JP2005016561A - 流体管接続具、流体管接続装置、流体管接続具と流体管との接続方法及び流体管接続具を備えた流体管 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】流体管接続具12は接続具本体13と外スリーブ14とより構成され、接続具本体13の端部には内挿筒部13cが突設されている。内挿筒部13cの内周縁には突条部13dが突設されている。内挿筒部13cが通水管11の端部内に挿入され、その端部に外スリーブ14が外挿された状態で、突条部13dを内側から拡径する。内挿筒部13cと、外スリーブ14との間に通水管11の端部が挟持されて通水管11に流体管接続具12が接続される。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、通水管と分岐継手とを接続するための流体管接続具、流体管接続装置、流体管接続具と流体管との接続方法及び流体管接続具を備えた流体管に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、合成樹脂管と、分岐継手(ヘッダー)とを接続するために、前記合成樹脂管の端部には接続具が接続されている(例えば、特許文献1参照。)。前記接続具は、金属材料により略円筒状に形成された接続具本体と、リング状をなす移動スリーブとから構成されている。接続具本体の一端部には前記通水管の端部が外嵌される内挿筒部が突設され、他端部は前記分岐継手に接続可能に形成されている。また、前記移動スリーブは通水管に外挿可能な大きさに形成されている。
【0003】
上記接続具と合成樹脂管とを接続するには、まず、合成樹脂管に前記移動スリーブを外挿する。次に、前記合成樹脂管の端部を拡径治具(図示せず)を使用して拡径し、拡径された合成樹脂管の端部が自己の収縮力により元の状態に復帰する前に合成樹脂管の拡径部分を内挿筒部の外周面に外嵌する。さらに、工具を用いて、前記移動スリーブを拡径された合成樹脂管の端部の外周側へ強制的にスライド移動させて押し嵌める。すると、前記移動スリーブにより合成樹脂管の端部が外周側から押し潰されるとともに、移動スリーブと内挿筒部との間に挟持され、合成樹脂管が接続具に接続される。また、合成樹脂管の自己の収縮力と、移動スリーブの合成樹脂管に対する締め付けとにより、合成樹脂管の内周面が内挿筒部の外周面に圧接して、同内挿筒部と合成樹脂管との間に流体の漏れ出しを防止するシール構造が形成される。
【0004】
【特許文献1】
特許第3331368号
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の接続具と合成樹脂管とを接続するために、合成樹脂管の端部は内挿筒部の外径より大きくなるまで拡径される。そのため、合成樹脂管の自己の収縮はあるものの、合成樹脂管の内周面を内挿筒部の外周面に圧接させるためには、拡径された合成樹脂管の端部に、その端部の外径より小径の移動スリーブを強制的に押し嵌めなければならない。その結果、移動スリーブのスライド移動により管材料が移動スリーブのスライド移動方向へ押し出されてしまうとともに、外嵌されたときは移動スリーブにより押し潰されてしまい、合成樹脂管の端部には非常に大きな負荷が作用して、同端部が損傷を受ける虞があるという問題があった。加えて、拡径治具により合成樹脂管の拡径作業が行われた後は、合成樹脂管の端部が自己収縮により縮径する前に、合成樹脂管の端部を内挿筒部に外嵌しなければならず、合成樹脂管を接続具に接続する作業を早急に行わなければならないという問題があった。
【0006】
本発明は、上記従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、流体管の端部に作用する負荷を抑え、さらに、早急性を要することなく流体管との間にシール構造を形成して接続することができる流体管接続具、流体管接続装置及び流体管接続具と流体管との接続方法を提供する。その他の目的とするところは、流体管の端部に作用する負荷を抑え、さらに、早急性を要せずに流体管と接続することができる流体管接続具を備えた流体管を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、内部を流体が流通可能に形成された流体管と接続される流体管接続具であって、前記流体管の端部内に挿入される内挿筒部を備え、前記流体管の端部内に挿入された内挿筒部がその内側から拡径されることにより、拡径された内挿筒部の外周面が流体管の端部の内周面に圧接して流体管と接続されることを要旨とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の流体管接続具において、前記流体管の端部に外挿される外スリーブを備え、当該外スリーブは拡径された内挿筒部との間に流体管の端部を挟持することを要旨とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の流体管接続具において、前記内挿筒部の外面には、前記外スリーブと内挿筒部との間に位置し、当該内挿筒部の拡径により押し出された流体管の管材料が入り込む凹部が設けられていることを要旨とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載の流体管接続具において、前記外スリーブの内面には、当該外スリーブと内挿筒部との間に位置し、内挿筒部の拡径により押し出された流体管の管材料が入り込む凹部が設けられていることを要旨とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、内部を流体が流通可能に形成された流体管と接続される流体管接続具と、当該流体管接続具を流体管に接続する作業を行うための接続治具とより構成され、前記流体管接続具は流体管の端部内に挿入される内挿筒部を備えるとともに、前記接続治具は前記内挿筒部の内径より大径な拡径部を有し、前記接続治具の拡径部によって内挿筒部をその内側から拡径することを要旨とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の流体管接続装置において、前記流体管接続具は前記流体管の端部に外挿される外スリーブを備え、当該外スリーブは拡径された内挿筒部との間に流体管の端部を挟持することを要旨とする。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の流体管接続装置において、前記内挿筒部の外面には、前記外スリーブと内挿筒部との間に位置し、当該内挿筒部の拡径により押し出された流体管の管材料が入り込む凹部が設けられていることを要旨とする。
