JP2005013979A - 塗料スラッジ回収装置用吸引式取水機 - Google Patents

Abstract

【課題】本発明は、水面の上下動に迅速かつ確実に追従し、塗料スラッジの回収効率を上昇させるようにした塗料スラッジ回収装置用吸引式取水機を提供することにある。
【解決手段】塗料スラッジ回収装置用吸引式取水機１は、浮上した不純ごみや塗料スラッジ等を原水と共に吸引する吸引体２と、吸引した原水から不純ごみや塗料スラッジ等を分離回収する分離体４と、該分離後の原水と共に塗料スラッジ等を塗料スラッジ回収装置へ給送する給送機５と、からなる。
【効果】本発明の構成によれば、水面の上下動に迅速かつ確実に追従し、吸引口を常時一定レベルで水面下に位置させて、吸引管の先端が常時水中にあるようにして、エアの吸込とこれに伴うエアハンマを阻止すると共に、塗料スラッジの回収効率を上昇させる、原水を効率良く浄化することが出来るようになる優れた効果がある。
【選択図】 図１

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、塗料スラッジ回収装置に用いる吸引式取水機に関し、特に水面の上下動に迅速かつ確実に追従し、塗料スラッジの回収効率を上昇させるようにした塗料スラッジ回収装置用吸引式取水機に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、塗料スラッジ回収装置に用いる取水機に関しては、
フロート水面と空気との境界線に塗料スラッジが付着し、塗料スラッジが成長して、重量が増加し、フロートが沈んで、吸引口が調整水面より低くなり、浮上スラッジの回収効率が低下するという問題点や、
電動モートルブロックスイッチに塗料スラッジが付着して、誤動作を生じ易いことや故障発生により、設備費用とランニングコストがアップしたり、設備の運転・停止が必要となる等の問題点があった。
【０００３】
そこで、本発明者は、先に、図５に良く示されているように、吸引口を常時一定レベルで水面下に位置することができるようにして、吸引管が常時水中にあるようにし、エアの吸込とこれに伴うエアハンマを阻止することができるようにすると共に、塗料スラッジの流入と吸引を阻害するホース等の邪魔物が水面上に存在しないようにすることで、塗料スラッジの回収効率を上昇せしめ、これらの相乗効果によって、原水浄化作用を飛躍的に向上し得る塗料スラッジ回収装置用吸引式取水機を提供した。
【０００４】
本発明者は、さらに、塗料スラッジの回収効率に優れた塗料スラッジ回収装置用吸引式取水機を発明したので、ここに提供するものである。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来技術の問題点に鑑み、本発明の主な目的は、
吸引口を水面の上下動に迅速かつ確実に追従させて、吸引管の先端が常時水中にあるようにして、塗料スラッジの回収効率を上昇させ、原水浄化作用を飛躍的に向上し得る塗料スラッジ回収装置用吸引式取水機を提供することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、本発明によれば、
吸引体により原水と共に吸引した塗料スラッジ等を分離体によって分離回収すると共に、給送機により塗料スラッジ回収装置へ給送する塗料スラッジ回収装置用吸引式取水機にあって、
該吸引体は、水面変化に追従して昇降する水面追従可能な吸引体であり、
水面の上下動に迅速かつ確実に追従し、吸引口を常時一定レベルで水面下に位置させて、吸引管の先端が常時水中にあるようにして、エアの吸込とこれに伴うエアハンマを阻止すると共に、塗料スラッジの回収効率を上昇させる、
ことを特徴とする塗料スラッジ回収装置用吸引式取水機、
