JP2005016409A - 船外機 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、弁軸の一端側に被駆動部が配置されるとともに、弁軸の他端側に開度センサーが配置されたスロットル弁装置を、内燃機関を覆うカバーに対してコンパクトに配置することを課題とするものである。
【解決手段】内燃機関10を覆うカバー6内にスロットル弁装置34が配置され、前記スロットル弁装置34のスロットル弁37の開閉によって吸気量が制御される船外機1において、前記スロットル弁37の弁軸36の一端側に被駆動部39が配置されるとともに、前記弁軸36の他端側に開度センサー57が配置され、前記スロットル弁軸36が水平面に対し斜めに傾斜したものである。
【選択図】 図2
【解決手段】内燃機関10を覆うカバー6内にスロットル弁装置34が配置され、前記スロットル弁装置34のスロットル弁37の開閉によって吸気量が制御される船外機1において、前記スロットル弁37の弁軸36の一端側に被駆動部39が配置されるとともに、前記弁軸36の他端側に開度センサー57が配置され、前記スロットル弁軸36が水平面に対し斜めに傾斜したものである。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、弁軸の一端側に被駆動部が配置されるとともに、弁軸の他端側に開度センサーが配置されたスロットル弁装置を、内燃機関を覆うカバーに対してコンパクトに配置することができる船外機に関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来の大部分の船外機では、内燃機関のクランク軸は、上下方向に指向したまま、船外機前後より前寄りに配置され、内燃機関の吸気ポートに接続される吸気通路は、内燃機関の左右(本明細書では、船の進行方向を基準とし、左右とは、進行方向に向って左方と右方とを意味し、同様に前後も船の進行方向を基準としている)いずれか一方に配置され、この吸気通路に付設されるスロットル弁装置は、吸気通路と共に、内燃機関を覆うカバー内に設けられている。
【0003】
そして、スロットル弁装置の弁軸は、通常、上下方向に指向し、スロットル弁を旋回操作するためのスロットルレバーの基端が、弁軸の上端または下端に装着され、このスロットルレバーの先端は直接またはリンク等の部材を介して、プッシュプルワイヤ等の入力部材に連結されている船外機が多い。
【0004】
しかし、この種の船外機では、スロットル弁軸を枢支する上下軸支部の内、下方の軸支部には、水分等が溜り易く、スロットル弁装置を軽快に操作しにくいことがある。
【0005】
特開平11−34985号公報には、吸気通路に配設されたスロットル弁装置の弁軸が水平に指向した船外機が開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−34985号公報
【0007】
【解決しようとする課題】
特開平11−34985号公報記載の船外機では、スロットル弁装置の弁軸に連結されたスロットルレバーや、このスロットルレバーとプッシュプルワイヤとを連結するリンク等は、全て吸気通路の外側に配置され、しかも、スロットル弁の開度を検出する開度センサーも、スロットルレバーとプッシュプルワイヤとを連結する回動レバーの回転軸における吸気通路外側端に設けられているため、吸気通路の外側に位置したこれらスロットルレバーやリンクや開度センサーにより、内燃機関を覆うカバーが外方へ張り出してしまい、船外機の小型化が困難であった。
【0008】
本発明は、このような難点を克服した船外機を提供することを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段および効果】
本願の請求項1記載の発明は、内燃機関を覆うカバー内にスロットル弁装置が配置され、前記スロットル弁装置のスロットル弁の開閉によって吸気量が制御される船外機において、前記スロットル弁の弁軸の一端側に被駆動部が配置されるとともに、前記弁軸の他端側に開度センサーが配置され、前記スロットル弁軸が水平面に対し斜めに傾斜したことを特徴とするものである。
【0010】
請求項1記載の発明では、前述したようにスロットル弁の弁軸の一端側に被駆動部が配置されるとともに、前記弁軸の他端側に開度センサーが配置されているため、スロットル弁軸方向の張り出しが抑制され、内燃機関を覆うカバー内の空間にコンパクトにスロットル弁装置が収納されうる。
【0011】
また、スロットル弁軸が水平面に対し僅か斜めに傾斜しているため、スロットル弁軸の枢支部に水等が溜るのが阻止され、スロットル弁装置を軽快に操作することができる。
【0012】
さらに、前記スロットル弁軸の軸端に設けられた被駆動部や開度センサーが、スロットル弁軸の傾斜に対応して傾斜し、内燃機関を覆うカバーの傾斜面や湾曲面に対し略平行な関係を取ることができ、内燃機関を覆うカバーに前記被駆動部や開度センサーがよりさらに接近することが可能となり、より一層コンパクトに前記カバー内に内燃機関を収納することができる。
【0013】
請求項2記載の発明は、前記内燃機関は、船外機前後中心より前寄りに配置されたクランク軸を収容するクランク室を具備するとともに、前記スロットル弁装置が、前記クランク室の前方に配置され、前記スロットル弁軸は、前後方向の面に沿って設けられたことを特徴とするものである。
【0014】
請求項2記載の発明では、前述したように構成しているので、後方に配置されたシリンダヘッドの吸気ポートに一端が接続された吸気通路を、内燃機関の左右いずれか一方の側面に沿い延長しクランク室の前方を迂回させることができるため、カバーへの張り出しを抑制したまま、吸気管長を大巾に延長でき、その結果、船外機のコンパクト化を推進できるとともに、吸入効率を向上させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図1ないし図12に図示された本発明の一実施形態において、まず、船外機1全体の概略構造について説明する。
