JP2005015258A - 二酸化珪素ナノワイヤーの製造方法 - Google Patents

二酸化珪素ナノワイヤーの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】安定した組成であって高度に配向した二酸化珪素ナノワイヤーの製造方法を提供する。
【解決手段】ニッケルナノ粒子が付着したシリコン基板と、酸化インジウム粉末とを、赤外線照射加熱炉中かつ窒素ガスとアンモニアガスの混合気流中に離隔して配置し、赤外線照射加熱により、ニッケルナノ粒子が付着したシリコン基板を900℃以上1000℃以下に加熱し、酸化インジウム粉末を650℃以上680℃以下に加熱する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この出願の発明は、二酸化珪素ナノワイヤーの製造方法に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、青色発光材料、光学ヘッド、光学デバイスなどに応用が期待される、安定した組成でかつ高度に配向した二酸化珪素ナノワイヤーの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
二酸化珪素(SiO2)はフォトルミネッセンスを示す材料として広く検討されており、バルク状あるいはフィルム状の二酸化珪素は波長652〜288nmに発光ピークを有することが知られている。
【0003】
近年、ナノメートルサイズの二酸化珪素ナノワイヤーが種々の方法で合成されており、またナノメートルサイズに微小化することで青色発光を示すことが見出されてきており(たとえば非特許文献1、2および3)、また、液状のガリウム触媒を用いて配向した二酸化珪素ナノワイヤーを製造する方法も知られている(たとえば非特許文献4および5)。
【0004】
【非特許文献1】
D. P. Yu、Q. L. HangおよびY. Ding他、“Amorphous silica nanowires: Intensive blue light emitters”、Applied Physics Letters、 73巻、21号p.3076−3078、1998年
【非特許文献2】
X. C. Wu、W. H. Songおよび K. Y. Wang他、“Preparation and photoluminescence properties of amorphous silica nanowires”、Chemical Physics Letters、336巻、p.53−56、2001年
【非特許文献3】
Z.Q. Liu, S.S. Xie,およびL.F. Sun他、“Synthesis of α−SiO2 nanowires using Au nanoparticle catalysts on a silicon substrate”、Journal of Materials Research、16巻、3号、p.683−686、2001年
【非特許文献4】
Pan. Z. W.、 Dai. Z. R.およびMa. C. Wang他、“Molten Gallium as a Catalyst for the Large−Scale Growth of Highly Aligned Silica Nanowires”Journal American Chemical Society、124巻、8号、p.1817−1822、2002年
【非特許文献5】
B. Zheng, Y. WuおよびP. Yang他、”Synthesis of Ultra−Long and Highly Oriented Silicon Oxide Nanowires from Liquid Alloys”、Advanced Materials、14巻、2号、p.122−124、2002年
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これまでの二酸化珪素ナノワイヤーの製造方法では、二酸化珪素ナノワイヤーを生成させるために必要な酸素源として、減圧下に残存する少量の酸素やキャリアガス中に含まれる水分を利用しているので、一定に決まった安定した組成の生成物が得られ難いといった問題を有していた。
【0006】
そこでこの出願の発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、従来技術の問題点を解消し、安定した組成でかつ高度に配向した二酸化珪素ナノワイヤーの製造方法を提供することを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この出願の発明は、上記の課題を解決するものとして、まず第1には、ニッケルナノ粒子が付着したシリコン基板と、酸化インジウム粉末とを、赤外線照射加熱炉中かつ窒素ガスとアンモニアガスの混合気流中に離隔して配置し、赤外線照射加熱により、ニッケルナノ粒子が付着したシリコン基板を900℃以上1000℃以下に加熱し、酸化インジウム粉末を650℃以上680℃以下に加熱することを特徴とする二酸化珪素ナノワイヤーの製造方法を提供する。
【0008】
また、第2には、第1の発明において、窒素ガスの流量を200ml/min以上1000ml/min以下とすることを特徴とする二酸化珪素ナノワイヤーの製造方法を提供する。
【0009】
第3には、第1または2の発明において、アンモニアガスの流量を100ml/min以上400ml/min以下とすることを特徴とする二酸化珪素ナノワイヤーの製造方法を提供する。
【0010】
