JP2005018116A - 外回り部材の劣化状況予測プログラム及び当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、並びに劣化状況予測装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】外回り部材の劣化予測プログラムおよび劣化状況予測装置を提供する。
【解決手段】劣化状況を予測する地点を入力する入力手段、予測地点の過去の気象データを気象データ記録手段から読み出し、気象予測ルールを記録手段から読み出し、当該気象データを当該気象予測ルールに基づき補正して、第1の予測値を得る第1予測値取得手段、角度補正ルール記録手段から角度補正ルールを読み出し、第1の予測値を当該角度補正ルールで補正し、第2の予測値を得る第2予測値取得手段、予測地点の過去の粉塵データを記録手段から読み出し、粉塵予測ルールを記録手段から読み出し、当該粉塵データを当該粉塵予測ルールで補正し、第3の予測値を得る第3予測値取得手段、記録手段から劣化予測ルールを読み出し、第2の予測値と第3の予測値を当該劣化予測ルールで補正し第4の予測値を得る第4予測値取得手段、および第4の予測値を出力する出力手段として機能させる。
【選択図】図2
【解決手段】劣化状況を予測する地点を入力する入力手段、予測地点の過去の気象データを気象データ記録手段から読み出し、気象予測ルールを記録手段から読み出し、当該気象データを当該気象予測ルールに基づき補正して、第1の予測値を得る第1予測値取得手段、角度補正ルール記録手段から角度補正ルールを読み出し、第1の予測値を当該角度補正ルールで補正し、第2の予測値を得る第2予測値取得手段、予測地点の過去の粉塵データを記録手段から読み出し、粉塵予測ルールを記録手段から読み出し、当該粉塵データを当該粉塵予測ルールで補正し、第3の予測値を得る第3予測値取得手段、記録手段から劣化予測ルールを読み出し、第2の予測値と第3の予測値を当該劣化予測ルールで補正し第4の予測値を得る第4予測値取得手段、および第4の予測値を出力する出力手段として機能させる。
【選択図】図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この出願の発明は、外回り部材の劣化状況予測プログラム及び当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、並びに劣化状況予測装置に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、建物の外回り部材の修理・交換時期を判断するために必要な外回り部材の劣化状況の予測を行うシステムに有用な、全国各地で観測されている気象データに全国各地で観測されている粉塵データを加えたものをもとに、全国各地で施工されている外回り部材のストレス量を施工地区、施工方角、施工角度、施工期間毎に計算し、そのストレス量をもとに全国各地で施工されている外回りの部材の劣化状況をより正確に予測することのできる、新しい外回り部材の劣化状況予測プログラム及び当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、並びに劣化状況予測装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、外装材、瓦、雨樋などの建物外回り部材の修理・交換時期を判断するために、外回り部材の将来の劣化状況を予測することが行われている。この予測は、促進耐候性試験機、熱冷サイクル試験機、汚れ試験機などの促進試験機および屋外暴露試験の試験結果から、技術者の経験に基づいて行われることがしばしばである。
【0003】
また他方で、たとえば、特開2003−13491(特許文献1)においては、コンピュータを用いて住宅設計の長寿命化配慮度を診断する方法が提案されており、複数のカテゴリーに分類された複数の評価基準を表示装置に表示させ、診断対象としての住宅の設計が各評価基準を考慮したものであるか否かの回答の入力を促す入力ステップと、その回答に基づいて各カテゴリー毎に長寿命化に対する配慮度を算出する配慮度算出ステップと、算出した配慮度を視認可能な形式で出力する出力ステップとを、コンピュータに行わせ、住宅設計の長寿命化配慮度を診断する方法が提案されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2003−13491
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、促進試験機は、一般に、任意のストレスを外回り部材に過剰に負荷する構造になっていることから、実際の施工環境における劣化状況と異なる劣化状況を示すことも多く、必ずしも劣化状況を促進させたものとはならず、予測の精度が悪いという問題があった。
【0006】
また、屋外暴露試験の場合には、劣化状況の結果を得るのに時間を要するだけでなく、暴露期間中に外回り部材の改良等が行われると、予測結果の利用価値がなくなってしまうこともあり、さらに、これらの試験結果によって得られた予測は、任意の単一のストレス下における劣化予測であることから、全国各地に施工されている外回り部材についての各地毎の劣化状況は予測できないという問題もあった。
【0007】
また、特許文献1において開示されたコンピュータを用いて住宅設計の長寿命化配慮度を診断する方法においては、永住型であるか住替型であるかなどの住宅の使用状況および寒冷地か否かといった大まかな住宅環境を考慮しているのみであり、建物の外回り部材の将来の劣化状況を十分正確に予測することができる方法とは言えなかった。
【0008】
この出願の発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、従来技術の問題点を解消し、コンピュータを用いて、外回り部材の劣化状況を全国各地毎に、また、施工状態毎に、短時間で簡便に、しかも正確に予測することのできる新しい外回り部材の劣化状況予測プログラム及び当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、並びに劣化状況予測装置を提供することを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この出願の発明は、上記の課題を解決するものとして、第1には、全国各地に施工されている外回り部材の劣化状況を予測するためにコンピュータを、1)全国各地の過去の気象データを予め記録しておく気象データ記録手段、2)全国各地の過去の粉塵データを予め記録しておく粉塵データ記録手段、3)気象データから将来の気象状況の変動を予測する気象予測ルールを予め記録しておく気象予測ルール記録手段、4)粉塵データから将来の粉塵状況の変動を予測する粉塵予測ルールを予め記録しておく粉塵予測ルール記録手段、5)気象データを任意の角度面における気象データに補正する角度補正ルールを予め記録しておく角度補正ルール記録手段、6)気象データおよび粉塵データと、外回り部材の劣化状況との関係を劣化予測ルールとして予め記録しておく劣化予測ルール記録手段、7)全国各地のうちで劣化状況を予測しようとする地点を入力する入力手段、8)予測地点の過去の気象データを気象データ記録手段から読み出し、気象予測ルールを気象予測ルール記録手段から読み出し、当該気象データを当該気象予測ルールに基づき補正して、第1の予測値を得る第1予測値取得手段、9)角度補正ルール記録手段から角度補正ルールを読み出し、第1の予測値を当該角度補正ルールに基づき補正して、第2の予測値を得る第2予測値取得手段、10)予測地点の過去の粉塵データを粉塵データ記録手段から読み出し、粉塵予測ルールを粉塵予測ルール記録手段から読み出し、当該粉塵データを当該粉塵予測ルールに基づき補正して、第3の予測値を得る第3予測値取得手段、11)劣化予測ルール記録手段から劣化予測ルールを読み出し、第2の予測値と第3の予測値を当該劣化予測ルールに基づき補正して第4の予測値を得る第4予測値取得手段、および12)第4の予測値を出力する出力手段として機能させることを特徴とする外回り部材の劣化状況予測プログラムを提供する。
【0010】
また、第2には、全国各地に施工されている外回り部材の劣化状況を予測するためにコンピュータを、1)全国各地の過去の気象データを予め記録しておく気象データ記録手段、2)全国各地の過去の粉塵データを予め記録しておく粉塵データ記録手段、3)気象データから将来の気象状況の変動を予測する気象予測ルールを予め記録しておく気象予測ルール記録手段、4)粉塵データから将来の粉塵状況の変動を予測する粉塵予測ルールを予め記録しておく粉塵予測ルール記録手段、5)気象データを任意の角度面における気象データに補正する角度補正ルールを予め記録しておく角度補正ルール記録手段、6)気象データおよび粉塵データと、外回り部材の劣化状況との関係を劣化予測ルールとして予め記録しておく劣化予測ルール記録手段、7)全国各地のうちで劣化状況を予測しようとする地点を入力する入力手段、8)予測地点の過去の気象データを気象データ記録手段から読み出し、気象予測ルールを気象予測ルール記録手段から読み出し、当該気象データを当該気象予測ルールに基づき補正して、第1の予測値を得る第1予測値取得手段、9)角度補正ルール記録手段から角度補正ルールを読み出し、第1の予測値を当該角度補正ルールに基づき補正して、第2の予測値を得る第2予測値取得手段、10)予測地点の過去の粉塵データを粉塵データ記録手段から読み出し、粉塵予測ルールを粉塵予測ルール記録手段から読み出し、当該粉塵データを当該粉塵予測ルールに基づき補正して、第3の予測値を得る第3予測値取得手段、11)劣化予測ルール記録手段から劣化予測ルールを読み出し、第2の予測値と第3の予測値を当該劣化予測ルールに基づき補正して第4の予測値を得る第4予測値取得手段、および12)第4の予測値を出力する出力手段、として機能させるための外回り部材の劣化状況予測プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。
【0011】
