JP2005019139A - スイッチの接点構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】容量の増大への対応並びに耐用回数の増加が可能なスイッチの接点構造を提供する。
【解決手段】常閉固定接点部21と常開固定接点部31との間に配置された絶縁体9の可動接点42が接触する面を、常閉固定接点部21及び常開固定接点部31の可動接点42が接触する面よりも突出させた。可動接点42が、常閉固定接点部21又は常開固定接点部31に離接する際に、常閉固定接点部21及び常開固定接点部31との接触面に沿った方向のみならず常閉固定接点部21及び常開固定接点部31との接触面に交差する方向にも移動する。可動接触子4の移動速度に対する可動接点42の移動速度が増大して接点開閉時のアーク放電の持続時間が短縮されることにより、可動接点42と常閉固定接点部21と常開固定接点部3との消耗が防止されるから、負荷容量の増大への対応並びに耐用回数の増加が可能となる。
【選択図】 図1
【解決手段】常閉固定接点部21と常開固定接点部31との間に配置された絶縁体9の可動接点42が接触する面を、常閉固定接点部21及び常開固定接点部31の可動接点42が接触する面よりも突出させた。可動接点42が、常閉固定接点部21又は常開固定接点部31に離接する際に、常閉固定接点部21及び常開固定接点部31との接触面に沿った方向のみならず常閉固定接点部21及び常開固定接点部31との接触面に交差する方向にも移動する。可動接触子4の移動速度に対する可動接点42の移動速度が増大して接点開閉時のアーク放電の持続時間が短縮されることにより、可動接点42と常閉固定接点部21と常開固定接点部3との消耗が防止されるから、負荷容量の増大への対応並びに耐用回数の増加が可能となる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スイッチの接点構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、固定接点と、固定接点に接触する開位置と固定接点から離れる閉位置との間で移動可能な可動接点とを備えるスイッチが提供されている(例えば特許文献1及び特許文献2参照)。
【0003】
この種のスイッチとして、例えば図4に示す押釦スイッチがある。以下、上下左右は図4(a)を基準とし、図4(a)における紙面手前側を前方と呼ぶ。
【0004】
このスイッチは、合成樹脂成形品から略直方体形の箱状に形成された器体1を備える。このスイッチの接点構成は切換接点であって、器体1の内部には、それぞれ固定接点として、金属板からなる常閉端子板2の常閉固定接点部21と、金属板からなる常開端子板3の常開固定接点部31とが上下に並べて配置される。また、器体1には、常閉端子板2の常閉固定接点部21に接触する位置と常開端子板3の常開固定接点部21に接触する位置との間で器体1に対して相対的に上下に移動可能な可動接触子4が収納される。可動接触子4は、一部が器体1の上側に突出し上下に移動可能な押釦5に結合して押釦ブロックPBを形成する。器体1において押釦ブロックPBの下側には、器体1の下方に突出する共通端子62と器体1の内部に露出するばね支持部61とを連続一体に備えた金属板からなる共通端子板6が保持される。可動接触子4と共通端子板6との間には、押釦ブロックPBに復帰力を与えるコイルばねからなる復帰ばね7が設けられる。復帰ばね7は導電性を有する材料からなり、可動接触子4と共通端子板6とは復帰ばね7を介して電気的に接続される。
【0005】
詳しく説明すると、器体1は、器体1の下面を構成する長方形板状の基部11aを備えたボディ11と、下面が開放された箱状であってボディ11の上側に結合するカバー12とからなる。
【0006】
押釦5は、上下に長い柱状の本体部51と、本体部51から上方に突設され外径が本体部よりも小さく形成されたくびれ部52と、外径がくびれ部52よりも大きな半球状であって端面の中央部がくびれ部52の上端に連結された操作部53とを連続一体に備える。
【0007】
可動接触子4は、復帰ばね7と押釦5とに挟まれた図示しない本体部と、本体部の前後端からそれぞれ右方へ延設され前後にばね性を有する一対のばね片41とを備える。各一方のばね片41はそれぞれ右端に近付くほど他方のばね片41に近付くように傾斜しており、各ばね片41の各先部において他方のばね片41に対向する面にはそれぞれ可動接点42が突設されている。
【0008】
カバー12の上面の左端部には押釦穴12aが上下に貫設され、押釦5の本体部51は押釦穴12aを貫通している。カバー12の上面には押釦穴12aを囲む保持溝12bが設けられている。
【0009】
カバー12の保持溝12bには、合成ゴムからなり器体1の押釦穴12aの内周面と押釦5との間の隙間を覆う筒状の押釦キャップ8の一端が保持されている。また、押釦キャップ8の内周面においてカバー12から離れた側の端部には開口を小さくする環状片81が全周に亙って突設されている。押釦キャップ8は、環状片81が押釦5のくびれ部52を囲むとともに操作部53と本体部51との間に挟まれることによって、押釦5の本体部51を囲む形で押釦5に装着されている。さらに、押釦キャップ8の軸方向における中間部には環状片81に近い側の内径及び外径を環状片81から離れた側の内径及び外径よりも小さくする段82が全周に亙って設けられている。
