JP2005016689A - 摩擦伝動装置 - Google Patents

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JP2005016689A
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Kensaku Nakamura
賢作 中村
Kyosuke Yamanaka
亨介 山中
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Koyo Seiko Co Ltd
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Koyo Seiko Co Ltd
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Abstract

【課題】駆動ローラと従動ローラとの間での摩擦による駆動回転体から従動回転体への回転伝動を、長期に亘って、高効率であり、しかも良好な応答性を有して実現うる。
【解決手段】駆動回転体を第1軸41と第2軸42とに分離構成し、第2軸42の端面にカム面62を設け、このカム面62に転接するカムボール62,62…を、第1軸41の端面に設けた保持溝64,64…に保持させる。この状態で駆動回転体が回転すると、第1軸41と第2軸42とが周方向に相対回転し、カムボール62,62…がカム面61上を転動し、第1軸41と第2軸42とに軸長方向の離反力を加えて、第1軸41の先端に設けられた駆動ローラを従動ローラに押し付ける。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、駆動回転体から従動回転体への回転の伝動を、両回転体と連動回転する駆動ローラと従動ローラとの間の摩擦により行わせる構成とした摩擦伝動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
モータ等の回転駆動源からの伝動による駆動回転体の回転を従動回転体に伝えるための伝動装置として、歯車伝動装置、ベルト伝動装置と共に、摩擦伝動装置が用いられている。この摩擦伝動装置は、駆動回転体と連動回転する駆動ローラを、従動回転体と連動回転する従動ローラに転接させ、この転接部における摩擦を利用して駆動回転体から従動回転体への伝動を行わせる構成となっており、歯車伝動装置と比較して伝動音が小さいという利点を有し、またベルト伝動装置と比較してコンパクトに構成し得るという利点を有しており、これらの利点を生かすべく、静粛な動作が要求され、しかも配設スペースが限定される用途への適用が進められている。
【0003】
このような摩擦伝動装置の用途として、例えば、車両の舵取機構に操舵補助用のモータを付設し、操舵部材の操作(一般的にはステアリングホイールの回転操作)に応じて駆動制御される前記モータの回転力を舵取機構に伝えて、操舵部材から舵取機構への機械的な伝動によりなされる操舵を補助する構成とした電動パワーステアリング装置がある。摩擦伝動装置は、前記モータからの伝動により回転する駆動回転体から、舵取機構中の従動回転体への伝動手段として用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−286279号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、以上の如く構成された摩擦伝動装置においては、駆動ローラと従動ローラとの転接部における滑りの発生が避け難く、応答性の悪化を招来し、前述した電動パワーステアリング装置への適用例においては、良好な操舵感が得られなくなるという問題がある。
【0006】
この問題は、駆動ローラと従動ローラとの転接部に十分な予圧を付与して組み付けを行い、滑りの発生を抑制することにより解消されるが、駆動ローラ及び従動ローラの高精度の位置調整が必要であり、組立て工数が増す上、駆動ローラを備える駆動回転体及び従動ローラを備える従動回転体の支持部に前記予圧の反力が加わり、これらの支持部における負荷の定常的な増加により伝動効率の低下を招来するという新たな問題が発生し、前述した電動パワーステアリング装置への適用例においては、操舵補助用のモータから舵取機構に加えられる操舵補助力が不足し、所望の操舵感が得られなくなる虞れがある。
