受信機3において蓄積された聴取履歴情報は、ネットワーク端末4と通信ネットワーク5とを通じて、サーバー装置13に送られ、サーバー装置13において後述もするように、検索処理、認証処理、受信位置推定処理が行われ、その結果の返信を受けて、ユーザーに通知することができるようにしている。
【0105】
[サーバー装置の処理]
次に、上述したように、放送局側に設けられるサーバー装置13においての処理について説明する。図10は、サーバー装置13においての処理を説明するためのフローチャートである。
【0106】
放送局側のサーバー装置13は、ネットワーク端末からの接続要求を受信し、通信回線を接続するようにした場合に、図10に示す処理を開始する。そして、サーバー装置13のCPU131は、ネットワーク端末4から送信されてくる聴取履歴情報とネットワーク端末の識別情報とを通信インターフェース135を通じて受信し、これを作業用ファイル136に格納する(ステップS301)。
【0107】
次に、CPU131は、ROM132に格納されているプログラムを実行し、作業ファイル136に格納した聴取履歴情報と、コンテンツデータベース11や放送局データベース14が用いられて、受信するようにした放送番組の情報をコンテンツデータベースから探し出す検索処理や、この検索結果に基づいて、確かに放送された放送番組が受信、選局され、復調されて利用可能にされていたか否かの認証を取るようにする認証処理、さらに、受信した放送信号を送出した送信局の位置を基準として、受信位置の推定処理を行う(ステップS302)。
【0108】
そして、サーバー装置13のCPU131は、ステップS302の処理結果を例えば作業領域136に保存し(ステップS303)、これを聴取履歴情報の供給元のネットワーク端末4に送信する(ステップS304)。これにより、サーバー装置13における処理結果をネットワーク端末4を通じて受信機3の使用者が利用することができるようにされる。
【0109】
つまり、サーバー装置13からの処理結果を、視聴履歴情報をネットワーク端末を通じて送信してきた受信機のユーザーは、送信局の位置情報、放送時刻情報、受信電界強度や受信信号の伝送エラーレートなどの受信品質などに基づいて、特定の時刻に特定の場所(エリア)にいたことの証明に、サーバー装置13からの処理、および、その結果を用いることができる。また、聴取履歴情報に基づいて、自己の移動経路を辿ることができる。
【0110】
また、サーバー装置13においての処理結果は、放送局側でも利用することができる。例えば、聴取率調査のサンプル抽出に利用したり、実際に放送を受信していたと認証が取れた聴取者だけに、懸賞の応募資格や当選資格を付与するようにしたりすることができる。
【0111】
また、放送信号の放送元の放送局から一番離れた場所で聴取していた聴取者に懸賞応募の上で優遇する条件を適用したり、当選確率を高くしたりするなど、その受信位置に応じた区分けが可能となる。また、利用率の高い送信局と利用率の低い送信局を把握したりするなど、受信状況を把握することができ、送信局の統廃合や新規送信局の設置の計画を立てる上での有効な情報を得ることができる。
【0112】
[その他]
なお、上述した実施の形態においては、受信機3において蓄積した聴取履歴情報は、受信機3とは別体の例えばパーソナルコンピュータや携帯電話端末等のネットワーク端末を介してサーバー装置4に送信する場合を例にして説明したが、これに限るものではない。
【0113】
受信機3が通信機能を備えるものであれば、図1において点線で示したように、受信機3自身が自己の通信機能を用いて通信ネットワーク5を介してサーバー装置13との間に通信回線を接続し、直接にサーバー装置3に対して聴取履歴情報を送信したり、サーバー装置13からの処理結果の提供を受けたりすることが可能である。また、この場合には、サーバー装置13からの接続要求に応じてサーバー装置13との間に通信回線を接続するようにすることも可能である。
【0114】
また、上述した実施の形態においては、主に送信局識別情報、受信品質を示す受信電解強度や受信信号の伝送エラーレート、放送時刻情報に基づいて、コンテンツデータベース11や放送局データベース14の情報を活用することにより、受信機3によるDABの放送信号の受信位置を推定するものとして説明した。しかし、これに限るものではない。例えば、番組識別情報やコンテンツタイプを利用することにより、目的とする放送番組を受信選局して利用していたことを証明することもできるし、放送局側にとっては、放送番組毎の聴取率調査を行うことも可能である。
【0115】
また、DABの放送信号のFICには、送信局の位置情報(経度緯度情報)も含まれて放送されるので、受信機3においては、これを抽出し、自己の放送局情報メモリー62の内容を適宜のタイミングで更新するようにすることも可能である。このようにすれば、常時、最新の送信局の位置情報に基づいて、受信位置を推定することが可能となる。
【0116】
また、上述もしたように、DABの放送信号を受信する場合を例にして説明したが、これに限るものではない。送信局識別情報や放送時刻などの付加情報が多重化されたDAB以外のデジタル放送信号を受信する場合にもこの発明を適用することができる。
【0117】
また、デジタル放送の場合だけでなく、アナログ放送信号を受信する場合にも、この発明を適用することができる。例えば、アナログ放送信号であるFM放送信号に種々のデータを多重化して放送するFM多重データ放送(RDSやDARC(Data Radio Channel)など)も行われており、このようなアナログ多重化放送の場合に、送信局識別情報や放送時刻などの必要な情報が放送信号に多重化されていればこの発明を適用することができる。
【0118】
また、上述の実施の形態においては、1つのDABの放送信号を利用する場合を例にして説明したが、これに限るものではない。例えば、受信機3において、自己の受信位置の推定を行うことが指示された場合に、まず、現在受信選局しているDABの放送信号に基づいて、上述した処理を行う。
【0119】
次に、他の放送信号を所定時間受信するように、一時的に選局チャンネルを切り換えて、その放送信号2ついても、送信局の位置情報、受信電界強度や受信信号の伝送エラーレートに基づいて、受信位置を推定し、2つの推定結果を用いることにより、より精度高く受信位置を推定するようにすることも可能である。
【0120】
もちろん、2つ以上の周波数の異なる複数の放送信号を順次に用いて、受信位置を推定することにより、受信位置を正確に特定するようにすることも可能である。この場合、用いる放送信号は、デジタル放送信号であっても、アナログ放送信号であってもよい。
【0121】
また、DABの場合、上述もしたように、単一の周波数の放送信号を複数の送信局を通じて放送するいわゆるSFN(Single Frequency Network)方式を採用しているので、実際には、複数の送信局からの同じ周波数のDABの放送信号を受信している場合もある。
【0122】
この場合には、各送信局の位置が異なることにより、異なる送信局からのそれぞれの放送信号を受信機3が受信した場合に、ごく僅かではあるが受信タイミングのずれが生じる。このずれを検出し、このずれ量と、各送信局の位置とに基づいて、受信位置を推定するようにしてもよい。
【0123】
このように、複数の放送信号を順次に切り換えて利用したり、また、同時に受信する複数の送信局からの同一周波数の放送信号を利用したりすることもできる。
【0124】
また、上述もしたように、放送信号には、放送時刻情報が多重化されている場合、どれ位の時間、その放送番組を受信して利用するようにしていたかを受信機3において把握することができる。また、この情報は、サーバー装置4に送信される聴取履歴情報を解析することも可能である。
【0125】
このため、この聴取時間をも求めるようにし、所定時間以上受信して利用していた場合にのみ、現実の聴取としてカウントし、例えば選局時にたまたま受信選局された場合など、単にごく僅かな時間受信選局された場合をも実際の聴取としないようにすることによって、現実に即した聴取率を求めることができる。
【0126】
また、目的とする放送信号を所定時間以上受信選局していた場合にのみ、検証への応募権を付与するなど、聴取時間に応じて種々の処理を行うようにすることも可能である。
【0127】
また、上述した実施の形態においては、受信機3で蓄積した情報をサーバー装置13に送信する場合を例にして説明した。しかし、上述もしたように、受信機3自体が、自己の受信位置を推定する機能を備えているので、受信位置については、一々サーバー装置13に聴取履歴情報を送るようにしなくてもよい。
【0128】