【0010】
以下、共通端子板6、常閉端子板2、常開端子板3のそれぞれについて説明する。共通端子板6と常閉端子板2と常開端子板3とはそれぞれ金属板からなり、ボディ11の基部11aを上下に貫通する形でボディ11に保持されている。ここで、常閉端子板2と、常開端子板3とは、図4(b)に示すように、器体1の前後方向の中間を通り可動接触子4の可動接点42に挟まれる同一平面上に並んでいる。
【0011】
常開端子板3は、ボディ11の基部11aの長手方向の中間部からボディ11の下方に突出した常開端子32と、常開端子32の上側で常開端子32よりも幅広に形成されボディ11に保持された保持部33と、保持部33の上側でボディ11の上方に突出する常開固定接点部31とを連続一体に備える。常閉端子板2は、常開端子32の右側でボディ11の下方に突出した常閉端子22と、常閉端子22の上側で常閉端子32よりも幅広に形成されボディ11に保持された保持部23と、保持部23の上側で左方に延長された後に上方に延長された中間部24と、中間部24の上端部から左方へ延設され常開固定接点部31の上側に位置する常閉固定接点部21とを連続一体に備える。
【0012】
また、ボディ11の基部11aの上面の右端部には、常閉端子板2の中間部24と常開端子板3の常開固定接点部31の右端部とがそれぞれ厚み方向の両側において固着された第1の支持台11bが設けられている。さらに、ボディ11の基部11aの上面の左端部には、常閉端子板2の常閉固定接点部21の左端部と常開端子板3の常開固定接点部31の左端部とがそれぞれ固着された第2の支持台11cが設けられている。第1の支持台11bと第2の支持台11cとによって常閉端子板2と常開端子板3とのがたつきが防止されている。
【0013】
さらに、常開固定接点部21と常閉固定接点部31との間には絶縁体9が設けられ、絶縁体9によって常開端子板2と常閉端子板3との間の絶縁が確保されている。絶縁体9の前後の面は、常開固定接点部21及び常閉固定接点部31の前後の面に略面一としてある。
【0014】
次に、共通端子板6の形状を説明する。共通端子板6において、共通端子62の上側には、左右方向の長さ寸法が復帰ばね7の直径よりも大きく形成され上端部がボディ11の上面から突出するばね支持部61が設けられる。また、ばね支持部61の左右方向の中間部には、左右方向の長さ寸法が復帰ばね7の内径よりもやや小さく形成されたばね受け部63が上方へ延設される。
【0015】
復帰ばね7は、一端が可動接触子4の本体部に下方から弾接し、他端が共通端子板6のばね支持部61に弾接するとともに、内周面にばね受け部63が当接することによってがたつきが防止される。
【0016】
さらに、ボディ11とカバー12,常閉端子板2,常開端子板3,共通端子板6との各接合部は、シール材SEで封止されている。
【0017】
上述したスイッチの動作を説明する。押釦5が操作されていない状態では、図5(a)に示すように可動接触子4の各可動接点42が常閉端子板2の常閉固定接点部21の互いに反対面にそれぞれ弾接することにより可動接触子4と復帰ばね7とを介して共通端子62と常閉端子22とが電気的に接続される。
【0018】
押釦5の操作部53が矢印A1で示すように押操作されると、図5(b)に示すように押釦ブロックPBが下方へ移動し可動接触子4の各可動接点42が絶縁体9の互いに反対面にそれぞれ弾接することにより接点が一時的にオフされる。
【0019】
押釦ブロックPBがさらに下方へ移動すると、図5(c)に示すように可動接触子4の各可動接点42が常開端子板3の常開固定接点部31に互いに反対面においてそれぞれ弾接することにより可動接触子4と復帰ばね7とを介して共通端子62と常開端子32とが電気的に接続される。このとき、押釦キャップ8は段82よりも環状片81に近い部位が段82よりも環状片81から離れた部位の内側へ入り込むように撓む。押釦5への押力が除かれると、押釦ブロックPBは復帰ばね7のばね力によって復帰し、各可動接点42は再び常閉端子板2の常閉固定接点部21の互いに反対面にそれぞれ弾接する。
【0020】
【特許文献1】
特開平8−96657号公報(第2−3頁、第1図)
【特許文献2】
特開平5−274949号公報(第2頁、第1図)
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、接点の開閉時には常閉固定接点部21又は常開固定接点部31と可動接点42との間にアーク放電が発生し、このアーク放電によって常閉固定接点部21や常開固定接点部31や可動接点42が消耗する。容量の大きい負荷を開閉する場合、特にこの消耗が激しいために、接触抵抗が許容範囲を超えるまでの耐用回数が少なくなる。
【0022】
本発明は上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、負荷容量の増大への対応並びに耐用回数の増加が可能なスイッチの接点構造を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、固定接点と、固定接点に隣接して配置された絶縁体と、固定接点と絶縁体との少なくとも一方に摺接する可動接点を有し可動接点が固定接点に摺接する位置と可動接点が絶縁体に摺接する位置との間で固定接点の可動接点が摺接する面に沿って移動自在とした可動接触子とを備え、絶縁体の可動接点が摺接する面を固定接点の可動接点が摺接する面よりも可動接点側へ突出させたことを特徴とする。
