JP2005019340A - 電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料の均等供給・高効率な電気接続が可能な燃料電池を用いた、小型,低背で、かつ高機能で安定して使用可能な電子機器を提供すること。
【解決手段】燃料電池1を有している電子機器であって、この燃料電池1は、電極4,5を有する電解質部材3を収容する凹部を有する多層セラミックスから成る基体6と、基体6にて形成された第1流体流路8および第1配線導体10と、凹部を覆って取着される蓋体7と、蓋体7に形成された第2流体流路9および第2配線導体と、外部接続用端子12とを具備する燃料電池用容器2を有しており、この凹部に電解質部材3を収容して、電解質部材3の上下主面を第1および第2流体流路8,9との間で流体がやりとり可能なように配置するとともに、第1および第2電極4,5を第1および第2配線導体10,11に電気的に接続するとともに外部接続用端子12に電気的に接続し、凹部を覆って蓋体7を取着して成る。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電源として燃料電池を有する電子機器であって、電解質部材を収容可能な多層セラミックスから成る小型で高信頼性の燃料電池を有する電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電子機器の機能が増えるに伴い、消費電力は増加する傾向にある。また、2次電池では一定量の電力使用後には充電する必要があり、充電設備と充電時間が必要となるために、携帯電子機器の長時間駆動には多くの問題が残されている。
【0003】
こうした要求により、小型の燃料電池を電源として備えた携帯電話,ノート型PC(パーソナルコンピュータ)等の電子機器が提案されている。燃料電池は、燃料と酸素の供給を継続している限り連続して使用可能である。小型の燃料電池としては、固体高分子電解質形燃料電池(Polymer Electrolyte Fuel Cell:以下、PEFCと記す)や直接形メタノール燃料電池(Direct Methanol Fuel Cell:以下、DMFCと記す)といったものが知られている。
【0004】
これらの燃料電池は、作動温度が80〜100℃程度という低温であり、
(1)出力密度が高く、小型化・軽量化が可能である、
(2)電解質が腐食性でなく、しかも作動温度が低いため、耐食性の面から電池構成材料の制約が少ないので、コスト低減が容易である、
(3)他の燃料電池と比較し、常温で起動できるため、起動時間が短い、
といった優れた特長を有している。このためPEFCやDMFCは、以上のような特長を活かして、車両用の駆動電源や家庭用のコジェネレーションシステム等への適用ばかりでなく、携帯電話・PDA(Personal Digital Assistants)・ノート型PC(パーソナルコンピュータ)・デジタルカメラやビデオ等の出力が数W〜数十Wの携帯電子機器用の電源としての用途が考えられてきている。
【0005】
PEFCやDMFCは、大別して、例えば、白金や白金−ルテニウム等の触媒微粒子が付着した炭素電極から成る燃料極(カソード)と、白金等の触媒微粒子が付着した炭素電極から成る空気極(アノード)と、燃料極と空気極との間に介装されたフィルム状の電解質部材(以下、電解質部材と記す)とを有して構成されている。DMFCの場合、ここで、燃料極には、メタノール(CHOH)水溶液が供給され、一方、空気極には、大気中の(O)が供給されることにより、電気化学反応により所定の電気エネルギーが生成(発電)され、負荷に対する駆動電源(電圧/電流)となる電気エネルギーが生成される。
【0006】
具体的には、燃料極にメタノール(CHOH)水溶液が供給されると、次の化学反応式(1)に示すように、上記触媒により電子(e)が分離した水素イオン(プロトン;H)が発生し、電解質部材を介して空気極側に通過するとともに、燃料極を構成する炭素電極により電子(e)が取り出されて負荷に供給される。
【0007】
CHOH+HO→ CO+6H+6e ・・・(1)
一方、空気極に空気が供給されると、次の化学反応式(2)に示すように、上記触媒により負荷を経由した電子(e)と電解質部材を通過した水素イオン(H)と空気中の酸素ガス(O)とが反応して水(HO)が生成される。
【0008】
6H+3/2O+6e → 3HO ・・・(2)
このような一連の電気化学反応(式(1)および式(2))は、概ね室温〜100℃の比較的低温の温度条件で進行し、電力以外の副生成物は基本的に水(HO)のみとなる。
【0009】
電解質部材を構成するイオン導電膜(交換膜)は、スルホン酸基を持つポリスチレン系の陽イオン交換膜、フルオロカーボンスルホン酸とポリビニリデンフルオライドとの混合膜、フルオロカーボンマトリックスにトリフルオロエチレンをグラフト化したもの等が知られており、最近ではパーフルオロカーボンスルホン酸膜(例えばナフィオン:商品名、デュポン社製)等が用いられている。
【0010】
図7に、従来の燃料電池(PEFC)の構成を断面図で示す。同図において、71はPEFC、23は電解質部材、24および25は電解質部材を挟持するように電解質部材23上に配置され、ガス拡散層および触媒層としての機能を有する一対の多孔質電極、すなわち燃料極および空気極であり、26はガスセパレータ、28は燃料流路、29は空気流路である。
【0011】
ガスセパレータ26は、ガスセパレータ26の外形を形成する積層部およびガス流入出枠と、燃料流路28と空気流路29とを分離するセパレータ部と、このセパレータ部を貫通するように設けられた、電解質部材23の燃料極24および空気極25に対応するように配置された電極とから構成されている。電解質部材23の燃料極24、空気極25が電気的に直列および/または並列に接続されるようにガスセパレータ26を介して多数積層して電池の最小単位である燃料電池スタックとし、この燃料電池スタックを、箱体に収納したものが一般的なPEFC本体である。
【0012】
ガスセパレータ26に形成された燃料流路28を通して燃料極24には改質器から水蒸気を含む燃料ガス(水素に富むガス)が供給され、また、空気極25には空気流路29を通して大気中から酸化剤ガスとして空気が供給され、電解質部材23での化学反応により発電される。
【0013】
【特許文献1】
特開2001−266910号公報
【0014】
【特許文献2】
特表2001−507501号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような高電圧・高容量の電池として従来より提案され開発されている燃料電池21は、スタック構造を有し構成要素が大面積化された大重量で大型の電池であり、小型電池としての燃料電池の利用は、従来はほとんど考えられていなかった。
【0016】
すなわち、このような燃料電池21における従来のガスセパレータ26には、これを用いて電解質部材23を積層した積層体において、電解質部材23の側面が外部に露出していることによって、携帯時の落下等により損傷を受けやすく、燃料電池21全体の機械的信頼性を確保し難いという問題点があった。
【0017】
また、携帯電子機器に燃料電池21を搭載するためには、従来の大型燃料とは異なった、コンパクト性・簡便性・安全性に優れる燃料電池用容器が必要になる。すなわち、汎用の化学電池のようなポータブル電源として適用するためには、作動温度までの温度上昇を短時間化するために、また熱容量を小さくするために、燃料電池用容器を小型化・低背化する必要があるが、従来の燃料電池21では熱容量の割合の大部分を占めるガスセパレータ26は、特にカーボン板の表面に切削加工で流路形成されるガスセパレータ26の場合など、薄肉化すると脆くなるため、数mmの厚みが必要である。このため、小型化・低背化が困難であるという問題点もあった。
【0018】
さらに、燃料電池21の出力電圧は、電解質部材23の表裏面の各電極24・25に供給されるガスの分圧によって決まる。すなわち、電解質部材23に供給された燃料ガスがガス流路28を進んで発電反応において消費されると、燃料極24の面上の燃料ガスの分圧が下がって出力電圧が下がる。これと同様に、空気も空気流路29を進んで消費されると、空気極25の面上の酸素の分圧が下がって出力電圧が下がる。従って、燃料ガスを均等に供給する必要があるが、従来の燃料電池21のガスセパレータ26は、特にカーボン板の表面に切削加工により流路を形成していることから、低背化したときには流路の溝が狭くなるため、流路抵抗が大きくなり、均一な燃料供給が困難であるという問題点もあった。
【0019】
また、複数の電解質部材23とその対向する燃料極24・空気極25とガスセパレータ26との組み合わせが、任意に効率よく直列接続または並列接続されて、全体の出力電圧および出力電流が調整されるようにする必要があるが、従来の燃料電池21では電解質部材23を挟む燃料極および空気極から電気を取り出すためには、外部に引き出し接続する方法か、もしくはガスセパレータ26を導電性材料として重ね合わせ直列接続する方法しかなく、携帯電子機器に搭載して使用する際には、限られたスペースにおいて、電子機器の主となる電子回路を形成するためのマザーボード等へ接続するのが困難であるという問題点もあった。
【0020】
また、上記従来の燃料電池21を用いた電子機器においては、電解質部材23で発生した電気を電子機器の主となる電子回路を形成するためのマザーボード等に取り出す集電板や、これと燃料電池を収納する容器との絶縁を保つためのシリコンゴム等の絶縁材料や、これらガスセパレータ26、電解質部材23、集電板および絶縁材料を燃料電池容器に取着するためのネジおよび締め付け治具(図示せず)など部品点数が多く、小型化や低背化が困難であるという問題点があった。
【0021】
