JP2005016013A - 基礎杭の製造方法および基礎杭 - Google Patents
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Abstract
【課題】既製杭を回転貫入して製造される基礎杭について、貫入に必要な回転トルクを大幅に軽減し、施工性を向上させるとともに、基礎杭としての支持力性能を確実に増大させる。
【解決手段】先端が閉塞された先端シュー2を杭本体1の中空部に通して接続した回転ロッド7で回転させながら地盤中に貫入して行く。杭本体1は回転させずに、先端シュー2に追随させて地盤中に建て込んで行く。その際、杭全長または所要区間について先端シュー2の噴出口よりセメントミルク等の硬化性流体11を噴出し、先端シュー2に設けた翼6で掘削土と攪拌混合する。掘削土の一部は先端シュー2と杭本体1との隙間から杭本体1の中空部内に取り込まれる。支持層近傍では好ましくはより濃度の高い硬化性流体11を噴出しながら翼6で掘削土と攪拌混合し、杭先端部に改良土による根固め球根15を造成する。
【選択図】 図1
【解決手段】先端が閉塞された先端シュー2を杭本体1の中空部に通して接続した回転ロッド7で回転させながら地盤中に貫入して行く。杭本体1は回転させずに、先端シュー2に追随させて地盤中に建て込んで行く。その際、杭全長または所要区間について先端シュー2の噴出口よりセメントミルク等の硬化性流体11を噴出し、先端シュー2に設けた翼6で掘削土と攪拌混合する。掘削土の一部は先端シュー2と杭本体1との隙間から杭本体1の中空部内に取り込まれる。支持層近傍では好ましくはより濃度の高い硬化性流体11を噴出しながら翼6で掘削土と攪拌混合し、杭先端部に改良土による根固め球根15を造成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、鋼管杭などの中空既製杭を回転埋設装置を用いて地盤中に建て込む基礎杭の製造方法およびその製造方法によりに回転埋設した基礎杭に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
既製杭を低振動・低騒音かつ無排土で地中に埋設する方法として、杭先端部に翼、羽根等を有する鋼管杭等の既製杭を回転埋設する工法が開発、実用化されている。
【0003】
そのようなものとしては、例えば特許文献1〜4に記載された発明がある。これらはいずれも、杭先端部に翼部を設けた鋼管杭等の既製杭の形状あるいはその埋設方法に関するものである。
【0004】
これらは、先端部付近に翼を取り付けた杭の頭部に回転トルクを与え、杭全体を回転して地盤に貫入させるものである。
【0005】
【特許文献1】
特開平02−194212号公報
【特許文献2】
特公平02−062648号公報
【特許文献3】
特開平08−226124号公報
【特許文献4】
特開平09−324419号公報
【特許文献5】
特開2001−342624号公報
【特許文献6】
特開2000−144728号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1〜4に記載されたものは、地盤からの貫入抵抗を受けるため、大きな回転トルクを発生できる大規模な施工機材が必要となったり、埋設に時間がかかるなどの問題点がある。
【0007】
特に、硬質の地盤では、施工能率(貫入速度)が著しく低下するだけでなく、杭を回転させるために必要なトルクも非常に大きなものになるため、先端部付近の翼部や杭頭の把持部が破損したり、鋼管等で形成される杭体がねじ切れるといった問題が生じる可能性もある。
【0008】
このため、特許文献1記載の発明では杭先端部を開端とし、中空の杭体内に土が取り込まれるようにすることで、地盤からの貫入抵抗を低減する工夫がなされている。
【0009】
しかし、杭がある程度の長さ地盤内に貫入すると、取り込まれた土により杭体内が閉塞するか、あるいは、完全に閉塞しなくても、次第に土を杭体内に取り込み難くなり、先端が閉端の場合と同様に施工能率が低下する可能性が高い。逆に、杭体内が完全に閉塞しない場合には、杭体中空部では先端地盤に十分荷重を伝達できなくなり、先端支持力性能の面で不利になる。
【0010】
理想的には、先端支持力に影響を与える支持層付近までは杭体内を閉塞させず、支持層に至った段階で速やかに完全に杭体内が閉塞することが望ましいが、現実的にはその制御は非常に困難であり、支持層に到達する前に杭体内が閉塞もしくはそれに近い状況になり施工能率が低下してしまうか、支持層に到達しても杭体内が完全に閉塞されず、先端支持力性能に劣る結果となる。
【0011】
例えば、特許文献3記載の発明では、開端鋼管杭の中空部に土の閉塞を促進するためのリブを設けた構造が開示されているが、前述の通り、リブがない場合でも、杭がある程度の長さ地盤内に貫入すると鋼管内が閉塞するか、あるいは、完全に閉塞しなくても、次第に土を杭体内に取り込み難くなり施工能率が低下する可能性が強いことに加え、リブの影響でその傾向がより強くなる。
【0012】
一般に、杭先端部に翼、羽根等を有する鋼管杭等の既製杭を回転埋設する工法において、貫入した杭体の体積分の土を側方へ押しのけながら埋設される場合には周辺地盤が締め固められるが、杭体の回転に対して翼の取付けピッチ通りに杭が貫入しない場合、杭周辺地盤を乱すこともあり周面摩擦力が低下する現象も発生し得る。
【0013】
また、杭先端支持力に関しては、杭軸部と周辺へ張り出した翼部を合わせて先端付近の地盤へ荷重を伝達するが、先端閉端杭の場合においても翼部も含めた全面積に対する平均的な極限支持力度qu で見ると、qu =10N〜15N(先端地盤の平均N値)程度の場合が多く、qu =20N〜30N程度が得られる打撃杭や先端根固めを行う中掘り杭等、先端部まで径の等しい円筒状の杭に比べて、極限支持力度qu は小さくなる傾向がある。
【0014】
これに対し、以上の問題点の改善、すなわち、施工性の向上(貫入抵抗の軽減、貫入速度の向上等)と支持力性能の向上を目的としたいくつかの発明が見られる。
【0015】
例えば、特許文献5では、杭先端に設置される羽根部底部に噴出口を設け、流体物を地上から供給するための供給管を杭体内に設置し、これらの供給管と噴出口を通じて、回転貫入時に液体、粉体を噴出する方法が開示されている。
【0016】
この方法では、液体や粉体を供給するための供給管を別途、杭体に取り付ける必要があり、杭頭部などの機構も複雑になる他、杭本体をなす鋼管を溶接などよって継ぐ際に、供給管の連結などの作業が増加することになる。
【0017】
また、特許文献6には、先端に翼を固着した杭体の中空部に、噴出口を備えたオーガーヘッドを取り付けたロッドを挿入し、杭体の回転による推進機構とオーガーヘッドによる地盤の掘削機構を併用して杭を埋設する方法が開示されている。さらに、支持層または支持層を含む区間でオーガーヘッドの噴出口より硬化性流動物を噴出して、翼とオーガーヘッドにより土砂と攪拌混合することが記載されている。
【0018】
これらは、貫入時の抵抗を軽減するとともに支持力の増大を図ったものであるが、翼付鋼管とオーガーヘッドの両者を同時に回転させるためオーガーへの負荷が大きく、規模の大きな施工機材や特殊な施工機材が必要になり、所期の施工を行うための制御、操作も複雑になる。
【0019】
また、特許文献5および特許文献6のいずれの発明においても、杭先端は開端であるが、前述の通り、取り込まれた土により鋼管内が閉塞、あるいは、それに近い状態になって、先端が閉端の場合と同様に、貫入した鋼管体積分の土を側方へ押しのけなければならなくなると施工性が低下する。