【0024】
この発明によれば、接点の開閉が切り替わる際に可動接点が絶縁体に沿って移動することにより、固定接点の可動接点が摺接する面に沿った方向のみならず固定接点の可動接点が摺接する面に交差する方向にも移動する。従って、絶縁体の可動接点が摺接する面と固定接点の可動接点が摺接する面とを面一とする場合に比べ、可動接触子の移動距離に対する可動接点の移動距離が増加し、可動接触子の移動速度を同じとしても接点開閉時のアーク放電の持続時間が短縮されることにより、可動接点及び固定接点の消耗が抑制されるから、負荷容量の増大への対応並びに耐用回数の増加が可能となる。
【0025】
請求項2の発明は、固定接点と、2個の可動接点を備え各可動接点がともに固定接点から離れる閉位置と各可動接点がともに固定接点に接触する開位置との間で移動自在とした可動接触子とを備え、2個の可動接点のうち一方は他方よりも後に固定接点に接触し且つ先に固定接点から離れるように各可動接点の位置と固定接点の形状とを設定したことを特徴とする。
【0026】
この発明によれば、可動接点のうち後に固定接点に接触し且つ先に固定接点から離れる一方の可動接点が固定接点に離接する際には、常に他方の可動接点が固定接点に接触していることになる。従って、前記一方の可動接点と固定接点との間のアーク放電の発生が防止され、前記一方の可動接点を保護することができるから、負荷容量の増大への対応並びに耐用回数の増加が可能となる。
【0027】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、可動接触子は固定接点の可動接点が接触する面に沿って移動するものであって、可動接触子が開位置から閉位置に移動する際に、可動接点のうち先に固定接点に接触し且つ後に固定接点から離れる可動接点に、固定接点の該可動接点が接触する面よりも突出した位置で接触する絶縁体を備えることを特徴とする。
【0028】
この発明によれば、可動接点のうち先に固定接点に接触し且つ後に固定接点から離れる一方の可動接点が、固定接点に離接する際に絶縁体に沿って移動することにより、固定接点の前記一方の可動接点が摺接する面に沿った方向のみならず固定接点の前記一方の可動接点が摺接する面に交差する方向にも移動する。従って、絶縁体の前記一方の可動接点が摺接する面と固定接点の前記一方の可動接点が摺接する面とを面一とする場合に比べ、可動接触子の移動距離に対する前記一方の可動接点の移動距離が増加し、可動接触子の移動速度を同じとしても離接時のアーク放電の持続時間が短縮されることにより、前記一方の可動接点及び固定接点の消耗が抑制されるから、負荷容量の増大への対応並びに耐用回数の増加が可能となる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。以下では本発明を押釦スイッチに適用した実施形態について説明する。但し、本発明は押釦スイッチに限らず、種々のスイッチに適用可能である。
【0030】
(実施形態1)
本実施形態は絶縁体9の形状に特徴を有し、その他の構成は従来例と同様であるので、共通する部分については説明を省略する。
【0031】
本実施形態の絶縁体9は、図1(a)に示すように常閉端子板2及び常開端子板3の両側に突出させてある。また、絶縁体9の上下の端部には、上下の端に近付くほど絶縁体9の前後(図1(a)の左右)の幅寸法を常閉端子板2及び常開端子板3の厚さ寸法に近付ける傾斜面91が設けられている。
【0032】
図1(b)に矢印A2で示すように可動接点42が常閉固定接点部21から離れるときと、図1(c)に矢印A4で示すように示すように可動接点42が常開固定接点部31から離れるときとには、それぞれ可動接点42が上下方向だけでなく矢印A3,A5で示すように左右方向でも常閉固定接点部21又は常開固定接点部31から離れる。このとき、絶縁体9に傾斜面91が設けられていることにより、必要な操作力が小さくなっている。
【0033】
上記構成によれば、絶縁体9と常閉固定接点部21及び常開固定接点部31とを面一とする場合に比べ、可動接触子4の移動距離に対する可動接点42の移動距離が増加するから、押釦5の操作部53を同じ速さで操作しても接点開閉時のアーク放電の持続時間が短くなることにより、可動接点42と常閉固定接点部21と常開固定接点部31との消耗が防止される。従って、負荷容量の増大への対応並びに耐用回数の増加が可能となる。つまり、容量の大きい負荷の開閉に使用することができ、且つ従来例に比べて耐用回数が増加する。
【0034】
(実施形態2)
本実施形態は可動接点42の配置に特徴を有し、その他の構成は従来例と同様であるので、共通する部分については説明を省略する。
【0035】
図2(a)に示すように図2(a)の右側(以下、「右側」と呼ぶ。)の可動接点42を左側の可動接点42よりも下側に配置してある。また、本実施形態では常開端子3は使用しないものとする。つまり、本実施形態では常閉端子板2の常閉固定接点部21のみが固定接点である。
【0036】