第4には、第1ないし3いずれかの発明において、ニッケルナノ粒子が付着したシリコン基板と酸化インジウム粉末の加熱時間を30分以上60分以下とすることを特徴とする二酸化珪素ナノワイヤーの製造方法をも提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】
この出願の発明は上記のとおりの特徴をもつものであるが、以下にその実施の形態について説明する。
【0012】
この出願の発明の二酸化珪素ナノワイヤーの製造方法では、ニッケルナノ粒子が付着したシリコン基板と、酸化インジウム粉末とを、赤外線照射加熱炉中かつ窒素ガスとアンモニアガスの混合気流中に離隔して配置し、赤外線照射加熱により、ニッケルナノ粒子が付着したシリコン基板を900℃以上1000℃以下に加熱し、酸化インジウム粉末を650℃以上680℃以下に加熱することを大きな特徴としており、この出願の発明の二酸化珪素ナノワイヤーの製造方法を行うことで、安定した組成でかつ高度に配向した二酸化珪素ナノワイヤーを得ることができる。
【0013】
またこの出願の発明の二酸化珪素ナノワイヤーの製造方法により、二酸化珪素ナノワイヤー形成に必要な酸素を、制御された状態で提供することができるのであり、これまでの減圧下に残存する少量の酸素やキャリアガス中に含まれる水分を利用するといった方法のように生成物の組成が不安定となることもなく、極めて安定した組成の二酸化珪素ナノワイヤーを形成することができるのである。
【0014】
なおニッケルナノ粒子が付着したシリコン基板を900℃以上1000℃以下に加熱する理由としては、1000℃よりも高温に加熱してもこれ以上の効果の向上は期待できず、あまり温度を高くしすぎるとシリコン基板が熱的に損傷を受けるからであり、900℃よりも低温に加熱した場合、二酸化珪素ナノワイヤーの成長速度が遅くなり、また、赤外線照射加熱炉を用いてシリコン基板に対して赤外線を照射し、そのニッケルナノ粒子が付着したシリコン基板の赤外線照射面とは反対側かつシリコン基板から離隔した位置に酸化インジウムを配置させることから、酸化インジウムの温度が650℃よりも低くなり昇華が不十分となるからである。
【0015】
また酸化インジウムを650℃以上680℃以下に加熱するのは、680℃よりも高温に加熱してもこれ以上の効果の向上は期待できず、また650℃よりも低い場合、酸化インジウムの昇華が十分に進行しないか、あるいは生成した窒化インジウムの分解反応が進行しないからである。
【0016】
そして、ニッケルナノ粒子が付着したシリコン基板と酸化インジウム粉末を赤外線照射加熱炉中に適切な位置に配置することでそれらを容易かつ急速に適切な温度に加熱することが可能となるのである。
【0017】
このときのニッケルナノ粒子が付着したシリコン基板と酸化インジウム粉末の加熱時間は30分以上60分以下とするのが好ましく、60分より長い時間加熱すると、シリコン基板に損傷を与え、30分より短い時間加熱した場合二酸化珪素ナノワイヤーの生成量が少なくなる。
【0018】
また、窒素ガスの流量を200ml/min以上1000ml/min以下とし、アンモニアガスの流量を100ml/min以上400ml/min以下とすることが好ましい。それというのも、窒素ガスの流量を1000ml/minよりも多く流しても効果は向上せず、また窒素ガスの流量が200ml/minよりも少ない場合にはその窒素ガスがキャリアガスの役割を十分に発揮しなくなるからであり、またアンモニアの流量を400ml/minよりも多く流しても効果が向上せず、またアンモニアの流量が100ml/minよりも少ない場合には、酸化インジウムとの反応が不十分となってしまうからである。
【0019】
次に、この出願の発明の二酸化珪素ナノワイヤーの具体的な製造方法の一例を示す。
【0020】
アセトン中で超音波処理したニッケルナノ粒子(粒子径20nm)の分散液を堆積用基板として使用する鏡面研磨したシリコン基板としてのシリコンウェハー上に滴下して、ニッケルナノ粒子の薄膜を形成させる。このシリコンウェハーのニッケルナノ粒子が付着している面を下向きにし、赤外線照射加熱炉の中の窒化ホウ素製のホルダーに取り付ける。
【0021】
次に、酸化インジウムの粉末を、シリコンウェハーの下方に、シリコンウェハーから2〜3mm離隔して窒化ホウ素製のホルダーに配置し、赤外線照射加熱炉内を5Pa以下の減圧にして窒素ガスとアンモニアガスを導入する。窒素ガスの流量は200ml/min以上1000ml/min以下が好ましく、アンモニアガスの流量は100ml/min以上400ml/min以下が好ましい。
【0022】
ニッケルナノ粒子が付着したシリコンウェハーを赤外線照射加熱炉の上部から加熱し、900℃以上1000℃以下に加熱し、その下方に配置された酸化インジウム粉末を650℃以上680℃以下に加熱し、その加熱時間は30分以上60分以下とする。
【0023】
加熱反応が終了した後、加熱炉内を室温に冷却することによりシリコンウェハーの表面に黒灰色である二酸化珪素ナノワイヤーの生成物が堆積し、安定な組成でかつ高度に配向した二酸化珪素ナノワイヤーを得ることができる。
【0024】
以下、添付した図面に沿って実施例を示し、この出願の発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、この発明は以下の例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることは言うまでもない。
【0025】
【実施例】
<実施例1>
アセトン中で超音波処理したニッケルナノ粒子(Nilaco社製、粒子径約20nm)の分散液を、三菱マテリアル(株)製の鏡面研磨したn型シリコンウェハー(20×20×1mm3)(シリコン基板)上に滴下してニッケルの薄膜を形成した。