【0016】
船外機1は、図1において右側を前方、すなわち、船体側として、船尾2に支持装置3を介して取り付けられ、この船外機1では、船外機1の下方部を覆うエクステンションケース4の上部にアンダカバー5が連なり、このアンダカバー5の上部にエンジンカバー6が着脱自在に取り付けられ、エクステンションケース4の下部には、ギヤケース7が一体に取り付けられている。
【0017】
また、アンダカバー5の上方膨大部とエンジンカバー6とによって形成される機関室8内には、クランク軸9を鉛直に指向した4ストロークサイクル直列4気筒の内燃機関10と、各種内燃機関補機とが収容されている。なお、図4に図示されるようにクランク軸9の下端にフライホイール9aが一体に装着されている。
【0018】
さらに、図1に図示されるように、内燃機関10の本体では、前方から後方に亘って、クランクケース11、シリンダブロック12、およびシリンダヘッド13が並べられて相互に一体に結合され、クランク軸9はクランクケース11とシリンダブロック12との合せ面に枢支され、シリンダブロック12では、4個のシリンダ14が上下方向に亘り直列に配置され、図2に図示されるように、このシリンダ14にピストン15が前後に摺動自在に嵌装され、ピストン15はコネクティングロッド16(図4参照)を介してクランク軸9に連結されており、ピストン15が前後に往復動すると、クランク軸9が回転駆動されるようになっている。
【0019】
さらにまた、図2に図示されるように、シリンダヘッド13には、シリンダ14とピストン15とシリンダヘッド13とで形成された燃焼室17に図示されない点火プラグが設けられ、この燃焼室17に通ずる吸気ポート18と排気ポート19とが左、右(図2では、右、左)に形成され、この吸気ポート18と排気ポート19の燃焼室17側端には、吸気弁20と排気弁21とが、それぞれ設けられ、吸気ポート18に図示されない燃料噴射弁が設けられ、これら吸気弁20、排気弁21は図示されない動弁装置により開閉駆動されるようになっている。
【0020】
また、機関室8の前方上部右側(図2では左側)には、吸気チャンバー22が配置され、吸気ポート18の入口(図2では、右側)は、吸気マニホールド23およびスロットル弁装置34を介して吸気チャンバー22に接続され、吸気チャンバー22は、図4に図示されるように、吸気ダクト33を介して大気中に連通されている。
【0021】
支持装置3では、支持装置本体24のスイベルケース25に、マウントフレームの軸部(図示されず)が左右へ回動自在に嵌装され、このマウントフレームの上端のアッパーマウントフレーム26は、アッパーマウントラバー28を介して、内燃機関10の下部と一体のマウントケース30に結合されるとともに、マウントフレームの下端のロアマウントフレーム27は、ロアマウントラバー29を介してエクステンションケース4に結合されており、マウントフレームの操作アーム31を左右へ揺動すると、スイベルケース25を中心として船外機1は左右へ操舵されるようになっている。
【0022】
また、支持装置本体24は、左右水平方向へ指向したチルト軸32を介して、船尾2に上下へ傾動自在に取り付けられている。
【0023】
次に、図2、図3を参照してスロットル弁装置34について説明すると、スロットル弁装置34は、筒状のバルブケース35と、図4に図示されるように、前後方向へ指向するとともに水平面より前端が上方へ後端が下方へ僅かに傾斜した状態(図4において、水平面に対する弁軸36の傾斜角がθとして図示されている)で、バルブケース35に揺動自在に枢支された弁軸36と、この弁軸36に一体に取り付けられた円板状の弁体37と、バルブケース35の後部に揺動自在に枢支された操作レバー38と、弁体37の全閉付近における弁体37を単位角度揺動させるに必要な操作レバー38の操作揺動角度が、弁体37の全開付近における弁体37を単位角度揺動させるに必要な操作揺動角度よりも大きくなるような特性を弁軸36に与えるための弁軸36および操作レバー38に介装された連動機構39とよりなっており、バルブケース35の前部に開度センサー57が配置されて、弁軸36の前端が開度センサー57の可動部57aに連結されている。
【0024】
この連動機構39は、本実施例では、カム機構であるが、このような特性を付与するものであれば、リンク機構や、楕円歯車機構等であってもよい。
【0025】
さらに、スロットル弁装置34を開閉操作するスロットル弁操作機構40について説明する。
【0026】
図5に図示されるように、スロットル弁装置34に設けられた操作レバー38の先端ボール状軸部38aは、操作レバー38の回転軸38bに対して偏心し、この先端ボール状軸部38aには、図12に図示されるようなロッド連結継手41の軸受凹部41aが嵌合されて、ボールジョイントが構成され、ロッド連結継手41の雌ネジ41bにロッド42の左端雄ネジ42aが螺着され、この左端雄ネジ42aに予め螺合されたロックナット43が螺回緊締されることにより、ロッド42の左端にロッド連結継手41が一体装着され、このロッド連結継手41が操作レバー38の先端ボール状軸部38aに3次元的に回転自在に枢着されている。そして、図2、図3に図示されるように、ロッド42の右端部は、ロッド42の左端部と同様な構造でもってロッド連結継手58に一体に装着されている。
【0027】
また、図3、図6に図示されるように、ブラケット44のボルト孔44aを貫通した取り付けボルト45により、ブラケット44は、内燃機関10のクランクケース11の右側部に一体に装着され、このブラケット44の上下方向に指向した枢支孔44bにベルクランク46の枢軸46aが軸受47を介して回転自在に挿入され、この枢軸46aの下端部にワッシャー48が嵌合され、枢軸46aの円周溝46bにサークリップ49が係合され、ベルクランク46の前部片46cにボール状軸部46dが上方へ突設されるとともに、ベルクランク46の後部片46eにボール状軸部46fが下方へ突設され、ベルクランク46の前部片46cのボール状軸部46dにロッド42の右端のロッド連結継手58が3次元的に回転自在に枢着されて、ボールジョイントが構成されている。
