JP2005015143A - シート搬送コンベア - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、段ボール製函機に用いて好適のシート搬送コンベアに関し、ベルトの伸びに起因する加工誤差を自動的に補正できるようにする。
【解決手段】ベルト27を駆動するモータ28の駆動トルクからベルト27の伸びを推定又は演算するとともに、演算されたベルト27の伸びに基づいて、加工誤差を補正するための補正値を演算するように構成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、段ボールシートに印刷等を行なって段ボール箱を製造する段ボール製函機に用いて好適のシート搬送コンベアに関し、特に、段ボールシートを搬送するサクションベルトの伸びに起因する印刷等の割出誤差を低減する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
図3は段ボールシートに印刷や溝切、打抜加工を行う段ボール製函機の構成例を示す模式図である。図3中、Fは給紙ユニット、Pは印刷ユニット、Kは溝切ユニット、Dは打抜ユニットを示している。また、印刷ユニットPは、4色分の印刷ユニットP〜Pにより構成されている。
【0003】
図示するように、給紙ユニットFの給紙テーブル1には段ボールシート(又は単にシートという)Sが積まれてスタック2が形成されており、その最下位のシートSが給紙装置3により一枚ずつ所定のタイミングで加速して送出される。送出されたシートSはフィードロール4により引き出されて次行程の印刷ユニットPに渡される。なお、印刷ユニットPを構成する各印刷ユニットP〜Pはいずれも同様に構成されており、このため以下では印刷ユニットPについて主に説明する。
【0004】
印刷ユニットPには、駆動モータ11により回転駆動される印刷シリンダ10が設けられている。印刷シリンダ10には印版10aが付設されるとともに、印刷シリンダ10に隣接してインキ供給装置13が設けられており、このインキ供給装置13により印版10aにインキが供給される。
また、印刷シリンダ10の下には受ロール20が設けられており、各印刷ユニットP〜Pの隣り合う受ロール20の間、及び印刷ユニットPの入口と出口にはそれぞれサクションボックス21が設けられている。各サクションボックス21にはサクションブロア22が接続されており、サクションボックス21内の空気を吸引することによりサクションボックス21内が負圧に保持されている。
【0005】
また、段ボール製函機には段ボールシートSを搬送するシート搬送コンベア5が設けられている。ここで、シート搬送コンベア5について簡単に説明すると、入口のサクションボックス21の前には入口ロール23が、出口のサクションボックス21の後には出口ロール24がそれぞれ設けられている。出口ロール24の下方にはベルト駆動ロール25が設けられ、さらに、適宜の位置にアイドラロール26が配されており、これら各ロール23〜26には無端のサクションベルト27が掛け渡されている。
【0006】
また、ベルト駆動ロール25はベルト駆動モータ(以下、単にモータともいう)28により駆動され、これにより、サクションベルト27はサクションボックス21および受ロール20の上面に沿って走行することになる。また、ベルト駆動モータ28は、サクションベルト27の走行速度が印刷シリンダ10(印版10aを含む。以下、単に印刷シリンダ10とした場合は印版10aも含むものとする)の周速と一致するように制御される。なお、印刷シリンダ10の駆動モータ11やベルト駆動モータ28としてはベクトル制御モータやサーボモータ等が適用される。
【0007】
図4はサクションベルト27及びサクションボックス21の形状を示す斜視図である。サクションボックス21の表面には機械幅方向に適宜の間隔で、シートSの進行方向に延びるサクション溝21aが設けられている。サクション溝21aの底には適宜の間隔で多数のサクション穴21bが形成されており、このサクション穴21bを介してサクションボックス21の上面と内部とが連通している。
【0008】
一方、サクションベルト27にはサクション溝21aに対応する位置にシート進行方向に短いピッチで穴27aが形成されている。したがって、サクションベルト27の上に段ボールシートSが載置されると、サクションボックス21内の負圧が段ボールシートSの下面に作用して段ボールシートSがサクションベルト27の上面に吸着される。そして、このようにしてシートSを保持することにより、搬送中のシートSのずれが防止される。
【0009】
さて、再び図3に戻って説明すると、シートSは印刷シリンダ10の1回転につき1枚の割で給紙ユニットFから供給される。また、上述したように印刷シリンダ10の周速とサクションベルト27の走行速度は同一に設定されているので、印刷シリンダ10の周長をCとするとサクションベルト27上には図3に示すごとく間隔CでシートSが並んで走行することになる。