【0020】
逆に、何らかの手段によって鋼管内の閉塞を防止した場合には、先端から噴出した硬化材の多くが鋼管内へ流れ込み、所期の大きさ・強度の根固めが形成されず、所定の先端支持力の向上が得られない可能性が生じる。
【0021】
不確実性の多い地中深くにおいて、それら2つの状態を回避するために高度な制御、施工を行うことは容易ではない。
【0022】
本願発明は、上述のような従来技術における課題を解決するためになされたものである。すなわち、杭先端部に翼等を有する既製杭を回転貫入して製造される基礎杭について、貫入に必要な回転トルクを大幅に軽減し、かつ、施工性を向上させるとともに、基礎杭としての支持力性能を確実に増大させることを目的としている。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本願の請求項1に係る発明は、中空既製杭からなる杭本体が該杭本体と別体の先端が閉塞された先端シューに載置される基礎杭の製造方法であって、前記先端シューの表面には1または複数の翼が設けられており、回転ロッドを前記杭本体の中空部を通して前記先端シューに接続し、該回転ロッドを介して前記先端シューを地盤中に回転貫入させながら、該先端シューの貫入に追随させて前記杭本体を地盤中に建て込んで行き、杭先端部の支持層または支持層を含む所要の区間において、前記先端シューに形成された噴出口より硬化性流体を噴出し、前記翼により該硬化性流体と土砂を混合攪拌することにより、杭先端部に改良土による根固め部を造成することを特徴とするものである。
【0024】
本願発明における杭本体としては、主として鋼管杭を対象としているが、コンクリート杭、PC杭、PHC杭、鋼コンクリート複合杭などにも適用可能である。
【0025】
杭先端部については、先端シューとして外形が例えば円錐形や多角錐形等のコーン部を取付けてもよいし、平坦であってもよく、あるいは翼に加え、任意の形状の掘削刃を設けてもよい。杭先端部に先端シューを設ける場合の材質としては鋼製のものが望ましいが、必要な強度が得られるものであれば特に限定されない。
【0026】
本願発明では、先端シューと杭本体が施工途中において分離可能になっており、施工完了後の基礎杭においては、杭本体が先端シューに載置された状態で根固め部によって一体化され、先端閉塞杭の構成においてセメントミルクなどの硬化性流体による根固め部も形成されているため、高い先端支持力が得られる。
【0027】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る基礎杭の製造方法において、杭先端位置に到達した前記先端シューを前記根固め部を形成する区間において上下させながら、前記先端シューの翼による該硬化性流体と土砂の混合攪拌を行うことを特徴とするものであり、より強固な根固め部を造成することができる。
【0028】
請求項3に係る発明は、中空既製杭からなる杭本体が該杭本体と別体の先端が閉塞された先端シューに載置される基礎杭の製造方法であって、前記先端シューの表面には1または複数の翼が設けられており、回転ロッドを前記杭本体の中空部を通して前記先端シューに接続し、該回転ロッドを介して前記先端シューを地盤中に回転貫入させながら、該先端シューの貫入に追随させて前記杭本体を地盤中に建て込んで行く際に、杭全長または所要の区間について、前記先端シューに形成された噴出口より硬化性流体を噴出し、前記翼により該硬化性流体と土砂を混合攪拌することにより、前記杭本体の周囲に改良土による地盤改良部を造成することを特徴とするものである。
【0029】
請求項1、2に係る発明と請求項3に係る発明は併用可能な発明であり、一連の基礎杭の製造手順において両者を実施することができる。ただし、いずれか一方のみの実施も可能である。
【0030】
杭本体や先端シューの材質や形態等は請求項1について説明した通りである。
【0031】
この請求項3に係る発明では、杭全長または所要の区間について、杭本体の周囲に改良土による地盤改良部が造成されることで、基礎杭としての周面支持力が増す他、基礎杭に作用する水平力に対する水平耐力も大きくなる。
【0032】
また、回転貫入方式の施工における施工性についても、セメントミルクなどの硬化性の流体を使用して回転埋設を行うことにより、貫入に必要な回転トルクを大幅に軽減し、かつ、貫入速度を向上させることができる。
【0033】
請求項4に係る基礎杭は、地盤中に建て込まれた中空既製杭からなる杭本体が該杭本体と別体の先端が閉塞された先端シューに載置されており、該先端シューおよび杭本体の先端部が硬化性流体の硬化による根固め部によって一体化されていることを特徴とするものである。
【0034】
中空既製杭を用いた場合の従来の根固め部は先端が開端の場合が一般的であるのに対し、請求項4に係る発明では閉塞された先端シューと中空既製杭を根固め部によって一体化しており、高い先端支持力と引き抜き耐力が得られる。
【0035】
また、杭本体の先端部付近に突起部を形成しておけば、その付着力により鉛直方向の引き抜き力に対しても押し込み力に対しても荷重の伝達がスムーズとなり、さらに大きな先端支持力と引き抜き耐力が得られる。
【0036】
その場合、先端シューの翼部は施工時の回転貫入に耐え得る程度の強度、剛性とすればよく、構成材料の板厚や材質を合理化することが可能となる。
【0037】
【発明の実施の形態】
図1は、本願発明の基礎杭の製造方法の基本的な概念および施工手順を概略的に示したものである。
【0038】
図1の例では、鋼管杭などの中空既製杭からなる杭本体1の下端部に、先端部が閉塞された円錐形の先端シュー2を設置して杭の建て込みを行う。
【0039】
図1(a) に示すように、先端シュー2は杭本体1と分離しており、先端シュー2にスクリュー翼8の付いた回転ロッド7を杭本体1の中空部を通して接続し、回転ロッド7で直接先端シュー2を回転させながら先端シュー2を地盤中に貫入して行く。
【0040】
杭本体1は、先端シュー2に追随する形で、回転させずに先端シュー2に案内される形で、必要に応じて押圧力を加えながら地盤中に建て込んで行く。先端シュー2の外周面には、例えば、螺旋状に配置した1または複数の翼6が取り付けられ、地盤内にねじ込むように貫入できるようになっている。
【0041】
また、先端シュー2の上部には、鋼板などからなる載置部3、回転ロッド7の先端部を嵌合して回転ロッド7の回転力を伝達する接続部4(図2、図3参照)が形成されており、さらに鋼管などからなる筒状部5が形成されている。先端シュー2の筒状部5の内径は、杭本体1の先端部の外径よりも所定寸法大きくなっており、これらの間に隙間が生じるようになっている。
【0042】
図1の例では、先端シュー2の載置部3に杭本体1の先端部を着座させずに、間隙を保持した状態で先端シュー2および杭本体1を回転埋設することにより、杭本体1の中空部内への土砂10の流入経路が形成される構成となっている。
【0043】
これにより、埋設した杭本体1の体積分の土砂を側方へ押しのけるのではなく、その一部あるいはほぼ全てを杭本体1の中空部へ取り込むことができる。さらに、それをスクリュー翼8の付いた回転ロッド7で上方へ押し上げるため、杭体内が閉塞することを防止できる。
【0044】
また、回転ロッド7に接続された翼付の先端シュー2のみに回転力を伝達し、杭本体1は回転させずに埋設する構成となっているため、貫入に必要な回転トルクを大幅に軽減し、かつ、貫入速度、したがって施工速度を向上させることができる。
【0045】
