JP2005016922A - 真空平板式太陽熱収集装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】集熱板4と柱8との隙間12、及び集熱板4と筐体2との隙間13を、熱伝導度の低い金属薄膜、或いは金属薄膜を表面に付着させた熱絶縁物で作られた遮断材14、15で塞ぎ、2次放射を反射させて、隙間12、13を通過する放射を遮断して効率を上げる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は真空平板式太陽熱収集装置、特にその放射損失を減らす技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開平11−14162号公報
【非特許文献1】書名:伝熱概論、著者:甲藤 好郎、発行:株式会社養賢堂 1990年7月20日第29版 P.385〜386
従来、特許文献1に示されるように、本発明者によって真空式の平板式太陽熱収集装置が提案されている。この真空平板式太陽熱収集装置においては、筐体の内部を真空にし、集熱板の裏面に反射膜を形成して、集熱板の裏面からの熱損失を減らしていた。
一方、非特許文献1は、空洞放射について解説している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、高真空式になると伝導伝熱に対して高真空自体が高い熱絶縁性を持っているから、高真空特有の、次に述べるような問題が発生するので、これらの問題の発生を抑止することが課題となる。
【0004】
真空太陽熱収集装置では、窓ガラスに掛かる大気圧を分散して受けるために、多数の柱を立てるが、集熱板の温度が上がると、温度の上がらない筺体との間で膨張率の差から寸法差が発生して、柱と集熱板とが接触する可能性が出てくる。柱と集熱板とが接触するとそこから伝導伝熱によって熱が逃げて太陽熱収集装置の効率が下がったり、柱或いは集熱板が破壊する危険もある。
筺体と集熱板との間にも同じことがあり、集熱板の温度が上がって膨張すると、集熱板が筺体の内周に触る可能性が出てくる。
【0005】
そのため、集熱板が温度上昇によって膨張しても、集熱板が柱や筺体の内周に接触しないように、窓ガラスを支える柱と集熱板との間及び筺体と集熱板との間に十分な隙間を作って置かければならない。
しかしそうすると、暖められた集熱板の裏面から発生する2次放射の赤外線がその隙間を通して外部に放射するかたちで、放射伝熱による損失、所謂放射漏れが発生する。同じように集熱板と筺体との間の隙間からも放射漏れによる損失が発生する。
【0006】
この放射漏れは、集熱板裏面の面積に比して隙間の面積が格段に小さいために所謂空洞放射という形の放射によって行われるので隙間における放射率は高く、狭い面積の隙間から外部に多くの放射漏れが起こる。
【0007】
【課題を解決するための手段】
暖められた集熱板から放射される2次放射の赤外線が集熱板と柱との間、及び集熱板と筺体との間にできる隙間を通って外部に漏れる放射損失を減らすために、本発明は、真空平板式太陽熱収集装置において、集熱板と柱との間の隙間を第1の赤外線遮断手段で塞ぎ、集熱板と筐体との間の隙間を第2の赤外線遮断手段で塞いだものである。
【0008】
例えば、柱と集熱板との間の隙間を通る赤外線を遮断する手段としては、隙間を埋めるに十分な大きさをもち、且つ金属の柱に入れられる柱とほぼ同じ直径の穴をもつ板状の部材で作った遮断材を柱に入れ、その遮断材を柱と集熱板との隙間の所で集熱板に接するようにして、隙間を埋める。
遮断材を集熱板に接するようにするには、集熱板の上部に遮断材を置いて、重力によって遮断材が集熱板に接するようにするか、集熱板の下部からスプリングによって遮断材を押し上げて集熱板に接するようにする。
集熱板の外周の縁と筺体の垂直壁との間に生ずる隙間にも、例えば筺体の内周とほぼ同じ外径を持ち、集熱板の外径より小さい内径をもつ板状の部材で作った遮断材を用いて、隙間の所で集熱板に接するようにして、隙間を埋める。