全体の出力電圧および出力電流が調整されるようにする手法としては、電解質部材23とその対向する燃料極24・空気極25とガスセパレータ26との組み合わせを、複数個、同一平面上に配列するという手法が検討されている。しかし、このように同一平面上に配列した場合、従来多用されているスタック構造に比べて低背化には有効であるが、隣接する燃料電池セル間の絶縁を確保するための絶縁部材が新たに必要となりさらに部品点数が増加するという不具合を誘発してしまう。また、流路加工は、機械加工やモールド成型にて行うため、隣接する燃料電池セル間をつなぐような平面方向への内層流路加工ができない、導電材料を使用しているため、ガスセパレータ26に電子部品等を搭載し、電気回路等の機能を集積することができない等の問題点もあった。
【0022】
また、このような燃料電池を携帯電子機器に装着する際には、燃料電池に電子機器の主となる電子回路を形成するためのマザーボード等との接続用の端子を形成するとともに、携帯電子機器の側にも、その接続用の端子に対応した端子を設けておく必要があるが、その構造は携帯電子機器側の端子も燃料電池容器側の端子もともに比較的複雑な設計が必要である、という問題があった。さらに携帯電子機器の使用,携帯等の際の利便性の観点から燃料電池を着脱が自在なカートリッジタイプとする場合には、このような自在な着脱を可能とするような端子の工夫が必要になるため、より困難が生ずるという問題点があった。
【0023】
さらに、燃料極側に供給される燃料は発電に伴い消費され、その濃度が低下すると発電効率も低下する。従って、燃料電池において発電効率を増加させるためには、空気極に酸素を強制的に流通させて供給する酸素供給機構および燃料極に燃料を強制的に流通させて供給する燃料供給機構が必要である。しかし、それら強制的な酸素および燃料の供給機構は嵩高くなるため、燃料電池全体も大きくなり、携帯用電子機器用の小型電源として用いるには、不適当であった。
【0024】
本発明は以上のような従来の技術の問題点に鑑み完成されたものであり、その目的は、燃料の均等供給・高効率な電気接続を行なうことができる信頼性のある燃料電池を用いた、小型,低背で、かつ高機能で安定して使用することが可能な電子機器を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の電子機器は、電源として燃料電池を有している電子機器であって、燃料電池は、下側および上側主面にそれぞれ第1および第2電極を有する電解質部材を収容する凹部を上面に有する多層セラミックスから成る基体と、電解質部材の下側主面に対向する凹部の底面から基体の外面にかけて形成された第1流体流路と、電解質部材の第1電極に対向する凹部の底面に一端が配設され、他端が基体の外面に導出された第1配線導体と、基体の凹部の周囲の上面に凹部を覆って取着される、凹部を気密に封止する蓋体と、電解質部材の上側主面に対向する蓋体の下面から蓋体の外面にかけて形成された第2流体流路と、電解質部材の第2電極に対向する蓋体の下面に一端が配設され、他端が蓋体の外面に導出された第2配線導体と、基体および蓋体の少なくとも一方に設けられた外部接続用端子とを具備する燃料電池用容器を有しており、燃料電池用容器の凹部に電解質部材を収容して、電解質部材の下側および上側主面を第1および第2流体流路との間でそれぞれの流体がやりとり可能なように配置するとともに、第1および第2電極を第1および第2配線導体にそれぞれ電気的に接続するとともに外部接続用端子にそれぞれ電気的に接続し、基体の凹部の周囲の上面に凹部を覆って蓋体を取着して成ることを特徴とするものである。
【0026】
また、本発明の第2の電子機器は、基体は、凹部が複数個形成されているとともに、一端が凹部の1つの底面で電解質部材の第1電極に対向し、かつ他端が凹部の他の1つの底面で電解質部材の第1電極に対向する第3配線導体が形成されていることを特徴とするものである。
【0027】
また、本発明の第3の電子機器は、基体は、凹部が複数個形成されているとともに、一端が凹部の1つの底面で電解質部材の第1電極に対向し、かつ他端が基体の蓋体が取着される上面に導出された第4配線導体と、一端が蓋体の下面で凹部の他の1つの電解質部材の第2電極に対向し、かつ他端が蓋体の基体の上面に取得される下面に第4配線導体の他端と対向するように導出された第5配線導体が形成されていることを特徴とするものである。
【0028】
また、本発明の第4の電子機器は、基体は、電解質部材を複数個収容する凹部が形成されているとともに、一端が凹部の底面で電解質部材の1つの第1電極に対向し、かつ他端が凹部の底面で電解質部材の他の1つの第1電極に対向する第6配線導体が形成されていることを特徴とするものである。
【0029】
また、本発明の第5の電子機器は、基体は、電解質部材を複数個収容する凹部が形成されているとともに、一端が凹部の底面で電解質部材の1つの第1電極に対向し、かつ他端が基体の蓋体が取着される上面に導出された第7配線導体と、一端が蓋体の下面で電解質部材の他の1つの第2電極に対向し、かつ他端が蓋体の基体の上面に取着される下面に第7配線導体の他端と対向するように導出された第8配線導体が形成されていることを特徴とするものである。
【0030】
また、本発明の第1から第5の電子機器は、第1配線導体および第2配線導体の少なくとも一方は、凹部の底面の第1流体流路の開口の周辺または蓋体の下面の第2流体流路の開口の周辺に、第1電極または第2電極に当接するように形成されていることを特徴とするものである。
【0031】
また、本発明の第1から第5の電子機器は、基体は、内部回路が形成されていることを特徴とするものである。
【0032】
また、本発明の第1から第5の電子機器は、基体は、その表面に内部回路に電気的に接続された電子部品が設けられていることを特徴とするものである。
【0033】
また、本発明の第1から第5の電子機器は、第1および第2流体流路の少なくとも一方の途中に圧電ポンプが設けられていることを特徴とするものである。
【0034】
本発明の第1から第5の電子機器によれば、下側および上側主面にそれぞれ第1および第2電極を有する電解質部材を収容する凹部を上面に有する多層セラミックスから成る基体と、この基体の凹部の周囲の上面に凹部を覆って取着される、凹部を気密に封止する蓋体とを具備していることから、燃料電池用容器内を気密に封止することで、気体等の流体の漏れがなく、この容器の他にパッケージ等の容器を設ける必要がないので、効率良く、安全に動作させることができる、高機能かつ安定して使用することが可能な電子機器を得ることができるとともに、小型・低背化にも有効なものとなる。
【0035】
また、凹部を上面に有する多層セラミックスから成る基体とこの凹部を封止する蓋体とで形成される箱体内に複数の電解質部材を収納して燃料電池とすることができるので、電解質部材が容器の外部に露出して損傷を受けたりすることがなく、燃料電池全体としての機械的信頼性が向上する。
【0036】
また、凹部および蓋体で構成される容器内部に一端が配設された第1および第2配線導体の他には電解質部材自体に無用な電気的接触をしないで済むので、信頼性および安全性の高い燃料電池を得ることができ、長期信頼性および安全性の高い電子機器を提供することができる。
【0037】
また、このような燃料電池は、基体および蓋体の少なくとも一方に、外部接続用端子(正極端子および負極端子)を具備しているため、電子機器の回路基板に容易に電気的接続が可能となり、着脱が自在である。そのため、特殊な安全設備を備えた施設等によることなく、容易に燃料電池を新しいものと取り替えることができ、電子機器の利便性を高いものとすることができる。
【0038】
さらに、燃料電池用容器の構成材料として多層セラミックスを用いたことにより、腐食性を考慮することなく各種のガスや液体を使用することができ、電力の供給効率の向上が容易である。また、多層セラミックスを形成する各層のセラミックスに、従来周知のメタライズ法により自在に配線導体を形成することができるため、燃料電池の電気配線が自由に可能であることから、複数セルの直列・並列接続が容易で、電子機器の小型、低背化、および軽量化を飛躍的に向上させることができる。すなわち、本発明の第2の電子機器によれば、基体に形成された、一端が凹部の1つの底面で電解質部材の第1電極に対向するとともに、他端が凹部の他の1つの底面で電解質部材の第1電極に対向する第3配線導体とを具備していることから、複数個の電解質部材を電気的に接続することでそれらを並列接続することが可能となる。その結果、燃料電池全体の出力電流の調整ができるため、電解質部材にて電気化学的に生成された電気を良好な状態で外部に取り出すことができる。
【0039】
また、本発明の第3の電子機器によれば、基体に形成された、一端が凹部の1つの底面で電解質部材の第1電極に対向し、かつ他端が基体の蓋体が取着される上面に導出された第4配線導体と、一端が蓋体の下面で凹部の他の1つの電解質部材の第2電極に対向し、かつ他端が蓋体の基体の上面に取得される下面に第4配線導体の他端と対向するように導出された第5配線導体とを具備していることから、複数個の電解質部材を電気的に接続することでそれらを直列接続することが可能となる。その結果、一つ一つの電解質部材の発電では微小電圧であっても、直列接続により合計の電圧の調整ができるため、電解質部材にて電気化学的に生成された電気を良好な状態で外部に取り出すことが可能となる。
【0040】
また、本発明の第4の電子機器によれば、基体に形成された、一端が凹部の底面で電解質部材の1つの第1電極に対向するとともに、他端が凹部の底面で電解質部材の他の1つの第1電極に対向する第6配線導体とを具備していることから、複数個の電解質部材を電気的に接続することでそれらを並列接続することが可能となる。その結果、燃料電池全体の出力電流の調整ができるため、電解質部材にて電気化学的に生成された電気を良好な状態で外部に取り出すことができる。