図2(a)に示すように各可動接点42がそれぞれ常閉固定接点部21に接触した状態から、押釦5の操作部53を押操作して矢印A6で示すように押釦ブロックPBを下方に移動させると、図2(b)に示すように右側の可動接点42が先に常閉固定接点部21から離れ、その後左側の可動接点42が常閉固定接点部21から離れる。また、押釦5への押力を解除したときには、押釦ブロックPBの復帰に伴って左側の可動接点42、右側の可動接点42の順で常閉固定接点部21に接触する。
【0037】
上記構成によれば、先に常閉固定接点部21から離れる一方の可動接点42(以下、「接続用の可動接点42」と呼ぶ。)と常閉固定接点部21とが離接するときには常に他方の可動接点42(以下、「接点保護用の可動接点」と呼ぶ。)が常閉固定接点部21に接触していることになる。従って、接続用の可動接点42と常閉固定接点部21との間にはアーク放電が発生しないから、先に常閉固定接点部21から離れる可動接点42を保護して負荷容量の増大への対応並びに耐用回数の増加が可能となる。
【0038】
(実施形態3)
本実施形態は絶縁体9の形状に特徴を有し、その他の構成は実施形態2と同様であるので、共通する構成については同じ符号を付して説明を省略する。
【0039】
本実施形態の絶縁体9は、接点保護用の可動接点42が接触する面を、常閉固定接点部21において接点保護用の可動接点42が接触する面よりも突出させてある。また、絶縁体9において常閉固定接点部21よりも突出した部位の上下の端部には、上下の端に近付くほど絶縁体9の突出寸法を小さくする傾斜面91を設けてある。
【0040】
図3(a)に示すように各可動接点42がそれぞれ常閉固定接点部21に接触した状態から、矢印A7で示すように可動接触子4を下方へ移動させたときには、図3(b)に示すように接点保護用の可動接点42が絶縁体9に沿って移動することにより、接点保護用の可動接点42が上下方向だけでなく矢印A8で示すように左右方向でも常閉固定接点部21から離れる。このとき、絶縁体9に傾斜面91が設けられていることにより、必要な操作力が小さくなっている。
【0041】
上記構成によれば、実施形態2に比べ、可動接触子4の移動距離に対する接点保護用の可動接点42の移動距離が増加する。従って、押釦5の操作部53を操作する速さを同じとしても接点開閉時のアーク放電の持続時間が短縮されることにより、接点保護用の可動接点42及び常閉固定接点部21の消耗が防止される。つまり、より長期に亙って接点保護用の可動接点42が機能するから、負荷容量の増大への対応並びに耐用回数の増加が可能となる。
【0042】
【発明の効果】
請求項1の発明は、固定接点に隣接する絶縁体において可動接点が接触する面は固定接点において可動接点が接触する面よりも突出させてあるので、可動接点は、固定接点に離接する際に、絶縁体に沿って移動することにより固定接点の接触面に沿った方向のみならず固定接点の接触面に交差する方向にも移動する。従って、絶縁体の可動接点が摺接する面と固定接点の可動接点が摺接する面とを面一とする場合に比べ、可動接触子の移動距離に対する可動接点の移動距離が増加し、可動接触子の移動速度を同じとしても接点開閉時のアーク放電の持続時間が短縮されることにより、可動接点及び固定接点の消耗が抑制されるから、負荷容量の増大への対応並びに耐用回数の増加が可能となる。
【0043】
請求項2の発明は、2個の可動接点のうち一方は他方よりも後に固定接点に接触し且つ先に固定接点から離れるように各可動接点の位置と固定接点の形状とが設定されているので、可動接点のうち後に固定接点に接触し且つ先に固定接点から離れる一方の可動接点が固定接点に離接するときには、常に他方の可動接点が固定接点に接触していることになる。従って、前記一方の可動接点と固定接点との間にアーク放電が発生せず、前記一方の可動接点を保護することができるから、負荷容量の増大への対応並びに耐用回数の増加が可能となる。
【0044】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、可動接触子が開位置から閉位置に移動する際に、可動接点のうち先に固定接点に接触し且つ後に固定接点から離れる一方の可動接点に、固定接点の該可動接点が接触する面よりも突出した位置で接触する絶縁体を備えるので、前記一方の可動接点は、固定接点に離接する際に、絶縁体の固定接点よりも突出した面に沿って移動することにより、固定接点の接触面に沿った方向のみならず固定接点の接触面に交差する方向にも移動する。従って、絶縁体の可動接点が摺接する面と固定接点の可動接点が摺接する面とを面一とする場合に比べ、可動接触子の移動距離に対する前記一方の可動接点の移動距離が増加し、可動接触子の移動速度を同じとしても接点開閉時のアーク放電の持続時間が短縮されることにより、前記一方の可動接点及び固定接点の消耗が抑制されるから、負荷容量の増大への対応並びに耐用回数の増加が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の動作を示す説明図であり、(a)〜(c)はそれぞれ異なる段階を示す。
【図2】本発明の実施形態2の動作を示す説明図であり、(a),(b)はそれぞれ異なる段階を示す。
【図3】本発明の実施形態3の動作を示す説明図であり、(a),(b)はそれぞれ異なる段階を示す。