を提供することにより達成される。
【０００７】
【作用】
このように、本発明の塗料スラッジ回収装置用吸引式取水機によれば、
水面の上下動に迅速かつ確実に追従し、吸引口を常時一定レベルで水面下に位置させて、吸引管の先端が常時水中にあるようにして、エアの吸込とこれに伴うエアハンマを阻止すると共に、塗料スラッジの回収効率を上昇させる、という考え方であり、
塗料スラッジの回収を迅速かつ確実に行うことで、原水を効率良く浄化することが出来るようになる優れた効果がある。
【０００８】
すなわち、
（１）吸引口を水面の上下動に迅速かつ確実に追従させ、吸引口が常時水中にあるようにしたので、エア吸込とこれに伴うエアハンマを阻止することができる。
（２）変動する水位に対して迅速かつ確実に追従出来るので、設備の運転停止を可及的に減少でき、浮上した塗料スラッジを効率的に回収することができる。
（３）吸引口を水面の上下動に迅速かつ確実に追従させ、水面上に浮上した塗料スラッジと水中にある塗料スラッジとを回収できる為、構造を小さくでき、スペースを節約できると共に、設備費用とランニングコストとを大幅に安くできる。
（４）変動する水位に対して迅速かつ確実に追従出来るので、塗料スラッジの回収効率を向上させることで、原水の浄化能力を上昇せしめ、これらの相乗効果によって、浄化作用を飛躍的に向上させることができる。
【０００９】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態の一実施例について詳述する。
【００１０】
図１〜図３は、本発明に基づく塗料スラッジ回収装置用吸引式取水機の実施の形態の第一実施例を示している。
【００１１】
該塗料スラッジ回収装置用吸引式取水機１は、
浮上した不純ごみや塗料スラッジ等を原水と共に吸引する吸引体２と、
吸引した原水から不純ごみや塗料スラッジ等を分離回収する分離体４と、
該分離後の原水と共に塗料スラッジ等を塗料スラッジ回収装置へ給送する給送機５と、を備えてなり、
原水を吸引分離して分離後の原水と共に、塗料スラッジを塗料スラッジ回収装置へ給送して浄化した原水を循環利用させるものである。
【００１２】
該吸引体２は、水面変化に追従して昇降する水面追従可能なものであり、
内部に浮力調整水２１を収納可能な有底筒状に形成されたフロート２２と、
フロート２２の上端に連設され原水と共に塗料スラッジ等が流入する吸引カップ２３と、
吸引カップ２３内に先端の吸引口２４ａが配設されると共に吸引カップ２３に流入した原水を吸引する吸引管２４と、
吸引管２４の外側に摺動自在に嵌合された固定管２５と、
固定管２５と吸引カップ２３とを連結固定する固定アーム２６と、
固定アーム２６と吸引管２４を弾性的に連結するばね等の弾性体２７と、を備えてなり、水面の上下動に迅速かつ確実に追従し、吸引口２４ａを常時一定レベルで水面下に位置させて、吸引管２４の先端の吸引口２４ａが常時水中にあるようにして、エアの吸込とこれに伴うエアハンマを阻止すると共に、塗料スラッジの回収効率を上昇させるものである。
【００１３】
上記フロート２２は、
縦長の中空円筒状等の中空筒状に形成されると共に、底部が円錐状等の錐状に閉塞形成され、かつ水中に鉛直状に配設されている。
【００１４】
また、上記吸引カップ２３は、
フロート２２と略同一径で、上端開口下端閉塞の中空円筒状等の中空筒状に形成されると共に、鉛直状に配設され、フロート２２の上端に固定されている。
【００１５】
さらに、上記吸引管２４は、
細円管状等の細管状に形成されると共に、先端の吸引口２４ａが上記吸引カップ２３内の中間部に配設され、後端が前記分離体４に連結されている。
【００１６】
また、上記固定管２５は、