集熱板に接するようにするには、例えば集熱板の上部に遮断材を置いて、重力によって遮断材が集熱板に接するようにするか、集熱板の下部からスプリングによって遮断材を押し上げて集熱板に接するようにする。
【0009】
この板状の部材には、赤外線を反射する金属の薄板、或いは赤外線を吸収するガラス、陶磁器、セラミック、プラスチックのような熱絶縁物で、吸着ガスの少ない材料を用いた薄板を用いる。
隙間を通る赤外線を遮断する部材に、ガラスのように赤外線放射率の高い材料を用いた場合には、更に放射損失を減らすために、遮断部材の表面に赤外線の放射率の低い金属の膜を蒸着やメッキ等の技術を使って付着させる。
プラスチックのように、吸着ガスの多い部材を用いるときは、その表面に金属をやや厚く付着させて、吸着ガスの放出を防止する。
【0010】
更に他の手段は、筺体の内周に、ガラス又は陶磁器等の熱伝導率の小さい材料で作った、集熱板の円筒状の支持体を作ってその上に集熱板を乗せる。この支持体の表面には金属の薄膜を付けて赤外線を反射するようにする。
【0011】
なお、集熱板の裏面から筺体底部に放射されて失われる放射損失を防ぐには、集熱板の裏面と筺体底部に真空蒸着によって金属薄膜を付着させて、金属薄膜の持つ赤外線領域での高反射率(低放射率)を利用して放射損失を減らす。
ガラスや筺体の吸着ガスが長い間に滲み出て、筺体内の真空が崩れるのを防ぐために、これらのガスを吸着して、長年月に亙って真空を維持できるように、集熱板の裏面と筺体の底面或いはその一部にガスを吸着するゲッター材を付ける。
集熱板の裏面から筺体底部に放射されて失われる放射損失を防ぐのと、ガラスや筺体から滲み出る吸着ガスによって、筺体内の真空が崩れるのを防ぐのとを、同時に達成するために、赤外線の放射率が低く、且つゲッター作用を持つ金属材料例えばアルミニウムを用いて、集熱板の裏面と筺体底部に真空蒸着によってアルミニウムの薄膜を付着させて、アルミニウム薄膜の持つ赤外線領域での高反射率を利用して放射損失を減らすと共に窓ガラスや筺体等から滲み出るガスの吸着も行うようにする。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1に本発明の実施の形態の一例を示し、(a)は柱の部分を断面にした平断面図、(b)は側断面図である。
図1において、1は高真空平板式太陽熱収集装置、2は筺体、3は窓ガラス、4は集熱板、5は集熱パイプ、6は熱媒体の入口の入力端子、7は熱の出口の出力端子、8は窓ガラスを支える柱、9は柱8の外側に挿入する管、10は管9の外側に挿入する管、11は集熱板4に開けられた柱8を通す穴、12は柱8と穴11の部分の集熱板4との間に生ずる隙間、13は集熱板4の周縁と筺体1の垂直壁との間に生ずる隙間、14は隙間12を塞ぐための第1の赤外線遮断手段である遮断材、15は隙間13を塞ぐための第2の赤外線遮断手段である遮断材、16は遮断材14を集熱板4に押し付けるスプリング、17は遮断材15を集熱板4に押し付けるスプリングである。
【0013】
高真空平板式太陽熱収集装置1は、筺体2内を0.1パスカル以下程度の高真空に保つようにする。この程度の高真空になると、所謂超絶縁現象が起こるので、極く小さい隙間でも、隙間の大きさに関係なく良好な熱絶縁が得られる。従ってこのような環境下では、集熱板4から熱伝導によって熱損失が起こらないようにすることは比較的容易であって、集熱板4が直接筺体2や柱8のような熱の良導体に接しないようにすれば良い。
【0014】
その為に窓ガラス3を支える金属製の柱8が集熱板4を貫通するための穴11は、集熱板4が金属製の柱8に出来るだけ接触しないように工夫してあける。例えば穴11の直径を柱8の直径より大きくして置く。こうして熱伝導による熱損失を防ぐことが出来る。
【0015】
