JP2005016686A - 配管合流部構造及びその製造方法 - Google Patents

配管合流部構造及びその製造方法 Download PDF

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Yoshiyuki Kondo
喜之 近藤
Koichi Tanimoto
浩一 谷本
Mayumi Ochi
真弓 越智
Hironori Noguchi
浩徳 野口
Moriyoshi Suzuki
盛喜 鈴木
Hideto Mimaki
英仁 三牧
Giichi Nitta
義一 新田
Yasunobu Adachi
靖展 安達
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

【課題】簡単な構成で、温度変動部分が発生するのを抑制し、熱疲労により配管が損傷するのを防止した配管合流部構造を提供する。
【解決手段】高温水が流れる主管1と、主管1に接続され、低温水が流れる分岐管2と、高温水の流れに対して分岐管2よりも上流側において、主管1の内壁から半径方向内側で且つ下流方向に延びる漏斗状部材を有するレデューサ3とを備え、レデューサ3の内側及び外側の少なくとも一方に、流体を旋回させる旋回部材を設けた構成とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高温流体及び低温流体が流れる管において、熱疲労の発生を少なくした配管合流部構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、プラントにおいては多数の管が使用されている。これらの管には、主管とこれに接続されている分岐管とが含まれており、配管合流部を形成している。通常、このような管の内部には、高温流体(例えば高温水)、或いは低温流体(例えば低温水)が流れている。これら流体の温度は、これら流体を含む管の用途に応じて異なっている。
【0003】
図18は、従来のこのような配管合流部において、主管と分岐管とが接続されている状態を模式的に示す長手方向断面図である。同図に示すように、主管101の外壁には、分岐管102が接続されている。主管101及び分岐管102には、温度の異なる流体がそれぞれ矢印a,bで示す方向に流れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記図18に示したような構成において、主管101及び分岐管102をそれぞれ流れる流体の、流量の差及び温度差に応じて、分岐管102から主管101内に流入した流体が、主管101内を流れる流体の流れに対して、下流において偏流し、主管101の内壁に衝突するように流れる場合がある。同図(a)は、分岐管102から主管101内に流入した流体が、矢印cで示すように、主管101における分岐管102側の内壁eに衝突する場合であり、同図(b)は、分岐管102から主管101内に流入した流体が、矢印dで示すように、主管101における分岐管102とは反対側の内壁fに衝突する場合である。
【0005】
このような場合には、温度の異なる流体が主管101において均等に混合されなくなる。さらに、主管101の内壁e,fにおいては温度が変動する温度変動部分が形成されている。即ち、内壁e,fの高温側では膨張するように応力が生じるとともに、低温側では収縮するように応力が生じる。従って、主管101が内壁e,fにおいて変形するとともに、このような応力が繰り返し生じることにより、熱疲労が発生して主管が破損する場合がある。なお、温度変動を温度揺らぎとも言う。
【0006】
本発明は、以上のような問題点に鑑み、簡単な構成で、温度変動部分が発生するのを抑制し、熱疲労により配管が損傷するのを防止した配管合流部構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、第1の温度の流体が流れる第1の配管と、前記第1の配管に接続され、第2の温度の流体が流れる第2の配管と、前記第1の流体の流れに対して前記第2の配管よりも上流側において、前記第1の配管の内壁から半径方向内側で且つ下流方向に延びる漏斗状部材を有するレデューサとを備えた配管合流部構造において、前記レデューサの内側及び外側の少なくとも一方に、流体を旋回させる旋回部材を設けたことを特徴とする。
【0008】