鉛直状に配設された吸引カップ２３の上方の吸引管２４の外側に、所定長さで該吸引管２４の外径より若干大きな内径の細円管状等の細管状に形成されている。
【００１７】
これにより、吸引管２４の外側に固定管２５が昇降し得るように摺動自在に嵌合されている。
【００１８】
さらに、上記固定アーム２６は、
固定管２５の外壁と吸引カップ２３の外壁とを連結するようにクランク状に形成されると共に、上端が上記固定管２５の外面に、下端が上記吸引カップ２３の外面の下部に、夫々固定されている。
【００１９】
また、上記弾性体２７は、吸引管２４と固定管２５とを付勢するスプリングであり、本実施例にあっては引張コイルスプリングに形成されており、固定アーム２６と吸引管２４とを弾性的に連結している。
【００２０】
また、上記吸引管２４には、細円柱状のスリット用突起２４ｂが設けられると共に、前記固定管２５には、該スリット用突起２４ｂに嵌合する縦長孔状の昇降スリット２５ａが設けられている。
【００２１】
さらに、上記フロート２２の下部には、
浮力調整水が出入自在な調整プラグ２８が設けられている。
【００２２】
また、上記吸引カップ２３の上部には、
空吸引を防止する上端が開口された所定長さの縦長孔状の吸引スリット２３ａが開設されている。
【００２３】
さらに、前記分離体４は、
上端開口が蓋４１により閉塞された真空圧に耐え得る真空タンク４２と、
真空タンク４２内に配設されると共に、塗料スラッジ回収装置では回収不能な粗大形状の不純ごみや塗料スラッジ等を回収可能にパンチングメタルその他からなるストレーナ４３と、
真空タンク４２内の真空を解除する真空解除バルブ４４と、
真空タンク４２内の原水を排除するドレンバルブ４５と、
前記吸引管２４から原水を導入する導入バルブ４６と、
から構成されている。
【００２４】
また、前記給送機５は、
該真空タンク４２内を真空にし、かつ上記真空タンク４２内に、
塗料スラッジ回収装置では回収不能な粗大形状の不純ごみや塗料スラッジ等を原水と共に導入し、さらに該粗大形状の不純ごみや塗料スラッジ等を分離した原水と共に、微粒状の不純ごみや塗料スラッジ等を塗料スラッジ回収装置へ給送するダイヤフラムポンプ５１と、
該ダイヤフラムポンプ５１を駆動するエアを供給すると共に、供給を開閉するエアバルブ５２を備えているエアセット５３と、
該ダイヤフラムポンプ５１により粗大形状の不純ごみや塗料スラッジ等を除去後の原水と微粒状不純ごみや塗料スラッジ等を塗料スラッジ回収装置へ給送する通路である給送管５４と、
から構成されている。
【００２５】
このように、本発明の塗料スラッジ回収装置用吸引式取水機１によれば、
不純ごみや塗料スラッジ等の回収を効率的に行うことができると共に、誤動作や故障が生ずることを可及的に阻止でき、さらに塗料スラッジの回収を迅速かつ確実に行うことで、原水を効率良く浄化することが出来る。
【００２６】
次に、上記第一実施例の作用について説明する。
【００２７】
このように、上記実施例の塗料スラッジ回収装置用吸引式取水機によれば、水面の上下動に迅速かつ確実に追従し、吸引口を常時一定レベルで水面下に位置させて、吸引管の先端が常時水中にあるようにして、エアの吸込とこれに伴うエアハンマを阻止すると共に、塗料スラッジの回収効率を上昇させることが出来る。
【００２８】
従って、塗料スラッジの回収を迅速かつ確実に行うことで、原水浄化作用を飛躍的に向上することが出来るようになる。
【００２９】
すなわち、
（１）まず、水面上に浮上した塗料スラッジを回収するには、吸引カップを水面下１０〜２０ｍｍ程度沈める。
（２）また、水中を浮遊する塗料スラッジを回収するには、該浮遊する塗料スラッジの深さに応じた深さまで吸引カップを沈める。