【0041】
また、本発明の第5の電子機器によれば、基体に形成された、一端が凹部の底面で電解質部材の1つの第1電極に対向し、かつ他端が基体の蓋体が取着される上面に導出された第7配線導体と、一端が蓋体の下面で電解質部材の他の1つの第2電極に対向し、かつ他端が蓋体の基体の上面に取得される下面に第7配線導体の他端と対向するように導出された第8配線導体とを具備している燃料電池を用いたことから、このような燃料電池において、複数個の電解質部材を電気的に接続することでそれらを直列接続することが可能となる。その結果、一つ一つの電解質部材の発電では微小電圧であっても、直列接続により合計の電圧の調整ができるため、電解質部材にて電気化学的に生成された電気を良好な状態で外部に取り出すことが可能となり、長期にわたって電圧が安定した、信頼性に優れる電子機器を提供することができる。
【0042】
また、このような燃料電池において、電解質部材の下側主面に対向する凹部の底面から基体の外面にかけて形成された第1流体流路と、電解質部材の上側主面に対向する蓋体の下面から蓋体の外面にかけて形成された第2流体流路とを具備していることから、複数のそれぞれの流体流路は、電解質部材を挟んで、それぞれ対向する内壁面に設けられているため、電解質部材へ供給される流体の均一供給性を向上させることができる。このような流体経路によれば、流体が電解質部材に対して垂直に流れるため、例えば、流体が水素ガスと空気(酸素)ガスとの場合に、電解質部材が下側および上側主面にそれぞれ有する第1および第2電極に供給される各ガス分圧が下がることはなく、所定の安定した出力電圧を得ることができるという効果がある。
【0043】
さらに、供給される流体の圧力、例えばガス分圧が安定するため、燃料電池用容器の内部温度の分布が均一化され、その結果、電解質部材に生じる熱応力を抑制することができ、燃料電池の信頼性を向上させることができるため、より信頼性に優れた電子機器を提供することができる。
【0044】
さらにまた、それぞれの流体流路は基体と蓋体とに形成されるため、各流路の密閉性に優れ、本来は流路的に隔絶されるべき2種類の原料流体(例えば酸素ガスと水素ガスもしくはメタノール等)が混合してしまうことによって燃料電池としての機能が発現されなくなるようなことがなく、また、可燃性の流体が高温で混合された後に引火・爆発を起こす危険性もないので、安全な電子機器を提供することができる。
【0045】
また、本発明の第1から第5の電子機器によれば、燃料電池用容器の凹部に電解質部材を収容して、この電解質部材の下側および上側主面を第1および第2流体流路との間でそれぞれの流体がやりとり可能なように配置するとともに、第1および第2電極を第1および第2配線導体、ならびに第1〜第3配線導体、ならびに第1,第2,第4および第5配線導体、ならびに第1,第2および第6配線導体、ならびに第1,第2,第7および第8配線導体にそれぞれ電気的に接続するとともに外部接続用端子にそれぞれ電気的に接続し、基体の凹部の周囲の上面に凹部を覆って蓋体を取着して成ることから、以上のような本発明の燃料電池用容器による特長を備えた、小型・堅牢で、燃料の均等供給・高効率な電気接続を行なうことができる信頼性のある燃料電池を用いた、低背化、高機能化、高効率化が可能な電子機器を得ることができる。
【0046】
また、本発明の第1から第5の電子機器によれば、第1配線導体および第2配線導体の少なくとも一方は、凹部の底面の第1流体流路の開口の周辺または蓋体の下面の第2流体流路の開口の周辺に、電解質部材の第1電極または第2電極に当接するように形成されたものとしたことにより、電解質部材の第1電極または第2電極の第1流体流路または第2流体流路の開口を除く部位の全域と、第1配線導体または第2配線導体とを直接接触させて電気的に接続することができる。そのため、電解質部材の第1電極と第1配線導体との接触面積および第2電極と第2配線導体との接触面積が大きくとれるとともに直接に接続することができ、電気抵抗の増大化および接触不良を有効に抑えることができるので、高い発電効率を有した電子機器を提供することができる。
【0047】
また、本発明の第1から第5の電子機器によれば、基体が多層セラミックスから成るため、内部に位置するセラミック層の表面にメタライズ法等により金属層を種々の形状,電気特性で形成することができるので、基体の内部に、抵抗やキャパシタンスやインダクタンス等として機能する電子回路素子を形成することができる。従って、例えば、燃料電池に平行して、大容量のキャパシタを形成することで、燃料電池から出力される電流が不足する状態となった場合、不足する電流分が補填されて目標出力電流に応じた電流供給を確保することが可能である。また、昇圧回路を形成することが出来るため、電子機器に必要な電圧を確保することが可能である。
【0048】
また、本発明の第1から第5の電子機器によれば、基体に内部回路が形成されていることから、基体表面において内部回路に電気的に接続された電子部品を搭載することができる。従って、基体表面に搭載した電子部品によって電子機器の機能性を向上させることができる。
【0049】
また、本発明の第1から第5の電子機器によれば、基体の表面に内部回路に電気的に接続された電子部品が設けられているため、電子部品として、例えばセンサーや制御IC等を用いて、濃度センサーで流体流路内の燃料の濃度を検知することにより、最適な循環や燃料の希釈、燃料の利用効率の低下を抑制することが可能となる。
【0050】
また、本発明の第1から第5の電子機器によれば、第1および第2流体流路の少なくとも一方の途中に圧電ポンプが設けられているために、流体流路に取り付けられた小型の圧電ポンプが、燃料の逆流を防ぎ、その結果反応物質等による未使用燃料の汚染を防ぐことができ、また、滞留していた空気は排出されることから、電子機器の動作に滞留した空気が悪影響を与えることを避けることができる。さらに、燃料が一定に供給され、その結果安定した発電が行われるとともに、燃料供給が円滑に行われるので起動時間を速くすることが可能である。これにより、例えば、燃料電池や燃料カートリッジを新しいものに取り替えた後や燃料を補充した後でも、すぐに電子機器を使用することが可能となり、従来の化学電池等を用いた電子機器と比べても遜色の無い利便性を有する電子機器を提供することができる。
【0051】
以上のことから、本発明の電子機器によれば、コンパクト性・簡便性・安全性に優れ、流体の均等供給・高効率な電気接続を可能とした燃料電池を用いることにより、小型,低背で、かつ長期にわたり安定して作動させることができ、さらに安全性や利便性に優れた電子機器を提供することができる。
【0052】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を添付図面に基づき詳細に説明する。
【0053】
図1は、本発明の第1の電子機器に組み込まれる燃料電池について実施の形態の一例を示す断面図である。
【0054】
図1において、1は燃料電池、2は燃料電池用容器、3は電解質部材、4は第1電極、5は第2電極、6は基体、7は蓋体、8は第1流体流路、9は第2流体流路、10は第1配線導体、11は第2配線導体、12は外部接続用端子である。なお、この電子機器は、携帯電話,PDA(Personal Digital Assistants),デジタルカメラ等である。その具体例については後述する。
【0055】
電解質部材3は、例えば、イオン導電膜(交換膜)の両主面上に、下側主面に形成された第1電極4および上側主面に形成された第2電極5にそれぞれ対向するように、アノード側電極となる燃料極(図示せず)と、カソード側電極となる空気極(図示せず)とが一体的に形成されている。そして、電解質部材3で発電された電流を第1電極・第2電極へ流し、外部へ取り出すことができるものとなっている。
【0056】
このような電解質部材3のイオン導電膜(交換膜)は、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂、例えば、ナフィオン(商品名、デュポン社製)等のプロトン伝導性のイオン交換樹脂により構成されている。また、燃料極および空気極は、多孔質状態のガス拡散電極であり、多孔質触媒層とガス拡散層の両方の機能を兼ね備えるものである。これらの燃料極および空気極は、白金・パラジウムあるいはこれらの合金等の触媒を担持した導電性微粒子、例えば、カーボン微粒子をポリテトラフルオロエチレンのような疎水性樹脂結合剤により保持した多孔質体によって構成されている。
【0057】
電解質部材3の下側主面の第1電極4および上側主面の第2電極5は、白金や白金−ルテニウム等の触媒微粒子の付いた炭素電極を電解質部材3上にホットプレスする方法、または、白金や白金−ルテニウム等の触媒微粒子の付いた炭素電極材料と電解質材料を分散した溶液との混合物を電解質上に塗布または転写する方法等により形成される。
【0058】
燃料電池用容器2は、凹部を有する基体6と蓋体7とから成り、電解質部材3を凹部の内部に搭載して気密に封止する役割を持ち、酸化アルミニウム(Al)質焼結体・ムライト(3Al・2SiO)質焼結体・炭化珪素(SiC)質焼結体・窒化アルミニウム(AlN)質焼結体・窒化珪素(Si)質焼結体・ガラスセラミックス焼結体等のセラミックス材料で形成されている。
【0059】
燃料電池用容器2は、凹部を有する基体6と蓋体7とから成り、基体6の凹部の周囲に凹部を覆って蓋体7を取着することによって凹部を気密に封止するため、半田や銀ろう等の金属接合材料での接合、エポキシ等の樹脂材料での接合、凹部の周囲の上面に鉄合金等で作られたシールリング等を接合してシームウェルドやエレクトロンビームやレーザ等で溶接する方法等によって、蓋体7が基体6に取着される。なお、蓋体7にも基体6と同様の凹部を形成しておいてもよい。