【0014】
請求項8に記載の発明は、請求項6又は請求項7に記載の流体管接続装置において、前記外スリーブの内面には、当該外スリーブと内挿筒部との間に位置し、当該内挿筒部の拡径により押し出された流体管の管材料が入り込む凹部が設けられていることを要旨とする。
【0015】
請求項9に記載の発明は、内部を流体が流通可能に形成された流体管と、同流体管の端部内に挿入される内挿筒部を備えた流体管接続具とを接続する方法であって、前記流体管の端部内に内挿筒部を挿入し、その内挿筒部を内側から拡径して、その拡径された内挿筒部を流体管の端部の内周面に圧接させることを要旨とする。
【0016】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の流体管接続具と流体管との接続方法において、前記流体管接続具は、流体管の端部に外挿される外スリーブを備え、前記外スリーブを流体管の端部に外挿した後で、外スリーブが外挿された端部内に位置する前記内挿筒部を内側から拡径して、その拡径された内挿筒部と、外スリーブとの間に流体管の端部を挟持することを要旨とする。
【0017】
請求項11に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の流体管接続具が、少なくともいずれか一端に接続されていることを特徴とする流体管接続具を備えたことを要旨とする。
【0018】
(作用)
請求項1又は請求項9に記載の発明によれば、流体管接続具に内挿筒部を形成し、その内挿筒部を流体管の端部内に挿入可能な大きさに形成した。そして、流体管の端部内に挿入された内挿筒部が、内側から拡径されることにより、その内挿筒部の外周面が流体管の端部の内周面に圧接して、流体の漏れ出しを防止するシール構造が形成された状態で流体管と接続される。このため、内挿筒部の外周面と流体管の内周面との間にシール構造を形成して接続させるために、流体管の端部の拡径が行われ、さらに流体管の端部の外周側から他部材による押し潰しが行われることが無くなり、流体管の端部に作用する負荷が軽減される。
【0019】
また、流体管の端部に内挿筒部が挿入された状態で拡径作業が行われるため、流体管の端部を内挿筒部の外径より大きくなるまで拡径する作業が必要無くなる。そのため、流体管の端部が、同流体管と流体管接続具との接続状態における拡径量よりも多くなるまで拡径される必要がなくなり、その端部に作用する負荷が軽減される。加えて、流体管の端部の拡径と、その拡径した端部の押し潰しといった二度に及ぶ端部の変形作業が必要なくなり、流体管の端部に作用する負荷は軽減される。さらには、流体管の端部内に内挿筒部が挿入された段階で拡径作業が行われ、その拡径作業により接続作業が完了する。このため、内挿筒部の拡径後に別の作業を行う必要が無くなり、流体管の自己の収縮を考慮する必要が無くなる。
【0020】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載に記載の発明において、流体管の端部内に内挿筒部を挿入し、同端部に外スリーブを外挿することにより、拡径された内挿筒部と外スリーブとの間に流体管の端部が挟持される。このため、内挿筒部と外スリーブとにより流体管接続具が流体管に強固に接続される。
【0021】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明において、内挿筒部の外面に凹部を形成した。そして、外スリーブと内挿筒部との間に挟まれた流体管の端部が、内挿筒部の拡径により内側から押し出されたとき、その端部を形成する管材料を凹部に収容することが可能となる。
【0022】
請求項4に記載の発明によれば、請求項2又は請求項3に記載の発明において、外スリーブの内面に凹部を形成した。そして、外スリーブと内挿筒部との間に挟まれた流体管の端部が、内挿筒部の拡径により内側から押し出されたとき、その端部を形成する管材料を凹部に収容することが可能となる。
【0023】
請求項5に記載の発明によれば、流体管接続具と、接続治具とを一組とした。そのため、流体管接続具と接続治具とを一括して運搬することが可能となる。流体管の端部内に挿入された内挿筒部が、接続治具を使用して内側から拡径されることにより、その内挿筒部の外周面が流体管の端部の内周面に圧接して、流体の漏れ出しを防止するシール構造が形成された状態で流体管と接続される。このため、内挿筒部の外周面と流体管の内周面との間にシール構造を形成して接続させるために、流体管の端部の拡径が行われ、さらに流体管の端部の外周側から他部材による押し潰しが行われることが無くなり、流体管の端部に作用する負荷が軽減される。また、流体管の端部に内挿筒部が挿入された状態で接続治具により拡径作業が行われるため、流体管の端部を内挿筒部の外径より大きくなるまで拡径する作業が必要無くなる。そのため、流体管の端部が、同流体管と流体管接続具との接続状態における拡径量よりも多くなるまで拡径される必要がなくなり、その端部に作用する負荷が軽減される。加えて、流体管の端部の拡径と、その拡径した端部の押し潰しといった二度に及ぶ端部の変形作業が必要なくなり、流体管の端部に作用する負荷は軽減される。
【0024】
請求項6に記載の発明によれば、請求項5に記載の発明において、流体管の端部内に内挿筒部を挿入し、同端部に外スリーブを外挿することにより、拡径された内挿筒部と外スリーブとの間に流体管の端部が挟持される。このため、内挿筒部と外スリーブとにより流体管接続具が流体管に強固に接続される。
【0025】
請求項7に記載の発明によれば、請求項6に記載の発明において、内挿筒部の外面に凹部を形成した。そして、外スリーブと内挿筒部との間に挟まれた流体管の端部が、内挿筒部の拡径により内側から押し出されたとき、その端部を形成する管材料を凹部に収容することが可能となる。
【0026】
請求項8に記載の発明によれば、請求項6又は請求項7に記載の発明において、外スリーブの内面に凹部を形成した。そして、外スリーブと内挿筒部との間に挟まれた流体管の端部が、内挿筒部の拡径により内側から押し出されたとき、その端部を形成する管材料を凹部に収容することが可能となる。
【0027】
請求項10に記載の発明によれば、請求項9に記載の発明において、内挿筒部を拡径する前に、外スリーブを流体管の端部に外挿するため、内挿筒部の拡径と同時に、内挿筒部と外スリーブとの間に流体管の端部が挟持される。