【0007】
更に、組み付け後に駆動ローラと従動ローラとの位置関係が変化しないことから、両ローラの転接部における経時的な摩耗の進行により、初期に設定された予圧下での伝動状態を維持し得なくなり、駆動ローラ及び従動ローラの滑りに起因する前述した問題を長期に亘って解消することは困難である。
【0008】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、駆動回転体から従動回転体への伝動を、十分な押し付け下にて転接する駆動ローラと従動ローラとの間での摩擦により長期に亘って安定して実現することができ、また支持部の負荷の増大による伝動効率の低下をも防止して、高効率であり、しかも応答性の良好な伝動状態を実現する摩擦伝動装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1発明に係る摩擦伝動装置は、駆動回転体と連動回転する駆動ローラと、該駆動ローラに転接し、従動回転体と連動回転する従動ローラとを備え、駆動源からの伝動による前記駆動回転体の回転を、前記駆動ローラと前記従動ローラとの転接部での摩擦により前記従動回転体に伝える摩擦伝動装置において、前記駆動回転体又は従動回転体を、前記駆動ローラ又は従動ローラを含む第1部材と前記駆動ローラ又は従動ローラを含まない第2部材とに分離構成し、前記第1部材と前記第2部材との対向部間に、両部材の周方向の相対回転に応じて軸長方向の離反力を加えるカム手段を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明においては、駆動回転体又は従動回転体が回転した場合、この回転体を構成する第1部材と第2部材との間のカム手段が動作し、両部材に軸長方向の離反力を加え、第1部材に含まれる駆動ローラ又は従動ローラが、従動ローラ又は駆動ローラに押し付けられて滑りのない確実な回転伝動がなされる。カム手段による押し付け力は、駆動回転体又は従動回転体の回転力に対応し、駆動回転体又は従動回転体の支持部の定常的な負荷は小さく保たれ、また、カム手段の作用による押し付けは、駆動ローラ及び従動ローラの転接部の経時的な摩耗の如何に拘らず維持され、長期に亘って高効率での回転伝動がなされる。
【0011】
また本発明の第2発明に係る摩擦伝動装置は、第1発明におけるカム手段が、前記第1部材及び第2部材の一方に形成され、他方との対向周面上にて軸長方向に位置変化するカム面と、他方に突設され、前記カム面に当接するカム突起とを備えることを特徴とする。
【0012】
この発明においては、第1部材又は第2部材に形成されたカム面に、第2部材又は第1部材に突設されたカム突起を当接させ、カム面に沿ったカム突起の変位により前述した作用をなすカム手段を簡素な構成により実現する。
【0013】
更に本発明の第3発明に係る摩擦伝動装置は、第2発明におけるカム突起が、前記カム面に転接するボールにより構成してあることを特徴とする。
【0014】
この発明においては、カム面に当接するカム突起をボールとし、カム面に沿ったカム突起の変位をカム面上でのボールの転動抵抗下にて滑らかに生ぜしめ、カム手段の作用による駆動ローラ及び従動ローラの押し付けを遅れなく確実に行わせる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は、本発明に係る摩擦伝動装置を備える電動パワーステアリング装置の全体構成を示す模式図であり、この電動パワーステアリング装置は、操舵部材としてのステアリングホイール2の回転操作に応じて動作する舵取機構1と、該舵取機構1に付設された操舵補助用のモータ3とを備えている。
【0016】
