JP2005019336A - 照明器具及び捕虫装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】コンパクト化を図りながらケースの劣化及び半導体発光素子の損傷を抑制することができる照明器具及び捕虫装置を提供する。
【解決手段】照明器具1は、前面が開口し、かつ後面が閉口したケース2を備えている。ケース2の内部には、LED14が実装された基板7が収容されている。LED14は、発光ピーク波長が約300nm〜450nmの範囲内に存在するLEDチップ14bを備えているとともに、配光角が狭角になるようにパッケージ14c等が構成されている。また、LED14は、LED14から発せられた光がケース2の一部に照射されないような位置に配置されている。
【選択図】 図2
【解決手段】照明器具1は、前面が開口し、かつ後面が閉口したケース2を備えている。ケース2の内部には、LED14が実装された基板7が収容されている。LED14は、発光ピーク波長が約300nm〜450nmの範囲内に存在するLEDチップ14bを備えているとともに、配光角が狭角になるようにパッケージ14c等が構成されている。また、LED14は、LED14から発せられた光がケース2の一部に照射されないような位置に配置されている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体発光素子を備えた照明器具及び捕虫装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、蚊、蝿、蛾等の虫を捕獲するための紫外線領域から青色領域の光を利用した捕虫装置が知られている。これは、虫がこのような領域の光に向かって進む「走光性」という習性を利用したものである。現在、このような捕虫装置の光源には、発光ダイオード(以下、LEDという。)が使用されているものもある(例えば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2003−70402号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】LEDは、防塵、防水を図るために基板の形状に合わせた合成樹脂のケースに収容することがある。ここで、LEDをケースの開口縁部近傍に配置すると、LEDに傷及び汚れが付き易い。このため、LEDを可能な限りケースの奥に配置させることが好ましい。
【0005】
しかしながら、LEDをケースの奥に配置すると、LEDから発せられた短波長の光がケースに照射されてしまい、ケースが劣化してしまう。ここで、ケースを大型化して、LEDから発せられた光がケースに照射されるのを抑制することも考えられるが、ケースを大型化すると、取付スペースが大きくなるとともにメンテナンスに多大な手間を要する。また、コストも上昇する。
【0006】
本発明は上記従来の問題を解決するためになされたものである。即ち、コンパクト化を図りながらケースの劣化及び半導体発光素子の損傷を抑制することができる照明器具及び捕虫装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決しようとする手段】請求項1記載の照明器具は、開口を備えたケースと;ケース内に収容された基板と;基板に実装され、配光角が狭角であり、発光ピーク波長が300nm〜450nmの範囲内に存在する光を発し、前記光がケースの一部に照射されないような位置に配置された半導体発光素子と;を具備することを特徴としている。「狭角」とは、30°以下(0°は除く。)の角度を意味するものである。請求項1記載の照明装置によれば、コンパクト化を図りながらケースの劣化及び半導体発光素子の損傷を抑制することができる。
【0008】
請求項2記載の照明器具は、上記の照明器具であって、半導体発光素子の一部を覆う金属部材をさらに備えていることを特徴としている。請求項2記載の照明器具によれば、半導体発光素子から発せられる熱を効率良く放熱することができる。なお、抵抗体等のような発熱する部品を備えている場合には、その部品等から発せられる熱も効率良く放熱することができる。
【0009】
請求項3記載の照明器具は、上記の照明器具であって、半導体発光素子の少なくとも一部に形成された光触媒膜をさらに備えていることを特徴としている。請求項3記載の照明器具によれば、半導体発光素子から発せられる発光ピーク波長が300nm〜450nmの範囲内に存在する光と光触媒膜の作用により汚れを分解することができ、照明器具から発せられる光の光量低下を抑制することができる。
【0010】
なお、上記照明器具は、ケース内に充填された熱伝導率が空気より大きい放熱性充填剤をさらに備えていることが好ましい。これによれば、半導体発光素子から発せられる熱を効率良く放熱することができ、照明器具の温度上昇を抑制することができる。また、上記半導体発光素子の発光ピーク波長は350nm〜400nmの範囲内に存在していることが好ましい。これによれば、確実に誘虫効果を得ることができる。
【0011】
請求項4の捕虫装置は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の照明器具と;半導体発光素子から発せられた光により飛来した虫を捕獲する捕獲器具と;を具備することを特徴としている。請求項4記載の捕虫装置によれば、虫を捕獲することができる。
【0012】
請求項5記載の捕虫装置は、上記の捕虫装置であって、捕獲器具が、開口が照明器具付近に位置するように配置されたダクトと、ダクトを介して照明器具付近の空気を吸い込む吸気源とを備えていることを特徴としている。請求項5記載の捕虫装置によれば、虫を吸い込むことができるとともに照明器具から発せられる熱を効率良く放熱することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は本実施の形態に係る照明器具の模式的な分解斜視図であり、図2は本実施の形態に係る照明器具の模式的な水平断面図であり、図3は本実施の形態に係るケースの模式的な正面図である。