また、利用する放送信号は、ラジオ放送信号に限るものではなく、テレビ放送信号であってもよく、この場合には、受信機として画像表示用の表示素子を沿いなえたテレビ受信機となる。
【0129】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、放送信号に多重化されている送信局の位置情報を有効に活用し、受信位置の通知など新たな機能を受信機の使用者に提供することができる。
【0130】
また、受信機で蓄積される聴取履歴情報の提供を受けて、サーバー装置は、これを視聴率調査や受信状況の把握などに利用できるほか、受信機の所定の放送信号、あるいは、放送番組を利用していたことの認証を行ったり、また、受信機の受信位置、移動経路などを推定したりして、その結果を受信機側のユーザーに提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態が適用されて形成された受信位置推定システムを説明するための図である。
【図2】コンテンツデータベースに蓄積される情報について説明するための図である。
【図3】DABの放送信号のフレーム構造について説明するための図である。
【図4】この発明の一実施の形態が適用された受信機を説明するためのブロック図である。
【図5】聴取履歴情報を説明するための図である。
【図6】放送局情報を説明するための図である。
【図7】この発明の一実施の形態が適用されたサーバー装置を説明するためのブロック図である。
【図8】受信機3においての処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】ネットワーク端末4においての処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】サーバー装置13においての処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1…放送局、11…コンテンツデータベース、12…放送設備、13…検索・認証・場所推定サーバー装置、14…放送局データベース、2…送信局、3…受信機、31…受信アンテナ、32…フロントエンド(F/E)、33…A/Dコンバータ、34…直交復調回路(DIQ)、35…FFT復調回路、36…DSP、37…RAM、38…デインターリーブ処理回路(De−Int)、39…ビタビ復号回路、41…MPEGデコーダ、42…D/Aコンバータ、43…音声増幅回路、44…スピーカー、45…受信品質測定回路、46…D/Aコンバータ、47…A/Dコンバータ、51…制御部、53…操作部、54…入力インターフェース、55…表示部、56…表示制御部、61…情報蓄積メモリー、62…放送局情報メモリー、63…USBインターフェース、4…ネットワーク端末、5…通信ネットワーク
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、DAB(Digital Audio Broadcasting)などのデジタルラジオ放送やFM多重データ放送(RDS:Radio Data System)などの付加情報が多重化された放送信号を受信して利用するための装置、その装置を用いて構成するシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
テレビ放送番組の視聴率調査は、例えば、予め選定した数百世帯の視聴者のテレビ受信機を対象にし、所定の時間間隔毎に、選局された放送チャンネルの番号と選局された時点の時間情報とを取得し、これを視聴データとして、当該テレビ受信機に取り付けられた記憶機能を備えた視聴データ収集装置に記憶する。この視聴データ収集装置は、例えば、電話回線ネットワーク等の通信ネットワークを介して、放送事業者側の集計センターの集計装置との間で通信回線を接続することができるようにされている。
【0003】
放送事業者側の集計センターは、所定のタイミングで個々の視聴データ収集装置との間に通信回線を接続し、視聴データの転送要求を送出して、個々の視聴データ収集装置から視聴データを収集する。そして、収集した各視聴データ収集装置からの視聴率データを集計することにより、各テレビ放送番組の平均視聴率や瞬間視聴率などの情報を得ることができるようにされている。
【0004】
また、近年においては、視聴データを取得する際にユーザーが実際に番組をみているか否かを確認できるようにする技術(特開2000−32500号公報)が提案されている。この技術を用いることにより、実際には誰も視聴していないのに、テレビ受信機の電源が投入されているために、視聴事実としてカウントされた場合と、実際に誰かが視聴している場合を視聴事実としてカウントした場合とを区別し、視聴率を視聴実態に即して把握することができるようにされる。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−32500号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、テレビ受信機やラジオ受信機の小型化、軽量化は年々進んでおり、小型化、軽量化された携帯用のテレビ受信機やラジオ受信機が提供され、これらを持ち運んで、外出先などにおいて、テレビ放送やラジオ放送を利用することが行われている。また、従来からほとんどの自動車にはラジオ受信機が搭載されており、移動しながらラジオ放送番組を聴取することは普通に行われている。
【0007】
このように、テレビ受信機やラジオ受信機が持ち運ばれて(移動しながら)利用される場合が多いことを考慮すると、放送番組が視聴あるいは聴取するようにされた位置(どこで番組が利用されたか)を把握することが重要になってくる。しかし、放送信号の受信機にGPS(Global Positioning System)などの測位装置を搭載することは大きなコストアップにつながるし、また、更なる小型化、軽量化を阻害することにもなりかねない。
【0008】
このため、放送信号の受信機の製造コストをアップさせたり、小型化や軽量化を阻害したりすること無く、できるだけ簡単に、放送番組の視聴位置あるいは聴取位置となる放送信号の受信位置を把握できるようにし、受信位置をも考慮した詳細な視聴率調査を行って、これを有効に活用したいとする要求がある。
【0009】
一方、放送信号の受信機のユーザーからすると、自動車に搭載されたラジオ受信機や携帯受信機を用いて放送番組を利用した場合に、どこで放送番組を利用しているのか、あるいは、どこで放送番組を利用したのかを知ることができれば、現在位置の確認や自分の移動経路を確認することができるなど便利である。
【0010】
以上のことにかんがみ、この発明は、放送側と受信側との双方にとって有効に情報を収集して活用することができるようにする装置、システムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の受信位置推定システムは、放送信号の受信機と、通信ネットワークに接続するようにされたサーバー装置とからなり、
前記受信機は、
少なくとも放送信号を送信している送信局を特定するための送信局識別情報と放送時刻情報とが多重化された放送信号を受信し、選局する選局手段と、
前記選局手段により選局された前記放送信号に多重化されている前記送信局識別情報と前記放送時刻情報とを抽出する抽出手段と、
前記選局手段により選局された前記放送信号の受信状態を示す情報を検出する検出手段と、
前記抽出手段により抽出された情報と前記検出手段により検出された情報とを関連付けた履歴情報を記憶保持する蓄積手段と、
前記蓄積手段に蓄積されている前記履歴情報を、所定の通信装置を通じて、あるいは、直接に、前記通信ネットワークを介して前記サーバー装置に提供するようにする提供手段と
を備え、
前記サーバー装置は、
前記通信ネットワークを介して、前記受信機から提供される前記履歴情報を受信する受信手段と、
前記受信手段を通じて受信した前記履歴情報と、予め用意される送信局識別情報と送信局の送信出力情報と送信局の位置情報とが関連付けられた送信局に関する情報とに基づいて、前記受信機の受信位置を推定する推定手段と
を備えることを特徴とする。
【0012】
この請求項1に記載の発明の受信位置推定システムによれば、受信機においては、選局手段により受信、選局された放送信号から、これに多重化されている送信局識別情報、送信時刻情報が抽出手段により抽出される。また、例えば受信電界強度などの選局された放送信号の受信状態を示す情報が検出手段により検出される。
【0013】
そして、抽出手段により抽出された送信局識別情報や送信時刻情報などと、検出手段により検出された受信状態を示す情報とは蓄積手段に蓄積され、この蓄積された履歴情報が、所定の通信装置や通信ネットワークを通じてサーバー装置に送信される。