穴11をあけるときに最も注意しなければならないことは、太陽熱で集熱板4の温度が上がった時に集熱板4が膨張するということである。高真空式の太陽熱収集装置の集熱板4の温度は何らかの事情で空焚きになったときには400℃程度にもなるが、一方筺体2は大体気温に近い温度を保っているので、集熱板4の熱膨張によって両者の間に数mm以上のかなりの寸法差が生ずる。この膨張によって装置の破壊が起こらないようにする。そのため隙間12も隙間13も数mm以上の大きさを持たせる。
【0016】
熱膨張の影響を減らす合理的方法は集熱板4の中央に位置する穴を筐体の中央に固定することである。換言すれば集熱板4の中央の穴を円形にして柱8との間にガタを設けないということである。この場合、柱8と集熱板4とが直接接触しないように、柱8と中央の穴11との間の隙間に熱伝導度の小さい材料で作った管、例えばガラス管9を挿入する。
このように集熱板4の中心に固定穴を設けると、集熱板4の温度上昇によって、柱8と穴11との間に生ずる隙間12の大きさは集熱板4の温度上昇による膨張量の半分になる。
また集熱板4が中央の穴を中心として回転して、金属製の柱8に接触しないように、周辺にある穴11の1つを利用して集熱板4が回転しないようにする。
この場合も中央の穴の場合と同じように円形の穴とし、この穴と柱8との間の隙間に、円周方向のガタが生じないように、ガラス管9を挿入する。
図1(a)に示したように、中央の穴11は円形であるが、周辺に行くに従って、中心から放射状に楕円形状に変形して行く。図1(a)は常温のときの柱8と穴11との相互関係を示している。
このように周辺に行くに従って楕円形にする理由は、中央の穴11は柱8に固定されており、且つ回転運動は抑制されているので、膨張は放射状に起こるからである。
【0017】
以上のような考慮のもとに、穴11をあけて置くと、集熱板4が熱膨張によって柱8或いは筺体2に接触して、熱伝導によって、熱損失を生ずることはなくなるが、一方こうすることによって、集熱板4と金属柱8との間に隙間12を生じ、また集熱板4と筺体2との間に隙間13を生ずる。
そうすると、その隙間12と隙間13を通して集熱板4の裏からの2次放射の赤外線が集熱板4の上部に漏れて窓ガラス3に吸収され放射損失を招くことになる。
【0018】
集熱板4の裏面の面積はこれらの隙間12と隙間13の合計面積より遥かに広いので、これらの隙間12と隙間13とから漏れる放射は所謂空洞放射になって、その隙間12等の放射率は集熱板4の裏面からの放射率よりずっと高くなり、黒体の放射率に近付く。そのため隙間12と隙間13との面積は小さくても、隙間12と隙間13を通して外部に漏れる赤外線の量は大きく、低損失を目的とした、高真空式太陽熱収集装置にとっては、無視出来ない値になる。
【0019】
従って放射漏れを減らして効率の高い太陽熱収集装置を作るには、隙間12と隙間13を赤外線を透過しない材料で作った遮断材で塞ぐことが大変重要である。しかも隙間を塞ぐことによって、新たに伝熱損失を生ずることのないような、或いは殆ど生じないような遮断材で塞ぐ必要がある。
柱8と集熱板2との間の隙間12を通る赤外線を遮断する手段としては、隙間12を埋めるに十分な直径をもち、且つ柱8に挿入できるように、柱8とほぼ同じで少し大きい直径の穴をもつ板状の遮断材14を柱8に挿入し、隙間12にスプリングによって押し付けて隙間12を塞ぐ。
【0020】
集熱板4の外周の縁と筺体2との間に生ずる隙間にも、筺体2の内周とほぼ同じ外径を持ち、集熱板4の外径より小さい内径をもつ板状の遮断材15を用いて、それを隙間13にスプリング等によって押し付けて隙間13を埋める。
遮断材14、15を集熱板4の上部に置くと、遮断材14、15はその自重によって、集熱板4に接するようになり、隙間12、13を塞ぐことができる。
この板状の部材には、赤外線を反射する金属の薄板、或いは赤外線を吸収するガラス、陶磁器、セラミックのような熱絶縁物で、吸着ガスの少ない材料を用いる。
【0021】