【0014】
図1〜図3に示されるように、照明器具は、例えば、アクリル、ポリカーボネート等のような合成樹脂から形成されたケース2を備えている。ケース2は、内部空間2aを有している。ケース2の前面は開口しているとともに後面は閉口している。
【0015】
ケース2の内部には、ケース2の後部付近及びケース2の中間部付近に段部2b,2cが形成されている。段部2bは、後述する基板6をケース2の後部付近に位置させるためのものであり、段部2cは、後述する基板7をケース2の中間部付近に位置させるためのものである。
【0016】
ケース2の上面及び下面には、ケース2の内部に向けてそれぞれ突起部2dが形成されている。突起部2dは、半円柱部2eと、直径が半円柱部2eの直径より小さい半円柱部2fとから構成されている。半円柱部2eは、基板6を段部2bの位置まで案内するガイド及び基板7を支持する台座として機能するものである。ケース2に半円柱部2eを形成することにより、ケース2の内部に後述する放熱性充填剤5を充填した場合であっても、基板7が撓み難くなる。一方、半円柱部2fは、基板7を段部2cの位置まで案内するガイドとして機能するものである。なお、ケース2の後面から段部2cまでの距離と、ケース2の後面から半円柱部2eと半円柱部2fとの境界までの距離とは、等しくなっている。ケース2の後面には、後述する電源コード13をケース2の外部に引き出すための引出孔2gが2箇所に形成されている。
【0017】
ケース2の前面には、石英ガラス等のような透光性材料から構成された透光板3が嵌め込まれている。ケース2の前面に透光板3を嵌め込むことにより、後述するLED14等を保護することができる。透光板3の表面には、例えばTiO2等から構成された光触媒膜4が形成されている。
【0018】
ケース2の内部には、空気より熱伝導率が大きい放熱性充填剤5が充填されている。放熱性充填剤5としては、例えば、シリコーン、ウレタン、エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0019】
ケース2の内部には、ケース2の前面に対して略平行になるように2枚の基板6,7が収容されている。ここで、基板7は基板6よりケース2の前面側に位置するようにケース2に収容されている。また、基板6と基板7とは、ケース2の前後方向から見て互いに重なるようにケース2に収容されている。
【0020】
基板6,7には、放熱性充填剤5を充填するための充填孔6a,7aが複数形成されている。ここで、充填孔6aと充填孔7aとは、対向するように形成されている。詳細に説明すると、充填孔6a,7aは、ケース2の前後方向から見たとき重なり合うように形成されている。基板6,7に複数の充填孔6a,7aを形成することにより、放熱性充填剤5の充填の際に、ケース2の後面と基板6とで形成される空間及び基板6と基板7とで形成される空間の空気が抜け易くなり、放熱性充填剤5の充填性を高めることができる。なお、放熱性充填剤5を充填する際には、少なくとも1箇所の充填孔6a,7aだけは注射針やディスペンサ等を挿入しないで膜泡用の孔として利用する。
【0021】
基板6,7には、突起部2dと対応する位置に、かつ突起部2dに対応した形状の切り欠き6b,7bがそれぞれ形成されている。具体的には、切り欠き6bは直径が半円柱部2eの直径とほぼ等しい略半円状に形成されており、切り欠き7bは直径が半円柱部2fの直径とほぼ等しい略半円状に形成されている。これにより、基板6が半円柱部2eをガイドとして段部2bまで案内される。また、基板7が半円柱部2fをガイドとして段部2c、及び半円柱部2eと半円柱部2fとの境界まで案内される。
【0022】
次に、基板6,7に実装された部品等について説明する。図4は本実施の形態に係る回路部品が実装された基板6の模式的な表面図であり、図5は本実施の形態に係るLEDが実装された基板7の模式的な表面図であり、図6は本実施の形態に係るLEDの模式的な垂直断面図である。
【0023】
図4に示されるように、基板6の表面側には、後述するLED14を点灯させるための回路部品8が実装されている。具体的には、基板6には、LED14に過電流が流れることを抑制してLED14の劣化を抑制するヒューズ9、及び落雷により発生する過電圧を逃がすためのサージアブソーバ10、電流を所定の電流値まで低下させる抵抗体11、及び交流電流を全波整流して直流電流を取り出す整流ブリッジ12が実装されている。
【0024】
基板6の裏面側には、回路パターン(図示せず)が形成されている。なお、基板6には、所定の位置に複数の孔が形成されており、これらの回路部品8は、これらの孔を介して回路パターンに半田付けされている。
【0025】
回路パターンには、電源(図示せず)に接続される2本の電源コード13が半付けされている。電源コード13は、張力止めにより基板6に固定されている。具体的には、基板6の端部には4箇所に図示しない挿通孔が形成されており、2箇所の挿通孔には電源コード13がそれぞれ基板6の裏面側から表面側に向けて挿通されているとともに挿通孔に挿通された電源コード13の先端部は、更に他の2箇所の挿通孔に基板6の表面側から裏面側に向けて挿通され、回路パターンに半田付けされている。電源コード13を基板6に対して張力止めにより固定することにより、基板6から電源コード13が外れ難くなり、電源コード13を引っ張りながらケース2内に基板6を収容することができる。
【0026】