【0014】
サーバー装置は、受信機側からの履歴情報を受信手段により受信し、受信した履歴情報と、予め用意される送信局識別情報と送信局の送信出力情報と送信局の位置情報とを含む放送に関する情報とに基づいて、当該履歴情報を蓄積した受信機の受信位置を推定手段が推定する。すなわち、受信機側からの履歴情報と、放送に関する情報とに基づいて、受信機の受信位置(受信機の位置)が推測される。
【0015】
これにより、従来、聴取者のために、あるいは、放送局側においても聴取率調査などのためにほとんど利用されることのなかった送信局の位置情報を有効に活用することができるようにされる。例えば、放送局側に設けられるサーバー装置は、放送信号を受信して利用した受信機の受信位置の推定結果を得ることができるようにされる。
【0016】
そして、推定結果に基づいて、実際の放送信号を受信して利用するようにしている、あるいは、利用するようにした位置をも考慮した詳細な視聴率調査を行うことができると共に、これを受信機のユーザーに直接的に提供するなどのことができるようにされる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照しながらこの発明によるシステム、装置の一実施の形態について説明する。以下に説明する実施の形態においては、既にヨーロッパやカナダなどにおいて行われているEureka147方式のデジタルラジオ放送であるDAB(Digital Audio Broadcasting)を利用する場合を例にして説明する。
【0018】
[受信位置推定システムの概要について]
図1は、この発明によるシステムが適用されて構成された受信位置推定システムを適用するための図である。図1に示すように、この実施の形態の受信位置推定システムは、デジタルオーディオ放送(DAB)を行う放送局1と、放送局1から送信された放送信号を中継する複数の送信局2と、ユーザー(聴取者)のラジオ受信機(単に、受信機という。)3およびネットワーク端末4とからなるものである。
【0019】
この実施の形態において、放送局1は、図1に示したように、コンテンツデータベース11、所定のフォーマットのデジタル放送信号を形成して送出する放送設備12、検索・認証・場所推定サーバー装置(以下、単にサーバー装置という。)13を備えたものである。
【0020】
コンテンツデータベース11は、放送番組に関する情報が蓄積されるものであり、現在放送している番組についての情報やこれから放送する番組についての情報だけでなく、過去に放送された番組に関する情報も保持しているものである。すなわち、放送した(過去の)番組に関する情報、放送している(現在の)番組に関する情報、これから放送する(未来の)番組に関する情報を保持しているものである。
【0021】
図2は、この実施の形態のコンテンツデータベース11に記憶保持される情報について説明するための図である。コンテンツデータベース11に記憶保持されている情報は、後述するDABの放送信号(アンサンブル信号)に多重化するようにする種々の情報からなるものである。
【0022】
この実施の形態の場合には、図2に示すように、コンテンツデータベース11に記憶保持されている情報は、放送局を特定するためのチャンネルナンバ(放送局識別情報)、放送時刻を示す情報(放送時刻情報)、放送番組を識別するためのサービスID(放送番組識別情報)、放送番組のジャンルを示すプログラムタイプ、コンテンツの再生制御に用いるコンテンツ制御情報、放送局からの放送信号を中継する送信局の位置情報(送信局位置情報(経度緯度情報))、その他、放送信号を識別するためのアンサンブルID(放送信号識別情報)、サブチャンネルID、コンポーネントID、各種のラベル情報、さらに受信機への提供対象のコンテンツデータ等の種々の付加情報を記憶保持している。
【0023】
そして、放送設備12は、コンテンツデータベース11や外部から供給されるオーディオデータ等の1つ以上のコンテンツデータと、放送信号に多重化すべき上述した種々の付加情報の供給を受けて、これらを多重化したDABの放送信号を形成し、これを放送する。
【0024】
DABの場合には、図1に示したように、比較的に小電力の多数の送信局2を通じて、単一の周波数の放送信号でサービスエリアをカバーするSFN(Single Frequency Network)方式を採用することによって、安定して高品位に放送信号を送信することができるようにしている。各受信機3は、最寄りの送信局2から送信された放送信号を受信、選局し、これを復調して利用することになる。
【0025】
なお、図1においては、説明を簡単にするために、受信機3は1台しか示していないが、受信機3は、多数のユーザーのそれぞれ毎に存在するものであり、実際には多数の受信機3が存在することになる。
【0026】
また、各ユーザーの受信機3と、各ユーザーのネットワーク端末4とは、所定のインターフェースを通じて接続可能にされている。この実施の形態においては、後述もするように、受信機3とネットワーク端末4とはUSB(Universal Serial Bus)によって接続することができるようにされている。これにより、後述もするように、ネットワーク端末4は、受信機3に蓄積された蓄積データを吸い上げたり(収集したり)、また、各受信機3に対して必要なデータを供給したりすることができるようにされる。
【0027】
そして、受信機3のユーザー側のネットワーク端末4と、放送局側のサーバー装置13とは、通信ネットワーク5を通じて通信回線を接続し、データの送受を行うことができるようにしている。これにより、ユーザー側のネットワーク端末4は、受信機3から収集した情報をサーバー装置13に送信したり、サーバー装置13から必要な情報の提供を受けて、これをユーザーに提供したりすることができるようにされる。
【0028】
なお、この実施の形態において、放送局1は、図1に示したように、DABの放送信号の送出元であり、送信局2は、各地域ごとに設けられ、放送局(送出元)1からの放送信号を中継する役割を有するものである。また、放送局1から送出された放送信号をユーザーの受信機で受信して利用することもでき、放送局1は送信局としての機能をも有するものである。
【0029】
また、この実施の形態において、ネットワーク端末4としては、通信機能を備え、通信ネットワーク5に接続可能とされたパーソナルコンピュータや携帯電話端末などの機器である。また、この実施の形態においては、サーバー装置3は放送局1に設けるようにしたが、放送局1とは全く別に設けるようにすることも可能である。すなわち、放送設備11とは全く別の場所である例えば集計センターなどに設置したり、また、視聴率の調査会社の装置として設けたりすることも可能である。
【0030】
そして、DABの場合には、1つの放送信号に複数のコンテンツデータ(放送番組データ)が多重化されると共に、例えば、送信局識別情報や放送時刻情報などの付加情報が多重化されている。この実施の形態においては、DABの放送信号に多重化された付加情報のうち、送信局識別情報や放送時刻情報を抽出し、これを利用することにより受信機3の受信位置を推定(推測)するなど、従来できなかった新たな機能を実現することができるようにしている。
【0031】
[DABの放送信号(アンサンブル信号)フレーム構造について]
次に、放送局の放送設備12から送出されるDABの放送信号(アンサンブル信号)のフレーム構造について説明する。図3はDABの放送信号のフレーム構造を説明するための図である。DABの放送信号は、フレーム単位に送信され、図2に示すように、各フレームは、同期用のシンボル、(Fast Information Channel)、MSC(Main Data Channel)からなっている。
【0032】
図3に示すように、同期シンボルとしては、ヌルシンボル、フェーズリファレンスシンボルの2シンボル用意されている。このうち、ヌルシンボルには、DABの放送信号の送信局の識別情報(送信局識別情報)が含まれるようにされている。
【0033】
FICは、3つ以上のサブブロックから構成されており、上述した放送局識別情報、放送時刻情報、サービスID(放送番組識別情報)、プログラムタイプ、コンテンツの再生制御に用いるコンテンツ制御情報、放送局からの放送信号を中継する送信局の位置情報(送信局位置情報)、その他、放送信号を識別するためのアンサンブルID(放送信号識別情報)、サブチャンネルID、コンポーネントID、各種のラベル情報、データの多重化に関する情報等の様々な付加情報を有するようにされている。
【0034】