舵取機構1は、図示しない車体の左右方向に延設された円筒形のラックハウジング10と、該ラックハウジング10の内部に軸長方向への移動自在に支持されたラック軸11とを備えている。このラック軸11の両端は、ラックハウジング10の両側に突出され、操舵用の車輪としての左右の前輪12,12のナックルアーム13,13に各別のタイロッド14,14を介して連結されており、ラック軸11の両方向の移動によりタイロッド14,14を介してナックルアーム13,13を押し引きし、左右の前輪12,12を操舵せしめる構成となっている。
【0017】
ラックハウジング10の一側半部には、これと軸心を交叉させてピニオンハウジング15が連設されており、該ピニオンハウジング15の内部には、軸回りでの回転自在にピニオン軸16が支持されている。ピニオン軸16は、ピニオンハウジング15の上方への突出部のみが図示してあり、この突出部は、両端にユニバーサルジョイント17,17を備える中間軸18を介してステアリング軸20に連結されている。
【0018】
ピニオンハウジング15の内部に延設されたピニオン軸16の下部には、図示しないピニオンが一体に設けてある。また、ラックハウジング10の内部に支持されたラック軸1の外面には、ピニオンハウジング15との交叉部を含む適長に亘ってラック歯(図示せず)が形成されており、このラック歯が、ピニオン軸16下部の前記ピニオンに噛合させてある。
【0019】
ステアリング軸20は、円筒形をなすコラムハウジング21の内部に同軸上での回転自在に支持され、図示しない車室の内部に後上方に傾斜して固定支持されており、ステアリングホイール2は、コラムハウジング21の上部に突出するステアリング軸20の上端部に嵌着固定されている。
【0020】
以上の構成により、操舵のためにステアリングホイール2が回転操作された場合、該ステアリングホイール2が嵌着固定されたステアリング軸20が軸回りに回転し、この回転が中間軸18を介してピニオン軸16に伝わり、このピニオン軸16の回転が前記ピニオン及びラック歯の噛合部においてラック軸11の軸長方向の移動に変換され、この移動により前述の如く左右の前輪12,12が操舵される。
【0021】
このような操舵を補助する操舵補助用のモータ3は、ラックハウジング10の他側半部の外側に取付けてある。図2は、操舵補助用のモータ3からラック軸11への伝動系の構成を示す縦断面図である。図示の如くラックハウジング10の中途部には、これに対して傾斜する軸心を有して外向きに突出する円筒形の伝動ハウジング19が連設されており、操舵補助用のモータ3は、伝動ハウジング19の端部開口にフランジ固定され、伝動ハウジング19の内部に同軸的に突出するモータ3の出力軸の軸端部には、円筒形をなし、内周面にスプラインが形成された連結筒30が設けてある。
【0022】
本発明に係る摩擦伝動装置は、伝動ハウジング19の内部に同軸回転自在に支持された駆動回転軸(駆動回転体)4と、伝動ハウジング19の連設位置に対応するようにラックハウジング10の内部に同軸回転自在に支持されたボールナット(従動回転体)5とを備えている。
【0023】
駆動回転軸4は、伝動ハウジング19のラックハウジング10との連設側半部に位置し、軸受4aにより支持された第1軸(第1部材)41と、伝動ハウジング19の開口側半部に位置し、軸受4bにより支持された第2軸(第2部材)42とに分割構成されている。伝動ハウジング19の開口端に向けて延設された第2軸42の基端部は、操舵補助用のモータ3の連結筒30に内嵌されてスプライン結合され、また連結筒30の底部との間に介装された予圧ばね31により先端に向けて押圧付勢されている。軸受4bによる第2軸42の支持は、予圧ばね31による押圧方向、即ち、先端に向かう移動のみが可能になされており、軸受4bによる第1軸41の支持も同様に、先端に向かう移動のみが可能になされている。
【0024】
ラックハウジング10の内側に延設された第1軸41の先端部には、円板形をなす駆動ローラ43が周設されている。該駆動ローラ43は、図示の如く、第1軸41の端部に一体形成されていてもよく、また第1軸41と別体に構成し、該第1軸41の端部に嵌着固定されていてもよい。また、駆動ローラ43外周の転接部46には、図示の如く、円弧形の面取りを施し、例えば、エラストマ材料による滑り止め用のコーティング層を形成するのが望ましい。