（３）この際、吸引管の先端の吸引口を引き上げようとする弾性体の張力と、沈み加減に調整されたフロートとのバランスで、常に水面下に吸引口が漂っており、設定したストローク内にて吸引口が水中を上下する。
（４）また、この吸引口の位置により、吸込能力（処理量）が変化し、吸込まれる水面の流速が変化する。
（５）この結果、塗料スラッジの吸込みに強弱ができ、吸引カップエッジへの塗料スラッジ付着を防止すると共に、塗料スラッジ吸引効率を引上げる。
（６）さらに、これによって、性状の異なる水面上と水面下の塗料スラッジをむらなく回収することができる。
（７）次に、吸引カップ内に循環水が溜まると、その重さにより吸引口が下降して吸引量が上がる。
（８）また、ダイヤフラムポンプの吸引量は、吸引カップ内に流入する水量より大きく設定してあるので、吸引カップ内の水量が徐々に減少し、それと共に吸引カップは軽くなり、弾性体の張力も手伝い、吸引カップが吸引管に引寄せられ吸引口が上昇する。
（９）さらに、この吸引口が上昇すると吸引カップ内への循環水の流入量が減り、処理量が減少する。
（１０）また、この吸引口の上昇に伴い、吸引口からの若干の空気の巻込みが発生することになり、一層の吸込み量の減少となり、吸引口が下降する。
（１１）このように、吸引口の上昇と下降の動作を繰り返すことになり、吸引口を水面の上下動に迅速かつ確実に追従し、吸引口を常時一定レベルで水面下に位置させ、吸引管の先端が常時水中にあるようにし、エア吸込とこれに伴うエアハンマを阻止すると共に、塗料スラッジの回収効率を上昇させることが出来る。
（１２）一方、前記吸引カップと固定管とを固定アームで固定すると共に、該固定アームと吸引管とを弾性体により接続したので、吸引カップの沈み過ぎが防止される。
（１３）次に、適切なエアー圧や流量等を設定した後、エアーバルブを開ける。
（１４）これにより、ダイヤフラムポンプが運転を開始する。
（１５）上記ダイヤフラムポンプを運転開始することにより、原水と共に上記塗料スラッジ等を吸引口から吸水することで、粗大形状の不純ごみや塗料スラッジ等の分離を開始する。
（１６）また、該ダイヤフラムポンプの稼働により、真空タンク内が真空になり、吸引口から原水が吸込まれストレーナに粗大形状の不純物等が回収される。
（１７）これにより、粗大形状の不純物等がストレーナに捕獲された後、粗大形状の不純ごみや塗料スラッジ等が回収された原水が、微粒状の不純ごみや塗料スラッジ等と共にダイヤフラムポンプにより塗料スラッジ回収装置に給送される。
（１８）この際、真空タンク内が満水になると原水吸引が一時的に停止される。
（１９）原水吸引の一時的停止により、真空タンクに原水を給水する通路に設けられた導入バルブを閉鎖して、真空タンクに設けられた真空解除バルブを開放して、分離水がでなくなるまで運転を行う。
（２０）分離水が出なくなったところで、真空解除バルブを閉鎖して、導入バルブを開けて、真空タンクに原水を導入する通路をあけ、原水を吸引する。
（２１）前記ストレーナが粗大形状の不純ごみや塗料スラッジ等で一杯になり、真空タンク内の負圧とポンプ駆動用のエア圧とがバランスした所で、ダイヤフラムポンプが停止して、分離処理が終了する。
（２２）真空タンクの上方に設けられた真空解除バルブを開けて、真空タンク内の真空状態を解除する。
（２３）これにより、真空タンクの上部に設けられた蓋を開けて、ストレーナを取り出す。
（２４）ストレーナの粗大形状の不純ごみや塗料スラッジ等を排除することで、作業を終了し、再び運転を開始する。
（２５）ダイヤフラムポンプの作動を電気的に監視し、運転終了を知らせることができる。
【００３０】
図４は、本発明に基づく塗料スラッジ回収装置用吸引式取水機１の実施の形態の第二実施例を示している。
【００３１】
