JP2005017028A - X線厚さ計の基準板設定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、コンパクトで、高信頼性を有するX線厚さ計の基準板設定装置を提供することを目的とする。
【解決手段】取り付けベース上に所定の位置に配置固定される複数の基準板駆動部2を有し、前記基準板駆動部2は、取り付け金具7bと、前記取り付け金具の一方の面に固定され、且つ、回転軸を前記取り付け金具を貫通して他方の面に突出させた駆動部5と、前記駆動部によって回動される一方の先端部に複数の異なる厚さの基準片を取り付け、中間部を前記回転軸に取り付けたアーム6と、前記アームの他方の端部に取り付けた位置検出片6cと、前期位置検出片が通過する複数の位置検出センサ7aとから構成し、前記基準片を取り付けたアームを回動させることにより、前記基準片をX線ビームのビームセンターに位置させて、被測定板の厚さ校正を行うようにしたことを特徴とする。
【選択図】 図2
【解決手段】取り付けベース上に所定の位置に配置固定される複数の基準板駆動部2を有し、前記基準板駆動部2は、取り付け金具7bと、前記取り付け金具の一方の面に固定され、且つ、回転軸を前記取り付け金具を貫通して他方の面に突出させた駆動部5と、前記駆動部によって回動される一方の先端部に複数の異なる厚さの基準片を取り付け、中間部を前記回転軸に取り付けたアーム6と、前記アームの他方の端部に取り付けた位置検出片6cと、前期位置検出片が通過する複数の位置検出センサ7aとから構成し、前記基準片を取り付けたアームを回動させることにより、前記基準片をX線ビームのビームセンターに位置させて、被測定板の厚さ校正を行うようにしたことを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基準板を使用して厚さ校正するX線厚さ計の基準板設定装置に係り、特に、小型化され、信頼性を高めたX線厚さ計の基準板設定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にX線厚さ計では、所定の板厚を有する基準板にX線ビームを照射して、ゼロ点、感度を予め校正し、温度ドリフトによる影響を除去して被測定物の厚さ測定を0.1%程度の高精度で行っている。
【0003】
また、X線厚さ計は主として鋼材などの圧延工場の圧延設備として設置され、その測定範囲は、0.1mm乃至10mmのものが多い。
【0004】
このような圧延工程で使用されるX線厚さ計の概略について図3を参照して説明する。同図は、被測定物14を圧延する圧延工程において、圧延ロール20間に設置されるX線厚さ計の一般的な設置状態を示し、同図(a)はX線厚さ計の側面図で、同図(b)はその正面図である。
【0005】
X線厚さ計は、被測定物14の下方からX線ビーム12を発生するX線発生器11と、被測定物14を透過したX線ビーム12を検出するX線検出器13と、基準片によって校正基準板厚を設定する基準板設定部15及びそれらを固定収納するC形フレーム19とから構成される。
【0006】
通常、C形フレーム19の上部腕部には軽量なX線検出器13を、下部腕部には比較的重量物となるX線発生器11と基準板設定部15を配置し、設置姿勢の安定化を図っている。また、高精度で測定するために、基準板設定部15による厚さ校正を10分程度のインタバルで高頻度に、かつ、被測定物14の測定板厚毎に細かく行っている。
【0007】
さらに、同図(b)に示すように、C形フレーム19の外形寸法は、圧延ロール19の設置条件を妨げない、コンパクトな形状とする必要がある。特に、被測定物14の圧延方向の幅W及び被測定物14の下面から設置面までの距離Hgは、圧延ロール20の設置に影響を与えないように、X線発生器11の外形寸法h1×w、基準板設定部15の外形寸法h2×wを小さく抑える構造としている。
【0008】
このような目的に使用される従来の基準板設定部15の例を、図4及び図5を参照して説明する。図4は基準板設定部15の平面図で、図5(a)は基準板駆動部15の斜視図である。
【0009】