【0028】
さらに、図8ないし図11に図示されたリンク50の前端部50aでは、略水平方向に沿った平坦面が上下に平行に形成され、このリンク50の前端部50aには、ベルクランク46における後部片46eのボール状軸部46fと3次元的に嵌合する軸受凹部50bが形成されるとともに、この軸受凹部50bより前方へ孔50cが形成され、この軸受凹部50bと孔50cとはスリット50dで連通され、リンク50の後端部50eでは、略前後鉛直面に沿った平坦面が左右に平行に形成され、このリンク50の後端部50eにも、前端部50aと同様な軸受凹部50fと孔50gとスリット50hが形成されており、リンク50の前端部50aの軸受凹部50bは、ベルクランク46の後部片46eのボール状軸部46fに3次元的に回転自在に枢着されて、ボールジョイントが構成されている。
【0029】
さらにまた、図6に図示されるように、ブラケット44には、ボルト孔44aおよび枢支孔44bに隣接して枢支軸44cが右方へ指向して突設され、アーム51の左側基部に円筒状の凹部(図示されず)が形成され、このアーム51の円筒状凹部はブラケット44の枢支軸44cに前後へ揺動自在に嵌合され、アーム51の円筒状凹部と同芯の孔51aを貫通した抜け止めボルト52が、ブラケット44の枢支軸44cの中心と同芯のネジ孔44dに螺着され、アーム51の右側面中央部より右方へボール状軸部51bが突設され、リンク50の後端部50eにおける軸受凹部50fにアーム51のボール状軸部51bが3次元的に回転自在に枢着されて、ボールジョイントが構成されている。なお、抜け止めボルト52にはワッシャ53が遊嵌されている。
【0030】
そして、アーム51の下端には、内側から右方に向って係止軸54が貫通し、この係止軸54の先端に後記するように、係止具70が回転自在に取り付けられている。
【0031】
また、図2に図示されるように、内燃機関10の右側上方(図2では左側)には、電装ボックス59が配設されている。
【0032】
図3に図示されるように、スロットル弁操作機構40を介してスロットル弁装置34を操作するためのスロットル操作系ボーデンケーブル60は、図示されない船体側の操作ハンドルに加えられた操作力を伝達する可撓性のインナケーブル61と、インナケーブル61を内方中空部で摺動自在に支持するアウタケーブル62とからなり、機関室8内にてスロットル操作系ボーデンケーブル60を保持するためのブラケット55は、機関室8内にて右側方に位置してアンダカバー5に一体に装着され、アウタケーブル62の後端外周に嵌着された係合管63の外周に周方向の小径部63aが形成され、この係合管63の小径部63aがブラケット55の起立片55aの切欠き55bに上方から下方に向って押し込められて係止されている。
【0033】
また、係合管63の後端に金属製の案内管64が設けられ、その接合部分の外周はシール部材65で覆われ、この案内管64内にてインナケーブル61の後端部61aと連結ロッド66の前端部66aとが一体に結合されるとともに、連結ロッド66は案内管64より後方へ突出し、案内管64の後端部もシール部材67で覆われ、しかもスロットル操作系ボーデンケーブル60がアンダカバー5より前方へ露出する部分は、ゴム製のグロメット56で覆われ、このグロメット56はアンダカバー5の開口5aに嵌装されている。
【0034】
さらに、図6に図示されるように、連結ロッド66の後端にはロッド42の端部と同様な雄ネジ66aが形成され、この雄ネジ66aには予めロックナット68が螺合されており、雄ネジ66aは係止具70の本体71の雌ネジ71aに螺合され、ロックナット68により連結ロッド66の後端は係止具70の本体71に強固に結合されている。
【0035】
さらにまた、係止具70の本体71にはスライドカバー72が前後に一定の範囲内で摺動自在に嵌装され、アーム51の下端を貫通した係止軸54は、係止具70の本体71の孔71bとスライドカバー72の長孔72aに嵌挿されており、連結ロッド66が前方へ引かれた場合には、スライドカバー72が本体71に対し所定ストローク前方へ摺動して、係止軸54を介してアーム51が前方へ傾動され、連結ロッド66が後方へ押された場合には、本体71の孔71bを介して係止軸54が後方へ移動し、アーム51が後方へ傾動されるようになっている。
【0036】
また、図7に図示されるように、スロットル操作系ボーデンケーブル60の右側(図7では手前側)にシフト操作系ボーデンケーブル69がスロットル操作系ボーデンケーブル60に対し略平行してブラケット55の起立片55aに係止されている。
【0037】
図1ないし図12に図示された本発明の一実施形態は前述したように構成されているので、船外機1を付設した図示されない船に搭乗した乗員が、全閉状態のスロットル弁装置34を開放すべく、スロットルレバーを後方へ引くと、これに連動してスロットル操作系ボーデンケーブル60のインナケーブル61が前方へ引かれ、インナケーブル61の後端の連結ロッド66に係止具70を介して下端部が連結されたアーム51は、図4に図示された状態から前方へ最大約90°揺動され、このアーム51の前方揺動に伴なってベルクランク46は、図3において、反時計方向へ最大約90°旋回され、これに連動してロッド42は左方(図3では上方)へ押され、図5において、スロットル弁装置34の操作レバー38は反時計方向へ傾動され、スロットル弁装置34は全閉状態から開放され、このスロットル弁装置34の開度は、開度センサー57で検出される。
【0038】
この場合に、スロットル弁装置34の全閉に近い状態で、操作レバー38を或る角度開放方向へ回動させた場合には、弁軸36と操作レバー38に介装された連動機構39により、弁軸36および弁体37は、操作レバー38の操作角に比べて僅かな角度回転するため、スロットル弁装置34の開閉を微妙に操作することができる。