【0025】
従動回転体としてのボールナット5は、伝動ハウジング19の連設部の両側に位置する軸受5a,5bにより、ラックハウジング10の内部に同軸上での回転自在に両持ち支持された円筒形の部材であり、ラック軸11の外側に同軸的に遊嵌されている。ラック軸11の外周面には、ボールナット5による囲繞部を含む軸長方向の適長に亘って半円形断面を有するねじ溝50が形成されている。またボールナット5の内周面には、前記ねじ溝50に対応する半円形断面を有するねじ溝51が形成されており、これらのねじ溝50,51を多数のボール52,52…をを介して螺合させてボールねじ機構が構成されている。
【0026】
このようなボールナット5の外側には、円板形をなす従動ローラ53が同軸的に外嵌固定されている。従動ローラ53外周の転接部58は、ラックハウジング10の内部に延設された第1軸41の先端側に向けて拡径するテーパ面としてあり、第1軸41の先端の駆動ローラ43に転接させてある。なお従動ローラ53は、ボールナット5の外側に一体的に周設されていてもよい。また従動ローラ53外周の転接部58には、これに転接する駆動ローラ43外周の転接部46と同様に、滑り止め用のコーティング層を形成するのが望ましい。
【0027】
駆動回転軸4を構成する第2軸42の先端面と第1軸41の基端面とは、伝動ハウジング19の内側にて相互に突き合わされて対向しており、この対向部間にカム手段6が構成されている。図3は、カム手段6の構成部分近傍の拡大図、図4は、カム手段6の分解斜視図である。
【0028】
カム手段6は、第2軸42の対向端面に形成されたカム面61と、第1軸41の対向端面に保持されたカムボール62とを備えている。カム面61は、第2軸42の端面の周縁部を、夫々が等しい角度を有して互いに逆向きに傾斜する複数対(図においては4対)のテーパ面により連絡して構成されている。またカムボール62は、カム面61のテーパ面と同数(図においては4つ)であり、円環状の保持器63により周方向に等間隔を隔てて保持されている。更に第1軸41の端面には、カムボール62,62…の外径に対応する円弧形に窪ませた保持溝64,64…が、周方向に等配をなして設けられている。
【0029】
カム手段6は、保持器63に保持されたカムボール62,62…を第2軸42と第1軸41との間に配し、図3中に矢符により示す如く、夫々のカムボール62,62…を第1軸41の端面に設けた各別の保持溝64,64…に嵌め込み保持させると共に、これらの一側に第2軸42を、カムボール62,62…の夫々がカム面61の凹部に夫々に整合するように位置決めし、各凹部の両側のテーパ面にカムボール62,62…を当てるように組み付けて構成されている。
【0030】
なお第2軸42の端面の軸心部には、小径の支軸44が一体に突設され、また第1軸41の端面の軸心部には、支軸44の外径に対応する内径を有する支持孔45が穿設されており、カム手段6の前述した組み付けは、支軸44及び支持筒45を内外に嵌め合わせ、第2軸42と第1軸41との同心性を確保してなされている。
【0031】
図5は、カム手段6を直線展開して示す動作説明図である。本図中に2個が示されているカムボール62,62は、前述した組み付けにより、図5(a)に示す如く、第1軸41の端面に設けた保持溝64,64…に一側を保持され、第2軸42のカム面61に他側を当接させた状態にある。このとき、予圧ばね31のばね力により押圧付勢された第2軸42が第1軸41に押し付けられ、このとき第1軸42先端の駆動ローラ43とボールナット5外周の従動ローラ53との転接部には、予圧ばね31のばね力が加わるのみである。
【0032】