また、前記旋回部材は、前記レデューサと前記第1の配管との間に固定された螺旋状フィンであることを特徴とする。或いは、前記旋回部材は、前記レデューサと前記第1の配管との間に配置された捻れ配管であることを特徴とする。或いは、前記旋回部材は、前記レデューサと前記第1の配管との間で放射状に延びるガイドベーンであることを特徴とする。
【0009】
また、前記旋回部材は、前記レデューサ内で放射状に延びるガイドベーンであることを特徴とする。或いは、前記旋回部材は、前記レデューサ内に配置された螺旋状フィンであることを特徴とする。
【0010】
また、他の構成として、第1の配管と、その第1の配管に接続された第2の配管とを備え、前記第1の配管に流れる第1の温度の流体と第2の温度の流体とが衝突合流して、前記第2の配管に流れ込む配管合流部構造において、前記第1の流体の流れに対して前記第2の配管よりも上流側において、前記第1の配管の内壁から半径方向内側で且つ下流方向に延びる漏斗状部材を有するレデューサとを備え、前記レデューサは屈曲して前記第2の配管内へ延びており、前記レデューサと前記第2の配管との間に螺旋状フィンが固定されていることを特徴とする。
【0011】
また、前記レデューサ内の屈曲部に整流板を配置したことを特徴とする。また、前記漏斗状部材の上流側端部付近と前記第1の配管内壁との間に淀み領域を設けたことを特徴とする。
【0012】
また、別の構成として、第1の温度の流体が流れる第1の配管と、前記第1の配管に接続され、第2の温度の流体が流れる第2の配管と、前記第2の流体の流れに対して前記第2の配管の接続部よりも上流側において、前記第2の配管の内壁から半径方向内側で且つ下流方向に延びる漏斗状部材を有するレデューサとを備えた配管合流部構造において、前記漏斗状部材の下流側端部より更に下流側の前記第1の配管へと延び、略一定の径を持つ定径部材を設け、その定径部材は前記第1の配管内で曲げられ、前記第1の温度の流体の流れに対して下流方向へと更に延びていることを特徴とする。
【0013】
そして、以下の条件を満足することを特徴とする。
:D=1:(0.4〜0.6)
=(1.5〜3.0)D
=(0.5〜1.5)D
但し、
:第1の配管の内径
:レデューサの定径部材の内径
:第2の配管の中心軸線からレデューサの定径部材先端までの距離
:レデューサの漏斗状部材の長さ
:第2の配管の内径
である。
【0014】
また、前記漏斗状部材の軸方向断面形状は正弦曲線であることを特徴とする。また、前記漏斗状部材と前記第1の配管との間に、前記第2の配管と前記レデューサとを連絡するR面形状部材を設けたことを特徴とする。
【0015】
また、前記定径部材先端近傍壁面に複数の孔を開けたことを特徴とする。或いは、前記定径部材先端近傍を捻れ配管としたことを特徴とする。
【0016】
或いは、前記定径部材の内側及び外側の少なくとも一方に、流体を旋回させる旋回部材を設けたことを特徴とする。また、前記旋回部材は、前記定径部材と前記第1の配管との間に固定された螺旋状フィンであることを特徴とする。或いは、前記旋回部材は、前記定径部材と前記第1の配管との間に配置された捻れ配管であることを特徴とする。或いは、前記旋回部材は、前記定径部材と前記第1の配管との間で放射状に延びるガイドベーンであることを特徴とする。
【0017】
また、前記旋回部材は、前記定径部材内で放射状に延びるガイドベーンであることを特徴とする。或いは、前記旋回部材は、前記定径部材内に配置された螺旋状フィンであることを特徴とする。
【0018】
その他、前記定径部材の屈曲部より前記第1の温度の流体の流れに対して上流方向へと延び、表面が軸対称の流線形をした突起部を設けたことを特徴とする。
【0019】
また、上記別の構成の配管合流部構造の製造方法であって、前記第1の配管に前記第2の配管を接続した状態のものを軸方向に沿って半割としたティー部材と、屈曲した前記定径部材の役割を持つエルボ部材と、前記第2の配管の延長部と前記レデューサの漏斗状部材の役割を持ち、内側に前記漏斗状部材及びR面形状部材を、外側に前記第2の配管部分を備え、一体にして成る円筒部材とを設け、前記エルボ部材の上流側端部と前記円筒部材における漏斗状部材の下流側端部とを全周溶接して前記レデューサを形成し、前記エルボ部材を前記ティー部材で挟み込み、前記ティー部材同士の突き合わせ部分全てを溶接するとともに、組み合わされた前記ティー部材における前記第2の配管部分の上流側端部と前記円筒部材の前記第2の配管部分の下流側端部とを全周溶接することを特徴とする配管合流部構造の製造方法を行う。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る配管合流部構造を模式的に示す長手方向断面図である。同図に示すように、左右に延在する主管1の上側外壁には、分岐管2が接続されている。主管1には、矢印Aで示すように右方へ向かって高温水が流れている。また分岐管2には低温水が流れており、これは矢印Bで示すように下方更には右方へ向かって主管1に流入している。