図4において、基準板設定部15は基準板設定箱17の底面方向から、即ち、紙面と垂直な方向からX線ビーム12が照射され、基準板設定箱17の内部には、基準板駆動部16が8台、X線ビーム12の周囲を環状に囲む様に、所定の位置に配置されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0010】
図5(a)に示すように、この各基準板駆動部16は、ロータリソレノイド16aと、ロータリソレノイド16aによって回動軸支されるアーム16bと、アーム16bの一方の先端部に取り付けられた基準片16cとからなる。
【0011】
校正時には、8台の夫々の基準片16cの厚さを、測定範囲をカバーできる、例えば、夫々0.1mmから2.0mmの範囲で選定して、これらの基準片16cを複数枚組み合わせすることによって任意の校正基準板厚が設定される。
【0012】
この動作は、X線厚さ計の被測定物14の目標板厚が決まると、図示しない制御部から基準板設定部15に対して、基準板駆動部16の駆動が選択指示される。
【0013】
すると、選択された基準板駆動部16のロータリソレノイド16aが励磁され、アーム16bが回動することによって基準片16cがX線ビーム12のビームセンタに位置されることになる。そして、選択された各基準片16Cの組和された合計の板厚さが校正基準板厚として設定されることになる。そして、この校正基準板厚で校正が行われる。
【0014】
この基準版駆動部16の動作状態を図5(b)、図5(c)に示す。図5(b)は基準片16cが待機位置の状態、また図5(c)は設定位置、即ち、基準片16cがX線ビーム12の照射位置にある場合を示す。
【0015】
また、基準片16cをX線ビーム12のセンタに合わせる位置決めは、ロータリソレノイド16aが励磁されたとき、アーム16bの後端部の端面をストッパー18に押し付けて位置決めされる。
【0016】
近年、X線厚さ計は、非接触測定、高精度、高速応答であることから、従来フライングマイクロメータなど接触式厚さ測定を使用していた分野において適用されてきている。
【0017】
しかしながら、このような従来の基準板設定部15は、アーム16b毎に基準片16c1枚を設ける構造であるため、構造が複雑で、図5(b)で示した基準板設定部15の外形寸法、幅×高さ(w×h2)を小さくすることには適さない。
【0018】
また、基準片16cの駆動は、ロータリソレノイド16aを励磁してアーム16bの回動させ、機械的なストッパー18で位置決めするため、高速回転させるアーム16bに取り付けられた基準片16cが衝撃で破れたり、基準片がビームセンターに位置決めされるまでの整定時間がかかったりする欠点があった。逆に回転速度を遅くしようとすると、高速で校正することが出来なくなり所定の時間で校正が完了しなくなる問題がある。
【0019】
さらに、長期間使用するとストッパー18が磨耗し、位置決め精度も低下するする問題がある。
【0020】
【特許文献1】
特開昭56−145311号公報
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
従来のX線厚さ計の基準板設定装置は、基準片ごとにアームとアーム駆動源を設けているため小型化には不向きである。また、機械式のストッパーであるため衝撃が避けられず長期間の信頼性を確保する上でも不向きな構造であった。
【0022】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、小型化され、位置決め制御がされたX線厚さ計の基準板設定装置を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のX線厚さ計の基準板設定装置は、取り付けベース上に所定の位置に配置固定される複数の基準板駆動部を有し、前記基準板駆動部は、取り付け金具と、前記取り付け金具の一方の面に固定され、且つ、回転軸を前記取り付け金具を貫通して他方の面に突出させた駆動部と、
前記駆動部によって回動される一方の先端部に複数の異なる厚さの基準片を取り付け、中間部を前記回転軸に取り付けたアームと、前記アームの他方の端部に取り付けた位置検出片と、前期位置検出片が通過する複数の位置検出センサとから構成し、前記基準片を取り付けたアームを回動させることにより、前記基準片をX線ビームのビームセンターに位置させて、被測定板の厚さ校正を行うようにしたことを特徴とする。