この状態で第2軸42が、図5(b)中に矢符により示す向きに回転し、第1軸41に対して相対回転した場合、カム面61に当接するカムボール62,62は、回転方向上流側のテーパ面に乗り上げ、該テーパ面の傾斜に沿って第1,第2軸41,42の軸長方向に、図中にδとして示す如く変位することとなり、この変位により第1,第2軸41,42は、軸長方向に相互に離反させる向きに押圧される。ここで第1軸41及び第2軸42は、夫々の軸受4a,4bにより先端に向かう移動のみが可能に支持されているから、カム面61に沿って変位するカムボール62,62は、図中に白抜矢符にて示す如く、第1軸41を先端に向けて押圧付勢することとなり、第1軸41の先端に設けられた駆動ローラ43は、カム手段6が発生する押圧力と、予圧ばね31のばね力との相乗作用により、従動ローラ53との転接部に強く押し付けられる。
【0033】
カム面61に沿ったカムボール62,62の変位は、カム面61及び保持溝64に対する転動により滑らかに生じるから、第2軸42の回転に伴う駆動ローラ43の従動ローラ53への押し付けは速やかに行われる。
【0034】
このような押し付けは、第2軸42が逆向きに回転せしめられた場合にも全く同様に発生し、駆動ローラ43の正逆両方向の回転は、大なる押し付け力の作用下にて転接する従動ローラ53に、滑りを伴うことなく伝達され、駆動回転軸(駆動回転体)4からボールナット(従動回転体)5への確実な回転伝動が可能となる。また、相互に転接する駆動ローラ43外周の転接部46及び従動ローラ53外周の転接部58に、前述の如く滑り止め用のコーティング層を形成することにより、駆動ローラ43から従動ローラ53への伝動を一層確実に行わせることができる。
【0035】
更に、カム手段6による押し付け力の大きさは、第2軸42の回転力の大きさに対応するから、第1軸41を支持する軸受4a及び第2軸42を支持する軸受4bに定常的に加わる負荷は小さく、伝動効率の低下を防止して高効率での伝動を行わせることができる。
【0036】
以上の如く構成された摩擦伝動装置を備える図1に示す電動パワーステアリング装置において、操舵補助用のモータ3の回転は、駆動回転軸4、駆動ローラ43及び従動ローラ53を介してボールナット5に伝動されることとなり、この伝動に応じてボールナット5が軸回りに回転し、該ボールナット5の内周面に形成されたねじ溝51が螺進し、この螺進が多数のボール52,52…を介してラック軸11の外周面に形成されたねじ溝50に伝えられ、前記ラック軸11の軸長方向の移動に変換されて、この移動に応じて前述の如くなされる操舵が補助される。
【0037】
この操舵補助動作は、カム手段6の前述した作用により押し付けられる駆動ローラ43と従動ローラ53との間での摩擦伝動によりなされるから、伝動音の小さい静粛な操舵補助動作を、滑りを伴うことなく確実に、しかも高効率に行わせることができ、良好な操舵感が得られる。また、駆動ローラ43と従動ローラ53との転接面に摩耗が発生した場合、予圧ばね31のばね力により駆動回転軸4が軸長方向に押圧されて移動し、摩耗分が吸収されて駆動ローラ43と従動ローラ53との予圧状態が維持されるから、回転開始後のカム手段6の作用は全く同様になされ、高効率での確実な伝動を長期に亘って維持することが可能となる。
【0038】
なお以上の実施の形態においては、第2軸42にカム面61を備え、このカム面61に当接するカムボール62,62…を第1軸41に備える構成について述べたが、第1軸41にカム面61を、第2軸42にカムボール62,62…を夫々備える構成としてもよいことは言うまでもない。またカム面61の形状は、以上の実施の形態に示すテーパ面に限らず、周方向に滑らかに湾曲する面であってもよい。
【0039】
またカム手段6は、以上の実施の形態に示す構成に限らず、他の構成とすることも可能である。図6及び図7は、カム手段6の他の実施の形態を示す動作説明図であり、これらは図5と同様、第2軸42及び第1軸41の対向端面を直線展開して示してある。
【0040】
図6に示すカム手段6は、図2〜図5に示すカム手段6におけるカム面61と同様の形態をなすカム面65を第2軸42の端面に形成し、このカム面65の凹部の両側に、第1軸41の端面に一体に突設された半円形のカム突起66,66…を当接させて構成されている。この構成においても、図6(b)に示す如く第2軸42が回転した場合、カム面65との当接下にてカム突起66が変位し、図6(b)に示す如く、第1軸41が先端に向けて押圧されて、駆動ローラ43を従動ローラ53に押し付けることができる。