【0021】
主管1内には、レデューサ3が主管1の中心軸線に対してほぼ同心に配置されている。このレデューサ3の上流側の環状端部は、分岐管2の接続部に対して更に主管1内の上流側(図の左側)において、主管1の内壁に連結されている。そして、環状端部から下流側(図の右側)に向かうにつれて半径方向内側に縮径し、漏斗状部3aを形成している。さらに、分岐管2の接続部に対して主管1内の下流側付近より略一定の径を持つ定径部3bとなり、更に下流側へと延びている。この構成により、主管1の高温水と分岐管2の低温水が配管接合部で混合しないようにし、下流で合流が行われるようにしている。
【0022】
また、定径部3b外壁と主管1内壁との間には、螺旋状に延びる螺旋状フィン4が固定されている。これにより、分岐管2より主管1に流入した低温水は、矢印Cで示すように定径部3bの周囲で螺旋状フィン4に沿って旋回するので、レデューサ3内を通過してきた主管1の高温水との混合が促進される。分岐管2の低温水と主管1の高温水との混合は、レデューサ3の定径部3b下流側で行われる。このとき、定径部3bが主管1の中心軸線に対してほぼ同心に配置されているので、高温水と低温水の混合領域Sは、主管1中心近傍となる。これにより、主管1内壁での温度変動の発生を防止している。
【0023】
その他、上述したように、定径部3b外壁と主管1内壁との間に螺旋状フィン4が固定されているので、これによりレデューサ3の揺れ止めの役割も兼ねている。但し、螺旋状フィン4は定径部3bのみならず漏斗状部3aに跨って設けられていても良い。なお、本実施形態では、主管1には高温水が流れ、分岐管2には低温水が流れる構成としているが、これに限定されるものではなく、高温側と低温側が逆であっても良い。また、水に限定されるわけでもなく、その他の流体が流れる構成でも良い。これらのことは、以下の実施形態においても同様である。
【0024】
図2は、本発明の第2の実施形態に係る配管合流部構造を模式的に示す長手方向断面図である。本実施形態では、同図に示すように、上記螺旋状フィン4の代わりに、定径部3bと主管1との間に捻れ配管5が配置されている。これは、その内外面に波形の螺旋構造を有する管状をしている。これにより、分岐管2より主管1に流入した低温水は、矢印Cで示すように捻れ配管5の内側及び外側で旋回するので、レデューサ3内を通過してきた主管1の高温水との混合が促進される。或いは、定径部3bそのものを捻れ配管とし、低温水及び高温水共に旋回する構成としても良い。その他の構成は、上記第1の実施形態と同様である。
【0025】
図3は、本発明の第3の実施形態に係る配管合流部構造を模式的に示す長手方向断面図である。本実施形態では、同図に示すように、レデューサ3の漏斗状部3a上流側の環状端部3c付近を、主管1の内壁1aに対して略平行に沿った形状としている。これにより、環状端部3c付近と内壁1aとの間に淀み領域Tを設け、この部分には新しい低温水が供給されにくいようにして、ここで高温水側の熱を吸収,保持させ、或る程度高温水に近い温度を有する水が溜まるようにしている。これにより、いわゆるサーマルスリーブを形成し、温度変動を少なくして、主管1の内壁1aにおける熱的衝撃を防止している。この構成は、レデューサ3を有する上述した或いは後述する何れの実施形態においても適用可能である。
【0026】
図4は、本発明の第4の実施形態に係る配管合流部構造を模式的に示す長手方向断面図である。本実施形態では、同図に示すように、上記螺旋状フィン4或いは捻れ配管5の代わりに、レデューサ3の定径部3bと主管1との間にガイドベーン6が設けられている。同図のD−D断面を図5に示すように、ガイドベーン6は定径部3b外壁から主管1内壁へと放射状に延びている。またガイドベーン6は、流れ方向に対して所定の角度を成す面を有している。