【図4】スイッチの一例を示す図であり、(a)は断面図、(b)は一部破断した平面図である。
【図5】従来例の動作を示す説明図であり、(a)〜(c)はそれぞれ異なる段階を示す。
【符号の説明】
4 可動接触子
9 絶縁体
21 常閉固定接点部
31 常開固定接点部
42 可動接点
【発明の属する技術分野】
本発明は、スイッチの接点構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、固定接点と、固定接点に接触する開位置と固定接点から離れる閉位置との間で移動可能な可動接点とを備えるスイッチが提供されている(例えば特許文献1及び特許文献2参照)。
【0003】
この種のスイッチとして、例えば図4に示す押釦スイッチがある。以下、上下左右は図4(a)を基準とし、図4(a)における紙面手前側を前方と呼ぶ。
【0004】
このスイッチは、合成樹脂成形品から略直方体形の箱状に形成された器体1を備える。このスイッチの接点構成は切換接点であって、器体1の内部には、それぞれ固定接点として、金属板からなる常閉端子板2の常閉固定接点部21と、金属板からなる常開端子板3の常開固定接点部31とが上下に並べて配置される。また、器体1には、常閉端子板2の常閉固定接点部21に接触する位置と常開端子板3の常開固定接点部21に接触する位置との間で器体1に対して相対的に上下に移動可能な可動接触子4が収納される。可動接触子4は、一部が器体1の上側に突出し上下に移動可能な押釦5に結合して押釦ブロックPBを形成する。器体1において押釦ブロックPBの下側には、器体1の下方に突出する共通端子62と器体1の内部に露出するばね支持部61とを連続一体に備えた金属板からなる共通端子板6が保持される。可動接触子4と共通端子板6との間には、押釦ブロックPBに復帰力を与えるコイルばねからなる復帰ばね7が設けられる。復帰ばね7は導電性を有する材料からなり、可動接触子4と共通端子板6とは復帰ばね7を介して電気的に接続される。
【0005】
詳しく説明すると、器体1は、器体1の下面を構成する長方形板状の基部11aを備えたボディ11と、下面が開放された箱状であってボディ11の上側に結合するカバー12とからなる。
【0006】
押釦5は、上下に長い柱状の本体部51と、本体部51から上方に突設され外径が本体部よりも小さく形成されたくびれ部52と、外径がくびれ部52よりも大きな半球状であって端面の中央部がくびれ部52の上端に連結された操作部53とを連続一体に備える。
【0007】
可動接触子4は、復帰ばね7と押釦5とに挟まれた図示しない本体部と、本体部の前後端からそれぞれ右方へ延設され前後にばね性を有する一対のばね片41とを備える。各一方のばね片41はそれぞれ右端に近付くほど他方のばね片41に近付くように傾斜しており、各ばね片41の各先部において他方のばね片41に対向する面にはそれぞれ可動接点42が突設されている。
【0008】
カバー12の上面の左端部には押釦穴12aが上下に貫設され、押釦5の本体部51は押釦穴12aを貫通している。カバー12の上面には押釦穴12aを囲む保持溝12bが設けられている。
【0009】
カバー12の保持溝12bには、合成ゴムからなり器体1の押釦穴12aの内周面と押釦5との間の隙間を覆う筒状の押釦キャップ8の一端が保持されている。また、押釦キャップ8の内周面においてカバー12から離れた側の端部には開口を小さくする環状片81が全周に亙って突設されている。押釦キャップ8は、環状片81が押釦5のくびれ部52を囲むとともに操作部53と本体部51との間に挟まれることによって、押釦5の本体部51を囲む形で押釦5に装着されている。さらに、押釦キャップ8の軸方向における中間部には環状片81に近い側の内径及び外径を環状片81から離れた側の内径及び外径よりも小さくする段82が全周に亙って設けられている。
【0010】
以下、共通端子板6、常閉端子板2、常開端子板3のそれぞれについて説明する。共通端子板6と常閉端子板2と常開端子板3とはそれぞれ金属板からなり、ボディ11の基部11aを上下に貫通する形でボディ11に保持されている。ここで、常閉端子板2と、常開端子板3とは、図4(b)に示すように、器体1の前後方向の中間を通り可動接触子4の可動接点42に挟まれる同一平面上に並んでいる。
【0011】
常開端子板3は、ボディ11の基部11aの長手方向の中間部からボディ11の下方に突出した常開端子32と、常開端子32の上側で常開端子32よりも幅広に形成されボディ11に保持された保持部33と、保持部33の上側でボディ11の上方に突出する常開固定接点部31とを連続一体に備える。常閉端子板2は、常開端子32の右側でボディ11の下方に突出した常閉端子22と、常閉端子22の上側で常閉端子32よりも幅広に形成されボディ11に保持された保持部23と、保持部23の上側で左方に延長された後に上方に延長された中間部24と、中間部24の上端部から左方へ延設され常開固定接点部31の上側に位置する常閉固定接点部21とを連続一体に備える。
【0012】
また、ボディ11の基部11aの上面の右端部には、常閉端子板2の中間部24と常開端子板3の常開固定接点部31の右端部とがそれぞれ厚み方向の両側において固着された第1の支持台11bが設けられている。さらに、ボディ11の基部11aの上面の左端部には、常閉端子板2の常閉固定接点部21の左端部と常開端子板3の常開固定接点部31の左端部とがそれぞれ固着された第2の支持台11cが設けられている。第1の支持台11bと第2の支持台11cとによって常閉端子板2と常開端子板3とのがたつきが防止されている。