さらに、先端シュー2には、エア、水、あるいはセメントミルクなどを概略側方あるいは斜め下方へ噴出させるための噴出口12,13(図2〜図4参照)が複数形成されており、回転ロッド7の中空部を通して送られてくるエア、水、セメントミルクなどを噴出口12,13から噴出できるようになっている。
【0046】
ここで、図1(a) に示すように、杭の回転貫入過程において、先端シュー2に設けられた噴出口12,13より、セメントミルクなどの硬化性流体11を噴出し、これを先端シュー2に設けられた翼6で土砂10と攪拌混合しながら、先端シュー2および杭本体1を埋設して行く。
【0047】
杭の設置完了後、この硬化性流体11と攪拌混合された土砂10が硬化することにより、杭周辺地盤が改良され、大きな周面摩擦力を発揮することができる。
【0048】
なお、セメントミルクなどの硬化性流体11の噴出は、必ずしも杭全長にわたって行う必要はなく、所要の区間、例えば杭周面の地盤が乱される可能性がある区間やより大きな周面摩擦力を期待する区間のみで実施してもよく、杭周辺地盤の改良を必要としない区間では、エアや水などを噴出し、掘削土の流動性を高めて施工をより平易、高能率(低トルク、高速)にすることも可能である。
【0049】
次に、図1(b) では、より強固で信頼性の高い改良地盤を形成することにより、支持層または支持層を含む所要の区間に根固め球根15を構築する過程を示している。
【0050】
ここでは、先端シュー2の載置部3に杭本体1の先端部を着座させ、杭本体1の中空部内への土砂の流入経路を閉鎖した状態で、先端シュー2および杭本体1を回転埋設する場合を示している。
【0051】
これにより、噴出したセメントミルクなどの硬化性流体11およびそれと攪拌混合された土砂10が杭本体1内の中空部に流入することを防止することができ、杭先端の支持層付近に、より確実に強固な根固め球根15を造成することができる。
【0052】
このとき、セメントミルクなどの硬化性流体11について濃度の高いものを噴出すれば、さらに強固な根固め球根15を造成することも可能である。また、先端シュー2の回転数を変化させ、より効果的な攪拌混合が実施できるようにすることも可能である。
【0053】
さらに、セメントミルクなどの硬化性流体11をより高圧で噴射して改良範囲を大きくすれば、根固め球根15をより大きな範囲に拡大することも可能である。
【0054】
このように、先端シュー2およびそれに取り付けられた翼6周辺に根固め球根15を構築することにより、根固め球根15全体で先端地盤に荷重を伝達できるため、先端支持力が向上するばかりではなく、翼6の強度・剛性で荷重を伝達する場合に比べ、先端シュー2の構造安定性も高まり、構成材料の板厚や材質を軽減でき、構造の合理化を図ることもできる。
【0055】
かかる工程の後、先端シュー2および杭本体1の所定深度までの埋設が完了すれば、先端シュー2の載置部3に杭本体1の先端が着座した状態を保持しつつ、図1(c) に示すように、回転ロッド7を先端シュー2から取り外して回収する。
【0056】
図1(d) は、以上の手順で施工を行い、セメントミルクなどと攪拌混合を行った土砂10が硬化した後の先端シュー2および杭本体1より構成される基礎杭の概要を示している。
【0057】
翼6上方の杭周辺には、セメントミルクなどの硬化性流体が攪拌混合された土砂10による地盤改良部が形成され、支持層付近の杭先端部にはより強固な根固め球根15が造成されている。
【0058】
また、本例の場合、支持層より上部では先端シュー2の載置部3に杭本体1の先端部を着座させずに、土砂10の流入経路を保持した状態で施工を行ったものであるため、杭本体1内の中空部にもセメントミルクなどの硬化性流体の攪拌混合により改良された土砂10が流入している。
【0059】
この杭本体1内の土砂が硬化することにより、杭本体1の剛性・耐力が向上し、地震時の水平変形などに対する変形性能が向上する効果も期待できる。特に、鋼管杭などで最終的な変形性能が断面の局部座屈によって決定されるような場合には、鋼管内の硬化した土砂が鋼管の座屈を拘束し、変形性能を向上させる効果が期待できる。
【0060】
図2および図3は、それぞれ先端シュー2の具体的な構造の一例を示したものである。
【0061】
図2は、先端シュー2の外周面に3枚の翼6と複数の掘削刃9を取り付けた例である。本例では、鋼製の中空円錐形の先端シュー2の本体部分後端に、回転ロッド7を嵌合するためのロッド接続部4を形成した載置部3としての円盤状の鋼板を溶接などにより接合し、さらに載置部3を取り巻くように鋼管からなる筒状部5を溶接などにより接合している。
【0062】
さらに、円錐形部にはエア、水、あるいは、セメントミルクなどを噴出させるための噴出口12,13が複数形成されている。
【0063】
図3は、先端シュー2の外周面に4枚の翼6と複数の掘削刃9を取り付けた場合を示している。この例では、翼6が鋼管からなる筒状部5の上方まで突出しており、翼6の後端部が、杭本体1の先端部を先端シュー2の載置部3に着座させる際のガイド部として機能する。
【0064】
また、円錐形部にはエア、水、あるいは、セメントミルクなどを噴出させるための噴出口12,13が形成されている。
【0065】
以上の2例では、翼6がほぼ筒状部5の外周部分に溶接されているが、先端の円錐形部に溶接してもよい。
【0066】
また、図4に示すように、翼6は平板を足し合わせて形成したものでもよいし、先端シュー2の載置部3に杭本体1の先端部を着座させる際のガイド部14を別途、板材や丸鋼などを取り付けることにより形成してもよい。
【0067】
さらに、これらの例では、閉塞された先端シュー2の先端部を円錐形状としているが、地盤への貫入性状や先端支持力性能などを勘案して形状を決定すればよく、円筒状など他の形態であってもよい。
【0068】
先端シュー2としては、翼6が設けられており、回転ロッド7の中空部を通して送られてくるエア、水、セメントミルクなどを噴出口12,13から噴出できるように構成されていればよく、形状はこれらの例に限定されるものではない。
【0069】
図5は、本願発明の他の実施形態として、支持層または支持層を含む所要の区間に根固め球根15を造成する場合の他の施工手順(請求項2に対応)を示している。
【0070】
図5(a) は、杭本体1の先端部が先端シュー2の筒状部5の上端よりも上部に位置する状態で、より大きな土砂の流入経路を確保しながら、所定の杭先端深度まで先端シュー2および杭本体1を埋設する手順を示している。
【0071】
図5(b) は一旦、所定の先端深度に達した先端シュー2を、噴出口12,13よりセメントミルクなどの硬化性流体11を噴出しつつ、所定の区間だけ引き上げ、杭本体1の先端部を先端シュー2の載置部3に着座させる手順を示している。
【0072】
このとき、杭本体1は位置を変化させず、先端シュー2のみを引き上げてもよいし、より大きな根固め球根を造成したい場合には、杭本体1も上方へ移動させてもよい。また、先端シュー2の引き上げの際には、抵抗を小さくするなどの目的で、必要に応じて先端シュー2を逆方向に回転させてもよい。
【0073】
図5(c) は、杭本体1の先端部を先端シュー2の載置部3に着座させた状態で、すなわち、土砂の杭本体1内への流入経路を閉鎖した状態で、噴出口12,13からセメントミルクなどの硬化性流体11を噴出しながら、再度、先端シュー2および杭本体1を所定の杭先端深度まで埋設する工程を示している。
【0074】
このとき、セメントミルクなどの硬化性流体11の密度を高めて、より強固な根固め球根15を造成することも可能である。