遮断材14の内周を柱8の外周よりやや大きくしておく理由は、遮断材14が柱8に密着してその間の熱伝導が良くなって、太陽熱が遮断材14を伝わって、柱8に流れて損失を招くことを防ぐように、その間に少しの隙間を作っておくためである。前述したように、筺体2内は超絶縁現象が起こる程度に高い真空度になっているから、0.1mm程度の僅かの隙間でも熱の流れを遮断できるので、このような方法を採るのである。
【0022】
遮断材14の材料である熱絶縁物は一般的に赤外線の良好な放射体であるから、隙間12で赤外線を遮断するのには好適で、遮断によって放射漏れは防げるが、それ自身の放射によってある程度の放射損失は残る。それを防ぐために、その表面に、メッキや蒸着によって、赤外線の放射の少ない金属薄膜を付けておく。
そうすると、隙間12の遮断効果もあり、それ自身による放射損失も殆ど無くなり、放射損失は更に少なくなる。
【0023】
遮断材14、15の具体例としては、ステンレススチールのように熱伝導率の小さい金属材料で作った厚さが10ミクロン以下位の薄板、或いはガラス、陶磁器等の熱絶縁材料で作った、厚さが数mmの板が挙げられる。或いはポリイミドのような高熱に堪えるプラスチックの薄板の表面に、赤外線の放射を良くし、且つ吸着ガスの放出を抑制するために、金属の薄膜を付着させた薄板等が挙げられる。
遮断材14は柱8によって、筺体2との相対位置を固定されている。
従って、集熱板4が熱膨張して穴11が筺体2との相対位置を変えると、遮断材14は集熱器4と接触しながらずれて、隙間12との相対位置も変わる。そのため遮断材14には、隙間12が集熱板4の熱膨張によってその位置を変えても、隙間12を完全に塞げるだけの大きさを持たせて置く。
【0024】
そうすると、集熱板4の温度が変動して隙間12の位置が変動しても、常に隙間12は遮断材14で塞がれたままで、隙間12から2次放射の赤外線が外部に漏れることはない。
遮断材15は隙間13を埋めるために用いられる。図1の遮断材15は遮断材14と同じ観点から、ステンレススチール等で作った金属薄板、或いは熱絶縁物を用いて作られている。
【0025】
遮断材15はリング状の支持体に取り付けられており、その支持体はスプリングによって集熱板4に押し付けられている。そのため遮断材15は摺動可能な状態で、集熱板4に押し付けられている。
遮断材15はリング状の形状をしており、その外周は筺体2の内周とほぼ同じで、その内周は集熱板4が低温度で最も小さくなったときの外周より更に数mm以上小さく作られている。そのため集熱板4が熱で変形しても遮断材15は集熱板4と摺動しながら、常に隙間13を塞いでいる。
実験では、0.01パスカル程度の真空度で、隙間14、15を塞ぐことにより放射漏れを防ぐと、太陽熱入力があるときの集熱板4の飽和温度が25〜30%位上昇する。
【0026】
図2は隙間13を塞ぐ第2の赤外線遮断手段である他の遮断材を示し、(a)は一部を切り欠いた平面図、(b)は一部を切り欠いた側断面図である。
(a)で21は集熱板4をその周辺部で支える円筒状の遮断材、(b)で22はリング状の遮断材、23は遮断材の支持手段である。
遮断材21は耐熱性のある熱絶縁物、例えばガラス或いは陶磁器のような材料で作られ、その外径は筺体2の内径にほぼ等しく、内径は集熱板4の常温時の外径より更に小さく作られている。
【0027】
遮断材21の上部の端面は図示したように外部から内部に傾斜している。これは遮断材21と集熱板4との接触を面接触にせず、線接触にして熱損失を減らすためである。この傾斜は内部から外部に向かって傾斜しているようにしても同じ効果を発揮する。
【0028】
遮断材21の外周は筺体2の内周に接しており、遮断材21の内周は集熱板4が低温度になった時の外周より小さく作られているから、集熱板4と筺体2との間の隙間13は遮断材21によって常に塞がれ、遮断材21によって隙間13を通って外部に逃げる放射は常に遮断される。
なお上部端面は水平であっても、多少伝導伝熱による損失は増えるが、遮断効果は同じである。
遮断材21の表面には、金属箔を付けて放射伝熱による損失を減らすようにする。