【0028】
請求項11に記載の発明によれば、流体管接続具が一体に組付けられているため、流体管の敷設現場で、流体管と流体管接続具との接続作業が省略される。
【0029】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した流体管接続具、流体管接続装置、流体管接続具と流体管との接続方法及び流体管接続具を備えた流体管の一実施形態を図1〜図4にしたがって説明する。
【0030】
図2に示すように、流体管としての通水管11は合成樹脂材料により長尺状をなす円筒状に形成されている。前記通水管11の一端部に接続される流体管接続具12は、図1に示すように、金属材料により略円筒状に形成された接続具本体13と、通水管11の端部に外挿される円筒状をなす金属材料製の外スリーブ14とを備えている。前記接続具本体13の一端側(図1では左端側)は円筒状に形成され、その外周面には外周溝13aが接続具本体13の周方向全体に亘って凹設されている。その外周溝13aにはゴム材料製のシールリング15が嵌着されている。接続具本体13のほぼ中央部の外周面には、接続溝13bが接続具本体13の周方向全体に亘って凹設されている。
【0031】
接続具本体13の他端部(図1では右端部)には、内挿筒部13cが一体形成され、この内挿筒部13cの外径は、接続具本体13の一端側の外径より小さく形成されている。また、内挿筒部13cの外径は、前記通水管11の内径よりわずかに小さく形成され、内挿筒部13cは通水管11の端部内に挿入可能に形成されている。内挿筒部13cの他端の内周縁には、突条部13dが形成され、この突条部13dは内挿筒部13cの周方向全体に亘って内挿筒部13c内方に向かって突出するように形成されている。接続具本体13において、内挿筒部13cの基端外周には、内挿筒部13cの外径より大きい外径を有する当接面13eが形成されている。
【0032】
次に、前記外スリーブ14について説明する。外スリーブ14の内面(内周面)には凹部としての逃がし凹部14aが、外スリーブ14の周方向全体に亘って凹設されている。また、外スリーブ14の逃がし凹部14a以外の部位における内径は、通水管11の外径よりわずかに大きく形成され、外スリーブ14は通水管11に外挿可能に形成されている。そして、外スリーブ14を通水管11に外挿し、外スリーブ14の端面と通水管11の端面とを面一となるように配設したとき、逃がし凹部14aは突条部13dの外周側に位置するようになっている。
【0033】
なお、ここで、流体管接続具12を介して通水管11が接続される分岐継手16について説明する。図4に示すように、分岐継手16は筒状をなす主配管17と、その主配管17から分岐した3本の枝配管18とから形成されている。前記各枝配管18には、前記接続具本体13の一端側が挿入可能に形成されている。各枝配管18の外面における相対向する位置には接続凹条18aが凹設されている。各接続凹条18aは、各枝配管18内に接続具本体13の一端が挿入されたとき、前記接続溝13bが合致するようになっている。そして、各接続凹条18aには、横コ字状をなす接続部材19の各側部を挿通可能になっている。
【0034】
次に、前記内挿筒部13cを内側から拡径するために使用される接続治具について説明する。図1に示すように、接続治具としての引抜体20は金属材料により棒状に形成された軸部20bと、その軸部20bの先端に設けられた略円錐状の頭部20aとから形成されている。前記頭部20aの先端部には、拡径部20cが形成されている。この拡径部20cは引抜体20の軸線方向に沿って一定の直径を有し、その直径が前記突条部13dの内径より大きく形成されているとともに、接続具本体13の突条部13d以外の部位の内径よりわずかに小さく形成されている。また、頭部20aの基端側には、前記拡径部20cから離れるに従い、直径が徐々に縮径して傾斜する小径部20dが形成されている。そして、引抜体20は、接続具本体13内に挿入され、頭部20aは突条部13d以外の接続具本体13内に挿入可能に形成されている。さらに、引抜体20は接続具本体13内から引き抜かれることにより、拡径部20cにより前記突条部13dを拡径することができるようになっている。
【0035】
そして、上記接続具本体13及び外スリーブ14よりなる流体管接続具12と、引抜体20とが一組となり、通水管11と流体管接続具12とを接続するための流体管接続装置21が構成されている。
【0036】
次に、上記引抜体20を接続具本体13内から引き抜くための図2に示す引抜き工具22について説明する。なお、引抜き工具22における上下左右は図2における上下左右に対応する。引抜き工具22は側面視逆L字状をなす工具本体23を備えている。その工具本体23の上部には略円筒状をなす収容部23aが設けられ、工具本体23の下方へ延びる部位には固定ハンドル23bが設けられている。前記収容部23a内には、同収容部23a内を左右に移動可能な移動体24が設けられている。収容部23aの右端側は、収容部23aの右側に向かうに従い内径及び外径が縮径するテーパ状に形成されている。収容部23aの右端部には略円筒状をなす口金23cが螺着され、この口金23c内に前記軸部20bが挿通可能に形成されている。
【0037】
前記移動体24は略有底円筒状をなし、移動体24の右端部には、前記口金23cが挿入されている。移動体24の右端側は、移動体24の右側に向かうに従い内径及び外径が傾斜しながら縮径するように形成され、移動体24の右端側の内周面には縮径面24aが形成されている。移動体24の内底面にはコイルスプリング24bが固定され、そのコイルスプリング24bには金属材料により略円筒状に形成された押出部材25が取り付け固定されている。
【0038】
移動体24内において、移動体24の右端側の内周面と前記押出部材25との間には、保持部材26が配設され、この保持部材26は押出部材25を介した前記コイルスプリング24bにより移動体24の右側へ向かうように常に付勢されている。保持部材26の内側には、前記口金23c内を通過した軸部20bが挿入可能に形成されている。この保持部材26の外周面には、保持部材26の左側から右側に向かうに連れて徐々に縮径するテーパ面26aが形成されている。
【0039】