【0060】
基体6および蓋体7は、それぞれ厚みを薄くし、燃料電池1の低背化を可能とするためには、機械的強度である曲げ強度が200MPa以上であることが好ましい。
【0061】
基体6および蓋体7は、相対密度が95%以上の緻密質からなるセラミックス材料で形成されていることが好ましい。例えば、酸化アルミニウム質焼結体の場合であれば、まず酸化アルミニウム粉末に希土類酸化物粉末や焼結助剤を添加・混合して、酸化アルミニウム質焼結体の原料粉末を調整する。次いで、この酸化アルミニウム質焼結体の原料粉末に有機バインダおよび分散媒を添加・混合してペースト化し、このペーストからドクターブレード法によって、あるいは原料粉末に有機バインダを加え、プレス成形・圧延成形等によって、所定の厚みのグリーンシートを作製する。そして、このグリーンシートに対して、金型による打ち抜き・マイクロドリル・レーザ等により、第1流体流路8および第2流体流路9としての貫通穴、ならびに第1配線導体10および第2配線導体11を配設するための貫通孔を形成する。第1流体流路8および第2流体流路9は、金型による打ち抜き・プレス成形等により形成された、表層および内層に有する溝であってもよい。
【0062】
セラミックス材料に酸化アルミニウム質焼結体を用いる場合には、第1配線導体10および第2配線導体11は、酸化を防ぐために、タングステンおよび/またはモリブデンで形成されているのが好ましい。その場合であれば、例えば、無機成分としてタングステンおよび/またはモリブデン粉末100質量部に対して、Alを3〜20質量部,Nbを0.5〜5質量部の割合で添加してなる導体ペーストを調製する。この導体ペーストをグリーンシートの貫通孔内に充填して、貫通導体としてのビア導体を形成する。
【0063】
これらの導体ペースト中には、基体6や蓋体7のセラミックスとの密着性を高めるために、酸化アルミニウム粉末や、基体6や蓋体7を形成するセラミックス成分と同一の組成物粉末を、例えば0.05〜2体積%の割合で添加することも可能である。
【0064】
なお、基体6や蓋体7の表層および内層への第1配線導体10および第2配線導体11の形成は、貫通孔へ導体ペーストを充填してビア導体を形成する前後あるいはそれと同時に、同様の導体ペーストをグリーンシートに対しスクリーン印刷・グラビア印刷等の方法で所定パターンに印刷塗布して形成する。
【0065】
その後、導体ペーストを印刷し充填した所定枚数のシート状成形体を位置合わせして積層圧着した後、この積層体を、例えば非酸化性雰囲気中にて、焼成最高温度が1200〜1500℃の温度で焼成して、目的とするセラミックスの基体6や蓋体7および第1配線導体10・第2配線導体11を得る。
【0066】
また、基体および蓋体の少なくとも一方に、半田やロウ付け等により外部接続用端子12が接合される。外部接続用端子12は、電子機器の主となる電子回路を形成するためのマザーボード等と良好な電気接続が行なえる形状であることが望ましい。このような形状としては、例えば、電子機器の主となる電子回路に端子同士を接触や挿入することにより簡単に電気的,機械的に接続することができるような棒状、鉤状、円錐状等のものが用いられる。なお、電子機器の主となる電子回路のうち、このような外部接続用端子12が接続される部位には、この外部接続用端子に対応した勘合部(穴など)を設けておくことが好ましい。さらに、外部接続用端子12を基体および蓋体の側面に配置することで、電子機器を低背化することが出来る。
【0067】
また、セラミックスから成る基体6や蓋体7は、その厚みを0.2mm以上とすることが好ましい。厚みが0.2mm未満では、強度が被覆しがちなため、基体6に蓋体7を取着したときに発生する応力により、基体6および蓋体7に割れ等が発生しやすくなる傾向がある。他方、厚みが5mmを超えると、低背化・低背化が困難となるため、小型携帯機器に搭載する燃料電池としては不適切となり、また、熱容量が大きくなるため、電解質部材3の電気化学反応条件に相当する適切な温度にすばやく設定することが困難となる傾向がある。
【0068】
第1配線導体10および第2配線導体11は、それぞれ電解質部材3の第1電極4および第2電極5に電気的に接続されて、電解質部材3で発電された電流を燃料電池用容器2の外部へ取り出すための導電路として機能する。
【0069】
第1配線導体10は、基体6の凹部の底面の電解質部材3の第1電極4に対向する部位に一端が配設され、他端が基体6の外面に導出されて形成されている。このような第1配線導体10は、前述のように基体6と一体的に形成され、第1配線導体10を第1電極4に接触させやすいように基体6の凹部の底面より、10μm以上高くするように形成するのが望ましい。この高さを得るためには、前述したように導体ペーストを印刷塗布して形成する際に、印刷条件を厚くするように設定すればよい。
【0070】
また、第1配線導体10は第1電極4に対向させて複数配置し、第1配線導体10による電気損失を減少させることが望ましく、第1配線導体10の基体6の貫通部についてはφ50μm以上の径とすることが好ましい。
【0071】
また、第2配線導体11は、蓋体7の下面の電解質部材3の第2電極5に対向する部位に一端が配設され、他端が蓋体7の外面に導出されて形成されている。このような第2配線導体11も、第1配線導体10と同様に、蓋体7と一体的に形成され、第2配線導体11を第2電極5に接触させやすいように蓋体7の凹部の底面より、10μm以上高くするように形成するのが望ましい。この高さを得るためには、前述したように導体ペーストを印刷塗布して形成する際に、印刷条件を厚くするように設定すればよい。
【0072】
また、第2配線導体11は第2電極5に対向させて複数配置し、第2配線導体11による電気損失を減少させることが望ましく、第2配線導体11の蓋体7の貫通部についてはφ50μm以上の径とすることが好ましい。
【0073】
これら第1配線導体10、第2配線導体11および外部接続用端子12には、その露出する表面に良導電性で、かつ、耐蝕性およびロウ材との濡れ性が良好なニッケル、銅、金、白金およびパラジウム等の金属をメッキ法により被着させておくと、第1配線導体10および第2配線導体11と、第1配線導体10、第2配線導体11および外部接続用端子12ならびに電子機器の主となる電子回路を形成するためのマザーボード等との電気的接続を良好とすることができる。
【0074】
そして、これら第1および第2配線導体10・11と第1および第2電極4・5との電気的な接続は、基体6と蓋体7とで電解質部材3を挟み込むことによって、第1および第2配線導体10・11と第1および第2電極4・5とを圧着接触させて電気的接続させる等の構成によって行なえばよい。
【0075】
また、第1電極4および第2電極5に対向する基体6の凹部の底面および蓋体7の下面には、それぞれ第1流体流路8および第2流体流路9が配置されており、第1流体流路8は基体6の外面にかけて、また第2流体流路9は蓋体7の外面にかけて形成されている。これら第1および第2流体流路8・9は、それぞれ基体6や蓋体7に形成した貫通穴あるいは溝によって、燃料ガス例えば水素に富む改質ガス、あるいは酸化剤ガス例えば空気等の、電解質部材3へ供給される流体の通路として、あるいは反応で生成される水等の、反応後に電解質部材3から排出される流体の通路として設けられている。
【0076】
第1流体流路8および第2流体流路9として基体6および蓋体7に形成される貫通穴あるいは溝は、電解質部材3に均等に燃料ガスや酸化剤ガス等の流体が供給されるように、燃料電池1の仕様に応じて、貫通穴の径や数、あるいは溝の幅・深さ・配置を決めればよい。
【0077】
本発明の燃料電池用容器2および燃料電池1においては、第1流体流路8および第2流体流路9は、好適には、電解質部材3に均一な圧力で流体を流すため、φ0.1mm以上の穴径とし、間隔を一定にして配置するようにするとよい。
【0078】
このように電解質部材3の第1電極4が形成された下側主面に対向させて第1流体流路8を、第2電極5が形成された上側主面に対向させて第2流体流路9を形成したことによって、電解質部材3の下側および上側主面と第1および第2流体流路8・9との間で流体がやりとり可能となり、その流体がそれぞれの流路を通して供給あるいは排出されることとなる。そして、例えば流体としてガスを供給する場合であれば、電解質部材3の第1電極4および第2電極5にそれぞれ供給されるガス分圧が下がることをなくすことができ、所定の安定した出力電圧を得ることができる。さらに、供給されるガス分圧が安定するため、燃料電池1の内部圧力が均一化され、その結果、電解質部材3に生じる熱応力を抑制することができるので、燃料電池1の信頼性を向上させることができる。
【0079】
以上の構成により、図1に示すような、電解質部材3を収納可能な、小型で堅牢な燃料電池用容器2が得られ、高効率制御が可能な本発明の電子機器に組み込まれる燃料電池1が得られる。
【0080】
次に図2から図5は、本発明の第2から第5の電子機器に組み込まれる燃料電池について実施の形態の一例を示す断面図である。
【0081】
これらの図において、21、31、41、51は燃料電池、22、32、42、52は燃料電池用容器、3は電解質部材、4は第1電極、5は第2電極、6は基体、7は蓋体、8は第1流体流路、9は第2流体流路、10は第1配線導体、11は第2配線導体、12は外部接続用端子、13は第3配線導体、14は第4配線導体、15は第5配線導体、16は第6配線導体、17は第7配線導体、18は第8配線導体である。
【0082】
なお、図2から図5において、符号の3から12については図1と同一部位を示すものとなる。
【0083】