【0010】
そして、サクションベルト27に保持されたシートSは印刷ユニットP内を通過している間に、印版10aと受ロール20とに挟まれて印刷が行なわれ、印刷が終わったシートSは、溝切ユニットKに渡される。溝切ユニットKには、第1罫線ヘッド30、第2罫線ヘッド31及び溝切ヘッド32が設けられており、これらの各部は図示しない歯車列で接続されて駆動モータ33で駆動される。
【0011】
このうち、溝切ヘッド32には溝切ナイフ34が設けられ、この溝切ナイフ34により溝切加工や糊付代の加工が行われる。
また、溝切ユニットKの後には、打抜シリンダ36及び送りロール37等を有する打抜ユニットDが設けられている。打抜ユニットDの各部は図示しない歯車列で接続されており、駆動モータ38により駆動される。また、打抜シリンダ36には打抜型39が取付けられており、この打抜型39により穴等の打抜加工が行われる。
【0012】
これらの加工の様子を図5(a),(b)に示す。図5(a)において41は印刷ユニットPにより印刷される1色目の印刷物、42は印刷ユニットPにより印刷される2色目の印刷物、43は印刷ユニットPにより印刷される3色目の印刷物、44は印刷ユニットPにより印刷される4色目の印刷物、45は溝切ユニットKにより加工された溝部及び糊付け代、46は打抜ユニットDにより加工された穴部を示している。
【0013】
なお、先行技術文献情報としては、下記の特許文献1がある。この特許文献1には上述したようなシート搬送コンベアに関する技術が開示されており、具体的には、シートの反りや受け渡しのタイミングのずれなどに起因して運転中の印刷のずれを防止する技術が開示されている。
【0014】
【特許文献1】
特許第3392944号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
次に、このような構成の段ボール製函機における課題を説明する。給紙部Fから送給された段ボールシートSは長いサクションベルト27上に真空圧で吸着保持されて走行する。ここで、シートSを吸着する力は結局サクションベルト27をサクションボックス21に押し付ける力として作用するため、サクションボックス21とサクションベルト27の間にシートSの吸着力に応じた摩擦抵抗が発生する。この摩擦抵抗に打ち勝ってサクションベルト27が走行するためには、その分大きなベルト張力が必要となるが、サクションベルト27に張力が掛かるとサクションベルト27は弾性体であるから伸張することとなる。
【0016】
先にサクションベルト27上にはシートSが間隔Cで並んで走行すると記したが、これはサクションベルト27に伸びがない(ベルトが剛体)と仮定した場合であって、サクションベルト27に伸びが発生すると、ベルト上に並ぶシート間の距離Cが変化することになる。一方、各加工シリンダはあくまでシートSの間隔はCで送られてくるものとして制御されるので、シートSに対する加工の位置にずれが生じ加工誤差が発生する。
【0017】
なお、ここに「加工シリンダ」は印刷シリンダ10、溝切ヘッド32、打抜シリンダ36を含み、「加工ユニット」は印刷、溝切、打抜の各ユニットを含むものとする。また、「印刷等」は印刷、溝切、打抜作業を含むものとする。
以下、印刷等の加工誤差について図5(a),(b)を用いて説明する。図5(a)は各加工ユニットによる加工がすべて基準線Bに一致して行われ、誤差無く加工できた場合の例を示す図である。このように、印刷や溝切、打抜をシートSの所定の位置に来るよう印刷シリンダ10や溝切ヘッド32、打抜シリンダ36の回転位相を調整することを割出という。なお、上記加工誤差は割出誤差ともいい、本明細書では特に区別することなく使用する。
【0018】
さて、サクションベルト27に伸びが生じ、且つ、ベルト駆動ロール25が上記伸びたサクションベルト27を印刷シリンダ10の周速と同速で駆動したとすると、上流側の伸びの少ないところではサクションベルト27の進行速度はシリンダ周速よりも僅かに遅くなる。したがって、シートSの進行が遅れるため、相対的に見れば加工シリンダが進むこととなり、図5(b)のようにずれて加工されてしまうのである。
【0019】
また、サクションベルト27の伸びは下流側にいくほど大きくなるので、加工のずれ量δは、入口ロール23からの距離が離れるほど大きくなる。図5(b)においては、δは1色目印刷、δは2色目印刷、δは3色目印刷、δは4色目印刷、δは溝切加工、δは打抜加工における各加工誤差を示すが、図示するように、下流側にいくほど加工のずれ量(加工誤差)が大きくなるのがわかる。なお、溝切加工と打抜加工はサクションベルト27によりシートSが搬送されるわけではないので、溝切加工の誤差δと打抜加工の誤差δとは実質同じである。