【0075】
かかる工程の後、先端シュー2および杭本体1の所定深度までの埋設が完了すれば、先端シュー2の載置部3に杭本体1の先端が着座した状態を保持しつつ、図5(d) に示すように、回転ロッド7を先端シュー2から取り外して回収する。
【0076】
図6は、杭本体1の先端部付近に、あらかじめ鉄筋などで形成した突起部16を形成したものを用いて施工を行い、セメントミルクなどと攪拌混合を行った土砂が硬化した後の先端シュー2および杭本体1より構成される基礎杭の概要を示している。
【0077】
本例では、根固め部においてのみセメントミルクなどの硬化性流体を噴出した場合を示している。それより上方の一般部では、土質条件や施工性を勘案して施工性を高めるためにエアや水を噴出するか、あるいは、何も噴出せずに施工を実施した場合を想定している。
【0078】
突起16を設けた杭本体1の先端部付近周辺を含めて前記手法で根固め球根15を形成し、付着により杭先端部の根固め球根15と先端シュー2および杭本体1先端部の一体化を図っている。
【0079】
突起16は本例のように鉄筋などを溶接などで固着することによって形成してもよいし、圧延によって形成された突起を外面に有する突起付きの鋼管などを用いてもよい。突起16の高さ、ピッチ、本数は所定の付着強度が得られるように決定すればよい。
【0080】
根固め球根15と先端シュー2を含む杭本体1の先端部付近を一体化することにより、引き抜き力が作用した場合には、図6(a) に示すように突起部16での付着により、荷重が根固め球根15に伝達され、さらに、根固め球根15を介して支持層付近の周辺地盤へ伝達されるため、杭本体1周面の摩擦力のみで引き抜き力に抵抗する場合よりも大きな耐力が得られる。
【0081】
また、図6(b) に示すように所要の押し込み力に対しても、根固め球根15と杭本体1先端部の一体化が保持できるように突起16の高さや本数ならびに根固め球根15の大きさを設定すれば、押し込み力が根固め球根15に伝達され、さらに、根固め球根15を介して支持層付近の周辺地盤へ伝達されるため、大きな先端支持力が得られるだけでなく、先端シュー2の翼6は施工時の回転貫入に耐え得る強度、剛性とすればよく、構成材料の板厚や材質を合理化することも可能になる。
【0082】
【発明の効果】
本願の請求項1に係る発明によれば、先端閉塞の先端シューを構成要素とする基礎杭について、杭先端の支持層または支持層を含む所要の区間において、先端シューの噴出口よりセメントミルクを噴出し、先端シューに取り付けられた翼でこれと土砂を混合攪拌して杭先端部に根固め部を造成することにより、大きな先端支持力を得ることができる。
【0083】
また、杭本体を先端シューに着座させて隙間を閉じて回転貫入すれば、噴出したセメントミルクなどの硬化性材料が杭体内に流入することなく、周辺地盤と確実に攪拌混合されるため、信頼性の高い根固め球根を構築することが可能になる。
【0084】
また、濃度の高いセメントミルクなどの硬化性の流体を噴出すれば、より強固な根固め球根を造成することが可能であり、さらに、セメントミルクの噴射圧力を大きくすることで、より大きな根固め球根を造成することも可能である。
【0085】
このように、先端が閉塞された先端シュー本体およびその翼部周辺に根固め部を造成することにより、根固め部全体で支持地盤に荷重を伝達できるため先端支持力が向上するばかりではなく、翼部の強度・剛性で荷重を伝達する場合に比べ、先端シューの構造安定性も高まり、構成材料の板厚や材質を軽減でき、構造の合理化を図ることもできる。
【0086】
請求項2に係る発明によれば、セメントミルクなどの硬化性流体を噴出しながら、さらに杭先端位置に到達した先端シューを根固め部を形成する区間で上下させながら、硬化性流体と土砂の攪拌混合を繰り返すことで、根固め部の品質を向上させ、より強固で信頼性の高い根固め部を造成することができる。
【0087】
本願の請求項3に係る発明によれば、杭の回転貫入過程において、周辺地盤の改良を期待する所望の区間において、先端シューに設けられた噴出口より硬化性流体を噴出し、これを先端シューに設けられた翼で土砂と攪拌混合して杭周辺地盤を改良することにより、より大きな支持力を得ることができる。
【0088】
また、回転ロッドに接続された翼付の先端シューのみに回転力を伝達し、杭本体部は回転させずに建て込むことに加え、杭本体と先端シューの間に隙間を形成しながら回転貫入させれば、掘削土が杭体内に取り込まれ、貫入に必要な回転トルクを大幅に軽減し、施工性を向上させることができる。
【0089】
なお、杭体内に取り込まれた掘削土をスクリュー翼の付いた回転ロッドで上方へ押し上げるように構成すれば、杭体内が閉塞することがなく、その効果がさらに増す。
【0090】
また、杭周辺地盤の改良を必要としない区間では、エアや水などを噴出し、掘削土の流動性を高めて施工をより平易にし、杭周辺地盤の改良が必要な区間において噴出物をセメントミルクなどの硬化性流体に切り替えることにより、さらに貫入速度を高めることができる。
【0091】
本願の請求項4に係る発明によれば、先端が閉塞された先端シューとそれに載置される杭本体の先端部が根固め部によって一体化され、高い先端支持力と引き抜き耐力が得られる。
【0092】
この場合、杭本体の先端部付近に突起部を形成しておけば、その付着力により鉛直方向の引き抜き力に対しても押し込み力に対しても荷重の伝達がスムーズとなり、さらに大きな先端支持力と引き抜き耐力が得られる他、先端シューの翼部は施工時の回転貫入に耐え得る程度の強度、剛性とすればよく、構成材料の板厚や材質を合理化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) 〜(d) は、本願発明の基礎杭の製造方法の基本的な概念および施工手順を概略的に示した鉛直断面図である。
【図2】本願発明で用いる先端シューの一例を示したものであり、(a) は平面図、(b) は正面図、(c) は底面図である。
【図3】本願発明で用いる先端シューの他の例を示したものであり、(a) は平面図、(b) は正面図、(c) は底面図である。
【図4】本願発明で用いる先端シューのさらに他の例を、杭本体先端部とともに示した正面図である。
【図5】(a) 〜(d) は、本願発明の基礎杭の製造方法の他の実施形態について、その基本的な概念および施工手順を概略的に示した鉛直断面図である。
【図6】(a) 、(b) は本願発明の基礎杭について、杭本体の先端部に突起部を形成した場合のその作用を説明するための正面図である。
【符号の説明】
1…杭本体、2…先端シュー、3…載置部、4…ロッド接続部、5…筒状部、6…翼、7…回転ロッド、8…スクリュー翼、9…掘削刃、10…土砂、11…エアまたは水、12,13…噴出口、14…ガイド部、15…根固め球根、16…突起
【発明の属する技術分野】
本願発明は、鋼管杭などの中空既製杭を回転埋設装置を用いて地盤中に建て込む基礎杭の製造方法およびその製造方法によりに回転埋設した基礎杭に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
既製杭を低振動・低騒音かつ無排土で地中に埋設する方法として、杭先端部に翼、羽根等を有する鋼管杭等の既製杭を回転埋設する工法が開発、実用化されている。
【0003】
そのようなものとしては、例えば特許文献1〜4に記載された発明がある。これらはいずれも、杭先端部に翼部を設けた鋼管杭等の既製杭の形状あるいはその埋設方法に関するものである。
【0004】