また、第3には、全国各地に施工されている外回り部材の劣化状況を予測するためにコンピュータを、1)全国各地の過去の気象データを予め記録しておく気象データ記録手段、2)全国各地の過去の粉塵データを予め記録しておく粉塵データ記録手段、3)気象データから将来の気象状況の変動を予測する気象予測ルールを予め記録しておく気象予測ルール記録手段、4)粉塵データから将来の粉塵状況の変動を予測する粉塵予測ルールを予め記録しておく粉塵予測ルール記録手段、5)気象データを任意の角度面における気象データに補正する角度補正ルールを予め記録しておく角度補正ルール記録手段、6)気象データおよび粉塵データと、外回り部材の劣化状況との関係を劣化予測ルールとして予め記録しておく劣化予測ルール記録手段、7)全国各地のうちで劣化状況を予測しようとする地点を入力する入力手段、8)予測地点の過去の気象データを気象データ記録手段から読み出し、気象予測ルールを気象予測ルール記録手段から読み出し、当該気象データを当該気象予測ルールに基づき補正して、第1の予測値を得る第1予測値取得手段、9)角度補正ルール記録手段から角度補正ルールを読み出し、第1の予測値を当該角度補正ルールに基づき補正して、第2の予測値を得る第2予測値取得手段、10)予測地点の過去の粉塵データを粉塵データ記録手段から読み出し、粉塵予測ルールを粉塵予測ルール記録手段から読み出し、当該粉塵データを当該粉塵予測ルールに基づき補正して、第3の予測値を得る第3予測値取得手段、11)劣化予測ルール記録手段から劣化予測ルールを読み出し、第2の予測値と第3の予測値を当該劣化予測ルールに基づき補正して第4の予測値を得る第4予測値取得手段、および12)第4の予測値を出力する出力手段、として機能させることを特徴とする外回り部材の劣化状況予測プログラムを有する劣化状況予測装置を提供する。
【0012】
また、第4には、全国各地に施工されている外回り部材の劣化状況を予測する装置であって、1)全国各地の過去の気象データを予め記録しておく気象データ記録手段、2)全国各地の過去の粉塵データを予め記録しておく粉塵データ記録手段、3)気象データから将来の気象状況の変動を予測する気象予測ルールを予め記録しておく気象予測ルール記録手段、4)粉塵データから将来の粉塵状況の変動を予測する粉塵予測ルールを予め記録しておく粉塵予測ルール記録手段、5)気象データを任意の角度面における気象データに補正する角度補正ルールを予め記録しておく角度補正ルール記録手段、6)気象データおよび粉塵データと、外回り部材の劣化状況との関係を劣化予測ルールとして予め記録しておく劣化予測ルール記録手段、7)全国各地のうちで劣化状況を予測しようとする地点を入力する入力手段、8)予測地点の過去の気象データを気象データ記録手段から読み出し、気象予測ルールを気象予測ルール記録手段から読み出し、当該気象データを当該気象予測ルールに基づき補正して、第1の予測値を得る第1予測値取得手段、9)角度補正ルール記録手段から角度補正ルールを読み出し、第1の予測値を当該角度補正ルールに基づき補正して、第2の予測値を得る第2予測値取得手段、10)予測地点の過去の粉塵データを粉塵データ記録手段から読み出し、粉塵予測ルールを粉塵予測ルール記録手段から読み出し、当該粉塵データを当該粉塵予測ルールに基づき補正して、第3の予測値を得る第3予測値取得手段、11)劣化予測ルール記録手段から劣化予測ルールを読み出し、第2の予測値と第3の予測値を当該劣化予測ルールに基づき補正して第4の予測値を得る第4予測値取得手段、および12)第4の予測値を出力する出力手段、を備えたことを特徴とする外回り部材の劣化状況予測装置を提供する。
【0013】
また、第5には、気象データ記録手段に記録されている全国各地の過去の気象データは、観測地コード、観測地緯度・経度データ、観測月・日・時間データ、日照時間データ、全天日射量データ、気温データ、雨量データ、風向データ、および風速データであり、角度補正ルール記録手段に記録された角度補正ルールは、気象データ記録手段に記録されている観測地コード、観測地緯度・経度データ、観測月・日・時間データ、日照時間データ、および全天日射量データより、任意の角度面における日射量および紫外線量を算出する日射量・紫外線量算出ルールと、気象データ記録手段に記録されている観測地コード、観測地緯度・経度データ、観測月・日・時間データ、日照時間データ、全天日射量データ、および気温データより、任意の角度面における表面温度を算出する表面温度算出ルールと、気象データ記録手段に記録されている雨量データ、風向データ、および風速データより、任意の角度面における降雨量を算出する降雨量算出ルールのうちの少なくとも2つ以上からなり、粉塵データ記録手段に記録されている全国各地の過去の粉塵データは、浮遊粒子状物質データ、浮遊粉塵データおよび降下煤塵データであり、当該粉塵データについては粉塵データ記録手段に記録されている粉塵データをそのまま任意の角度面における粉塵量とする、ことを特徴とする外回り部材の劣化状況予測プログラム、または外回り部材の劣化状況予測プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、または外回り部材の劣化状況予測プログラムを有する劣化状況予測装置、または外回り部材の劣化状況予測装置を提供する。
【0014】
また、第6には、第4の予測値を出力する手段は、第4の予測値を数値出力する機能を有する、ことを特徴とする外回り部材の劣化状況予測プログラム、または外回り部材の劣化状況予測プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、または外回り部材の劣化状況予測プログラムを有する劣化状況予測装置、または外回り部材の劣化状況予測装置を提供する。
【0015】
また、第7には、第4の予測値を出力する手段は、複数の第4の予測値と現状における数値から劣化予測曲線を作成し出力する機能を有する、ことを特徴とする外回り部材の劣化状況予測プログラム、または外回り部材の劣化状況予測プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、または外回り部材の劣化状況予測プログラムを有する劣化状況予測装置、または外回り部材の劣化状況予測装置を提供する。
【0016】
また、第8には、第4の予測値を出力する手段は、画像処理によって現状の部材の画像の数値を第4の予測値に変化させた画像を作成し出力する機能を有する、ことを特徴とする外回り部材の劣化状況予測プログラム、または外回り部材の劣化状況予測プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、または外回り部材の劣化状況予測プログラムを有する劣化状況予測装置、または外回り部材の劣化状況予測装置を提供する。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は、この出願の発明に従ったシステム構成を例示したものであり、図2は、この出願の発明により実行される処理フローを例示したものである。
【0018】
[1.システム構成]
図1のシステム構成では、
各種入力のためのキーボード等の入力装置(1)、
各種出力のためのディスプレイやプリンタ、補助記憶装置等の出力装置(2)、
各種処理を行う中央処理装置(3)、
中央処理装置へ指令を出す制御プログラム(41)を有するメインメモリ(4)、
および
全国各地の過去の気象データが記録された気象データファイル(51)と、気象データから将来の気象状況の変動を予測する気象予測ルールが記録された気象予測ルールファイル(52)と、気象データを任意の角度面における気象データに補正する角度補正ルールが記録された角度補正ルールファイル(53)と、それに加えてさらに全国各地の過去の粉塵データが記録された粉塵データファイル(54)と、粉塵データから将来の粉塵状況を予測する粉塵予測ルールが記録された粉塵予測ルールファイル(55)と、気象データおよび粉塵データと外回り部材の劣化状況との関係が劣化予測ルールとして記録された劣化予測ルールファイル(56)とを有するファイル装置(5)が備えられている。
【0019】
この場合、まず入力装置(1)から、全国各地のうちで劣化状況を予測しようとする地点が入力指定される。このとき、予測しようとする時期、劣化状況、施工状態(外回り部材の角度面等)、部材の画像、画像における色の数値なども入力指定される(図2のステップ1)。
【0020】
中央処理装置(3)は、メインメモリ(4)中の制御プログラム(41)の指令を受け、ファイル装置(5)中の気象データファイル(51)から、劣化状況を予測しようとする上記入力された地点(「予測地点」と呼ぶこととする)の過去の気象データを読み出す(図2のステップ2A)。ここで、気象データファイル(51)には予め過去の気象データが全国の各地点に対応して記録されているので、予測地点に対応する過去の気象データを検索し、読み出せばよい。読み出す過去の気象データは、長い期間に渡って蓄積されたもの程好ましく、たとえば数年〜数十年間(5〜20年間など)とすることができる。
【0021】
同様にファイル装置(5)中の粉塵データファイル(54)から、劣化状況を予測しようとする上記入力された地点(「予測地点」と呼ぶこととする)の過去の粉塵データを読み出す(図2のステップ2B)。ここで、粉塵データファイル(54)には予め過去の粉塵データが全国の各地点に対応して記録されているので、予測地点に対応する過去の粉塵データを検索し、読み出せばよい。
【0022】
読み出す過去の粉塵データについても気象データと同様に、長い期間にわたって蓄積されたもの程好ましく、たとえば数年〜数十年間(5〜20年間など)とすることができる。
【0023】
ついで、中央処理装置(3)は、メインメモリ(4)中の制御プログラム(41)の指令を受け、ファイル装置(5)中の気象予測ルールファイル(52)から、将来の気象状況の変動を予測する気象予測ルールを読み出し(図2のステップ3A)、当該気象予測ルールに基づいて上記気象データを補正して、予測地点の将来の気象状況の予測値(第1の予測値と呼ぶこととする)を決定する(図2のステップ4A)。
【0024】
同様に、中央処理装置(3)は、メインメモリ(4)中の制御プログラム(41)の指令を受け、ファイル装置(5)中の粉塵予測ルールファイル(55)から、将来の粉塵状況の変動を予測する粉塵予測ルールを読み出し(図2のステップ3B)、当該粉塵予測ルールに基づいて、上記粉塵データを補正して、予測地点の将来の粉塵状況の予測値(第3の予測値と呼ぶこととする)を決定する(図2のステップ4B)。
【0025】
また、第1および第3の予測値は、気象予測ルールおよび粉塵予測ルールを用いることなく、過去のデータそのものを同予測値として再利用して使用してもよい。
【0026】
さらに、中央処理装置(3)は、メインメモリ(4)中の制御プログラム(41)の指令を受け、ファイル装置(5)中の角度補正ルールファイル(53)から、外回り部材の劣化状況を予測しようとする前記入力された施工状態としての角度面(予測角度面と呼ぶこととする)に対する角度補正ルールを読み出し(図2のステップ5)、当該角度補正ルールに基づいて第1の予測値を補正して、予測地点における予測角度面での気象状況の予測値(第2の予測値と呼ぶこととする)を決定する(図2のステップ6)。
【0027】