【0039】
また、スロットル操作系ボーデンケーブル60におけるインナケーブル61の摺動方向が前後方向で、スロットル弁装置34の操作レバー38を傾動させるためのロッド42の移動方向が左右方向であり、スロットル操作系ボーデンケーブル60の後方延長方向よりスロットル弁装置34が左方に著しくずれていても、ロッド連結継手41、ロッド42、ベルクランク46、リンク50、アーム51および係止具70よりなるスロットル弁操作機構40を介してスロットル操作系ボーデンケーブル60のインナケーブル61の後端と一体の連結ロッド66に操作レバー38が連結されているため、インナケーブル61の操作力が操作レバー38に確実に伝達され、スロットル弁装置34は円滑に開閉できる。
【0040】
さらに、アーム51が前後に大きく傾動し、アーム51の下端の係止軸54が大きく上下に移動しても、スロットル操作系ボーデンケーブル60を支持しているブラケット55とアーム51とは著しく離れ、かつスロットル操作系ボーデンケーブル60の後端部がブラケット55に係止されて、係合管63および案内管64が容易に傾き易くなっているため、アーム51の下端係止軸54の上下移動に左右されることなく、インナケーブル61はアウタケーブル62内を、連結ロッド66は案内管64を軽く摺動することができる。
【0041】
さらにまた、操作レバー38の傾動や、アーム51の前後揺動でベルクランク46が3次元的に自由に回動できるため、アーム51の揺動は、操作レバー38に円滑にかつ確実に伝達される。
【0042】
また、図3、図4に図示されるように、スロットル弁装置34の後端側に、スロットル弁装置34の被駆動部たる操作レバー38が配置されるとともに、スロットル弁装置34の前端側に、開度センサー57が配置されているため、スロットル弁装置34の弁軸36の軸方向張り出しが減少し、内燃機関10を覆うエンジンカバー6の空間内にスロットル弁装置34がコンパクトに収納される。
【0043】
さらに、図4に図示されるように、スロットル弁装置34の弁軸36が、水平面に対し僅か斜めに傾斜しているため、スロットル弁装置34の弁軸36の枢支部に水が溜らず、スロットル弁装置34の操作が軽快に行なわれる。
【0044】
さらにまた、スロットル弁装置34の弁軸36の前端部が上方に、かつ弁軸36の後端部が下方に位置するように、弁軸36が水平面に対して斜めに傾斜しているため、操作レバー38が、内燃機関10のクランクケース11の前面に接近して配置されても、スロットル弁操作機構40による弁軸36の回転に際し、操作レバー38がクランクケース11に接触する惧れがなく、しかも、開度センサー57の前面とエンジンカバー6の前壁とが略平行となり、開度センサー57とエンジンカバー6と間隙が狭くなり、よりコンパクトに内燃機関10およびスロットル弁装置34がエンジンカバー6内に収納されうる。
【0045】
また、図2に図示するように、クランクケース11を前方へ、シリンダヘッド13を後方へ配置した船外機1において、スロットル弁装置34をクランクケース11の前方に配置するとともに、スロットル弁装置34の吸気の流れ方向を船外機1の左側(図2では右側)から右側に向け、スロットル弁装置34の上流端とシリンダヘッド13における吸気ポート18とを吸気マニホールド23で接続したため、吸気マニホールド23の吸気管長を著しく長くすることができ、内燃機関10の吸入効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を図示した船外機の右側面図である。
【図2】一部を裁断した図1の平面図である。
【図3】図2の要部拡大平面図である。
【図4】図1のIV−IV線に沿って一部裁断した縦断側面図である。
【図5】図2のV矢視図である。
【図6】スロットル弁操作機構の分解斜視図である。
【図7】スロットル弁操作機構斜視図である。
【図8】リンクの側面図である。
【図9】図8の平面図である。
【図10】図8のIX−IX線に沿って裁断した横断面図である。
【図11】図8のX−X線に沿って裁断した横断面図である。
【図12】ロッド連結継手の平面図である。
【符号の説明】
1…船外機、2…船尾、3…支持装置、4…エクステンションケース、5…アンダカバー、6…エンジンカバー、7…ギヤケース、8…機関室、9…クランク軸、10…内燃機関、11…クランクケース、12…シリンダブロック、13…シリンダヘッド、14…シリンダ、15…ピストン、16…コネクティングロッド、17…燃焼室、18…吸気ポート、19…排気ポート、20…吸気弁、21…排気弁、22…吸気チャンバー、23…吸気マニホールド、
24…支持装置本体、25…スイベルケース、26…アッパーマウントフレーム、27…ロアマウントフレーム、28…アッパーマウントラバー、29…ロアマウントラバー、30…マウントケース、31…操作アーム、32…チルト軸、33…吸気ダクト、
34…スロットル弁装置、35…バルブケース、36…弁軸、37…弁体、38…操作レバー、39…連動機構、
40…スロットル弁操作機構、41…ロッド連結継手、42…ロッド、43…ロックナット、44…ブラケット、45…取り付けボルト、46…ベルクランク、47…軸受、48…ワッシャー、49…サークリップ、50…リンク、51…アーム、52…抜け止めボルト、53…ワッシャ、54…係止軸、55…ブラケット、56…グロメット、57…開度センサー、58…ロッド連結継手、59…電装ボックス、
60…スロットル操作系ボーデンケーブル、61…インナケーブル、62…アウタケーブル、63…係合管、64…案内管、65…シール部材、66…連結ロッド、67…シール部材、68…ロックナット、69…シフト操作系ボーデンケーブル、
70…係止具、71…本体、72…スライドカバー。
【発明の属する技術分野】