これらは、先端部付近に翼を取り付けた杭の頭部に回転トルクを与え、杭全体を回転して地盤に貫入させるものである。
【0005】
【特許文献1】
特開平02−194212号公報
【特許文献2】
特公平02−062648号公報
【特許文献3】
特開平08−226124号公報
【特許文献4】
特開平09−324419号公報
【特許文献5】
特開2001−342624号公報
【特許文献6】
特開2000−144728号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1〜4に記載されたものは、地盤からの貫入抵抗を受けるため、大きな回転トルクを発生できる大規模な施工機材が必要となったり、埋設に時間がかかるなどの問題点がある。
【0007】
特に、硬質の地盤では、施工能率(貫入速度)が著しく低下するだけでなく、杭を回転させるために必要なトルクも非常に大きなものになるため、先端部付近の翼部や杭頭の把持部が破損したり、鋼管等で形成される杭体がねじ切れるといった問題が生じる可能性もある。
【0008】
このため、特許文献1記載の発明では杭先端部を開端とし、中空の杭体内に土が取り込まれるようにすることで、地盤からの貫入抵抗を低減する工夫がなされている。
【0009】
しかし、杭がある程度の長さ地盤内に貫入すると、取り込まれた土により杭体内が閉塞するか、あるいは、完全に閉塞しなくても、次第に土を杭体内に取り込み難くなり、先端が閉端の場合と同様に施工能率が低下する可能性が高い。逆に、杭体内が完全に閉塞しない場合には、杭体中空部では先端地盤に十分荷重を伝達できなくなり、先端支持力性能の面で不利になる。
【0010】
理想的には、先端支持力に影響を与える支持層付近までは杭体内を閉塞させず、支持層に至った段階で速やかに完全に杭体内が閉塞することが望ましいが、現実的にはその制御は非常に困難であり、支持層に到達する前に杭体内が閉塞もしくはそれに近い状況になり施工能率が低下してしまうか、支持層に到達しても杭体内が完全に閉塞されず、先端支持力性能に劣る結果となる。
【0011】
例えば、特許文献3記載の発明では、開端鋼管杭の中空部に土の閉塞を促進するためのリブを設けた構造が開示されているが、前述の通り、リブがない場合でも、杭がある程度の長さ地盤内に貫入すると鋼管内が閉塞するか、あるいは、完全に閉塞しなくても、次第に土を杭体内に取り込み難くなり施工能率が低下する可能性が強いことに加え、リブの影響でその傾向がより強くなる。
【0012】
一般に、杭先端部に翼、羽根等を有する鋼管杭等の既製杭を回転埋設する工法において、貫入した杭体の体積分の土を側方へ押しのけながら埋設される場合には周辺地盤が締め固められるが、杭体の回転に対して翼の取付けピッチ通りに杭が貫入しない場合、杭周辺地盤を乱すこともあり周面摩擦力が低下する現象も発生し得る。
【0013】
また、杭先端支持力に関しては、杭軸部と周辺へ張り出した翼部を合わせて先端付近の地盤へ荷重を伝達するが、先端閉端杭の場合においても翼部も含めた全面積に対する平均的な極限支持力度qu で見ると、qu =10N〜15N(先端地盤の平均N値)程度の場合が多く、qu =20N〜30N程度が得られる打撃杭や先端根固めを行う中掘り杭等、先端部まで径の等しい円筒状の杭に比べて、極限支持力度qu は小さくなる傾向がある。
【0014】
これに対し、以上の問題点の改善、すなわち、施工性の向上(貫入抵抗の軽減、貫入速度の向上等)と支持力性能の向上を目的としたいくつかの発明が見られる。
【0015】
例えば、特許文献5では、杭先端に設置される羽根部底部に噴出口を設け、流体物を地上から供給するための供給管を杭体内に設置し、これらの供給管と噴出口を通じて、回転貫入時に液体、粉体を噴出する方法が開示されている。
【0016】
この方法では、液体や粉体を供給するための供給管を別途、杭体に取り付ける必要があり、杭頭部などの機構も複雑になる他、杭本体をなす鋼管を溶接などよって継ぐ際に、供給管の連結などの作業が増加することになる。
【0017】
また、特許文献6には、先端に翼を固着した杭体の中空部に、噴出口を備えたオーガーヘッドを取り付けたロッドを挿入し、杭体の回転による推進機構とオーガーヘッドによる地盤の掘削機構を併用して杭を埋設する方法が開示されている。さらに、支持層または支持層を含む区間でオーガーヘッドの噴出口より硬化性流動物を噴出して、翼とオーガーヘッドにより土砂と攪拌混合することが記載されている。
【0018】
これらは、貫入時の抵抗を軽減するとともに支持力の増大を図ったものであるが、翼付鋼管とオーガーヘッドの両者を同時に回転させるためオーガーへの負荷が大きく、規模の大きな施工機材や特殊な施工機材が必要になり、所期の施工を行うための制御、操作も複雑になる。
【0019】
また、特許文献5および特許文献6のいずれの発明においても、杭先端は開端であるが、前述の通り、取り込まれた土により鋼管内が閉塞、あるいは、それに近い状態になって、先端が閉端の場合と同様に、貫入した鋼管体積分の土を側方へ押しのけなければならなくなると施工性が低下する。
【0020】
逆に、何らかの手段によって鋼管内の閉塞を防止した場合には、先端から噴出した硬化材の多くが鋼管内へ流れ込み、所期の大きさ・強度の根固めが形成されず、所定の先端支持力の向上が得られない可能性が生じる。
【0021】
不確実性の多い地中深くにおいて、それら2つの状態を回避するために高度な制御、施工を行うことは容易ではない。
【0022】
本願発明は、上述のような従来技術における課題を解決するためになされたものである。すなわち、杭先端部に翼等を有する既製杭を回転貫入して製造される基礎杭について、貫入に必要な回転トルクを大幅に軽減し、かつ、施工性を向上させるとともに、基礎杭としての支持力性能を確実に増大させることを目的としている。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本願の請求項1に係る発明は、中空既製杭からなる杭本体が該杭本体と別体の先端が閉塞された先端シューに載置される基礎杭の製造方法であって、前記先端シューの表面には1または複数の翼が設けられており、回転ロッドを前記杭本体の中空部を通して前記先端シューに接続し、該回転ロッドを介して前記先端シューを地盤中に回転貫入させながら、該先端シューの貫入に追随させて前記杭本体を地盤中に建て込んで行き、杭先端部の支持層または支持層を含む所要の区間において、前記先端シューに形成された噴出口より硬化性流体を噴出し、前記翼により該硬化性流体と土砂を混合攪拌することにより、杭先端部に改良土による根固め部を造成することを特徴とするものである。
【0024】
本願発明における杭本体としては、主として鋼管杭を対象としているが、コンクリート杭、PC杭、PHC杭、鋼コンクリート複合杭などにも適用可能である。
【0025】
杭先端部については、先端シューとして外形が例えば円錐形や多角錐形等のコーン部を取付けてもよいし、平坦であってもよく、あるいは翼に加え、任意の形状の掘削刃を設けてもよい。杭先端部に先端シューを設ける場合の材質としては鋼製のものが望ましいが、必要な強度が得られるものであれば特に限定されない。
【0026】
本願発明では、先端シューと杭本体が施工途中において分離可能になっており、施工完了後の基礎杭においては、杭本体が先端シューに載置された状態で根固め部によって一体化され、先端閉塞杭の構成においてセメントミルクなどの硬化性流体による根固め部も形成されているため、高い先端支持力が得られる。