【0024】
従って、本発明によれば、アームに異なる厚さの基準片を複数枚取り付け、X線ビームのビームセンタに基準片が位置するように位置決め制御されるので、コンパクトで、位置決め精度の再現性が良く、信頼性の高いX線厚さ計の基準板設定装置を提供することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図1乃至図2を参照して説明する。図1は、X線厚さ計の基準板設定装置の平面図で、図3で説明したX線厚さ計の基準板設定部15と同様な位置に設けられ、基準板駆動部2を4台によって、基準片を任意に組み合わせて校正基準板厚を設定する場合を示している。
【0026】
同図1において基準板設定装置は、基準板設定箱1と、この箱内低部に設けられ、基準板駆動部2を取り付ける取り付けベース3と、基準板設定箱1を透過するX線ビーム12を環状に取り囲むように取り付けベース3上の所定の位置に固定される4台の基準板駆動部2とから構成される。
【0027】
また基準板駆動部2は、4台をX線ビーム12のビームセンターに対して、対抗して、且つ対称に、取り付けベース2の所定の位置に固定される。そして、夫々L字形状のアーム6も1辺に並置して取り付けられている基準片6a、6bがアーム6の回転軸6dに対して同心円上に位置するように取り付けられて、後述する駆動部5によってアーム6が回動したとき夫々のアーム6の基準片6a、6bのいずれかがX線ビーム12のビームセンターに位置するように制御される。
【0028】
尚前記アーム6の回転軸6dは、アーム6の他辺中間部位に設けられている。
【0029】
次ぎに、基準板駆動部2の詳細について図2を参照して説明する。図2は基準板駆動部2の斜視図である。基準板駆動部2は、取り付け金具4、取り付け金具4に固定され、L字形状のアーム6を回動させる駆動部5及び回動するアーム6の回転位置を検出する位置検出部7とから構成される。
【0030】
アーム6の一方の端部である1辺には基準片6a、6bが、他方の1辺の端部には位置検出片6cが夫々取り付けられる。また、位置検出部7は、取り付け金具7bと、この金具7b上に位置検出センサ7aが3個、後述する所定の位置に固定されている。
【0031】
図2に示すように、アーム6と位置検出部7とは、階段形状の取り付け金具4と同一面側に配置され、位置検出センサ7aと位置検出片6cとは、アーム6が回転軸6を軸として回動したとき、アーム6に取り付けた位置検出基準片6cが回動して、位置検出センサ7aを通過し、また基準片6a、6bがX線ビーム12のビームセンターとなる回動位置及び基準片6a、6bがX線ビーム12の外に置かれる位置の3箇所の位置にあることを検出するように配置される。
【0032】
駆動部5は、例えば、パルスモータが使用され、位置検出センサ7aを光透過方式のホトセンサで構成しておけば、アーム6の回動位置は所定のパルス数で正確な位置決めが行え、この位置決めされた結果は、位置検出片6cがホトセンサの位置に在ることを検出することによって、その設定が完了したことを確認できる。
【0033】
このように構成しておけば、何らかの原因でアーム6の位置決めが出来なかった場合の位置設定の異常を検知できる。
【0034】
また、駆動部5のパルスモータは、取り付け金具4の後面から取り付け、その回転軸を取り付け金具4から貫通させてアーム6の回転軸6dとして軸支する。このアーム6の取り付け金具4の底面からの高さhは、4台の夫々の基準板駆動部2の基準片6a、6bが互いに接触しない程度の所定ギャップ量になるように、回転軸6dへの取り付け位置を予め調整しておく。
【0035】
次ぎに基準片6a、6bの設定について説明する。4台の基準板駆動部2は、測定板厚範囲をカバーできるように、例えば、0.1mmから2.0mm、の範囲で選定し、夫々を同一のアーム6上の基準片6a、6bとして所定の強度を確保できる接着剤によって付けておく。そして、この基準片6a、6bを1枚または複数枚、最大4枚を組み合わせて任意の校正基準板厚が設定される。
【0036】
この枚数は、X線厚さ計が適用される圧延工程の鋼の測定範囲においては、この枚数の組み合わせで要求される校正精度を充分満足することができる。
【0037】