本発明は、弁軸の一端側に被駆動部が配置されるとともに、弁軸の他端側に開度センサーが配置されたスロットル弁装置を、内燃機関を覆うカバーに対してコンパクトに配置することができる船外機に関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来の大部分の船外機では、内燃機関のクランク軸は、上下方向に指向したまま、船外機前後より前寄りに配置され、内燃機関の吸気ポートに接続される吸気通路は、内燃機関の左右(本明細書では、船の進行方向を基準とし、左右とは、進行方向に向って左方と右方とを意味し、同様に前後も船の進行方向を基準としている)いずれか一方に配置され、この吸気通路に付設されるスロットル弁装置は、吸気通路と共に、内燃機関を覆うカバー内に設けられている。
【0003】
そして、スロットル弁装置の弁軸は、通常、上下方向に指向し、スロットル弁を旋回操作するためのスロットルレバーの基端が、弁軸の上端または下端に装着され、このスロットルレバーの先端は直接またはリンク等の部材を介して、プッシュプルワイヤ等の入力部材に連結されている船外機が多い。
【0004】
しかし、この種の船外機では、スロットル弁軸を枢支する上下軸支部の内、下方の軸支部には、水分等が溜り易く、スロットル弁装置を軽快に操作しにくいことがある。
【0005】
特開平11−34985号公報には、吸気通路に配設されたスロットル弁装置の弁軸が水平に指向した船外機が開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−34985号公報
【0007】
【解決しようとする課題】
特開平11−34985号公報記載の船外機では、スロットル弁装置の弁軸に連結されたスロットルレバーや、このスロットルレバーとプッシュプルワイヤとを連結するリンク等は、全て吸気通路の外側に配置され、しかも、スロットル弁の開度を検出する開度センサーも、スロットルレバーとプッシュプルワイヤとを連結する回動レバーの回転軸における吸気通路外側端に設けられているため、吸気通路の外側に位置したこれらスロットルレバーやリンクや開度センサーにより、内燃機関を覆うカバーが外方へ張り出してしまい、船外機の小型化が困難であった。
【0008】
本発明は、このような難点を克服した船外機を提供することを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段および効果】
本願の請求項1記載の発明は、内燃機関を覆うカバー内にスロットル弁装置が配置され、前記スロットル弁装置のスロットル弁の開閉によって吸気量が制御される船外機において、前記スロットル弁の弁軸の一端側に被駆動部が配置されるとともに、前記弁軸の他端側に開度センサーが配置され、前記スロットル弁軸が水平面に対し斜めに傾斜したことを特徴とするものである。
【0010】
請求項1記載の発明では、前述したようにスロットル弁の弁軸の一端側に被駆動部が配置されるとともに、前記弁軸の他端側に開度センサーが配置されているため、スロットル弁軸方向の張り出しが抑制され、内燃機関を覆うカバー内の空間にコンパクトにスロットル弁装置が収納されうる。
【0011】
また、スロットル弁軸が水平面に対し僅か斜めに傾斜しているため、スロットル弁軸の枢支部に水等が溜るのが阻止され、スロットル弁装置を軽快に操作することができる。
【0012】
さらに、前記スロットル弁軸の軸端に設けられた被駆動部や開度センサーが、スロットル弁軸の傾斜に対応して傾斜し、内燃機関を覆うカバーの傾斜面や湾曲面に対し略平行な関係を取ることができ、内燃機関を覆うカバーに前記被駆動部や開度センサーがよりさらに接近することが可能となり、より一層コンパクトに前記カバー内に内燃機関を収納することができる。
【0013】
請求項2記載の発明は、前記内燃機関は、船外機前後中心より前寄りに配置されたクランク軸を収容するクランク室を具備するとともに、前記スロットル弁装置が、前記クランク室の前方に配置され、前記スロットル弁軸は、前後方向の面に沿って設けられたことを特徴とするものである。
【0014】
請求項2記載の発明では、前述したように構成しているので、後方に配置されたシリンダヘッドの吸気ポートに一端が接続された吸気通路を、内燃機関の左右いずれか一方の側面に沿い延長しクランク室の前方を迂回させることができるため、カバーへの張り出しを抑制したまま、吸気管長を大巾に延長でき、その結果、船外機のコンパクト化を推進できるとともに、吸入効率を向上させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図1ないし図12に図示された本発明の一実施形態において、まず、船外機1全体の概略構造について説明する。
【0016】
船外機1は、図1において右側を前方、すなわち、船体側として、船尾2に支持装置3を介して取り付けられ、この船外機1では、船外機1の下方部を覆うエクステンションケース4の上部にアンダカバー5が連なり、このアンダカバー5の上部にエンジンカバー6が着脱自在に取り付けられ、エクステンションケース4の下部には、ギヤケース7が一体に取り付けられている。
【0017】
また、アンダカバー5の上方膨大部とエンジンカバー6とによって形成される機関室8内には、クランク軸9を鉛直に指向した4ストロークサイクル直列4気筒の内燃機関10と、各種内燃機関補機とが収容されている。なお、図4に図示されるようにクランク軸9の下端にフライホイール9aが一体に装着されている。
【0018】
さらに、図1に図示されるように、内燃機関10の本体では、前方から後方に亘って、クランクケース11、シリンダブロック12、およびシリンダヘッド13が並べられて相互に一体に結合され、クランク軸9はクランクケース11とシリンダブロック12との合せ面に枢支され、シリンダブロック12では、4個のシリンダ14が上下方向に亘り直列に配置され、図2に図示されるように、このシリンダ14にピストン15が前後に摺動自在に嵌装され、ピストン15はコネクティングロッド16(図4参照)を介してクランク軸9に連結されており、ピストン15が前後に往復動すると、クランク軸9が回転駆動されるようになっている。
【0019】