図2の第3配線導体13は、基体6の複数個の凹部の1つの底面の電解質部材3の第1電極4に対向する部位に一端が配設され、他端が凹部の他の1つの底面で他の電解質部材3の第1電極4に対向する部位に配設されて基体6と一体的に形成されている。また、第3配線導体13は、その両端を第1電極4に接触させやすいように基体6の凹部の底面より10μm以上高くするように形成するのが望ましい。この高さを得るためには、前述したように導体ペーストを印刷塗布して形成する際に、塗布厚みを厚くするように印刷条件を設定すればよい。また、第3配線導体13は第1電極4に対向させて複数配置し、第3配線導体13による電気損失を減少させることが望ましく、第3配線導体13の基体6の貫通部についてはφ50μm以上の径とすることが好ましい。
【0084】
図3の第4配線導体14は、基体6の複数個の凹部の1つの底面で電解質部材3の第1電極4に対向する部位に一端が配設され、他端が基体6の上面の蓋体7が取着される部位に導出されている。また、第5配線導体15は、蓋体7の下面の、凹部の他の1つの電解質部材3の第2電極5に対向する部位に一端が配設され、他端が蓋体7の下面の基体6の上面に取着される部位に第4配線導体14の他端と対向するように導出されて形成されている。
【0085】
このような第4配線導体14は、第3配線導体13と同様に、基体6と一体的に形成され、その一端を第1電極4に接触させやすいように基体6の凹部の底面より10μm以上高くするように形成するのが望ましい。この高さを得るためには、前述したように導体ペーストを印刷塗布して形成する際に、塗布厚みを厚くするように印刷条件を設定すればよい。また、第4配線導体14は第1電極4に対向させて複数配置し、第4配線導体14による電気損失を減少させることが望ましく、第4配線導体14の基体6の貫通部についてはφ50μm以上の径とすることが好ましい。
【0086】
また、第5配線導体15も、第2配線導体11と同様に、蓋体7と一体的に形成され、その一端を第2電極5に接触させやすいように蓋体7の下面より10μm以上高くするように形成するのが望ましい。この高さを得るためには、前述したように導体ペーストを印刷塗布して形成する際に、塗布厚みを厚くするように印刷条件を設定すればよい。また、第5配線導体15も第2電極5に対向させて複数配置し、第5配線導体15による電気損失を減少させることが望ましく、第5配線導体15の蓋体7の貫通部についてはφ50μm以上の径とすることが好ましい。
【0087】
図4の第6配線導体16は、基体6の凹部の底面の電解質部材3の1つの第1電極4に対向する部位に一端が配設され、他端が同じ凹部の底面で電解質部材3の他の1つの第1電極4に対向する部位に配設されて基体6と一体的に形成されている。
【0088】
第6配線導体16は、その両端を第1電極4に接触させやすいように基体6の凹部の底面より10μm以上高くするように形成するのが望ましい。この高さを得るためには、前述したように導体ペーストを印刷塗布して形成する際に、塗布厚みを厚くするように印刷条件を設定すればよい。また、第3配線導体13は第1電極4に対向させて複数配置し、第6配線導体16による電気損失を減少させることが望ましく、第6配線導体16の基体6の貫通部についてはφ50μm以上の径とすることが好ましい。
【0089】
図5の第7配線導体17は、基体6の凹部の底面で複数個の電解質部材3の1つの第1電極4に対向する部位に一端が配設され、他端が基体6の上面の蓋体7が取着される部位に導出されている。また、第8配線導体18は、蓋体7の下面の複数個の電解質部材3の他の1つの第2電極5に対向する部位に一端が配設され、他端が蓋体7の下面の基体6の上面に取着される部位に第7配線導体17の他端と対向するように導出されて形成されている。
【0090】
このような第7配線導体17は、第3配線導体13と同様に、基体6と一体的に形成され、その一端を第1電極4に接触させやすいように基体6の凹部の底面より10μm以上高くするように形成するのが望ましい。この高さを得るためには、前述したように導体ペーストを印刷塗布して形成する際に、塗布厚みを厚くするように印刷条件を設定すればよい。また、第7配線導体17は第1電極4に対向させて複数配置し、第7配線導体17による電気損失を減少させることが望ましく、第7配線導体17の基体6の貫通部についてはφ50μm以上の径とすることが好ましい。
【0091】
また、第8配線導体18も、第2配線導体11と同様に、蓋体7と一体的に形成され、その一端を第2電極5に接触させやすいように蓋体7の下面より10μm以上高くするように形成するのが望ましい。この高さを得るためには、前述したように導体ペーストを印刷塗布して形成する際に、塗布厚みを厚くするように印刷条件を設定すればよい。また、第8配線導体18も第2電極5に対向させて複数配置し、第8配線導体18による電気損失を減少させることが望ましく、第8配線導体18の蓋体7の貫通部についてはφ50μm以上の径とすることが好ましい。
【0092】
図2および図3に示すように、本発明の第2および第3の電子機器に組み込まれる燃料電池用容器22・32ならびに第2および第3の燃料電池21・31によれば、複数個の凹部を有する基体6の凹部のそれぞれに電解質部材3を収容するとともに、隣接する凹部の端部間にわたって第3配線導体13、または第4配線導体14および第5配線導体15を配設し、複数の電解質部材3の第1電極4の間、または第1電極4と第2電極5との間を電気的に接続し、両端となる位置に配置された電解質部材3に全体としての出力を取り出すように第1配線導体10および第2配線導体11をそれぞれに電気的に接続することで、第1〜第3配線導体10・11・13により、ならびに第1,第2,第4および第5配線導体10・11・14・15により3次元的に自由に配線ができるため、複数個の電解質部材3を任意に直列接続または並列接続することが可能となる。その結果、全体の出力電圧および出力電流を効率よく調整することが可能となるため、複数個の電解質部材3にて電気化学的に生成された電気を良好に外部に取り出すことができる燃料電池となる。
【0093】
図4および図5に示すように、本発明の第4および第5の電子機器に組み込まれる燃料電池用容器42・52ならびに第4および第5の燃料電池41・51によれば、基体6の凹部に複数個の電解質部材3を収容するとともに、第6配線導体16、または第7配線導体17および第8配線導体18を配設し、複数の電解質部材3の第1電極4の間、または第1電極4と第2電極5との間を電気的に接続し、両端となる位置に配置された電解質部材3に全体としての出力を取り出すように第1配線導体10および第2配線導体11をそれぞれに電気的に接続することで、第1,第2,第6配線導体10・11・16ならびに第1,第2,第7および第8配線導体10・11・17・18により3次元的に自由に配線ができるため、複数個の電解質部材3を任意に直列接続または並列接続することが可能となる。その結果、全体の出力電圧および出力電流を効率よく調整することが可能となるため、複数個の電解質部材3にて電気化学的に生成された電気を良好に外部に取り出すことができる燃料電池となる。
【0094】
本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば、種々の変更を行なっても何ら差し支えない。例えば、第1流体流路や第2流体流路については、燃料電池全体を低背化するため、基体または蓋体の側面からの流入口を設けるようにしてもよい。これによれば、特に携帯電子機器用として小型化する上で有効となる。さらに、第1および第2配線導体については、基体および蓋体の外面に導出される他端を、それぞれ同じ側の側面に引き出すように配設し、外部接続用端子12を集約してもよい。これによれば、燃料電池の一方側面に配線や流路等をまとめることができ、小型化と外部への接合部の保護とが容易となり、信頼性の高い設計が可能となるとともに、長期間安定した作動が可能な燃料電池となる。
【0095】
次に、上記の燃料電池を電源として有する本発明の電子機器について説明する。本発明の電子機器は電源として上記のような燃料電池を有していることから、以下に述べるような種々の効果を有する、小型,低背で、かつ長期にわたり安定して作動させることができ、さらに安全性や利便性に優れたものである。
【0096】
本発明の電子機器によれば、電源である燃料電池において、外部接続端子12(正極端子および負極端子)の部分は、電子機器の回路基板に容易に電気的接続が可能となり着脱が自在なため、例えば、新しい燃料電池との交換が非常に容易であり、利便性が非常に高いものとなっている。
【0097】
また、多層セラミックを用いた基体6で構成された燃料電池および燃料電池容器を電源として使用しているため、燃料電池の電気配線が自由に可能であることから、複数の燃料電池セルの直列接続が容易で、電子機器の小型、低背型、および軽量化された電子機器とすることができる。
【0098】
さらに、基体6が多層セラミックスから成るため、基体6の内部に、抵抗やキャパシタンスやインダクタンスを形成することができる。
【0099】
このように、基体6の内部に、例えば、燃料電池に平行して、大容量のキャパシタンスを形成することで、燃料電池から出力される電流が不足する状態となった場合、不足する電流分が補填されて目標出力電流に応じた電流供給を確保することが可能となる。また、同様に、抵抗、キャパシタンスおよびインダクタンスを用いて、昇圧回路を形成することが出来るため、電子機器に必要な電圧を確保することが可能となる。
【0100】
なお、このように基体6の内部に、抵抗やキャパシタンスやインダクタンスを形成する場合には、基体6はガラスセラミックス焼結体から成ることが好ましい。
【0101】