また、MSCは、図3に示したように、時間軸上に多重化された放送番組などのデータフィールドを有するようにされている。すなわち、DABのアンサンブル信号に多重化された複数のオーディオデータ等が、このMSCの各データフィールドのデータである。
【0035】
このようなフレーム構造を有するDABの放送信号(アンサンブル信号)を受信する受信機においては、受信したアンサンブル信号の各フレームのFICに含まれているプログラムタイプや多重化に関する情報を抽出し、これを用いることによって、複数の放送番組のオーディオデータが多重化されているアンサンブル信号から、目的とする放送番組のオーディオデータを抽出し、これを再生することによって、ユーザーが聴取できるようにされる。
【0036】
[受信機3の構成と動作について]
次に、上述したようなフレーム構造を有するDABの放送信号を受信して復調するこの実施の形態の受信機3について説明する。図4は、この実施の形態の受信機3を説明するためのブロック図である。
【0037】
この実施の形態の受信機3は、以下に説明するように、受信したDABの放送信号を復調して再生することができると共に、受信したDABの放送信号から抽出される付加情報のうち、送信局識別情報や放送時刻情報などの受信位置の推定処理やDABの所定の放送信号が確かに受信選局されていたか否かの認証処理等のために必要となる情報を聴取履歴情報として蓄積する。
【0038】
そして、蓄積した聴取履歴情報を用いて自己の受信位置位置を推定したり、また、蓄積した聴取履歴情報を放送局2側のサーバー装置13に送信して、サーバー装置13側において、DABの所定の放送信号が確かに受信選局されていたか否かの認証処理を行うなどのために利用できるようにしたりしている。
【0039】
そして、この実施の形態の受信機3では、アンテナ31で、DABの放送信号が受信され、フロントエンド(図4においてはF/Eと記載。)32で、その受信信号がダウンコンバートされて中間周波信号に変換され、A/D(Analog/Digital)コンバータ33で、その中間周波信号がデジタル信号に変換され、そのデジタル信号が、直交復調回路(図3においてはDIQと記載。)34で、同相成分(inphase)と直交成分(quadrature)に分解され、FFT(Fast Fourier Transform)復調回路35で、周波数領域のデータに復調される。
【0040】
復調されたデータ中の、図3に示した同期チャンネルのフェーズリファレンスシンボル部分のデータは、DSP(Digital Signal Processor)36に送られて、DSP36から同期制御信号が得られ、その同期制御信号が、D/A(Digital/Analog)コンバータ46でアナログ信号に変換されて、フロントエンド32およびA/Dコンバータ33に送られる。
【0041】
復調されたデータ中の、FICデータおよびMSCデータは、バッファ用のRAM37を備えるデインターリーブ処理回路(図3においてはDe−Intと記載。)38で、差動復調された後、周波数デインターリーブ処理される。
【0042】
さらに、そのうちのMSCデータは、デインターリーブ処理回路18で時間デインターリーブ処理された後、ビタビ復号回路39でビタビ復号され、時間インターリーブ処理されていないFICデータは、そのまま、ビタビ復号回路39でビタビ復号される。
【0043】
ビタビ復号後のMSCデータ中のMPEG(Moving Picture Experts Group)圧縮されたオーディオデータは、MPEGデコーダ41でMPEG復号された後、D/Aコンバータ42でアナログ音声信号に変換され、そのアナログ音声信号が音声増幅回路43で増幅されてスピーカー44に供給される。
【0044】
また、ビタビ復号後のFICデータは、ビタビ復号回路39から制御部51に供給され、種々の制御に用いられたり、また、FICデータの中の予め決められた所定のデータについては、視聴履歴情報とをして記憶保持され管理したりすることができるようにされる。
【0045】
さらに、この実施の形態の受信機3においては、ビタビ復号回路39からのビタビ復号後のデータは、受信品質測定回路45に供給される。受信品質測定回路45は、ビタビ復号後のデータに基づいて、受信信号(DABの放送信号)のエラーレート(伝送エラーレート)を算出する。ここで算出された伝送エラーレートは、制御部51に供給される。
【0046】
DABの放送信号の伝送エラーレートは、受信状態を示すものであるが、一般に、送信局2から受信機3までの距離が近い場合には、受信状態はよく、伝送エラーレートは低くなるが、送信局2から受信機3までの距離が遠くなるにしたがって、受信状態も悪くなり、伝送エラーレートも高くなるという関係を持っている。
【0047】
したがって、受信機3が受信しているDABの放送信号についての伝送エラーレートは、受信機3が受信しているDABの放送信号の送信局と当該受信機3との位置関係、すなわち、送信局2を基準とする受信機3の位置(受信位置)を推定するための情報として用いることができるものである。
【0048】
なお、この実施の形態においては、ビタビ復号後のデータを用いて受信品質測定回路45において、伝送エラーレートを測定するものとして説明したが、これに限るものではない。いわゆるプレ・ビタビ方式を用いることによって、ビタビ復号前の受信データを用いて受信したDABの放送信号の伝送エラーレートを測定することも可能である。
【0049】
また、この実施の形態の受信機3のフロントエンド32は、受信、選局した放送信号の受信電界強度を測定する機能を備え、測定した受信電界強度を示す情報を、A/Dコンバータ47を通じて制御部51に供給する。受信電界強度は、遮蔽物などの影響を受けるが、基本的に、受信電界強度は、送信局からの距離が短ければ大きくなり、送信局からの距離が長くなれば小さくなる。したがって、この受信電界強度も、受信機が受信しているDABの放送信号の送信局と当該受信機との位置関係を推定する情報として用いることができるものである。
【0050】
そして、この実施の形態の受信機3の制御部51は、図では省略したが、CPU(Central Processing Unit)、このCPUが実行すべき後述の受信位置を推定するための受信位置推定処理ルーチンを含むプログラムや各種の固定データが書き込まれたROM(Read Only Memory)、および、CPUのワークエリアなどとして機能するRAM(Random Access Memory)等を有するものとして構成されたものである。
【0051】
この制御部51には、図4に示したように、操作部53が、入力インターフェース(図4においては入力I/Fと記載。)54を介して接続され、また、表示部55が、表示制御部56を介して接続される。ここで表示部55は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)が用いられたものである。
【0052】
ユーザーは、表示部55にアンサンブルのリストを表示させて、操作部53での操作により、アンサンブルを選択し、さらに、その選択したアンサンブルに属するサービスのリストを表示部55に表示させて、操作部53での操作によりサービスを選択することができる。
【0053】
そして、この実施の形態の受信機3の制御部51は、図4に示したように、ビタビ復号回路39からのビタビ復号後のFICデータから聴取履歴情報として残しておくべき送信局識別情報などのデータを抽出すると共に、これらの抽出したデータと、フロントエンド32において測定するようにした受信電界強度と、品質測定部45において測定したDABの放送信号の伝送エラーレートとを関連付けた聴取履歴情報を情報蓄積メモリー61に蓄積するようにしている。
【0054】
図5は、受信機3の情報蓄積メモリー61に蓄積される聴取履歴情報(履歴情報)の一例を説明するための図である。図4に示すように、この実施の形態の受信機3において、制御部51は、ビタビ複号回路39から供給されるFICデータから抽出するようにした(1)放送局識別情報、(2)放送時刻情報、(3)番組識別情報、(4)プログラムタイプ、(5)送信局識別情報と、測定して得た(6)受信電界強度と(7)受信信号の伝送エラーレートとを対応付けて蓄積するようにしている。
【0055】
また、制御部51には、放送局情報メモリー62が接続されている。この放送局情報メモリー62には、予め放送局や送信局の識別情報と、それら放送局や送信局の送信出力や位置を示す情報等を記憶保持している。
【0056】
図6は、放送局情報メモリー62に予め記憶保持される放送局情報の一例を説明するための図である。図6に示すように、この実施の形態においては、予め各放送局、送信局に割り当てられている識別情報(放送局識別情報または送信局識別情報)と、その放送局または送信局の送信出力を示す情報と、その放送局または送信局の位置を示す情報(緯度経度情報)とが関連付けられて記憶されている。