【0027】
これにより、分岐管2より主管1に流入した低温水は、図4の矢印Cで示すように定径部3bの周囲で旋回するので、レデューサ3内を通過してきた主管1の高温水との混合が促進される。また、定径部3b外壁と主管1内壁との間にガイドベーン6が固定されているので、これによりレデューサ3の揺れ止めの役割も兼ねている。但し、ガイドベーン6は定径部3b側に限らず漏斗状部3a側に設けられていても良い。その他の構成は、上記各実施形態と同様である。
【0028】
図6は、本発明の第5の実施形態に係る配管合流部構造を模式的に示す長手方向断面図である。本実施形態では、同図に示すように、上記第1の実施形態の構成に加えて、レデューサ3の定径部3b内にガイドベーン7が設けられている。同図のE−E断面を拡大して図7に示すように、ガイドベーン7は定径部3b内壁から中心のハブ8へと放射状に延びている。またガイドベーン7は、流れ方向に対して所定の角度を成す面を有している。
【0029】
これにより、レデューサ3内を通過してきた高温水は、定径部3bの内部で旋回するので、レデューサ3周囲を通過してきた低温水との混合が促進される。なお、ハブ8による圧力損失が大きい場合はこれを削除して、各ガイドベーン7が定径部3b中心軸線まで延びて先端で互いに結合した構成としても良い。また、ガイドベーン7は定径部3b側に限らず漏斗状部3a側に設けられていても良い。また、上記第2〜第4の実施形態の構成に加えてガイドベーン7を設けることもできる。さらには、ガイドベーン7の代わりに螺旋状フィンを設けても良い。
【0030】
図8は、本発明の第6の実施形態に係る配管合流部構造を模式的に示す長手方向断面図である。本実施形態は、いわゆる衝突合流型に対応した構成となっている。即ち、同図に示すように、レデューサ3を、合流後の下流側である分岐管2側へ曲げた形の、いわゆるベンド型レデューサとしている。この場合、レデューサ3の漏斗状部3aが分岐管2の接続部近傍で屈曲しており、定径部3bが分岐管2内へと延びている。
【0031】
主管1内を矢印Aで示すように右方へ向かって流れてきた高温水は、レデューサ3内で曲げられ、分岐管2に流入している。一方、主管1内を矢印Bで示すように左方へ向かって流れてきた低温水は、レデューサ3の外側を通って分岐管2に流入している。ここで、定径部3b外壁と分岐管2内壁との間には、螺旋状に延びる螺旋状フィン4が固定されているので、主管1より分岐管2に流入した低温水は、定径部3bの周囲で旋回する。これにより、レデューサ3内を通過してきた高温水との混合が促進される。
【0032】
低温水と高温水との混合は、レデューサ3の定径部3b下流側で行われ、その後、矢印Fで示すように、分岐管2内を流れて行く。このとき、定径部3bが分岐管2の中心軸線に対してほぼ同心に配置されているので、高温水と低温水の混合領域は、分岐管2中心近傍となる。これにより、分岐管2内壁での温度変動の発生を防止している。
【0033】
図9は、本発明の第7の実施形態に係る配管合流部構造を模式的に示す長手方向断面図である。本実施形態では、同図に示すように、上記第6の実施形態の構成に加えて、レデューサ3内の屈曲部に、その屈曲形状に沿った形状の整流板9を所定の間隔で複数配置している。或いは単数配置でも良い。これにより、レデューサ3内を流れる高温水が屈曲部で偏流を起こして渦を巻く等の2次流れが生じることを防止している。
【0034】
図10は、本発明の第8の実施形態に係る配管合流部構造を模式的に示す長手方向断面図である。同図に示すように、上下に延在する主管1の右側外壁には、分岐管2が略直交して接続されている。主管1には、矢印Aで示すように上方へ向かって高温水が流れている。また分岐管2には低温水が流れており、これは下記レデューサ3に沿って、矢印Bで示すように左方更には上方へ向かって主管1に流入している。
【0035】
分岐管2内には、レデューサ3が分岐管2の中心軸線に対してほぼ同心に配置されている。このレデューサ3の上流側の環状端部は、分岐管2の接続部から分岐管2内の上流側(図の右側)において、分岐管2の内壁に連結されている。そして、環状端部から下流側(図の左側)に向かうにつれて半径方向内側に縮径し、漏斗状部3aを形成している。さらに、分岐管2の接続部付近より略一定の径を持つ定径部3bとなり、主管1へと延びている。
【0036】