例えば、ガラスセラミックス焼結体はガラス成分とフィラー成分とから成るが、ガラス成分としては、例えばSiO−B系,SiO−B−Al系,SiO−B−Al−MO系(但し、MはCa,Sr,Mg,BaまたはZnを示す),SiO−Al−MO−MO系(但し、MおよびMは同一または異なってCa,Sr,Mg,BaまたはZnを示す),SiO−B−Al−MO−MO系(但し、MおよびMは前記と同じである),SiO−B−M O系(但し、MはLi,NaまたはKを示す),SiO−B−Al−M O系(但し、Mは前記と同じである),Pb系ガラス,Bi系ガラス等が挙げられる。
【0102】
また、フィラー成分としては、例えばAl,SiO,ZrOとアルカリ土類金属酸化物との複合酸化物、TiOとアルカリ土類金属酸化物との複合酸化物、AlおよびSiOから選ばれる少なくとも1種を含む複合酸化物(例えばスピネル,ムライト,コージェライト)等が挙げられる。
【0103】
また、これらガラスとフィラーとの混合割合は質量比で40:60〜99:1であるのが好ましい。
【0104】
ガラスセラミックグリーンシートに配合される有機バインダとしては、従来からセラミックグリーンシートに使用されているものが使用可能であり、例えばアクリル系(アクリル酸,メタクリル酸またはそれらのエステルの単独重合体または共重合体、具体的にはアクリル酸エステル共重合体,メタクリル酸エステル共重合体,アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体等),ポリビニルブチラ−ル系,ポリビニルアルコール系,アクリル−スチレン系,ポリプロピレンカーボネート系,セルロース系等の単独重合体または共重合体が挙げられる。
【0105】
ガラスセラミックグリーンシートは、上記ガラス粉末,フィラー粉末,有機バインダに必要に応じて所定量の可塑剤,溶剤(有機溶剤,水等)を加えてスラリーを得て、これをドクターブレード,圧延,カレンダーロール,金型プレス等により厚さ約50〜500μmに成形することによって得られる。
【0106】
ガラスセラミックグリーンシートの表面に導体パターンを形成するには、例えば導体材料粉末をペースト化したものをスクリーン印刷法やグラビア印刷法等により印刷するか、あるいは所定パターン形状の金属箔を転写する等の方法が挙げられる。導体材料としては、例えばAu・Ag・Pd・Pt等の1種または2種以上が挙げられ、2種以上の場合は混合・合金・コーティング等のいずれの形態であってもよい。
【0107】
また、高容量なキャパシタンスを形成する場合には、例えば、チタン酸バリウム等の誘電率が高い無機物粉末から成る層(以下、チタン酸バリウム層という)をガラスセラミックから成る基体6の内部に形成する。この場合には、まず、セラミック粉末およびガラス粉末を含有するスラリーを成形して複数のグリーンシートを得て、次に、このグリーンシート上に下部電極層となる金属ペーストを印刷し、次に、この下部電極層上にスクリーン印刷にてチタン酸バリウム等から成る誘電体ペーストを印刷して誘電体層を形成し、さらにこの誘電体層上に金属ペーストを印刷して上部電極層を形成し、これらのグリーンシートを積層し、この積層体を焼成することで製作される。
【0108】
また、抵抗を基体6内部に形成する場合には、RuO、IrO、RhO、SnOおよびLaB等を主成分とする抵抗体ペーストを第1配線導体10および第2配線導体11と同様の方法によって、グリーンシートに対しスクリーン印刷・グラビア印刷等の方法で所定パターンに印刷塗布することによって形成することができる。
【0109】
また、燃料電池1の基体6に内部回路が形成されているのがよい。これにより、基体6表面において内部回路に電気的に接続された電子部品を搭載することができる。従って、基体6表面に搭載した電子部品によって電子機器の機能性を向上させることができる。
【0110】
また、燃料電池1の基体6の表面に内部回路に電気的に接続された電子部品が設けられているのがよい。これにより、電子部品として、例えばセンサーや制御IC等を用いて、濃度センサーで流体流路8,9内の燃料の濃度を検知することにより、最適な循環や燃料の希釈、燃料の利用効率の低下を抑制することが可能となる。
【0111】
また、燃料電池1の基体6が多層セラミックスからなるため、基体6または蓋体7の表面に内部回路に電気的に接続された電子部品を搭載することができる。従って、濃度センサー等のセンサーや制御ICを基体6に搭載することにより、例えば、濃度センサーで流体流路8,9内の燃料の濃度を検知することにより、最適な循環や水の希釈、燃料の利用効率の低下を抑制することが可能となる。
【0112】
また、燃料電池1において、第1および第2流体流路8,9の少なくとも一方の途中に、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT;組成式:Pb(Zr,Ti)O)などの圧電材料を用いた圧電ポンプ、いわゆるマイクロポンプが設けられているのがよい。これにより、小型の圧電ポンプが、燃料の逆流を防ぎ、その結果反応物質等による未使用燃料の汚染を防ぐことができ、また、滞留していた空気は排出されることから、電子機器の動作に滞留した空気が悪影響を与えることを避けることができる。さらに、燃料が一定に供給され、その結果安定した発電が行われるとともに、燃料供給が円滑に行われるので起動時間が速くなる。
【0113】
圧電ポンプは、流入部、体積可変部および流出部により構成されている。そして、体積可変部は、例えば、第一および第二の流体流路8,9の外側に圧電材料を設けることにより作製でき、印加された電圧に応じて圧電材料が伸縮するのを利用して第一および第二の流体流路8,9の上方の部位を振動させることができる。これにより、第一および第二の流体流路8,9の体積を可変させることができ、ポンプとして機能することができる。
【0114】
また、流入部および流出部は、体積可変部に接続された第一および第二の流体流路8,9からなり、体積可変部に燃料を流入および流出させるためのものである。好ましくは、流出部の断面積は流入部の断面積よりも大きくなっているのがよい。これにより、流出部の燃料の圧力が小さくなり、体積可変部をポンプとして機能させたときに、圧力の小さな流出部側に燃料が流れ、一定の方向に良好に燃料を送ることができる。なお、流入部および流出部には燃料の逆流を防止する逆流防止弁が設けられていてもよい。
【0115】
このような、圧電ポンプは、圧電材料として有機系のものや無機系のものが用いられ、この圧電材料を、基体6や蓋体7となるセラミックグリーンシートを焼成した後に貼り付けするか、また、PZTのようなセラミック圧電材料を用いる場合には、セラミックグリーンシートの所定の位置にセラミック圧電材料を取り付けた後、同時に焼成することによって作製できる。
【0116】
また、燃料電池1は、容器内部に一端が配設された第1および第2配線導体10,11の他には電解質部材3自体に無用な電気的接触をしないで済むので、信頼性および安全性の高いものとなり、信頼性および安全性に優れる。
【0117】
以上のことから、本発明の電子機器によれば、コンパクト性・簡便性・安全性に優れ、流体の均等供給・高効率な電気接続により、長期にわたり安定して作動させることができる電子機器を提供することができる。
【0118】
そして、本発明の電子機器としては、具体的には携帯電話,PDA(Personal Digital Assistants),デジタルカメラやビデオカメラ,ゲーム機などの玩具等の携帯型電子機器、また、ノート型PC(パーソナルコンピュータ)をはじめとするポータブルなプリンター,ファクス,テレビ,通信機器,オーディオビデオ機器,扇風機等の各種家電製品,電動工具等の電子機器がある。
【0119】
これらの電子機器は、近年、動画表示の機能を付加したものが使用されるようになってきている。このような動画表示は電源の消費が非常に大きいことから、従来の蓄電池を用いた電子機器では短時間で動作不能となるのに対し、本発明の電子機器は非常に長時間の電源を供給できる燃料電池を搭載しており、動画表示を行なっても長時間の動作が可能となる。
【0120】
また、本発明の電子機器として、例えば携帯電話の場合、図6に示すブロック図のように、中央処理装置(CPU)61と、制御部62と、ランダムアクセスメモリ(RAM)63と、リードオンメモリ(ROM)64と、使用者により操作されたデータをCPU61に入力する入力部65と、アンテナ66と、アンテナ66で受信された信号を復調して制御部62に供給すると共に、制御部62から供給された信号を変調してアンテナ66より送信させる無線部(RF部)67と、制御部62からの鳴動信号に基づき鳴音するスピーカ68と、制御部62からの制御により点灯、消灯あるいは点滅する発光ダイオード(LED)69と、制御部62から信号により情報の表示を行なう表示部70と、制御部62からの駆動信号により振動するバイブレータ71と、使用者の音声を音声信号に変換して制御部62へ伝達し、制御部62からの音声信号は音声に変換して出力する送受話部72と、各部に電源を供給する電源部73とから構成されており、その電源部73に本発明の燃料電池および燃料電池容器が組み込まれる。
【0121】
この場合、本発明の燃料電池および燃料電池容器が、コンパクト性、簡便性および安全性に優れ、燃料の均等供給および高効率な電気接続による長時間の電源供給が可能となることから、携帯電話の小型、低背化および軽量化が可能となる。
【0122】
また、近時の携帯電話が小型化、低背化の面では十分であることを考慮すると、このように燃料電池を小型、低背化することよって生じたスペースに、例えば、カメラやビデオ等の電話機能以外の機能を有する電子部品を新たに組み込むことが可能となり、更なる多機能化を行なうことができる。
【0123】
また、新たに電子部品を組み込む替わりに、衝撃吸収材や防止部材等を主要な電子回路を保護するようにして設けることもできる。この場合、落下等により携帯電話本体に衝撃が加わった際の耐衝撃性や、雨中での使用等の際の防水性などを従来よりも強固にし得る構造とすることもできる。