さらにまた、図2に図示されるように、シリンダヘッド13には、シリンダ14とピストン15とシリンダヘッド13とで形成された燃焼室17に図示されない点火プラグが設けられ、この燃焼室17に通ずる吸気ポート18と排気ポート19とが左、右(図2では、右、左)に形成され、この吸気ポート18と排気ポート19の燃焼室17側端には、吸気弁20と排気弁21とが、それぞれ設けられ、吸気ポート18に図示されない燃料噴射弁が設けられ、これら吸気弁20、排気弁21は図示されない動弁装置により開閉駆動されるようになっている。
【0020】
また、機関室8の前方上部右側(図2では左側)には、吸気チャンバー22が配置され、吸気ポート18の入口(図2では、右側)は、吸気マニホールド23およびスロットル弁装置34を介して吸気チャンバー22に接続され、吸気チャンバー22は、図4に図示されるように、吸気ダクト33を介して大気中に連通されている。
【0021】
支持装置3では、支持装置本体24のスイベルケース25に、マウントフレームの軸部(図示されず)が左右へ回動自在に嵌装され、このマウントフレームの上端のアッパーマウントフレーム26は、アッパーマウントラバー28を介して、内燃機関10の下部と一体のマウントケース30に結合されるとともに、マウントフレームの下端のロアマウントフレーム27は、ロアマウントラバー29を介してエクステンションケース4に結合されており、マウントフレームの操作アーム31を左右へ揺動すると、スイベルケース25を中心として船外機1は左右へ操舵されるようになっている。
【0022】
また、支持装置本体24は、左右水平方向へ指向したチルト軸32を介して、船尾2に上下へ傾動自在に取り付けられている。
【0023】
次に、図2、図3を参照してスロットル弁装置34について説明すると、スロットル弁装置34は、筒状のバルブケース35と、図4に図示されるように、前後方向へ指向するとともに水平面より前端が上方へ後端が下方へ僅かに傾斜した状態(図4において、水平面に対する弁軸36の傾斜角がθとして図示されている)で、バルブケース35に揺動自在に枢支された弁軸36と、この弁軸36に一体に取り付けられた円板状の弁体37と、バルブケース35の後部に揺動自在に枢支された操作レバー38と、弁体37の全閉付近における弁体37を単位角度揺動させるに必要な操作レバー38の操作揺動角度が、弁体37の全開付近における弁体37を単位角度揺動させるに必要な操作揺動角度よりも大きくなるような特性を弁軸36に与えるための弁軸36および操作レバー38に介装された連動機構39とよりなっており、バルブケース35の前部に開度センサー57が配置されて、弁軸36の前端が開度センサー57の可動部57aに連結されている。
【0024】
この連動機構39は、本実施例では、カム機構であるが、このような特性を付与するものであれば、リンク機構や、楕円歯車機構等であってもよい。
【0025】
さらに、スロットル弁装置34を開閉操作するスロットル弁操作機構40について説明する。
【0026】
図5に図示されるように、スロットル弁装置34に設けられた操作レバー38の先端ボール状軸部38aは、操作レバー38の回転軸38bに対して偏心し、この先端ボール状軸部38aには、図12に図示されるようなロッド連結継手41の軸受凹部41aが嵌合されて、ボールジョイントが構成され、ロッド連結継手41の雌ネジ41bにロッド42の左端雄ネジ42aが螺着され、この左端雄ネジ42aに予め螺合されたロックナット43が螺回緊締されることにより、ロッド42の左端にロッド連結継手41が一体装着され、このロッド連結継手41が操作レバー38の先端ボール状軸部38aに3次元的に回転自在に枢着されている。そして、図2、図3に図示されるように、ロッド42の右端部は、ロッド42の左端部と同様な構造でもってロッド連結継手58に一体に装着されている。
【0027】
また、図3、図6に図示されるように、ブラケット44のボルト孔44aを貫通した取り付けボルト45により、ブラケット44は、内燃機関10のクランクケース11の右側部に一体に装着され、このブラケット44の上下方向に指向した枢支孔44bにベルクランク46の枢軸46aが軸受47を介して回転自在に挿入され、この枢軸46aの下端部にワッシャー48が嵌合され、枢軸46aの円周溝46bにサークリップ49が係合され、ベルクランク46の前部片46cにボール状軸部46dが上方へ突設されるとともに、ベルクランク46の後部片46eにボール状軸部46fが下方へ突設され、ベルクランク46の前部片46cのボール状軸部46dにロッド42の右端のロッド連結継手58が3次元的に回転自在に枢着されて、ボールジョイントが構成されている。
【0028】
さらに、図8ないし図11に図示されたリンク50の前端部50aでは、略水平方向に沿った平坦面が上下に平行に形成され、このリンク50の前端部50aには、ベルクランク46における後部片46eのボール状軸部46fと3次元的に嵌合する軸受凹部50bが形成されるとともに、この軸受凹部50bより前方へ孔50cが形成され、この軸受凹部50bと孔50cとはスリット50dで連通され、リンク50の後端部50eでは、略前後鉛直面に沿った平坦面が左右に平行に形成され、このリンク50の後端部50eにも、前端部50aと同様な軸受凹部50fと孔50gとスリット50hが形成されており、リンク50の前端部50aの軸受凹部50bは、ベルクランク46の後部片46eのボール状軸部46fに3次元的に回転自在に枢着されて、ボールジョイントが構成されている。
【0029】
さらにまた、図6に図示されるように、ブラケット44には、ボルト孔44aおよび枢支孔44bに隣接して枢支軸44cが右方へ指向して突設され、アーム51の左側基部に円筒状の凹部(図示されず)が形成され、このアーム51の円筒状凹部はブラケット44の枢支軸44cに前後へ揺動自在に嵌合され、アーム51の円筒状凹部と同芯の孔51aを貫通した抜け止めボルト52が、ブラケット44の枢支軸44cの中心と同芯のネジ孔44dに螺着され、アーム51の右側面中央部より右方へボール状軸部51bが突設され、リンク50の後端部50eにおける軸受凹部50fにアーム51のボール状軸部51bが3次元的に回転自在に枢着されて、ボールジョイントが構成されている。なお、抜け止めボルト52にはワッシャ53が遊嵌されている。