定径部3bは主管1内で略L字状に曲げられ、その下流方向(図の上側)へと屈曲部から更に延びている。この構成により、主管1の高温水と分岐管2の低温水が配管接合部で混合しないようにし、下流で合流が行われるようにしている。このとき、定径部3bの屈曲部から更に延びた部分が主管1の中心軸線に対してほぼ同心に配置されているので、高温水と低温水の混合領域は、主管1中心近傍となる。これにより、主管1内壁での温度変動の発生を防止している。また、漏斗状部3aの軸方向断面形状は、上流側で徐々に半径方向内側に縮径し始め下流側で徐々に収束する正弦曲線となっており、これにより、管内が縮径してもできるだけスムーズな流れが確保できるようにしている。
【0037】
また、漏斗状部3aと主管1との間には、分岐管2とレデューサ3とを連絡するR面形状部3dが設けられており、その内径面を主管1側に向けている。このようなR面を設けることにより、熱応力集中を緩和している。また、R面形状部3dと主管1との間には、分岐管2内に淀み領域Tが形成されており、この部分に主管1の高温水が淀むようにし、新しい高温水が供給されにくいようにして、ここから低温水側に熱を放出させ、或る程度低温水に近い温度を有する水が溜まるようにしている。これにより、いわゆるサーマルスリーブを形成し、温度変動を少なくして、分岐管2の内壁2aにおける熱的衝撃を防止している。
【0038】
さて、本実施形態では、同図に示すように、配管合流部各部の寸法をパラメータとして、所定の数値範囲を定めることにより、効果的な温度変動対策が得られるようにしている。具体的には、以下の条件を満足する構成としている。
:D=1:(0.4〜0.6)
=(1.5〜3.0)D
=(0.5〜1.5)D
【0039】
但し、
:主管1の内径
:レデューサ3の定径部3bの内径
:分岐管2の中心軸線からレデューサ3の定径部3b先端までの距離
:レデューサ3の漏斗状部3aの長さ
:分岐管2の内径
である。
【0040】
これにより、配管合流部における温度変動を効果的に抑制することができる。なお、本実施形態では、主管1の内径Dと分岐管2の内径Dとが1:1の割合である場合を想定しているが、これに限定されるものではない。このことは、後述する実施形態においても同様である。
【0041】
図11は、配管合流部における温度変動の様子を模式的に示すグラフである。ここでは横軸に分岐管2中心軸線からの主管1内下流方向の距離x(図10に示す)を取り、縦軸に温度変動幅Δtを取っている。なお、温度は主管1の内壁近傍にて測定している。また、高温水と低温水の温度差を基準として、これを1.0とおいている。
【0042】
同図において、曲線αは配管合流部において温度変動対策を講じなかった場合、即ち主管1に分岐管2を接続したのみの場合を示している。この場合、分岐管2中心軸線の位置及びその近傍では、高温水と低温水が衝突して合流するので、高温水から低温水までの温度範囲で温度が変動し、温度変動幅Δt=1.0となる。そして、分岐管2の中心軸線から離れるに従って、高温水と低温水が混合されて行くので、温度変動幅が小さくなり、0に近づいて行く。
【0043】
一方、曲線βは配管合流部において温度変動対策を講じた場合を示している。この場合、レデューサ3の定径部3b先端の位置、即ち分岐管2の中心軸線からの距離Lの位置を合流の基準点として、高温水と低温水がそれぞれ主管1内の周辺側と中心側より互いに同方向に流れつつ徐々に合流するので、温度変動対策を講じなかった場合と比較して、合流当初の位置にて温度変動幅は30〜40%小さくなっている。このようにして、配管合流部における温度変動が効果的に抑制される。その後、定径部3b先端の位置から離れるに従って、高温水と低温水が混合されて行くので、温度変動幅が更に小さくなり、0に近づいて行く。
【0044】
図12は、本発明の第9の実施形態に係る配管合流部構造を模式的に示す長手方向断面図である。本実施形態では、同図に示すように、上記第8の実施形態の構成に加えて、レデューサ3の定径部3b先端近傍壁面に複数の孔hを開けて、いわゆる多孔板を形成している。これにより、レデューサ3の低温水が定径部3b先端より出る前に、孔hを介して主管1の高温水と徐々に混合されるので、温度変動幅が更に低減される。
【0045】