図5に示されるように基板7の表面側には、複数のLED14(半導体発光素子)が実装されている。本実施の形態では、10個の砲弾型のLED14が基板7に実装されている。本実施の形態のように、抵抗体11が実装された基板6と、LED14が実装された基板7とに分けた場合には、抵抗体12から発せられる熱がLED14に伝わり難くなり、LED14の劣化を抑制することができる。また、電源コード13が接続された基板6と、LED14が実装された基板7とに分けた場合には、電源コード13を引っ張りながら基板6をケース2に収容或いは図示しない電源に電源コード13を接続した場合であっても、LED14が実装された基板7をケース2の前面に対して略平行に維持することができ、所望の配光を得ることができる。
【0027】
LED14は、基板7の長手方向に沿って一列に並ぶように基板7に実装されている。ここで、各LED14の一対のリードフレーム14aは、基板7の短手方向に沿うように基板7に取り付けられている。具体的には、リードフレーム14aは、一方のリードフレーム14aと他方のリードフレーム14aとを結んだ線が基板7の短手方向に沿った線とほぼ平行になるように基板7に取り付けられている。このような配置でLED14を基板7に実装することにより、基板7をケース2に収容する際或いはケース2を図示しない取り付け金具に取り付ける際におけるLED14の軸ずれを抑制することができる。
【0028】
LED14は、図6に示すように発光ピーク波長が約300nm〜450nmの範囲内に存在するLEDチップ14bを備えている。なお、誘虫を目的として照明器具1を使用する場合には、発光ピーク波長が約350nm〜400nmの範囲内に存在するLEDチップ14bを使用することが好ましい。このようなLEDチップ14bを使用することにより、確実に誘虫効果を得ることができる。
【0029】
LED14は、配光角が狭角になるようにパッケージ14c等が構成されている。ここで、本実施の形態の「配光角」は、LEDのカタログ等に記載されている配光角を意味する。なお、配光角が狭角のLED14として配光角が約30°のLEDを使用した場合には、図7に示されるような配光特性が得られる。LED14は、LED14から発せられた光が例えばケース2の開口縁部のようなケース2の一部に照射されないような位置に配置されている。
【0030】
パッケージ14cの一部は、金属パッケージ14d(金属部材)により覆われている。具体的には、金属パッケージ14dは筒状に形成されており、金属パッケージ14dはパッケージ14cの胴部を覆っている。金属パッケージ14dは、純金属、或いはFe−Ni等のような合金から形成されている。
【0031】
パッケージ14cの少なくとも一部には、TiO2等から構成された光触媒膜14eが形成されている。具体的には、光触媒膜14dは、パッケージ14cの頭部表面に形成されている。
【0032】
基板7の裏面側には、図示しない回路パターンが形成されている。なお、基板6に形成された回路パターンと基板7に形成された回路パターンとは2本のリード線15を介して電気的に接続されている。また、基板7には複数の孔が形成されており、リードフレーム14aはこれらの孔を介して回路パターンに半田付けされている。リードフレーム14aと回路パターンとを半田付けすることにより、整流ブリッジ12で生成された直流電流がリード線15を介してリードフレーム14aに供給され、LED14から光が発せられる。
【0033】
このような照明器具1は、例えば、捕虫装置に組み込んで使用することが可能である。以下、照明器具1が組み込まれた捕虫装置について説明する。図8は、本実施の形態に係る捕虫装置の模式的な構成図である。
【0034】
図8に示されるように、捕虫装置20は、主に、照明器具1と、LED14から発せられた光により飛来した虫を捕獲する捕獲器具21とから構成されている。捕獲器具21は、開口を備え、かつ開口縁部に照明器具1が取り付けられたダクト22を備えている。ダクト22には、ダクト22を介して照明器具1付近の空気を吸い込む吸気源23、及びトラップ24が介在している。トラップ24としては、例えば、捕中紙、虫を溶解させる溶剤が収容された溶剤槽等が挙げられる。吸気源23を作動させることにより、照明器具1の点灯により照明器具1周辺に飛来した虫がダクト22内に吸い込まれ、トラップ24で捕獲される。
【0035】
本実施の形態では、配光角が狭角のLED14を使用し、かつLED14から発せられ光がケース2の一部に照射されないような位置にLED14を配置しているので、コンパクト化を図りながらケース2の劣化及びLED14の損傷等を抑制することができる。即ち、配光角が狭角のLED14と配光角が広角のLEDとをLEDから発せられた光がケース2の一部に照射されないように同じ大きさのケース2内にそれぞれ配置する場合を想定すると、狭角のLED14を使用した方が、広角のLEDを使用した場合よりもケース2の奥に配置することができる。従って、狭角のLED14を使用した方が、広角のLEDを使用した場合よりもケース2を大型化せずにLED14の損傷等を抑制することができる。また、LED14から発せられ光がケース2の一部に照射されないような位置にLED14を配置しているので、ケース2の劣化が抑制される。それ故、コンパクト化を図りながらケース2の劣化及びLED14の損傷等を抑制することができる。
【0036】
本実施の形態では、金属パッケージ14dを備えたLED14を使用しているので、照明器具1の温度上昇を抑制することができる。即ち、金属は、放熱性に優れているので、LEDチップ14bから発せられた熱は金属パッケージ14dに伝達され、金属パッケージ14dを介して効率良く放熱される。それ故、照明器具1の温度上昇を抑制することができる。
【0037】
本実施の形態では、ケース2の内部に放熱性充填剤が5充填されているので、照明器具1の温度上昇を抑制することができる。即ち、放熱性充填剤5は、放熱性に優れているので、LEDチップ14bから発せられ、金属パッケージ14dに伝達された熱は、放熱性充填剤5を介して、効率良くケース2の外部に放熱される。ここで、熱膨張係数の差により金属パッケージ14dと放熱性充填剤5との界面で剥離が起こることが予測されるが、金属パッケージ14d及び放熱性充填剤5により効率良く放熱するので、熱膨張が少なく、金属パッケージ14dと放熱性充填剤5との界面における剥離は起こり難いと考えられる。一方、抵抗体11から発せられた熱は放熱性充填剤5を介して、効率良くケース2の外部に放熱される。それ故、照明器具1の温度上昇を抑制することができる。