【0026】
このシリコンウェハーを、赤外線照射加熱炉中の窒化ホウ素製のホルダーにニッケルナノ粒子の付着した面を下向きにして取り付けた。次に和光純薬(株)製の酸化インジウムの粉末(純度99.9%)200mgをシリコンウェハーの下方に、シリコンウェハーから2〜3mm離隔して配置した。
【0027】
加熱炉内を5Pa以下の減圧にして、窒素ガス(流量500ml/min)とアンモニアガス(流量300ml/min)を導入し、加熱炉内上部から赤外線を照射しシリコンウェハーを約900℃に急速に加熱した。この加熱操作によりシリコンウェハーの下方に位置する酸化インジウムの粉末は約650℃になった。そして加熱を45分間続けた後、赤外線照射加熱炉内を室温に冷却することで、シリコンの表面に黒灰色の生成物が堆積した。
【0028】
加熱終了後のシリコンウェハーの表面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した結果を図1(a)に示す。この図1(a)からシリコンウェハーの表面に多くの球状粒子(粒子径50nm以上20μm以下)が存在することがわかり、またシリコンウェハーはエッチングされたような穴がいくつか見られた。図1(b)にシリコンウェハーの穴内の詳細な走査型電子顕微鏡像を示すが、大量のナノワイヤーが成長しており、密に詰まって高度に配向した構造であることが確認できた。このナノワイヤーは均一な直径(10〜20nm)と5〜20μmの長さを有している。
【0029】
図2(a)に上記ナノワイヤーの透過型電子顕微鏡像を示したが、走査型電子顕微鏡で観察した像と同様に十分配向した形態であることが分かった。また、この部分のX線エネルギー拡散スペクトルの測定結果を図2(b)に示すが、シリコンと酸素の化学組成からなり、その原子比は1:2である非晶質の二酸化珪素ナノワイヤーであることが確認された。なお、この図2(b)中の銅(Cu)のピークは試料を保持する銅グリッドに由来するものである。
【0030】
次に、球状粒子について言及すると、大小2種の粒子が存在しており、径の小さい粒子は、図1(a)に示したように、その直径が50nm以上200nm以下で、図3(a)にそのX線エネルギー拡散スペクトルを示したように、化学組成は金属インジウムである。図3(a)中の炭素のピークは銅グリッドにコートされた炭素膜に由来するものである。
【0031】
もう一方の大きい粒子はその直径が1〜20μmで、図3(b)にそのX線エネルギー拡散スペクトルを示したが、その化学組成はインジウムとニッケルの合金からなることが分かった。なおこの合金中のインジウムとニッケルの割合は様々な値を有している。
【0032】
一方、ニッケルナノ粒子の付着していないシリコンウェハーを基板として用いた場合には高度に配向した二酸化ケイ素ナノワイヤーが得られなかったことから、ニッケルが二酸化珪素ナノワイヤーを生成させる触媒の働きをしているものと推察された。
【0033】
【発明の効果】
以上詳しく説明したとおり、この出願の発明によって、安定した組成でかつ高度に配向した二酸化珪素ナノワイヤーを製造することが可能となることから、将来の青色発光材料、光学ヘッド、光学デバイスなどへの応用が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) この出願の発明の一実施形態により得られた、シリコンウェハーに堆積した粒子の走査型電子顕微鏡像を例示した写真である。
(b) この出願の発明の一実施形態により得られた、密に詰まって配向した二酸化珪素ナノワイヤーの走査型電子顕微鏡像を例示した写真である。
【図2】(a) この出願の発明の一実施形態により得られた、二酸化珪素ナノワイヤーの透過型電子顕微鏡像を例示した写真である。
(b)この出願の発明の一実施形態により得られた、二酸化珪素ナノワイヤーのX線エネルギー拡散スペクトルのグラフである。
【図3】(a) この出願の発明の一実施形態により形成された、粒子径が50〜200nmのインジウム粒子のX線エネルギー拡散スペクトルのグラフである。
(b) この出願の発明の一実施形態により形成された、粒子径が1〜20μmのインジウム−ニッケル合金粒子のX線エネルギー拡散スペクトルのグラフである。

Claims (4)

  1. ニッケルナノ粒子が付着したシリコン基板と、酸化インジウム粉末とを、赤外線照射加熱炉中かつ窒素ガスとアンモニアガスの混合気流中に離隔して配置し、赤外線照射加熱により、ニッケルナノ粒子が付着したシリコン基板を900℃以上1000℃以下に加熱し、酸化インジウム粉末を650℃以上680℃以下に加熱することを特徴とする二酸化珪素ナノワイヤーの製造方法。
  2. 窒素ガスの流量を200ml/min以上1000ml/min以下とすることを特徴とする請求項1記載の二酸化珪素ナノワイヤーの製造方法。
  3. アンモニアガスの流量を100ml/min以上400ml/min以下とすることを特徴とする請求項1または2記載の二酸化珪素ナノワイヤーの製造方法。
  4. ニッケルナノ粒子が付着したシリコン基板と酸化インジウム粉末の加熱時間を30分以上60分以下とすることを特徴とする請求項1ないし3いずれかに記載の二酸化珪素ナノワイヤーの製造方法。
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JP2008007376A (ja) * 2006-06-29 2008-01-17 National Univ Corp Shizuoka Univ ナノワイヤ部材およびその製造方法

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