【0124】
また、携帯電話本体内部の電気回路部を小さくすることが可能となることによって、携帯電話本体の外形への制約が少なくなり、例えば、携帯電話を老人や子供にとって握りやすい形状とすること等の意匠性に優れた外形状を形成することが可能となる。
【0125】
また、電源部70の構造を上述のように燃料電池および燃料電池容器が着脱自在となる構造とした場合には、予備の燃料電池および燃料電池容器を準備しておけば、電池切れ等が発生した場合に容易に予備の燃料電池および燃料電池に交換、あるいは、燃料電池を取り出して、燃料の補給や交換をすることができるので、継続して通話等を行うことができ、従来の蓄電池を電源として使用するもの等に比べて利便性に優れるものとなる。
【0126】
また、交換された(古い)燃料電池は、燃料を補給することによりすぐに再利用できるので、充電に比べて使い勝手がよく、また資源を有効利用することも可能なものとなる。また、自然災害等による長期にわたる停電等の緊急時や屋外においても使用が可能となるという利点がある。
【0127】
また、ノート型PC(パーソナルコンピュータ)の場合、パーソナルコンピュータ本体と、パーソナルコンピュータ本体に所定のデータを入力するためのキーボードとを納めた第1の筐体と、キーボードにより入力されたデータあるいはパーソナルコンピュータ本体により処理されたデータを表示するためのディスプレイを納めた第2の筐体とを備え、第2の筐体が第1の筐体に開閉可能に取り付けられており、さらに各部に電源を供給する電源部を第1の筐体に構成するという基本構成から成り、その電源部に本発明の燃料電池および燃料電池容器が組み込まれる。この場合、前述の携帯電話と同様に、本発明の電子機器に組み込まれる燃料電池および燃料電池容器が、コンパクト性、簡便性および安全性に優れ、燃料の均等供給および高効率な電気接続による長時間の電源供給が可能となることから、ノート型PC(パーソナルコンピュータ)本体の小型、低背化、軽量化および多機能化が可能となるとともに、ディスプレイの大型化や高解像度化に対応して、大きな電流を安定して、長期にわたって供給することも可能で、ディスプレイが見やすく、かつ携帯の際の重量や容積上の負担も少ない、等の利便性の高いノート型PC(パーソナルコンピュータ)とすることができる。
【0128】
また、電源部の構造を本発明の燃料電池および燃料電池容器が着脱自在となる構造とした場合には、予備の本発明の燃料電池および燃料電池容器を準備しておけば、屋外や旅客機等の移動体内等の2次電池のみで使用するような状況において、従来に比べ飛躍的に長時間の電源供給が可能となるという利点がある。また、このように公共の場で使用する場合にも、安全性に優れることから、制約を受けることなく使用することが可能な、極めて利便性に優れたものとなる。
【0129】
なお本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能であり、例えば、上述の実施例において燃料電池としてメタノールを燃料に用いたDMFC を用いたが、ジメチルエーテルを初めとする各種液体を燃料とする燃料電池を用いることもできる。
【0130】
【発明の効果】
本発明の第1から第5の電子機器によれば、下側および上側主面にそれぞれ第1および第2電極を有する電解質部材を収容する凹部を上面に有する多層セラミックスから成る基体と、この基体の凹部の周囲の上面に凹部を覆って取着される、凹部を気密に封止する蓋体とを具備していることから、燃料電池用容器内を気密に封止することで、気体等の流体の漏れがなく、この容器の他にパッケージ等の容器を設ける必要がないので、効率良く、安全に動作させることができる、高機能かつ安定して使用することが可能な電子機器を得ることができるとともに、小型・低背化にも有効なものとなる。
【0131】
また、凹部を上面に有する多層セラミックスから成る基体とこの凹部を封止する蓋体とで形成される箱体内に複数の電解質部材を収納して燃料電池とすることができるので、電解質部材が容器の外部に露出して損傷を受けたりすることがなく、燃料電池全体としての機械的信頼性が向上する。
【0132】
また、凹部および蓋体で構成される容器内部に一端が配設された第1および第2配線導体の他には電解質部材自体に無用な電気的接触をしないで済むので、信頼性および安全性の高い燃料電池を得ることができ、長期信頼性および安全性の高い電子機器を提供することができる。
【0133】
また、このような燃料電池は、基体および蓋体の少なくとも一方に、外部接続用端子(正極端子および負極端子)を具備しているため、電子機器の回路基板に容易に電気的接続が可能となり、着脱が自在である。そのため、特殊な安全設備を備えた施設等によることなく、容易に燃料電池を新しいものと取り替えることができ、電子機器の利便性を高いものとすることができる。
【0134】
さらに、燃料電池用容器の構成材料として多層セラミックスを用いたことにより、腐食性を考慮することなく各種のガスや液体を使用することができ、電力の供給効率の向上が容易である。また、多層セラミックスを形成する各層のセラミックスに、従来周知のメタライズ法により自在に配線導体を形成することができるため、燃料電池の電気配線が自由に可能であることから、複数セルの直列・並列接続が容易で、電子機器の小型、低背化、および軽量化を飛躍的に向上させることができる。すなわち、本発明の第2の電子機器によれば、基体に形成された、一端が凹部の1つの底面で電解質部材の第1電極に対向するとともに、他端が凹部の他の1つの底面で電解質部材の第1電極に対向する第3配線導体とを具備していることから、複数個の電解質部材を電気的に接続することでそれらを並列接続することが可能となる。その結果、燃料電池全体の出力電流の調整ができるため、電解質部材にて電気化学的に生成された電気を良好な状態で外部に取り出すことができる。
【0135】
また、本発明の第3の電子機器によれば、基体に形成された、一端が凹部の1つの底面で電解質部材の第1電極に対向し、かつ他端が基体の蓋体が取着される上面に導出された第4配線導体と、一端が蓋体の下面で凹部の他の1つの電解質部材の第2電極に対向し、かつ他端が蓋体の基体の上面に取得される下面に第4配線導体の他端と対向するように導出された第5配線導体とを具備していることから、複数個の電解質部材を電気的に接続することでそれらを直列接続することが可能となる。その結果、一つ一つの電解質部材の発電では微小電圧であっても、直列接続により合計の電圧の調整ができるため、電解質部材にて電気化学的に生成された電気を良好な状態で外部に取り出すことが可能となる。
【0136】
また、本発明の第4の電子機器によれば、基体に形成された、一端が凹部の底面で電解質部材の1つの第1電極に対向するとともに、他端が凹部の底面で電解質部材の他の1つの第1電極に対向する第6配線導体とを具備していることから、複数個の電解質部材を電気的に接続することでそれらを並列接続することが可能となる。その結果、燃料電池全体の出力電流の調整ができるため、電解質部材にて電気化学的に生成された電気を良好な状態で外部に取り出すことができる。
【0137】
また、本発明の第5の電子機器によれば、基体に形成された、一端が凹部の底面で電解質部材の1つの第1電極に対向し、かつ他端が基体の蓋体が取着される上面に導出された第7配線導体と、一端が蓋体の下面で電解質部材の他の1つの第2電極に対向し、かつ他端が蓋体の基体の上面に取得される下面に第7配線導体の他端と対向するように導出された第8配線導体とを具備している燃料電池を用いたことから、このような燃料電池において、複数個の電解質部材を電気的に接続することでそれらを直列接続することが可能となる。その結果、一つ一つの電解質部材の発電では微小電圧であっても、直列接続により合計の電圧の調整ができるため、電解質部材にて電気化学的に生成された電気を良好な状態で外部に取り出すことが可能となり、長期にわたって電圧が安定した、信頼性に優れる電子機器を提供することができる。
【0138】
また、このような燃料電池において、電解質部材の下側主面に対向する凹部の底面から基体の外面にかけて形成された第1流体流路と、電解質部材の上側主面に対向する蓋体の下面から蓋体の外面にかけて形成された第2流体流路とを具備していることから、複数のそれぞれの流体流路は、電解質部材を挟んで、それぞれ対向する内壁面に設けられているため、電解質部材へ供給される流体の均一供給性を向上させることができる。このような流体経路によれば、流体が電解質部材に対して垂直に流れるため、例えば、流体が水素ガスと空気(酸素)ガスとの場合に、電解質部材が下側および上側主面にそれぞれ有する第1および第2電極に供給される各ガス分圧が下がることはなく、所定の安定した出力電圧を得ることができるという効果がある。
【0139】
さらに、供給される流体の圧力、例えばガス分圧が安定するため、燃料電池用容器の内部温度の分布が均一化され、その結果、電解質部材に生じる熱応力を抑制することができ、燃料電池の信頼性を向上させることができるため、より信頼性に優れた電子機器を提供することができる。
【0140】
さらにまた、それぞれの流体流路は基体と蓋体とに形成されるため、各流路の密閉性に優れ、本来は流路的に隔絶されるべき2種類の原料流体(例えば酸素ガスと水素ガスもしくはメタノール等)が混合してしまうことによって燃料電池としての機能が発現されなくなるようなことがなく、また、可燃性の流体が高温で混合された後に引火・爆発を起こす危険性もないので、安全な電子機器を提供することができる。
【0141】