次ぎに、本実施の形態の基準板厚設定装置の基準板駆動部2の設定動作について説明する。先ず、図示しないX線厚さ計の制御部から基準板設定装置の4台の基準板駆動部2に対して、校正基準板厚を設定するために、1枚もしくは複数枚の基準片6a、6bの組み合わせが選択される。
【0038】
すると、選択された基準板駆動部2の駆動部5は、夫々のパルスモータを予め定められたパルス数分回動させて、指定されたアーム6の基準片6aまたは6bをX線ビーム12のビームセンターに位置させる。このようにして複数枚の基準片6a、基準片6bの組み合わせによる合計の厚さが、校正基準板厚として設定されX線厚さ計の厚さが校正される。
【0039】
このように構成された結果、基準板厚設定装置の形状(w×h2)は、従来のアーム毎に基準片を取り付けた場合に比べ、部品点数が削減され、従来の形状に比べて大幅に小型化される。
【0040】
したがって、本実施の形態によれば、アーム6に2枚の基準片6a、6bをとりつけ、夫々のアーム6をパルスモータ等で制御して駆動させ、所定の基準片6aまたは6bを選択して、校正基準板厚を設定するようにしたので部品点数が削減された、コンパクトで、位置決め精度が良く、高い信頼性を備えたX線厚さ計の基準板板厚設定装置が提供できる。
【0041】
【発明の効果】
以上述べた様に本発明によれば、小型化され、位置決め制御がされた高い信頼性を備えたX線厚さ計の基準板設定装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の基準板設定装置の概略構成を示す平面図。
【図2】本発明の実施の形態の基準板駆動部の斜視図。
【図3】X線厚さ計の概略構成図。
【図4】従来のX線厚さ計の基準板設定装置の平面図。
【図5】従来のX線厚さ計の基準板駆動部の斜視図。
【符号の説明】
1 基準板設定箱
2 基準板駆動部
3 取り付けベース
4 取り付け金具
5 駆動部
6 アーム
6a、6b 基準片
6c 位置検出片
6d 回転軸
7 位置検出部
7a 位置検出センサ
7b 取り付け金具
11 X線発生器
12 X線ビーム
13 X線検出器
14 被測定物
15 基準板設定部
16 基準板駆動部
16a ロータリソレノイド
16b アーム
16c 基準片
17 基準板設定箱
18 ストッパー
【発明の属する技術分野】
本発明は、基準板を使用して厚さ校正するX線厚さ計の基準板設定装置に係り、特に、小型化され、信頼性を高めたX線厚さ計の基準板設定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にX線厚さ計では、所定の板厚を有する基準板にX線ビームを照射して、ゼロ点、感度を予め校正し、温度ドリフトによる影響を除去して被測定物の厚さ測定を0.1%程度の高精度で行っている。
【0003】
また、X線厚さ計は主として鋼材などの圧延工場の圧延設備として設置され、その測定範囲は、0.1mm乃至10mmのものが多い。
【0004】
このような圧延工程で使用されるX線厚さ計の概略について図3を参照して説明する。同図は、被測定物14を圧延する圧延工程において、圧延ロール20間に設置されるX線厚さ計の一般的な設置状態を示し、同図(a)はX線厚さ計の側面図で、同図(b)はその正面図である。
【0005】
X線厚さ計は、被測定物14の下方からX線ビーム12を発生するX線発生器11と、被測定物14を透過したX線ビーム12を検出するX線検出器13と、基準片によって校正基準板厚を設定する基準板設定部15及びそれらを固定収納するC形フレーム19とから構成される。
【0006】
通常、C形フレーム19の上部腕部には軽量なX線検出器13を、下部腕部には比較的重量物となるX線発生器11と基準板設定部15を配置し、設置姿勢の安定化を図っている。また、高精度で測定するために、基準板設定部15による厚さ校正を10分程度のインタバルで高頻度に、かつ、被測定物14の測定板厚毎に細かく行っている。
【0007】
さらに、同図(b)に示すように、C形フレーム19の外形寸法は、圧延ロール19の設置条件を妨げない、コンパクトな形状とする必要がある。特に、被測定物14の圧延方向の幅W及び被測定物14の下面から設置面までの距離Hgは、圧延ロール20の設置に影響を与えないように、X線発生器11の外形寸法h1×w、基準板設定部15の外形寸法h2×wを小さく抑える構造としている。