【0038】
本実施の形態では、透光板3の表面及びパッケージ14cの頭部表面に光触媒膜4,14eを形成しているので、照明器具1から放射される光量の低下を抑制することができる。即ち、照明器具1を使用し続けると、透光板3等が汚れることが想定される。特に照明器具1を屋外で使用した場合には、透光板3等が汚れる可能性が高い。ここで、透光板3等が汚れている場合には、汚れによりLEDチップ14bから発せられた光が遮られてしまい、照明器具1から放射される光量が低下してしまうことがある。これに対し、本実施の形態では、透光板3の表面及びパッケージ14cの頭部表面に光触媒膜4,14eを形成しているので、LEDチップ14bから発せられた光と光触媒膜の作用により、汚れが分解し、透光板3及びパッケージ14cの頭部表面が汚れ難い。それ故、照明器具1から放射される光量の低下が抑制される。
【0039】
本実施の形態では、捕虫装置20の光源として照明器具1を使用しているので、メンテナンスの頻度を低下させることができる。即ち、一般的にLEDは蛍光ランプよりも寿命が長い。また、捕虫装置20の光源として蛍光ランプを使用すると、飛来した虫が衝突して、蛍光ランプが割れてしまうことがあるが、LED14は割れ難いので、このような問題も解消される。それ故、メンテナンスの頻度を低下させることができる。
【0040】
本実施の形態では、吸気源23によりダクト22を介して照明器具1付近の空気を吸い込んでいるので、LED14から発せられた光により飛来した虫を吸い込むことができるとともに照明器具1から発せられた熱を効率良く放熱させることができる。
【0041】
(実施例)
以下、実施例について説明する。本実施例では、LEDを配光角内にケースの一部が入らないようにケース内に配置する場合におけるケースの前面からLEDまでの最長距離を算出した。
【0042】
以下、算出条件について説明する。実施例1では配光角が20°のLEDを使用し、実施例2では配光角が30°のLEDを使用した。実施例1及び実施例2ともにケースは、厚さ方向の幅が6mmのものを使用した。このようなLED及びケースを使用し、LEDをLEDから発せられた光がケースの一部に照射されないようにケース内に配置する場合におけるケースの前面からLEDまでの最長距離を算出した。ここで、ケースの前面からLEDまでの距離とは、ケースの前面からLEDチップまでの距離である。なお、実施例1及び実施例2と比較するために比較例として配光角が50°のLEDを使用した場合についても前面からLEDまでの最長距離を算出した。
【0043】
以下、算出結果について述べる。比較例におけるケースの前面からLEDまでの最長距離は、約6.44mmであった。これに対し、実施例1におけるケースの前面からLEDまでの最長距離は、約17.0mmであり、実施例2におけるケースの前面からLEDまでの最長距離は、約11.2mmであった。これらの結果から、狭角のLEDを使用した方が、広角のLEDを使用するよりもLEDから発せられた光がケースの一部に照射されない状態でケースの奥に配置することができるということが確認された。
【0044】
なお、本発明は上記実施の形態の記載内容に限定されるものではなく、構造や材質、各部材の配置等は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。上記実施の形態では、パッケージ14cの胴部を金属パッケージ14dで覆っているが、金属パッケージ14dで覆わなくともよい。上記実施の形態では、ケース2の内部に放熱性充填剤5を充填しているが、放熱性充填剤5を充填しなくともよい。
【0045】
上記実施の形態では、透光板3の表面及びパッケージ14cの頭部表面に光触媒膜4,14eを形成しているが、光触媒膜4,14eを形成しなくともよい。また、光触媒膜を放熱性充填剤5の表面に形成してもよい。
【0046】
【発明の効果】請求項1記載の照明器具によれば、コンパクト化を図りながらケースの劣化及び半導体発光素子の損傷を抑制することができる。請求項2記載の照明器具によれば、半導体発光素子から発せられる熱を効率良く放熱することができる。請求項3記載の照明器具によれば、照明器具から発せられる光の光量低下を抑制することができる。
【0047】
請求項4記載の捕虫装置によれば、虫を捕獲することができる。請求項5記載の照明装置によれば、虫を吸い込むことができるとともに照明器具から発せられる熱を効率良く放熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施の形態に係る照明器具の模式的な分解斜視図である。
【図2】図2は実施施の形態に係る照明器具の模式的な水平断面図である。
【図3】図3は実施の形態に係るケースの模式的な正面図である。
【図4】図4は実施の形態に係る回路部品が実装された基板の模式的な表面図である。
【図5】図5は実施の形態に係るLEDが実装された基板の模式的な表面図である。
【図6】図6は実施の形態に係るLEDの模式的な垂直断面図である。
【図7】図7は実施の形態に係る配光角が約30°のLEDの配光特性を模式的に示したグラフである。
【図8】図8は実施の形態に係る捕虫装置の模式的な構成図である。
【符号の説明】
1…照明器具、2…ケース、4,14e…光触媒膜、5…放熱性充填剤、6,7…基板、14…LED、14d…金属パッケージ、20…捕虫装置、21…捕獲器具、22…ダクト、23…吸気源。