最後に、中央処理装置(3)は、メインメモリ(4)中の制御プログラム(41)の指令を受け、ファイル装置(5)中の劣化予測ルールファイル(56)から、予測しようとする前記入力された劣化現象(予測劣化現象と呼ぶこととする)に対する劣化予測ルールを読み出し(図2のステップ7)、当該劣化予測ルールに基づいて第2の予測値および第3の予測値を補正して、予測地点における予測角度面での予測劣化現象についての劣化状況の予測値(第4の予測値と呼ぶこととする)を決定する(図2のステップ8)。
【0028】
第4の予測値としては、主に色を表示する際に用いられる値が、汚れ度合を示す尺度として使用される。
【0029】
具体的には、マンセル表示系、XYZ表示系、X10Y10Z10表示系、Lab表示系、L*a*b*表示系、HVC表示系(RGB表示系)、L*u*v*表示系などによって表される色の数値や色素の数値が使用される。
【0030】
そして、この第4の予測値は、最終的な外回り部材の劣化状況の予測値として出力装置から出力される(図2のステップ9)。本出力段階における出力方法としては、第4の予測値そのものを数値出力する方法、複数の第4の予測値と現状における値から劣化予測曲線を作成し出力する方法、画像処理によって現状の部材の画像の数値を第4の予測値に変化させた画像を作成し出力する方法、などが挙げられる。
【0031】
たとえば、図3は、東西南北に位置する瓦、外壁、雨樋の現状のLab値(実測値)、並びに現状を表した画像の一例を示したものである。図4は、図3の現状画像の値を第4の予測値に変化させて作成した予測画像の一例を、現状画像とともに示したものである。また図5は、予測期間内で算出した複数の第4の予測値と図3の現状のLab値(実測値)とから作成した劣化予測曲線(横軸:年数、縦軸:Lab値に基づく数値(劣化度合))の一例を示したものである。これらをコンピュータディスプレイ等に表示出力させる。
【0032】
なお、各予測値の決定段階においては、任意の安全率を採用することもできる。
【0033】
以上からも明らかなように、中央処理装置(3)は第1予測値取得手段、第2予測値取得手段、第3予測値取得手段、および第4予測値取得手段として機能し、ファイル装置(5)は記録手段として機能し、それが有する気象データファイル(51)、気象予測ルールファイル(52)、角度補正ルールファイル(53)、粉塵データファイル(54)、粉塵予測ルールファイル(55)および劣化予測ルールファイル(56)はそれぞれ気象データ記録手段、気象予測ルール記録手段、角度補正ルール記録手段、粉塵データ記録手段、粉塵予測ルール記録手段、および劣化予測ルール記録手段として機能している。
【0034】
[2.気象データ]
ここで、全国各地の過去の気象データについては、全国各地に設置されている気象台・測候所で観測された気象データを使用することができる。また、観測気象データの積算値、最高値、最低値、平均値などを用いることもできる。気象データ記録手段として機能する気象データファイル(51)には、全国各地毎にこれら各種データのうちの任意の一つを記録させておいても、全国各地毎に複数種のデータを記録させておき、適用すべきデータを任意に選択できるようにしておいてもよい。
【0035】
気象データファイル(51)に記録される気象データの具体例としては、観測地コード、観測地緯度・経度データ、観測月・日・時間データ、日照時間データ、全天日射量データ、気温データ、雨量データ、風向データ、および風速データ、などが挙げられる。
【0036】
[3.粉塵データ]
ここで、全国各地の過去の粉塵データについては、全国各地に設置されている大気環境監視測定局で観測された粉塵データを使用することができる。また観測粉塵データの積算値、最高値、最低値、平均値などを用いることもできる。粉塵データ記録手段として機能する粉塵データファイル(54)には、全国各地毎にこれら各種データのうちの任意の1つを記録させておいても、また全国各地毎に複数種のデータを記録させておき、適用すべきデータを任意に選択できるようにしておいてもよい。
【0037】
なおこのとき、粉塵データファイル(54)に記録される全国各地の過去の粉塵データの具体例としては、浮遊粒子状物質(SPM:Suspended Particulate Matter)データ、浮遊粉塵(SP:Suspended Particlulates)データ、および降下煤塵データなどが挙げられ、当該粉塵データについては角度補正を行うことなく、粉塵データファイル(54)に記録されている粉塵データをそのまま任意の角度面における粉塵量とすることができる。
【0038】
[4.気象予測ルールおよび粉塵予測ルール]
気象データから将来の気象状況の変動を予測する気象予測ルールについては、ARIMAモデル(Auto Regressive Integrated Moving Average:自己回帰和分移動平均モデル)、ARモデル(Auto−Regressive:自己回帰モデル)、MAモデル(Moving Average:移動平均モデル)、ARMAモデル(Auto Regressive Moving Average:自己回帰移動平均モデル)、移動平均法、指数平滑法などの時系列分析手法や、回帰分析法、最尤推定法、カオスによる予測法、ブート・ストラップ法などの各種の統計処理手法によるルールを用いることができる。
【0039】
気象予測ルール記録手段として機能する気象予測ルールファイル(52)には、これら各種ルールのうちの任意の一つを記録させておいても、複数種のルールを記録させておき、適用すべきルールを任意に選択できるようにしておいてもよい。第1予測値取得手段として機能する中央処理装置(3)は、この気象予測ルールとともに上記気象データを気象データファイル(51)および気象予測ルールファイル(52)から読み出してくる。
【0040】
また粉塵データから将来の粉塵状況の変動を予測するルールについても上記気象予測ルールと同様に、ARIMAモデル(Auto Regressive Integrated Moving Average:自己回帰和分移動平均モデル)、ARモデル(Auto−Regressive:自己回帰モデル)、MAモデル(Moving Average:移動平均モデル)、ARMAモデル(Auto Regressive Moving Average:自己回帰移動平均モデル)、移動平均法、指数平滑法などの時系列分析手法や、回帰分析法、最尤推定法、カオスによる予測法、ブート・ストラップ法などの各種の統計処理手法によるルールを用いることができる。
【0041】
粉塵予測ルール記録手段として機能する粉塵予測ルールファイル(55)には、上記ルールのうちの任意の1つを記録させておいても、複数種のルールを記録させておき、適用すべきルールを任意に選択できるようにしておいてもよい。第3予測値取得手段として機能する中央処理装置(3)は、この粉塵予測ルールとともに上記粉塵データを粉塵データファイル(54)および粉塵予測ルールファイル(55)から読み出してくる。
【0042】
なお、気象予測ルールおよび粉塵予測ルールは、上記の統計処理手法によるルールを利用する以外に、それら予測ルールを用いることなく、過去データそのものを同予測値として再利用して使用してもよい。
【0043】
[5.角度補正ルール]
気象データを任意の角度面における気象データに補正する角度補正ルールについては、たとえば気象データの補正計算式を用いることができ、より具体的にはこの補正計算式は、たとえば劣化状態に影響を与える代表的なストレスである、日光(たとえば日射量や紫外線量)、水(たとえば降水量)、熱・表面温度(たとえば気温)について、各地で実測した水平面と角度面におけるデータをもとに制定することができる。この実測は、全ての地点で行う必要はなく、代表的な数ヶ所の地点で行えばよい。第2予測値取得手段として機能する中央処理装置(3)は、この補正計算式を角度補正ルールファイル(53)から読み出してくる。
【0044】
以下に、日射量及び紫外線量並びに降水量を角度面としての南面・東面・北面・西面それぞれにおける値へ補正する補正計算式の一例を示す。なお、ここで例示する補正計算式は、大阪府門真市、千葉県銚子市、沖縄県宮古郡で実測した水平面と角度面におけるデータをもとに制定したものである。また、1年間のうちのある季節についてのみ成立するものであるため、実際には少なくとも各季節について同様の補正計算式を制定し、それらを角度補正ルールファイル(53)に記録させておく必要がある。
【0045】
まず、表1は、水平面日射量X[kw/m2]から、壁面日射量Y1[kw/m2]および壁面紫外線量Y2、Y3[w/m2]への補正計算式、および水平面日射量X[kw/m2]から、4寸5分勾配屋根面日射量Y4[kw/m2]および4寸5分勾配屋根面紫外線量Y5、Y6[w/m2]への補正計算式の一例について示したものである。なお、表1に示した補正計算式は、特定の地域における特定の季節に限定されるものであり、地域および季節毎に補正計算式の各係数は異なるものとなり、実際に使用する際には、表1に示したような補正計算式を地域および季節毎に用意する必要がある。
【0046】
ここで、表1中のUVAとは紫外線のうち波長が315〜400nmのものを、UVBとは紫外線のうち波長が280〜315nmのものをいう。
【0047】
【表1】
表1の補正計算式を用いる場合、水平面日射量Xとしては、前記いずれかの気象予測ルールによって補正された後の値を入力する。これにより、所望する角度面における壁面日射量Y1、壁面紫外線量Y2、Y3、4寸5分勾配屋根面日射量Y4、および、4寸5分勾配屋根面紫外線量Y5、Y6を第2の予測値として得ることができる。
【0048】
なお、日射量および紫外線量については、各種文献で報告されている計算式(たとえば、日本太陽エネルギー学会編「太陽エネルギーの基礎と応用」オーム社(1978年)に記載の国際エネルギー機関の式など)を用いることもできる。
【0049】
次いで、数1は、水平面降水量Z[mm]から壁面降水量W[mm]への補正計算式の一例である。
【0050】
【数1】
αは、各方角の係数であって、各方角とも0.01≦α≦0.1の任意の数値であり、Vは、風向が各面の直角方向から±45°の範囲で計測された風速を各面に直角にあたる風速成分つまり風速の正弦値[m/s]または余弦値[m/s]に計算し直したものである。
【0051】
この補正計算式を用いる場合、水平面降水量Zとしては、前記いずれかの気象予測ルールによって補正された後の値を入力する。これにより、所望する角度面における壁面降水量Wを第2の予測値として得ることができる。
【0052】
また、同計算式を使用するに当たっては、気象予測ルールによって補正された後の値を同計算式に入力する際に、一定の条件を設け、その条件を具備するデータのみを用いて計算を行ってもよい。
【0053】