本第二実施例の塗料スラッジ回収装置用吸引式取水機１は、上記第一実施例と同様に、吸引体２と分離体４と給送機５とからなるが、該第一実施例と異なり、前記分離体４を利用して独立した塗料スラッジ回収機６を構成したものである。
【００３２】
すなわち、該第二実施例によれば、
該塗料スラッジ回収機６は、
浮上した不純ごみや塗料スラッジ等を原水と共に吸引する吸引体２と、
該吸引原水から不純ごみや塗料スラッジ等を分離回収する回収体７と、
該分離後の原水のみを循環水槽等へ給送する分離水給送機８と、からなり、
原水を吸引分離して分離後の分離水のみを循環水槽や塗装ブース等の水使用箇所に給送させることで、浄化した原水を循環利用させるものである。
【００３３】
該回収体７は、
上端開口が蓋４１により閉塞された真空圧に耐え得る真空タンク４２と、
該真空タンク４２内に配設されると共に、粗大形状の不純ごみや塗料スラッジ等を捕獲して回収可能なパンチングメタルその他からなるスラッジ回収体７１と、上記真空タンク４２内の真空を解除する真空解除バルブ４４と、
真空タンク４２内の原水を排除するドレンバルブ４５と、
前記吸引管２４から原水を導入する導入バルブ４６と、から構成されている。
【００３４】
該スラッジ回収体７１は、
上記真空タンク４２内に配設されると共に、粗大形状の不純ごみや塗料スラッジ等を捕獲し、かつ回収可能にパンチングメタルその他からなり、分離後の分離水を循環水槽や塗装ブース等の水使用箇所に給送させるものである。
【００３５】
前記分離水給送機８は、
該真空タンク４２内を真空にし、かつ上記真空タンク４２内で分離した分離後の分離水のみを循環水槽等へ給送するダイヤフラムポンプ５１と、
該ダイヤフラムポンプ５１を駆動するエアを供給すると共に、供給を開閉するエアバルブ５２を備えているエアセット５３と、
該ダイヤフラムポンプ５１により分離後の分離水のみを循環水槽等へ給送する通路である給送管５４と、から構成されている。
【００３６】
この際、ストレーナ４３より目の細かいスラッジ回収体７１を真空タンク４２内に設置することにより、粗大形状の不純ごみや塗料スラッジ等に止まらず、微粒状の不純ごみや塗料スラッジ等を回収することも可能となるので、本機を回収装置として使用することができる。
【００３７】
従って、原水を吸引分離して分離後の分離水のみを循環水槽や塗装ブース等の水使用箇所に給送させることで、浄化した原水を循環利用させるのである。
【００３８】
次に、本第二実施例の作用について説明する。
【００３９】
このように、上記実施例の塗料スラッジ回収装置用吸引式取水機によれば、原水を吸引分離して分離後の分離水のみを循環水槽や塗装ブース等の水使用箇所に給送させることで、浄化した原水を循環利用させることが出来るようになる。
【００４０】
すなわち、
（１）まず、適切なエアー圧や流量等を設定した後、エアーバルブを開ける。
（２）これにより、ダイヤフラムポンプが運転を開始する。
（３）上記ダイヤフラムポンプを運転開始することにより、原水と共に上記塗料スラッジを吸引口から吸水することで、不純ごみと塗料スラッジ等の分離を開始する。
（４）また、該ダイヤフラムポンプの稼働により、真空タンク内が真空になり、取水口から原水が吸込まれスラッジ回収体に原水が回収される。
（５）これにより、粗大形状の不純ごみや塗料スラッジ等は、スラッジ回収体に捕獲され、粗大形状の不純ごみと塗料スラッジ等が回収された後、分離水のみがダイヤフラムポンプにより循環水槽や塗装ブース等の水使用箇所に給送される。
（６）この際、真空タンク内が満水になると原水吸引が一時的に停止される。
（７）原水吸引の一時的停止により、真空タンクに原水を給水する通路に設けられた導入バルブを閉鎖して、真空タンクに設けられた真空解除バルブを開放して、分離水がでなくなるまで運転を行う。