また、本発明の第1から第5の電子機器によれば、燃料電池用容器の凹部に電解質部材を収容して、この電解質部材の下側および上側主面を第1および第2流体流路との間でそれぞれの流体がやりとり可能なように配置するとともに、第1および第2電極を第1および第2配線導体、ならびに第1〜第3配線導体、ならびに第1,第2,第4および第5配線導体、ならびに第1,第2および第6配線導体、ならびに第1,第2,第7および第8配線導体にそれぞれ電気的に接続するとともに外部接続用端子にそれぞれ電気的に接続し、基体の凹部の周囲の上面に凹部を覆って蓋体を取着して成ることから、以上のような本発明の燃料電池用容器による特長を備えた、小型・堅牢で、燃料の均等供給・高効率な電気接続を行なうことができる信頼性のある燃料電池を用いた、低背化、高機能化、高効率化が可能な電子機器を得ることができる。
【0142】
また、本発明の第1から第5の電子機器によれば、第1配線導体および第2配線導体の少なくとも一方は、凹部の底面の第1流体流路の開口の周辺または蓋体の下面の第2流体流路の開口の周辺に、電解質部材の第1電極または第2電極に当接するように形成されたものとしたことにより、電解質部材の第1電極または第2電極の第1流体流路または第2流体流路の開口を除く部位の全域と、第1配線導体または第2配線導体とを直接接触させて電気的に接続することができる。そのため、電解質部材の第1電極と第1配線導体との接触面積および第2電極と第2配線導体との接触面積が大きくとれるとともに直接に接続することができ、電気抵抗の増大化および接触不良を有効に抑えることができるので、高い発電効率を有した電子機器を提供することができる。
【0143】
また、本発明の第1から第5の電子機器によれば、基体が多層セラミックスから成るため、内部に位置するセラミック層の表面にメタライズ法等により金属層を種々の形状,電気特性で形成することができるので、基体の内部に、抵抗やキャパシタンスやインダクタンス等として機能する電子回路素子を形成することができる。従って、例えば、燃料電池に平行して、大容量のキャパシタを形成することで、燃料電池から出力される電流が不足する状態となった場合、不足する電流分が補填されて目標出力電流に応じた電流供給を確保することが可能である。また、昇圧回路を形成することが出来るため、電子機器に必要な電圧を確保することが可能である。
【0144】
また、本発明の第1から第5の電子機器によれば、基体に内部回路が形成されていることから、基体表面において内部回路に電気的に接続された電子部品を搭載することができる。従って、基体表面に搭載した電子部品によって電子機器の機能性を向上させることができる。
【0145】
また、本発明の第1から第5の電子機器によれば、基体の表面に内部回路に電気的に接続された電子部品が設けられているため、電子部品として、例えばセンサーや制御IC等を用いて、濃度センサーで流体流路内の燃料の濃度を検知することにより、最適な循環や燃料の希釈、燃料の利用効率の低下を抑制することが可能となる。
【0146】
また、本発明の第1から第5の電子機器によれば、第1および第2流体流路の少なくとも一方の途中に圧電ポンプが設けられているために、流体流路に取り付けられた小型の圧電ポンプが、燃料の逆流を防ぎ、その結果反応物質等による未使用燃料の汚染を防ぐことができ、また、滞留していた空気は排出されることから、電子機器の動作に滞留した空気が悪影響を与えることを避けることができる。さらに、燃料が一定に供給され、その結果安定した発電が行われるとともに、燃料供給が円滑に行われるので起動時間を速くすることが可能である。これにより、例えば、燃料電池や燃料カートリッジを新しいものに取り替えた後や燃料を補充した後でも、すぐに電子機器を使用することが可能となり、従来の化学電池等を用いた電子機器と比べても遜色の無い利便性を有する電子機器を提供することができる。
【0147】
以上のことから、本発明の電子機器によれば、コンパクト性・簡便性・安全性に優れ、流体の均等供給・高効率な電気接続を可能とした燃料電池を用いることにより、小型,低背で、かつ長期にわたり安定して作動させることができ、さらに安全性や利便性に優れた電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子機器に組み込まれる燃料電池の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の電子機器に組み込まれる燃料電池の実施の形態の他の例を示す断面図である。
【図3】本発明の電子機器に組み込まれる燃料電池の実施の形態の他の例を示す断面図である。
【図4】本発明の電子機器に組み込まれる燃料電池の実施の形態の他の例を示す断面図である。
【図5】本発明の電子機器に組み込まれる燃料電池の実施の形態の他の例を示す断面図である。
【図6】本発明の電子機器の実施の形態の例を示すブロック図である。
【図7】従来の燃料電池の例を示す断面図である。
【符号の説明】
1:燃料電池
2:燃料電池用容器
3:電解質部材
4:第1電極
5:第2電極
6:基体
7:蓋体
8:第1流体流路
9:第2流体流路
10:第1配線導体
11:第2配線導体
12:外部接続用端子
13:第3配線導体
14:第4配線導体
15:第5配線導体
16:第6配線導体
17:第7配線導体
18:第8配線導体
61:中央処理装置(CPU)
62:制御部
63:ランダムアクセスメモリ(RAM)
64:リードオンメモリ
65:入力部
66:アンテナ
67:無線部
68:スピーカ
69:発光ダイオード(LED)
70:表示部
71:バイブレータ
72:送受話部
73:電源部

Claims (9)

  1. 電源として燃料電池を有している電子機器であって、前記燃料電池は、下側および上側主面にそれぞれ第1および第2電極を有する電解質部材を収容する凹部を上面に有する多層セラミックスから成る基体と、前記電解質部材の前記下側主面に対向する前記凹部の底面から前記基体の外面にかけて形成された第1流体流路と、前記電解質部材の前記第1電極に対向する前記凹部の底面に一端が配設され、他端が前記基体の外面に導出された第1配線導体と、前記基体の前記凹部の周囲の上面に前記凹部を覆って取着される、前記凹部を気密に封止する蓋体と、前記電解質部材の前記上側主面に対向する前記蓋体の下面から前記蓋体の外面にかけて形成された第2流体流路と、前記電解質部材の前記第2電極に対向する前記蓋体の下面に一端が配設され、他端が前記蓋体の外面に導出された第2配線導体と、前記基体および前記蓋体の少なくとも一方に設けられた外部接続用端子とを具備する燃料電池用容器を有しており、該燃料電池用容器の前記凹部に前記電解質部材を収容して、前記電解質部材の前記下側および上側主面を前記第1および第2流体流路との間でそれぞれの流体がやりとり可能なように配置するとともに、前記第1および第2電極を前記第1および第2配線導体にそれぞれ電気的に接続するとともに前記外部接続用端子にそれぞれ電気的に接続し、前記基体の前記凹部の周囲の上面に前記凹部を覆って前記蓋体を取着して成ることを特徴とする電子機器。
  2. 前記基体は、前記凹部が複数個形成されているとともに、一端が前記凹部の1つの底面で前記電解質部材の前記第1電極に対向し、かつ他端が前記凹部の他の1つの底面で前記電解質部材の前記第1電極に対向する第3配線導体が形成されていることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
  3. 前記基体は、前記凹部が複数個形成されているとともに、一端が前記凹部の1つの底面で前記電解質部材の前記第1電極に対向し、かつ他端が前記基体の前記蓋体が取着される上面に導出された第4配線導体と、一端が前記蓋体の下面で前記凹部の他の1つの前記電解質部材の前記第2電極に対向し、かつ他端が前記蓋体の前記基体の前記上面に取得される下面に前記第4配線導体の他端と対向するように導出された第5配線導体が形成されていることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
  4. 前記基体は、前記電解質部材を複数個収容する凹部が形成されているとともに、一端が前記凹部の底面で前記電解質部材の1つの前記第1電極に対向し、かつ他端が前記凹部の底面で前記電解質部材の他の1つの前記第1電極に対向する第6配線導体が形成されていることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
  5. 前記基体は、前記電解質部材を複数個収容する凹部が形成されているとともに、一端が前記凹部の底面で前記電解質部材の1つの前記第1電極に対向し、かつ他端が前記基体の前記蓋体が取着される上面に導出された第7配線導体と、一端が前記蓋体の下面で前記電解質部材の他の1つの前記第2電極に対向し、かつ他端が前記蓋体の前記基体の前記上面に取着される下面に前記第7配線導体の他端と対向するように導出された第8配線導体が形成されていることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
  6. 前記第1配線導体および前記第2配線導体の少なくとも一方は、前記凹部の底面の前記第1流体流路の開口の周辺または前記蓋体の下面の前記第2流体流路の開口の周辺に、前記第1電極または前記第2電極に当接するように形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電子機器。
  7. 前記基体は、内部回路が形成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の電子機器。
  8. 前記基体は、その表面に前記内部回路に電気的に接続された電子部品が設けられていることを特徴とする請求項7記載の電子機器。
  9. 前記第1および第2流体流路の少なくとも一方の途中に圧電ポンプが設けられていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の電子機器。
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