【0057】
そして、この実施の形態の受信機3の制御部51は、詳しくは後述するように、情報蓄積メモリー61に蓄積された情報と、放送局情報メモリー62に保持されている情報とに基づいて、受信した放送信号の送信局の位置を基準として、自機の受信位置を推定し、これを例えば表示部55を通じてユーザーに通知することができるものである。
【0058】
そして、この実施の形態の受信機3の制御部51は、情報蓄積メモリー61に蓄積された聴取履歴情報を、USB(Universal Serial Bus)インターフェース(図4においてはUSBI/Fと記載。)を通じて、例えば、パーソナルコンピュータであるネットワーク端末4に提供することができるものである。なお、受信機3とネットワーク通信端末4との接続インターフェース(図4の63)は、USBなどの有線接続に限らず、Bluetoothなどの無線接続も可能である。
【0059】
ネットワーク端末4は、USBインターフェースを通じて自機に接続された受信機3からこれに蓄積されている聴取履歴情報を収集する。そして、ネットワーク端末4は、通信ネットワーク5を介して放送局側のサーバー装置13との間に通信回線を接続し、受信機3から収集した蓄積データと当該ネットワーク端末4自身の識別情報とを、サーバー装置13に送信する。
【0060】
サーバー装置13は、詳しくは後述もするが、ネットワーク端末4からの受信機3から収集した聴取履歴情報に基づいてコンテンツデータベース11に蓄積されている情報を検索し、聴取履歴情報が示す放送番組を選局してユーザーが聴取できるようにしていたかの認証を取るようにすることができるようにされる。
【0061】
また、サーバー装置4は、ネットワーク端末4から提供された聴取履歴情報に基づいて、DABの放送信号により提供された放送番組を聴取できるようにしていたときの当該受信機3の位置(受信位置)を推定してどこでDABの放送信号2より提供された放送番組が利用するようにされていたのかを確認したり、また、聴取履歴情報に基づいて、聴取率を算出したり、視聴者プレゼントの当選者を選んだりするなどのことができるようにしている。
【0062】
このようなサーバー装置13においての処理の結果得られた情報は、通信ネットワーク5を通じて、聴取履歴情報の送信元のネットワーク端末4に返信される。ネットワーク端末4は上述もしたように、例えばパーソナルコンピュータであり、サーバー装置13からの処理の結果得られた情報の提供を受け、これを自機のディスプレイに表示するなどして、受信機3のユーザーに提供し、サーバー装置3からの処理結果をユーザーが利用可能することができる。
【0063】
なお、上述の説明からわかるように、この実施の形態の受信機3において、主に、フロントエンド32が選局手段としての機能を実現し、A/Dコンバータ33、直交復調回路34、FFT復調回路35、デインターリーブ処理回路38、ビタビ復号回路39からなる復調処理系と制御部51とが少なくとも送信局識別情報や送信時刻情報などの必要な情報を抽出する抽出手段としての機能を実現している。
【0064】
また、この実施の形態においては、受信電界強度と伝送エラーレートとを受信状態(受信品質)を示す情報として用いるようにしており、受信電界強度の検出機能を備えたフロントエンド32と、受信品質測定回路45とが、受信状態を示す情報を検出する検出手段としての機能を実現している。また、情報蓄積メモリー61が聴取履歴情報(履歴情報)を蓄積する蓄積手段としての機能を実現し、USBインターフェース63とネットワーク端末4とが、履歴情報をサーバー装置13に提供する提供手段としての機能を実現している。
【0065】
さらに、放送局情報メモリー62が、送信局識別情報と送信局の送信出力情報と送信局の位置情報とを含む放送に関する情報を保持する保持手段としての機能を実現し、制御部51が、自機の受信位置を推定する自機位置推定手段としての機能を実現し、また、表示部55と表示制御部56とが推定結果を通知する通知手段としての機能を実現している。
【0066】
[サーバー装置13の構成と動作について]
次に、放送局側のサーバー装置13について説明する。図7は、この実施の形態のサーバー装置13を説明するためのブロック図である。
【0067】
図7に示すように、この実施の形態のサーバー装置13は、CPU131、ROM132、RAM33、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)134、通信インターフェース(図7においては通信I/Fと記載。)、作業ファイル136、外部記憶装置とのインターフェース(図7においてはI/Fと記載。)137、138を備えたものである。
【0068】
サーバー装置13は、インターフェース137を通じて、放送局側に設けられるコンテンツデータベース11のデータを参照することができると共に、インターフェース138を通じて、同じく放送局側に設けられる放送局データベース14のデータをも参照することができるものである。
【0069】
ここで、コンテンツデータベース11は、図2を用いて説明したように、放送した(過去の)番組に関する情報、放送している(現在の)番組に関する情報、これから放送する(未来の)番組に関する情報を記憶保持するものであり、DABの放送信号(アンサンブル信号)に多重化するようにする種々の情報からなるものである。
【0070】
また、放送局データベース14は、例えば、図6に示したように、放送局識別情報または送信局識別情報、送信出力情報、放送局または送信局の位置情報を記憶保持するものである。
【0071】
そして、サーバー装置13は、上述もしたように、DABの受信機のユーザーから、ネットワーク端末4および通信ネットワーク5を通じて送信されてくるDABの受信機の聴取履歴情報を通信インターフェース135を通じて受け付け、これを作業ファイル136に記憶する。
【0072】
そして、サーバー装置13のCPU131は、ROM132から受信位置を推定する処理を行うプログラムを読み出して実行し、まず、作業ファイル136に格納した蓄積情報に基づいて、コンテンツデータベース11内を検索し、蓄積情報を送信してきたユーザーは、受信機3を通じて、いつ、どの放送番組を聴取するようにしたのかの認証を取る。
【0073】
そして、サーバー装置13のCPU131は、作業ファイル136に記憶した情報と、放送局データベース14に保持されている情報とに基づいて、受信した放送信号の送信局の位置を基準として、受信機3の受信位置を推定する。作業ファイル136に記憶した聴取履歴情報が複数個ある場合には、当該聴取履歴情報を蓄積した受信機3の移動経路までをも推定することができる。
【0074】
このサーバー装置13においての受信位置の推定処理結果は、サーバー装置13から通信ネットワーク5を通じて、送信元のネットワーク端末4に返信することにより、受信機3のユーザーもネットワーク端末4を通じて、利用することができるようにされる。
【0075】
このように、この実施の形態のサーバー装置13は、DABの受信機3のユーザーから送信されてくるDABの受信機において蓄積した蓄積情報と、コンテンツデータベースと、放送局データベースとに基づいて、検索機能、認証機能、受信位置(受信場所)推定機能を実現するようにしている。
【0076】
なお、上述の説明からわかるように、この実施の形態のサーバー装置13において、通信インターフェース135がCPU131と協働して、受信手段および送信手段としての機能を実現し、また、主に、CPU131がここで実行するプログラムによって、推定手段としての機能を実現している。
【0077】
[受信位置推定システムを構成する各装置の処理について]
次に、この実施の形態の受信位置推定システムを構成する装置のうち、受信機3、ネットワーク端末4、サーバー装置13のそれぞれにおいて行われる処理について、フローチャートを参照しながら説明する。
【0078】
[受信機においての処理]
まず、この実施の形態の受信機3において行われる処理について説明する。図8は、受信機3において行われる処理を説明するためのフローチャートである。図8に示す処理は、受信機3に電源が投入された場合に、受信機3の制御部51の制御によって行なわれる処理である。
【0079】
受信機3に電源が投入されると、制御部51は、DSP36を通じて受信系の各部を制御し、DABの放送信号を受信、選局し、復調処理を行って再生するようにする処理を開始する(ステップS101)。ここで、復調処理は、上述もしたように、直交復調回路34、FFT復調回路35、デインターリーブ処理回路38、ビタビ復調回路39、MPEGデコーダ41の各処理回路での一連の処理である。このステップS101の処理により、受信機3を通じてのラジオ放送番組の聴取が可能となる。