【0027】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る基礎杭の製造方法において、杭先端位置に到達した前記先端シューを前記根固め部を形成する区間において上下させながら、前記先端シューの翼による該硬化性流体と土砂の混合攪拌を行うことを特徴とするものであり、より強固な根固め部を造成することができる。
【0028】
請求項3に係る発明は、中空既製杭からなる杭本体が該杭本体と別体の先端が閉塞された先端シューに載置される基礎杭の製造方法であって、前記先端シューの表面には1または複数の翼が設けられており、回転ロッドを前記杭本体の中空部を通して前記先端シューに接続し、該回転ロッドを介して前記先端シューを地盤中に回転貫入させながら、該先端シューの貫入に追随させて前記杭本体を地盤中に建て込んで行く際に、杭全長または所要の区間について、前記先端シューに形成された噴出口より硬化性流体を噴出し、前記翼により該硬化性流体と土砂を混合攪拌することにより、前記杭本体の周囲に改良土による地盤改良部を造成することを特徴とするものである。
【0029】
請求項1、2に係る発明と請求項3に係る発明は併用可能な発明であり、一連の基礎杭の製造手順において両者を実施することができる。ただし、いずれか一方のみの実施も可能である。
【0030】
杭本体や先端シューの材質や形態等は請求項1について説明した通りである。
【0031】
この請求項3に係る発明では、杭全長または所要の区間について、杭本体の周囲に改良土による地盤改良部が造成されることで、基礎杭としての周面支持力が増す他、基礎杭に作用する水平力に対する水平耐力も大きくなる。
【0032】
また、回転貫入方式の施工における施工性についても、セメントミルクなどの硬化性の流体を使用して回転埋設を行うことにより、貫入に必要な回転トルクを大幅に軽減し、かつ、貫入速度を向上させることができる。
【0033】
請求項4に係る基礎杭は、地盤中に建て込まれた中空既製杭からなる杭本体が該杭本体と別体の先端が閉塞された先端シューに載置されており、該先端シューおよび杭本体の先端部が硬化性流体の硬化による根固め部によって一体化されていることを特徴とするものである。
【0034】
中空既製杭を用いた場合の従来の根固め部は先端が開端の場合が一般的であるのに対し、請求項4に係る発明では閉塞された先端シューと中空既製杭を根固め部によって一体化しており、高い先端支持力と引き抜き耐力が得られる。
【0035】
また、杭本体の先端部付近に突起部を形成しておけば、その付着力により鉛直方向の引き抜き力に対しても押し込み力に対しても荷重の伝達がスムーズとなり、さらに大きな先端支持力と引き抜き耐力が得られる。
【0036】
その場合、先端シューの翼部は施工時の回転貫入に耐え得る程度の強度、剛性とすればよく、構成材料の板厚や材質を合理化することが可能となる。
【0037】
【発明の実施の形態】
図1は、本願発明の基礎杭の製造方法の基本的な概念および施工手順を概略的に示したものである。
【0038】
図1の例では、鋼管杭などの中空既製杭からなる杭本体1の下端部に、先端部が閉塞された円錐形の先端シュー2を設置して杭の建て込みを行う。
【0039】
図1(a) に示すように、先端シュー2は杭本体1と分離しており、先端シュー2にスクリュー翼8の付いた回転ロッド7を杭本体1の中空部を通して接続し、回転ロッド7で直接先端シュー2を回転させながら先端シュー2を地盤中に貫入して行く。
【0040】
杭本体1は、先端シュー2に追随する形で、回転させずに先端シュー2に案内される形で、必要に応じて押圧力を加えながら地盤中に建て込んで行く。先端シュー2の外周面には、例えば、螺旋状に配置した1または複数の翼6が取り付けられ、地盤内にねじ込むように貫入できるようになっている。
【0041】
また、先端シュー2の上部には、鋼板などからなる載置部3、回転ロッド7の先端部を嵌合して回転ロッド7の回転力を伝達する接続部4(図2、図3参照)が形成されており、さらに鋼管などからなる筒状部5が形成されている。先端シュー2の筒状部5の内径は、杭本体1の先端部の外径よりも所定寸法大きくなっており、これらの間に隙間が生じるようになっている。
【0042】
図1の例では、先端シュー2の載置部3に杭本体1の先端部を着座させずに、間隙を保持した状態で先端シュー2および杭本体1を回転埋設することにより、杭本体1の中空部内への土砂10の流入経路が形成される構成となっている。
【0043】
これにより、埋設した杭本体1の体積分の土砂を側方へ押しのけるのではなく、その一部あるいはほぼ全てを杭本体1の中空部へ取り込むことができる。さらに、それをスクリュー翼8の付いた回転ロッド7で上方へ押し上げるため、杭体内が閉塞することを防止できる。
【0044】
また、回転ロッド7に接続された翼付の先端シュー2のみに回転力を伝達し、杭本体1は回転させずに埋設する構成となっているため、貫入に必要な回転トルクを大幅に軽減し、かつ、貫入速度、したがって施工速度を向上させることができる。
【0045】
さらに、先端シュー2には、エア、水、あるいはセメントミルクなどを概略側方あるいは斜め下方へ噴出させるための噴出口12,13(図2〜図4参照)が複数形成されており、回転ロッド7の中空部を通して送られてくるエア、水、セメントミルクなどを噴出口12,13から噴出できるようになっている。
【0046】
ここで、図1(a) に示すように、杭の回転貫入過程において、先端シュー2に設けられた噴出口12,13より、セメントミルクなどの硬化性流体11を噴出し、これを先端シュー2に設けられた翼6で土砂10と攪拌混合しながら、先端シュー2および杭本体1を埋設して行く。
【0047】
杭の設置完了後、この硬化性流体11と攪拌混合された土砂10が硬化することにより、杭周辺地盤が改良され、大きな周面摩擦力を発揮することができる。
【0048】
なお、セメントミルクなどの硬化性流体11の噴出は、必ずしも杭全長にわたって行う必要はなく、所要の区間、例えば杭周面の地盤が乱される可能性がある区間やより大きな周面摩擦力を期待する区間のみで実施してもよく、杭周辺地盤の改良を必要としない区間では、エアや水などを噴出し、掘削土の流動性を高めて施工をより平易、高能率(低トルク、高速)にすることも可能である。
【0049】
次に、図1(b) では、より強固で信頼性の高い改良地盤を形成することにより、支持層または支持層を含む所要の区間に根固め球根15を構築する過程を示している。
【0050】
ここでは、先端シュー2の載置部3に杭本体1の先端部を着座させ、杭本体1の中空部内への土砂の流入経路を閉鎖した状態で、先端シュー2および杭本体1を回転埋設する場合を示している。
【0051】
これにより、噴出したセメントミルクなどの硬化性流体11およびそれと攪拌混合された土砂10が杭本体1内の中空部に流入することを防止することができ、杭先端の支持層付近に、より確実に強固な根固め球根15を造成することができる。
【0052】
このとき、セメントミルクなどの硬化性流体11について濃度の高いものを噴出すれば、さらに強固な根固め球根15を造成することも可能である。また、先端シュー2の回転数を変化させ、より効果的な攪拌混合が実施できるようにすることも可能である。
【0053】
さらに、セメントミルクなどの硬化性流体11をより高圧で噴射して改良範囲を大きくすれば、根固め球根15をより大きな範囲に拡大することも可能である。
【0054】
このように、先端シュー2およびそれに取り付けられた翼6周辺に根固め球根15を構築することにより、根固め球根15全体で先端地盤に荷重を伝達できるため、先端支持力が向上するばかりではなく、翼6の強度・剛性で荷重を伝達する場合に比べ、先端シュー2の構造安定性も高まり、構成材料の板厚や材質を軽減でき、構造の合理化を図ることもできる。