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体発光素子を備えた照明器具及び捕虫装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、蚊、蝿、蛾等の虫を捕獲するための紫外線領域から青色領域の光を利用した捕虫装置が知られている。これは、虫がこのような領域の光に向かって進む「走光性」という習性を利用したものである。現在、このような捕虫装置の光源には、発光ダイオード(以下、LEDという。)が使用されているものもある(例えば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2003−70402号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】LEDは、防塵、防水を図るために基板の形状に合わせた合成樹脂のケースに収容することがある。ここで、LEDをケースの開口縁部近傍に配置すると、LEDに傷及び汚れが付き易い。このため、LEDを可能な限りケースの奥に配置させることが好ましい。
【0005】
しかしながら、LEDをケースの奥に配置すると、LEDから発せられた短波長の光がケースに照射されてしまい、ケースが劣化してしまう。ここで、ケースを大型化して、LEDから発せられた光がケースに照射されるのを抑制することも考えられるが、ケースを大型化すると、取付スペースが大きくなるとともにメンテナンスに多大な手間を要する。また、コストも上昇する。
【0006】
本発明は上記従来の問題を解決するためになされたものである。即ち、コンパクト化を図りながらケースの劣化及び半導体発光素子の損傷を抑制することができる照明器具及び捕虫装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決しようとする手段】請求項1記載の照明器具は、開口を備えたケースと;ケース内に収容された基板と;基板に実装され、配光角が狭角であり、発光ピーク波長が300nm〜450nmの範囲内に存在する光を発し、前記光がケースの一部に照射されないような位置に配置された半導体発光素子と;を具備することを特徴としている。「狭角」とは、30°以下(0°は除く。)の角度を意味するものである。請求項1記載の照明装置によれば、コンパクト化を図りながらケースの劣化及び半導体発光素子の損傷を抑制することができる。
【0008】
請求項2記載の照明器具は、上記の照明器具であって、半導体発光素子の一部を覆う金属部材をさらに備えていることを特徴としている。請求項2記載の照明器具によれば、半導体発光素子から発せられる熱を効率良く放熱することができる。なお、抵抗体等のような発熱する部品を備えている場合には、その部品等から発せられる熱も効率良く放熱することができる。
【0009】
請求項3記載の照明器具は、上記の照明器具であって、半導体発光素子の少なくとも一部に形成された光触媒膜をさらに備えていることを特徴としている。請求項3記載の照明器具によれば、半導体発光素子から発せられる発光ピーク波長が300nm〜450nmの範囲内に存在する光と光触媒膜の作用により汚れを分解することができ、照明器具から発せられる光の光量低下を抑制することができる。
【0010】
なお、上記照明器具は、ケース内に充填された熱伝導率が空気より大きい放熱性充填剤をさらに備えていることが好ましい。これによれば、半導体発光素子から発せられる熱を効率良く放熱することができ、照明器具の温度上昇を抑制することができる。また、上記半導体発光素子の発光ピーク波長は350nm〜400nmの範囲内に存在していることが好ましい。これによれば、確実に誘虫効果を得ることができる。
【0011】
請求項4の捕虫装置は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の照明器具と;半導体発光素子から発せられた光により飛来した虫を捕獲する捕獲器具と;を具備することを特徴としている。請求項4記載の捕虫装置によれば、虫を捕獲することができる。
【0012】
請求項5記載の捕虫装置は、上記の捕虫装置であって、捕獲器具が、開口が照明器具付近に位置するように配置されたダクトと、ダクトを介して照明器具付近の空気を吸い込む吸気源とを備えていることを特徴としている。請求項5記載の捕虫装置によれば、虫を吸い込むことができるとともに照明器具から発せられる熱を効率良く放熱することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は本実施の形態に係る照明器具の模式的な分解斜視図であり、図2は本実施の形態に係る照明器具の模式的な水平断面図であり、図3は本実施の形態に係るケースの模式的な正面図である。
【0014】
図1〜図3に示されるように、照明器具は、例えば、アクリル、ポリカーボネート等のような合成樹脂から形成されたケース2を備えている。ケース2は、内部空間2aを有している。ケース2の前面は開口しているとともに後面は閉口している。
【0015】
ケース2の内部には、ケース2の後部付近及びケース2の中間部付近に段部2b,2cが形成されている。段部2bは、後述する基板6をケース2の後部付近に位置させるためのものであり、段部2cは、後述する基板7をケース2の中間部付近に位置させるためのものである。
【0016】
ケース2の上面及び下面には、ケース2の内部に向けてそれぞれ突起部2dが形成されている。突起部2dは、半円柱部2eと、直径が半円柱部2eの直径より小さい半円柱部2fとから構成されている。半円柱部2eは、基板6を段部2bの位置まで案内するガイド及び基板7を支持する台座として機能するものである。ケース2に半円柱部2eを形成することにより、ケース2の内部に後述する放熱性充填剤5を充填した場合であっても、基板7が撓み難くなる。一方、半円柱部2fは、基板7を段部2cの位置まで案内するガイドとして機能するものである。なお、ケース2の後面から段部2cまでの距離と、ケース2の後面から半円柱部2eと半円柱部2fとの境界までの距離とは、等しくなっている。ケース2の後面には、後述する電源コード13をケース2の外部に引き出すための引出孔2gが2箇所に形成されている。