（８）分離水が出なくなったところで、真空解除バルブを閉鎖して、導入バルブを開けて、真空タンクに原水を給水する通路をあけ、原水を吸引する。
（９）スラッジ回収体内が粗大形状の不純ごみや塗料スラッジ等で一杯になり、真空タンク内の負圧とポンプ駆動用のエア圧とがバランスした所で、ダイヤフラムポンプが停止して、分離処理が終了する。
（１０）この際、ストレーナより目の細かいスラッジ回収体を真空タンク内に設置することにより、粗大形状の不純ごみや塗料スラッジ等に止まらず、微粒状の不純ごみや塗料スラッジ等を回収して、分離後の分離水のみを循環水槽等へ給送することが可能となるので、本機を回収装置として使用することができる。
（１１）真空タンクの上方に設けられた真空解除バルブを開けて、真空タンク内の真空状態を解除する。
（１２）これにより、真空タンクの上部に設けられた蓋を開けて、スラッジ回収体を取り出す。
（１３）スラッジ回収体を取り出して、スラッジ回収体から粗大形状の不純ごみや塗料スラッジ等を排除することで、作業を終了し、再び運転を開始する。
（１４）ダイヤフラムポンプの作動を電気的に監視し、運転終了を知らせることができる。
【００４１】
尚、本発明は上記実施の形態に限られることなく多くの変形例が考えられる。
【００４２】
例えば、フロート２２、吸引カップ２３、吸引スリット２３ａ、吸引管２４、吸引口２４ａ、スリット用突起２４ｂ、固定管２５、昇降スリット２５ａ、固定アーム２６、弾性体２７、調整プラグ２８、蓋４１、真空タンク４２、ストレーナ４３、給送管５４、スラッジ回収体７１は、上記実施例のものに限られることなく、種々の形状のものや大きさのもの、さらに種々の材料のものを適用でき、性能向上を図る等することが出来、上記実施例に限定されず、多くの変形例が考えられる。
【００４３】
また、例えば、本発明の固定アーム２６は、上記実施の形態にあっては、クランク状に形成したが、これに限られることなく、半円状や半長円状等、固定管２５の外壁と吸引カップ２３の外壁とを連結し得るものならば、種々の形状や大きさや種々の材料のものを適用でき、多くの変形例が考えられる。
【００４４】
【発明の効果】
このように、本発明の塗料スラッジ回収装置用吸引式取水機によれば、
水面の上下動に迅速かつ確実に追従し、吸引口を常時一定レベルで水面下に位置させて、吸引管の先端が常時水中にあるようにして、エアの吸込とこれに伴うエアハンマを阻止すると共に、塗料スラッジの回収効率を上昇させる、という考え方であり、
塗料スラッジの回収を迅速かつ確実に行うことで、原水を効率良く浄化することが出来るようになる優れた効果がある。
【００４５】
すなわち、
（１）吸引口を水面の上下動に迅速かつ確実に追従させ、吸引口が常時水中にあるようにしたので、エア吸込とこれに伴うエアハンマを阻止することができるという効果がある。
（２）変動する水位に対して迅速かつ確実に追従出来るので、設備の運転停止を可及的に減少することができ、浮上した塗料スラッジを効率的に回収することができるという効果がある。
（３）吸引口を水面の上下動に迅速かつ確実に追従させて、水面上に浮上した塗料スラッジと水中にある塗料スラッジとを回収できる為、構造を小さくすることができ、スペースを節約できると共に、設備費用とランニングコストとを大幅に安くできるという効果がある。
（４）変動する水位に対して迅速かつ確実に追従出来るので、塗料スラッジの回収効率を向上させることで、原水の浄化能力を上昇せしめ、これらの相乗効果によって、浄化作用を飛躍的に向上させることができるという効果がある。