【0008】
このような目的に使用される従来の基準板設定部15の例を、図4及び図5を参照して説明する。図4は基準板設定部15の平面図で、図5(a)は基準板駆動部15の斜視図である。
【0009】
図4において、基準板設定部15は基準板設定箱17の底面方向から、即ち、紙面と垂直な方向からX線ビーム12が照射され、基準板設定箱17の内部には、基準板駆動部16が8台、X線ビーム12の周囲を環状に囲む様に、所定の位置に配置されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0010】
図5(a)に示すように、この各基準板駆動部16は、ロータリソレノイド16aと、ロータリソレノイド16aによって回動軸支されるアーム16bと、アーム16bの一方の先端部に取り付けられた基準片16cとからなる。
【0011】
校正時には、8台の夫々の基準片16cの厚さを、測定範囲をカバーできる、例えば、夫々0.1mmから2.0mmの範囲で選定して、これらの基準片16cを複数枚組み合わせすることによって任意の校正基準板厚が設定される。
【0012】
この動作は、X線厚さ計の被測定物14の目標板厚が決まると、図示しない制御部から基準板設定部15に対して、基準板駆動部16の駆動が選択指示される。
【0013】
すると、選択された基準板駆動部16のロータリソレノイド16aが励磁され、アーム16bが回動することによって基準片16cがX線ビーム12のビームセンタに位置されることになる。そして、選択された各基準片16Cの組和された合計の板厚さが校正基準板厚として設定されることになる。そして、この校正基準板厚で校正が行われる。
【0014】
この基準版駆動部16の動作状態を図5(b)、図5(c)に示す。図5(b)は基準片16cが待機位置の状態、また図5(c)は設定位置、即ち、基準片16cがX線ビーム12の照射位置にある場合を示す。
【0015】
また、基準片16cをX線ビーム12のセンタに合わせる位置決めは、ロータリソレノイド16aが励磁されたとき、アーム16bの後端部の端面をストッパー18に押し付けて位置決めされる。
【0016】
近年、X線厚さ計は、非接触測定、高精度、高速応答であることから、従来フライングマイクロメータなど接触式厚さ測定を使用していた分野において適用されてきている。
【0017】
しかしながら、このような従来の基準板設定部15は、アーム16b毎に基準片16c1枚を設ける構造であるため、構造が複雑で、図5(b)で示した基準板設定部15の外形寸法、幅×高さ(w×h2)を小さくすることには適さない。
【0018】
また、基準片16cの駆動は、ロータリソレノイド16aを励磁してアーム16bの回動させ、機械的なストッパー18で位置決めするため、高速回転させるアーム16bに取り付けられた基準片16cが衝撃で破れたり、基準片がビームセンターに位置決めされるまでの整定時間がかかったりする欠点があった。逆に回転速度を遅くしようとすると、高速で校正することが出来なくなり所定の時間で校正が完了しなくなる問題がある。
【0019】
さらに、長期間使用するとストッパー18が磨耗し、位置決め精度も低下するする問題がある。
【0020】
【特許文献1】
特開昭56−145311号公報
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
従来のX線厚さ計の基準板設定装置は、基準片ごとにアームとアーム駆動源を設けているため小型化には不向きである。また、機械式のストッパーであるため衝撃が避けられず長期間の信頼性を確保する上でも不向きな構造であった。
【0022】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、小型化され、位置決め制御がされたX線厚さ計の基準板設定装置を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のX線厚さ計の基準板設定装置は、取り付けベース上に所定の位置に配置固定される複数の基準板駆動部を有し、前記基準板駆動部は、取り付け金具と、前記取り付け金具の一方の面に固定され、且つ、回転軸を前記取り付け金具を貫通して他方の面に突出させた駆動部と、