【0017】
ケース2の前面には、石英ガラス等のような透光性材料から構成された透光板3が嵌め込まれている。ケース2の前面に透光板3を嵌め込むことにより、後述するLED14等を保護することができる。透光板3の表面には、例えばTiO2等から構成された光触媒膜4が形成されている。
【0018】
ケース2の内部には、空気より熱伝導率が大きい放熱性充填剤5が充填されている。放熱性充填剤5としては、例えば、シリコーン、ウレタン、エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0019】
ケース2の内部には、ケース2の前面に対して略平行になるように2枚の基板6,7が収容されている。ここで、基板7は基板6よりケース2の前面側に位置するようにケース2に収容されている。また、基板6と基板7とは、ケース2の前後方向から見て互いに重なるようにケース2に収容されている。
【0020】
基板6,7には、放熱性充填剤5を充填するための充填孔6a,7aが複数形成されている。ここで、充填孔6aと充填孔7aとは、対向するように形成されている。詳細に説明すると、充填孔6a,7aは、ケース2の前後方向から見たとき重なり合うように形成されている。基板6,7に複数の充填孔6a,7aを形成することにより、放熱性充填剤5の充填の際に、ケース2の後面と基板6とで形成される空間及び基板6と基板7とで形成される空間の空気が抜け易くなり、放熱性充填剤5の充填性を高めることができる。なお、放熱性充填剤5を充填する際には、少なくとも1箇所の充填孔6a,7aだけは注射針やディスペンサ等を挿入しないで膜泡用の孔として利用する。
【0021】
基板6,7には、突起部2dと対応する位置に、かつ突起部2dに対応した形状の切り欠き6b,7bがそれぞれ形成されている。具体的には、切り欠き6bは直径が半円柱部2eの直径とほぼ等しい略半円状に形成されており、切り欠き7bは直径が半円柱部2fの直径とほぼ等しい略半円状に形成されている。これにより、基板6が半円柱部2eをガイドとして段部2bまで案内される。また、基板7が半円柱部2fをガイドとして段部2c、及び半円柱部2eと半円柱部2fとの境界まで案内される。
【0022】
次に、基板6,7に実装された部品等について説明する。図4は本実施の形態に係る回路部品が実装された基板6の模式的な表面図であり、図5は本実施の形態に係るLEDが実装された基板7の模式的な表面図であり、図6は本実施の形態に係るLEDの模式的な垂直断面図である。
【0023】
図4に示されるように、基板6の表面側には、後述するLED14を点灯させるための回路部品8が実装されている。具体的には、基板6には、LED14に過電流が流れることを抑制してLED14の劣化を抑制するヒューズ9、及び落雷により発生する過電圧を逃がすためのサージアブソーバ10、電流を所定の電流値まで低下させる抵抗体11、及び交流電流を全波整流して直流電流を取り出す整流ブリッジ12が実装されている。
【0024】
基板6の裏面側には、回路パターン(図示せず)が形成されている。なお、基板6には、所定の位置に複数の孔が形成されており、これらの回路部品8は、これらの孔を介して回路パターンに半田付けされている。
【0025】
回路パターンには、電源(図示せず)に接続される2本の電源コード13が半付けされている。電源コード13は、張力止めにより基板6に固定されている。具体的には、基板6の端部には4箇所に図示しない挿通孔が形成されており、2箇所の挿通孔には電源コード13がそれぞれ基板6の裏面側から表面側に向けて挿通されているとともに挿通孔に挿通された電源コード13の先端部は、更に他の2箇所の挿通孔に基板6の表面側から裏面側に向けて挿通され、回路パターンに半田付けされている。電源コード13を基板6に対して張力止めにより固定することにより、基板6から電源コード13が外れ難くなり、電源コード13を引っ張りながらケース2内に基板6を収容することができる。
【0026】
図5に示されるように基板7の表面側には、複数のLED14(半導体発光素子)が実装されている。本実施の形態では、10個の砲弾型のLED14が基板7に実装されている。本実施の形態のように、抵抗体11が実装された基板6と、LED14が実装された基板7とに分けた場合には、抵抗体12から発せられる熱がLED14に伝わり難くなり、LED14の劣化を抑制することができる。また、電源コード13が接続された基板6と、LED14が実装された基板7とに分けた場合には、電源コード13を引っ張りながら基板6をケース2に収容或いは図示しない電源に電源コード13を接続した場合であっても、LED14が実装された基板7をケース2の前面に対して略平行に維持することができ、所望の配光を得ることができる。
【0027】
LED14は、基板7の長手方向に沿って一列に並ぶように基板7に実装されている。ここで、各LED14の一対のリードフレーム14aは、基板7の短手方向に沿うように基板7に取り付けられている。具体的には、リードフレーム14aは、一方のリードフレーム14aと他方のリードフレーム14aとを結んだ線が基板7の短手方向に沿った線とほぼ平行になるように基板7に取り付けられている。このような配置でLED14を基板7に実装することにより、基板7をケース2に収容する際或いはケース2を図示しない取り付け金具に取り付ける際におけるLED14の軸ずれを抑制することができる。
【0028】
LED14は、図6に示すように発光ピーク波長が約300nm〜450nmの範囲内に存在するLEDチップ14bを備えている。なお、誘虫を目的として照明器具1を使用する場合には、発光ピーク波長が約350nm〜400nmの範囲内に存在するLEDチップ14bを使用することが好ましい。このようなLEDチップ14bを使用することにより、確実に誘虫効果を得ることができる。