（５）吸引カップと固定管とを固定アームで固定すると共に、該固定アームと吸引管とを弾性体により接続したので、吸引カップの沈み過ぎが防止され、吸引口が常時水中の所定位置にあるようにしたので、エア吸込とこれに伴うエアハンマを阻止することができるという効果がある。
（６）フロートは、縦長の有底中空筒状に形成され、水中に鉛直状に配設されているので、横断面積が減少して浮力調整水が入った状態での水中での姿勢が安定化するという効果がある。
（７）調整プラグが設けられているので、浮力調整水の出し入れが簡易であり、取扱いが容易となるという効果がある。
（８）吸引カップの上部に上端が開口された所定長さの縦長孔状の吸引スリットが開設されているので、吸引口の上がり過ぎによる吸引口内の渇水を阻止して空吸引を防止することができるという効果がある。
（９）吸引カップと固定管とを固定する固定アームを吸引カップの上部を避けて下部に設けたので、吸引カップ周辺の死角を無くすと共に、塗料スラッジの付着を阻止することができ、作動を安定化し、塗料スラッジ等の回収効率をより一層上昇せしめることができるという効果がある。
（１０）変動水位に対して迅速かつ確実に追従出来るので、不純ごみや塗料スラッジ等の回収効率を向上させることで、原水の浄化能力を上昇せしめ、これらの相乗効果によって、浄化作用を飛躍的に向上させることができるという大なる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に基づく塗料スラッジ回収装置用吸引式取水機の実施の形態の第一実施例を示す構成図である。
【図２】同実施例の吸引体を示す構成図である。
【図３】同実施例の分離体と給送機を示す構成図である。
【図４】本発明に基づく塗料スラッジ回収装置用吸引式取水機の実施の形態の第二実施例を示す構成図である。
【図５】従来例の塗料スラッジ回収装置を示す構成図である。
【符号の説明】
１ 塗料スラッジ回収装置用吸引式取水機
２ 吸引体
４ 分離体
５ 給送機
６ 塗料スラッジ回収機
７ 回収体
８ 分離水給送機
２１ 浮力調整水
２２ フロート
２３ 吸引カップ
２３ａ 吸引スリット
２４ 吸引管
２４ａ 吸引口
２４ｂ スリット用突起
２５ 固定管
２５ａ 昇降スリット
２６ 固定アーム
２７ 弾性体
２８ 調整プラグ
４１ 蓋
４２ 真空タンク
４３ ストレーナ
４４ 真空解除バルブ
４５ ドレンバルブ
４６ 導入バルブ
５１ ダイヤフラムポンプ
５２ エアバルブ
５３ エアセット
５４ 給送管
７１ スラッジ回収体

Claims (14)

1. 吸引体により原水と共に吸引した塗料スラッジ等を分離体によって分離回収すると共に、給送機により塗料スラッジ回収装置へ給送する塗料スラッジ回収装置用吸引式取水機にあって、
   該吸引体は、水面変化に追従して昇降する水面追従可能な吸引体であり、
   水面の上下動に迅速かつ確実に追従し、吸引口を常時一定レベルで水面下に位置させて、吸引管の先端が常時水中にあるようにして、エアの吸込とこれに伴うエアハンマを阻止すると共に、塗料スラッジの回収効率を上昇させる、
   ことを特徴とする塗料スラッジ回収装置用吸引式取水機。
2. 吸引体は、
   内部に浮力調整水を収納可能な有底筒状に形成されたフロートと、
   フロートの上端に連設され原水と共に塗料スラッジ等が流入する吸引カップと、吸引カップ内に先端吸引口が配設されると共に吸引カップに流入した原水を吸引する吸引管と、
   吸引管の外側に摺動自在に嵌合された固定管と、
   固定管と吸引カップとをとを連結固定する固定アームと、
   固定アームと吸引管とを弾性的に連結するばね等の弾性体と、を備えた、
   ことを特徴とする請求項１記載の塗料スラッジ回収装置用吸引式取水機。
3. フロートは、