前記駆動部によって回動される一方の先端部に複数の異なる厚さの基準片を取り付け、中間部を前記回転軸に取り付けたアームと、前記アームの他方の端部に取り付けた位置検出片と、前期位置検出片が通過する複数の位置検出センサとから構成し、前記基準片を取り付けたアームを回動させることにより、前記基準片をX線ビームのビームセンターに位置させて、被測定板の厚さ校正を行うようにしたことを特徴とする。
【0024】
従って、本発明によれば、アームに異なる厚さの基準片を複数枚取り付け、X線ビームのビームセンタに基準片が位置するように位置決め制御されるので、コンパクトで、位置決め精度の再現性が良く、信頼性の高いX線厚さ計の基準板設定装置を提供することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図1乃至図2を参照して説明する。図1は、X線厚さ計の基準板設定装置の平面図で、図3で説明したX線厚さ計の基準板設定部15と同様な位置に設けられ、基準板駆動部2を4台によって、基準片を任意に組み合わせて校正基準板厚を設定する場合を示している。
【0026】
同図1において基準板設定装置は、基準板設定箱1と、この箱内低部に設けられ、基準板駆動部2を取り付ける取り付けベース3と、基準板設定箱1を透過するX線ビーム12を環状に取り囲むように取り付けベース3上の所定の位置に固定される4台の基準板駆動部2とから構成される。
【0027】
また基準板駆動部2は、4台をX線ビーム12のビームセンターに対して、対抗して、且つ対称に、取り付けベース2の所定の位置に固定される。そして、夫々L字形状のアーム6も1辺に並置して取り付けられている基準片6a、6bがアーム6の回転軸6dに対して同心円上に位置するように取り付けられて、後述する駆動部5によってアーム6が回動したとき夫々のアーム6の基準片6a、6bのいずれかがX線ビーム12のビームセンターに位置するように制御される。
【0028】
尚前記アーム6の回転軸6dは、アーム6の他辺中間部位に設けられている。
【0029】
次ぎに、基準板駆動部2の詳細について図2を参照して説明する。図2は基準板駆動部2の斜視図である。基準板駆動部2は、取り付け金具4、取り付け金具4に固定され、L字形状のアーム6を回動させる駆動部5及び回動するアーム6の回転位置を検出する位置検出部7とから構成される。
【0030】
アーム6の一方の端部である1辺には基準片6a、6bが、他方の1辺の端部には位置検出片6cが夫々取り付けられる。また、位置検出部7は、取り付け金具7bと、この金具7b上に位置検出センサ7aが3個、後述する所定の位置に固定されている。
【0031】
図2に示すように、アーム6と位置検出部7とは、階段形状の取り付け金具4と同一面側に配置され、位置検出センサ7aと位置検出片6cとは、アーム6が回転軸6を軸として回動したとき、アーム6に取り付けた位置検出基準片6cが回動して、位置検出センサ7aを通過し、また基準片6a、6bがX線ビーム12のビームセンターとなる回動位置及び基準片6a、6bがX線ビーム12の外に置かれる位置の3箇所の位置にあることを検出するように配置される。
【0032】
駆動部5は、例えば、パルスモータが使用され、位置検出センサ7aを光透過方式のホトセンサで構成しておけば、アーム6の回動位置は所定のパルス数で正確な位置決めが行え、この位置決めされた結果は、位置検出片6cがホトセンサの位置に在ることを検出することによって、その設定が完了したことを確認できる。
【0033】
このように構成しておけば、何らかの原因でアーム6の位置決めが出来なかった場合の位置設定の異常を検知できる。
【0034】
また、駆動部5のパルスモータは、取り付け金具4の後面から取り付け、その回転軸を取り付け金具4から貫通させてアーム6の回転軸6dとして軸支する。このアーム6の取り付け金具4の底面からの高さhは、4台の夫々の基準板駆動部2の基準片6a、6bが互いに接触しない程度の所定ギャップ量になるように、回転軸6dへの取り付け位置を予め調整しておく。
【0035】
次ぎに基準片6a、6bの設定について説明する。4台の基準板駆動部2は、測定板厚範囲をカバーできるように、例えば、0.1mmから2.0mm、の範囲で選定し、夫々を同一のアーム6上の基準片6a、6bとして所定の強度を確保できる接着剤によって付けておく。そして、この基準片6a、6bを1枚または複数枚、最大4枚を組み合わせて任意の校正基準板厚が設定される。