【0029】
LED14は、配光角が狭角になるようにパッケージ14c等が構成されている。ここで、本実施の形態の「配光角」は、LEDのカタログ等に記載されている配光角を意味する。なお、配光角が狭角のLED14として配光角が約30°のLEDを使用した場合には、図7に示されるような配光特性が得られる。LED14は、LED14から発せられた光が例えばケース2の開口縁部のようなケース2の一部に照射されないような位置に配置されている。
【0030】
パッケージ14cの一部は、金属パッケージ14d(金属部材)により覆われている。具体的には、金属パッケージ14dは筒状に形成されており、金属パッケージ14dはパッケージ14cの胴部を覆っている。金属パッケージ14dは、純金属、或いはFe−Ni等のような合金から形成されている。
【0031】
パッケージ14cの少なくとも一部には、TiO2等から構成された光触媒膜14eが形成されている。具体的には、光触媒膜14dは、パッケージ14cの頭部表面に形成されている。
【0032】
基板7の裏面側には、図示しない回路パターンが形成されている。なお、基板6に形成された回路パターンと基板7に形成された回路パターンとは2本のリード線15を介して電気的に接続されている。また、基板7には複数の孔が形成されており、リードフレーム14aはこれらの孔を介して回路パターンに半田付けされている。リードフレーム14aと回路パターンとを半田付けすることにより、整流ブリッジ12で生成された直流電流がリード線15を介してリードフレーム14aに供給され、LED14から光が発せられる。
【0033】
このような照明器具1は、例えば、捕虫装置に組み込んで使用することが可能である。以下、照明器具1が組み込まれた捕虫装置について説明する。図8は、本実施の形態に係る捕虫装置の模式的な構成図である。
【0034】
図8に示されるように、捕虫装置20は、主に、照明器具1と、LED14から発せられた光により飛来した虫を捕獲する捕獲器具21とから構成されている。捕獲器具21は、開口を備え、かつ開口縁部に照明器具1が取り付けられたダクト22を備えている。ダクト22には、ダクト22を介して照明器具1付近の空気を吸い込む吸気源23、及びトラップ24が介在している。トラップ24としては、例えば、捕中紙、虫を溶解させる溶剤が収容された溶剤槽等が挙げられる。吸気源23を作動させることにより、照明器具1の点灯により照明器具1周辺に飛来した虫がダクト22内に吸い込まれ、トラップ24で捕獲される。
【0035】
本実施の形態では、配光角が狭角のLED14を使用し、かつLED14から発せられ光がケース2の一部に照射されないような位置にLED14を配置しているので、コンパクト化を図りながらケース2の劣化及びLED14の損傷等を抑制することができる。即ち、配光角が狭角のLED14と配光角が広角のLEDとをLEDから発せられた光がケース2の一部に照射されないように同じ大きさのケース2内にそれぞれ配置する場合を想定すると、狭角のLED14を使用した方が、広角のLEDを使用した場合よりもケース2の奥に配置することができる。従って、狭角のLED14を使用した方が、広角のLEDを使用した場合よりもケース2を大型化せずにLED14の損傷等を抑制することができる。また、LED14から発せられ光がケース2の一部に照射されないような位置にLED14を配置しているので、ケース2の劣化が抑制される。それ故、コンパクト化を図りながらケース2の劣化及びLED14の損傷等を抑制することができる。
【0036】
本実施の形態では、金属パッケージ14dを備えたLED14を使用しているので、照明器具1の温度上昇を抑制することができる。即ち、金属は、放熱性に優れているので、LEDチップ14bから発せられた熱は金属パッケージ14dに伝達され、金属パッケージ14dを介して効率良く放熱される。それ故、照明器具1の温度上昇を抑制することができる。
【0037】
本実施の形態では、ケース2の内部に放熱性充填剤が5充填されているので、照明器具1の温度上昇を抑制することができる。即ち、放熱性充填剤5は、放熱性に優れているので、LEDチップ14bから発せられ、金属パッケージ14dに伝達された熱は、放熱性充填剤5を介して、効率良くケース2の外部に放熱される。ここで、熱膨張係数の差により金属パッケージ14dと放熱性充填剤5との界面で剥離が起こることが予測されるが、金属パッケージ14d及び放熱性充填剤5により効率良く放熱するので、熱膨張が少なく、金属パッケージ14dと放熱性充填剤5との界面における剥離は起こり難いと考えられる。一方、抵抗体11から発せられた熱は放熱性充填剤5を介して、効率良くケース2の外部に放熱される。それ故、照明器具1の温度上昇を抑制することができる。
【0038】
本実施の形態では、透光板3の表面及びパッケージ14cの頭部表面に光触媒膜4,14eを形成しているので、照明器具1から放射される光量の低下を抑制することができる。即ち、照明器具1を使用し続けると、透光板3等が汚れることが想定される。特に照明器具1を屋外で使用した場合には、透光板3等が汚れる可能性が高い。ここで、透光板3等が汚れている場合には、汚れによりLEDチップ14bから発せられた光が遮られてしまい、照明器具1から放射される光量が低下してしまうことがある。これに対し、本実施の形態では、透光板3の表面及びパッケージ14cの頭部表面に光触媒膜4,14eを形成しているので、LEDチップ14bから発せられた光と光触媒膜の作用により、汚れが分解し、透光板3及びパッケージ14cの頭部表面が汚れ難い。それ故、照明器具1から放射される光量の低下が抑制される。
【0039】