条件の例としては、一定風速以上の場合にのみ壁面に雨が付与されることを考慮し、降雨時でも風速データが一定風速以上の場合のみの雨量データ、風向データ、風速データを用いて計算するような条件や、雨滴の落下速度と風速から、雨滴が落下する際の落下角度(地表面を0°、垂直面を90°とする)を計算し、降雨時でも同落下角度が任意の角度以下になった場合のみの雨量データ、風向データ、風速データを用いて計算するような条件が挙げられる。
【0054】
なお、降水量についても、各種文献で報告されている計算式(たとえば、「外壁が受ける壁面雨量の全国分布」415−416日本建築学会学術講演梗概集計画系(1984年)に記載の伊藤・西田の式など)を用いることができる。
【0055】
さらに、以下に示す数2〜6は、気温X1[℃]と全天日射量X2[kw/m2]とから、淡色系外装材、濃色系外装材、瓦、淡色系雨樋、濃色系雨樋の各部材の表面温度を求める補正計算式の一例である。各部材の表面温度は、気温と全天日射量によって決定され、実測結果に対して重回帰分析等の分析を行うことで、数2〜6の各成分の係数を算出することができる。
【0056】
【数2】
【0057】
【数3】
【0058】
【数4】
【0059】
【数5】
【0060】
【数6】
これら補正計算式を用いる場合、気温X1および全天日射量X2として、前記のいずれかの気象予測ルールに基づき補正された後の値が入力される。これにより、所望する角度面における外回り部材の表面温度を第2の予測値として得ることが可能となる。
【0061】
なお、数2〜6に示した補正計算式は、表1に示した補正計算式と同様に、特定の地域における特定の季節に限定されるものであり、地域および季節毎に補正計算式の各係数は異なるものとなり、実際に使用する際には、数2〜6に示したような補正計算式を地域および季節毎に用意する必要がある。
【0062】
また、各部材の所望する角度面における表面温度の計算に当たっては、同温度を決定する因子が外気温と日射量によるところが大きいことから、数7に示す一般式に、対応する数値を入力する方法によって計算してもよい。
【0063】
【数7】
数7中のX3は、所望する角度面における日射量であって、上記の日射量・紫外線量の補正計算式によって導き出される数値である。
【0064】
β1は、各部材の色の違いによる日射量の吸収係数である(たとえば、茶色:0.7、黒色:0.98など)。
【0065】
β2は、各部材の材質の熱伝導率である(単位:w/m2・K)
[6.劣化予測ルール]
続いて、外回り部材の劣化現象としては、変色、汚れ、クラック、変形(反りなど)、錆び、腐敗などが挙げられ、これらの劣化現象毎に、気象データおよび粉塵データと、外回り部材の劣化状況との関係をあらわす劣化予測ルールとしての補正計算式を制定することができる。
【0066】
より具体的にはこの補正計算式は、たとえば各種の促進試験機のストレスの程度を数水準において変化させて得られた劣化状況をもとに、劣化状況に対して個々のストレスが有する重み付けを算出し、制定することができる。
【0067】
また、屋外暴露試験地の気象データから気象予測ルールファイル(52)、角度補正ルールファイル(53)を用いて補正した暴露角度面における気象データ、および屋外暴露試験地の粉塵データから粉塵予測ルールファイル(55)を用いて得た暴露角度面における粉塵データと、当該暴露試験において得られた劣化状況の結果(劣化数値)とを、回帰分析等によって解析することによって得た係数を用いて補正計算式とすることもできる。
【0068】
なおこの補正計算式を作成する場合、気象データおよび粉塵データについては、一定水準以上の量が部材に負荷された場合に劣化現象が進行すると仮定し、かかる負荷時間をもとに補正計算式を作成することもできる。
【0069】
数8、9は、壁面日射量Y1[kw/m2]、壁面表面温度[℃]、壁面降水量[mm]、壁面粉塵量[mg/m3]をもとに得た各負荷時間[hr]から、濃色系外装材および淡色系外装材からなる壁の汚れ状況U[ΔE]を予測する補正計算式の一例である。
【0070】
【数8】
【0071】
【数9】
これら補正計算式を用いる場合、壁面日射量、壁面表面温度、壁面降水量、および壁面粉塵量については、前記の通り、気象予測ルールファイル(52)、角度補正ルールファイル(53)、粉塵予測ルールファイル(55)を用いて補正等をすることによって得ることができる。
【0072】
また壁面日射量および壁面降水量については、前記角度補正ルールとしての表1および数1の補正式によって得られた値を入力することもできる。なお、もちろん前記の数1の補正式以外の補正式による値であってもよい。
【0073】
そしてこれにより、所望する角度面での汚れについての劣化状況である汚れ状況Uを第4の予測値として得ることができる。すなわちこの第4の予測値が、求めている地点における任意の角度面での外回り部材の変色についての劣化状況予測値なのである。
【0074】
もちろん壁面紫外線量を用いても壁面の汚れ状況Uを導く式を制定することができ、また同様にして汚れ以外の劣化現象についても補正計算式を制定しておくことで、様々な劣化状況を予測することができるようになる。
【0075】
【発明の効果】
以上詳しく説明したとおり、この出願の発明によって、コンピュータを用い、一般に広く公開されている気象データに加えて気象データと同様一般に広く公開されている粉塵データを利用して、外回り部材の劣化状況を全国各地毎に、また、施工状況毎に、短時間で簡便に、しかも正確に予測することのできる、新しい外回り部材の劣化状況予測プログラム及び当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、並びに劣化状況予測装置が提供され、その予測に基づいて外回り部材の適正な修理・交換時期の判断が可能となり、リサイクル社会にむけた資源の有効利用の促進に多大に貢献できることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この出願の発明の一実施形態を説明するための図である。
【図2】この出願の発明により実行される処理フローを説明するための図である。
【図3】現状Lab値および現状画像の一例を示した図である。
【図4】予測画像の一例を示した図である。
【図5】劣化予測曲線の一例を示した図である。
【符号の説明】
1 入力装置
2 出力装置
3 中央処理装置
4 メインメモリ
41 制御プログラム
5 ファイル装置
51 気象データファイル
52 気象予測ルールファイル
53 角度補正ルールファイル
54 粉塵データファイル
55 粉塵予測ルールファイル
56 劣化予測ルールファイル
【発明の属する技術分野】
この出願の発明は、外回り部材の劣化状況予測プログラム及び当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、並びに劣化状況予測装置に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、建物の外回り部材の修理・交換時期を判断するために必要な外回り部材の劣化状況の予測を行うシステムに有用な、全国各地で観測されている気象データに全国各地で観測されている粉塵データを加えたものをもとに、全国各地で施工されている外回り部材のストレス量を施工地区、施工方角、施工角度、施工期間毎に計算し、そのストレス量をもとに全国各地で施工されている外回りの部材の劣化状況をより正確に予測することのできる、新しい外回り部材の劣化状況予測プログラム及び当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、並びに劣化状況予測装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、外装材、瓦、雨樋などの建物外回り部材の修理・交換時期を判断するために、外回り部材の将来の劣化状況を予測することが行われている。この予測は、促進耐候性試験機、熱冷サイクル試験機、汚れ試験機などの促進試験機および屋外暴露試験の試験結果から、技術者の経験に基づいて行われることがしばしばである。
【0003】
また他方で、たとえば、特開2003−13491(特許文献1)においては、コンピュータを用いて住宅設計の長寿命化配慮度を診断する方法が提案されており、複数のカテゴリーに分類された複数の評価基準を表示装置に表示させ、診断対象としての住宅の設計が各評価基準を考慮したものであるか否かの回答の入力を促す入力ステップと、その回答に基づいて各カテゴリー毎に長寿命化に対する配慮度を算出する配慮度算出ステップと、算出した配慮度を視認可能な形式で出力する出力ステップとを、コンピュータに行わせ、住宅設計の長寿命化配慮度を診断する方法が提案されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2003−13491
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、促進試験機は、一般に、任意のストレスを外回り部材に過剰に負荷する構造になっていることから、実際の施工環境における劣化状況と異なる劣化状況を示すことも多く、必ずしも劣化状況を促進させたものとはならず、予測の精度が悪いという問題があった。
【0006】
また、屋外暴露試験の場合には、劣化状況の結果を得るのに時間を要するだけでなく、暴露期間中に外回り部材の改良等が行われると、予測結果の利用価値がなくなってしまうこともあり、さらに、これらの試験結果によって得られた予測は、任意の単一のストレス下における劣化予測であることから、全国各地に施工されている外回り部材についての各地毎の劣化状況は予測できないという問題もあった。
【0007】
また、特許文献1において開示されたコンピュータを用いて住宅設計の長寿命化配慮度を診断する方法においては、永住型であるか住替型であるかなどの住宅の使用状況および寒冷地か否かといった大まかな住宅環境を考慮しているのみであり、建物の外回り部材の将来の劣化状況を十分正確に予測することができる方法とは言えなかった。
【0008】