   縦長の中空円筒状等の中空筒状に形成されると共に、底部が円錐状等の錐状に閉塞形成され、かつ水中に鉛直状に配設されている、
   ことを特徴とする請求項２記載の塗料スラッジ回収装置用吸引式取水機。
4. 吸引カップは、
   フロートと略同一径で、上端開口下端閉塞の中空円筒状等の中空筒状に形成されると共に、鉛直状に配設され、フロートの上端に固定されている、
   ことを特徴とする請求項２記載の塗料スラッジ回収装置用吸引式取水機。
5. 吸引管は、
   細円管状等の細管状に形成されると共に、先端吸引口が吸引カップ内の中間部に配設され、後端が分離体に連結されている、
   ことを特徴とする請求項２記載の塗料スラッジ回収装置用吸引式取水機。
6. 固定管は、
   吸引カップの上方の吸引管の外側に摺動自在に嵌合される所定長さの細円管状等の細管状に形成されている、
   ことを特徴とする請求項２記載の塗料スラッジ回収装置用吸引式取水機。
7. 固定アームは、
   固定管の外壁と吸引カップの外壁とを連結するようにクランク状等の取手状に形成されている、
   ことを特徴とする請求項２記載の塗料スラッジ回収装置用吸引式取水機。
8. 弾性体は、
   吸引管と固定管とを付勢するスプリングである、
   ことを特徴とする請求項２記載の塗料スラッジ回収装置用吸引式取水機。
9. 吸引管には、
   スリット用突起が設けられると共に、固定管にはスリット用突起に嵌合する縦長孔状の昇降スリットが設けられている、
   ことを特徴とする請求項２記載の塗料スラッジ回収装置用吸引式取水機。
10. フロートの底部には、
    浮力調整水が出入自在な調整プラグが設けられている、
    ことを特徴とする請求項３記載の塗料スラッジ回収装置用吸引式取水機。
11. 吸引カップの上部には、
    空吸引を防止する上端が開口された縦長孔状の吸引スリットが開設されている、ことを特徴とする請求項４記載の塗料スラッジ回収装置用吸引式取水機。
12. 水面変化に追従して昇降して水面追従すると共に、浮上した不純ごみと塗料スラッジ等を原水と共に吸引する吸引体と、
    吸引原水から不純ごみと塗料スラッジ等を分離回収する回収体と、
    該分離後の分離水のみを循環水槽等へ給送する分離水給送機と、
    からなる塗料スラッジ回収機を備えてなり、
    原水を吸引分離して分離後の分離水のみを循環水槽や塗装ブース等の水使用箇所に給送させることで浄化した原水を循環利用させる、
    ことを特徴とする塗料スラッジ回収装置用吸引式取水機。
13. 回収体は、
    上端開口が蓋により閉塞された真空圧に耐え得る真空タンクと、
    真空タンク内に配設されると共に不純ごみや塗料スラッジ等を捕獲して回収可能なパンチングメタルその他からなるスラッジ回収体と、
    真空タンク内の真空を解除する真空解除バルブと、
    真空タンク内の原水を排除するドレンバルブと、
    前記導入管から原水を導入する導入バルブと、
    から構成されている、
    ことを特徴とする請求項１２記載の塗料スラッジ回収装置用吸引式取水機。
14. 分離水給送機は、
    真空タンク内を真空にし、かつ真空タンク内で分離した分離後の分離水のみを循環水槽等へ給送するダイヤフラムポンプと、
    ダイヤフラムポンプを駆動するエアを供給すると共に、供給を開閉するエアバルブを備えているエアセットと、
    ダイヤフラムポンプにより分離後の分離水のみを循環水槽等へ給送する通路である給送管と、
    から構成されている、
    ことを特徴とする請求項１２記載の塗料スラッジ回収装置用吸引式取水機。

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