【0020】
また、サクションベルト27に作用する張力はサクションボックス21の負圧の大きさや、シートSの大きさにより変わることになるので、作業者はその都度、加工位置(割出位置)の補正をしなければならないという課題もある。
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、サクションベルトの伸び量を推定して、上記伸びに起因する加工誤差(割出誤差)を自動的に補正できるようにした、シート搬送コンベアを提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1記載の本発明のシート搬送コンベアは、シートをベルト上で負圧により吸引して搬送するシート搬送コンベアであって、該ベルトを駆動するモータと、該モータの駆動トルクを検知するトルク検知手段と、該トルク検知手段からの情報に基づき該ベルトの伸びを推定又は演算するとともに、該演算されたベルトの伸びに基づいて、該ベルトの伸びに起因する加工誤差を補正するための補正量を演算する演算手段とを有していることを特徴としている。
【0022】
なお、該演算手段は、該ベルト張力に基づき任意の位置におけるベルト伸び率を算出するとともに、該伸び率に基づき、該モータの駆動力が入力される部位におけるベルトの速度と、該任意の位置でのベルトの速度との比を速度比として下式に基づき算出し、該速度比を該シートの搬送開始位置から該任意の位置までの距離で積分することにより該任意の位置における補正量を算出するのが好ましい。
速度比=(1+任意の位置でのベルト伸び率)/(1+モータの駆動力が入力される部分でのベルト伸び率)
また、該トルク検知手段が、該モータへの駆動制御信号を出力するモータドライバであるのが好ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面により、本発明の一実施形態にかかるシート搬送コンベアについて説明すると、図1は本発明が適用される段ボール製函機の全体構成を示す模式図、図2は補正量の推定手法について説明する図である。
図1に示すように、本発明のシート搬送コンベアが適用される段ボール製函機は、主に給紙ユニットF、印刷ユニットP(P〜P)、溝切ユニットK、打抜ユニットD、各ユニットの駆動モータ11,33,38の作動を制御する制御装置51を有している。なお、各ユニットF,P,K,Dは、従来の技術の欄で説明したものと同様に構成されている。このため、本実施形態では、従来のものと重複する構成要素については従来技術(図5参照)で用いた符号と同一の符号を付し、その説明を極力省略する。
【0024】
また、制御装置51は、各ユニットのシリンダ10,32,36の基本割出位置R〜Rを設定する基本割出位置設定手段61〜66や、上記各シリンダ10,32,36の最終的な割出目標値T〜Tを設定する割出目標値設定手段71〜76や、各ユニットの駆動モータ11,28,33,38への制御信号を出力するドライバA〜Aが設けられている。なお、本実施形態において、添字1〜4については各印刷ユニットP〜Pにそれぞれ対応し,5は溝切ユニットK,6は打抜ユニットD,7はサクションベルト27にそれぞれ対応している。
【0025】
ここで、上記の基本割出位置R〜Rはサクションベルト27に伸びがない場合の各シリンダ10,32,36の割出位置(シリンダの位相調整量)であって、公知の手法により基本割出位置設定手段61〜66で設定されるようになっている。
また、制御装置51には、割出補正量演算手段(演算手段)52が設けられており、この割出補正量演算手段52で得られた補正量を上記の基本割出位置R〜Rに加算することで上記サクションベルト27の伸びを考慮した割出目標値T〜T が設定されるようになっている。
【0026】
以下、具体的に説明すると、図1に示すベルト駆動モータ28はベクトル制御モータ又はサーボモータが適用されている。ここで、ベルト駆動モータ28はその特性上、出力トルクの大きさを制御することでモータの駆動状態が制御されるようになっている。したがって、このモータ28のモータドライバA(トルク検知手段)からサクションベルト27を駆動するために必要なトルクτを得ることができる。そこで、本実施形態では、モータ28のトルクτがモータドライバAから割出補正量演算手段52に入力されるようになっている。
【0027】
次に、この駆動トルクτの大きさから加工誤差δを推定する手法について図2を用いて説明する。図2の横軸は入口ロール23を基点とした各加工ユニットまでの距離を左方向に示している。また、縦軸はサクションベルト27の伸び率,速度比,シートの遅れ量を示している。