【0036】
この枚数は、X線厚さ計が適用される圧延工程の鋼の測定範囲においては、この枚数の組み合わせで要求される校正精度を充分満足することができる。
【0037】
次ぎに、本実施の形態の基準板厚設定装置の基準板駆動部2の設定動作について説明する。先ず、図示しないX線厚さ計の制御部から基準板設定装置の4台の基準板駆動部2に対して、校正基準板厚を設定するために、1枚もしくは複数枚の基準片6a、6bの組み合わせが選択される。
【0038】
すると、選択された基準板駆動部2の駆動部5は、夫々のパルスモータを予め定められたパルス数分回動させて、指定されたアーム6の基準片6aまたは6bをX線ビーム12のビームセンターに位置させる。このようにして複数枚の基準片6a、基準片6bの組み合わせによる合計の厚さが、校正基準板厚として設定されX線厚さ計の厚さが校正される。
【0039】
このように構成された結果、基準板厚設定装置の形状(w×h2)は、従来のアーム毎に基準片を取り付けた場合に比べ、部品点数が削減され、従来の形状に比べて大幅に小型化される。
【0040】
したがって、本実施の形態によれば、アーム6に2枚の基準片6a、6bをとりつけ、夫々のアーム6をパルスモータ等で制御して駆動させ、所定の基準片6aまたは6bを選択して、校正基準板厚を設定するようにしたので部品点数が削減された、コンパクトで、位置決め精度が良く、高い信頼性を備えたX線厚さ計の基準板板厚設定装置が提供できる。
【0041】
【発明の効果】
以上述べた様に本発明によれば、小型化され、位置決め制御がされた高い信頼性を備えたX線厚さ計の基準板設定装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の基準板設定装置の概略構成を示す平面図。
【図2】本発明の実施の形態の基準板駆動部の斜視図。
【図3】X線厚さ計の概略構成図。
【図4】従来のX線厚さ計の基準板設定装置の平面図。
【図5】従来のX線厚さ計の基準板駆動部の斜視図。
【符号の説明】
1 基準板設定箱
2 基準板駆動部
3 取り付けベース
4 取り付け金具
5 駆動部
6 アーム
6a、6b 基準片
6c 位置検出片
6d 回転軸
7 位置検出部
7a 位置検出センサ
7b 取り付け金具
11 X線発生器
12 X線ビーム
13 X線検出器
14 被測定物
15 基準板設定部
16 基準板駆動部
16a ロータリソレノイド
16b アーム
16c 基準片
17 基準板設定箱
18 ストッパー
Claims (3)
- 取り付けベース上に所定の位置に配置固定される複数の基準板駆動部を有し、前記基準板駆動部は、
取り付け金具と、
前記取り付け金具の一方の面に固定され、且つ、回転軸を前記取り付け金具を貫通して他方の面に突出させた駆動部と、
前記駆動部によって回動される一方の先端部に複数の異なる厚さの基準片を取り付け、中間部を前記回転軸に取り付けたアームと、
前記アームの他方の端部に取り付けた位置検出片と、
前記位置検出片が通過する複数の位置検出センサとから構成し、
前記基準片を取り付けたアームを回動させることにより、前記基準片をX線ビームのビームセンターに位置させて、被測定板の厚さ校正を行うようにしたことを特徴とするX線厚さ計の基準板設定装置。 - 複数台の前記基準板駆動部は、前記X線ビームのビームセンターに対して対向して、対称に配置したことを特徴とする請求項1に記載のX線厚さ計の基準板設定装置。
- 複数台の前記基準板駆動部は、厚さ基準を設定する場合、互いに前記アームが逆方向に回動するものを1対として、前記X線ビームのビームセンターに対して対称に配置したことを特徴とする請求項1に記載のX線厚さ計の基準板設定装置。
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2003
- 2003-06-24 JP JP2003179767A patent/JP2005017028A/ja active Pending
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