移動体24の下端の外面には移動体24の長さ方向に沿って延びるギヤ部24cが形成され、このギヤ部24cが収容部23a内から外部へ露出している。前記固定ハンドル23b内には、前記移動体24を移動させるためのレバー27が配設されている。このレバー27は上端部が、固定ハンドル23bの相対向する側壁間に架設された軸部材28により固定ハンドル23bに取り付けられ、その軸部材28を回動中心として回動可能になっている。レバー27の上端部は側面視円弧状に形成され、その円弧に沿った外面には前記ギヤ部24cと噛合可能な噛合刃部27aが形成されている。レバー27の固定ハンドル23bに対する取り付け状態において、噛合刃部27aとギヤ部24cとが噛合されている。そして、レバー27を固定ハンドル23b内側へ回動させると、噛合刃部27aとギヤ部24cとの噛合により、移動体24を収容部23a内奥方へ移動させることができるようになっている。
【0040】
さて、上記流体管接続装置21により、流体管接続具12を通水管11の一端部に接続するには、まず、図2に示すように、通水管11に外スリーブ14を外挿し、通水管11の一端部に外スリーブ14を装着する。このとき、外スリーブ14は、通水管11の軸線方向にスライド移動することが可能となっている。次に、内挿筒部13c側の開口から接続具本体13内に、引抜体20を軸部20b側から挿入する。このとき、拡径部20cの直径は突条部13dの内径より大きいため、拡径部20cが突条部13dの内側を通過することはない。
【0041】
次いで、前記軸部20bを口金23c内を通過させ、保持部材26内に挿入し、さらに、レバー27を操作させて移動体24を収容部23a内奥方へ移動させる。すると、移動体24の移動に伴い保持部材26が外周側から締め付けられて保持部材26内に軸部20bが保持される。続いて、内挿筒部13c及び頭部20aを通水管11の一端部内に挿入する。さらに、外スリーブ14を接続具本体13側へスライド移動させ、通水管11の端部に配設されるように、同外スリーブ14の端面を当接面13eに当接させる。そして、レバー27をさらに操作して軸部20bを保持した保持部材26を、さらに収容部23a内奥方へ移動させる。すると、引抜体20の軸部20bが収容部23a内奥方へ引張られるとともに、通水管11から離れる方向へ引張られ、引抜体20が接続具本体13内に向かって引張られる。
【0042】
このとき、頭部20aは小径部20d側から拡径部20cに向かって内挿筒部13c内へ引込まれていく。そのため、突条部13dを通過する頭部20aの外径は徐々に大きくなり、突条部13dは徐々に拡径されていく。図3に示すように、拡径部20cが突条部13dの内側を通過すると、その拡径部20cにより突条部13d及び突条部13dに繋がる内挿筒部13cの先端部は、その内径が接続具本体13の突条部13d以外の部位における内径とほぼ同じになるように拡径される。それと同時に、内挿筒部13cの先端側の外周面が通水管11の内周面に圧接して、内挿筒部13cの外周面と通水管11の内周面との間に、流体の漏れ出しを防止するシール構造が形成される。加えて、拡径された通水管11が自己の収縮により内挿筒部13cの外周面に圧接するため、シール効果がより発揮される。
【0043】
突条部13dが拡径されると、内挿筒部13cの先端は外方へ突出するため、その突出した部位により内挿筒部13cに突部が形成される。さらに、その突条部13dの外周に位置する通水管11の端部も外方へ押し出されるとともに、その押し出された管材料は、内挿筒部13cと外スリーブ14との間に設けられた逃がし凹部14a内に収容される。その結果、通水管11の膨出した部位が逃がし凹部14aの内周面に係合した状態となる。そのため、前記突部が通水管11の内周面に食い込み、通水管11が流体管接続具12から容易に抜け出なくなる。また、万一、通水管11に対して流体管接続具12から抜け出る方向への力が作用し、通水管11の端部が前記突部を乗り越えようとして外スリーブ14を外方へ押圧しても、外スリーブ14は変形しないため、外スリーブ14と内挿筒部13cとの間を通水管11が抜け出ることが防止される。最後に、頭部20a全体が突条部13dの内側を通過した後、さらに、引抜体20を引張ると、引抜体20が接続具本体13内を通過して接続具本体13から抜き取られる。そして、一端に流体管接続具12を備えた通水管11が形成される。
【0044】
前記流体管接続具12が接続された通水管11を、分岐継手16に接続するには、まず、図4に示すように、接続具本体13の一端側を枝配管18内に挿入する。そして、接続溝13bと、接続凹条18aとを合致させた状態で、接続部材19の各側部をそれぞれ一対の接続凹条18aに挿通すると、接続部材19の両側部が接続溝13b及び接続凹条18a内に挿入される。接続凹条18aに接続部材19が支持され、その接続部材19の両側部の上面に接続溝13bの内面が支持される。即ち、接続部材19によって、流体管接続具12が枝配管18に抜け止めされた状態で接続され、その流体管接続具12を介して通水管11が分岐継手16に接続される。この接続状態では、シールリング15が外周溝13aの周面及び枝配管18の内周面それぞれに圧接するため、枝配管18の内周面と接続具本体13の一端部の外周面との間から流体が漏れ出ることが防止される。また、通水管11の内周面と、内挿筒部13cの外周面との間にもシール構造が形成されているため、枝配管18の先端から流体が漏れ出ることが防止される。
【0045】
上記第1の実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)通水管11内に挿入された内挿筒部13cを内側から拡径して内挿筒部13cの外周面を通水管11の内周面に圧接させることができ、通水管11と流体管接続具12との間にシール構造を形成することができる。そして、通水管11の内周面に突部が食い込むため、通水管11を接続具本体13に抜け止めした状態に接続することができる。従って、通水管11と流体管接続具12との接続において、通水管11の端部を必要以上に拡径し、その拡径された端部を内挿筒部13c側に押圧すべく外スリーブを押し嵌める必要がなくなり、通水管11の端部に作用する負荷を抑えて損傷を受けにくくすることができる。また、拡径後の通水管11は自己の収縮により内挿筒部13cの外周面に圧接することになるため、内挿筒部13cと通水管11との間のシール効果をより効果的に発揮させることができる。
【0046】
(2)内挿筒部13cの外径を拡径前の通水管11の内径よりわずかに小さく形成したため、通水管11の端部内に内挿筒部13cを内挿することができ、その内挿状態で突条部13dが拡径されて通水管11に流体管接続具12が接続される。従って、従来のように、通水管の端部を拡径し、その拡径端部が縮径する前に内挿筒部に通水管を装着する作業を行う必要が無い。その結果、通水管11を流体管接続具12に接続するための作業に早急性を必要とすることなく行うことができる。