【0080】
なお、このステップS101の処理では、電源の投入直後の場合には、制御部51は、いわゆるラストチャンネルメモリー機能を用いて、前回電源が落とされる直前まで、受信、選局し、再生するようにしていたDABの放送信号と同じ周波数のDABの放送信号を受信、選局し、復調処理を開始するようにする。また、ユーザーからの選局を変更する指示を受け付けた場合には、制御部51は、その変更指示に応じて、選局している放送信号を変更し、選局変更後の放送信号の復調処理を開始するようにしている。
【0081】
そして、上述もしたように、ビタビ復号回路39において、復号されたFICデータは、制御部51に供給されて種々の制御に用いられるが、制御部51は、ビタビ復号回路39からのFICデータのうち、放送局識別情報、放送時刻情報、番組識別情報、プログラムタイプ、送信局識別情報などの受信位置推定処理や認証処理に必要になるデータを抽出する(ステップS102)。
【0082】
また、制御部51は、フロントエンド32の機能により検出される、選局しているDABの放送信号の受信電界強度を、A/Dコンバータ47を通じて取得すると共に、受信品質測定回路45において、ビタビ復号回路39からの復号されたデータに基づいて検出される受信信号(受信したDABの放送信号)についての伝送エラーレートを取得する(ステップS103)。
【0083】
そして、制御部51は、ステップS102において抽出した必要なデータと、ステップS103において取得した受信電界強度および伝送エラーレートとを対応付けて、情報蓄積メモリー61に蓄積する(ステップS104)。この後、蓄積した情報の内の送信局識別情報に基づいて、送信局情報メモリー62を参照し、送信局に関する情報である該当送信局の送信出力情報と当該送信局の位置とを取得する(ステップS105)。
【0084】
この後、制御部51は、ステップS105において取得した、受信している放送信号の送信局に関する情報(送信出力と位置)と、ステップS104において取得した受信電界強度および伝送エラーレートとに基づいて、当該送信局の位置を基準とし、その送信局からの放送信号を受信している受信機3の受信位置を算出する(ステップS106)。
【0085】
このステップS106においての処理は、上述もしたように、受信機3における受信したDABの放送信号の受信電界強度と伝送エラーレートとは、当該DABの放送信号を送信している送信局から当該受信機3までの距離に応じて変化するものである。つまり、受信電界強度は送信局からの距離に逆比例し、また、伝送エラーレートは送信局からの距離に比例するという関係を有している。
【0086】
この関係を利用し、この実施の形態の受信機3においては、受信している放送信号の送信局の送信出力と、その放送信号を受信している受信機におけるその放送信号の受信電界強度とに基づいて、所定の計算式にしたがって、送信局から受信機3までの距離を算出する。このように、ステップS106の処理は、送信局の送信出力と、受信機3で検出した受信電界強度とに基づいて、送信局の位置(所在地)を基準とする受信機の受信位置を推定する受信位置推定処理を実現している。
【0087】
そして、制御部51は、ステップS106において算出した受信位置、および、ステップS104においてメモリーに蓄積した放送時刻などの情報を、表示制御部56を通じて表示部55に表示することにより、受信機3のユーザーに通知するようにする(ステップS107)。
【0088】
このステップS107の通知処理においての受信位置の通知は、例えば、送信局の位置を中心とし、半径何キロの範囲内などのように、受信位置の属するであろう範囲を通知するようにしたり、簡単な地図情報などを利用することにより、送信局の位置を基準として、XX県XX市付近などのように通知したりすることができるようにされる。
【0089】
この後、制御部51は、操作部53を通じて、ユーザーから選局の変更指示を受け付けたか否かを判断し(ステップS108)、選局の変更指示を受け付けたと判断した時には、この図8に示すステップS101からの処理を繰り返し、新たに選局するようにした放送信号について、上述した処理を行って、当該受信機3がDABの放送信号を受信している位置を推定するようにする。
【0090】
ステップS108の判断処理において、ユーザーからの選局の変更指示を受け付けていないと判断したときには、制御部51は、当該受信機3の電源をオフにする操作が行われたか否かを判断する(ステップS109)。ステップS109の判断処理において、電源をオフにする操作はされていないと判断した時には、制御部51は、受信、選局したDABの放送信号の復調を行い再生する処理を続行すると共に、ステップS102からの判断処理を繰り返し、受信位置の推定処理および受信位置などの通知処理を繰り返すようにする。
【0091】
また、ステップS109の判断処理において、電源をオフにする操作を受け付けと判断したときには、制御部51は、電源投入時において、前回電源をオフにする直前まで、受信、選局していた放送信号を再度受信し選局するための情報を制御部51に設けられたEEPROMなどの不揮発性メモリーに格納し、各部について電源を落とせる状態に遷移させて、電源を落とすようにする終了処理を実行して(ステップS111)、この図8に示す処理を終了する。
【0092】
なお、受信電界強度と伝送エラーレートとを用いることにより、例えば、受信電界強度が高いのに、伝送エラーレートが低い場合などには、妨害波が多く、受信位置の算出には利用できないと判断し、再度、受信電界強度と伝送エラーレートとの検出を行うようにして確認し、両者の検出情報の関係が正常な値となった後に受信位置の算出を行うようにしてもよい。
【0093】
また、受信位置の推定処理において、受信位置を計算により求めるようにする場合には、受信している放送信号の送信局の送信出力と、その放送信号を受信している受信機におけるその放送信号についての伝送エラーレートとに基づいて、所定の計算式にしたがって、送信局から受信機3までの距離を算出するようにしてもよい。
【0094】
また、受信している放送信号の送信局の送信出力と、その放送信号を受信している受信機におけるその放送信号の受信電界強度および伝送エラーレートとに基づいて、所定の計算式にしたがって、送信局から受信機3までの距離を算出するようにしてもよい。つまり、受信電界強度と伝送エラーレートとの一方または両方を用いることが可能である。
【0095】
また、ここでは、受信機3におけるDABの放送信号の受信位置の推定処理においては、計算式により求めるものとして説明したが、これに限るものではない。例えば、送信局の送信出力と受信電界強度と送信局からの距離との関係、あるいは、送信局の送信出力と伝送エラーレートと送信局からの距離とのの関係、あるいは、送信局の送信出力と、受信電界強度および伝送エラーレートと、送信局からの距離との関係を予め計算により求めるか、予め測定しておくことにより得ておくようにする。
【0096】
そして、予め得るようにした上述の関係を示す情報をテーブル化して内部メモリーあるいは受信機3に着脱可能とされた外部メモリーに予め記憶保持させておき、これを用いて受信位置を推定するようにすることもできる。つまり、送信出力が何kWの時に受信電界強度が何V/mであれば、送信局からの距離は何kmというように、上述した受信位置を推定するための各パラメータ同士の関係をテーブル化しておく。
【0097】
このようなテーブル情報を用いることにより、受信している放送信号の送信局の送信出力と、受信電界強度、あるいは、伝送エラーレート、あるいは、受信電界強度と伝送エラーレートがわかれば、それらの情報に基づいて、単にテーブル情報を参照するだけで、迅速に送信局を基準とする受信機3の受信位置を比較的に正確に推定することができる。
【0098】
[ネットワーク端末の処理]
次に、上述したように、受信機3の情報蓄積メモリーに蓄積される情報を放送局側のサーバー装置3に送信する場合に、受信機3のユーザー側において用いられるネットワーク端末4においての処理について説明する。図9は、ネットワーク端末4においての処理を説明するためのフローチャートである。
【0099】
上述もしたように、ネットワーク端末4は、通信機能を備えたパーソナルコンピュータや携帯電話端末等の機器であり、この実施の形態においては、USBインターフェースを通じてこの実施の形態の受信機3が接続される。
【0100】