【0013】
さらに、常開固定接点部21と常閉固定接点部31との間には絶縁体9が設けられ、絶縁体9によって常開端子板2と常閉端子板3との間の絶縁が確保されている。絶縁体9の前後の面は、常開固定接点部21及び常閉固定接点部31の前後の面に略面一としてある。
【0014】
次に、共通端子板6の形状を説明する。共通端子板6において、共通端子62の上側には、左右方向の長さ寸法が復帰ばね7の直径よりも大きく形成され上端部がボディ11の上面から突出するばね支持部61が設けられる。また、ばね支持部61の左右方向の中間部には、左右方向の長さ寸法が復帰ばね7の内径よりもやや小さく形成されたばね受け部63が上方へ延設される。
【0015】
復帰ばね7は、一端が可動接触子4の本体部に下方から弾接し、他端が共通端子板6のばね支持部61に弾接するとともに、内周面にばね受け部63が当接することによってがたつきが防止される。
【0016】
さらに、ボディ11とカバー12,常閉端子板2,常開端子板3,共通端子板6との各接合部は、シール材SEで封止されている。
【0017】
上述したスイッチの動作を説明する。押釦5が操作されていない状態では、図5(a)に示すように可動接触子4の各可動接点42が常閉端子板2の常閉固定接点部21の互いに反対面にそれぞれ弾接することにより可動接触子4と復帰ばね7とを介して共通端子62と常閉端子22とが電気的に接続される。
【0018】
押釦5の操作部53が矢印A1で示すように押操作されると、図5(b)に示すように押釦ブロックPBが下方へ移動し可動接触子4の各可動接点42が絶縁体9の互いに反対面にそれぞれ弾接することにより接点が一時的にオフされる。
【0019】
押釦ブロックPBがさらに下方へ移動すると、図5(c)に示すように可動接触子4の各可動接点42が常開端子板3の常開固定接点部31に互いに反対面においてそれぞれ弾接することにより可動接触子4と復帰ばね7とを介して共通端子62と常開端子32とが電気的に接続される。このとき、押釦キャップ8は段82よりも環状片81に近い部位が段82よりも環状片81から離れた部位の内側へ入り込むように撓む。押釦5への押力が除かれると、押釦ブロックPBは復帰ばね7のばね力によって復帰し、各可動接点42は再び常閉端子板2の常閉固定接点部21の互いに反対面にそれぞれ弾接する。
【0020】
【特許文献1】
特開平8−96657号公報(第2−3頁、第1図)
【特許文献2】
特開平5−274949号公報(第2頁、第1図)
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、接点の開閉時には常閉固定接点部21又は常開固定接点部31と可動接点42との間にアーク放電が発生し、このアーク放電によって常閉固定接点部21や常開固定接点部31や可動接点42が消耗する。容量の大きい負荷を開閉する場合、特にこの消耗が激しいために、接触抵抗が許容範囲を超えるまでの耐用回数が少なくなる。
【0022】
本発明は上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、負荷容量の増大への対応並びに耐用回数の増加が可能なスイッチの接点構造を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、固定接点と、固定接点に隣接して配置された絶縁体と、固定接点と絶縁体との少なくとも一方に摺接する可動接点を有し可動接点が固定接点に摺接する位置と可動接点が絶縁体に摺接する位置との間で固定接点の可動接点が摺接する面に沿って移動自在とした可動接触子とを備え、絶縁体の可動接点が摺接する面を固定接点の可動接点が摺接する面よりも可動接点側へ突出させたことを特徴とする。
【0024】
この発明によれば、接点の開閉が切り替わる際に可動接点が絶縁体に沿って移動することにより、固定接点の可動接点が摺接する面に沿った方向のみならず固定接点の可動接点が摺接する面に交差する方向にも移動する。従って、絶縁体の可動接点が摺接する面と固定接点の可動接点が摺接する面とを面一とする場合に比べ、可動接触子の移動距離に対する可動接点の移動距離が増加し、可動接触子の移動速度を同じとしても接点開閉時のアーク放電の持続時間が短縮されることにより、可動接点及び固定接点の消耗が抑制されるから、負荷容量の増大への対応並びに耐用回数の増加が可能となる。
【0025】
請求項2の発明は、固定接点と、2個の可動接点を備え各可動接点がともに固定接点から離れる閉位置と各可動接点がともに固定接点に接触する開位置との間で移動自在とした可動接触子とを備え、2個の可動接点のうち一方は他方よりも後に固定接点に接触し且つ先に固定接点から離れるように各可動接点の位置と固定接点の形状とを設定したことを特徴とする。
【0026】
この発明によれば、可動接点のうち後に固定接点に接触し且つ先に固定接点から離れる一方の可動接点が固定接点に離接する際には、常に他方の可動接点が固定接点に接触していることになる。従って、前記一方の可動接点と固定接点との間のアーク放電の発生が防止され、前記一方の可動接点を保護することができるから、負荷容量の増大への対応並びに耐用回数の増加が可能となる。