遮断材21は集熱板4を水平に支える役目もする長所がある。
【0029】
図3は隙間13を塞ぐ第2の赤外線遮断手段である更に他の遮断材を示し、(a)は一部を切り欠いた平面図、(b)は一部を切り欠いた側断面図である。
遮断材22は薄い板状にしてそれを筺体2の垂直壁に付けた支持物23によって支持するようにしても良いし、図2に示したように筐体2の底面にまで達する長さの円筒状にしても良い。
遮断材22と支持物23とは、遮断材21と同じ効果をもたらす。
【0030】
集熱板4からの放射損失には、上述の隙間12と13からの損失だけではなく、集熱板4の表裏両面から直接放射される損失もある。その損失の防止手段については特許文献1にも記載されているので簡単に述べる。
集熱板4の太陽光に面している表面からの2次放射は、表面に付けられている選択吸収膜の性能によって定められるので、本発明とは関係のないことであるのでここでは論じない。
【0031】
集熱板4の裏面から放射される2次放射による損失の低減方法の良否は真空式太陽熱収集装置の性能を決める大切な要素のひとつである。
集熱板4は金属で作られているから、集熱板4の裏面からの放射率は、金属の種類や面の状況、波長等によって異なるが、太陽熱収集装置で扱う温度範囲(30℃〜150℃)での2次放射の波長(5〜15ミクロン)では放射率は多くの金属でほぼ同じように小さくなる。特に真空蒸着して作った面の放射率は小さく、研磨面やスパッタリングで作った面より小さくて、0.15〜0.25程度である(理科年表の金属面の分光反射率の項参照)。
【0032】
それゆえ、暖められた集熱板4の裏面から放射される、2次放射の赤外線による損失を減らすには、集熱板4の裏面とこれに対向する筺体2の底面、及び窓ガラス3を支える柱8等の表面に、金、銀、銅、アルミニウム等の金属の薄膜を付けて、これらの薄膜の持つ赤外線に対する高い反射率(低い放射率)を利用して放射を抑制する。これらの金属は何れも高い反射率を持っているが、銅が性能も良くて安価で適している。
【0033】
筺体2や集熱板4等の吸着ガスが筺体4内に滲みでることによる悪影響は、製造工程の中のベーキング工程によって殆ど無くされているが、なお集熱板4の裏面と筺体2の底面の一部にゲッター材を付けて置くと、長期の真空の維持に役立つ。
集熱板4の裏面と筺体2の底面からの赤外線の放射を減らすための金属と、ゲッター材とを同じ金属で兼用することもできる。
そのために上述の赤外線に対する良好な反射率を持つ多くの金属の中からアルミニウムを選んで使用する。
【0034】
多くの金属の中からアルミニウムを選ぶ理由は、アルミニウムはガスを吸着するゲッター材でもあるからである。
即ち蒸着薄膜を形成する金属にアルミニウムを使用し、アルミニウムの持つ遠赤外線領域での高反射率を利用して放射損失を減らし、アルミニウムの持つ、ガスを吸着するゲッター機能を利用して、窓ガラス3と筺体2の金属から滲み出てくるガスを吸着して、長年月に亙って筺体内の高真空度を維持するのである。
【0035】
本発明の太陽熱収集装置は高真空を長期に亙って維持するために、その製造工程の中に、筺体2や窓ガラス3等の吸着ガスを追い出すための、高真空、高温度中での長時間のベーキング工程が組まれている。
その工程での真空度は、0.001パスカル位に保たれているから、その工程中にアルミニウムの真空蒸着を集熱板4の裏面とそれに対向する筺体2の底面に対して行う。
【0036】
太陽熱収集装置製造の工程で、ベーキングを実施するときには、筺体2内に柱8も立てられており、集熱板4も隙間12、13を塞ぐための遮断材14等も設置されているので、真空蒸着装置を集熱板4と筺体2の底板との間に置いて真空蒸着を行うと、これらの部材全てにアルミニウムの真空蒸着が行われるので、太陽熱収集装置の効率向上に大変役立つ。
また隙間12、13も塞がれているので、窓ガラス3にアルミニウムが蒸着することもない。
【0037】
【発明の効果】