【0047】
(3)突条部13dを内側から拡径することにより、通水管11と流体管接続具12とを接続することができる。従って、外スリーブを移動させるために、通水管11の外側に工具を配置し、その工具を操作していた従来と異なり、通水管11及び流体管接続具12の外側に工具を作動させるための空間を確保する必要がなくなる。その結果、狭い空間でも通水管11に流体管接続具12を接続する作業を容易に行うことができる。
【0048】
(4)内挿筒部13cの内周面に、接続具本体13のその他の内径より小さい内径を有する突条部13dを形成した。そして、突条部13dが拡径されることにより、通水管11の端部は、突条部13dと対応する位置のみが拡径される。そのため、通水管11の端縁からその長さ方向に沿って端部全体を拡径していた従来と異なり、通水管11の拡径部位の面積を小さくすることができる。従って、拡径により通水管11の端部に作用する負荷を小さくすることができる。
【0049】
(5)内挿筒部13cにおいて、拡径された突条部13dと対応する部位が通水管11の内周面に食い込むため、通水管11を内挿筒部13cに対して抜け止めした状態に接続することができる。
【0050】
(6)拡径された内挿筒部13c(突条部13d)の外周面と、外スリーブ14の内周面との間に通水管11の端部が挟持されている。そして、通水管11に引抜き方向への力が作用し、通水管11の端部が外スリーブ14を外方へ押圧しても外スリーブ14は変形しないため、通水管11の端部の拡径を防止して通水管11の流体管接続具12からの抜け出しを防止することができる。
【0051】
(7)外スリーブ14の逃がし凹部14a内に、押し出された管材料が入り込むため、管材料が外スリーブ14と内挿筒部13cとの間で押し潰されるといった不具合の発生を防止することができる。そして、押し出された管材料が、当接面13e側へ移動し、さらにその管材料が当接面13eに接触することの反作用により通水管11が接続具本体13に対する抜け出し方向へ移動してしまう不具合の発生を防止することができる。また、外スリーブ14は、拡径前の通水管11の端部に配設され、内挿筒部13cの拡径とともに、通水管11の端部を内挿筒部13cとにより挟持する。従って、拡径された通水管11の端部に外スリーブ14が押し嵌める作業は必要なく、その押し嵌めに伴う管材料の移動が発生せず、通水管11の端部に作用する負荷を軽減することができる。
【0052】
(8)通水管11の端部を拡径することなく内挿筒部13cが通水管11の端部内に挿入され、外スリーブ14が通水管11の端部に配置された状態で突条部13dが拡径されて通水管11に流体管接続具12が接続される。そのため、引抜体20を接続具本体13内から引き抜くという力を要する作業を一度行うのみで通水管11に流体管接続具12を接続することができる。これに対し、通水管11の端部を拡径する作業と、外スリーブ14を拡径された通水管11の端部に押し嵌める作業との二度の力を要する作業を行う必要があった従来と異なり、通水管11の端部に作用する負荷を最小限に抑え、通水管11と流体管接続具12との接続作業を容易に行うことができる。
【0053】
(9)接続具本体13内を頭部20aが移動可能となるように拡径部20cの直径を接続具本体13における突条部13d以外の位置の内径よりわずかに小さく形成した。そのため、頭部20aを接続具本体13内で速やかに移動させて突条部13dの拡径作業を容易かつ速やかに行うことができる。
【0054】
(10)接続具本体13、外スリーブ14及び引抜体20を一組として流体管接続装置21を構成した。そのため、各部材を別々に運搬し、通水管11と流体管接続具12の接続現場で、各部材を組み合わせる場合と比較して、前記接続作業を速やかに行うことができる。
【0055】
(第2の実施形態)
次に、本発明を具体化した流体管接続具、流体管接続装置、流体管接続具と流体管との接続方法及び流体管接続具を備えた流体管の第2の実施形態を図5〜図7にしたがって説明する。なお、第2の実施形態は、第1の実施形態の流体管接続具12及び外スリーブ14を変更した構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
【0056】
図5及び図6に示すように、第2の実施形態の流体管接続具30は、エルボ管として使用されるものである。この流体管接続具30は、金属管よりL字状に形成された接続具本体31を備え、図6に示すように、接続具本体31の一端部(図6では上端部)には、管体32と螺着可能なねじ部31aが形成されている。
【0057】
一方、図5に示すように、接続具本体31の他端部(図5では下側右端部)の先端部には、内挿筒部31bが形成されている。この内挿筒部31bの外径は、前記通水管11の内径よりわずかに小さく形成され、通水管11の端部内に挿入可能に形成されている。内挿筒部31bの内周縁には、突条部31cが接続具本体31の内方に向かって突設されている。なお、第2の実施形態の突条部31cは、第1の実施形態の突条部13dと比較して軸線方向への長さが長く形成されている。また、前記突条部31cの外周側に位置する内挿筒部31bの外面(外周面)には、凹部としての受容凹部31dが、内挿筒部31bの周方向全体に亘って凹設されている。流体管接続具30において、前記内挿筒部31bの軸線を接続具本体31内側へ延長した位置には、操作孔としてのねじ孔31eが接続具本体31の壁面を貫通して形成されている。図7に示すように、前記ねじ孔31eには円盤状をなす閉鎖部材33が螺着可能に形成され、その閉鎖部材33によりねじ孔31eを閉鎖可能になっている。
【0058】
一方、図5に示すように、第2の実施形態の外スリーブ34は、円筒状に形成され、第1の実施形態における逃がし凹部14aが形成されていない。そして、上記接続具本体31及び外スリーブ34よりなる流体管接続具30と、前記引抜体20とにより第2の実施形態の流体管接続装置35が構成されている。
【0059】
さて、第2の実施形態の流体管接続装置35を使用して通水管11の一端部に流体管接続具30を接続するには、まず、図5に示すように、管体32に接続された接続具本体31のねじ孔31eから閉鎖部材33を螺退させてねじ孔31eを開放させる。次に、第1の実施形態と同様に、通水管11の端部に外スリーブ34を装着し、内挿筒部31b側の開口から接続具本体31内に、引抜体20を軸部20b側から挿入する。続いて、内挿筒部31bを通水管11の一端部内に挿入するとともに、引抜体20の頭部20aを通水管11の一端部内に挿入し、その軸部20bをねじ孔31eから接続具本体31外へ突出させる。このとき、軸部20bがねじ孔31eを貫通して接続具本体31外へ突出するように、軸部20bの長さが設定されている。