この出願の発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、従来技術の問題点を解消し、コンピュータを用いて、外回り部材の劣化状況を全国各地毎に、また、施工状態毎に、短時間で簡便に、しかも正確に予測することのできる新しい外回り部材の劣化状況予測プログラム及び当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、並びに劣化状況予測装置を提供することを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この出願の発明は、上記の課題を解決するものとして、第1には、全国各地に施工されている外回り部材の劣化状況を予測するためにコンピュータを、1)全国各地の過去の気象データを予め記録しておく気象データ記録手段、2)全国各地の過去の粉塵データを予め記録しておく粉塵データ記録手段、3)気象データから将来の気象状況の変動を予測する気象予測ルールを予め記録しておく気象予測ルール記録手段、4)粉塵データから将来の粉塵状況の変動を予測する粉塵予測ルールを予め記録しておく粉塵予測ルール記録手段、5)気象データを任意の角度面における気象データに補正する角度補正ルールを予め記録しておく角度補正ルール記録手段、6)気象データおよび粉塵データと、外回り部材の劣化状況との関係を劣化予測ルールとして予め記録しておく劣化予測ルール記録手段、7)全国各地のうちで劣化状況を予測しようとする地点を入力する入力手段、8)予測地点の過去の気象データを気象データ記録手段から読み出し、気象予測ルールを気象予測ルール記録手段から読み出し、当該気象データを当該気象予測ルールに基づき補正して、第1の予測値を得る第1予測値取得手段、9)角度補正ルール記録手段から角度補正ルールを読み出し、第1の予測値を当該角度補正ルールに基づき補正して、第2の予測値を得る第2予測値取得手段、10)予測地点の過去の粉塵データを粉塵データ記録手段から読み出し、粉塵予測ルールを粉塵予測ルール記録手段から読み出し、当該粉塵データを当該粉塵予測ルールに基づき補正して、第3の予測値を得る第3予測値取得手段、11)劣化予測ルール記録手段から劣化予測ルールを読み出し、第2の予測値と第3の予測値を当該劣化予測ルールに基づき補正して第4の予測値を得る第4予測値取得手段、および12)第4の予測値を出力する出力手段として機能させることを特徴とする外回り部材の劣化状況予測プログラムを提供する。
【0010】
また、第2には、全国各地に施工されている外回り部材の劣化状況を予測するためにコンピュータを、1)全国各地の過去の気象データを予め記録しておく気象データ記録手段、2)全国各地の過去の粉塵データを予め記録しておく粉塵データ記録手段、3)気象データから将来の気象状況の変動を予測する気象予測ルールを予め記録しておく気象予測ルール記録手段、4)粉塵データから将来の粉塵状況の変動を予測する粉塵予測ルールを予め記録しておく粉塵予測ルール記録手段、5)気象データを任意の角度面における気象データに補正する角度補正ルールを予め記録しておく角度補正ルール記録手段、6)気象データおよび粉塵データと、外回り部材の劣化状況との関係を劣化予測ルールとして予め記録しておく劣化予測ルール記録手段、7)全国各地のうちで劣化状況を予測しようとする地点を入力する入力手段、8)予測地点の過去の気象データを気象データ記録手段から読み出し、気象予測ルールを気象予測ルール記録手段から読み出し、当該気象データを当該気象予測ルールに基づき補正して、第1の予測値を得る第1予測値取得手段、9)角度補正ルール記録手段から角度補正ルールを読み出し、第1の予測値を当該角度補正ルールに基づき補正して、第2の予測値を得る第2予測値取得手段、10)予測地点の過去の粉塵データを粉塵データ記録手段から読み出し、粉塵予測ルールを粉塵予測ルール記録手段から読み出し、当該粉塵データを当該粉塵予測ルールに基づき補正して、第3の予測値を得る第3予測値取得手段、11)劣化予測ルール記録手段から劣化予測ルールを読み出し、第2の予測値と第3の予測値を当該劣化予測ルールに基づき補正して第4の予測値を得る第4予測値取得手段、および12)第4の予測値を出力する出力手段、として機能させるための外回り部材の劣化状況予測プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。
【0011】
また、第3には、全国各地に施工されている外回り部材の劣化状況を予測するためにコンピュータを、1)全国各地の過去の気象データを予め記録しておく気象データ記録手段、2)全国各地の過去の粉塵データを予め記録しておく粉塵データ記録手段、3)気象データから将来の気象状況の変動を予測する気象予測ルールを予め記録しておく気象予測ルール記録手段、4)粉塵データから将来の粉塵状況の変動を予測する粉塵予測ルールを予め記録しておく粉塵予測ルール記録手段、5)気象データを任意の角度面における気象データに補正する角度補正ルールを予め記録しておく角度補正ルール記録手段、6)気象データおよび粉塵データと、外回り部材の劣化状況との関係を劣化予測ルールとして予め記録しておく劣化予測ルール記録手段、7)全国各地のうちで劣化状況を予測しようとする地点を入力する入力手段、8)予測地点の過去の気象データを気象データ記録手段から読み出し、気象予測ルールを気象予測ルール記録手段から読み出し、当該気象データを当該気象予測ルールに基づき補正して、第1の予測値を得る第1予測値取得手段、9)角度補正ルール記録手段から角度補正ルールを読み出し、第1の予測値を当該角度補正ルールに基づき補正して、第2の予測値を得る第2予測値取得手段、10)予測地点の過去の粉塵データを粉塵データ記録手段から読み出し、粉塵予測ルールを粉塵予測ルール記録手段から読み出し、当該粉塵データを当該粉塵予測ルールに基づき補正して、第3の予測値を得る第3予測値取得手段、11)劣化予測ルール記録手段から劣化予測ルールを読み出し、第2の予測値と第3の予測値を当該劣化予測ルールに基づき補正して第4の予測値を得る第4予測値取得手段、および12)第4の予測値を出力する出力手段、として機能させることを特徴とする外回り部材の劣化状況予測プログラムを有する劣化状況予測装置を提供する。
【0012】
また、第4には、全国各地に施工されている外回り部材の劣化状況を予測する装置であって、1)全国各地の過去の気象データを予め記録しておく気象データ記録手段、2)全国各地の過去の粉塵データを予め記録しておく粉塵データ記録手段、3)気象データから将来の気象状況の変動を予測する気象予測ルールを予め記録しておく気象予測ルール記録手段、4)粉塵データから将来の粉塵状況の変動を予測する粉塵予測ルールを予め記録しておく粉塵予測ルール記録手段、5)気象データを任意の角度面における気象データに補正する角度補正ルールを予め記録しておく角度補正ルール記録手段、6)気象データおよび粉塵データと、外回り部材の劣化状況との関係を劣化予測ルールとして予め記録しておく劣化予測ルール記録手段、7)全国各地のうちで劣化状況を予測しようとする地点を入力する入力手段、8)予測地点の過去の気象データを気象データ記録手段から読み出し、気象予測ルールを気象予測ルール記録手段から読み出し、当該気象データを当該気象予測ルールに基づき補正して、第1の予測値を得る第1予測値取得手段、9)角度補正ルール記録手段から角度補正ルールを読み出し、第1の予測値を当該角度補正ルールに基づき補正して、第2の予測値を得る第2予測値取得手段、10)予測地点の過去の粉塵データを粉塵データ記録手段から読み出し、粉塵予測ルールを粉塵予測ルール記録手段から読み出し、当該粉塵データを当該粉塵予測ルールに基づき補正して、第3の予測値を得る第3予測値取得手段、11)劣化予測ルール記録手段から劣化予測ルールを読み出し、第2の予測値と第3の予測値を当該劣化予測ルールに基づき補正して第4の予測値を得る第4予測値取得手段、および12)第4の予測値を出力する出力手段、を備えたことを特徴とする外回り部材の劣化状況予測装置を提供する。
【0013】
また、第5には、気象データ記録手段に記録されている全国各地の過去の気象データは、観測地コード、観測地緯度・経度データ、観測月・日・時間データ、日照時間データ、全天日射量データ、気温データ、雨量データ、風向データ、および風速データであり、角度補正ルール記録手段に記録された角度補正ルールは、気象データ記録手段に記録されている観測地コード、観測地緯度・経度データ、観測月・日・時間データ、日照時間データ、および全天日射量データより、任意の角度面における日射量および紫外線量を算出する日射量・紫外線量算出ルールと、気象データ記録手段に記録されている観測地コード、観測地緯度・経度データ、観測月・日・時間データ、日照時間データ、全天日射量データ、および気温データより、任意の角度面における表面温度を算出する表面温度算出ルールと、気象データ記録手段に記録されている雨量データ、風向データ、および風速データより、任意の角度面における降雨量を算出する降雨量算出ルールのうちの少なくとも2つ以上からなり、粉塵データ記録手段に記録されている全国各地の過去の粉塵データは、浮遊粒子状物質データ、浮遊粉塵データおよび降下煤塵データであり、当該粉塵データについては粉塵データ記録手段に記録されている粉塵データをそのまま任意の角度面における粉塵量とする、ことを特徴とする外回り部材の劣化状況予測プログラム、または外回り部材の劣化状況予測プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、または外回り部材の劣化状況予測プログラムを有する劣化状況予測装置、または外回り部材の劣化状況予測装置を提供する。
【0014】
また、第6には、第4の予測値を出力する手段は、第4の予測値を数値出力する機能を有する、ことを特徴とする外回り部材の劣化状況予測プログラム、または外回り部材の劣化状況予測プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、または外回り部材の劣化状況予測プログラムを有する劣化状況予測装置、または外回り部材の劣化状況予測装置を提供する。
【0015】
また、第7には、第4の予測値を出力する手段は、複数の第4の予測値と現状における数値から劣化予測曲線を作成し出力する機能を有する、ことを特徴とする外回り部材の劣化状況予測プログラム、または外回り部材の劣化状況予測プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、または外回り部材の劣化状況予測プログラムを有する劣化状況予測装置、または外回り部材の劣化状況予測装置を提供する。
【0016】
また、第8には、第4の予測値を出力する手段は、画像処理によって現状の部材の画像の数値を第4の予測値に変化させた画像を作成し出力する機能を有する、ことを特徴とする外回り部材の劣化状況予測プログラム、または外回り部材の劣化状況予測プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、または外回り部材の劣化状況予測プログラムを有する劣化状況予測装置、または外回り部材の劣化状況予測装置を提供する。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は、この出願の発明に従ったシステム構成を例示したものであり、図2は、この出願の発明により実行される処理フローを例示したものである。
【0018】
[1.システム構成]
図1のシステム構成では、
各種入力のためのキーボード等の入力装置(1)、