本実施の形態では、捕虫装置20の光源として照明器具1を使用しているので、メンテナンスの頻度を低下させることができる。即ち、一般的にLEDは蛍光ランプよりも寿命が長い。また、捕虫装置20の光源として蛍光ランプを使用すると、飛来した虫が衝突して、蛍光ランプが割れてしまうことがあるが、LED14は割れ難いので、このような問題も解消される。それ故、メンテナンスの頻度を低下させることができる。
【0040】
本実施の形態では、吸気源23によりダクト22を介して照明器具1付近の空気を吸い込んでいるので、LED14から発せられた光により飛来した虫を吸い込むことができるとともに照明器具1から発せられた熱を効率良く放熱させることができる。
【0041】
(実施例)
以下、実施例について説明する。本実施例では、LEDを配光角内にケースの一部が入らないようにケース内に配置する場合におけるケースの前面からLEDまでの最長距離を算出した。
【0042】
以下、算出条件について説明する。実施例1では配光角が20°のLEDを使用し、実施例2では配光角が30°のLEDを使用した。実施例1及び実施例2ともにケースは、厚さ方向の幅が6mmのものを使用した。このようなLED及びケースを使用し、LEDをLEDから発せられた光がケースの一部に照射されないようにケース内に配置する場合におけるケースの前面からLEDまでの最長距離を算出した。ここで、ケースの前面からLEDまでの距離とは、ケースの前面からLEDチップまでの距離である。なお、実施例1及び実施例2と比較するために比較例として配光角が50°のLEDを使用した場合についても前面からLEDまでの最長距離を算出した。
【0043】
以下、算出結果について述べる。比較例におけるケースの前面からLEDまでの最長距離は、約6.44mmであった。これに対し、実施例1におけるケースの前面からLEDまでの最長距離は、約17.0mmであり、実施例2におけるケースの前面からLEDまでの最長距離は、約11.2mmであった。これらの結果から、狭角のLEDを使用した方が、広角のLEDを使用するよりもLEDから発せられた光がケースの一部に照射されない状態でケースの奥に配置することができるということが確認された。
【0044】
なお、本発明は上記実施の形態の記載内容に限定されるものではなく、構造や材質、各部材の配置等は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。上記実施の形態では、パッケージ14cの胴部を金属パッケージ14dで覆っているが、金属パッケージ14dで覆わなくともよい。上記実施の形態では、ケース2の内部に放熱性充填剤5を充填しているが、放熱性充填剤5を充填しなくともよい。
【0045】
上記実施の形態では、透光板3の表面及びパッケージ14cの頭部表面に光触媒膜4,14eを形成しているが、光触媒膜4,14eを形成しなくともよい。また、光触媒膜を放熱性充填剤5の表面に形成してもよい。
【0046】
【発明の効果】請求項1記載の照明器具によれば、コンパクト化を図りながらケースの劣化及び半導体発光素子の損傷を抑制することができる。請求項2記載の照明器具によれば、半導体発光素子から発せられる熱を効率良く放熱することができる。請求項3記載の照明器具によれば、照明器具から発せられる光の光量低下を抑制することができる。
【0047】
請求項4記載の捕虫装置によれば、虫を捕獲することができる。請求項5記載の照明装置によれば、虫を吸い込むことができるとともに照明器具から発せられる熱を効率良く放熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施の形態に係る照明器具の模式的な分解斜視図である。
【図2】図2は実施施の形態に係る照明器具の模式的な水平断面図である。
【図3】図3は実施の形態に係るケースの模式的な正面図である。
【図4】図4は実施の形態に係る回路部品が実装された基板の模式的な表面図である。
【図5】図5は実施の形態に係るLEDが実装された基板の模式的な表面図である。
【図6】図6は実施の形態に係るLEDの模式的な垂直断面図である。
【図7】図7は実施の形態に係る配光角が約30°のLEDの配光特性を模式的に示したグラフである。
【図8】図8は実施の形態に係る捕虫装置の模式的な構成図である。
【符号の説明】
1…照明器具、2…ケース、4,14e…光触媒膜、5…放熱性充填剤、6,7…基板、14…LED、14d…金属パッケージ、20…捕虫装置、21…捕獲器具、22…ダクト、23…吸気源。
Claims (5)
- 開口を備えたケースと;
前記ケース内に収容された基板と;
前記基板に実装され、配光角が狭角であり、発光ピーク波長が300nm〜450nmの範囲内に存在する光を発し、前記光が前記ケースの一部に照射されないような位置に配置された半導体発光素子と;を具備することを特徴とする照明器具。 - 前記半導体発光素子の一部を覆う金属部材をさらに備えていることを特徴とする請求項1記載の照明器具。
- 前記半導体発光素子の少なくとも一部に形成された光触媒膜をさらに備えていることを特徴とする請求項1又は2記載の照明器具。
- 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の照明器具と;
半導体発光素子から発せられた光により飛来した虫を捕獲する捕獲器具と;を具備することを特徴とする捕虫装置。 - 前記捕獲器具は、開口が前記照明器具付近に位置するように配置されたダクトと、前記ダクトを介して前記照明器具付近の空気を吸い込む吸気源とを備えていることを特徴とする請求項4記載の捕虫装置。
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- 2003-06-27 JP JP2003185843A patent/JP2005019336A/ja not_active Withdrawn
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