【0055】
かかる工程の後、先端シュー2および杭本体1の所定深度までの埋設が完了すれば、先端シュー2の載置部3に杭本体1の先端が着座した状態を保持しつつ、図1(c) に示すように、回転ロッド7を先端シュー2から取り外して回収する。
【0056】
図1(d) は、以上の手順で施工を行い、セメントミルクなどと攪拌混合を行った土砂10が硬化した後の先端シュー2および杭本体1より構成される基礎杭の概要を示している。
【0057】
翼6上方の杭周辺には、セメントミルクなどの硬化性流体が攪拌混合された土砂10による地盤改良部が形成され、支持層付近の杭先端部にはより強固な根固め球根15が造成されている。
【0058】
また、本例の場合、支持層より上部では先端シュー2の載置部3に杭本体1の先端部を着座させずに、土砂10の流入経路を保持した状態で施工を行ったものであるため、杭本体1内の中空部にもセメントミルクなどの硬化性流体の攪拌混合により改良された土砂10が流入している。
【0059】
この杭本体1内の土砂が硬化することにより、杭本体1の剛性・耐力が向上し、地震時の水平変形などに対する変形性能が向上する効果も期待できる。特に、鋼管杭などで最終的な変形性能が断面の局部座屈によって決定されるような場合には、鋼管内の硬化した土砂が鋼管の座屈を拘束し、変形性能を向上させる効果が期待できる。
【0060】
図2および図3は、それぞれ先端シュー2の具体的な構造の一例を示したものである。
【0061】
図2は、先端シュー2の外周面に3枚の翼6と複数の掘削刃9を取り付けた例である。本例では、鋼製の中空円錐形の先端シュー2の本体部分後端に、回転ロッド7を嵌合するためのロッド接続部4を形成した載置部3としての円盤状の鋼板を溶接などにより接合し、さらに載置部3を取り巻くように鋼管からなる筒状部5を溶接などにより接合している。
【0062】
さらに、円錐形部にはエア、水、あるいは、セメントミルクなどを噴出させるための噴出口12,13が複数形成されている。
【0063】
図3は、先端シュー2の外周面に4枚の翼6と複数の掘削刃9を取り付けた場合を示している。この例では、翼6が鋼管からなる筒状部5の上方まで突出しており、翼6の後端部が、杭本体1の先端部を先端シュー2の載置部3に着座させる際のガイド部として機能する。
【0064】
また、円錐形部にはエア、水、あるいは、セメントミルクなどを噴出させるための噴出口12,13が形成されている。
【0065】
以上の2例では、翼6がほぼ筒状部5の外周部分に溶接されているが、先端の円錐形部に溶接してもよい。
【0066】
また、図4に示すように、翼6は平板を足し合わせて形成したものでもよいし、先端シュー2の載置部3に杭本体1の先端部を着座させる際のガイド部14を別途、板材や丸鋼などを取り付けることにより形成してもよい。
【0067】
さらに、これらの例では、閉塞された先端シュー2の先端部を円錐形状としているが、地盤への貫入性状や先端支持力性能などを勘案して形状を決定すればよく、円筒状など他の形態であってもよい。
【0068】
先端シュー2としては、翼6が設けられており、回転ロッド7の中空部を通して送られてくるエア、水、セメントミルクなどを噴出口12,13から噴出できるように構成されていればよく、形状はこれらの例に限定されるものではない。
【0069】
図5は、本願発明の他の実施形態として、支持層または支持層を含む所要の区間に根固め球根15を造成する場合の他の施工手順(請求項2に対応)を示している。
【0070】
図5(a) は、杭本体1の先端部が先端シュー2の筒状部5の上端よりも上部に位置する状態で、より大きな土砂の流入経路を確保しながら、所定の杭先端深度まで先端シュー2および杭本体1を埋設する手順を示している。
【0071】
図5(b) は一旦、所定の先端深度に達した先端シュー2を、噴出口12,13よりセメントミルクなどの硬化性流体11を噴出しつつ、所定の区間だけ引き上げ、杭本体1の先端部を先端シュー2の載置部3に着座させる手順を示している。
【0072】
このとき、杭本体1は位置を変化させず、先端シュー2のみを引き上げてもよいし、より大きな根固め球根を造成したい場合には、杭本体1も上方へ移動させてもよい。また、先端シュー2の引き上げの際には、抵抗を小さくするなどの目的で、必要に応じて先端シュー2を逆方向に回転させてもよい。
【0073】
図5(c) は、杭本体1の先端部を先端シュー2の載置部3に着座させた状態で、すなわち、土砂の杭本体1内への流入経路を閉鎖した状態で、噴出口12,13からセメントミルクなどの硬化性流体11を噴出しながら、再度、先端シュー2および杭本体1を所定の杭先端深度まで埋設する工程を示している。
【0074】
このとき、セメントミルクなどの硬化性流体11の密度を高めて、より強固な根固め球根15を造成することも可能である。
【0075】
かかる工程の後、先端シュー2および杭本体1の所定深度までの埋設が完了すれば、先端シュー2の載置部3に杭本体1の先端が着座した状態を保持しつつ、図5(d) に示すように、回転ロッド7を先端シュー2から取り外して回収する。
【0076】
図6は、杭本体1の先端部付近に、あらかじめ鉄筋などで形成した突起部16を形成したものを用いて施工を行い、セメントミルクなどと攪拌混合を行った土砂が硬化した後の先端シュー2および杭本体1より構成される基礎杭の概要を示している。
【0077】
本例では、根固め部においてのみセメントミルクなどの硬化性流体を噴出した場合を示している。それより上方の一般部では、土質条件や施工性を勘案して施工性を高めるためにエアや水を噴出するか、あるいは、何も噴出せずに施工を実施した場合を想定している。
【0078】
突起16を設けた杭本体1の先端部付近周辺を含めて前記手法で根固め球根15を形成し、付着により杭先端部の根固め球根15と先端シュー2および杭本体1先端部の一体化を図っている。
【0079】
突起16は本例のように鉄筋などを溶接などで固着することによって形成してもよいし、圧延によって形成された突起を外面に有する突起付きの鋼管などを用いてもよい。突起16の高さ、ピッチ、本数は所定の付着強度が得られるように決定すればよい。
【0080】
根固め球根15と先端シュー2を含む杭本体1の先端部付近を一体化することにより、引き抜き力が作用した場合には、図6(a) に示すように突起部16での付着により、荷重が根固め球根15に伝達され、さらに、根固め球根15を介して支持層付近の周辺地盤へ伝達されるため、杭本体1周面の摩擦力のみで引き抜き力に抵抗する場合よりも大きな耐力が得られる。
【0081】
また、図6(b) に示すように所要の押し込み力に対しても、根固め球根15と杭本体1先端部の一体化が保持できるように突起16の高さや本数ならびに根固め球根15の大きさを設定すれば、押し込み力が根固め球根15に伝達され、さらに、根固め球根15を介して支持層付近の周辺地盤へ伝達されるため、大きな先端支持力が得られるだけでなく、先端シュー2の翼6は施工時の回転貫入に耐え得る強度、剛性とすればよく、構成材料の板厚や材質を合理化することも可能になる。
【0082】
【発明の効果】
本願の請求項1に係る発明によれば、先端閉塞の先端シューを構成要素とする基礎杭について、杭先端の支持層または支持層を含む所要の区間において、先端シューの噴出口よりセメントミルクを噴出し、先端シューに取り付けられた翼でこれと土砂を混合攪拌して杭先端部に根固め部を造成することにより、大きな先端支持力を得ることができる。