各種出力のためのディスプレイやプリンタ、補助記憶装置等の出力装置(2)、
各種処理を行う中央処理装置(3)、
中央処理装置へ指令を出す制御プログラム(41)を有するメインメモリ(4)、
および
全国各地の過去の気象データが記録された気象データファイル(51)と、気象データから将来の気象状況の変動を予測する気象予測ルールが記録された気象予測ルールファイル(52)と、気象データを任意の角度面における気象データに補正する角度補正ルールが記録された角度補正ルールファイル(53)と、それに加えてさらに全国各地の過去の粉塵データが記録された粉塵データファイル(54)と、粉塵データから将来の粉塵状況を予測する粉塵予測ルールが記録された粉塵予測ルールファイル(55)と、気象データおよび粉塵データと外回り部材の劣化状況との関係が劣化予測ルールとして記録された劣化予測ルールファイル(56)とを有するファイル装置(5)が備えられている。
【0019】
この場合、まず入力装置(1)から、全国各地のうちで劣化状況を予測しようとする地点が入力指定される。このとき、予測しようとする時期、劣化状況、施工状態(外回り部材の角度面等)、部材の画像、画像における色の数値なども入力指定される(図2のステップ1)。
【0020】
中央処理装置(3)は、メインメモリ(4)中の制御プログラム(41)の指令を受け、ファイル装置(5)中の気象データファイル(51)から、劣化状況を予測しようとする上記入力された地点(「予測地点」と呼ぶこととする)の過去の気象データを読み出す(図2のステップ2A)。ここで、気象データファイル(51)には予め過去の気象データが全国の各地点に対応して記録されているので、予測地点に対応する過去の気象データを検索し、読み出せばよい。読み出す過去の気象データは、長い期間に渡って蓄積されたもの程好ましく、たとえば数年〜数十年間(5〜20年間など)とすることができる。
【0021】
同様にファイル装置(5)中の粉塵データファイル(54)から、劣化状況を予測しようとする上記入力された地点(「予測地点」と呼ぶこととする)の過去の粉塵データを読み出す(図2のステップ2B)。ここで、粉塵データファイル(54)には予め過去の粉塵データが全国の各地点に対応して記録されているので、予測地点に対応する過去の粉塵データを検索し、読み出せばよい。
【0022】
読み出す過去の粉塵データについても気象データと同様に、長い期間にわたって蓄積されたもの程好ましく、たとえば数年〜数十年間(5〜20年間など)とすることができる。
【0023】
ついで、中央処理装置(3)は、メインメモリ(4)中の制御プログラム(41)の指令を受け、ファイル装置(5)中の気象予測ルールファイル(52)から、将来の気象状況の変動を予測する気象予測ルールを読み出し(図2のステップ3A)、当該気象予測ルールに基づいて上記気象データを補正して、予測地点の将来の気象状況の予測値(第1の予測値と呼ぶこととする)を決定する(図2のステップ4A)。
【0024】
同様に、中央処理装置(3)は、メインメモリ(4)中の制御プログラム(41)の指令を受け、ファイル装置(5)中の粉塵予測ルールファイル(55)から、将来の粉塵状況の変動を予測する粉塵予測ルールを読み出し(図2のステップ3B)、当該粉塵予測ルールに基づいて、上記粉塵データを補正して、予測地点の将来の粉塵状況の予測値(第3の予測値と呼ぶこととする)を決定する(図2のステップ4B)。
【0025】
また、第1および第3の予測値は、気象予測ルールおよび粉塵予測ルールを用いることなく、過去のデータそのものを同予測値として再利用して使用してもよい。
【0026】
さらに、中央処理装置(3)は、メインメモリ(4)中の制御プログラム(41)の指令を受け、ファイル装置(5)中の角度補正ルールファイル(53)から、外回り部材の劣化状況を予測しようとする前記入力された施工状態としての角度面(予測角度面と呼ぶこととする)に対する角度補正ルールを読み出し(図2のステップ5)、当該角度補正ルールに基づいて第1の予測値を補正して、予測地点における予測角度面での気象状況の予測値(第2の予測値と呼ぶこととする)を決定する(図2のステップ6)。
【0027】
最後に、中央処理装置(3)は、メインメモリ(4)中の制御プログラム(41)の指令を受け、ファイル装置(5)中の劣化予測ルールファイル(56)から、予測しようとする前記入力された劣化現象(予測劣化現象と呼ぶこととする)に対する劣化予測ルールを読み出し(図2のステップ7)、当該劣化予測ルールに基づいて第2の予測値および第3の予測値を補正して、予測地点における予測角度面での予測劣化現象についての劣化状況の予測値(第4の予測値と呼ぶこととする)を決定する(図2のステップ8)。
【0028】
第4の予測値としては、主に色を表示する際に用いられる値が、汚れ度合を示す尺度として使用される。
【0029】
具体的には、マンセル表示系、XYZ表示系、X10Y10Z10表示系、Lab表示系、L*a*b*表示系、HVC表示系(RGB表示系)、L*u*v*表示系などによって表される色の数値や色素の数値が使用される。
【0030】
そして、この第4の予測値は、最終的な外回り部材の劣化状況の予測値として出力装置から出力される(図2のステップ9)。本出力段階における出力方法としては、第4の予測値そのものを数値出力する方法、複数の第4の予測値と現状における値から劣化予測曲線を作成し出力する方法、画像処理によって現状の部材の画像の数値を第4の予測値に変化させた画像を作成し出力する方法、などが挙げられる。
【0031】
たとえば、図3は、東西南北に位置する瓦、外壁、雨樋の現状のLab値(実測値)、並びに現状を表した画像の一例を示したものである。図4は、図3の現状画像の値を第4の予測値に変化させて作成した予測画像の一例を、現状画像とともに示したものである。また図5は、予測期間内で算出した複数の第4の予測値と図3の現状のLab値(実測値)とから作成した劣化予測曲線(横軸:年数、縦軸:Lab値に基づく数値(劣化度合))の一例を示したものである。これらをコンピュータディスプレイ等に表示出力させる。
【0032】
なお、各予測値の決定段階においては、任意の安全率を採用することもできる。
【0033】
以上からも明らかなように、中央処理装置(3)は第1予測値取得手段、第2予測値取得手段、第3予測値取得手段、および第4予測値取得手段として機能し、ファイル装置(5)は記録手段として機能し、それが有する気象データファイル(51)、気象予測ルールファイル(52)、角度補正ルールファイル(53)、粉塵データファイル(54)、粉塵予測ルールファイル(55)および劣化予測ルールファイル(56)はそれぞれ気象データ記録手段、気象予測ルール記録手段、角度補正ルール記録手段、粉塵データ記録手段、粉塵予測ルール記録手段、および劣化予測ルール記録手段として機能している。
【0034】
[2.気象データ]
ここで、全国各地の過去の気象データについては、全国各地に設置されている気象台・測候所で観測された気象データを使用することができる。また、観測気象データの積算値、最高値、最低値、平均値などを用いることもできる。気象データ記録手段として機能する気象データファイル(51)には、全国各地毎にこれら各種データのうちの任意の一つを記録させておいても、全国各地毎に複数種のデータを記録させておき、適用すべきデータを任意に選択できるようにしておいてもよい。
【0035】
気象データファイル(51)に記録される気象データの具体例としては、観測地コード、観測地緯度・経度データ、観測月・日・時間データ、日照時間データ、全天日射量データ、気温データ、雨量データ、風向データ、および風速データ、などが挙げられる。
【0036】
[3.粉塵データ]
ここで、全国各地の過去の粉塵データについては、全国各地に設置されている大気環境監視測定局で観測された粉塵データを使用することができる。また観測粉塵データの積算値、最高値、最低値、平均値などを用いることもできる。粉塵データ記録手段として機能する粉塵データファイル(54)には、全国各地毎にこれら各種データのうちの任意の1つを記録させておいても、また全国各地毎に複数種のデータを記録させておき、適用すべきデータを任意に選択できるようにしておいてもよい。
【0037】
なおこのとき、粉塵データファイル(54)に記録される全国各地の過去の粉塵データの具体例としては、浮遊粒子状物質(SPM:Suspended Particulate Matter)データ、浮遊粉塵(SP:Suspended Particlulates)データ、および降下煤塵データなどが挙げられ、当該粉塵データについては角度補正を行うことなく、粉塵データファイル(54)に記録されている粉塵データをそのまま任意の角度面における粉塵量とすることができる。
【0038】
[4.気象予測ルールおよび粉塵予測ルール]
気象データから将来の気象状況の変動を予測する気象予測ルールについては、ARIMAモデル(Auto Regressive Integrated Moving Average:自己回帰和分移動平均モデル)、ARモデル(Auto−Regressive:自己回帰モデル)、MAモデル(Moving Average:移動平均モデル)、ARMAモデル(Auto Regressive Moving Average:自己回帰移動平均モデル)、移動平均法、指数平滑法などの時系列分析手法や、回帰分析法、最尤推定法、カオスによる予測法、ブート・ストラップ法などの各種の統計処理手法によるルールを用いることができる。
【0039】
気象予測ルール記録手段として機能する気象予測ルールファイル(52)には、これら各種ルールのうちの任意の一つを記録させておいても、複数種のルールを記録させておき、適用すべきルールを任意に選択できるようにしておいてもよい。第1予測値取得手段として機能する中央処理装置(3)は、この気象予測ルールとともに上記気象データを気象データファイル(51)および気象予測ルールファイル(52)から読み出してくる。
【0040】
また粉塵データから将来の粉塵状況の変動を予測するルールについても上記気象予測ルールと同様に、ARIMAモデル(Auto Regressive Integrated Moving Average:自己回帰和分移動平均モデル)、ARモデル(Auto−Regressive:自己回帰モデル)、MAモデル(Moving Average:移動平均モデル)、ARMAモデル(Auto Regressive Moving Average:自己回帰移動平均モデル)、移動平均法、指数平滑法などの時系列分析手法や、回帰分析法、最尤推定法、カオスによる予測法、ブート・ストラップ法などの各種の統計処理手法によるルールを用いることができる。
【0041】