本発明によると、隙間を塞ぐことで真空式太陽熱収集装置の集熱板の熱絶縁が非常に良くなり、熱損失が極端に少なくなるので、寒帯から熱帯までの広い範囲で周囲温度の影響を殆ど受けずに、太陽熱を効率よく利用できるため、家庭用から、工業用、農業用等の広い分野で使われて、炭酸ガスを発生せずに大量の熱が得られ、エネルギー供給と環境改善の両方の点で多大の貢献ができて、その効用は甚大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す図である。
【図2】遮断材の他の例を示す図である。
【図3】遮断材の更に他の例を示す図である。
【符号の説明】
2 筐体
3 窓ガラス
4 集熱板
8 柱
11 穴
12、13 隙間
14、15、21、22 遮断材
Claims (9)
- 窓ガラスと、筺体と、前記筐体内に配置された集熱板と、前記窓ガラスと筺体の底面との間で大気圧を支えるための複数の柱とを備えた真空平板式太陽熱収集装置において、
前記集熱板と柱との間の隙間を塞ぐ第1の赤外線遮断手段と、前記集熱板と筐体との間の隙間を塞ぐ第2の赤外線遮断手段とを備えたことを特徴とする真空平板式太陽熱収集装置。 - 前記第1及び第2の赤外線遮断手段のうち少なくとも第1の赤外線遮断手段として、金属薄板を用いたことを特徴とする請求項1記載の真空平板式太陽熱収集装置。
- 前記第1及び第2の赤外線遮断手段のうち少なくとも第1の赤外線遮断手段として、熱絶縁物を用いたことを特徴とする請求項1記載の真空平板式太陽熱収集装置。
- 前記熱絶縁物の表面に赤外線の反射率の大きい金属の薄膜を付けたことを特徴とする請求項3記載の真空平板式太陽熱収集装置。
- 前記第2の赤外線遮断手段が、熱絶縁物で円筒状に形成され、前記集熱板の周辺部を支持する遮断材であることを特徴とする請求項1記載の真空平板式太陽熱収集装置。
- 前記遮断材の表面に金属薄膜を付けたことを特徴とする請求項5記載の真空平板式太陽熱収集装置。
- 前記第2の赤外線遮断手段が、薄板状に形成された遮断材と、前記遮断材を支える円筒状の支持体又は前記筐体に取り付けた支持物とから成り、前記集熱板の周辺部を支持することを特徴とする請求項1記載の真空平板式太陽熱収集装置。
- 前記第1の赤外線遮断手段として金属薄板を用い、前記第2の赤外線遮断手段が表面に金属薄膜を付けた熱絶縁物で円筒状に形成され、前記集熱板の周辺部を支持する遮断材であることを特徴とする請求項1記載の真空平板式太陽熱収集装置。
- 前記集熱板の裏面とそれに対向する筺体の底面にアルミニウムの薄膜を蒸着して、アルミニウムの持つ遠赤外線領域での高反射率と、高真空を保つゲッター作用を利用することを特徴とする請求項1記載の真空平板式太陽熱収集装置。
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---|---|---|---|---|
JP2008170138A (ja) * | 2007-01-15 | 2008-07-24 | Kokusai Gijutsu Kaihatsu Co Ltd | 真空太陽熱収集装置及び真空太陽熱収集システム |
CN1952320B (zh) * | 2005-10-17 | 2010-06-23 | 日本铁板株式会社 | 光伏发电外围结构 |
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JP2008170138A (ja) * | 2007-01-15 | 2008-07-24 | Kokusai Gijutsu Kaihatsu Co Ltd | 真空太陽熱収集装置及び真空太陽熱収集システム |
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JP4110403B2 (ja) | 2008-07-02 |
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