【0060】
さらに、外スリーブ34を接続具本体31側へスライド移動させ、同外スリーブ34の端面を接続具本体31の端面に当接させる。そして、図6に示すように、引抜体20の軸部20bを図示しない引抜き工具により、通水管11から離れる方向へ引張ると、引抜体20が接続具本体31側へ引張られる。すると、第1の実施形態と同様に、拡径部20cにより突条部31cは拡径され、その拡径された突条部31cの内径と、接続具本体31の突条部31c以外の部位における内径とがほぼ同じになる。
【0061】
突条部31cが拡径されると、受容凹部31dの前後に位置する部位は、外方へ突出して突部が形成されるとともに、通水管11の端部は、内周側から外方へ押圧される。すると、前記突部は通水管11の内周面に食い込むとともに、その突部の食い込みにより押し出された管材料は受容凹部31d内に収容される。そして、前記突部の外周面により、通水管11の端部は外スリーブ34の内周面に押し付けられる。このとき、外スリーブ34は金属材料により形成されているため、押し付けられた管材料により外方へ変形することはない。
【0062】
すると、外スリーブ34の内周面と、内挿筒部31bの外周面との間で、通水管11の一端部が挟持される。また、受容凹部31dの前後に位置する内挿筒部31bの外周面(突部)が、通水管11の内周面に食い込んだ状態となり、通水管11が接続具本体31に抜け止めされた状態で接続される。最後に、引抜体20の頭部20a全体が突条部31cの内周を通過した後、さらに、引抜体20を引張ると、引抜体20がねじ孔31e内を通過して接続具本体31から抜き取られる。その後、図7に示すように、閉鎖部材33をねじ孔31eに螺着して同ねじ孔31eを閉鎖する。その結果、通水管11の一端部に流体管接続具30が接続されて流体管接続具30を備えた通水管11が形成されるとともに、その流体管接続具30を介して通水管11が管体32に接続される。
【0063】
従って、第2の実施形態によれば、第1の実施形態に記載の効果に加えて以下の効果を得ることができる。即ち、第2の実施形態では、内挿筒部31bの外周面に受容凹部31dを形成した。そのため、突条部31cが拡径されたとき、受容凹部31dの前後に位置する内挿筒部31bの外周面(突部)が通水管11の内周面に食い込むことになり、通水管11と流体管接続具30とをより強固な接続状態とすることができる。また、ねじ孔31eにより接続具本体31の軸線方向に沿って引抜体20を移動させることが可能となり、長尺状をなす接続具本体31内奥部の突条部31cも引抜体20により拡径することができる。
【0064】
なお、各実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 各実施形態では、外スリーブ14,34を、接続具本体13,31とは別体形成し、内挿筒部13c,31bの軸線方向に沿ってスライド移動可能に形成したが、以下のように変更してもよい。図8(a)〜図8(c)に示すように、流体管接続具40は金属材料により略円筒状に形成されている。この流体管接続具40の一端部(図8(a)では左端部)は、第1の実施形態の枝配管18や図示しない継手等に接続可能に形成されている。一方、流体管接続具40の他端部(図8(a)では右端部)には、内挿筒部41aが突設されているとともに、内挿筒部41aの外周側には一定の間隔をおいて外スリーブ41bが一体形成されている。即ち、内挿筒部41aの外周面と、外スリーブ41bの内周面との間には、通水管11の端部を挿入可能な円環状をなす収容空間Sが形成されている。そして、上記流体管接続具40に前記引抜体20が一組に形成されて流体管接続装置42が構成されている。
【0065】
さて、外スリーブ41bが一体形成された流体管接続具40を、通水管11と接続するには、図8(a)に示すように、引抜体20を流体管接続具40内に挿入した状態で、収容空間S内に通水管11の端部を挿入する。このとき、収容空間S内において、外スリーブ41bの内周面と、通水管11の端部の外周面との間には、円環状をなす空隙が形成されている。そして、引抜体20を流体管接続具40内から引き抜くと、図8(b)に示すように、拡径部20cにより内挿筒部41aが拡径されるとともに、通水管11の端部が外スリーブ41b側へ押し出される。すると、その押し出された端部は収容空間S内に収容され、さらに、その押し出された端部の外周面が外スリーブ41bの内周面に押しつけられる。その結果、内挿筒部41aの外周面と外スリーブ41bの内周面との間に通水管11の端部が挟持され、流体管接続具40が通水管11に接続される。
【0066】
そして、図8(c)に示すように、流体管接続具40の一端部を継手44に接続することにより、流体管接続具40を介して通水管11と継手44とが接続される。なお、前記収容空間S内に合成樹脂材料により円環状に形成された介装部材を収容してもよい。このように構成した場合、通水管11の端部が拡径されたとき、通水管11の端部は、内挿筒部41aの外周面と、介装部材を介した外スリーブ41bの内周面との間に挟持される。その結果、介装部材を介装しない場合と比較して、通水管11の端部がより強力に挟持される。
【0067】
・ 図9に示す接続治具としての打込工具50を使用してもよい。打込工具50は金属材料により略ボルト状に形成され、頭部50aと、軸部50bとより形成されている。拡径部としての前記軸部50bは、その直径が突条部13dの内径より大きく形成され、内挿筒部13cの内径よりわずかに小さく形成されている。また、軸部50bの軸線方向への長さは接続具本体13の軸線方向への長さより長く形成されている。この打込工具50と、流体管接続具12とにより流体管接続装置51が構成されている。そして、図10に示すように、内挿筒部13cを通水管11内に挿入した状態で、打込工具50を接続具本体13内へ打ち込むと、軸部50bにより突条部13dが拡径される。その結果、第1の実施形態と同様に、通水管11と流体管接続具12とがシール構造を形成した状態で接続される。なお、上記打込工具50の軸部50bを軸線方向へ延長して、第2の実施形態の流体管接続具30を通水管11に接続するときに使用してもよい。そして、流体管接続具30と打込工具50とにより流体管接続装置を形成してもよいが、通水管11と流体管接続具12との接続現場に、流体管接続具12と打込工具50とを別々に搬入して、使用時に互いを持ち寄ってもよい。