図13は、本発明の第10の実施形態に係る配管合流部構造を模式的に示す長手方向断面図である。本実施形態では、同図に示すように、上記第8の実施形態の構成に加え、上記第4の実施形態と同様にして、定径部3bと主管1との間にガイド(旋回)ベーン6が設けられている。ガイド(旋回)ベーン6は定径部3b外壁から主管1内壁へと放射状に延びている。またガイド(旋回)ベーン6は、流れ方向に対して所定の角度を成す面を有している。
【0046】
これにより、主管1の高温水は、定径部3bの周囲で旋回するので、レデューサ3内を通過してきた低温水との混合が促進される。また、定径部3b外壁と主管1内壁との間にガイド(旋回)ベーン6が固定されているので、これによりレデューサ3の揺れ止めの役割も兼ねている。その他の構成は、上記第8,第9の各実施形態と同様である。
【0047】
図14は、本発明の第11の実施形態に係る配管合流部構造を模式的に示す長手方向断面図である。本実施形態では、同図に示すように、上記第8の実施形態の構成に加え、上記第5の実施形態と同様にして、定径部3b内にガイド(旋回)ベーン7が設けられている。ガイド(旋回)ベーン7は定径部3b内壁から中心へと放射状に延びている。またガイド(旋回)ベーン7は、流れ方向に対して所定の角度を成す面を有している。これにより、レデューサ3内を通過してきた低温水は、定径部3bの内部で旋回するので、レデューサ3周囲を通過してきた高温水との混合が促進される。なお、上記第9,第10の実施形態の構成に加えてガイド(旋回)ベーン7を設けることもできる。
【0048】
図15は、本発明の第12の実施形態に係る配管合流部構造を模式的に示す長手方向断面図である。本実施形態では、同図に示すように、上記第8の実施形態の構成に加え、上記第2の実施形態で例示したものと同様にして、レデューサ3の定径部3b先端近傍を捻れ配管3baとしている。捻れ配管は、その内外面に波形の螺旋構造を有する管状をしている。これにより、レデューサ3内を通過してきた低温水及び主管1の高温水共に旋回するので、混合が促進される。或いは、定径部3bと主管1との間に別途捻れ配管を配置しても良い。
【0049】
図16は、本発明の第13の実施形態に係る配管合流部構造を模式的に示す長手方向断面図である。本実施形態では、同図に示すように、上記第8の実施形態の構成に加えて、レデューサ3の定径部3bの屈曲部から、主管1の高温水の上流側へと延びる突起部10を設けている。突起部10は表面が軸対称の流線形をしており、これにより本発明の配管合流部構造が主管1を流れる高温水にもたらす抵抗を低減し、圧力損失を抑える働きをしている。
【0050】
その他、図示しないが、上記第8の実施形態の構成に加えて、レデューサ3の定径部3b外側或いは内側若しくは両方に、螺旋状フィンを設けても良い。
【0051】
図17は、本発明の第8の実施形態以降の各実施形態に係る配管合流部構造の具体例を示す斜視図である。同図(a)は全体図、同図(b)は分解図となっている。本発明の配管合流部構造は、同図(a)に示すように、主管1に分岐管2を接続した状態のものを軸方向に沿って半割としたティー部材11a,11bを有し、それらの間にレデューサ3の略L字状に曲げられた定径部3bの役割を持つエルボ部材12を挟み込んだ構成となっている。なお、同図ではティー部材11a,11b内のエルボ部材12を実線で示している。また、ティー部材の分割は、図19に示した如く、11c,11dのように上下に2分割する方法もある。
【0052】
加えて、ティー部材11a,11bの分岐管2部分上流側には、その分岐管2の延長部とレデューサ3の漏斗状部3aの役割を持つ円筒部材13が延在している。円筒部材13は、内側に漏斗状部3a及びR面形状部3dを、外側に分岐管2部分を備えており、これらが鋳物として一体成形されている。材質は主として鋳鋼である。或いは、円柱状若しくは円筒状の部材を切削することにより製作しても良い。その他の部材の材質は主としてステンレス鋼である。但し、このような材質に限定されるものではない。
【0053】
本発明の配管合流部構造の具体的な製造方法としては、同図(b)において、まず、エルボ部材12の上流側端部と円筒部材13の漏斗状部3aの下流側端部とを全周溶接し、レデューサ3を形成する。そして、エルボ部材12をティー部材11a,11bで挟み込み、ティー部材同士の突き合わせ部分全てを溶接するとともに、組み合わされたティー部材11a,11bの分岐管2部分の上流側端部と円筒部材13の分岐管2部分の下流側端部とを全周溶接する。
【0054】