さて、ベルト駆動モータ28の出力トルクτがわかれば、モータ部分(モータの駆動力が入力される部分)でのベルト張力が分かる。そこで、割出補正量演算手段52ではモータ28の出力トルクτに基づいてベルト張力を算出するようになっている。なお、ベルト張力には機械にサクションベルト27を掛け渡した時の初期張力とサクションボックス21からの摩擦抵抗による張力があるが、ここではサクションボックス21からの摩擦抵抗による張力にのみに注目し、以下においては「ベルト張力」とは、摩擦抵抗による張力を指すものとする。
【0028】
また、ベルト張力が分かればサクションベルト27の伸び率が分かるので、割出補正量演算手段52では上記のベルト張力に基づいてサクションベルト27の伸び率を算出するようになっている。また、ベルト駆動ロール25と出口ロール24の間には抵抗になるものは何もないので、出口ロール24での伸び率は、ベルト駆動ロール25での(即ち、モータの駆動力が入力される部分での)伸び率と同じとなる。
【0029】
一方、入口ロール23では、サクションボックス21からの摩擦抵抗を受けていないためベルト張力はゼロである。したがって、入口ロール23においてはベルトは伸びず、伸び率はゼロである。
また、入口ロール23と出口ロール24との中間でサクションボックス21からの摩擦抵抗がどの位置でも同じ大きさであるとすれば、図2に示すのごとく伸び率は下流になるにしたがい直線的に増加することになり、この特性から任意の位置におけるベルト27の伸び率を求めることができる。
【0030】
また、駆動ロール25が加工シリンダ10の周速と同じ速度でサクションベルト27を駆動しているものと仮定すると、駆動ロール25は伸びたサクションベルト27を送っていることになるから、伸びていない部分(入口ロール23部分)のベルト速度は出口ロール24部分に比べると当然遅くなる。そして、各加工位置でのサクションベルト27の速度を出口ロール24での速度を1とした比率(以下、速度比という)で求めると、
速度比=(1+各加工位置での伸び率)/(1+出口ロールでの伸び率)・・・(1)
と定式化できる。ここで、出口ロール24での伸び率は、上述したように割出補正量演算手段52により算出される値であって、各加工位置での伸び率は、図2の伸び率の特性から得ることができる。
【0031】
さて、シートSは、入口から順次1色目印刷P,2色目印刷P,・・・と遅いベルト速度で送られる間に、シートSの加工位置にずれ量(シート遅れ)δ(i=1,2,・・・,4)が生じるが、この量δは、図2の速度比の線の斜線部分を距離方向に積分した値である。
そこで、補正量演算手段52では、上記速度比を入口ロール23からの距離xで積分することで各位置におけるシート遅れδを算出するようになっている。すなわち、補正量演算手段52には、トルクτと距離xとをパラメータとして遅れ量δを出力する関数f〔下式(2)参照〕が予めプログラミングされており、この下式(2)に基づき、シート遅れδが算出されるようになっているのである。
δ=f(τ、x)・・・・(2)
なお、溝切ユニットKおよび打抜ユニットDでの遅れδ,δは、出口ロール部24での遅れと同一である。
【0032】
そして、このようにして遅れ量δが推定されると、補正量演算手段52では、本来の割出設定値R〜R(ずれが無い場合の各シリンダ10の位相調整量)に、上記で求めた遅れ量(割出補正量)δ〜δを加算することにより、新たな割出目標値Tを設定するようになっているのである。
また、新たな割出目標値Tが設定されると、この目標値Tに基づいて各ドライバA〜Aにより各シリンダ10,32,36の位相が変更されるようになっている。つまり、各シリンダ10,32,36が、予めずれ量を予測した割出位置に補正され(すなわち、ずれが生じないように各シリンダ10の回転位相が補正され)、これにより、サクションベルト27の伸びに起因する加工のずれが防止されるようになっている。
【0033】
本発明の一実施形態に係るシート搬送コンベアは、上述のように構成されているので、シートSの加工時には、まずドライバAからベルト駆動モータ28の出力トルクτが補正量演算手段52に入力されて、この出力トルクτと入口ロール23から各シリンダまでの距離xとに基づいて補正量演算手段52によりずれ量(補正量)δが算出される。
【0034】
具体的には、まず、モータ28のトルクτに基づいてベルト張力が算出されるとともに、上記ベルト張力に基づきベルト伸び率が算出される。また、ベルト27の伸び率が算出されると、式(1)にベルト27の伸び率、及び入口ロール23から各ユニットまでの距離xを代入することで速度比が算出される。
そして、この速度比を入口ロール23から各ユニットまでの距離xで積分することで各ユニットにおけるシート遅れ(割出補正量)δがそれぞれ算出される。
【0035】
また、基本割出位置設定手段61〜66で設定された基本割出設定値Rに、上記の割出補正量δを加算することにより、割出目標値設定手段71〜76において最終的な割出目標値Tが設定される。