【0068】
・ 各実施形態では突条部13d,31cを内挿筒部13c,31bの内周面の周方向全体に延びるように形成したが、突条部13d,31cを内挿筒部13c,31bの周方向に間隔をおいて形成してもよい。
【0069】
・ 各実施形態では、内挿筒部13c,31bの端部に突条部13d,31cを形成したが、内挿筒部13c,31bの内周全体に突条部13d,31cを形成してもよい。
【0070】
・ 第1の実施形態において、接続具本体13の当接面13eの端面に、外スリーブ14の端面が接合するように両者を一体形成してもよい。また、第2の実施形態において、接続具本体31において内挿筒部31bの基端に外スリーブ34を一体形成してもよい。
【0071】
・ 各実施形態では、流体管接続具12,30,40を通水管11の一端部のみに接続したが、流体管接続具12,30,40を通水管11の両端部に接続してもよい。
【0072】
・ 第1の実施形態において、内挿筒部13cの外周面に、凹部としての受容凹部を凹設して、外スリーブ14の逃がし凹部14aとともに突条部13dの拡径に伴い押し出された管材料を収容してもよい。
【0073】
・ 第2の実施形態において、外スリーブ34の内周面に逃がし凹部を凹設して、接続具本体31の受容凹部31dとともに突条部31cの拡径に伴い押し出された管材料を収容してもよい。
【0074】
・ 流体管接続装置21,35,42では、それぞれ流体管接続具12,30,40と引抜体20とを一組としたが、通水管11と流体管接続具12,30,40との接続現場に、流体管接続具12,30,40と引抜体20とを別々に搬入して、使用時に互いを持ち寄ってもよい。
【0075】
・ 各実施形態では、頭部20aに拡径部20c及び小径部20dが形成された引抜体20を使用したが、引抜体20の頭部を球状に形成してもよい。
・ 第1の実施形態において、分岐継手16の各枝配管18の開口端部に内挿筒部を一体形成し、その内挿筒部の内周面に突条部を突設する。また、枝配管18の軸線を主配管17側へ延長した分岐継手16の壁面に、操作孔を貫設する。そして、分岐継手16の枝配管18そのものを流体管接続具としてもよい。このように構成した場合、枝配管18の先端側から引抜体20が挿入され、前記操作孔から引抜体20が引き抜かれるとともに、突条部が拡径される。そして、外スリーブ14の逃がし凹部14a内に管材料が収容されるとともに、内挿筒部13cと外スリーブ14との間に通水管11の端部が挟持される。なお、上記流体管接続具において、内挿筒部に凹部を形成してもよい。
【0076】
・ 第1の実施形態の接続具本体13の内挿筒部13cの突条部13dを省略するとともに、第2の実施形態の突条部31c及び受容凹部31dを形成して流体管接続具12を構成してもよい。このとき、外スリーブ14の逃がし凹部14aを省略してもよい。
【0077】
・ 第1の実施形態において、外スリーブ14を省略して接続具本体13のみにより流体管接続具を構成してもよい。また、第2の実施形態において、外スリーブ34を省略して接続具本体31により流体管接続具を構成してもよい。
【0078】
・ 各実施形態では、通水管11と流体管接続具12とを通水管11の施工現場で接続したが、通水管11の一端部又は両端部に流体管接続具12が予め接続された通水管11を施工現場に運搬して使用してもよい。
【0079】
・ 各実施形態では、流体管として合成樹脂製の通水管11に具体化したが、金属材料製の通水管に具体化してもよい。また、流体管として通水管に具体化したが、ガス管、空調用の冷媒管等に具体化してもよい。
【0080】
・ 通水管11として、その厚み内に金属層を設けてもよい。このように構成した場合、金属層により酸素が通水管11を通過するのを防止することができる。そのため、通水管11内を流通する水等の流体に酸素が含有され、その酸素により金属製の接続具本体13等が錆びてしまうといった不具合の発生を防止することができる。
【0081】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(1)前記内挿筒部にはその内側から拡径された状態で前記流体管の内周面に食い込む突部が形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の流体管接続具。
【0082】
(2)前記接続具本体と外スリーブとは、一体に形成されていることを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれか一項に記載の流体管接続具。
(3)前記内挿筒部の内周面には、当該内挿筒部の周方向全体に延びる突条部が接続具本体の内方に向かって突設され、その突条部が拡径されることにより、当該突条部と対応する内挿筒部と外スリーブとの間に流体管の端部が挟持されることを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれか一項に記載の流体管接続具。このように構成した場合、内挿筒部全体を拡径し、その内挿筒部に対応する流体管の端部を拡径する場合と比較して、流体管の端部に作用する負荷を小さくすることができる。
【0083】
(4)前記流体管接続具には、当該流体管接続具内に挿入された接続治具を、内挿筒部の内側を通過させた後、当該流体管接続具内を通過させることを可能とするとともに、接続治具の使用後に閉鎖可能とする操作孔が形成されていることを特徴とする請求項5〜請求項8のいずれか一項に記載の流体管接続装置。このように構成した場合、流体管接続具が長尺状に形成されていても内挿筒部の拡径を行うことができる。
【0084】
【発明の効果】
本発明によれば、流体管の端部に作用する負荷を抑え、さらに、早急性を要することなく流体管との間にシール構造を形成して接続することができる。また、流体管の端部に作用する負荷を抑え、さらに、早急性を要せずに流体管と接続することができる流体管接続具を備えた流体管を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の流体管接続装置を示す半断面図。
【図2】第1の実施形態の流体管接続装置を示す半断面図。
【図3】第1の実施形態の流体管接続具を通水管に接続した状態の断面図。