【0041】
図7に示すカム手段6は、図2〜図5に示すカム手段6におけるカム面61と同様の形態をなすカム面67,68を第1,第2軸41,42の端面に夫々設け、これらのカム面67,68を、一方の凸部が他方の凹部に嵌まり込むように組み合わせて構成されている。この構成においても、第2軸42が回転した場合、カム面67,68が夫々の傾斜に沿って相対変位し、図6(b)中に示す如く、第1軸41が先端に向けて押圧されて、駆動ローラ43を従動ローラ53に押し付けることができる。
【0042】
これらの実施の形態においては、カムボール62,62…及びこれらの保持器63が不要であり、部品点数の削減による構成の簡素化が図れるという利点があるが、図6に示す実施の形態においては、カム面65に沿ったカム突起66の変位が両者の点接触部における摩擦抵抗下にて行われ、図7に示す実施の形態においては、カム面67,68の相対変位が両者の面接触部における摩擦抵抗下にて行われるため、第1軸41の回転に伴う駆動ローラ43の従動ローラ53への押し付けに遅れが生じ、前述した電動パワーステアリング装置に適用された場合、前記遅れの影響による操舵補助動作の応答性の低下を考慮する必要はある。
【0043】
図8は、カム手段の更に他の実施の形態を示す図である。本図に示すカム手段7は、従動回転体としてのボールナット5と従動ローラ53との間に以下の如く構成されている。
【0044】
従動ローラ53は、ボールナット5に遊転自在に外嵌されており、ボールナット5の外周面には、従動ローラ53の一面に対向するように押え環54が周設され、該押え環54及び従動ローラ53の対向部間には、予圧ばね55が介装されている。従動ローラ53外周の転接部58は、予圧ばね55の弾接側から他側に向けて縮径するテーパ面としてあり、駆動回転軸4先端の駆動ローラ43に転接されている。なおこの場合、駆動回転軸4は、分割されていない1本の軸として構成されている。
【0045】
従動ローラ53及び押え環54は、夫々の内周部を他方に向けて延長してなるボス部56,57を備えている。カム手段7は、従動ローラ53のボス部(第1部材)56の対向端面に形成されたカム面71と、押え環54のボス部(第2部材)57の対向端面に保持されたカムボール72とを備えている。カム面71は、図2〜図5に示すカム手段6におけるカム面61と同様、ボス部56の端面を夫々が等しい角度を有して互いに逆向きに傾斜する複数対のテーパ面により連絡して構成されている。カムボール72は、カム面71のテーパ面の並設数と同数の球体であり、円環状の保持器73により周方向に等間隔を隔てて保持されている。また、押え環54のボス部57の端面には、カムボール72,72…を保持する保持溝74,74…が、周方向に等配をなして設けられている。
【0046】
カム手段7は、保持器73に保持されたカムボール72,72…をボス部56,57の対向端面間に介装し、各カムボール72,72…の一側をボス部57に設けた各別の保持溝74,74…に嵌め込み保持させると共に、同じく他側を、ボス部56の端面に設けられたカム面71の凹部の両側に当てるように組み付けて構成されている。このとき従動ローラ53は、予圧ばね55のばね力により押圧付勢され、駆動ローラ43に弱く押し付けられた状態にあり、この予圧下にて転接する駆動ローラ43の回転に応じて軸回りに回転することができる。
【0047】
このように従動ローラ53が回転した場合、従動ローラ53のボス部56と押え環54のボス部57との間に構成されたカム手段7においては、ボス部56に設けられたカム面71に当接するカムボール72,72…が、回転方向上流側のテーパ面の傾斜に沿って軸長方向に変位し、この変位により従動ローラ53を、ボルトナット5に一体形成された押え環54から離反する向きに押圧する作用をなす。これにより従動ローラ53は、カム手段7からの作用力と予圧ばね31のばね力との相乗作用により駆動ローラ43との転接部に強く押し付けられるようになり、駆動回転軸(駆動回転体)4及び駆動ローラ43から、従動ローラ53及びボールナット(従動回転体)5への回転伝動は、滑りを伴うことなく確実に行われる。