【0030】
そして、アーム51の下端には、内側から右方に向って係止軸54が貫通し、この係止軸54の先端に後記するように、係止具70が回転自在に取り付けられている。
【0031】
また、図2に図示されるように、内燃機関10の右側上方(図2では左側)には、電装ボックス59が配設されている。
【0032】
図3に図示されるように、スロットル弁操作機構40を介してスロットル弁装置34を操作するためのスロットル操作系ボーデンケーブル60は、図示されない船体側の操作ハンドルに加えられた操作力を伝達する可撓性のインナケーブル61と、インナケーブル61を内方中空部で摺動自在に支持するアウタケーブル62とからなり、機関室8内にてスロットル操作系ボーデンケーブル60を保持するためのブラケット55は、機関室8内にて右側方に位置してアンダカバー5に一体に装着され、アウタケーブル62の後端外周に嵌着された係合管63の外周に周方向の小径部63aが形成され、この係合管63の小径部63aがブラケット55の起立片55aの切欠き55bに上方から下方に向って押し込められて係止されている。
【0033】
また、係合管63の後端に金属製の案内管64が設けられ、その接合部分の外周はシール部材65で覆われ、この案内管64内にてインナケーブル61の後端部61aと連結ロッド66の前端部66aとが一体に結合されるとともに、連結ロッド66は案内管64より後方へ突出し、案内管64の後端部もシール部材67で覆われ、しかもスロットル操作系ボーデンケーブル60がアンダカバー5より前方へ露出する部分は、ゴム製のグロメット56で覆われ、このグロメット56はアンダカバー5の開口5aに嵌装されている。
【0034】
さらに、図6に図示されるように、連結ロッド66の後端にはロッド42の端部と同様な雄ネジ66aが形成され、この雄ネジ66aには予めロックナット68が螺合されており、雄ネジ66aは係止具70の本体71の雌ネジ71aに螺合され、ロックナット68により連結ロッド66の後端は係止具70の本体71に強固に結合されている。
【0035】
さらにまた、係止具70の本体71にはスライドカバー72が前後に一定の範囲内で摺動自在に嵌装され、アーム51の下端を貫通した係止軸54は、係止具70の本体71の孔71bとスライドカバー72の長孔72aに嵌挿されており、連結ロッド66が前方へ引かれた場合には、スライドカバー72が本体71に対し所定ストローク前方へ摺動して、係止軸54を介してアーム51が前方へ傾動され、連結ロッド66が後方へ押された場合には、本体71の孔71bを介して係止軸54が後方へ移動し、アーム51が後方へ傾動されるようになっている。
【0036】
また、図7に図示されるように、スロットル操作系ボーデンケーブル60の右側(図7では手前側)にシフト操作系ボーデンケーブル69がスロットル操作系ボーデンケーブル60に対し略平行してブラケット55の起立片55aに係止されている。
【0037】
図1ないし図12に図示された本発明の一実施形態は前述したように構成されているので、船外機1を付設した図示されない船に搭乗した乗員が、全閉状態のスロットル弁装置34を開放すべく、スロットルレバーを後方へ引くと、これに連動してスロットル操作系ボーデンケーブル60のインナケーブル61が前方へ引かれ、インナケーブル61の後端の連結ロッド66に係止具70を介して下端部が連結されたアーム51は、図4に図示された状態から前方へ最大約90°揺動され、このアーム51の前方揺動に伴なってベルクランク46は、図3において、反時計方向へ最大約90°旋回され、これに連動してロッド42は左方(図3では上方)へ押され、図5において、スロットル弁装置34の操作レバー38は反時計方向へ傾動され、スロットル弁装置34は全閉状態から開放され、このスロットル弁装置34の開度は、開度センサー57で検出される。
【0038】
この場合に、スロットル弁装置34の全閉に近い状態で、操作レバー38を或る角度開放方向へ回動させた場合には、弁軸36と操作レバー38に介装された連動機構39により、弁軸36および弁体37は、操作レバー38の操作角に比べて僅かな角度回転するため、スロットル弁装置34の開閉を微妙に操作することができる。
【0039】
また、スロットル操作系ボーデンケーブル60におけるインナケーブル61の摺動方向が前後方向で、スロットル弁装置34の操作レバー38を傾動させるためのロッド42の移動方向が左右方向であり、スロットル操作系ボーデンケーブル60の後方延長方向よりスロットル弁装置34が左方に著しくずれていても、ロッド連結継手41、ロッド42、ベルクランク46、リンク50、アーム51および係止具70よりなるスロットル弁操作機構40を介してスロットル操作系ボーデンケーブル60のインナケーブル61の後端と一体の連結ロッド66に操作レバー38が連結されているため、インナケーブル61の操作力が操作レバー38に確実に伝達され、スロットル弁装置34は円滑に開閉できる。
【0040】
さらに、アーム51が前後に大きく傾動し、アーム51の下端の係止軸54が大きく上下に移動しても、スロットル操作系ボーデンケーブル60を支持しているブラケット55とアーム51とは著しく離れ、かつスロットル操作系ボーデンケーブル60の後端部がブラケット55に係止されて、係合管63および案内管64が容易に傾き易くなっているため、アーム51の下端係止軸54の上下移動に左右されることなく、インナケーブル61はアウタケーブル62内を、連結ロッド66は案内管64を軽く摺動することができる。
【0041】
さらにまた、操作レバー38の傾動や、アーム51の前後揺動でベルクランク46が3次元的に自由に回動できるため、アーム51の揺動は、操作レバー38に円滑にかつ確実に伝達される。