【0027】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、可動接触子は固定接点の可動接点が接触する面に沿って移動するものであって、可動接触子が開位置から閉位置に移動する際に、可動接点のうち先に固定接点に接触し且つ後に固定接点から離れる可動接点に、固定接点の該可動接点が接触する面よりも突出した位置で接触する絶縁体を備えることを特徴とする。
【0028】
この発明によれば、可動接点のうち先に固定接点に接触し且つ後に固定接点から離れる一方の可動接点が、固定接点に離接する際に絶縁体に沿って移動することにより、固定接点の前記一方の可動接点が摺接する面に沿った方向のみならず固定接点の前記一方の可動接点が摺接する面に交差する方向にも移動する。従って、絶縁体の前記一方の可動接点が摺接する面と固定接点の前記一方の可動接点が摺接する面とを面一とする場合に比べ、可動接触子の移動距離に対する前記一方の可動接点の移動距離が増加し、可動接触子の移動速度を同じとしても離接時のアーク放電の持続時間が短縮されることにより、前記一方の可動接点及び固定接点の消耗が抑制されるから、負荷容量の増大への対応並びに耐用回数の増加が可能となる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。以下では本発明を押釦スイッチに適用した実施形態について説明する。但し、本発明は押釦スイッチに限らず、種々のスイッチに適用可能である。
【0030】
(実施形態1)
本実施形態は絶縁体9の形状に特徴を有し、その他の構成は従来例と同様であるので、共通する部分については説明を省略する。
【0031】
本実施形態の絶縁体9は、図1(a)に示すように常閉端子板2及び常開端子板3の両側に突出させてある。また、絶縁体9の上下の端部には、上下の端に近付くほど絶縁体9の前後(図1(a)の左右)の幅寸法を常閉端子板2及び常開端子板3の厚さ寸法に近付ける傾斜面91が設けられている。
【0032】
図1(b)に矢印A2で示すように可動接点42が常閉固定接点部21から離れるときと、図1(c)に矢印A4で示すように示すように可動接点42が常開固定接点部31から離れるときとには、それぞれ可動接点42が上下方向だけでなく矢印A3,A5で示すように左右方向でも常閉固定接点部21又は常開固定接点部31から離れる。このとき、絶縁体9に傾斜面91が設けられていることにより、必要な操作力が小さくなっている。
【0033】
上記構成によれば、絶縁体9と常閉固定接点部21及び常開固定接点部31とを面一とする場合に比べ、可動接触子4の移動距離に対する可動接点42の移動距離が増加するから、押釦5の操作部53を同じ速さで操作しても接点開閉時のアーク放電の持続時間が短くなることにより、可動接点42と常閉固定接点部21と常開固定接点部31との消耗が防止される。従って、負荷容量の増大への対応並びに耐用回数の増加が可能となる。つまり、容量の大きい負荷の開閉に使用することができ、且つ従来例に比べて耐用回数が増加する。
【0034】
(実施形態2)
本実施形態は可動接点42の配置に特徴を有し、その他の構成は従来例と同様であるので、共通する部分については説明を省略する。
【0035】
図2(a)に示すように図2(a)の右側(以下、「右側」と呼ぶ。)の可動接点42を左側の可動接点42よりも下側に配置してある。また、本実施形態では常開端子3は使用しないものとする。つまり、本実施形態では常閉端子板2の常閉固定接点部21のみが固定接点である。
【0036】
図2(a)に示すように各可動接点42がそれぞれ常閉固定接点部21に接触した状態から、押釦5の操作部53を押操作して矢印A6で示すように押釦ブロックPBを下方に移動させると、図2(b)に示すように右側の可動接点42が先に常閉固定接点部21から離れ、その後左側の可動接点42が常閉固定接点部21から離れる。また、押釦5への押力を解除したときには、押釦ブロックPBの復帰に伴って左側の可動接点42、右側の可動接点42の順で常閉固定接点部21に接触する。
【0037】
上記構成によれば、先に常閉固定接点部21から離れる一方の可動接点42(以下、「接続用の可動接点42」と呼ぶ。)と常閉固定接点部21とが離接するときには常に他方の可動接点42(以下、「接点保護用の可動接点」と呼ぶ。)が常閉固定接点部21に接触していることになる。従って、接続用の可動接点42と常閉固定接点部21との間にはアーク放電が発生しないから、先に常閉固定接点部21から離れる可動接点42を保護して負荷容量の増大への対応並びに耐用回数の増加が可能となる。
【0038】
(実施形態3)
本実施形態は絶縁体9の形状に特徴を有し、その他の構成は実施形態2と同様であるので、共通する構成については同じ符号を付して説明を省略する。
【0039】
本実施形態の絶縁体9は、接点保護用の可動接点42が接触する面を、常閉固定接点部21において接点保護用の可動接点42が接触する面よりも突出させてある。また、絶縁体9において常閉固定接点部21よりも突出した部位の上下の端部には、上下の端に近付くほど絶縁体9の突出寸法を小さくする傾斜面91を設けてある。
【0040】