【0048】
なおこの場合においても、相互に転接する駆動ローラ43外周の転接部46及び従動ローラ53外周の転接部58に滑り止め用のコーティング層を形成することにより、駆動ローラ43から従動ローラ53への伝動を一層確実に行わせることができる。またカム手段7は、図8に示す構成に限らず、図6に示すようなカム面とカム突起との組み合わせ、図7に示すようなカム面同士の組み合わせ等の適宜の構成とすることができる。
【0049】
なお以上の実施の形態においては、操舵補助用のモータ3の回転を舵取機構1に伝える電動パワーステアリング装置への適用例について述べたが、本発明に係る摩擦伝動装置は、操舵部材から機械的に分離された舵取機構を備え、該舵取機構の一部に付設されたモータの回転のみによって操舵を行わせる構成としたステアバイワイヤ式の操舵装置においても、前記モータから操舵軸への伝動のために適用することができ、更には、車両の操舵装置に限らず、高効率で応答性の良好な回転伝動を、低騒音下にて要求される用途全般に適用可能であることは言うまでもない。
【0050】
【発明の効果】
以上詳述した如く本発明に係る摩擦伝動装置においては、十分な押し付け下にて転接する駆動ローラと従動ローラとの間での摩擦により、、高効率であり、応答性の良好な駆動回転体から従動回転体への回転伝動を、長期に亘って安定して実現することが可能となる等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る摩擦伝動装置を備える電動パワーステアリング装置の全体構成を示す模式図である。
【図2】操舵補助用のモータからラック軸への伝動系の構成を示す縦断面図である。
【図3】カム手段の構成部分近傍の拡大図である。
【図4】カム手段の分解斜視図である。
【図5】カム手段を直線展開して示す動作説明図である。
【図6】カム手段の他の実施の形態を示す動作説明図である。
【図7】カム手段の他の実施の形態を示す動作説明図である。
【図8】カム手段の更に他の実施の形態を示す図である。
【符号の説明】
3 モータ(駆動源)
4 駆動軸(駆動回転体)
5 ボールナット(従動回転体)
6 カム手段
7 カム手段
41 第1軸(第1部材)
42 第2軸(第2部材)
43 駆動ローラ
46 転接部
53 従動ローラ
56 ボス部(第1部材)
57 ボス部(第2部材)
58 転接部
61 カム面
62 カムボール(カム突起)
65 カム面
66 カム突起
67,68 カム面
71 カム面
72 カムボール(カム突起)

Claims (3)

  1. 駆動回転体と連動回転する駆動ローラと、該駆動ローラに転接し、従動回転体と連動回転する従動ローラとを備え、駆動源からの伝動による前記駆動回転体の回転を、前記駆動ローラと前記従動ローラとの転接部での摩擦により前記従動回転体に伝える摩擦伝動装置において、
    前記駆動回転体又は従動回転体を、前記駆動ローラ又は従動ローラを含む第1部材と前記駆動ローラ又は従動ローラを含まない第2部材とに分離構成し、前記第1部材と前記第2部材との対向部間に、両部材の周方向の相対回転に応じて軸長方向の離反力を加えるカム手段を備えることを特徴とする摩擦伝動装置。
  2. 前記カム手段は、前記第1部材及び第2部材の一方に形成され、他方との対向周面上にて軸長方向に位置変化するカム面と、他方に突設され、前記カム面に当接するカム突起とを備える請求項1記載の摩擦伝動装置。
  3. 前記カム突起は、前記カム面に転接するボールにより構成してある請求項2記載の摩擦伝動装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012167810A (ja) * 2011-01-25 2012-09-06 Honda Motor Co Ltd 車両用無段変速機
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