ネットワーク端末4は、ユーザーから受信機3の蓄積情報である聴取履歴情報を収集することの指示入力を受け付けると、図9に示す処理を実行し、USB接続された受信機3に対して聴取履歴情報の提供を要求し、これに応じて受信機3からUSBインターフェースを通じて送信されてくる聴取履歴情報を取り込む(ステップS201)。
【0101】
そして、ネットワーク端末4は、ユーザーからの指示に応じて、通信ネットワーク5を通じてサーバー装置13との間に通信回線を接続し、受信機から取り込んだ聴取履歴情報を当該ネットワーク端末の識別情報と共にサーバー装置13に送信する(ステップS202)。
【0102】
ネットワーク端末4は、サーバー装置13からの返信を待ち、サーバー装置13から受信位置の推定結果などが送信されて来たときには、サーバー装置13からの受信位置の推定結果などを受信し(ステップS203)、これをユーザーに通知し(ステップS204)、この図9の処理を終了する。
【0103】
なお、サーバー装置14においての受信場所の推定処理等にある程度の時間がかかる場合には、ステップS203の後に、一旦通信回線を切断し、サーバー装置13からの接続要求に応じて、再度、通信回線を接続した後に、返信されてきた情報を受信するようにしてもよい。
【0104】
このように、この実施の形態においては、受信機3において蓄積された聴取履歴情報は、ネットワーク端末4と通信ネットワーク5とを通じて、サーバー装置13に送られ、サーバー装置13において後述もするように、検索処理、認証処理、受信位置推定処理が行われ、その結果の返信を受けて、ユーザーに通知することができるようにしている。
【0105】
[サーバー装置の処理]
次に、上述したように、放送局側に設けられるサーバー装置13においての処理について説明する。図10は、サーバー装置13においての処理を説明するためのフローチャートである。
【0106】
放送局側のサーバー装置13は、ネットワーク端末からの接続要求を受信し、通信回線を接続するようにした場合に、図10に示す処理を開始する。そして、サーバー装置13のCPU131は、ネットワーク端末4から送信されてくる聴取履歴情報とネットワーク端末の識別情報とを通信インターフェース135を通じて受信し、これを作業用ファイル136に格納する(ステップS301)。
【0107】
次に、CPU131は、ROM132に格納されているプログラムを実行し、作業ファイル136に格納した聴取履歴情報と、コンテンツデータベース11や放送局データベース14が用いられて、受信するようにした放送番組の情報をコンテンツデータベースから探し出す検索処理や、この検索結果に基づいて、確かに放送された放送番組が受信、選局され、復調されて利用可能にされていたか否かの認証を取るようにする認証処理、さらに、受信した放送信号を送出した送信局の位置を基準として、受信位置の推定処理を行う(ステップS302)。
【0108】
そして、サーバー装置13のCPU131は、ステップS302の処理結果を例えば作業領域136に保存し(ステップS303)、これを聴取履歴情報の供給元のネットワーク端末4に送信する(ステップS304)。これにより、サーバー装置13における処理結果をネットワーク端末4を通じて受信機3の使用者が利用することができるようにされる。
【0109】
つまり、サーバー装置13からの処理結果を、視聴履歴情報をネットワーク端末を通じて送信してきた受信機のユーザーは、送信局の位置情報、放送時刻情報、受信電界強度や受信信号の伝送エラーレートなどの受信品質などに基づいて、特定の時刻に特定の場所(エリア)にいたことの証明に、サーバー装置13からの処理、および、その結果を用いることができる。また、聴取履歴情報に基づいて、自己の移動経路を辿ることができる。
【0110】
また、サーバー装置13においての処理結果は、放送局側でも利用することができる。例えば、聴取率調査のサンプル抽出に利用したり、実際に放送を受信していたと認証が取れた聴取者だけに、懸賞の応募資格や当選資格を付与するようにしたりすることができる。
【0111】
また、放送信号の放送元の放送局から一番離れた場所で聴取していた聴取者に懸賞応募の上で優遇する条件を適用したり、当選確率を高くしたりするなど、その受信位置に応じた区分けが可能となる。また、利用率の高い送信局と利用率の低い送信局を把握したりするなど、受信状況を把握することができ、送信局の統廃合や新規送信局の設置の計画を立てる上での有効な情報を得ることができる。
【0112】
[その他]
なお、上述した実施の形態においては、受信機3において蓄積した聴取履歴情報は、受信機3とは別体の例えばパーソナルコンピュータや携帯電話端末等のネットワーク端末を介してサーバー装置4に送信する場合を例にして説明したが、これに限るものではない。
【0113】
受信機3が通信機能を備えるものであれば、図1において点線で示したように、受信機3自身が自己の通信機能を用いて通信ネットワーク5を介してサーバー装置13との間に通信回線を接続し、直接にサーバー装置3に対して聴取履歴情報を送信したり、サーバー装置13からの処理結果の提供を受けたりすることが可能である。また、この場合には、サーバー装置13からの接続要求に応じてサーバー装置13との間に通信回線を接続するようにすることも可能である。
【0114】
また、上述した実施の形態においては、主に送信局識別情報、受信品質を示す受信電解強度や受信信号の伝送エラーレート、放送時刻情報に基づいて、コンテンツデータベース11や放送局データベース14の情報を活用することにより、受信機3によるDABの放送信号の受信位置を推定するものとして説明した。しかし、これに限るものではない。例えば、番組識別情報やコンテンツタイプを利用することにより、目的とする放送番組を受信選局して利用していたことを証明することもできるし、放送局側にとっては、放送番組毎の聴取率調査を行うことも可能である。
【0115】
また、DABの放送信号のFICには、送信局の位置情報(経度緯度情報)も含まれて放送されるので、受信機3においては、これを抽出し、自己の放送局情報メモリー62の内容を適宜のタイミングで更新するようにすることも可能である。このようにすれば、常時、最新の送信局の位置情報に基づいて、受信位置を推定することが可能となる。
【0116】
また、上述もしたように、DABの放送信号を受信する場合を例にして説明したが、これに限るものではない。送信局識別情報や放送時刻などの付加情報が多重化されたDAB以外のデジタル放送信号を受信する場合にもこの発明を適用することができる。
【0117】
また、デジタル放送の場合だけでなく、アナログ放送信号を受信する場合にも、この発明を適用することができる。例えば、アナログ放送信号であるFM放送信号に種々のデータを多重化して放送するFM多重データ放送(RDSやDARC(Data Radio Channel)など)も行われており、このようなアナログ多重化放送の場合に、送信局識別情報や放送時刻などの必要な情報が放送信号に多重化されていればこの発明を適用することができる。
【0118】
また、上述の実施の形態においては、1つのDABの放送信号を利用する場合を例にして説明したが、これに限るものではない。例えば、受信機3において、自己の受信位置の推定を行うことが指示された場合に、まず、現在受信選局しているDABの放送信号に基づいて、上述した処理を行う。
【0119】
次に、他の放送信号を所定時間受信するように、一時的に選局チャンネルを切り換えて、その放送信号2ついても、送信局の位置情報、受信電界強度や受信信号の伝送エラーレートに基づいて、受信位置を推定し、2つの推定結果を用いることにより、より精度高く受信位置を推定するようにすることも可能である。
【0120】
もちろん、2つ以上の周波数の異なる複数の放送信号を順次に用いて、受信位置を推定することにより、受信位置を正確に特定するようにすることも可能である。この場合、用いる放送信号は、デジタル放送信号であっても、アナログ放送信号であってもよい。
【0121】
また、DABの場合、上述もしたように、単一の周波数の放送信号を複数の送信局を通じて放送するいわゆるSFN(Single Frequency Network)方式を採用しているので、実際には、複数の送信局からの同じ周波数のDABの放送信号を受信している場合もある。
【0122】
この場合には、各送信局の位置が異なることにより、異なる送信局からのそれぞれの放送信号を受信機3が受信した場合に、ごく僅かではあるが受信タイミングのずれが生じる。このずれを検出し、このずれ量と、各送信局の位置とに基づいて、受信位置を推定するようにしてもよい。
【0123】
このように、複数の放送信号を順次に切り換えて利用したり、また、同時に受信する複数の送信局からの同一周波数の放送信号を利用したりすることもできる。
【0124】