【図4】流体管接続具により通水管を枝配管に接続した状態の部分断面図。
【図5】第2の実施形態の流体管接続装置を示す半断面図。
【図6】第2の実施形態の流体管接続具を通水管に接続した状態の断面図。
【図7】流体管接続具と通水管との接続状態を示す部分断面側面図。
【図8】(a)は別例の流体管接続装置を示す断面図、(b)は別例の流体管接続具を通水管に接続した状態の断面図、(c)は別例の流体管接続具により通水管を継手に接続した状態の断面図。
【図9】別例の接続治具と接続具本体とを示す半断面図。
【図10】別例の接続治具により通水管と接続具本体とを接続した状態の断面図。
【符号の説明】
11…流体管としての通水管、12,30,40…流体管接続具、13c,31b,41a…内挿筒部、14,34,41b…外スリーブ、14a…凹部としての逃がし凹部、20…接続治具としての引抜体、20c…拡径部、21,35,42,51…流体管接続装置、31d…凹部としての受容凹部、50…接続治具としての打込工具、50b…拡径部としての軸部。
Claims (11)
- 内部を流体が流通可能に形成された流体管と接続される流体管接続具であって、前記流体管の端部内に挿入される内挿筒部を備え、前記流体管の端部内に挿入された内挿筒部がその内側から拡径されることにより、拡径された内挿筒部の外周面が流体管の端部の内周面に圧接して流体管と接続されることを特徴とする流体管接続具。
- 前記流体管の端部に外挿される外スリーブを備え、当該外スリーブは拡径された内挿筒部との間に流体管の端部を挟持することを特徴とする請求項1に記載の流体管接続具。
- 前記内挿筒部の外面には、前記外スリーブと内挿筒部との間に位置し、当該内挿筒部の拡径により押し出された流体管の管材料が入り込む凹部が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の流体管接続具。
- 前記外スリーブの内面には、当該外スリーブと内挿筒部との間に位置し、内挿筒部の拡径により押し出された流体管の管材料が入り込む凹部が設けられていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の流体管接続具。
- 内部を流体が流通可能に形成された流体管と接続される流体管接続具と、当該流体管接続具を流体管に接続する作業を行うための接続治具とより構成され、前記流体管接続具は流体管の端部内に挿入される内挿筒部を備えるとともに、前記接続治具は前記内挿筒部の内径より大径な拡径部を有し、前記接続治具の拡径部によって内挿筒部をその内側から拡径することを特徴とする流体管接続装置。
- 前記流体管接続具は前記流体管の端部に外挿される外スリーブを備え、当該外スリーブは拡径された内挿筒部との間に流体管の端部を挟持することを特徴とする請求項5に記載の流体管接続装置。
- 前記内挿筒部の外面には、前記外スリーブと内挿筒部との間に位置し、当該内挿筒部の拡径により押し出された流体管の管材料が入り込む凹部が設けられていることを特徴とする請求項6に記載の流体管接続装置。
- 前記外スリーブの内面には、当該外スリーブと内挿筒部との間に位置し、当該内挿筒部の拡径により押し出された流体管の管材料が入り込む凹部が設けられていることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の流体管接続装置。
- 内部を流体が流通可能に形成された流体管と、同流体管の端部内に挿入される内挿筒部を備えた流体管接続具とを接続する方法であって、前記流体管の端部内に内挿筒部を挿入し、その内挿筒部を内側から拡径して、その拡径された内挿筒部を流体管の端部の内周面に圧接させることを特徴とする流体管接続具と流体管との接続方法。
- 前記流体管接続具は、流体管の端部に外挿される外スリーブを備え、前記外スリーブを流体管の端部に外挿した後で、外スリーブが外挿された端部内に位置する前記内挿筒部を内側から拡径して、その拡径された内挿筒部と、外スリーブとの間に流体管の端部を挟持することを特徴とする請求項9に記載の流体管接続具と流体管との接続方法。
- 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の流体管接続具が、少なくともいずれか一端に接続されていることを特徴とする流体管接続具を備えた流体管。
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JP2003178572A Pending JP2005016561A (ja) | 2003-06-23 | 2003-06-23 | 流体管接続具、流体管接続装置、流体管接続具と流体管との接続方法及び流体管接続具を備えた流体管 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005016561A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011058599A (ja) * | 2009-09-14 | 2011-03-24 | Mirai Ind Co Ltd | 管接続装置 |
JP2014206243A (ja) * | 2013-04-15 | 2014-10-30 | 横浜ゴム株式会社 | ホース金具の取り付け方法 |
JP2020179472A (ja) * | 2019-04-26 | 2020-11-05 | 光陽産業株式会社 | フレキシブル管用マーキング治具 |
-
2003
- 2003-06-23 JP JP2003178572A patent/JP2005016561A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011058599A (ja) * | 2009-09-14 | 2011-03-24 | Mirai Ind Co Ltd | 管接続装置 |
JP2014206243A (ja) * | 2013-04-15 | 2014-10-30 | 横浜ゴム株式会社 | ホース金具の取り付け方法 |
JP2020179472A (ja) * | 2019-04-26 | 2020-11-05 | 光陽産業株式会社 | フレキシブル管用マーキング治具 |
JP7316635B2 (ja) | 2019-04-26 | 2023-07-28 | 光陽産業株式会社 | フレキシブル管用マーキング治具 |
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