粉塵予測ルール記録手段として機能する粉塵予測ルールファイル(55)には、上記ルールのうちの任意の1つを記録させておいても、複数種のルールを記録させておき、適用すべきルールを任意に選択できるようにしておいてもよい。第3予測値取得手段として機能する中央処理装置(3)は、この粉塵予測ルールとともに上記粉塵データを粉塵データファイル(54)および粉塵予測ルールファイル(55)から読み出してくる。
【0042】
なお、気象予測ルールおよび粉塵予測ルールは、上記の統計処理手法によるルールを利用する以外に、それら予測ルールを用いることなく、過去データそのものを同予測値として再利用して使用してもよい。
【0043】
[5.角度補正ルール]
気象データを任意の角度面における気象データに補正する角度補正ルールについては、たとえば気象データの補正計算式を用いることができ、より具体的にはこの補正計算式は、たとえば劣化状態に影響を与える代表的なストレスである、日光(たとえば日射量や紫外線量)、水(たとえば降水量)、熱・表面温度(たとえば気温)について、各地で実測した水平面と角度面におけるデータをもとに制定することができる。この実測は、全ての地点で行う必要はなく、代表的な数ヶ所の地点で行えばよい。第2予測値取得手段として機能する中央処理装置(3)は、この補正計算式を角度補正ルールファイル(53)から読み出してくる。
【0044】
以下に、日射量及び紫外線量並びに降水量を角度面としての南面・東面・北面・西面それぞれにおける値へ補正する補正計算式の一例を示す。なお、ここで例示する補正計算式は、大阪府門真市、千葉県銚子市、沖縄県宮古郡で実測した水平面と角度面におけるデータをもとに制定したものである。また、1年間のうちのある季節についてのみ成立するものであるため、実際には少なくとも各季節について同様の補正計算式を制定し、それらを角度補正ルールファイル(53)に記録させておく必要がある。
【0045】
まず、表1は、水平面日射量X[kw/m2]から、壁面日射量Y1[kw/m2]および壁面紫外線量Y2、Y3[w/m2]への補正計算式、および水平面日射量X[kw/m2]から、4寸5分勾配屋根面日射量Y4[kw/m2]および4寸5分勾配屋根面紫外線量Y5、Y6[w/m2]への補正計算式の一例について示したものである。なお、表1に示した補正計算式は、特定の地域における特定の季節に限定されるものであり、地域および季節毎に補正計算式の各係数は異なるものとなり、実際に使用する際には、表1に示したような補正計算式を地域および季節毎に用意する必要がある。
【0046】
ここで、表1中のUVAとは紫外線のうち波長が315〜400nmのものを、UVBとは紫外線のうち波長が280〜315nmのものをいう。
【0047】
【表1】
表1の補正計算式を用いる場合、水平面日射量Xとしては、前記いずれかの気象予測ルールによって補正された後の値を入力する。これにより、所望する角度面における壁面日射量Y1、壁面紫外線量Y2、Y3、4寸5分勾配屋根面日射量Y4、および、4寸5分勾配屋根面紫外線量Y5、Y6を第2の予測値として得ることができる。
【0048】
なお、日射量および紫外線量については、各種文献で報告されている計算式(たとえば、日本太陽エネルギー学会編「太陽エネルギーの基礎と応用」オーム社(1978年)に記載の国際エネルギー機関の式など)を用いることもできる。
【0049】
次いで、数1は、水平面降水量Z[mm]から壁面降水量W[mm]への補正計算式の一例である。
【0050】
【数1】
αは、各方角の係数であって、各方角とも0.01≦α≦0.1の任意の数値であり、Vは、風向が各面の直角方向から±45°の範囲で計測された風速を各面に直角にあたる風速成分つまり風速の正弦値[m/s]または余弦値[m/s]に計算し直したものである。
【0051】
この補正計算式を用いる場合、水平面降水量Zとしては、前記いずれかの気象予測ルールによって補正された後の値を入力する。これにより、所望する角度面における壁面降水量Wを第2の予測値として得ることができる。
【0052】
また、同計算式を使用するに当たっては、気象予測ルールによって補正された後の値を同計算式に入力する際に、一定の条件を設け、その条件を具備するデータのみを用いて計算を行ってもよい。
【0053】
条件の例としては、一定風速以上の場合にのみ壁面に雨が付与されることを考慮し、降雨時でも風速データが一定風速以上の場合のみの雨量データ、風向データ、風速データを用いて計算するような条件や、雨滴の落下速度と風速から、雨滴が落下する際の落下角度(地表面を0°、垂直面を90°とする)を計算し、降雨時でも同落下角度が任意の角度以下になった場合のみの雨量データ、風向データ、風速データを用いて計算するような条件が挙げられる。
【0054】
なお、降水量についても、各種文献で報告されている計算式(たとえば、「外壁が受ける壁面雨量の全国分布」415−416日本建築学会学術講演梗概集計画系(1984年)に記載の伊藤・西田の式など)を用いることができる。
【0055】
さらに、以下に示す数2〜6は、気温X1[℃]と全天日射量X2[kw/m2]とから、淡色系外装材、濃色系外装材、瓦、淡色系雨樋、濃色系雨樋の各部材の表面温度を求める補正計算式の一例である。各部材の表面温度は、気温と全天日射量によって決定され、実測結果に対して重回帰分析等の分析を行うことで、数2〜6の各成分の係数を算出することができる。
【0056】
【数2】
【0057】
【数3】
【0058】
【数4】
【0059】
【数5】
【0060】
【数6】
これら補正計算式を用いる場合、気温X1および全天日射量X2として、前記のいずれかの気象予測ルールに基づき補正された後の値が入力される。これにより、所望する角度面における外回り部材の表面温度を第2の予測値として得ることが可能となる。
【0061】
なお、数2〜6に示した補正計算式は、表1に示した補正計算式と同様に、特定の地域における特定の季節に限定されるものであり、地域および季節毎に補正計算式の各係数は異なるものとなり、実際に使用する際には、数2〜6に示したような補正計算式を地域および季節毎に用意する必要がある。
【0062】
また、各部材の所望する角度面における表面温度の計算に当たっては、同温度を決定する因子が外気温と日射量によるところが大きいことから、数7に示す一般式に、対応する数値を入力する方法によって計算してもよい。
【0063】
【数7】
数7中のX3は、所望する角度面における日射量であって、上記の日射量・紫外線量の補正計算式によって導き出される数値である。
【0064】
β1は、各部材の色の違いによる日射量の吸収係数である(たとえば、茶色:0.7、黒色:0.98など)。
【0065】
β2は、各部材の材質の熱伝導率である(単位:w/m2・K)
[6.劣化予測ルール]
続いて、外回り部材の劣化現象としては、変色、汚れ、クラック、変形(反りなど)、錆び、腐敗などが挙げられ、これらの劣化現象毎に、気象データおよび粉塵データと、外回り部材の劣化状況との関係をあらわす劣化予測ルールとしての補正計算式を制定することができる。
【0066】
より具体的にはこの補正計算式は、たとえば各種の促進試験機のストレスの程度を数水準において変化させて得られた劣化状況をもとに、劣化状況に対して個々のストレスが有する重み付けを算出し、制定することができる。
【0067】
また、屋外暴露試験地の気象データから気象予測ルールファイル(52)、角度補正ルールファイル(53)を用いて補正した暴露角度面における気象データ、および屋外暴露試験地の粉塵データから粉塵予測ルールファイル(55)を用いて得た暴露角度面における粉塵データと、当該暴露試験において得られた劣化状況の結果(劣化数値)とを、回帰分析等によって解析することによって得た係数を用いて補正計算式とすることもできる。
【0068】
なおこの補正計算式を作成する場合、気象データおよび粉塵データについては、一定水準以上の量が部材に負荷された場合に劣化現象が進行すると仮定し、かかる負荷時間をもとに補正計算式を作成することもできる。
【0069】
数8、9は、壁面日射量Y1[kw/m2]、壁面表面温度[℃]、壁面降水量[mm]、壁面粉塵量[mg/m3]をもとに得た各負荷時間[hr]から、濃色系外装材および淡色系外装材からなる壁の汚れ状況U[ΔE]を予測する補正計算式の一例である。
【0070】
【数8】
【0071】
【数9】
これら補正計算式を用いる場合、壁面日射量、壁面表面温度、壁面降水量、および壁面粉塵量については、前記の通り、気象予測ルールファイル(52)、角度補正ルールファイル(53)、粉塵予測ルールファイル(55)を用いて補正等をすることによって得ることができる。
【0072】
また壁面日射量および壁面降水量については、前記角度補正ルールとしての表1および数1の補正式によって得られた値を入力することもできる。なお、もちろん前記の数1の補正式以外の補正式による値であってもよい。
【0073】
そしてこれにより、所望する角度面での汚れについての劣化状況である汚れ状況Uを第4の予測値として得ることができる。すなわちこの第4の予測値が、求めている地点における任意の角度面での外回り部材の変色についての劣化状況予測値なのである。
【0074】
もちろん壁面紫外線量を用いても壁面の汚れ状況Uを導く式を制定することができ、また同様にして汚れ以外の劣化現象についても補正計算式を制定しておくことで、様々な劣化状況を予測することができるようになる。
【0075】
【発明の効果】
以上詳しく説明したとおり、この出願の発明によって、コンピュータを用い、一般に広く公開されている気象データに加えて気象データと同様一般に広く公開されている粉塵データを利用して、外回り部材の劣化状況を全国各地毎に、また、施工状況毎に、短時間で簡便に、しかも正確に予測することのできる、新しい外回り部材の劣化状況予測プログラム及び当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、並びに劣化状況予測装置が提供され、その予測に基づいて外回り部材の適正な修理・交換時期の判断が可能となり、リサイクル社会にむけた資源の有効利用の促進に多大に貢献できることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この出願の発明の一実施形態を説明するための図である。
【図2】この出願の発明により実行される処理フローを説明するための図である。
【図3】現状Lab値および現状画像の一例を示した図である。
【図4】予測画像の一例を示した図である。
【図5】劣化予測曲線の一例を示した図である。
【符号の説明】
1 入力装置
2 出力装置
3 中央処理装置
4 メインメモリ
41 制御プログラム
5 ファイル装置
51 気象データファイル
52 気象予測ルールファイル
53 角度補正ルールファイル
54 粉塵データファイル
55 粉塵予測ルールファイル