【0083】
また、杭本体を先端シューに着座させて隙間を閉じて回転貫入すれば、噴出したセメントミルクなどの硬化性材料が杭体内に流入することなく、周辺地盤と確実に攪拌混合されるため、信頼性の高い根固め球根を構築することが可能になる。
【0084】
また、濃度の高いセメントミルクなどの硬化性の流体を噴出すれば、より強固な根固め球根を造成することが可能であり、さらに、セメントミルクの噴射圧力を大きくすることで、より大きな根固め球根を造成することも可能である。
【0085】
このように、先端が閉塞された先端シュー本体およびその翼部周辺に根固め部を造成することにより、根固め部全体で支持地盤に荷重を伝達できるため先端支持力が向上するばかりではなく、翼部の強度・剛性で荷重を伝達する場合に比べ、先端シューの構造安定性も高まり、構成材料の板厚や材質を軽減でき、構造の合理化を図ることもできる。
【0086】
請求項2に係る発明によれば、セメントミルクなどの硬化性流体を噴出しながら、さらに杭先端位置に到達した先端シューを根固め部を形成する区間で上下させながら、硬化性流体と土砂の攪拌混合を繰り返すことで、根固め部の品質を向上させ、より強固で信頼性の高い根固め部を造成することができる。
【0087】
本願の請求項3に係る発明によれば、杭の回転貫入過程において、周辺地盤の改良を期待する所望の区間において、先端シューに設けられた噴出口より硬化性流体を噴出し、これを先端シューに設けられた翼で土砂と攪拌混合して杭周辺地盤を改良することにより、より大きな支持力を得ることができる。
【0088】
また、回転ロッドに接続された翼付の先端シューのみに回転力を伝達し、杭本体部は回転させずに建て込むことに加え、杭本体と先端シューの間に隙間を形成しながら回転貫入させれば、掘削土が杭体内に取り込まれ、貫入に必要な回転トルクを大幅に軽減し、施工性を向上させることができる。
【0089】
なお、杭体内に取り込まれた掘削土をスクリュー翼の付いた回転ロッドで上方へ押し上げるように構成すれば、杭体内が閉塞することがなく、その効果がさらに増す。
【0090】
また、杭周辺地盤の改良を必要としない区間では、エアや水などを噴出し、掘削土の流動性を高めて施工をより平易にし、杭周辺地盤の改良が必要な区間において噴出物をセメントミルクなどの硬化性流体に切り替えることにより、さらに貫入速度を高めることができる。
【0091】
本願の請求項4に係る発明によれば、先端が閉塞された先端シューとそれに載置される杭本体の先端部が根固め部によって一体化され、高い先端支持力と引き抜き耐力が得られる。
【0092】
この場合、杭本体の先端部付近に突起部を形成しておけば、その付着力により鉛直方向の引き抜き力に対しても押し込み力に対しても荷重の伝達がスムーズとなり、さらに大きな先端支持力と引き抜き耐力が得られる他、先端シューの翼部は施工時の回転貫入に耐え得る程度の強度、剛性とすればよく、構成材料の板厚や材質を合理化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) 〜(d) は、本願発明の基礎杭の製造方法の基本的な概念および施工手順を概略的に示した鉛直断面図である。
【図2】本願発明で用いる先端シューの一例を示したものであり、(a) は平面図、(b) は正面図、(c) は底面図である。
【図3】本願発明で用いる先端シューの他の例を示したものであり、(a) は平面図、(b) は正面図、(c) は底面図である。
【図4】本願発明で用いる先端シューのさらに他の例を、杭本体先端部とともに示した正面図である。
【図5】(a) 〜(d) は、本願発明の基礎杭の製造方法の他の実施形態について、その基本的な概念および施工手順を概略的に示した鉛直断面図である。
【図6】(a) 、(b) は本願発明の基礎杭について、杭本体の先端部に突起部を形成した場合のその作用を説明するための正面図である。
【符号の説明】
1…杭本体、2…先端シュー、3…載置部、4…ロッド接続部、5…筒状部、6…翼、7…回転ロッド、8…スクリュー翼、9…掘削刃、10…土砂、11…エアまたは水、12,13…噴出口、14…ガイド部、15…根固め球根、16…突起
Claims (4)
- 中空既製杭からなる杭本体が該杭本体と別体の先端が閉塞された先端シューに載置される基礎杭の製造方法であって、前記先端シューの表面には1または複数の翼が設けられており、回転ロッドを前記杭本体の中空部を通して前記先端シューに接続し、該回転ロッドを介して前記先端シューを地盤中に回転貫入させながら、該先端シューの貫入に追随させて前記杭本体を地盤中に建て込んで行き、杭先端部の支持層または支持層を含む所要の区間において、前記先端シューに形成された噴出口より硬化性流体を噴出し、前記翼により該硬化性流体と土砂を混合攪拌することにより、杭先端部に改良土による根固め部を造成することを特徴とする基礎杭の製造方法。
- 杭先端位置に到達した前記先端シューを前記根固め部を形成する区間において上下させながら、前記先端シューの翼による該硬化性流体と土砂の混合攪拌を行うことを特徴とする請求項1記載の基礎杭の製造方法。
- 中空既製杭からなる杭本体が該杭本体と別体の先端が閉塞された先端シューに載置される基礎杭の製造方法であって、前記先端シューの表面には1または複数の翼が設けられており、回転ロッドを前記杭本体の中空部を通して前記先端シューに接続し、該回転ロッドを介して前記先端シューを地盤中に回転貫入させながら、該先端シューの貫入に追随させて前記杭本体を地盤中に建て込んで行く際に、杭全長または所要の区間について、前記先端シューに形成された噴出口より硬化性流体を噴出し、前記翼により該硬化性流体と土砂を混合攪拌することにより、前記杭本体の周囲に改良土による地盤改良部を造成することを特徴とする基礎杭の製造方法。
- 地盤中に建て込まれた中空既製杭からなる杭本体が該杭本体と別体の先端が閉塞された先端シューに載置されており、該先端シューおよび杭本体の先端部が硬化性流体の硬化による根固め部によって一体化されていることを特徴とする基礎杭。
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JP2003178136A JP2005016013A (ja) | 2003-06-23 | 2003-06-23 | 基礎杭の製造方法および基礎杭 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101385399B1 (ko) * | 2011-06-20 | 2014-04-14 | 수경기업 주식회사 | 토사 되메우기 공법용 굴착 교반 로드 및 이를 이용한 중공식 말뚝 시공방법 |
JP2014189948A (ja) * | 2013-03-26 | 2014-10-06 | Matsumura-Gumi Corp | 杭埋設方法 |
CN114182728A (zh) * | 2021-12-23 | 2022-03-15 | 中国石油大学(华东) | 一种可固结土体的桩靴及其安装方法 |
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2003
- 2003-06-23 JP JP2003178136A patent/JP2005016013A/ja not_active Withdrawn
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