なお、特許請求の範囲で言う第1の配管は、実施形態における主管1に対応しており、第2の配管は分岐管2に対応している。また、第1の温度の流体は高温水に対応しており、第2の温度の流体は低温水に対応している。但し、このような実施形態の対応関係に限定されるものでないことは、上述した通りである。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、簡単な構成で、温度変動部分が発生するのを抑制し、熱疲労により配管が損傷するのを防止した配管合流部構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の配管合流部構造を示す長手方向断面図。
【図2】第2の実施形態の配管合流部構造を示す長手方向断面図。
【図3】第3の実施形態の配管合流部構造を示す長手方向断面図。
【図4】第4の実施形態に係る配管合流部構造を示す長手方向断面図。
【図5】図4のD−D断面図。
【図6】第5の実施形態の配管合流部構造を示す長手方向断面図。
【図7】図6のE−E断面図。
【図8】第6の実施形態の配管合流部構造を示す長手方向断面図。
【図9】第7の実施形態の配管合流部構造を示す長手方向断面図。
【図10】第8の実施形態の配管合流部構造を示す長手方向断面図。
【図11】配管合流部における温度変動の様子を示すグラフ。
【図12】第9の実施形態の配管合流部構造を示す長手方向断面図。
【図13】第10の実施形態の配管合流部構造を示す長手方向断面図。
【図14】第11の実施形態の配管合流部構造を示す長手方向断面図。
【図15】第12の実施形態の配管合流部構造を示す長手方向断面図。
【図16】第13の実施形態の配管合流部構造を示す長手方向断面図。
【図17】本発明の配管合流部構造の具体例を示す斜視図。
【図18】従来の配管合流部において、主管と分岐管とが接続されている状態を示す長手方向断面図。
【図19】ティー部材の他の分割方法を示す斜視図。
【符号の説明】
1 主管
2 分岐管
3 レデューサ
4 螺旋状フィン
5 捻れ配管
6,7 ガイドベーン
8 ハブ
9 整流板
10 突起部
11a,11b ティー部材
12 エルボ部材
13 円筒部材
S 混合領域
T 淀み領域

Claims (23)

  1. 第1の温度の流体が流れる第1の配管と、
    前記第1の配管に接続され、第2の温度の流体が流れる第2の配管と、
    前記第1の流体の流れに対して前記第2の配管よりも上流側において、前記第1の配管の内壁から半径方向内側で且つ下流方向に延びる漏斗状部材を有するレデューサとを備えた配管合流部構造において、
    前記レデューサの内側及び外側の少なくとも一方に、流体を旋回させる旋回部材を設けたことを特徴とする配管合流部構造。
  2. 前記旋回部材は、前記レデューサと前記第1の配管との間に固定された螺旋状フィンであることを特徴とする請求項1に記載の配管合流部構造。
  3. 前記旋回部材は、前記レデューサと前記第1の配管との間に配置された捻れ配管であることを特徴とする請求項1に記載の配管合流部構造。
  4. 前記旋回部材は、前記レデューサと前記第1の配管との間で放射状に延びるガイドベーンであることを特徴とする請求項1に記載の配管合流部構造。
  5. 前記旋回部材は、前記レデューサ内で放射状に延びるガイドベーンであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の配管合流部構造。
  6. 前記旋回部材は、前記レデューサ内に配置された螺旋状フィンであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の配管合流部構造。
  7. 第1の配管と、該第1の配管に接続された第2の配管とを備え、前記第1の配管に流れる第1の温度の流体と第2の温度の流体とが衝突合流して、前記第2の配管に流れ込む配管合流部構造において、
    前記第1の流体の流れに対して前記第2の配管よりも上流側において、前記第1の配管の内壁から半径方向内側で且つ下流方向に延びる漏斗状部材を有するレデューサとを備え、
    前記レデューサは屈曲して前記第2の配管内へ延びており、前記レデューサと前記第2の配管との間に螺旋状フィンが固定されていることを特徴とする配管合流部構造。
  8. 前記レデューサ内の屈曲部に整流板を配置したことを特徴とする請求項7に記載の配管合流部構造。