また、上述もしたように、放送信号には、放送時刻情報が多重化されている場合、どれ位の時間、その放送番組を受信して利用するようにしていたかを受信機3において把握することができる。また、この情報は、サーバー装置4に送信される聴取履歴情報を解析することも可能である。
【0125】
このため、この聴取時間をも求めるようにし、所定時間以上受信して利用していた場合にのみ、現実の聴取としてカウントし、例えば選局時にたまたま受信選局された場合など、単にごく僅かな時間受信選局された場合をも実際の聴取としないようにすることによって、現実に即した聴取率を求めることができる。
【0126】
また、目的とする放送信号を所定時間以上受信選局していた場合にのみ、検証への応募権を付与するなど、聴取時間に応じて種々の処理を行うようにすることも可能である。
【0127】
また、上述した実施の形態においては、受信機3で蓄積した情報をサーバー装置13に送信する場合を例にして説明した。しかし、上述もしたように、受信機3自体が、自己の受信位置を推定する機能を備えているので、受信位置については、一々サーバー装置13に聴取履歴情報を送るようにしなくてもよい。
【0128】
また、利用する放送信号は、ラジオ放送信号に限るものではなく、テレビ放送信号であってもよく、この場合には、受信機として画像表示用の表示素子を沿いなえたテレビ受信機となる。
【0129】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、放送信号に多重化されている送信局の位置情報を有効に活用し、受信位置の通知など新たな機能を受信機の使用者に提供することができる。
【0130】
また、受信機で蓄積される聴取履歴情報の提供を受けて、サーバー装置は、これを視聴率調査や受信状況の把握などに利用できるほか、受信機の所定の放送信号、あるいは、放送番組を利用していたことの認証を行ったり、また、受信機の受信位置、移動経路などを推定したりして、その結果を受信機側のユーザーに提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態が適用されて形成された受信位置推定システムを説明するための図である。
【図2】コンテンツデータベースに蓄積される情報について説明するための図である。
【図3】DABの放送信号のフレーム構造について説明するための図である。
【図4】この発明の一実施の形態が適用された受信機を説明するためのブロック図である。
【図5】聴取履歴情報を説明するための図である。
【図6】放送局情報を説明するための図である。
【図7】この発明の一実施の形態が適用されたサーバー装置を説明するためのブロック図である。
【図8】受信機3においての処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】ネットワーク端末4においての処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】サーバー装置13においての処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1…放送局、11…コンテンツデータベース、12…放送設備、13…検索・認証・場所推定サーバー装置、14…放送局データベース、2…送信局、3…受信機、31…受信アンテナ、32…フロントエンド(F/E)、33…A/Dコンバータ、34…直交復調回路(DIQ)、35…FFT復調回路、36…DSP、37…RAM、38…デインターリーブ処理回路(De−Int)、39…ビタビ復号回路、41…MPEGデコーダ、42…D/Aコンバータ、43…音声増幅回路、44…スピーカー、45…受信品質測定回路、46…D/Aコンバータ、47…A/Dコンバータ、51…制御部、53…操作部、54…入力インターフェース、55…表示部、56…表示制御部、61…情報蓄積メモリー、62…放送局情報メモリー、63…USBインターフェース、4…ネットワーク端末、5…通信ネットワーク
Claims (7)
- 放送信号の受信機と、通信ネットワークに接続するようにされたサーバー装置とからなり、
前記受信機は、
少なくとも放送信号を送信している送信局を特定するための送信局識別情報と放送時刻情報とが多重化された放送信号を受信し、選局する選局手段と、
前記選局手段により選局された前記放送信号に多重化されている前記送信局識別情報と前記放送時刻情報とを抽出する抽出手段と、
前記選局手段により選局された前記放送信号の受信状態を示す情報を検出する検出手段と、
前記抽出手段により抽出された情報と前記検出手段により検出された情報とを関連付けた履歴情報を記憶保持する蓄積手段と、
前記蓄積手段に蓄積されている前記履歴情報を、所定の通信装置を通じて、あるいは、直接に、前記通信ネットワークを介して前記サーバー装置に提供するようにする提供手段と
を備え、
前記サーバー装置は、
前記通信ネットワークを介して、前記受信機から提供される前記履歴情報を受信する受信手段と、
前記受信手段を通じて受信した前記履歴情報と、予め用意される送信局識別情報と送信局の送信出力情報と送信局の位置情報とが関連付けられた送信局に関する情報とに基づいて、前記受信機の受信位置を推定する推定手段と
を備えることを特徴とする受信位置推定システム。 - 請求項1に記載の受信位置推定システムであって、
前記サーバー装置は、
前記受信機に対して、あるいは、前記受信機側の通信端末に対して、前記推定手段による推定結果を前記通信ネットワークを介して送信するようにする送信手段を備えることを特徴とする受信位置推定システム。 - 請求項1に記載の受信位置推定システムであって、
前記受信機は、
送信局識別情報と送信局の送信出力情報と送信局の位置情報とを含む放送に関する情報を保持する保持手段と、
前記蓄積手段に蓄積されている前記履歴情報と、前記保持手段に保持された前記放送に関する情報とに基づいて、自機の受信位置を推定する自機位置推定手段と、
前記自機位置推定手段による推定結果を通知する通知手段と
を備えることを特徴とする受信位置推定システム。 - 少なくとも放送信号を送信している送信局を特定するための送信局識別情報と放送時刻情報とが多重化された放送信号を受信し、選局する選局手段と、
前記選局手段により選局された前記放送信号に多重化されている前記送信局識別情報と前記放送時刻情報とを抽出する抽出手段と、
前記選局手段により選局された前記放送信号の受信状態を示す情報を検出する検出手段と、
前記抽出手段により抽出された情報と前記検出手段により検出された情報とを関連付けた履歴情報を記憶保持する蓄積手段と、
前記蓄積手段に蓄積されている前記履歴情報を、所定の通信装置を通じて、あるいは、直接に、通信ネットワークを介して目的とするサーバー装置に提供するようにする提供手段と
を備えることを特徴とする受信機。 - 少なくとも放送信号を送信している送信局を特定するための送信局識別情報と放送時刻情報とが多重化された放送信号を受信し、選局する選局手段と、
前記選局手段により選局された前記放送信号に多重化されている前記送信局識別情報と前記放送時刻情報とを抽出する抽出手段と、
前記選局手段により選局された前記放送信号の受信状態を示す情報を検出する検出手段と、
前記抽出手段により抽出された情報と前記検出手段により検出された情報とを関連付けた履歴情報を記憶保持する蓄積手段と、
送信局識別情報と送信局の送信出力情報と送信局の位置情報とを含む送信局に関する情報を保持する保持手段と、
前記蓄積手段に蓄積されている前記履歴情報と、前記保持手段に保持された前記送信局に関する情報とに基づいて、自機の受信位置を推定する自機位置推定手段と、
前記自機位置推定手段による推定結果を通知する通知手段と
を備えることを特徴とする受信機。 - 通信ネットワークを通じて提供される情報であって、受信し、選局した放送信号に多重化されている当該放送信号を送信している送信局を特定するための送信局識別情報と放送時刻情報と、受信した前記放送信号の受信状態を示す情報とを含む受信機からの送信情報を受信する受信手段と、
前記受信手段を通じて受信した前記送信情報と、送信局識別情報と送信局の送信出力情報とを含む放送に関する情報とに基づいて、前記受信機の受信位置を推定する推定手段と
を備えることを特徴とするサーバー装置。 - 請求項6に記載のサーバー装置であって、
前記送信情報を送信してきた前記受信機に対して、あるいは、前記受信機側の通信端末に対して、前記推定手段による推定結果を前記通信ネットワークを介して送信するようにする送信手段を備えることを特徴とするサーバー装置。
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