図3(a)に示すように各可動接点42がそれぞれ常閉固定接点部21に接触した状態から、矢印A7で示すように可動接触子4を下方へ移動させたときには、図3(b)に示すように接点保護用の可動接点42が絶縁体9に沿って移動することにより、接点保護用の可動接点42が上下方向だけでなく矢印A8で示すように左右方向でも常閉固定接点部21から離れる。このとき、絶縁体9に傾斜面91が設けられていることにより、必要な操作力が小さくなっている。
【0041】
上記構成によれば、実施形態2に比べ、可動接触子4の移動距離に対する接点保護用の可動接点42の移動距離が増加する。従って、押釦5の操作部53を操作する速さを同じとしても接点開閉時のアーク放電の持続時間が短縮されることにより、接点保護用の可動接点42及び常閉固定接点部21の消耗が防止される。つまり、より長期に亙って接点保護用の可動接点42が機能するから、負荷容量の増大への対応並びに耐用回数の増加が可能となる。
【0042】
【発明の効果】
請求項1の発明は、固定接点に隣接する絶縁体において可動接点が接触する面は固定接点において可動接点が接触する面よりも突出させてあるので、可動接点は、固定接点に離接する際に、絶縁体に沿って移動することにより固定接点の接触面に沿った方向のみならず固定接点の接触面に交差する方向にも移動する。従って、絶縁体の可動接点が摺接する面と固定接点の可動接点が摺接する面とを面一とする場合に比べ、可動接触子の移動距離に対する可動接点の移動距離が増加し、可動接触子の移動速度を同じとしても接点開閉時のアーク放電の持続時間が短縮されることにより、可動接点及び固定接点の消耗が抑制されるから、負荷容量の増大への対応並びに耐用回数の増加が可能となる。
【0043】
請求項2の発明は、2個の可動接点のうち一方は他方よりも後に固定接点に接触し且つ先に固定接点から離れるように各可動接点の位置と固定接点の形状とが設定されているので、可動接点のうち後に固定接点に接触し且つ先に固定接点から離れる一方の可動接点が固定接点に離接するときには、常に他方の可動接点が固定接点に接触していることになる。従って、前記一方の可動接点と固定接点との間にアーク放電が発生せず、前記一方の可動接点を保護することができるから、負荷容量の増大への対応並びに耐用回数の増加が可能となる。
【0044】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、可動接触子が開位置から閉位置に移動する際に、可動接点のうち先に固定接点に接触し且つ後に固定接点から離れる一方の可動接点に、固定接点の該可動接点が接触する面よりも突出した位置で接触する絶縁体を備えるので、前記一方の可動接点は、固定接点に離接する際に、絶縁体の固定接点よりも突出した面に沿って移動することにより、固定接点の接触面に沿った方向のみならず固定接点の接触面に交差する方向にも移動する。従って、絶縁体の可動接点が摺接する面と固定接点の可動接点が摺接する面とを面一とする場合に比べ、可動接触子の移動距離に対する前記一方の可動接点の移動距離が増加し、可動接触子の移動速度を同じとしても接点開閉時のアーク放電の持続時間が短縮されることにより、前記一方の可動接点及び固定接点の消耗が抑制されるから、負荷容量の増大への対応並びに耐用回数の増加が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の動作を示す説明図であり、(a)〜(c)はそれぞれ異なる段階を示す。
【図2】本発明の実施形態2の動作を示す説明図であり、(a),(b)はそれぞれ異なる段階を示す。
【図3】本発明の実施形態3の動作を示す説明図であり、(a),(b)はそれぞれ異なる段階を示す。
【図4】スイッチの一例を示す図であり、(a)は断面図、(b)は一部破断した平面図である。
【図5】従来例の動作を示す説明図であり、(a)〜(c)はそれぞれ異なる段階を示す。
【符号の説明】
4 可動接触子
9 絶縁体
21 常閉固定接点部
31 常開固定接点部
42 可動接点
Claims (3)
- 固定接点と、固定接点に隣接して配置された絶縁体と、固定接点と絶縁体との少なくとも一方に摺接する可動接点を有し可動接点が固定接点に摺接する位置と可動接点が絶縁体に摺接する位置との間で固定接点の可動接点が摺接する面に沿って移動自在とした可動接触子とを備え、絶縁体の可動接点が摺接する面を固定接点の可動接点が摺接する面よりも可動接点側へ突出させたことを特徴とするスイッチの接点構造。
- 固定接点と、2個の可動接点を備え各可動接点がともに固定接点から離れる閉位置と各可動接点がともに固定接点に接触する開位置との間で移動自在とした可動接触子とを備え、2個の可動接点のうち一方は他方よりも後に固定接点に接触し且つ先に固定接点から離れるように各可動接点の位置と固定接点の形状とを設定したことを特徴とするスイッチの接点構造。
- 可動接触子は固定接点の可動接点が接触する面に沿って移動するものであって、可動接触子が開位置から閉位置に移動する際に、可動接点のうち先に固定接点に接触し且つ後に固定接点から離れる可動接点に、固定接点の該可動接点が接触する面よりも突出した位置で接触する絶縁体を備えることを特徴とする請求項2記載のスイッチの接点構造。
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