そして、上記割出目標値Tに基づいて各ドライバA〜Aにより各シリンダ10,32,36の位相を変更することにより、ベルト27の伸びに起因する割出誤差が自動的に補正されるのである。
【0036】
したがって、本願発明によれば、割出誤差が抑制されるため段ボールシート加工ずれを防止でき、品質の高い段ボールシートを製造することができるという利点がある。また、ベルト伸びに起因する割出誤差を自動的に補正するので作業者が作業の都度に割出を行なう必要もなくなり生産性も大きく向上する。
また、モータドライバAが内部で演算したトルク出力値τを使用しているので、特別のトルク計測装置等を別途設ける必要がなく、コスト的に安価な装置とすることができる。
【0037】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明のシート搬送コンベアによれば、サクションベルトの伸びに起因する加工誤差(割出誤差)を自動的に補正することができ、品質の高い段ボールシートを製造することができるという利点があるほか、ベルト伸びに起因する割出誤差を自動的に補正するので作業者が作業の都度に割出を行なう必要もなくなり生産性も大きく向上する(請求項1,2)。
【0038】
また、トルク検知手段としてモータドライバを用いるので、トルク計測装置等を別途設ける必要がなく、安価な構成とすることができる(請求項3)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかるシート搬送コンベアが適用される段ボール製函機の全体構成を示す模式図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかるシート搬送コンベアの補正量の推定手法について説明する図である。
【図3】一般的な段ボール製函機の全体構成を示す模式図である。
【図4】サクションベルト及びサクションボックスの形状を示す模式的な斜視図である。
【図5】(a),(b)ともシートの加工誤差について説明するための図である。
【符号の説明】
1 給紙テーブル
2 スタック
3 給紙装置
4 フィードロール
5 シート搬送コンベア
10 印刷シリンダ
10a 印版
11 駆動モータ
13 インキ供給装置
20 受ロール
21 サクションボックス
21a サクション溝
21b サクション穴
22 サクションブロア
23 入口ロール
24 出口ロール
25 ベルト駆動ロール
26 アイドラロール
27 サクションベルト
27a 穴
28 ベルト駆動モータ
30 第1罫線ヘッド
31 第2罫線ヘッド
32 溝切ヘッド
33 駆動モータ
34 溝切ナイフ
36 打抜シリンダ
37 送りロール
38 駆動モータ
39 打抜型
41 1色目印刷物
42 2色目印刷物
43 3色目印刷物
44 4色目印刷物
45 溝部及び糊付代
46 穴部
51 駆動モータ制御装置
52 補正量演算手段(演算手段)
61〜66 基本割出位置設定手段
71〜76 割出目標値設定手段
F 給紙ユニット
P 印刷ユニット
K 溝切ユニット
D 打抜ユニット
C シリンダ周長
B 基準線
R 割出設定値
T 割出目標値
モータドライバ(トルク検知手段)
δ 割出補正量
τ モータの出力トルク

Claims (3)

  1. シートをベルト上で負圧により吸引して搬送するシート搬送コンベアであって、
    該ベルトを駆動するモータと、
    該モータの駆動トルクを検知するトルク検知手段と、
    該トルク検知手段からの情報に基づき該ベルトの伸びを推定又は演算するとともに、該推定又は演算されたベルトの伸びに基づいて、該ベルトの伸びに起因する加工誤差を補正するための補正量を演算する演算手段とを有している
    ことを特徴とする、シート搬送コンベア。
  2. 該演算手段は、
    該ベルト張力に基づき任意の位置におけるベルト伸び率を算出するとともに、
    該伸び率に基づき、該モータの駆動力が入力される部位におけるベルトの速度と、該任意の位置でのベルトの速度との比を速度比として下式に基づき算出し、
    該速度比を該シートの搬送開始位置から該任意の位置までの距離で積分することにより該任意の位置における補正量を算出する
    ことを特徴とする、請求項1記載のシート搬送コンベア。
    速度比=(1+任意の位置でのベルト伸び率)/(1+モータの駆動力が入力される部分でのベルト伸び率)
  3. 該トルク検知手段が、該モータへの駆動制御信号を出力するモータドライバである
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載のシート搬送コンベア。
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