56 劣化予測ルールファイル
Claims (8)
- 全国各地に施工されている外回り部材の劣化状況を予測するためにコンピュータを、
1)全国各地の過去の気象データを予め記録しておく気象データ記録手段、
2)全国各地の過去の粉塵データを予め記録しておく粉塵データ記録手段、
3)気象データから将来の気象状況の変動を予測する気象予測ルールを予め記録しておく気象予測ルール記録手段、
4)粉塵データから将来の粉塵状況の変動を予測する粉塵予測ルールを予め記録しておく粉塵予測ルール記録手段、
5)気象データを任意の角度面における気象データに補正する角度補正ルールを予め記録しておく角度補正ルール記録手段、
6)気象データおよび粉塵データと、外回り部材の劣化状況との関係を劣化予測ルールとして予め記録しておく劣化予測ルール記録手段、
7)全国各地のうちで劣化状況を予測しようとする地点を入力する入力手段、
8)予測地点の過去の気象データを気象データ記録手段から読み出し、気象予測ルールを気象予測ルール記録手段から読み出し、当該気象データを当該気象予測ルールに基づき補正して、第1の予測値を得る第1予測値取得手段、
9)角度補正ルール記録手段から角度補正ルールを読み出し、第1の予測値を当該角度補正ルールに基づき補正して、第2の予測値を得る第2予測値取得手段、
10)予測地点の過去の粉塵データを粉塵データ記録手段から読み出し、粉塵予測ルールを粉塵予測ルール記録手段から読み出し、当該粉塵データを当該粉塵予測ルールに基づき補正して、第3の予測値を得る第3予測値取得手段、
11)劣化予測ルール記録手段から劣化予測ルールを読み出し、第2の予測値と第3の予測値を当該劣化予測ルールに基づき補正して、第4の予測値を得る第4予測値取得手段、
および
12)第4の予測値を出力する出力手段
として機能させることを特徴とする外回り部材の劣化状況予測プログラム。 - 全国各地に施工されている外回り部材の劣化状況を予測するためにコンピュータを、
1)全国各地の過去の気象データを予め記録しておく気象データ記録手段、
2)全国各地の過去の粉塵データを予め記録しておく粉塵データ記録手段、
3)気象データから将来の気象状況の変動を予測する気象予測ルールを予め記録しておく気象予測ルール記録手段、
4)粉塵データから将来の粉塵状況の変動を予測する粉塵予測ルールを予め記録しておく粉塵予測ルール記録手段、
5)気象データを任意の角度面における気象データに補正する角度補正ルールを予め記録しておく角度補正ルール記録手段、
6)気象データおよび粉塵データと、外回り部材の劣化状況との関係を劣化予測ルールとして予め記録しておく劣化予測ルール記録手段、
7)全国各地のうちで劣化状況を予測しようとする地点を入力する入力手段、
8)予測地点の過去の気象データを気象データ記録手段から読み出し、気象予測ルールを気象予測ルール記録手段から読み出し、当該気象データを当該気象予測ルールに基づき補正して、第1の予測値を得る第1予測値取得手段、
9)角度補正ルール記録手段から角度補正ルールを読み出し、第1の予測値を当該角度補正ルールに基づき補正して、第2の予測値を得る第2予測値取得手段、
10)予測地点の過去の粉塵データを粉塵データ記録手段から読み出し、粉塵予測ルールを粉塵予測ルール記録手段から読み出し、当該粉塵データを当該粉塵予測ルールに基づき補正して、第3の予測値を得る第3予測値取得手段、
11)劣化予測ルール記録手段から劣化予測ルールを読み出し、第2の予測値と第3の予測値を当該劣化予測ルールに基づき補正して第4の予測値を得る第4予測値取得手段、
および
12)第4の予測値を出力する出力手段、
として機能させるための外回り部材の劣化状況予測プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。 - 全国各地に施工されている外回り部材の劣化状況を予測するためにコンピュータを、
1)全国各地の過去の気象データを予め記録しておく気象データ記録手段、
2)全国各地の過去の粉塵データを予め記録しておく粉塵データ記録手段、
3)気象データから将来の気象状況の変動を予測する気象予測ルールを予め記録しておく気象予測ルール記録手段、
4)粉塵データから将来の粉塵状況の変動を予測する粉塵予測ルールを予め記録しておく粉塵予測ルール記録手段、
5)気象データを任意の角度面における気象データに補正する角度補正ルールを予め記録しておく角度補正ルール記録手段、
6)気象データおよび粉塵データと、外回り部材の劣化状況との関係を劣化予測ルールとして予め記録しておく劣化予測ルール記録手段、
7)全国各地のうちで劣化状況を予測しようとする地点を入力する入力手段、
8)予測地点の過去の気象データを気象データ記録手段から読み出し、気象予測ルールを気象予測ルール記録手段から読み出し、当該気象データを当該気象予測ルールに基づき補正して、第1の予測値を得る第1予測値取得手段、
9)角度補正ルール記録手段から角度補正ルールを読み出し、第1の予測値を当該角度補正ルールに基づき補正して、第2の予測値を得る第2予測値取得手段、
10)予測地点の過去の粉塵データを粉塵データ記録手段から読み出し、粉塵予測ルールを粉塵予測ルール記録手段から読み出し、当該粉塵データを当該粉塵予測ルールに基づき補正して、第3の予測値を得る第3予測値取得手段、
11)劣化予測ルール記録手段から劣化予測ルールを読み出し、第2の予測値と第3の予測値を当該劣化予測ルールに基づき補正して第4の予測値を得る第4予測値取得手段、
および
12)第4の予測値を出力する出力手段、
として機能させるための外回り部材の劣化状況予測プログラムを有する劣化状況予測装置。 - 全国各地に施工されている外回り部材の劣化状況を予測する装置であって、
1)全国各地の過去の気象データを予め記録しておく気象データ記録手段、
2)全国各地の過去の粉塵データを予め記録しておく粉塵データ記録手段、
3)気象データから将来の気象状況の変動を予測する気象予測ルールを予め記録しておく気象予測ルール記録手段、
4)粉塵データから将来の粉塵状況の変動を予測する粉塵予測ルールを予め記録しておく粉塵予測ルール記録手段、
5)気象データを任意の角度面における気象データに補正する角度補正ルールを予め記録しておく角度補正ルール記録手段、
6)気象データおよび粉塵データと、外回り部材の劣化状況との関係を劣化予測ルールとして予め記録しておく劣化予測ルール記録手段、
7)全国各地のうちで劣化状況を予測しようとする地点を入力する入力手段、
8)予測地点の過去の気象データを気象データ記録手段から読み出し、気象予測ルールを気象予測ルール記録手段から読み出し、当該気象データを当該気象予測ルールに基づき補正して、第1の予測値を得る第1予測値取得手段、
9)角度補正ルール記録手段から角度補正ルールを読み出し、第1の予測値を当該角度補正ルールに基づき補正して、第2の予測値を得る第2予測値取得手段、
10)予測地点の過去の粉塵データを粉塵データ記録手段から読み出し、粉塵予測ルールを粉塵予測ルール記録手段から読み出し、当該粉塵データを当該粉塵予測ルールに基づき補正して、第3の予測値を得る第3予測値取得手段、
11)劣化予測ルール記録手段から劣化予測ルールを読み出し、第2の予測値と第3の予測値を当該劣化予測ルールに基づき補正して第4の予測値を得る第4予測値取得手段、
および
12)第4の予測値を出力する出力手段、
を備えたことを特徴とする外回り部材の劣化状況予測装置。 - 気象データ記録手段に記録されている全国各地の過去の気象データは、観測地コード、観測地緯度・経度データ、観測月・日・時間データ、日照時間データ、全天日射量データ、気温データ、雨量データ、風向データ、および風速データであり、
角度補正ルール記録手段に記録された角度補正ルールは、気象データ記録手段に記録されている観測地コード、観測地緯度・経度データ、観測月・日・時間データ、日照時間データ、および全天日射量データより、任意の角度面における日射量および紫外線量を算出する日射量・紫外線量算出ルールと、気象データ記録手段に記録されている観測地コード、観測地緯度・経度データ、観測月・日・時間データ、日照時間データ、全天日射量データ、および気温データより、任意の角度面における表面温度を算出する表面温度算出ルールと、気象データ記録手段に記録されている、雨量データ、風向データ、および風速データより、任意の角度面における降雨量を算出する降雨量算出ルールのうちの少なくとも2つ以上からなり、
粉塵データ記録手段に記録されている全国各地の過去の粉塵データは、浮遊粒子状物質データ、浮遊粉塵データおよび降下煤塵データであり、当該粉塵データについては粉塵データ記録手段に記録されている粉塵データをそのまま任意の角度面における粉塵量とする、
ことを特徴とする請求項1記載の外回り部材の劣化状況予測プログラム、または請求項2記載の外回り部材の劣化状況予測プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、または請求項3記載の外回り部材の劣化状況予測プログラムを有する劣化状況予測装置、または請求項4記載の外回り部材の劣化状況予測装置。 - 第4の予測値を出力する手段は、第4の予測値を数値出力する機能を有する、
ことを特徴とする請求項1記載の外回り部材の劣化状況予測プログラム、または請求項2記載の外回り部材の劣化状況予測プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、または請求項3記載の外回り部材の劣化状況予測プログラムを有する劣化状況予測装置、または請求項4記載の外回り部材の劣化状況予測装置。 - 第4の予測値を出力する手段は、複数の第4の予測値と現状における数値から劣化予測曲線を作成し出力する機能を有する、
ことを特徴とする請求項1記載の外回り部材の劣化状況予測プログラム、または請求項2記載の外回り部材の劣化状況予測プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、または請求項3記載の外回り部材の劣化状況予測プログラムを有する劣化状況予測装置、または請求項4記載の外回り部材の劣化状況予測装置。 - 第4の予測値を出力する手段は、画像処理によって現状の部材の画像の数値を第4の予測値に変化させた画像を作成し出力する機能を有する、
ことを特徴とする請求項1記載の外回り部材の劣化状況予測プログラム、または請求項2記載の外回り部材の劣化状況予測プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、または請求項3記載の外回り部材の劣化状況予測プログラムを有する劣化状況予測装置、または請求項4記載の外回り部材の劣化状況予測装置。
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