【0042】
また、図3、図4に図示されるように、スロットル弁装置34の後端側に、スロットル弁装置34の被駆動部たる操作レバー38が配置されるとともに、スロットル弁装置34の前端側に、開度センサー57が配置されているため、スロットル弁装置34の弁軸36の軸方向張り出しが減少し、内燃機関10を覆うエンジンカバー6の空間内にスロットル弁装置34がコンパクトに収納される。
【0043】
さらに、図4に図示されるように、スロットル弁装置34の弁軸36が、水平面に対し僅か斜めに傾斜しているため、スロットル弁装置34の弁軸36の枢支部に水が溜らず、スロットル弁装置34の操作が軽快に行なわれる。
【0044】
さらにまた、スロットル弁装置34の弁軸36の前端部が上方に、かつ弁軸36の後端部が下方に位置するように、弁軸36が水平面に対して斜めに傾斜しているため、操作レバー38が、内燃機関10のクランクケース11の前面に接近して配置されても、スロットル弁操作機構40による弁軸36の回転に際し、操作レバー38がクランクケース11に接触する惧れがなく、しかも、開度センサー57の前面とエンジンカバー6の前壁とが略平行となり、開度センサー57とエンジンカバー6と間隙が狭くなり、よりコンパクトに内燃機関10およびスロットル弁装置34がエンジンカバー6内に収納されうる。
【0045】
また、図2に図示するように、クランクケース11を前方へ、シリンダヘッド13を後方へ配置した船外機1において、スロットル弁装置34をクランクケース11の前方に配置するとともに、スロットル弁装置34の吸気の流れ方向を船外機1の左側(図2では右側)から右側に向け、スロットル弁装置34の上流端とシリンダヘッド13における吸気ポート18とを吸気マニホールド23で接続したため、吸気マニホールド23の吸気管長を著しく長くすることができ、内燃機関10の吸入効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を図示した船外機の右側面図である。
【図2】一部を裁断した図1の平面図である。
【図3】図2の要部拡大平面図である。
【図4】図1のIV−IV線に沿って一部裁断した縦断側面図である。
【図5】図2のV矢視図である。
【図6】スロットル弁操作機構の分解斜視図である。
【図7】スロットル弁操作機構斜視図である。
【図8】リンクの側面図である。
【図9】図8の平面図である。
【図10】図8のIX−IX線に沿って裁断した横断面図である。
【図11】図8のX−X線に沿って裁断した横断面図である。
【図12】ロッド連結継手の平面図である。
【符号の説明】
1…船外機、2…船尾、3…支持装置、4…エクステンションケース、5…アンダカバー、6…エンジンカバー、7…ギヤケース、8…機関室、9…クランク軸、10…内燃機関、11…クランクケース、12…シリンダブロック、13…シリンダヘッド、14…シリンダ、15…ピストン、16…コネクティングロッド、17…燃焼室、18…吸気ポート、19…排気ポート、20…吸気弁、21…排気弁、22…吸気チャンバー、23…吸気マニホールド、
24…支持装置本体、25…スイベルケース、26…アッパーマウントフレーム、27…ロアマウントフレーム、28…アッパーマウントラバー、29…ロアマウントラバー、30…マウントケース、31…操作アーム、32…チルト軸、33…吸気ダクト、
34…スロットル弁装置、35…バルブケース、36…弁軸、37…弁体、38…操作レバー、39…連動機構、
40…スロットル弁操作機構、41…ロッド連結継手、42…ロッド、43…ロックナット、44…ブラケット、45…取り付けボルト、46…ベルクランク、47…軸受、48…ワッシャー、49…サークリップ、50…リンク、51…アーム、52…抜け止めボルト、53…ワッシャ、54…係止軸、55…ブラケット、56…グロメット、57…開度センサー、58…ロッド連結継手、59…電装ボックス、
60…スロットル操作系ボーデンケーブル、61…インナケーブル、62…アウタケーブル、63…係合管、64…案内管、65…シール部材、66…連結ロッド、67…シール部材、68…ロックナット、69…シフト操作系ボーデンケーブル、
70…係止具、71…本体、72…スライドカバー。
Claims (2)
- 内燃機関を覆うカバー内にスロットル弁装置が配置され、前記スロットル弁装置のスロットル弁の開閉によって吸気量が制御される船外機において、
前記スロットル弁の弁軸の一端側に被駆動部が配置されるとともに、前記弁軸の他端側に開度センサーが配置され、
前記スロットル弁軸が水平面に対し斜めに傾斜したことを特徴とする船外機。 - 前記内燃機関は、船外機前後中心より前寄りに配置されたクランク軸を収容するクランク室を具備するとともに、前記スロットル弁装置が、前記クランク室の前方に配置され、前記スロットル弁軸は、前後方向の面に沿って設けられたことを特徴とする請求項1記載の船外機。
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Cited By (1)
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-
2003
- 2003-06-25 JP JP2003181794A patent/JP2005016409A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN113266465A (zh) * | 2021-05-11 | 2021-08-17 | 苏州百胜动力机器股份有限公司 | 一种带有进气控制和夹气喷射的舷外机动力总成 |
CN113266465B (zh) * | 2021-05-11 | 2022-10-18 | 苏州百胜动力机器股份有限公司 | 一种带有进气控制和夹气喷射的舷外机动力总成 |
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