  9. 前記漏斗状部材の上流側端部付近と前記第1の配管内壁との間に淀み領域を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の配管合流部構造。
  10. 第1の温度の流体が流れる第1の配管と、
    前記第1の配管に接続され、第2の温度の流体が流れる第2の配管と、
    前記第2の流体の流れに対して前記第2の配管の接続部よりも上流側において、前記第2の配管の内壁から半径方向内側で且つ下流方向に延びる漏斗状部材を有するレデューサとを備えた配管合流部構造において、
    前記漏斗状部材の下流側端部より更に下流側の前記第1の配管へと延び、略一定の径を持つ定径部材を設け、該定径部材は前記第1の配管内で曲げられ、前記第1の温度の流体の流れに対して下流方向へと更に延びていることを特徴とする配管合流部構造。
  11. 以下の条件を満足することを特徴とする請求項10に記載の配管合流部構造。
    :D=1:(0.4〜0.6)
    =(1.5〜3.0)D
    =(0.5〜1.5)D
    但し、
    :第1の配管の内径
    :レデューサの定径部材の内径
    :第2の配管の中心軸線からレデューサの定径部材先端までの距離
    :レデューサの漏斗状部材の長さ
    :第2の配管の内径
    である。
  12. 前記漏斗状部材の軸方向断面形状は正弦曲線であることを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の配管合流部構造。
  13. 前記漏斗状部材と前記第1の配管との間に、前記第2の配管と前記レデューサとを連絡するR面形状部材を設けたことを特徴とする請求項10〜請求項12のいずれかに記載の配管合流部構造。
  14. 前記定径部材先端近傍壁面に複数の孔を開けたことを特徴とする請求項10〜請求項13のいずれかに記載の配管合流部構造。
  15. 前記定径部材先端近傍を捻れ配管としたことを特徴とする請求項10〜請求項13のいずれかに記載の配管合流部構造。
  16. 前記定径部材の内側及び外側の少なくとも一方に、流体を旋回させる旋回部材を設けたことを特徴とする請求項10〜請求項13のいずれかに記載の配管合流部構造。
  17. 前記旋回部材は、前記定径部材と前記第1の配管との間に固定された螺旋状フィンであることを特徴とする請求項16に記載の配管合流部構造。
  18. 前記旋回部材は、前記定径部材と前記第1の配管との間に配置された捻れ配管であることを特徴とする請求項16に記載の配管合流部構造。
  19. 前記旋回部材は、前記定径部材と前記第1の配管との間で放射状に延びるガイドベーンであることを特徴とする請求項16に記載の配管合流部構造。
  20. 前記旋回部材は、前記定径部材内で放射状に延びるガイドベーンであることを特徴とする請求項16〜請求項19のいずれかに記載の配管合流部構造。
  21. 前記旋回部材は、前記定径部材内に配置された螺旋状フィンであることを特徴とする請求項16〜請求項19のいずれかに記載の配管合流部構造。
  22. 前記定径部材の屈曲部より前記第1の温度の流体の流れに対して上流方向へと延び、表面が軸対称の流線形をした突起部を設けたことを特徴とする請求項10〜請求項21のいずれかに記載の配管合流部構造。
  23. 前記請求項10〜請求項22のいずれかに記載の配管合流部構造の製造方法であって、
    前記第1の配管に前記第2の配管を接続した状態のものを軸方向に沿って半割としたティー部材と、
    屈曲した前記定径部材の役割を持つエルボ部材と、
    前記第2の配管の延長部と前記レデューサの漏斗状部材の役割を持ち、内側に前記漏斗状部材及びR面形状部材を、外側に前記第2の配管部分を備え、一体にして成る円筒部材とを設け、
    前記エルボ部材の上流側端部と前記円筒部材における漏斗状部材の下流側端部とを全周溶接して前記レデューサを形成し、前記エルボ部材を前記ティー部材で挟み込み、前記ティー部材同士の突き合わせ部分全てを溶接するとともに、組み合わされた前記ティー部材における前記第2の配管部分の上流側端部と前記円筒部材の前記第2の配管部分の下流側端部とを全周溶接することを特徴とする配管合流部構造の製造方法。
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